JPH09300104A - 超硬合金系複合工具材 - Google Patents

超硬合金系複合工具材

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JPH09300104A
JPH09300104A JP14076896A JP14076896A JPH09300104A JP H09300104 A JPH09300104 A JP H09300104A JP 14076896 A JP14076896 A JP 14076896A JP 14076896 A JP14076896 A JP 14076896A JP H09300104 A JPH09300104 A JP H09300104A
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Japan
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cemented carbide
layer
wear
steel
weldable
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JP14076896A
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Tamotsu Akashi
保 明石
Koji Maki
孝司 牧
Masahito Tani
雅人 谷
Hideo Ando
秀夫 安藤
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Sumitomo Coal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Coal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ろー材や金属薄板を用いた鋼と超硬合金の接
合では、超硬合金とろー材や金属成分との融合性が悪
く、接合強度が出にくく、鋼と超硬合金の熱膨張差に基
づく残留応力の発生の問題があった。 【解決手段】 基材部と、予め焼結成形した超硬合金の
接合されている超硬合金系複合工具材において、該超硬
合金が金属結合相量3重量%以上、20重量%未満含有
する耐摩耗層と金属結合相量20重量%以上、60重量
%未満含有する溶接可能層とでなり、該耐摩耗層と該溶
接可能層が直接焼結接合または中間層をもって、一体に
焼結接合されており、かつ該溶接可能層と基材部が拡散
接合することにより、基材部に強固に接合された超硬合
金系複合工具材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超硬合金と高強度
の基材部からなる複合工具材に関し、特に、打ち抜き加
工や温熱間鍛造加工に利用する高強度で、耐摩耗性の高
い複合工具材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のものにあっては、下記の
ようなものになっている。打ち抜き工具や回転、鍛造工
具では、優れた耐摩耗性とともに、繰り返し負荷応力、
衝撃荷重、熱衝撃に耐える材料が望まれている。しか
し、このような相反する特性(硬さと靭性)を1つの材
料で満たすことは困難であり、このため、材料の複合化
という観点からの材料開発が進められてきた。超硬合金
は一般の焼き入れ鋼に比べ靭性は劣るが、その硬さは焼
き入れ鋼の硬さをはるかに凌ぎ、優れた耐摩耗性を発揮
する。一方、焼き入れ鋼は硬さの点で超硬合金に及ばな
いが、その靭性(強度)は超硬合金のそれをはるかに上
回る。上記のような工具用途には、被加工物と接する加
工部では高硬度の耐摩耗性の優れた特性が要求される
が、それを支える部分では耐摩耗性よりむしろ、繰り返
し負荷応力や衝撃に耐えられる強度的に優れた特性が要
求される。このような要求を満たすため、この支える部
分を焼き入れ鋼で作り、加工部には超硬合金を直接また
は間接に接合した工具が製造されている。
【0003】鋼と超硬合金の接合には、ろー材や金属薄
板を用いた接合が広く用いられ、このほか溶接法や中間
材を用いた焼結接合法、直接接合法がある。機械的な接
合法としてかしめ法があるが、繰り返し荷重や衝撃のか
かる使用用途には不向きである。ろー材を用いた拡散接
合法では、銀ろー、銅ろー、Niろーなどが用いられて
いる。特公平7−12566号には、拡散接合法におい
て、接合後、拡散素材が単相で接合界面に存在しないよ
うにすることによって接合強度を向上させる方法が提案
されている。溶接による接合方法として高エネルギービ
ームを用いた方法が、例えば特公平2−28428号,
特公平4−52180号に提案されている。この方法で
は接合材の間に金属の薄板やフィラーを挿入し、加圧し
ながらレーザービームなどにより接合部近傍の超硬合金
側を加熱し、その熱を挿入材側に伝え、溶融、鋼と接合
する。また、特開昭53−1609号には、鋼と超硬合
金の間に金属成分80%を含むWC粉末を中間層として
配置し、この中間層を焼結しながら両材料を焼結接合す
る方法が提案されている。また、特開昭52−5090
7号にはCo15%含有する超硬合金を炭素鋼と直接接
合する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
のにあっては、下記のような問題点を有していた。工具
の加工部を構成する超硬合金は、その耐摩耗性を確保す
るため、含有金属結合相量を極力少なくした、高硬度の
超硬合金が利用されている。ろー材や金属薄板を用いた
従来の拡散接合では、このような特性を持つ超硬合金と
高温で溶けたろー材や金属成分との融合性(ぬれ性)が
悪く、結果的に接合強度が出にくいという問題があっ
た。また、他の接合方法にも共通して、鋼と超硬合金の
熱膨張差に基づく接合後の残留応力の発生の問題があっ
た。両者の熱膨張差が大きく、残留応力が超硬合金の引
っ張り強度を越えるようになると、応力解放にともなっ
て、接合面近傍の超硬合金側で割れが発生したり、接合
面で剥れることがあった。このような割れや剥れに至ら
ない場合でも、接合部分にはある大きさの応力が残り、
この残留応力のため接合強度自体が低下したり、使用中
に突発的な破壊を起こすという問題があった。
【0005】レーザービームによる局所加熱により接合
時の鋼側の温度上昇を小さくし、鋼側の接合後の収縮量
を減じ、結果的に接合部の残留応力を少なくしようとす
る試みがある。この方法では超硬合金が局所的にまず加
熱される。それも一度に大きなエネルギーを投入して瞬
間的に加熱される。このため、加工部を構成しようとす
る超硬合金部分に熱ショックによるミクロ、マクロな割
れが発生してしまい、超硬合金自体を劣化させてしまう
という問題があった。また、この方法の適用は方法の性
格上小物に限定される。さらに、この方法では、瞬間に
投入されるエネルギーが莫大であり、微妙な温度制御が
難しく、過加熱による脆性化合物の生成や加熱不足によ
る接合力不良などの接合材の品質上の問題があった。
【0006】一方、既焼結超硬合金と鋼の直接接合で
は、接合温度に達するまでの両接合面の完全密着が難し
く、加熱段階で接合面が雰囲気で汚染され、その汚染物
質が、双方の拡散を阻害するため、接合力低下の一因と
なっている。また、鋼が軟化して、超硬合金のミクロな
凹凸まで埋めて接合していくには、鋼の融点に近いとこ
ろまでの加熱と加圧が必要であり、接合時における鋼の
変形の問題や、そのような高温下での超硬合金と鉄の反
応による脆性化合物の生成という問題があった。既焼結
超硬合金と鋼の間に金属結合相量80%含有のWC粉末
を配置する方法は、上記の密着性を改善するには有効で
あるが、含有金属量が多く鋼と超硬合金の間の応力緩和
層としての役割は期待できない。また、この中間層と鋼
側の接合は両材料が類似しているため比較的強い接合が
得られるが、この中間層と既焼結超硬合金との接合は従
来タイプの接合と同様であり、強い接合は得られない。
以上のように、鋼と超硬合金の従来からの接合方法には
大別して次の2つの問題が残されてきた。 鋼と超硬合金の熱膨張差に起因した残留応力の発生と
そのための接合力の低下、高硬度超硬合金と鋼あるい
は他の金属との融合性の乏しさとそのための接合力低下
である。
【0007】本発明は、これらの課題を解決することを
目的としてなされたものである。すなわち、鋼と接する
部分に、鋼と溶接可能な金属結合相量の多い超硬合金を
配置し、この溶接可能な超硬合金と直接または中間層を
介して高硬度の耐摩耗性の高い超硬合金と接合すること
により、鋼との融合性を確保して接合力を高め、さら
に、この溶接可能な超硬合金と中間層部分を応力緩和層
とすることにより、残留応力の発生を極力少なくすると
共に、その応力を各層に分散し、超硬合金本来の高い硬
さと鋼の持つ高い靭性を合わせ持った強固な接合複合工
具材を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は下記のようになるものである。本発明の発
明者の1人は、優れた耐摩耗性と鋼への溶接性を兼ね備
えた超硬合金系耐摩耗材を発明し、この超硬合金系耐摩
耗材を通電焼結法により製造するに当たり、その成形外
枠の加圧軸方向の肉厚を焼結しようとする原料粉末中の
金属結合相量に応じて適切に調整し、かつ、熱容量差を
利用した熱バランスの調節により、該原料粉末をその構
成材料に合わせた温度傾斜のもとで過不足なく焼結でき
る方法を発明し出願した。(特開平7−300375
号) この方法によれば、鋼へ直接溶接できる性質と優れた耐
摩耗性を兼ね備えた超硬合金系耐摩耗材を得ることがで
きる。
【0009】本発明はこの発明をもとに発明したもので
ある。すなわち、高強度の基材部と、予め焼結成形した
超硬合金系耐摩耗材の接合されてなる超硬合金系複合工
具材において、 該超硬合金系耐摩耗材が金属結合相量3重量%以上、
20重量%未満含有するWC基超硬合金よりなる耐摩耗
層と金属結合相量20重量%以上、60重量%未満含有
するWC基超硬合金よりなる溶接可能層とでなり、該耐
摩耗層と該溶接可能層が直接焼結接合またはそれら2層
の間に耐摩耗層から溶接可能層へ連続又はステップ状に
金属結合相量の増加する中間層をもって、耐摩耗層と溶
接可能層が一体に焼結接合されており、 該溶接可能層と高強度の基材部が拡散接合することに
より、基材部に強固に接合された超硬合金系複合工具材
を得ることができる。また、該耐摩耗層を構成するWC
基超硬合金中のWC粒子の平均粒径が1μm以下であっ
て、その金属結合相がCo,Ni,Feの中の1種また
は2種以上、またはこれらの金属を含む合金よりなる超
硬合金系複合工具材を提供するものである。さらに、該
基材部が鋼及び/又は金属結合相量20重量%以上の既
焼結超硬合金よりなる超硬合金系複合工具材を提供する
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。本発明に用いる既焼結の超硬合金系耐摩耗
材1は、図1から図3に示すように、金属結合相量の多
い溶接可能層1bと金属結合相量の少ない耐摩耗層1a
よりなり、両層が直接又は中間層1cを介して焼結接合
されてなり、この溶接可能層は、従来タイプの鋼と超硬
合金接合における残留応力の緩和、更に接合力の強化に
重要な役割を果している。図1は直接接合、図2は中間
層1cを介した接合、図3は上部中間層1c1及び下部
中間層1c2を用いた場合を示す。
【0011】まず、残留応力の緩和については、金属結
合相量の少ない耐摩耗層と鋼及び/又は金属結合相量の
多い超硬合金よりなる基材部との間にあって、両者の中
間的な熱膨張率を持ち、所定厚みを持つように溶接可能
層を設けることにより、接合体に生じる熱応力分布をな
だらかにし、また、応力自体を分散、縮小させることに
より、残留応力の耐摩耗層に与える影響を極力小さくす
ることができる。さらに、接合強度については、接合面
で見た場合の金属結合相量の顔を出す割合は、耐摩耗層
を構成する超硬合金の場合の数倍多くでき、このことは
接合時界面で生成する金属融体との接触面積を増やし、
融合性を高めるという観点から極めて有効であり、基材
との強固な接合を可能にする。従って、鋼及び/又は金
属結合相量の多い別種の超硬合金との接合は、従来から
の接合方法を用いても強固な接合を得ることができる。
また、この際、加圧しながら加熱、接合すると、接合強
度を高め安定した接合が行え望ましい。
【0012】既焼結の超硬合金系耐摩耗材を構成する超
硬合金中の金属結合相としてCo,Ni,Feの1種ま
たは2種以上、あるいはそれらを含む合金とすることに
より工具としての硬さと靭性を確保でき、基材部との強
固な接合を形成することができる。ここで、超硬合金各
層中の結合相の種類は必ずしも同じである必要はなく、
目的に応じて異なる結合相を選択することもできる。ま
た、耐摩耗層を構成する超硬合金中の金属結合相量は、
その耐摩耗性、耐食性の観点からできるだけ少ない方が
望ましいが、実用上ある程度の衝撃強度を合わせ持つ必
要があり、試験の結果、その量は3重量%以上、20重
量%未満必要であった。好ましくは、5重量%以上、1
5重量%以下であった。3重量%以下では焼結自体難し
くなるほか、衝撃荷重に弱くなり、実用的な工具材が得
られない。一方、その量が20重量%以上では耐欠け性
は優れるが、耐摩耗性が劣るようになり、鋼に超硬合金
を接合して工具化して使用する意義が薄れる。また、耐
摩耗層を構成する超硬合金中のWC粒子の大きさは1μ
m以下とすることにより、耐摩耗性の優れた加工部を形
成できる。
【0013】鋼との接合の他、耐摩耗層の超硬合金と鋼
の間の応力緩和層としての役割を担う溶接可能層を構成
する超硬合金中の金属結合相量は、20重量%以上、6
0重量%以下とすることが必要であった。好ましくは、
25重量%以上、50重量%以下であった。結合相量が
20重量%未満では、鋼との間の応力緩和層として効力
が発揮できず、また、鋼との間の強い接合が得られな
い。さらに、この量が60%重量を越えると、耐摩耗層
を構成する超硬合金との結合相量の差が大きくなりす
ぎ、一体での焼結が困難になるほか、応力緩和層として
も機能しなくなる。加えて又、60重量%以上の結合相
を含有する超硬合金の硬さは焼き入れ鋼の硬さにも及ば
ないほど低く、実用的ではない。
【0014】実施例1 図4を参照して、超硬合金系耐摩耗材として、外形状φ
15mm,高さ10mmであって、0.6μmWC+1
2重量%Coよりなる耐摩耗層、3μmWC+20重量
%Niよりなる中間層、9μmWC+20重量%Ni+
20重量%Feよりなる溶接可能層でなり、各厚みがそ
れぞれ4mm、2mm、4mmで一体に焼結接合されて
なる焼結体を用いた。また、基材部2として、φ15m
m,長さ40mmのSKH9の丸棒を用いた。まず、接
合面となるそれぞれの面を#2000のSiC研磨紙で
研磨仕上げし、酸洗、脱脂処理した後、積層して通電加
熱機にセットした。雰囲気を10-2トール以下まで排気
した後、通電を開始し、接合界面での放射温度計測定で
1250℃まで加熱し、その温度で5分保持した後、通
電を停止し冷却した。冷却後回収された複合工具材の長
さは約50mmであった。この複合工具材を加圧軸方向
に平行な面で半分に切断し、断面を研磨し接合面組織な
どを観察した。接合面には割れや微小気孔のような欠陥
は認められず、良好な接合状態が得られていた。また、
接合面近傍の微小X線回折による化合物分析では脆性を
持つような金属間化合物の生成は認められなかった。半
割にした複合工具材より板状に削り出した試料について
測定した接合部の剪断強度は、49kg/mm2 という
高い値が得られ、従来タイプの接合強度の倍以上の強度
を持つものであることが分かった。
【0015】実施例2 図6を参照して、超硬合金系耐摩耗材として、外形状4
0mm角,厚み15mmであって、0.4μmWC+7
重量%Niよりなる耐摩耗層、5μmWC+12重量%
Coよりなる中間層、10μmWC+10重量%Co+
15重量%Feよりなる溶接可能層よりなり、各厚みが
それぞれ8mm、3mm、4mmで一体に焼結接合され
てなる焼結体を用いた。また、基材部2として、50m
m角,長さ50mmのCo40重量%含有する超硬合金
を用いた。まず、接合面となるそれぞれの面を#200
0のSiC研磨紙で研磨仕上げし、酸洗、脱脂処理した
後、溶融温度1150℃の厚み0.05mmのNi系合
金箔を接合面に挟んで、積層して通電加熱機にセットし
た。雰囲気を10-2トール以下まで排気した後、通電を
開始し、接合界面での放射温度計測定で1250℃まで
加熱し、その温度で4分保持した後、通電を停止し冷却
した。冷却後回収された複合工具材の長さは約65mm
であった。この複合工具材を加圧軸方向に平行な面で半
分に切断し、断面を研磨し接合面組織などを観察した。
接合面には割れや微小気孔のような欠陥は認められず、
良好な接合状態が得られていた。また、接合面近傍の微
小X線回折による化合物分析では脆性を持つような金属
間化合物の生成は認められなかった。半割にした複合工
具材より板状に削り出した試料について測定した接合部
の剪断強度は、55kg/mm2 の値が得られた。
【0016】実施例3 図7を参照して、超硬合金系耐摩耗材として、外形状φ
75mm,高さ10mmであって、0.8μmWC+1
8重量%Coよりなる耐摩耗層、9μmWC+30重量
%Feよりなる溶接可能層とでなり、それぞれの厚みが
5mm,5mmで一体に焼結接合されてなる焼結体を用
いた。また、基材部2として、図に示すような中央にφ
30×50mmのSKH9ロッド2Aの入ったφ70×
50mmのWC+50重量%Feよりなる超硬合金の丸
棒を用いた。まず、接合面となるそれぞれの面を#20
00のSiC研磨紙で研磨仕上げし、酸洗、脱脂処理し
た後、接合面に厚さ1mmの5μmWC+30重量%F
eよりなる超硬合金仮焼体を挟み、両者を積層して通電
加熱機にセットした。雰囲気を10-2トール以下まで排
気した後、通電を開始し、接合界面での放射温度計測定
で1300℃まで加熱し、その温度で5分保持した後、
通電を停止し冷却した。冷却後回収された複合工具材の
長さは約60mmであった。この複合工具材を加圧軸方
向に平行な面で半分に切断し、断面を研磨し接合面組織
などを観察した。超硬合金仮焼体部分には残留気孔等は
認められず、両層との強固な接合ができていた。また、
接合面近傍の微小X線回折による化合物分析では脆性を
持つような金属間化合物の生成は認められなかった。半
割にした複合工具材より板状に削り出した試料について
測定した接合部の剪断強度は、52kg/mm2 の値が
得られた。
【0017】
【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているの
で次に記載する効果を奏する。以上のように、鋼への直
接溶接性と優れた耐摩耗性を兼ね備えた超硬合金系耐摩
耗材を高強度の基材部へ接合することにより、超硬合金
の本来の特性を犠牲にすることなく、基材部との融合性
を高め、接合力を強化することができ、また、鋼との熱
膨張差による残留応力を緩和、分散でき、優れた耐摩耗
性と強靭性を兼ね備えた超硬合金系複合工具材を広く提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる超硬合金系耐摩耗材の実施例の
縦断面図である。
【図2】本発明に用いる超硬合金系耐摩耗材の他の実施
例の縦断面図である。
【図3】本発明に用いる超硬合金系耐摩耗材の他の実施
例の縦断面図である。
【図4】実施例1での超硬合金系複合工具材を説明する
ための斜視図である。
【図5】A−A断面図である。
【図6】実施例2での超硬合金系複合工具材を説明する
ための斜視図である。
【図7】実施例3での超硬合金系複合工具材を説明する
ための斜視図である。
【図8】B−B断面図である。
【符号の説明】
1 超硬合金系耐摩耗材 1a 耐摩耗層 1b 溶接可能層 1c 中間層 1c1 上部中間層 1c2 下部中間層 2 基材部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 秀夫 北海道赤平市字赤平594番地の1 住友石 炭鉱業株式会社北海道技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強度の基材部と、予め焼結成形した超
    硬合金系耐摩耗材の接合されてなる超硬合金系複合工具
    材において、該超硬合金系耐摩耗材が、金属結合相量3
    重量%以上、20重量%未満含有するWC基超硬合金よ
    りなる耐摩耗層と、金属結合相量20重量%以上、60
    重量%未満含有するWC基超硬合金よりなる溶接可能層
    とからなり、該耐摩耗層と該溶接可能層が直接焼結接合
    またはそれら2層の間に耐摩耗層から溶接可能層へ連続
    又はステップ状に金属結合相量の増加する中間層をもっ
    て、耐摩耗層と溶接可能層が一体に焼結接合されている
    と共に、該溶接可能層と高強度の基材部が拡散接合され
    ていることを特徴とする超硬合金系複合工具材。
  2. 【請求項2】 該耐摩耗層を構成するWC基超硬合金中
    のWC粒子の平均粒径が1μm以下であって、金属結合
    相がCo,Ni,Feの1種または2種以上、またはこ
    れらの金属を含む合金よりなる請求項1記載の超硬合金
    系複合工具材。
  3. 【請求項3】 該基材部が鋼及び/又は金属結合相量2
    0重量%以上の既焼結超硬合金よりなる請求項1記載の
    超硬合金系複合工具材。
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