JP3258905B2 - 前面パネルの表示窓とその形成方法 - Google Patents

前面パネルの表示窓とその形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前面パネルの表示
窓を形成する表示部および非表示部に転写箔を転写した
後成型加工するインモールド成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家庭用電子機器、例えばVT
R等の磁気記録再生装置の前面パネルには該装置の動作
状態を意味する識別表示が表示窓に設けられ、該表示窓
の後方に発光素子が配置される。
【0003】そして、この表示窓は、AS樹脂と称され
るアクリルニトリルスチロール樹脂等の熱可塑性樹脂材
料によってその肉厚部をほぼ透明に成型加工される。
【0004】また、従来の表示窓は、その表面に着色イ
ンクまたは着色インクにメジュウムインクと称される乳
白色の拡散剤を混合しものを印刷するシルク印刷方法を
用いて表示部を形成するものが賞用される。
【0005】このシルク印刷方法によって、表示窓の表
面には、着色インクによる遮光性を有する非透光部分
(発光素子からの光を遮光する発光識別の非表示部)お
よび着色インクを含むメジュウムインクによる非遮光性
を有する透光部分(発光素子からの光を透光する発光識
別の表示部)がそれぞれ形成される。
【0006】図2は、従来から供される表示窓と発光素
子の配置関係を示す斜視図である。
【0007】図で、表示窓1は、図示省略する装置の前
面パネルに配備される。そして、表示窓1の後方には点
線で示す発光素子10が保持具11によって位置決めさ
れた状態で後述するプリント基板に配備される。
【0008】表示窓1には、前述の如く、その表面に発
光素子10からの光Aを遮光する発光識別の非表示部2
と発光素子10からの光Aを透光する発光識別の表示部
3が形成される。
【0009】図3は、従来のシルク印刷方法によって形
成された表示窓を発光素子との関係で説明する説明図で
ある。
【0010】図で、表示窓1は、ほぼ透明に成型加工さ
れた肉厚部4の表面4a(即ち、表示窓表面)に表示部
3および非表示部2を印刷して形成される。
【0011】発光素子10で発光した光Aは、該発光素
子と対向する肉厚部4の裏面4b(即ち、表示窓裏面)
に照射される。その後、光Aは肉厚部4を透過したの
ち、表示部3に入射されると共に該表示部の光拡散効果
を通じて外方に透光し、該表示部を点灯表示する。
【0012】尚、20は電子回路を構成するプリント基
板であり、該プリント基板に発光素子10が保持具11
によって位置決めされ配備される。
【0013】この様に、従来のシルク印刷による表示窓
は、該表示窓を成型加工した後の印刷工程によって形成
される。
【0014】従って、従来の表示窓は、完成までのシル
ク印刷工程期間を必要とし、シルク印刷費用も高価であ
るという欠点があった。
【0015】そこで、近年では、あらかじめ発光識別の
非表示部および表示部が形成された転写箔を、表示窓表
面側を形成する成型金型の固定金型面に設置し、該固定
金型と移動金型によって形成される成型空間にAS樹脂
等の熱可塑性樹脂材料を射出して、表示窓を成型加工す
ると同時に非表示部および表示部を形成するようにした
インモールド成形方法が賞用されている。
【0016】図4は、インモールド成形方法によって形
成された表示窓を発光素子との関係で説明する説明図で
ある。
【0017】図で、表示窓1は、その表示窓表面4aを
成型する固定金型面(図示省略)に、非表示部2および
表示部3が形成された転写箔を設置したインモールド成
形によって形成される。そして、表示窓裏面4bは、発
光素子10と対向する光照射部分をエッチング処理した
移動金型面(図示省略)によって形成される。
【0018】その際、表示窓1の表面側には、非表示部
2に対応して着色インクによって形成された薄い箔の非
透光性転写箔と、表示部3に対応して着色インクにメジ
ュウムインクを調合して形成された薄い箔の透光性転写
箔が転写される。
【0019】即ち、転写箔は非透光性転写箔および透光
性転写箔のそれぞれが一体で形成され、透光性転写箔は
該転写箔による透過光を拡散させるためメジュウムイン
クを着色インクに対して多い混合割合、通常メジュウム
インク10に対して着色インク3の混合割合で調合され
たものである。
【0020】一方、表示窓1の裏面側には、前述の如き
光照射部分(光Aの照射部分)を粗面とする光拡散部5
が形成される。これによって、発光素子10からの光A
は光源からの光が均一になるよう拡散すると共に、その
一部は肉厚部4を透過した後表示部3に入射する。そし
て、表示部3の光拡散効果を通じて外方に透光し、該表
示部を点灯表示する。
【0021】この様に、表示窓裏面4bに光拡散部5を
形成する理由は、一般に転写箔の厚さが従来のシルク印
刷による印刷厚みの約1/3〜1/4程度で形成される
ためである。これにより、表示部3は、透光性転写箔に
よるインモールド成形によって形成すると、転写箔の薄
さに起因して発光素子の発光部形状が透けて見え、透光
性転写箔による光拡散だけではその効果が少ないという
欠点があった。
【0022】そして、この欠点は、表示窓に透光性転写
箔を使用して表示部を形成するようにしたインモールド
成形においては、表示部に対応して表示窓の裏面側に光
拡散部を形成する移動金型面へのエッチング処理が不可
欠となる。
【0023】さらに、表示窓の後方に配置される発光素
子は、光拡散部が形成されることによって透過光量が低
下し表示部に入射する光量低下を補うため、高輝度タイ
プの高価なものを使用する必要があった。
【0024】一方、前述の如きエッチング処理を移動金
型面に施すことによって、例えば表示窓の表示部をLE
D素子による発光識別表示からFL管(螢光表示管)に
よる情報識別表示に変更するとき、表示窓の裏面側は鏡
面仕上げで形成しなければならない。この場合、成型金
型は、インモールド成形用の移動金型を変更する若しく
は別途移動金型を準備する等によって対処しなければな
らないと言う欠点を有していた。
【0025】このため、転写箔を使用するインモールド
成形方法は、成型加工する製品のデザインおよび識別表
示変更を伴う製品の表示部変更によって左右され、これ
を成型金型で対処するには金型費用が大きな負担となっ
ていた。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した欠点
に鑑みなされたものであり、転写箔を使用して表示窓を
成型加工するようにしたインモールド成形において、表
示窓の裏面側を成型する移動金型面にエッチング処理を
施すことなく、且つエッチング処理にかかる光量低下を
補うための高輝度タイプの発光素子を使用する必要のな
い前面パネルの表示窓とその形成方法を提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、表示窓は、その表示部を形成する透光性転写箔を着
色インク10に対してメジュウムインク5〜6の混合割
合で調合すると共に、表示窓の裏面側を成型する移動金
型面を鏡面仕上げで形成する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示す表示
窓について、図面を参照しながら説明する。
【0029】図1は、本発明のインモールド成形方法に
よって形成された表示窓を発光素子との関係で説明する
説明図である。
【0030】図において、表示窓1は、非表示部2およ
び表示部3aが一体で形成された転写箔を、従来例と同
様に表示窓1の表面側を成型する固定金型面(図示省
略)に設置した後、固定金型と移動金型との成型空間に
熱可塑性樹脂を射出するインモールド成形方法によって
成型加工される。
【0031】ここで、本発明に従って実施される転写箔
は、その厚さは従来例と同様の厚みで形成され、特に表
示部に対応して形成される透光性転写箔の着色インクと
メジュウムインクの混合割合を改良することにより、発
光素子によって発光する光Aの透光性を改善したもので
ある。
【0032】具体的には、透光性転写箔の調合は、着色
インク10に対してメジュウムインク5〜6の混合割合
が良好であることが実験によって確認できた。
【0033】これにより、表示部は透光性転写箔を使用
して従来と同等の発光識別効果が得られると共に、表示
窓1の裏面側を成型する移動金型面を鏡面仕上げで形成
することができ、従来の如く発光素子と対向する光照射
部分(光Aの照射部分)をエッチング処理して光拡散部
5を形成する必要がない。
【0034】また、表示窓裏面に光拡散部を形成する必
要がないことから、表示窓の後方に配置される発光素子
は、高輝度タイプの高価なものを使用する必要がない。
【0035】さらに、表示窓の裏面側は鏡面仕上げで成
型加工されるため、製品のデザインおよび識別表示方法
を伴う製品の表示部変更によって成型金型を変更するこ
とがなく、そのための費用を削減できるという特有の効
果を奏する。
【0036】
【発明の効果】以上、本発明によれば、表示窓1後方に
配置された発光素子10の光を透過して該透過光を表示
窓表面4aに識別表示するようにした前面パネルの表示
窓1において、前記表示窓1は、該表示窓の非表示部2
に対応させて着色インクによって形成された非透光性転
写箔および該表示窓の表示部3aに対応させて着色イン
クにメジュウムインクを混合して形成された透光性転写
箔が一体で形成されたものを前記表示窓表面4aを形成
する固定金型面に設置し、該固定金型と表示窓裏面4b
を形成する移動金型との成型空間に熱可塑性樹脂を射出
成形するインモールド成形方法によって形成され、前記
透光性転写箔にかかる前記メジュウムインクを着色イン
ク10に対して5〜6の混合割合で調合すると共に、該
転写箔に入射する発光素子からの光の照射部分に対向す
る前記移動金型面を鏡面仕上げで加工するようにした。
【0037】このため、表示窓の裏面側を成型する移動
金型面にエッチング処理を施すことなく、且つエッチン
グ処理にかかる光量低下を補うための高輝度タイプの発
光素子を使用する必要のない前面パネルの表示窓とその
形成方法を提供することができ、転写箔を使用するイン
モールド成形方法に有用である。
【0038】さらに、表示窓の裏面側は鏡面仕上げで成
型加工されるため、製品のデザインおよび識別表示方法
を伴う製品の表示部変更によって成型金型を変更するこ
とがなく、そのための費用を削減できるという特有の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインモールド成形方法によって形成さ
れた表示窓を発光素子との関係で説明する説明図であ
る。
【図2】従来から供される表示窓と発光素子の配置関係
を示す斜視図である。
【図3】従来例のシルク印刷方法によって形成された表
示窓を発光素子との関係で説明する説明図である。
【図4】従来例のインモールド成形方法によって形成さ
れた表示窓を発光素子との関係で説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
1 表示窓 2 非表示部 3 表示部(従来例) 3a 表示部(本発明) 4a 表示窓表面 4b 表示窓裏面 10 発光素子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−19694(JP,A) 特開 平3−163585(JP,A) 特開 平3−287290(JP,A) 特開 平6−134805(JP,A) 特開 昭62−65076(JP,A) 実開 昭62−87375(JP,U) 実開 平6−33184(JP,U) 実開 昭63−30881(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09F 13/00 - 13/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示窓後方に配置された発光素子の光を
    透過して該透過光を表示窓表面に識別表示するようにし
    た前面パネルの表示窓において、 前記表示窓は、該表示窓の非表示部に対応させて着色イ
    ンクによって形成された非透光性転写箔および該表示窓
    の表示部に対応させて着色インクにメジュウムインクを
    混合して形成された透光性転写箔が一体で形成されたも
    のを前記表示窓表面を形成する固定金型面に設置し、該
    固定金型と表示窓裏面を形成する移動金型との成型空間
    に熱可塑性樹脂を射出成形するインモールド成形方法に
    よって形成され、 前記透光性転写箔にかかる前記メジュウムインクを着色
    インクに対して少ない混合割合で調合すると共に、該転
    写箔に入斜し発光素子からの光の照射部分に対向する前
    記移動金型面を鏡面仕上げで形成したことを特徴とする
    前面パネルの表示窓。
  2. 【請求項2】 前記透光性転写箔は、着色インク10に
    対してメジュームインク5〜6の混合割合で調合したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の前面パネルの表示窓。
  3. 【請求項3】 前記成型空間に射出する熱可塑性樹脂
    は、成型加工後ほぼ透明に形成されることを特徴とする
    請求項1に記載の前面パネルの表示窓。
  4. 【請求項4】 表示窓後方に配置された発光素子の光を
    透過して該透過光を表示窓表面に識別表示するようにし
    た前面パネルの表示窓において、 前記表示窓は、該表示窓の非表示部に対応させて着色イ
    ンクによって形成された非透光性転写箔および該表示窓
    の表示部に対応させて着色インクにメジュウムインクを
    混合して形成された透光性転写箔が一体で形成されたも
    のを前記表示窓表面を形成する固定金型面に設置し、該
    固定金型と表示窓裏面を形成する移動金型との成型空間
    に熱可塑性樹脂を射出成形するインモールド成形方法に
    よって形成され、 前記透光性転写箔にかかる前記メジュウムインクを着色
    インク10に対して5〜6の混合割合で調合したことを
    特徴とする前面パネルの表示窓の形成方法。
  5. 【請求項5】 表示窓後方に配置された発光素子の光を
    透過して該透過光を表示窓表面に識別表示するようにし
    た前面パネルの表示窓において、 前記表示窓は、該表示窓の非表示部に対応させて着色イ
    ンクによって形成された非透光性転写箔および該表示窓
    の表示部に対応させて着色インクにメジュウムインクを
    混合して形成された透光性転写箔が一体で形成されたも
    のを前記表示窓表面を形成する固定金型面に設置し、該
    固定金型と表示窓裏面を形成する移動金型との成型空間
    に熱可塑性樹脂を射出成形するインモールド成形方法に
    よって形成され、 前記透光性転写箔にかかる前記メジュウムインクを着色
    インク10に対して5〜6の混合割合で調合すると共
    に、該転写箔に入斜し発光素子からの光の照射部分に対
    向する前記移動金型面を鏡面仕上げで形成したことを特
    徴とする前面パネルの表示窓。
  6. 【請求項6】 前記成型空間に射出する熱可塑性樹脂
    は、成型加工後ほぼ透明に形成されることを特徴とする
    請求項5に記載の前面パネルの表示窓。
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