JP2966241B2

JP2966241B2 - 導光板の製造装置

Info

Publication number: JP2966241B2
Application number: JP5190421A
Authority: JP
Inventors: 広好監物
Original assignee: Yazaki Sogyo KK
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 1993-07-30
Filing date: 1993-07-30
Publication date: 1999-10-25
Anticipated expiration: 2014-10-25
Also published as: JPH0740769A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は導光板の製造装置に関
し、特に、自動車のコンビネーションメータに備えられ
た警告灯等のように、導光板を用いて表示板を背面から
間接照明する計器における導光板の製造装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンビネーションメータと呼ばれ
る自動車用の計器には、速度計、回転計、燃料計、水温
計等の指針式計器と、駐車ブレーキがかかっている状態
や充電状態、あるいは触媒の温度等に異常がある時に点
灯して警告する警告灯、および自動変速機付の自動車で
はシフトレバーのシフト位置（Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，２，
Ｌ）を表示するシフト位置表示器が設けられている。

【０００３】図３は従来のシフト位置表示器３０の概略
構成を示すものであり、図４は図３に示したシフト位置
表示器３０の組立後の具体的な構成の一例を示す断面図
である。シフト位置表示器３０は、シフト位置の意匠が
印刷された表示板１と、この表示板１を裏面から間接照
明する導光板２と、表示板１に印刷された意匠を特定の
色で着色する着色板３と、光源Ｌ２が内蔵された表示器
のケース４とから構成される。

【０００４】表示板１は透明なポリカーボネート製のベ
ース板１１を備えており、このベース板１１の表面側
に、シフト位置を示す意匠が印刷された意匠部Ｄを除い
て黒色のインクで印刷された遮光部１２がある。意匠部
Ｄは、この実施例ではアルファベットや数字の描かれた
符号部１３と、この符号部１３の背景部１５とから構成
されており、図４(a) ，(b) に示すように、例えば、符
号部１３は赤色のインク（図(b) の点線で示した範囲）
で印刷され、この赤色の上から背景色、例えば、黒色の
インクで背景部１５が印刷される。そして、この背景部
１５と遮光部１２との間には、透明なベース板１１が露
出する透明部１４がある。

【０００５】導光板２は透明なアクリル樹脂でインジェ
クション成形によって作られ、表示板１の裏面に位置す
る光放射部２２と、この光放射部２２に所定の角度で接
続する光導入部２３と、この光導入部２３に設けられた
採光凹部２１とがある。この採光凹部２１の中に間接照
明用の光源Ｌ１が挿入され、光源Ｌ１から出た光は光導
入部２３を通って光放射部２２に到り、光放射部２２か
らの光で表示板１が裏面から間接照明される。そして、
この導光板１の光放射部２２の表面側で、かつ、表示板
１の意匠部Ｄの直下に位置する部分には、意匠部Ｄの夜
間照明用の半透明層２４が設けられている。この半透明
層２４は一般に白インクによる印刷を施すことによって
設けられる。

【０００６】着色板３は、透明なポリカーボネート製の
基板３１と、この基板３１の裏面側に印刷されたカラー
印刷部３２とから構成され、表示器３０のケース４の開
口部を蓋するように設けられる。カラー印刷部３２は表
示板１の意匠部Ｄの周辺の透明部１４を、表示器３０の
ケース４内に設けられた光源Ｌ２が点灯した時に所定の
表示色で点灯させるためのものである。

【０００７】ケース４は図４(a) に示すように、着色板
３の下部の側壁４１に囲まれた空間４４内に光源Ｌ２が
設けられて構成される。着色板３は側壁４１の頂部に設
けられた段部４２に取り付けられ、空間４４は図３に示
すように仕切壁４５によって表示板１の意匠部Ｄの数に
対応して部屋に仕切られ、前述の光源Ｌ２は各部屋毎に
設けられている。４３は導光板１の端部からの光の漏れ
を防ぐ遮光壁である。なお、この遮光壁４３は図３には
示していない。

【０００８】図５は以上のように構成されたシフト位置
表示器３０に使用される導光板２の製造装置２０を示す
ものである。製造装置２０はインジェクション成形によ
って導光板２を作るものであり、雌金型５と雄金型６と
を備えている。雌金型５と雄金型６の境界部には、これ
らを重合わせた時に導光板２に相当する凹部が設けられ
ており、この凹部に図示しない射出口から透明なプラス
チックを射出して導光板２が製造される。

【０００９】導光板２がインジェクション成形された後
は、雄金型６が雌金型５から分離され、導光板２が取り
出される。インジェクション成形品の雌金型５からの取
り出しに際しては、雌金型５の所定箇所に設けられたノ
ックアウトピン７，８が使用される。すなわち、成形後
の導光板２は、ノックアウトピン７，８によって押され
ることによって雌金型５から取り出される。

【００１０】ところで、成形後に導光板２がノックアウ
トピン７，８によって押されて雌金型５から取り出され
る際には、導光板２にノックアウトピン７，８による押
し型（浅い凹部）が付いてしまう。一方、導光板２は図
４(a) で説明した構成のため、透明部１４を通る視線Ｅ
１，Ｅ２によって導光板２の表面の一部が表示器３０の
外部から見えてしまい、この見える部分にノックアウト
ピン７，８による押し型があると表示むらになってしま
う。そこで、導光板２の金型の設計に当たっては、図４
(a) に符号Ａ，Ｂで示す透明部１４を通る視線Ｅ１，Ｅ
２によっては見えない部分にノックアウトピン７，８が
当たるように金型を設定していた。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図４
(a) に示す符号Ｂで示す部分は、小さな領域であるため
に、図５に示すように、この部分を押すノックアウトピ
ン８には小さな径のものを使用せねばならず、成形後の
導光板２に割れが発生したり、導光板２の金型からの型
抜けに時間がかかったりして、成形サイクルを長くする
要因となり、導光板２のコストを上昇させるという問題
があった。

【００１２】そこで、本発明は、成形後の導光板に割れ
を発生させることなく、しかも、導光板の成形サイクル
を短くすることができ、導光板の製造コストを抑えるこ
とができる導光板の製造装置を提供することを目的とす
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の導光板の製造装置は、自動車のコンビネーションメ
ータに設けられた警告灯のように、透明板に表示意匠が
印刷された表示板を、周囲が暗くなった時に裏面側から
導光板を用いて間接照明する表示装置における導光板の
製造装置であって、導光板をインジェクション成形する
雌金型および雄金型とを備えるものにおいて、成形後に
前記導光板を前記雌金型から取り出すために設けられる
ノックアウトピンの前記雌金型への設定位置を、前記導
光板の光導入部、および、前記表示板上の表示意匠が印
刷された部分の直下の領域で、前記導光板の表面側に夜
間照明用の印刷が施される部分の裏面部分に設定したこ
とを特徴としている。

【００１４】

【作用】本発明の導光板の製造装置によれば、表示器を
正面側から見たときに、導光板の表面側に夜間照明用の
印刷が施される部分の裏面部分に相当する金型の部分に
もノックアウトピンを設定したので、成形後の導光板に
割れが発生せず、また、導光板の金型からの型抜時間が
短縮されて成形サイクルが短くなる。

【００１５】

【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。

【００１６】図１は本発明の一実施例の導光板２の製造
装置１０の構成を示すものであり、図５で説明した従来
の導光板２の製造装置２０の構成と同じ構成部材につい
ては同じ符号を付してある。

【００１７】この実施例の製造装置１０はインジェクシ
ョン成形によって導光板２を作るものであり、雌金型５
と雄金型６とを備えている。この製造装置１０は従来例
で説明したシフト位置表示器３０に使用する導光板２を
製造するものである。従って、この製造装置１０におい
ても、雌金型５と雄金型６の境界部には、これらを重合
わせた時に導光板２に相当する凹部が設けられており、
この凹部に図示しない射出口から透明なプラスチックを
射出して導光板２が製造される。

【００１８】導光板２がインジェクション成形された後
は、雄金型６が雌金型５から分離され、導光板２が取り
出される。インジェクション成形品の雌金型５からの取
り出しに際しては、雌金型５の所定箇所に設けられたノ
ックアウトピン７，８およびノックアウトピン９が使用
される。すなわち、成形後の導光板２は、ノックアウト
ピン７，８，９によって押されることによって雌金型２
から取り出される。

【００１９】従来技術において説明したように、成形後
に導光板２がノックアウトピン７，８，９によって押さ
れて雌金型５から取り出される際には、導光板２にノッ
クアウトピン７，８，９による押し型（浅い凹部）がで
きてしまう。図２(a) は図１の製造装置１０によって製
造される導光板２を下面から見た底面図であり、導光板
２の下面にできる押し型２７，２８，２９を示してい
る。すなわち、ノックアウトピン７によって押し型２７
ができ、ノックアウトピン８によって押し型２８がで
き、ノックアウトピン９によって押し型２９ができる。

【００２０】一方、図１の製造装置１０によって製造さ
れた導光板２は図２(b) に示すシフト位置表示装置３０
において使用される。シフト位置表示器３０は、シフト
位置の意匠が印刷された表示板１と、この表示板１を裏
面から間接照明する導光板２と、表示板１に印刷された
意匠を特定の色で着色する着色板３と、光源Ｌ２が内蔵
された表示器のケース４とから構成される。

【００２１】表示板１は透明なポリカーボネート製のベ
ース板１１を備えており、このベース板１１の表面側
に、シフト位置を示す意匠が印刷された意匠部Ｄを除い
て黒色のインクで印刷された遮光部１２がある。意匠部
Ｄは、この実施例ではアルファベットや数字の描かれた
符号部１３と、この符号部１３の背景部１５とから構成
されており、図４(a) ，(b) に示すように、例えば、符
号部１３は赤色のインクで印刷され、この赤色の上から
背景色、例えば、黒色のインクで背景部１５が印刷され
る。そして、この背景部１５と遮光部１２との間には、
透明なベース板１１が露出する透明部１４がある。

【００２２】導光板２は透明なアクリル樹脂でインジェ
クション成形によって作られ、表示板１の裏面に位置す
る光放射部２２と、この光放射部２２に所定の角度で接
続する光導入部２３と、この光導入部２３に設けられた
採光凹部２１とがある。この採光凹部２１の中に間接照
明用の光源Ｌ１が挿入され、光源Ｌ１から出た光は光導
入部２３を通って光放射部２２に到り、光放射部２２か
らの光で表示板１が裏面から間接照明される。そして、
この導光板１の光放射部２２の表面側で、かつ、表示板
１の意匠部Ｄの直下に位置する部分には、意匠部Ｄの夜
間照明用の半透明層２４が設けられている。この半透明
層２４は一般に白インクによる印刷を施すことによって
設けられる。

【００２３】着色板３は、透明なポリカーボネート製の
基板３１と、この基板３１の裏面側に印刷されたカラー
印刷部３２とから構成され、表示器３０のケース４の開
口部を蓋するように設けられる。カラー印刷部３２は表
示板１の意匠部Ｄを、表示器３０のケース４内に設けら
れた光源Ｌ２が点灯した時に所定の表示色で点灯させる
ためのものである。

【００２４】ケース４は着色板３の下部の側壁４１に囲
まれた空間４４内に光源Ｌ２が設けられて構成される。
着色板３は側壁４１の頂部に設けられた段部４２に取り
付けられ、空間４４は図示しない仕切壁によって表示板
１の意匠部Ｄの数に対応して部屋に仕切られ、前述の光
源Ｌ２は各部屋毎に設けられている。４３は導光板１の
端部からの光の漏れを防ぐ遮光壁である。

【００２５】以上のような構成のシフト位置表示装置３
０において使用される導光板２は、透明部１４を通る視
線Ｅ１，Ｅ２によって導光板２の表面の一部が表示器３
０の外部から見えてしまい、この見える部分にノックア
ウトピンによる押し型があると表示むらになってしま
う。そこで、従来の導光板２の金型の設計においては、
透明部１４を通る視線Ｅ１，Ｅ２によっては見えない部
分に押し型２７，２８が形成されており、図１に示す製
造装置１０のノックアウトピン７，８はこの押し型２
７，２８に対応する位置に設定されている。

【００２６】本発明では、これらのノックアウトピン
７，８の設定に加えて、ノックアウトピン９を雌金型５
の中央部近傍に設定している。そして、このノックアウ
トピン９によってできる押し型２９は、導光板２の表面
側に印刷される意匠部Ｄの夜間照明用の半透明層２４に
よって、透明部１４を通る視線Ｅ１，Ｅ２によっては見
えない部分に形成されるようにしており、押し型２９が
この位置になるようにノックアウトピン９が雌金型５に
設定されている。そして、このノックアウトピン９の直
径は、ノックアウトピン９によって導光板２に形成され
る押し型２９が半透明層２４からはみ出さない程度まで
大きくすることができる。

【００２７】このように、ノックアウトピン７，８の設
定に加えて、直径の大きなノックアウトピン９が雌金型
５の中央部近傍に設定されると、ノックアウトピン９に
よってできる押し型２９の深さが浅くなり、導光板２内
を進む間接照明光の進路をそれほど妨害しなくなり、シ
フト位置意匠部Ｄを夜間照明する時の影の発生を無視で
きる程小さくすることができる。また、ノックアウトピ
ン９の直径が大きいことにより、成形後の導光板２を雌
金型５から押し出す際の押出力に偏りが発生せず、導光
板２の押出速度を速めることができると共に、導光板２
に割れ等の不具合が発生する恐れもなくなり、導光板２
の成形時の不良率が低下して成形サイクルが向上し、コ
ストダウンが可能になる。

【００２８】なお、ノックアウトピン８は、ノックアウ
トピン９を設けたことにより、省略することも可能であ
る。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導光板の成形サイクルを短くすることができ、導光板の
製造コストを抑えることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の導光板の製造装置の一実施例の構成を
示す断面図である。

【図２】(a) は図１の導光板の製造装置によって作られ
た導光板の背面図、(b) は(a)の導光板が使用されるシ
フト位置表示装置の構成を示す断面図である。

【図３】導光板が使用される従来のシフト位置表示装置
の概略構成を示す組立斜視図である。

【図４】(a) は導光板が使用される従来のシフト位置表
示装置の構成を示す断面図、(b) は意匠部の一部の部分
平面図である。

【図５】図４のシフト位置表示装置において使用される
導光板の従来の製造装置の構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１表示板２導光板３着色板４ケース５雌金型６雄金型７，８，９ノックアウトピン１０本発明の導光板の製造装置１１ベース板１２遮光部１３符号部１４透明部１５背景部２０従来の導光板の製造装置２１採光凹部２２光放射部２３光導入部２４半透明層３０シフト位置表示装置３１基板３２カラー印刷部４１側壁４２断部４３遮断壁４４空間４５仕切り壁Ｄ意匠部Ｌ１，Ｌ２光源

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩ // Ｂ２９Ｌ 11:00 (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B60K 37/02 B29C 45/40 G01D 11/28 G12B 11/00 B29L 11:00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車のコンビネーションメータに設け
られた警告灯のように、透明板に表示意匠が印刷された
表示板を、周囲が暗くなった時に裏面側から導光板を用
いて間接照明する表示装置における導光板の製造装置で
あって、導光板をインジェクション成形する雌金型およ
び雄金型とを備えるものにおいて、成形後に前記導光板を前記雌金型から取り出すために設
けられるノックアウトピンの前記雌金型への設定位置
を、前記導光板の光導入部、および、前記表示板上の表
示意匠が印刷された部分の直下の領域で、前記導光板の
表面側に夜間照明用の印刷が施される部分の裏面部分に
設定したことを特徴とする導光板の製造装置。