JP3259959B2 - 複合材とその製造方法 - Google Patents

複合材とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インサート材として金属間化合物を利用す
る複合材とその製造方法に関する。
[従来の技術] 金属間化合物は耐熱性,耐酸化性,耐摩耗性等に優れ
しかも軽量に構成でき、また、超電導等の機能性を有す
るなどの優れた性質をもつため、各種用途に使われる素
材としてきわめて有望視されている。
金属間化合物の例として、Ti−Al系,Ni−Al系,Ni−Ti
系,Co−Ti系,Fe−Al系,Mo−Al系,Mo−Si系,Nb−Al系,Ti
−Si系等の2元系や、Fe−Al−Si系,Al−Ga−As系等の
多元系が知られている。具体的には、構造材として、Ti
Al,Ti3Al,Al3Ti,Co3Ti,Ni3Al,NiAl,FeAl,Mo3Al8,MoSi2,
Nb3Al,Ti5Si3等が知られている。また形状記憶効果を有
するTiNi,CuZn等や、超電導材料としてNb3Sn,V3Ga,Nb3G
a,Nb3Ge等、磁性材料としてFe3(AlSi)、SmCo5、半導
体及びその他の機能性材料としてInSb,GaAs,Bi2Te3,ZnS
e等、その他にも多くのものがある。
金属間化合物を利用する製品例としては、高温で使用
される外壁材や、タービン部材、ピストンやバルブシス
テム等のエンジン部品、弾性部材、あるいは超電導等の
各種金属間化合物に固有の優れた性質を生かした機能部
品などが考えられる。
[発明が解決しようとする課題] 金属間化合物は上記のように優れた性質を有する反
面、接合に困難を伴う。例えば、電子ビーム溶接法によ
って接合を行なう場合、溶接部において結晶粒の粗大化
を生じたり、実用上無視できない程大きな欠陥が生じる
ことがある。ろう付けや接着剤による接合も考えられる
が、接合部の耐熱性や機械的性質や固有の機能性等が母
材よりも劣る。
また、接合部を加圧しつつ加熱することによって高温
下で接合させることも考えられるが、接合部が軟化する
温度まで加熱されると所定の形状を維持することが困難
となる。
従って本発明の目的は、金属間化合物や高融点金属の
ように耐熱性を有する部材同志または超電導等の機能部
品を高品質かつ安価に接合でき、接合時の加熱温度が比
較的低くてすみ、接合部が母材に劣らない性能を発揮で
きるような接合部の組織,欠陥等の制御がなされた複合
材とその製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を果たすために開発された本発明の複合材
は、Ti−Al系金属間化合物からなる第1の部材と、Ti−
Al系金属間化合物からなる第2の部材と、インサート材
とからなる複合材であって、上記インサート材が、Ti−
Al系金属間化合物を形成可能な組成比で混合されたTiと
Alを含有し上記第1および第2の部材とは別体に形成さ
れた混合金属圧着体を蒸気第1および第2の部材の間に
互いに密接した状態で配置し、その後にTi−Al系金属間
化合物が形成される温度で熱処理し、金属間化合物形成
時の発熱を利用しつつ形成したものであり、上記第1の
部材と第2の部材とが上記インサート材との界面で互い
に拡散を伴って接合され、その拡散を生じている接合部
の気孔率が3%以下で欠陥として存在する空孔または割
れの最大長さが100μm以下であることを特徴とする。
上記複合材を得るための本発明方法は、Ti−Al系金属
間化合物からなる第1の部材とTi−Al系金属間化合物か
らなる第2の部材とをインサート材を介して互いに接合
する複合材の製造方法であって、TiとAlをその組成比が
Ti−Al系金属間化合物を形成可能な組成比となるように
混合し含有させて混合金属圧着体を作製し、この混合金
属圧着体を上記第1の部材と第2の部材との間に互いに
密接した状態で配置し、その後、Ti−Al系金属間化合物
が形成される温度で熱処理して、前記混合金属圧着体を
前記インサート材に変化させるとともに、金属間化合物
形成時に生じる発熱を利用して上記第1の部材と第2の
部材とをインサート材との界面で互いに接合させること
を特徴とする。
第1図に本発明方法による複合材製造工程の概略を示
している。
上記熱処理において、HP,HIP等の適宜の方法で加圧す
るとよい場合がある。その際に一軸プレスあるいは二軸
プレス等によって接合部を特定の方向から部材の自重以
上に加圧することにより、金属間化合物形成時のインサ
ート材に剪断応力を伴う流動を生じさせると、更に好ま
しい結果が得られることがある。
上記インサート材に使われる混合体の原料は、少なく
とも一部が金属間化合物形成前の金属材料から構成され
ている必要があるが、一部に金属間化合物を含んでいて
もよい。また、接合後の複合材の諸特性を改善する目
的、あるいは所望の部品形状への成形の容易化を図る目
的で、適宜の元素や酸化物,窒化物,炭化物等の化合物
が含まれていてもよい。上記原料は純金属の塊である必
要はなく、固溶体であってもよいし、めっき等によって
つくられた複合体であってもよい。混合前の原料の携帯
の例は、粉末,フレーク状,線材,箔等である。
上記混合体を構成する原料の混合方法ないし圧着方法
は、原料が粉末あるいはフレーク状である場合、V型混
合機,ボールミル,ミキサ等によって混合したものを押
出すか、金型プレスあるいはホットプレスまたはCIP
(冷間等方圧プレス成形)もしくはHIPによって圧着さ
せる。また、混合された上記原料を金属パイプに詰める
などして、スェージングマシンによって所定の外径にな
るまで鍛造するようにしてもよい。
線状原料の場合には、原料の線を束ねるかまたは撚り
合わせたのみ、伸線機あるいはスェージングマシン,押
出し機等を使って線同志を圧着させる。箔状原料の場合
には、箔を厚み方向に積層するかあるいは積層後に巻い
た状態で、圧延装置あるいはスェージングマシン,押出
し機により圧着させる。
上記混合圧着体の成形工程は冷間で行ってもよいが、
成形時の変形抵抗を減少させるために温間で行ってもよ
い。温間で成形する場合、金属間化合物が形成される温
度以下であることが好ましいが、組織の一部に金属間化
合物を生じる程度の短時間で成形が終了するなら、金属
間化合物が形成される温度以上の温間で成形を行っても
よい。
また上記成形工程は、適宜の方法により、大気中もし
くは真空中,不活性ガスあるいは酸化還元雰囲気ガス
等、あるいはこれら雰囲気を組合わせて行われてもよ
い。
なお上記混合体は、第1の部材あるいは第2の部材の
いずれか一方の接合予定部に、めっきや溶射、溶着等に
よって被着させてもよい。あるいは、第1の部材と第2
の部材の双方の接合予定部に、それぞれ上記混合体を構
成する異種原料の被膜を形成しておき、これらを互いに
密接させることによって、実質的に混合体からなるイン
サート材がつくり出されるようにしてもよい。
[作用] 所望の形状に加工された金属間化合物形成前のインサ
ート材は、第1の部材と第2の部材とにわたって設けら
れ、金属間化合物が形成される温度まで加熱される。こ
の熱処理によって拡散または自己燃焼焼結を生じ、金属
間化合物が形成されると同時に、金属間化合物形成時の
発熱もしくは自己燃焼反応熱により、第1の部材と第2
の部材とが接合される。自己発熱による温度は加熱温度
よりも高くなる。なお、熱処理時の変形を小さくする上
では、加熱温度を金属間化合物の固相線以下の温度域に
するとよい。金属間化合物の形成を終わらせるには、上
記温度を一定時間維持する必要のある場合がある。温度
が低いと時間が長くかかる。
本発明によるインサート材を用いた接合のメカニズム
は、金属間化合物形成時の上記自己発熱によって不純物
の除去・拡散、あるいは接合部界面の酸化被膜が破壊さ
れることや接合部界面が軟化もしくは一部が溶融して界
面の微細な凹凸が潰れ、双方が完全に密着することによ
る分子間力ないし金属結合的な力、そして拡散によると
考えられる。従って、接合部に溶融・凝固組織が形成さ
れることの防止ないし軽減などの接合部の組織や欠陥の
制御が容易になる。
[実施例] 以下に本発明の実施例について、第2図ないし第5図
を参照して説明する。第3図に示された複合材Aの一例
は、金属間化合物(TiAl+Ti3Al)からなる第1の部材1
1と、同じ金属間化合物(TiAl+Ti3Al)からなる第2の
部材12とを、金属間化合物(TiAl+Ti3Al)からなるイ
ンサート材13によって接合したものである。
第2図に示す製造工程の一例は、上記インサート材13
の材料である混合圧着体の原料を混合する工程20と、混
合された原料を圧着して形状を付与する必要に応じて行
われる混合圧着体製造工程21と、成形前熱処理工程22
と、成形工程23と、第1の部材11を製造する工程25と、
第2の部材12を製造する工程26と、第1の部材11および
第2の部材12にインサート材13を仮止めする工程30と、
金属間化合物の形成温度まで加熱する熱処理工程31と、
必要に応じて実施される熱処理後の加工工程32と、金属
間化合物形成後の熱処理工程33および仕上げ工程34を含
んでいる。
インサート材13の原料を混合する工程20においては、
一例としてガスアトマイズ法により作製した350メッシ
ュ以下のAl粉末と、350メッシュ以下のスポンジTi粉末
を重量分率でTi:Al=64%:36%の割合で、Arガス置換さ
れた乾式ボールミルを用いて混合する。この混合圧着体
(すなわち混合金属圧着体)は、後述する熱処理工程31
を経て、TiAl+Ti3Alの金属間化合物となる。
なお、この混合圧着体にTi:Al=37.17%:62.83%のを
割合で混合したものを用いた場合には、下記熱処理工程
31を経ることにより、Al3Tiの金属間化合物からなるイ
ンサート材13が得られる。
また、この混合圧着体にTi:Al=68.4%:31.6%の割合
で混合したものを用いた場合には、下記熱処理工程31を
経ることにより、TiAl+Ti3Alの金属間化合物からなる
インサート材13が得られる。
必要に応じて行われる混合圧着体の製造工程21におい
ては、金型プレスを用いて、所望形状の混合圧着体(こ
の場合、圧粉体)を得る。なお、金型プレスの代りに、
上記混合原料をパイプに詰め、ロータリスェージング等
によって各種形状に圧着させるようにしてもよい。
上記工程21が終了したのち、必要に応じて例えば真空
中で行われる焼鈍等の成形前熱処理工程22を実施するこ
とにより、前記工程21で混合圧着体を製造した時の加工
歪を除去し、変形抵抗を減少させる。また、混合圧着体
の圧着面を拡散によって強固なものとし、強度を向上さ
せる。
成形前熱処理工程22は、混合体もしくは混合圧着体の
不純物成分を拡散または除去する効果もある。この熱処
理工程22は、大気中もしくは真空中,不活性ガスあるい
は酸化還元雰囲気ガス等、あるいはこれら雰囲気を組合
わせて行われてもよい。処理温度は金属間化合物が形成
される温度以下が一般的であるが、圧着面の一部に金属
間化合物ができる程度の短時間の加熱であるなら金属間
化合物が形成される温度以上であってもかまわない。特
に、Ti−Al系の場合は200℃〜600℃の範囲がよい。
上記工程21によって得られた混合圧着体に、成形工程
23によって鍛造あるいは機械加工等を行ってもよい。但
し、前記工程21によって所望の形状が得られる場合は、
上記熱処理工程22および成形工程23を省略してもよい。
第1の部材11の製造工程25においては、一例としてガ
スアトマイズ法により作製した350メッシュ以下のAl粉
末と350メッシュ以下のスポンジTi粉末を、重量分率でT
i:Al=68.4%:31.6%の割合で、Arガス置換された乾式
ボールミルを用いて混合する。そののち、金型プレスあ
るいはパイプに詰めてスェージング加工するなどして、
所望形状の混合圧着体を得る。なお、この混合圧着体を
インサート材13の場合と同様の工程によって成形するよ
うにしてもよい。この混合圧着体を熱処理することによ
って、金属間化合物(TiAl+Ti3Al)からなる第1の部
材11が得られる。
第2の部材12の製造工程26においても、第1の部材11
の製造工程25と同様のプロセスを経ることにより、金属
間化合物(TiAl+Ti3Al)からなる第2の部材12を得
る。
なお製造工程25,26における製造方法は、上記方法以
外に、粉末焼結,鋳造,鍛造,機械加工等やこれらを組
合わせた方法のいずれでもよく、製造方法は限定されな
い。
上記工程を経て得られた金属間化合物からなる第1の
部材11と第2の部材12との間に、金属間化合物形成前の
インサート材(混合金属圧着体)13を位置させ、互いに
密接させた状態で仮止めするとよい場合がある。仮止め
方法としては、線材で縛ったり、凹凸嵌合、圧接、摩擦
圧接、接着剤、ろう付け、ボルト止め等が採用される。
上記部材11,12とインサート材13は、図示しない加熱
装置によって、例えば真空雰囲気中で金属間化合物が形
成される温度まで加熱されるとともに、例えば図示矢印
方向に700kgf/cm2の圧力で加圧する。
この熱処理工程31において、インサート材13としての
前記混合圧着体は自己燃焼焼結により金属間化合物を形
成すると同時に発熱し、第1の部材11と第2の部材12と
の接合界面において拡散結合することなどにより一体化
する。
熱処理工程31において、インサート材13がTi−Al系の
場合は、50kgf/cm2以上に加圧するとよい。これ以下の
圧力では、複合材の強度が極端に低下する。さらに高強
度な複合材を得るためには、200kgf/cm2以上に加圧する
とよい。
Ti−Al系の場合の熱処理工程31における熱処理温度は
400℃以上がよい。400℃以下では、処理時間が長くかか
る。また、Ti−Al系の場合の雰囲気は、高強度な複合材
を得るためには、真空中で行なうのが特によい。大気中
で行なうと酸化が進行し、強度が低下する場合がある。
TiAlの標準生成熱はΔH298=−75KJ/molであり、金属
間化合物形成時に発生する熱量が外部に逃げない場合の
複合体の温度は、TiAlの融点以上になり、十分な発熱が
得られる。なおΔH298は−40KJ/mol以下であると効果が
大きい。
またTi−Al系の場合は、上記熱処理温度までの昇温ス
ピードを10℃/min以上にするとよい。この昇温スピード
では、急激な反応が起こるので、複合体の温度上昇が十
分なものとなる。
加熱は、炉を用いて全体を加熱してもよいが、接合部
を局部的に加熱する方が簡便であり、部材11,12の変形
を抑制する上でも有利である。
局部的な加熱方法としては、燃焼ガスあるいはヒータ
等による外部の熱源を用いる方法や、アーク、電気抵抗
加熱、高周波誘導加熱、摩擦発熱等のように部材自身を
発熱させる方法もある。金属間化合物を形成する前記混
合体は、その端部を加熱するだけで自己燃焼焼結が伝播
する場合があるので、その時の自己発熱を利用すること
もできる。
この熱処理工程31は、大気中で行ってもよいが、不活
性ガスあるいは真空雰囲気や酸化還元雰囲気等のガス中
で行えば更に好ましい結果が得られることがある。ま
た、これらの雰囲気を組合わせてもよい。特に局部的に
加熱する場合は、ガスアーク,金属被覆アーク溶接等の
通常の溶接に用いられる雰囲気制御が有効である。ま
た、ろう付け等に用いられる溶剤やフラックス等を用い
てもよい。
なお、材料によっては加圧しない状態でこの熱処理工
程31を実施してもよい。
複合材Aの接合部の接触面積は、熱処理工程31におい
て加圧を伴う場合、複合材Aの形状を保持したり良好な
接合強度を得るためには0.001mm2以上が望ましく、更に
は0.01mm2以上が望ましい。またこの接触面積の上限
は、部材11と部材12の端部から熱処理工程31を連続して
行うことにより、制限を受けない。
なお、必要があれば上記熱処理工程31の終了後に、鍛
造等の適宜の加工工程32を実施することにより、母材と
接合部の欠陥、偏析の改善、不純物の分散等を図っても
よい。
また、上記熱処理工程31によって金属間化合物の形成
と接合がなされた後、必要に応じて上記圧力と真空雰囲
気を維持した状態で複合材Aを例えば1100℃に保持し、
3時間の熱処理工程33を行う。処理温度は、金属間化合
物の固相線以下の温度域が望ましい。特に、インサート
材13がTi−Al系の場合は700℃以上が望ましい。これ以
下の温度では、十分な拡散が進行しない。この熱処理工
程33は、大気中で行ってもよいが、不活性ガスあるいは
酸化還元雰囲気等のガス中で行えば更に好ましい結果が
得られることがある。また、材料によっては加圧しない
状態でこの熱処理工程33を実施してもよい。
金属間化合物形成後の熱処理工程33を行うことによっ
て、複合材Aに含まれる空孔を更に減少させることがで
きるとともに、組織の均一化が促進され、接合歪の除
去、更には不純物の拡散もしくは不純物の除去が図れ
る。この熱処理工程33の実施によって、結晶粒の大きさ
や金属間化合物組織または析出物の調整をすることも可
能である。
上記一連の工程によって、インサート材13を介して第
1の部材11と第2の部材12が一体化された複合材Aが得
られた。この複合材Aは、母材および接合部がいずれも
金属間化合物(TiAl+Ti3Al)からなる。
第4図および第5図は上記複合材Aの接合部を示す顕
微鏡写真である。第4図において中央部、第5図におい
て右半分がインサート材13である。インサート材13を含
む接合部に欠陥が局在することがなく、実質的に母材と
連続であり、母材および接合部は共に優れた耐熱性と耐
酸化性を発揮し、しかも接合強度がきわめて大きい。前
記インサート材13を含む接合部に見られた空孔や割れ等
の欠陥は100μm以下であり、10μm以下のものや1μ
m以下のものもあった。また、気孔率は3%以下のもの
が容易に得られ、特に一軸プレスを用い、インサート材
にせん断力を加えたものは、欠陥が1μm以下で気孔率
が1%以下のものが得られた。
実用上は欠陥が1000μm以下で、気孔率が10%以下で
あればよい場合が多いから、本実施例によって得られた
前記インサート材13を含む接合部には実用上問題になる
ような欠陥が存在せず、接合欠陥が制御され、良好な接
合強度を有している。
また前記接合部の結晶粒は母材の結晶粒に対して最大
でも5倍以下であり、母材の結晶粒よりも細かいものも
多数認められた。実用上は前記インサート材13を含む接
合部の結晶粒が母材の結晶粒の10倍以下であればよいか
ら、本実施例によって得られる前記インサート材13を含
む接合部には実用上問題になるような粗大な結晶粒は存
在せず、接合部組織が制御された良質な接合部組織が得
られている。
上記熱処理工程33の終了後に仕上げ工程34を行っても
よい。例えばバレル加工等によって複合材Aの表面を滑
らかなものにする。あるいは機械加工等によって表面の
研磨を行うとか、表面傷,表面層等の除去あるいは切
断,研削加工等により形状の修正、追加を行ったり、前
記インサート材のはみ出した箇所を除去する。また、シ
ョットピーニング等を行うことにより、複合材Aの表層
部に圧縮残留応力を生じさせれば、複合材Aの耐久性を
更に高めることができる。
なお、第6図と第7図の顕微鏡写真はインサート材13
にTi:Al=64%:36%の混合圧着体を用いた場合の接合部
を示している。同図において、右半分がインサート材13
である。この実施例における第1の部材11と第2の部材
12は、前記実施例と同様にそれぞれ金属間化合物(Ti:A
l=64%:36%)を用い、前記実施例と同様の製造工程を
経て接合を行なった。但し、第6図は熱処理工程31にお
ける圧力を500kgf/cm2、加熱を900℃×1時間としたも
の、第7図は金属間化合物形成後の熱処理工程33におい
て、500kgf/cm2で900℃×1時間の熱処理を行なった
後、必要に応じて1100℃で3時間の熱処理を行なったも
のである。この実施例においても、金属間化合物(TiAl
+Ti3Al)からなるインサート材13を介して第1の部材1
1と第2の部材12(いずれもTiAl+Ti3Al)が接合された
複合材が得られた。特に第7図に示された例では、イン
サート材の組成・組織が母材と同一で、接合部に欠陥が
局在することなく、全く均一な複合材が得られた。
なお、上記各実施例では第1の部材11と第2の部材12
がいずれも接合前に既に金属間化合物を形成している
が、これら両部材11,12は、インサート材13と同様、接
合時に金属間化合物が形成されるように、金属間化合物
形成前の混合圧着体を重合させた状態で熱処理工程31を
行なってもよい。
また本発明における第1の部材11と第2の部材12は、
いずれも、Ni,Ni合金,インコネル等のNi基耐熱合金,T
i,Ti合金,Al,Al合金、Nb,Ta等の高融点金属、Si等の半
金属、あるいは前記実施例以外の金属間化合物(Al3Ti
等)、アルミナ、窒化けい素,炭化けい素等のセラミッ
クス等の無機材料でもよいし、耐熱プラスチック等の有
機材料でも適用できる場合がある。第1の部材11と第2
の部材12およびインサート材13に、1つ以上の共通元素
が含まれていればなおよい。
第8図ないし第19図に、複合材の種々の態様を示して
いる。
第8図に示された複合材は、インサート材13の厚み方
向両面に凸部40を設け、この凸部40を第1の部材11の第
2の部材12の凹部41に嵌合させた状態で接合している。
第9図に示される例は、互いに凹凸嵌合可能な形状の
第1の部材11と第2の部材12を、粉末圧延により作製し
たシート状のインサート材13を間に挟んで、図示矢印方
向に加圧した状態で加熱することにより、第10図に示す
複合材を得るようにしている。
第11図および第12図に示された複合材においては、第
1の部材11と第2の部材12に貫通孔44,45を設け、これ
ら貫通孔44,45にリベット状のインサート材13を挿通さ
せたのち、第12図に示されるように型50,51によってプ
レスするとともに、熱処理を行なうことによって、塑性
加工と金属間化合物形成および拡散接合を同時に行なう
ようにしている。
第13図に示された複合材は、第1の部材11と第2の部
材12に導通する電極55,56を介して、インサート材13の
通電加熱を行なう。
第14図に示された例は、インサート材13の端部を発火
手段60によって直接着火させ、金属間化合物の自己燃焼
焼結と拡散による接合を伝播させるようにしている。
第15図および第16図に示された複合材は、一対のイン
サート材13,13を介して、第1の部材11と第2の部材12
をプレス型61,62等により2軸方向から加圧しつつ加熱
して、金属間化合物の形成と接合を同時に行なうように
した例である。
第17図に示された複合材は、円板状の第1の部材11
を、ピストンヘッド状の第2の部材12の端面にインサー
ト材13を介して接合した例である。
第18図は、2種類のインサート材13a,13bを厚み方向
に重ねた状態で、(TiAl+Ti3Al)からなる第1の部材1
1とAl3Tiを主体とする第2の部材12を接合した例であ
る。
一方のインサート材13aは、ガスアトマイズ法により
作製した350メッシュ以下のAl粉末と、350メッシュ以下
のスポンジTi粉末を重量分率でTi:Al=64%:36%の割合
で、Arガス置換された乾式ボールミルを用いて混合し、
所定の形状に圧着したのち、必要に応じて更に成形され
る。この混合圧着体は、前記熱処理工程31によって、
(TiAl+Ti3Al)の金属間化合物になる。
他方のインサート材13bは、ガスアトマイズ法により
作製した350メッシュ以下のAl粉末と、350メッシュ以下
のスポンジTi粉末を重量分率でTi:Al=37.17%:62.83%
の割合で、Arガス置換された乾式ボールミルを用いて混
合し、所定の形状に圧着したのち、必要に応じて更に成
形される。この混合圧着体は、前記熱処理工程31によっ
てAl3Tiの金属間化合物になる。
第19図に示した複合材のように、第1の部材11と第2
の部材12を上記2種類のインサート材13a,13bを介して
接合するとともに、インサート材13bと同種の混合圧着
体13cを重合して金属間化合物を形成させるようにして
もよい。またこの際に、第1もしくは第2の部材とイン
サート材との間、またはインサート材13a,13b間に、無
機繊維を位置させて接合部ないし複合材の強度を向上さ
せるようにしてもよい。
また本発明は、前記実施例で示したものに限らず、Ti
−Al系の他の組成についても適用できる。特に、インサ
ート材13に用いる前記混合原料の組成比を、重量%でAl
が14〜63%,Tiが86〜37%の範囲にしたインサート材がT
i−Al系金属間化合物からなる複合材においては、金属
間化合物形成時の大きな発熱により、インサート材を含
む接合部の気孔率が3%以下で最大欠陥が100μm以下
である高強度な複合材が得られた。また本発明は、他の
金属間化合物を形成する系についても適用できる。
[発明の効果] 請求項1に記載した発明によれば、Ti−Al系金属間化
合物からなる第1の部材と第2の部材を、同じくTi−Al
系金属間化合物からなりかつ接合部の気孔率が3%以下
で最大欠陥が100μm以下のインサート材によって接合
したことにより、接合部の強度がきわめて高く、かつ接
合部を構成する金属間化合物を均一化しかつ接合部の厚
さや粒径等の安定化を図ることができる。このため母材
と接合部とを含む複合材全体が、Ti−Al系金属間化合物
のもつ優れた性質、例えば耐熱性,耐酸化性,耐摩耗
性,軽量,高強度,超電導などの機能性等を発揮するこ
とができる。
また請求項2に記載した発明によれば、Ti−Al系金属
間化合物形成時に発生する大きな自己発熱を、インサー
ト材と第1の部材および第2の部材の接合部に作用させ
ることにより、接合界面における欠陥発生の防止および
接合に必要な拡散を進行させる効果があり、加熱温度が
比較的低くても自己発熱によって良好な接合部が短時間
で容易に得られる。この発明では、インサート材とし
て、金属を鍛造するなどして得た混合圧金属着体を用い
るため、反応の開示場所が圧着面全面にわたって均一に
分散される。すなわちインサート材内部で反応が均一に
起こるため、インサート材内部に温度分布が生じて一部
が溶融するなどの不具合(局部的に大きな発熱が生じる
こと)を極力小さくすることができる。このため比較的
小さな発熱量(金属間化合物合成時の発熱)のインサー
ト材を用いても、良好な接合が可能となった。しかも、
このように発熱量が小さくかつインサート材中で均一な
発熱を生じさせることにより、セラミックスに比較して
耐熱性の劣る金属間化合物どうしの接合が可能となり、
局部的に温度が上がって溶けてしまうなどの不具合も避
けることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を示す工程説明図、第2図は本発明
の一実施例を示す工程説明図、第3図は複合材の一例を
示す断面図、第4図は第3図に示された複合材の接合部
の金属組織を100倍に拡大して示す顕微鏡写真、第5図
は第3図に示された複合材の接合部の金属組織を600倍
に拡大して示す顕微鏡写真、第6図および第7図はそれ
ぞれ接合部の他の例を示す金属組織を200倍に拡大した
顕微鏡写真、第8図は複合材の例を示す断面図、第9図
は各部材とインサート材の形状例を示す断面図、第10図
は第9図に示されたインサート材を用いた複合材の斜視
図、第11図はリベット状のインサート材を用いた例を示
す断面図、第12図は第11図に示されたインサート材を用
いた複合材の断面図、第13図ないし第15図はそれぞれ互
いに異なる複合材を例を示す断面図、第16図は第15図に
示された複合材の斜視図、第17図および第18図は互いに
異なる複合材の例を示す断面図、第19図は複合材の例を
一部断面で示す斜視図である。 11……第1の部材、12……第2の部材、13,13a,13b……
インサート材。
フロントページの続き (72)発明者 綾田 倫彦 神奈川県横浜市磯子区新磯子町1番地 株式会社日発グループ中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−31365(JP,A) 特開 昭59−116343(JP,A) 特開 昭58−57944(JP,A) 特開 平2−133550(JP,A) 特開 昭62−197361(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ti−Al系金属間化合物からなる第1の部材
    と、Ti−Al系金属間化合物からなる第2の部材と、イン
    サート材とからなる複合材であって、上記インサート材
    が、Ti−Al系金属間化合物を形成可能な組成比で混合さ
    れたTiとAlを含有し上記第1および第2の部材とは別体
    に形成された混合金属圧着体を上記第1および第2の部
    材の間に互いに密接した状態で配置し、その後にTi−Al
    系金属間化合物が形成される温度で熱処理し、金属間化
    合物形成時の発熱を利用しつつ形成したものであり、上
    記第1の部材と第2の部材とが上記インサート材との界
    面で互いに拡散を伴って接合され、その拡散を生じてい
    る接合部の気孔率が3%以下で欠陥として存在する空孔
    または割れの最大長さが100μm以下であることを特徴
    とする複合材。
  2. 【請求項2】Ti−Al系金属間化合物からなる第1の部材
    とTi−Al系金属間化合物からなる第2の部材とをインサ
    ート材を介して互いに接合する複合材の製造方法であっ
    て、TiとAlをその組成比がTi−Al系金属間化合物を形成
    可能な組成比となるように混合し含有させて混合金属圧
    着体を作製し、この混合金属圧着体を上記第1の部材と
    第2の部材との間に互いに密接した状態で配置し、その
    後、Ti−Al系金属間化合物が形成される温度で熱処理し
    て、前記混合金属圧着体を前記インサート材に変化させ
    るとともに、金属間化合物形成時に生じる発熱を利用し
    て上記第1の部材と第2の部材とをインサート材との界
    面で互いに接合させることを特徴とする前記複合材の製
    造方法。
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