JP2843644B2 - 少なくとも一部が金属間化合物からなる複合材の製造方法 - Google Patents

少なくとも一部が金属間化合物からなる複合材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、各種用途に使われる少なくとも一部が金属
間化合物からなる複合材の製造方法に関する。
[従来の技術] 金属間化合物は耐熱性,耐酸化性,耐摩耗性等に優れ
しかも軽量に構成でき、また超電導等の機能性を有する
などの優れた性質をもつため、各種用途に使われる素材
としてきわめて有望視されている。
金属間化合物の例として、Ti−Al系,Ni−Al系,Ni−Ti
系,Co−Ti系,Fe−Al系,Mo−Al系,Mo−Si系,Nb−Al系,Ti
−Si系等の2元系や、Fe−Al−Si系,Al−Ga−As系等の
多元系が知られている。具体的には、構造材として、Ti
Al,Ti3Al,Al3Ti,Co3Ti,Ni3Al,NiAl,FeAl,Mo3Al8,MoSi2,
Nb3Al,Ti5Si3等が知られている。また形状記憶効果を有
するTiNi,CuZn等、超電導材料としてNb3Sn,V3Ga,Nb3Ga,
Nb3Ge等、磁性材料としてFe3(AlSi)、SmCo5、半導体
及びその他の機能性材料としてInSb,GaAs,Bi2Te3,ZnSe
等その他にも多くのものがある。
金属間化合物を利用する製品例としては、高温で使用
される外壁材や、タービン部材、ピストンやバルブシス
テム等のエンジン部品、弾性部材、あるいは超電導等の
各種金属間化合物に固有の優れた性質を生かした機能部
品などが考えられる。
[発明が解決しようとする課題] 金属間化合物は上記のように優れた性質を有する半
面、接合に困難を伴う。例えば、金属間化合物からなる
一方の部材を電子ビーム溶接法によって他方の部材に接
合させる場合、溶接部において結晶粒の粗大化を生じた
り、実用上無視できない程大きな溶接欠陥が生じること
があり、接合部の組織・欠陥等を制御するには至ってい
ない。
ろう付けや接着剤による接合も考えられるが、接合部
の耐熱性や機械的性質や固有の機能性等が母材よりも劣
るため、母材である金属間化合物の優れた特質を生かし
きれない。
また、接合部を加圧しつつ加熱することによって高温
下で接合させることも考えられるが、接合部が軟化する
温度まで加熱されると所定の形状を維持することが困難
となる。
従って本発明の目的は、少なくとも一方が金属間化合
物からなる複合材を高品質かつ安価に接合でき、接合時
の加熱温度が比較的低くてすみ、接合部が母材と同等の
性能を発揮できるような接合部の組織・欠陥等の制御が
なされた複合材の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を果たすために開発された本発明方法は、一
方の部材と他方の部材を接合してなる複合材の製造方法
であって、一方の部材と他方の部材の材料にそれぞれ金
属間化合物を形成可能な組成比で混合された金属間化合
物形成前の複数の元素を含有する混合体を用い、上記一
方の部材と他方の部材を互いに接触させた状態で金属間
化合物が形成される温度で熱処理し、金属間化合物形成
時に発生する発熱を双方の部材の接触面に作用させるこ
とにより、この発熱を利用して双方の部材を互いに接合
させることを特徴とする複合材の製造方法である。また
この発明は、上記熱処理時に一方の部材と他方の部材を
加圧した状態で上記接合を行うことも含んでいる。また
この発明は、上記熱処理時に擬似等方圧プレスによって
所定の雰囲気中で上記一方の部材と他方の部材を加圧し
た状態で上記接合を行うことも特徴とする。そしてこの
発明は、上記一方の部材と他方の部材の前記接合後に、
熱処理を行なうことも含んでいる。上記混合体は、適宜
手段によって圧着しておくと更によい場合がある。
第1図に本発明方法による複合材製造工程の概略を示
している。
上記熱処理は、例えばアルミナや珪砂等の粉粒体を圧
力媒体とする擬似等方圧プレス加工(以下、PHIPと称す
る)によって接合する部材の自重以上に加圧しながら行
なうと更に好ましい結果が得られる場合がある。加圧時
の雰囲気は、大気中あるいは不活性ガスであってもよい
が、真空中あるいは酸化還元雰囲気ガス等を用いること
によって、接合強度と母材強度を向上できる場合があ
る。また、これらの雰囲気を組合わせてもよい。
上記一方の部材の原料は、少なくとも一部が金属間化
合物形成前の金属材料から構成されている必要がある。
一部に金属間化合物を含んでいてもよい。また、接合後
の複合材の諸特性を改善する目的、あるいは所望の部品
形状への成形の容易化を図る目的で、適宜の元素や酸化
物・窒化物・炭化物等の化合物が含まれていてもよい。
上記原料は純金属の塊である必要はなく、固溶体であっ
てもよいし、めっき等によってつくられた複合体であっ
てもよい。混合前の原料の形態は、粉末,フレーク上,
線材,箔等である。
混合方法ないし圧着方法は、原料が粉末あるいはフレ
ーク状である場合、V型混合機,ボールミル,ミキサ等
によって混合したものを押出すか、金型プレスあるいは
ホットプレスまたはCIP(冷間等方圧プレス成形)もし
くはHIPによって圧着させる。また、混合された上記原
料を金属パイプに詰めるなどして、スェージングマシン
によって所定の外径になるまで鍛造するようにしてもよ
い。
線状原料の場合には、原料の線を束ねるかまたは撚り
合わせたのち、伸線機あるいはスェージングマシン,押
出し機等を使って線同志を圧着させる。箔状原料の場合
には、箔を厚み方向に積層するかあるいは積層後に巻い
た状態で、圧延装置あるいはスェージングマシン,押出
し機により圧着させる。
上記成形工程は冷間で行ってもよいが、成形時の変形
抵抗を減少させるために温間で行ってもよい。温間で成
形する場合、金属間化合物が形成される温度以下である
ことが好ましいが、組織の一部に金属間化合物を生じる
程度の短時間で成形が終了するなら、金属間化合物が形
成される温度以上の温間で成形を行ってもよい。
上記成形工程は、適宜の方法により、大気中もしくは
真空中,不活性ガスあるいは酸化還元雰囲気ガス等、あ
るいはこれら雰囲気を組合わせて行われてもよい。
[作用] 所望の形状に加工された金属間化合物形成前の一方の
部材と、他方の部材は、金属間化合物が形成される温度
まで加熱される。この熱処理によって拡散または自己燃
焼焼結を生じ、金属間化合物が形成されると同時に、金
属間化合物形成時の発熱もしくは自己燃焼反応熱により
一方の部材と他方の部材が接合される。自己発熱による
温度は加熱温度よりも高くなる。なお、熱処理時の変形
を小さくする上では、加熱温度を金属間化合物の固相線
以下の温度域にするとよい。金属間化合物の形成を終わ
らせるには上記温度を一定時間維持する必要がある場合
がある。温度が低いと時間が長くかかる。
本発明による接合のメカニズムは、金属間化合物形成
時の上記自己発熱によって接合部界面が軟化もしくは一
部が溶融して接合部界面の酸化被膜が破壊され、あるい
は界面の微細な凹凸が潰れ、双方が完全に密着すること
による分子間力ないし金属結合的な力、そして拡散によ
ると考えられる。
[実施例] 以下に本発明の実施例について、第2図ないし第6図
を参照して説明する。第3図および第4図に示された複
合材Aの一例は、一部の部材1と、円筒状の他方の部材
2とからなる。一方の部材1に凸部3が設けられてお
り、この凸部3に他方の部材2の開口端部が嵌合させら
れている。
第2図に示す製造工程の一例は、一方の部材1の材料
である混合圧着体の原料を混合する工程5と、必要に応
じて行われる混合された原料を圧着して形状を付与する
混合圧着体製造工程6と、必要に応じて行われる成形前
熱処理工程7と、成形工程8と、他方の部材2を製造す
る工程10と、一方の部材1と他方の部材2を仮止めする
工程11と、接合予定部を封止する工程12と、金属間化合
物の形成温度まで加熱する熱処理工程13と、必要に応じ
て実施される熱処理後の加工工程14と、金属間化合物形
成後の熱処理工程15および仕上げ工程16を含んでいる。
一方の部材1の原料を混合する工程5においては、一
例としてガスアトマイズ法により作製した350メッシュ
以下のAl粉末と、350メッシュ以下のスポンジTi粉末を
重量分率でTi:Al=64%:36%の割合で、Arガス置換され
た乾式ボールミルを用いて混合する。
混合圧着体の製造工程6において、金型プレスを用い
て、所望形状の混合圧着体(この場合、圧粉体)を得
る。なお、金型プレスを行う代りに、上記混合原料をパ
イプに詰め、ロータリスェージング等によって各種形状
に圧着させるようにしてもよい。なお、上記混合体をそ
のまま熱処理工程13において熱処理する場合には、この
工程6を省略してもよい。
上記工程6が終了したのち、必要に応じて例えば真空
中で行われる焼鈍等の成形前熱処理工程7を実施するこ
とにより、前記工程6で混合圧着体を製造した時の加工
歪を除去し、変形抵抗を減少させる。また、混合圧着体
の圧着面を拡散によって強固なものとし、強度を向上さ
せる。
成形前熱処理工程7は、混合体もしくは混合圧着体の
不純物成分を拡散または除去する効果もある。この熱処
理工程7は、大気中もしくは真空中、不活性ガスあるい
は酸化還元雰囲気ガス等、あるいはこれら雰囲気を組合
わせて行われてもよい。処理温度は金属間化合物が形成
される温度以下が一般的であるが、圧着面の一部に金属
間化合物ができる程度の短時間の加熱であるなら金属間
化合物が形成される温度以上であってもかまわない。Ti
−Al系の場合は200℃〜600℃の範囲が望ましい。
上記工程6によって得られた混合圧着体に、成形工程
8によって鍛造あるいは機械加工等を行ってもよい。但
し、前記工程6によって所望の形状が得られる場合は、
上記熱処理工程7および成形工程8を省略してもよい。
他方の部材2の製造工程10においては、ガスアトマイ
ズ法により作製した350メッシュ以下のAl粉末と、350メ
ッシュ以下のスポンジTi粉末を重量分率でTi:Al=64%:
36%の割合で、Arガス置換された乾式ボールミルを用い
て混合する。そののち、金型プレスあるいはパイプに詰
めてスェージング加工するなどして、所望形状の混合圧
着体を得る。なお、この混合圧着体を一方の部材1と同
様の工程によって成形するようにしてもよい。
上記各工程を経て得られた金属間化合物形成前の一方
の部材1の材料(混合圧着体)と他方の部材2の材料
(混合圧着体)は、互いに接合部位を嵌合させることに
よって仮止めされる。両部材1,2を固定する方法として
は、本実施例のような凹凸嵌合以外に、圧接、摩擦圧
接、接着剤、ろう付け、ボルト止め等が採用されてもよ
い。
一方の部材1と他方の部材2の接合部の接触面積は、
複合材Aの形状を保持したり、良好な接合強度を得るた
めに0.001mm2以上が望ましく、更には0.01mm2以上が望
ましい。
こうして互いに固定された両部材1,2は、必要に応じ
て封止材によって接合部を封止することにより、下記PH
IPを行なう際に粉粒体21が接合部に入り込まないように
する。封止材としては、上記混合圧着体と同様の組成や
他の組成、更には他の金属やセラミックス等からなる
板、線、箔、粉末等、あるいは無機接着剤や有機接着
剤、ろう材が用いられる。この封止材は、予め接合部の
縁に形成しておいた溝等に詰めるなどしてもよい。ま
た、この封止材と同様の効果をもたらすために、両部材
1,2の全体を金属,ガラス等によって真空密封するなど
してもよい。
上記部材1,2は例えば第5図に示されたPHIPを実施す
る装置20に入れられ、金属間化合物が形成される温度ま
で加熱されかつ必要に応じて擬似等方圧で加圧される。
この装置20は、圧力媒体として例えばアルミナ粉末等の
固形粉粒体21を満たした耐圧ステンレス鋼製ポット22
と、このポット22に内蔵されたコイル状の抵抗発熱体で
あるカンタルヒータ23と、温度検出用の熱電対24と、ス
テンレス鋼製の蓋25と、この蓋25を加圧する油圧シリン
ダ等の加圧手段26と、上記ポット22を包囲する密閉容器
状の真空チャンバ27と、このチャンバ27の内部を排気す
る排気装置28等を備えて構成されている。チャンバ27は
Oリング等のシール材29によって気密が保たれる。粉粒
体21は、耐熱および耐圧性を有するものであればよいか
ら、アルミナ粉末以外のセラミックス粉末やカーボン粉
末等を利用してもよい。
加圧手段26によって例えば500kg f/cm2の擬似等方圧
をかける。また、排気装置28によってチャンバ27内を排
気することにより、ポット22の内部も排気した状態で、
ヒータ23によって例えば900℃まで加熱する。この時の
温度は熱電対24によって測定することができる。一方の
部材1と他方の部材22の材料である前記混合圧着体は、
上記温度に加熱されることにより、自己燃焼焼結により
金属間化合物を形成すると同時に発熱し、互いの接合界
面において拡散結合することなどにより一体化する。な
お、圧力媒体としてガスや液体、もしくは流動体を用い
るHIP等によって、等方圧で加圧してもよい。あるいは
型を用いるホットプレスによって機械的に加圧すること
により、金属間化合物形成前の混合体もしくは混合圧着
体を所定の形状に成形すると同時に、熱処理工程13を行
ってもよい。
Ti−Al系の場合は、50kg f/cm2以上に加圧するとよ
い。これ以下の圧力では、複合材の強度が極端に低下す
る。さらに高強度な複合材を得るためには、200kg f/cm
2以上に加圧するとよい。
Ti−Al系の場合の熱処理温度は400℃以上がよい。400
℃以下では、処理時間が長くかかる。また、Ti−Al系の
場合の雰囲気は、高強度な複合材を得るためには、真空
中で行なうのが特によい。大気中で行なうと酸化が進行
し、強度が低下する場合がある。
TiAlの標準生成熱はΔH298=−75KJ/molであり、金属
間化合物形成時に発生する熱量が外部に逃げない場合の
複合体の温度は、TiAlの融点以上になり、十分な発熱が
得られる。なおΔH298は−40KJ/mol以下であると効果が
大きい。
またTi−Al系の場合は、上記熱処理温度までの昇温ス
ピードを10℃/min以上にするとよい。この昇温スピード
では、急激な反応が起こるので、複合体の温度上昇が十
分なものとなる。
上記実施例装置20を使用した場合、所望の真空度を部
材1,2の表面および内部に及ぼすことができるから、必
要に応じて真空雰囲気中で複合材Aを金属間化合物形成
温度まで加熱することができる。このため、複合材Aに
含まれる不純物の除去が図れるとともに、空孔をさらに
減少させることができる。また、大気中で行なってもよ
いが、必要に応じてチャンバ27の内部を特定のガスに置
換させることにより、ガス雰囲気中で金属間化合物を形
成させることも可能である。そして特にPHIPを用いるこ
とにより上記実施例以外の複雑な形状の複合材にも容易
に適用できる。
なお、必要があれば上記熱処理工程13の終了後に、鍛
造等の適宜の加工工程14を実施することにより、母材と
接合部の欠陥、偏析の改善、不純物の分散等を図っても
よい。
また、上記熱処理工程13によって金属間化合物の形成
と接合がなされた後、必要に応じて上記擬似等方圧と雰
囲気を維持した状態で複合材Aを例えば900℃に保持
し、1時間の熱処理工程15を行ってもよい。処理温度
は、金属間化合物の固相線以下の温度域が望ましい。特
に、Ti−Al系の場合は700℃以上が望ましい。これ以下
の温度では十分な拡散が進行しない。この熱処理工程15
は、大気中で行ってもよいが、不活性ガスあるいは真空
雰囲気や酸化還元雰囲気等のガス中で行えば更に好まし
い結果が得られることがある。また、これらの雰囲気を
組合わせてもよい。材料によっては加圧しない状態でこ
の熱処理工程15を実施してもよい。
金属間化合物形成後の熱処理工程15を行うことによっ
て、複合材Aに含まれる空孔を更に減少させることがで
きるとともに、組織の均一化が促進され、また、接合歪
の除去、更には不純物の拡散もしくは不純物の除去が図
れる。この熱処理工程15の実施によって、結晶粒の大き
さや金属間化合物組織または析出物の調整をすることも
可能である。
以上の一連の工程によって、(TiAl+Ti3Al)の金属
間化合物からなる一方の部材1と、同じく(TiAl+Ti3A
l)の金属間化合物からなる他方の部材2とが完全に一
体化された複合材Aが得られた。この複合材Aは、母材
および接合部に実用上問題になるような欠陥が存在せ
ず、均質であり、良好な接合強度を有していた。
第6図は上記複合材Aの接合部の顕微鏡写真である。
接合部の組織は母材とほぼ同じであり、接合部の判別が
困難なほど良好な接合がなされた。母材および接合部は
共に優れた耐熱性と耐酸化性を発揮し、しかも接合強度
がきわめて大きい。
なお、上記熱処理工程15の終了後に仕上げ工程16を行
ってもよい。例えばバレル加工等によって複合材Aの表
面を滑らかなものにする。あるいは機械加工等によって
表面の研磨を行うとか、表面傷,表面層等の除去あるい
は切断,研削加工等により形状の修正、追加を行った
り、前記封止材のはみ出した箇所もしくは封止材の全体
を除去する。また、ショットピーニング等を行うことに
より、複合材Aの表層部に圧縮残留応力を生じさせれ
ば、複合材Aの耐久性を更に高めることができる。
なお一方の部材1の材料にはTi:Al=64%:36%の混合
圧着体を用い、他方の部材2の材料にTi:Al=37.17%:6
2.83%の混合圧着体を用いて、上記実施例と同様の製造
工程を実施したところ、金属間化合物(TiAl+Ti3Al)
からなる一方の部材1と、金属間化合物(Al3Ti)から
なる他方の部材2とが完璧に接合された複合材が得られ
た。
第7図に示された顕微鏡写真は、一方の部材1にTi:A
l=64%:36%の混合圧着体を用い、他方の部材2にイン
コネルMA754を用いて得た複合材の接合部を示してい
る。接合部には十分な拡散層もしくは、化合物層が形成
され、高強度な接合体が得られた。製造工程は前記実施
例の工程(第2図)と同様である。
なお、他方の部材2は、Ni,Ni合金,Ni基耐熱合金,Ti,
Ti合金,Al,Al合金などの金属、Si等の半金属、あるいは
金属間化合物、アルミナ,窒素けい素,炭化けい素等の
セラミックス等の無機材料のいずれでもよいし、耐熱プ
ラスチック等の有機材料でも適用できる場合がある。一
方の部材1と他方の部材2に、1つ以上の共通元素が含
まれていればなおよい。
第8図ないし第17図は、複合材の形状例を示してい
る。第8図および第9図に示された複合材A2は、カム形
状の一方の部材1と、シャフト形状の他方の部材2を互
いに前記方法によって接合したものである。この場合、
接合部に溝40を設け、この溝40に封止材41を詰込むこと
により、前記PHIPを行なう際に接合部に粉粒体21が入り
込まないようにしている。
第10図および第11図に示された複合材A3は、テーパ状
の端部50を有する一方の部材1を、他方の部材2のテー
パ孔51に挿入した状態で接合を行なうようにしている。
第12図および第13図に示された複合材A4は、円板状の一
方の部材1を、ピストンヘッド状の他方の部材2の端面
に接合している。第14図および第15図に示された複合材
A5は、バルブ形状をなす一方の部材1を円柱ロッド状の
他方の部材2に接合したものである。また、第16図に示
される複合材A6のように、一方の部材1と他方の部材2
を厚み方向に重ねて接合してもよいし、あるいは第17図
に示された複合材A7のように、一方の部材1と他方の部
材2を長手方向に接合してもよい。
また本発明は、前記実施例で示したものに限らず、Ti
−Al系の他の組成についても適用できる。特に、少なく
とも一方の部材を、前記混合原料の組成比が重量%でAl
が14〜63%,Tiが86〜37%の範囲にすると、Ti−Al系金
属間化合物からなる複合材においては、金属間化合物形
成時の大きな発熱により、気孔率が3%以下で最大欠陥
が100μm以下である高強度な複合材が得られた。また
本発明は、他の金属間化合物を形成する系についても適
用できる。
[発明の効果] 本発明によれば、金属間化合物形成時に発生する大き
な自己発熱を接合部に作用させることができ、接合界面
における欠陥発生の防止および接合に必要な拡散を進行
させる効果があり、加熱温度が比較的低くても自己発熱
によって良好な接合部が短時間で容易に得られる。そし
て金属間化合物形成前の一方の部材の混合体と金属間化
合物形成前の他方部材の混合体どうしを金属間化合物形
成時の発熱によって接合するため、母材と接合部とが完
全に一体化した接合強度のきわめて高い複合材を得るこ
とができる。そしてこの熱処理時に擬似等方圧プレスを
適用した場合に、上記の効果をさらに高めることができ
る。
また、金属間化合物の融点に比べてかなり低い温度で
金属間化合物の形成と接合がなされるため、接合温度が
低いにもかかわらず接合後は母材・接合部とも金属間化
合物と同等以上の耐熱性や機能性を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を示す工程説明図、第2図は本発明
の一実施例を示す工程説明図、第3図は複合材の一例を
示す斜視図、第4図は第3図に示された複合材の断面
図、第5図はPHIPを実施する装置の断面図、第6図は接
合部の金属組織を600倍に拡大して示す顕微鏡写真、第
7図は接合部の他の例を示す金属組織を400倍に拡大し
た顕微鏡写真、第8図は複合材の例を示す斜視図、第9
図は第8図に示された複合材の断面図、第10図は複合材
の例を示す斜視図、第11図は第10図に示された複合材の
断面図、第12図は複合材の例を示す斜視図、第13図は第
12図に示された複合材の断面図、第14図は複合材の例を
示す斜視図、第15図は第14図に示された複合材の断面
図、第16図および第17図はそれぞれ互いに異なる複合材
の例を示す断面図である。 1……一方の部材、2……他方の部材、20……PHIPを実
施するための装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−161165(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 20/00 - 20/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方の部材と他方の部材を接合してなる複
    合材の製造方法であって、一方の部材と他方の部材の材
    料にそれぞれ金属間化合物を形成可能な組成比で混合さ
    れた金属間化合物形成前の複数の元素を含有する混合体
    を用い、上記一方の部材と他方の部材を互いに接触させ
    た状態で金属間化合物が形成される温度で熱処理し、金
    属間化合物形成時に発生する発熱を双方の部材の接触面
    に作用させることにより、この発熱を利用して双方の部
    材を互いに接合させることを特徴とする、少なくとも一
    部が金属間化合物からなる複合材の製造方法。
  2. 【請求項2】上記熱処理時に一方の部材と他方の部材を
    加圧した状態で上記接合を行うことを特徴とする請求項
    1記載の複合材の製造方法。
  3. 【請求項3】一方の部材と他方の部材を接合してなる複
    合材の製造方法であって、少なくとも一方の部材の材料
    に金属間化合物を形成可能な組成比で混合された複数の
    元素を含有する混合体を用い、上記一方の部材と他方の
    部材を互いに接触させた状態で金属間化合物が形成され
    る温度で熱処理するとともに擬似等方圧プレスによって
    所定の雰囲気中で上記一方の部材と他方の部材を加圧
    し、金属間化合物形成時に発生する発熱を双方の部材の
    接触面に作用させることにより、この発熱を利用して双
    方の部材を互いに接合させることを特徴とする、少なく
    とも一部が金属間化合物からなる複合材の製造方法。
  4. 【請求項4】上記一方の部材と他方の部材の前記接合後
    に、熱処理を行なうことを特徴とする請求項1ないし3
    のうちいずれか1項に記載の複合材の製造方法。
JP2133914A 1990-05-25 1990-05-25 少なくとも一部が金属間化合物からなる複合材の製造方法 Expired - Fee Related JP2843644B2 (ja)

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