JP3258699B2 - 切換弁 - Google Patents

切換弁

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JP3258699B2
JP3258699B2 JP10802492A JP10802492A JP3258699B2 JP 3258699 B2 JP3258699 B2 JP 3258699B2 JP 10802492 A JP10802492 A JP 10802492A JP 10802492 A JP10802492 A JP 10802492A JP 3258699 B2 JP3258699 B2 JP 3258699B2
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稔 足立
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日本ランコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の切換弁は、蓄冷式冷蔵庫
などに用いられる蓄冷式冷却サイクルを制御する切換弁
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、蓄冷式冷蔵庫などにおいて、そ
の冷却は、蓄冷サイクルの圧縮機および凝縮器によって
液化し高圧力状態になった冷却媒体をキャピラリー管に
よって減圧し、その際に冷却媒体の温度は低下し、各蓄
冷室および冷却室に設けられた蓄冷コイルおよび冷却コ
イルを介して、水が主材となるような蓄冷材および冷蔵
庫内の循環空気との熱交換によって行われる。
【0003】従来の蓄冷コイルを備えた冷却サイクルの
各運転例の経路を図5について説明する。
【0004】蓄冷・冷却運転は、図5中の破線矢印で示
すように、圧縮機14および凝縮器15によって液化された
冷却媒体16は、導管22を通り、四方切換弁23を経て第1
キャピラリー管24によって設定温度となるように減圧さ
れ、減圧されて設定温度に冷えた冷却媒体17は、蓄冷コ
イル18を介して蓄冷材19と熱交換される。熱交換によっ
て気化し続ける気液混合の冷却媒体は、逆止弁25を通り
三方弁26を経て冷却コイル20を介して、さらに気化しな
がら冷蔵庫内の熱を奪って、蓄冷材19と冷蔵庫内を冷却
する。なお、冷却によって気化した冷却媒体は、圧縮機
14に還流し、この冷却運転を継続する。
【0005】冷却運転は、図5中の実線矢印で示すよう
に、蓄冷材19がすっかり凍結した場合、あるいは冷蔵庫
内を急激に冷却する場合、圧縮機14および凝縮器15によ
って液化された冷却媒体16は、蓄冷材19の温度を検出す
るサーモスタットによる感知動作または手動操作によっ
て切り換えられた四方切換弁23を経て、第2キャピラリ
ー管26によって設定温度となるように減圧され、減圧さ
れて設定温度に冷えた冷却媒体17は、冷却コイル20を介
して冷蔵庫内の熱を奪って冷蔵庫内を冷却する。
【0006】また、蓄冷材19は、蓄冷・冷却運転によっ
て、直接蓄冷コイル18によって冷却されるために、蓄冷
コイル18の周囲から凍結していき、ついには凍結する。
凍結後、冷却運転に切り替わると、凍結した蓄冷材19は
冷蔵庫内の循環空気と熱交換して外部から解けるが、蓄
冷材19が完全に解ける前に、すなわち、蓄冷コイル18の
周囲に以前凍結した蓄冷材19が固着している時に、蓄冷
材19温度を検出するサーモスタットによって再び蓄冷材
19を凍結させる蓄冷・冷却運転が始まる。この場合、蓄
冷コイル18は凍結した蓄冷材19が固着しており、凍結し
た蓄冷材19で被覆されているような状態となり、蓄冷材
19の再凍結は、この固着した蓄冷材19を通して熱を奪い
凍結されることから、再凍結能力は半減してしまう。そ
のため、蓄冷・冷却運転における第1キャピラリー管24
により減圧される前の高温の冷却媒体16を蓄冷コイル18
に流通させて、蓄冷コイル18の周囲に蓄冷材19が固着す
るのを防止する必要がある。
【0007】上記の離氷・冷却運転は、図5中の白抜き
矢印でに示すように、圧縮機14および凝縮器15によって
液化された冷却媒体16は、四方切換弁23を経て直接蓄冷
コイル18に至る。そのため、冷却媒体16は第1キャピラ
リー管24を通らないので減圧されないことから、蓄冷コ
イル18に固着する凍結した蓄冷材19より温度が高いの
で、熱交換によって蓄冷コイル18の周囲に固着する凍結
した蓄冷材19を解かし、冷却媒体16は、逆止弁25を通り
三方弁26を経て、第2キャピラリー管27で設定温度とな
るように減圧される。減圧され冷却された冷却媒体17
は、冷却コイル20を介して冷蔵庫内の熱を奪って、冷蔵
庫内を冷却する。
【0008】そして、蓄冷・冷却運転、冷却運転、離氷
・冷却運転などの各運転モードを切り換えることによっ
て、前記冷蔵庫内の冷却を調節している。その冷却の調
節は、前記冷蔵庫に配設されている蓄冷式冷却回路に設
けられた四方切換弁23や三方弁26などの切換弁が、前記
冷蔵庫内の各所に配設された検出サーモスタットによっ
て管理され、冷却媒体の流路を切り換えることによって
行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各種設
けられた切換弁によって各運転モードを切り換えるとき
に、各流路での冷却媒体の圧力差が大きいために騒音を
発する。そして、切り換えに多種の切換弁を用い、各冷
却運転経路に冷却媒体の減圧用キャピラリー管を配設さ
れているので、回路構造が複雑となり、大型になると共
に、防振や防音の対策が困難で、騒音防止を達成できな
い。さらに、冷却媒体をキャピラリー管にて減圧する際
の設定圧力が固定されているため、随時変動する冷却負
荷に対して対応しにくい。
【0010】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、各運
転モード切り換え時の騒音を抑え、冷却回路構造を簡略
化でき、冷却負荷の変動に対して対応し易い切換弁を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の切換弁は、圧縮
機、凝縮器および冷却コイルからなり、かつ前記凝縮器
に接続される蓄冷コイルを備えた冷凍サイクルにおい
て、前記凝縮器と蓄冷コイルおよび冷却コイルとの間に
接続される切換弁であって、前記蓄冷コイルに接続され
る第1流路および第2流路、前記冷却コイルに接続され
る第3流路、および前記凝縮器に接続される第4流路を
開口し、この第1ないし第4流路の開口部の内側に沿っ
て弁座面を形成した弁ケースと、この弁ケース内に前記
弁座部に沿って摺動自在に設けられ前記第2および第3
流路を連通させる凹部、第1流路と第4流路とを連通さ
せる第1ポートおよび第3流路と第4流路とを連通させ
る第2ポートとを形成した弁体とを備え、前記弁体は、
前記第4流路と第1流路を連通させると共に第2流路と
第3流路とを連通させ第1流路の面積を絞った状態の蓄
冷・冷却運転位置と、前記第4流路と第1流路を連通さ
せると共に第2流路と第3流路とを連通させ第3流路の
面積を絞った状態の離氷・冷却運転位置と、前記第3流
路を絞り第1流路を閉止する冷却運転位置とに選択的に
移動されることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明の切換弁は、流路を有する弁座面を形成
する弁ケースと、各流路を選択的に連通する凹部と直管
型のポートとを有する弁体とから形成され、その弁体に
設けられた凹部および直管型のポートが前記弁体に設け
られた各流路を冷却条件に合わせて微少移動しながら流
路面積を調整しつつ連通され、蓄冷コイルおよび冷却コ
イルに流通させる冷却媒体の量および温度を調節するよ
うにしたことで、各冷却運転の切り換え動作が小さく、
高圧力の冷却媒体が各流路へ切り換えられるときに発生
する騒音の防止ができる。さらに、各種切換弁および減
圧させるキャピラリー管が不要となり、蓄冷式冷却回路
の構成が簡略化でき、装置の小型化ができると共に、防
振・防音対策が容易で、騒音は発生しない。また、弁体
が微少移動することによって、連通する各流路の断面
積、すなわち、冷却媒体の流過量および温度が調節でき
ることから、冷却負荷の変動に対して随時対応でき、冷
却温度が常に安定し、経済的に運転できる。
【0013】
【実施例】本発明の一実施例の切換弁を図1ないし図4
について説明する。
【0014】切換弁1は、第1流路2、第2流路3、第
3流路4、および第4流路5を開口した弁座6を内側に
形成した弁ケース21を備えている。この弁ケース21内に
前記弁座6の上部に沿って、第2流路3、第3流路4と
を連通する凹部7と、第1流路2と第4流路5とを連通
する直管型の第1ポート8と、第3流路4と第4流路5
とを連通する直管型の第2ポート9とを形成する弁体10
が、摺動自在に設けらている。さらに、その弁体10に
は、冷却媒体が通れるように前記第1および第2ポート
8,9と第4流路5とを連通させる連通路11が形成され
ている。
【0015】前記凹部7と第1ポート8および第2ポー
ト9は、図2に示すように、第1流路2と第4流路5を
連通すると共に、第2流路3と第3流路4とを連通し、
弁体10の微少移動によって第1流路2の流路面積を絞っ
ても第2流路3と第3流路4の流路面積を変化させず、
さらに、図3に示すように第3流路4の流路面積を絞っ
ても第1流路2と第2流路3の流路面積を変化させない
ように弁体に形成される。
【0016】なお、前記凹部7と第1ポート8および第
2ポート9は、図4に示すように、第1流路2と第2流
路3が閉じられ、第3流路4と第4流路5が連通し、こ
の第3流路4と第4流路5の流路面積を絞っても第1流
路2と第2流路3が閉じられた状態に保つように形成さ
れる。
【0017】前記弁体10の移動は、例えばステッピング
モータなどの電磁石などの駆動部体12から発生した出力
が出力伝達拡大機構13によって駆動され、各運転条件に
合わせて移動する。
【0018】次に、上記実施例の蓄冷・冷却運転の動作
を図2について説明する。
【0019】弁ケース21内に弁座6面に沿って摺動移動
される弁体10は、連通路11と第1ポート8により第1流
路2と第4流路5とを流路面積を絞った状態で連通し、
凹部7により第2流路3と第3流路4とを連通した状態
で、圧縮機14で圧縮され凝縮器15で液化された冷却媒体
16は、前記弁座6に設けられた第4流路5を通過し、連
通路11を経て、その弁体10に形成する第1ポート8によ
って流路面積の絞られた第1流路2を通過する。その
際、第1流路2の流路面積が小さいため、その狭くなっ
た部分を通過した冷却媒体16は、急激に減圧されて温度
が下がる。設定温度まで温度が下がった冷却媒体17は、
蓄冷コイル18を介して蓄冷材19と熱交換し、蓄冷材19を
凍結させる。そして、一部気化し、気液混合状態の冷却
媒体は、再び第2流路3を通過し凹部7内に流入して、
第3流路4を経て冷却コイル20に至る。冷却コイル20中
で気化しながら冷蔵庫内中の循環空気と熱交換し、冷蔵
庫内を冷やす。気化した冷却媒体は再び圧縮機14および
凝縮器15で液化される。
【0020】次に、上記実施例の離氷・冷却運転の動作
を図3について説明する。
【0021】蓄冷コイル18を介して冷却された蓄冷材19
の温度を検知したサーモスタットからの信号により駆動
部体12が駆動され、出力伝達拡大機構13を介して弁ケー
ス21内に弁座6面に沿って摺動移動されるように形成さ
れた弁体10を移動させる。その弁体10は、連通路11と第
1ポート8により第4流路5と第1流路2とを連通さ
せ、凹部7により第2流路と第3流路の流路面積を絞っ
た状態で連通させる。この状態で圧縮機14および凝縮器
15で液化された冷却媒体16は、第4流路5を通過し、連
通路11を経て、第1ポート8によって全開された第1流
路2を通過する。このとき、減圧されることなく通過す
るのみであり、冷却媒体の温度が下がることはない。こ
の温度の高い冷却媒体16は、蓄冷コイル18に至り、蓄冷
コイル18の周囲に凍結して固着している蓄冷材19を解か
す。熱交換した冷却媒体は、再び、第2流路3を通過し
て凹部7に流入し、その凹部7によって多少開かれた第
3流路4を通過する。その際、冷却媒体16は急激に減圧
されて温度が下がる。設定温度に下がった冷却媒体17
は、冷却コイル20に至り、冷蔵庫内の循環空気と熱交換
して、冷蔵庫内を冷やす。
【0022】次に、上記実施例の冷却運転の動作を図4
について説明する。
【0023】蓄冷材19の温度を検知したサーモスタット
からの信号、または、冷却コイル20にて冷蔵庫内を急激
に冷却させるために作動されたスイッチからの信号によ
り、動作部体12を駆動させ、出力伝達拡大機構13を介し
て弁ケース21内に弁座6面に沿って摺動移動されるよう
に形成された弁体10を移動させる。その弁体10は、第1
流路2を閉鎖し、連通路11と第2ポート9により第4流
路5と第3流路4の流路面積を絞って連通させる。この
状態で、圧縮機14および凝縮器15で液化された冷却媒体
17は、第4流路5を通過し、連通路11を経て、第2ポー
ト9によって多少開かれた第3流路4を通過する。この
際、冷却媒体16は急激に減圧されて温度が下がる。設定
温度まで下がった冷却媒体17は、冷却コイル20を介して
冷蔵庫内の循環空気と熱交換して冷蔵庫内を冷やす。
【0024】このように、流路2,3,4,5を有する
弁座6と、各流路2,3,4,5を連通する凹部7と第
1および第2ポート8,9とを有する弁体10とから形成
され、前記弁体10が冷却負荷の変動によって随時微妙に
移動することによって、前記弁体10に形成する凹部7と
第1ポート8および第2ポート9とが弁座6に形成する
各流路2,3,4の流路面積を変化させて冷却が調整さ
れるため、各種切換弁によって冷却媒体16の流路を切り
換える必要がなくなり、また、各流路2,4の流路面積
の変化によって冷却媒体17の温度および流量を調整する
ため、蓄冷式冷却回路が簡略化されると同時に、騒音を
防止する。
【0025】なお、上記実施例において、弁体10を直線
状に摺動させる構造としたが、弁体10を円筒状とし、各
流路を円周状に配設して、ロータリータイプとすること
も可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明の切換弁は、流路を有する弁座面
を形成した弁ケースと、この弁座面に沿って摺動移動
し、各流路を連通する凹部と直管型のポートとを有する
弁体とから形成され、その弁体に設けられた各凹部およ
びポートが前記弁体に設けられた各流路を冷却条件に合
わせて微少移動し、その流路の面積変化によって冷却媒
体の減圧度合いが調整されて温度の低下の割合、およ
び、蓄冷コイルおよび冷却コイルに流過させる冷却媒体
の流量を調節するようにしたので、各冷却運転の切り換
え動作が小さくなり、高圧力の冷却媒体が各流路へ切り
換えられるときに発生する騒音の防止ができる。さら
に、各種切換弁および減圧させるキャピラリー管が不要
となり、蓄冷式冷却回路の構成が簡略化でき、装置の小
型化ができると共に、防振・防音対策が容易で、騒音は
発生しない。また、弁体が微少移動することによって、
連通する各流路の断面積、すなわち、冷却媒体の温度お
よび流量が調節できることから、冷却負荷の変動に対し
て随時対応でき、冷却温度が常に安定し、経済的に運転
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す切換弁の断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例の蓄冷・冷却運転の経路図で
ある。
【図3】本発明の一実施例の離氷・冷却運転の経路図で
ある。
【図4】本発明の一実施例の冷却専用運転の経路図であ
る。
【図5】従来の蓄冷式冷却運転の経路図である。
【符号の説明】
1 切換弁 2 第1流路 3 第2流路 4 第3流路 5 第4流路 6 弁座 7 凹部 8 第1ポート 9 第2ポート 10 弁体 21 弁ケース

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器および冷却コイルからな
    り、かつ前記凝縮器に接続される蓄冷コイルを備えた冷
    凍サイクルにおいて、前記凝縮器と蓄冷コイルおよび冷
    却コイルとの間に接続される切換弁であって、 前記蓄冷コイルに接続される第1流路および第2流路、
    前記冷却コイルに接続される第3流路、および前記凝縮
    器に接続される第4流路を開口し、この第1ないし第4
    流路の開口部の内側に沿って弁座面を形成した弁ケース
    と、 この弁ケース内に前記弁座部に沿って摺動自在に設けら
    れ前記第2および第3流路を連通させる凹部、第1流路
    と第4流路とを連通させる第1ポートおよび第3流路と
    第4流路とを連通させる第2ポートとを形成した弁体と
    を備え、 前記弁体は、前記第4流路と第1流路を連通させると共
    に第2流路と第3流路とを連通させ第1流路の面積を絞
    った状態の蓄冷・冷却運転位置と、前記第4流路と第1
    流路を連通させると共に第2流路と第3流路とを連通さ
    せ第3流路面積を絞った状態の離氷・冷却運転位置と、
    前記第3流路を絞り第1流路を閉止する冷却運転位置と
    に選択的に移動されることを特徴とする切換弁。
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