JP3257260B2 - 波長多重発光装置および波長多重伝送システム - Google Patents

波長多重発光装置および波長多重伝送システム

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JP3257260B2 JP17398294A JP17398294A JP3257260B2 JP 3257260 B2 JP3257260 B2 JP 3257260B2 JP 17398294 A JP17398294 A JP 17398294A JP 17398294 A JP17398294 A JP 17398294A JP 3257260 B2 JP3257260 B2 JP 3257260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、波長多重によって伝送
容量を増大し、あるいはマルチアクセスを可能にする光
ファイバ通信および光インターコネクションに適用され
る波長多重発光装置および波長多重伝送システムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信において、波長多重を用
いることで双方向伝送を可能にしたり、伝送容量の増大
を図ることは広く知られた技術である。さらに、最近で
は波長間隔を高密度にした多重化による波長分割マルチ
アクセス技術が開発されつつある。これは例えば C.A.
Brackett "Dense wavelength division multiplexing n
etworks: principles and applications," アイイーイ
ーイー・ジャーナル・オン・セレクティッド・エリアズ
・イン・コミュニケーションズ (IEEE Journal on Sele
cted Areas in Communications) 8巻、948頁(19
90年)に述べられているが、波長多重によってネット
ワークに接続された任意の端末間の同時通信を実現する
ものである。図6(A)に示す波長ルーティングネットワ
ークでは送信側に波長可変レーザ601を用い、信号光
の波長によって接続経路が切り替るように波長選択素子
602が配置される。そして、入力ポート603の位置
と信号光の波長によって出力ポート604が決定され
る。従って、レーザの波長を変化させることで、入力側
で出力先のアドレスを決定できる。一方、図6(B)の放
送−選択ネットワークでは、送信側はそれぞれ異なる発
振波長を有する固定波長レーザ605である。そして、
放送型のスターネットワーク606で信号光を分配し、
波長選択受信器607で必要な信号のみを受信する。
【0003】上記の放送−選択ネットワークは送信側が
発振波長固定のレーザであることから、実験システムを
構築することは比較的容易である。しかし、波長ルーテ
ィングネットワークでは波長可変レーザが必要とされ、
その性能上の限界から実験システムの構築すら容易では
ない。そこで、光源として波長可変レーザを用いるので
はなく、異なる波長で発振するレーザを集積した多波長
面発光レーザアレイを光源とするという提案もなされて
いる。これは例えば A.E. Willner他 "2-D WDMoptical
interconnections using multiple-wavelength VCSEL's
for simultaneous and reconfigurable communication
among many planes," アイイーイーイー・フォトニク
ス・テクノロジ・レターズ (IEEE Photonics Technolog
y Letters) 5巻、838頁(1993年)に述べられ
ている。ここで用いられる多波長レーザアレイは、Chan
g-Hasnain 米国特許 5,029,176(1991年7月2日登録)
に示されており、アレイ中に含まれる面発光レーザの発
振波長がそれぞれ異なるというものである。面発光レー
ザの発振波長は垂直共振器の共振波長によって決まり、
共振波長は共振器長によって決まるので、面発光レーザ
を構成する各層の層厚を面内方向に傾斜させることでに
よって発振波長の異なるレーザを同時に形成することが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の波長多重ネ
ットワークには、絶対波長の制御という課題がある。す
なわち、波長0.8μm、1.3μm、1.55μmの
3波を多重するようなシステムでは波長の識別は容易で
あるが、例えば1.25μmから1.35μmの間で1
00波を多重するシステムを考えると波長間隔は1nm
となり、この精度で送信側の発振波長および受信側の選
択波長を制御する必要がある。これは、波長ルーティン
グネットワークおよび放送−選択ネットワークに共通の
課題である。レーザの発振波長が固定でよい放送−選択
ネットワークであっても、絶対波長をnm以下の精度で
安定化することは容易ではない。さらに、端末ごとに1
nm間隔の異なった波長で発振するレーザが必要とされ
るが、これも現状の技術では多数のレーザの中から発振
波長が適当なものを選別するしか方法がない。これが、
「実験」システムを構築することは比較的容易であると
述べた理由であり、現状の技術では実用的なシステムを
構築するのは困難である。
【0005】一方、波長ルーティングネットワークで
は、波長可変レーザを用いるので絶対波長によってレー
ザを選別する必要はない。しかし、発振波長を所望の絶
対波長に設定することはやはり困難である。これは、波
長可変レーザの代りに多波長面発光レーザアレイを用い
たとしても同じである。アレイ中の面発光レーザの相対
波長間隔は保持されるが、絶対波長は周囲温度や動作電
流によって変化する。発振波長の絶対値が波長間隔以上
シフトすると、波長ルーティングが正しく行われなくな
り、信号光が送信したい相手先の端末で受信されないこ
とになる。また、受信側で波長選択するシステムにおい
ては、以上述べてきたことが受信側の選択波長の精度に
そのまま当てはまることになる。光学測定用の分光器を
用いれば、nmオーダーの絶対波長を分離することは可
能であるが、機械的に安定でコンパクトなシステムを構
成することはできない。
【0006】そこで、本発明では、送信側と受信側の波
長を一致させる波長多重発光装置および波長多重伝送シ
ステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成で
は、異なる発光波長を有する複数の発光素子を集積した
発光素子アレイと、前記発光素子アレイに含まれる複数
の発光素子の発光波長間隔を一定に保持したままで発光
波長を可変とする波長可変手段と、前記発光素子アレイ
に含まれる特定の発光素子の発振波長と外部から供給さ
れる基準光の波長との差分を検出する波長比較器と、前
記差分が一定値となるように前記波長可変手段を制御す
る駆動回路とを有し、前記発光素子アレイに含まれる前
記特定の発光素子以外の発光素子からの出力光を信号光
として出力する波長多重発光装置を構成する。ここで用
いる発光素子アレイは、半導体基板と、前記半導体基板
上に形成された下部反射器と、前記下部反射器上に島状
に形成された複数の共振器と、前記共振器上に形成され
た上部反射器とを有し、前記下部反射器、前記共振器お
よび前記上部反射器によって複数の面発光レーザが構成
され、前記共振器の層厚および前記共振器に含まれる活
性層の組成が前記半導体基板の面内方向に傾斜している
構成とする。
【0008】本発明に係る波長多重伝送システムは、発
光素子と校正用の発光素子とを集積した発光素子アレイ
と、前記発光素子アレイに含まれる発光素子の発光波長
を可変とする第1の波長可変手段と、前記校正用の発光
素子の発光波長と外部から供給される基準光の波長との
差分を検出する波長比較器と、前記差分が一定値となる
ように前記第1の波長可変手段を制御する第1の駆動回
路と有する波長多重発光装置、および受光素子と校正用
の受光素子とを集積した発光素子アレイと、前記受光素
子アレイに含まれる受光素子の選択波長を可変とする第
2の波長可変手段と、前記校正用の受光素子において前
記基準光の受光量が大きくなるように前記第2の波長可
変手段を制御する第2の駆動回路とを有する波長多重受
光装置とを備え、前記発光素子アレイに含まれる前記校
正用の発光素子以外の発光素子からの出力光を信号光と
して送信するとともに、前記信号光を前記受光素子アレ
イに含まれる前記校正用の受光素子以外の受光素子によ
って受信するものである。
【0009】
【0010】
【作用】本発明の波長多重伝送システムでは、送信側と
受信側で絶対波長制御を行うのことで両者の波長を一致
させるのではなく、基準光の波長に対する相対波長を制
御することで、送信側と受信側の波長を一致させる。こ
こで、基準光はシステム全体に分配されるようにする
が、本発明で想定しているシステムはローカルエリアネ
ットワーク(LAN)からチップ間光インターコネクシ
ョンの範囲であり、基準光を分配することはさほど困難
ではない。例えば、LANの場合には2心のファイバを
敷設して、1本を基準光の分配用に他の1本を波長多重
された信号の伝送用に用いれば良い。この際、基準光を
変調してシステム制御信号を送ることも可能である。
【0011】本発明の第1の構成では、異なる発光波長
を有する複数の発光素子を集積した発光素子アレイ、例
えば多波長面発光レーザアレイを光源として用いる。ア
レイ中の面発光レーザの発振波長は、温度あるいは動作
電流によって変化するが、アレイ全体の温度が変化した
場合を考えると絶対波長の変化に比べて発振波長間隔の
変化ははるかに小さい。例えば、1.300μmで発振
するレーザと1.301μmで発振するレーザがあり、
前者の発振波長が温度変化によって1.305μmに変
化したときには後者の発振波長は1.306004μm
になる。すなわち、波長間隔は1nmから1.004n
mに変化するだけである。従って、多波長面発光レーザ
アレイに含まれる特定の面発光レーザの発振波長と外部
から供給される基準光の波長との差分を波長比較器によ
って検出し、この差分が一定値(0でも有限値でもよ
い)となるようにアレイ全体の波長を制御すれば、基準
光との相対波長が厳密に制御された多波長光源が得られ
る。
【0012】上記構成において、多波長面発光レーザア
レイは半導体基板上に順次形成された下部反射器、活性
層を含む共振器、および上部反射器によって構成され、
共振器の層厚が前記半導体基板の面内方向に傾斜してい
るという従来の構成であってもよい。しかし、従来の多
波長面発光レーザアレイでは、共振波長のみを変化させ
ており、ゲインピークの位置はどの面発光レーザに対し
ても同じである。このため、波長を変化させられる範囲
はゲインピークの半値幅程度(数十nm)に制限され
る。この範囲を拡大するためには、共振器の層厚だけで
はなく活性層の組成も変化させればよい。例えば、活性
層がInxGa1-xAsである場合には、アレイ中で層厚
が厚くなり共振波長が長波長になるに従ってIn組成x
を大きくしていく。これによって、ゲインピークも長波
長側にシフトするので、広い波長範囲にわたる多波長面
発光レーザアレイが構成される。
【0013】
【0014】
【0015】
【実施例】図1は本発明の一実施例の波長多重伝送シス
テムにおける波長多重発光装置の構成図である。発光素
子アレイ101には異なる発振波長を有する複数の発光
素子102が形成されている。発光素子アレイ101は
配線基板103上にフリップチップボンディングされて
おり、配線基板103は温度制御素子104上に搭載さ
れている。発光素子102からの出射光ビーム105は
発光素子アレイ101裏面から取出され、分岐ファイバ
106に入射する。分岐ファイバ106は合波部107
で一本化され、信号光ファイバ108に導入される。こ
の信号光ファイバ108は基準光ファイバ109と2心
ファイバを構成している。基準光ファイバ109の出射
端は波長比較器110に結合されている。一方、発光素
子アレイ101には較正用発光素子111が含まれてお
り、較正用発光素子111からの出射光ビーム105は
ファイバ112を介して波長比較器110に入射され
る。本発明の波長多重発光装置では、送信側と受信側で
絶対波長制御を行うのことで両者の波長を一致させるの
ではなく、基準光の波長に対する相対波長を制御するこ
とで、送信側と受信側の波長を一致させる。本実施例で
は、2心のファイバの1本を基準光の分配用に他の1本
を波長多重された信号の伝送用に用いている。
【0016】波長比較器110は、基準光ファイバ10
9を伝搬してくる基準光の波長と較正用発光素子111
から出射される較正光の波長を比較して、その差分に比
例する電気信号を駆動回路113に出力する。波長比較
器110は、例えば基準光と較正光を合波する合波器、
受光素子、増幅回路および周波数弁別回路によって構成
されている。駆動回路113は波長比較器からの入力信
号に応じて温度制御素子104の駆動電流を変化させ
る。これによって発光素子アレイ101の温度が変化
し、較正用発光素子111の発振波長が変化する。この
フィードバックループによって、較正用発光素子111
の発振波長と基準光の波長の間隔を厳密に制御すること
ができる。一方、発光素子アレイ101中の発光素子1
02の発振波長間隔の変化は、絶対波長の変化に比べて
小さい。例えば、1.300μmで発振するレーザと
1.301μmで発振するレーザがあり、前者の発振波
長が温度変化によって1.305μmに変化したときに
は後者の発振波長は1.306004μmになる。すな
わち、波長間隔は1nmから1.004nmに変化する
だけである。従って、較正用発光素子111の発振波長
と基準光の波長の間隔を厳密に制御すれば、他の発光素
子102の発振波長と基準光の相対波長も厳密に制御さ
れることになる。
【0017】本実施例で用いられる発光素子アレイの断
面図を図2に示す。半導体基板201上に下部反射器2
02、制御層203、電流供給層204が積層されてお
り、さらにその上に島状の下部スペーサ層205、活性
層206、上部スペーサ層207および上部反射器20
8が積層されている。各島状の部分が発光素子209と
なる。ここで、制御層203および電流供給層204は
本発光素子アレイに必須のものではないので、まずこれ
らの層がない場合について説明する。この場合、下部ス
ペーサ層205、活性層206、上部スペーサ層207
によって共振器が構成されるが、共振器の層厚は半導体
基板201の面内方向に傾斜している。さらに、活性層
206の組成も半導体基板201の面内方向に傾斜して
いる。例えば、活性層がInxGa1-xAsである場合に
は、アレイ中で層厚が厚くなり共振波長が長波長になる
に従ってIn組成xを大きくしていく。これによって、
ゲインピークも長波長側にシフトするので、広い波長範
囲にわたる多波長発光素子アレイが構成される。
【0018】次に、制御層203および電流供給層20
4を含む場合について説明する。この場合は、制御層2
03、電流供給層204、下部スペーサ層205、活性
層206、上部スペーサ層207によって共振器が構成
される。各発光素子209を駆動する電流は、上部電極
210と中間電極211の間で流されるのに対し、中間
電極211と下部電極212の間には電圧が印加され
る。制御層203は例えば多重量子井戸構造を有してお
り、量子閉込めシュタルク効果によって印加電圧に応じ
て屈折率が変化する。この結果、全発光素子209の共
振器長が印加電圧に応じて一斉に変化することになり、
発光素子209の発振波長間隔を一定に保持したままで
絶対波長を変化させることが可能となる。すなわち、制
御層203および電流供給層204を含む構成では、図
1に示した温度制御素子104は不要となり、駆動回路
113の出力よって中間電極211と下部電極212の
間の印加電圧を制御することになる。
【0019】図3は本発明の一実施例の波長多重伝送シ
ステムにおける波長多重受光装置の構成図である。受光
素子アレイ301には垂直共振器フィルタ302と複数
の受光素子303が形成されている。受光素子アレイ3
01は配線基板304上にフリップチップボンディング
されており、配線基板304は温度制御素子305上に
搭載されている。信号光ファイバ306からの入射光ビ
ーム307は受光素子アレイ301の裏面に入射し、垂
直共振器フィルタ302を透過する波長を有する光のみ
が受光素子303に入射する。ここで反射された光は受
光素子アレイ301の裏面に形成された反射膜308で
反射され、再度垂直共振器フィルタ302に入射する。
ここで、垂直共振器フィルタ302の共振波長は受光素
子303ごとに異なっており、順次波長の異なる光が受
光されていく。
【0020】一方、信号光ファイバ306と2心ファイ
バを構成する基準光ファイバ309からの入射光ビーム
307は受光素子アレイ301に含まれる較正用受光素
子310に入射される。このとき較正用受光素子310
の受光パワーは垂直共振器フィルタ302の共振波長と
基準光ファイバ309を伝搬してくる基準光の波長に差
に依存し、両者が一致したときに最大となる。較正用受
光素子310の出力は駆動回路311入力され、温度制
御素子305の駆動電流を変化させる。これによって受
光素子アレイ301の温度が変化し、垂直共振器フィル
タ302の共振波長が変化する。このフィードバックル
ープによって、較正用受光素子310の選択波長と基準
光の波長の間隔を厳密に制御することができる。発光素
子アレイの場合と同様、受光素子アレイ301中の垂直
共振器フィルタ302の共振波長間隔の変化は、絶対波
長の変化に比べて小さい。従って、較正用受光素子31
0に対する共振波長と基準光の波長の間隔を厳密に制御
すれば、他の受光素子303に対する共振波長と基準光
の相対波長も厳密に制御されることになる。
【0021】本実施例で用いられる受光素子アレイの断
面図を図4に示す。半導体基板401上に下部反射器4
02、共振器403および上部反射器404が積層さ
れ、さらにその上に島状の受光素子405が積層されて
いる。ここで、下部反射器402、共振器403および
上部反射器404は垂直共振器フィルタを構成してい
る。共振器403の層厚は半導体基板401の面内方向
に傾斜しているので、各受光素子405に対応する垂直
共振器フィルタの共振波長はそれぞれ異なる。図2に示
した発光素子の場合と違い、この垂直共振器フィルタは
パッシブなファブリ−ペロ共振器なので、共振器403
の層厚を大きく変化させて共振波長を広範囲に変化させ
ても特に問題は生じない。また、共振波長を電気的に制
御する際にも、制御層を設ける必要はなく、共振器に直
接電圧を印加すればよい。受光素子405は上部電極4
06と中間電極407で駆動されるのに対し、中間電極
407と下部電極408の間に電圧を印加すれば、共振
器の屈折率が変化する。この結果、全受光素子405に
対応する垂直共振器フィルタの共振波長が一斉に変化す
ることになり、受光素子405の選択波長間隔を一定に
保持したままで絶対波長を変化させることが可能とな
る。
【0022】図5は本発明一実施例の波長多重伝送シス
テムにおける波長多重受光装置の断面図である。半導体
基板501上に下部反射器502、共振器503、上部
反射器504が順次積層され、さらにその上に島状の組
成傾斜層505、コレクタ506、ベース507、エミ
ッタ508が積層されている。下部反射器502、共振
器503および上部反射器504は垂直共振器フィルタ
を構成しており、コレクタ506、ベース507および
エミッタ508は受光素子であるフォトトランジスタを
構成している。コレクタ506、ベース507およびエ
ミッタ508上にはコレクタ電極509、ベース電極5
10およびエミッタ電極511が形成されている。ここ
で、コレクタ506およびベース507が受光素子の光
吸収層となるが、その吸収端波長は半導体基板501、
下部反射器502、共振器503、および上部反射器5
04を構成する材料の吸収端波長よりも長波長であると
する。具体的には、例えば半導体基板501と共振器5
03をGaAs、下部反射器502と上部反射器504
をAlAsとGaAsの交互積層膜とし、光吸収層をI
yGa1-yAs(0<y≦1)とする。GaAs/Al
AsとInyGa1-yAsは格子整合しないが、上部反射
器504とコレクタ506の間にInzGa1-zAs(0
≦z≦y)よりなる組成傾斜層を設け、組成傾斜層のI
n組成zを0からyまで変化させれば、このような構造
をエピ成長することができる。
【0023】半導体基板501側から信号光を入射すれ
ば、本実施例は損失のない波長選択受光素子として機能
する。上記構成で信号光の波長が垂直共振器フィルタを
構成する材料の吸収端より長波長で、光吸収層の吸収端
より短波長であるとすれば、垂直共振器フィルタは信号
光に対して透明となる。また、下部反射器502および
上部反射器504の反射率は交互積層多層膜の層数を増
やすことで十分に高くすることができる。反射率が高く
吸収のないファブリ−ペロ共振器は、共振波長の光を1
00%透過し、それ以外の波長の光は100%反射する
ので、反射光を再利用する光学系を設定すれば損失は全
く生じない。ここで、光吸収層としてy>0.5のIn
yGa1-yAsを用いれば、長波長帯の光ファイバ通信に
適用可能な波長選択受光素子が構成できる。ただし、上
記の材料系以外の材料であっても、本発明の構成要件を
満たすものであれば、波長選択受光素子として有効に機
能することは言うまでもない。また、本実施例に対して
も共振器503の屈折率を電気的に制御する手段を導入
することで、選択波長を可変にすることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の波長多重伝送システムによれ
ば、波長多重ネットワークにおいて送信側と受信側で絶
対波長制御を行うことで両者の波長を一致させるのでは
なく、基準光の波長に対する相対波長を制御することで
送信側と受信側の波長を一致させることができる。
【0025】本発明の構成によれば、発光素子アレイに
含まれる発光素子の発光波長と基準光の波長との相対波
長が厳密に制御された多波長光源が得られる。また、従
来の多波長光源と比較して、広い波長範囲に渡って発光
波長を変化させることもできる。
【0026】また、異なる選択波長を有する複数の受光
素子を集積した受光素子アレイを構成することで、選択
波長と基準光の波長との相対波長を厳密に制御すること
ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の波長多重発光装置の構成図
【図2】本発明の第1の実施例の波長多重発光装置の断
面図
【図3】本発明の第2の実施例の波長多重受光装置の構
成図
【図4】本発明の第2の実施例の波長多重受光装置の断
面図
【図5】本発明の第3の実施例の波長多重受光装置の断
面図
【図6】従来の波長多重伝送装置の概念図
【符号の説明】
101 発光素子アレイ 102 発光素子 104 温度制御素子 108 信号光ファイバ 109 基準光ファイバ 110 波長比較器 113 駆動回路 201 半導体基板 202 下部反射器 203 制御層 206 活性層 208 上部反射器 209 発光素子 301 受光素子アレイ 302 垂直共振器フィルタ 303 受光素子 305 温度制御素子 307 信号光ファイバ 308 基準光ファイバ 309 駆動回路 401 半導体基板 402 下部反射器 403 共振器 404 上部反射器 405 受光素子 501 半導体基板 502 下部反射器 503 共振器 504 上部反射器 505 組成傾斜層 506 コレクタ 507 ベース 508 エミッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/28 H04J 14/02 (56)参考文献 特開 昭58−196634(JP,A) 特開 昭64−84777(JP,A) 特開 昭64−21987(JP,A) 特開 昭63−64384(JP,A) 特開 昭63−221726(JP,A) 特開 昭63−158927(JP,A) 特開 平6−13983(JP,A) 特開 平5−13788(JP,A) 特開 平4−68930(JP,A) 特開 平5−63301(JP,A) 特開 平5−251738(JP,A) 特開 平2−167532(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 14/00 - 14/08 H04B 10/00 - 10/28 H01L 27/14 H01L 31/0232 H01S 5/0683 JICSTファイル(JOIS)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる発光波長を有する複数の発光素子
    を集積した発光素子アレイと、前記発光素子アレイに含
    まれる複数の発光素子の発光波長間隔を一定に保持した
    ままで発光波長を可変とする波長可変手段と、前記発光
    素子アレイに含まれる特定の発光素子の発光波長と外部
    から供給される基準光の波長との差分を検出する波長比
    較器と、前記差分が一定値となるように前記波長可変手
    段を制御する駆動回路とを有し、前記発光素子アレイに
    含まれる前記特定の発光素子以外の発光素子からの出力
    光を信号光として出力することを特徴とする波長多重発
    光装置。
  2. 【請求項2】 発光素子アレイに含まれる複数の発光素
    子が面発光レーザであり、前記面発光レーザを構成する
    多層構造の層厚を前記発光素子アレイの面内方向に傾斜
    させることで前記複数の発光素子の発光波長を異ならせ
    ることを特徴とする請求項1記載の波長多重発光装置。
  3. 【請求項3】 波長可変手段が発光素子アレイ全体の温
    度を変化させる手段であることを特徴とする請求項1記
    載の波長多重発光装置。
  4. 【請求項4】 発光素子アレイに含まれる面発光レーザ
    が、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された下部
    反射器と、前記下部反射器上に島状に形成された複数の
    共振器と、前記共振器上に形成された上部反射器とを有
    し、前記共振器の層厚および前記共振器に含まれる活性
    層の組成が前記半導体基板の面内方向に傾斜してなるこ
    とを特徴とする請求項2記載の波長多重発光装置。
  5. 【請求項5】 発光素子アレイに含まれる面発光レーザ
    の下部反射器と複数の共振器の間に形成された制御層
    と、前記制御層の屈折率を電気的に変化させる手段とを
    有することを特徴とする請求項4記載の波長多重発光装
    置。
  6. 【請求項6】 発光素子と校正用の発光素子とを集積し
    た発光素子アレイと、前記発光素子アレイに含まれる発
    光素子の発光波長を可変とする第1の波長可変手段と、
    前記校正用の発光素子の発光波長と外部から供給される
    基準光の波長との差分を検出する波長比較器と、前記差
    分が一定値となるように前記第1の波長可変手段を制御
    する第1の駆動回路と有する波長多重発光装置、および
    受光素子と校正用の受光素子とを集積した発光素子アレ
    イと、前記受光素子アレイに含まれる受光素子の選択波
    長を可変とする第2の波長可変手段と、前記校正用の受
    光素子において前記基準光の受光量が大きくなるように
    前記第2の波長可変手段を制御する第2の駆動回路とを
    有する波長多重受光装置とを備え、前記発光素子アレイ
    に含まれる前記校正用の発光素子以外の発光素子からの
    出力光を信号光として送信するとともに、前記信号光を
    前記受光素子アレイに含まれる前記校正用の受光素子以
    外の受光素子によって受信することを特徴とする波長多
    重伝送システム。
  7. 【請求項7】 発光素子アレイに含まれる発光素子が面
    発光レーザであり、前記面発光レーザを構成する多層構
    造の層厚を前記発光素子アレイの面内方向に傾斜させる
    ことで前記発光素子の発光波長を異ならせることを特徴
    とする請求項6に記載の波長多重伝送システム。
  8. 【請求項8】 第1の波長可変手段が発光素子アレイ全
    体の温度を変化させる手段であることを特徴とする請求
    項6に記載の波長多重伝送システム。
  9. 【請求項9】 発光素子アレイに含まれる面発光レーザ
    が、半導体基板と、前記半導体基板上に形成された下部
    反射器と、前記下部反射器上に島状に形成された複数の
    共振器と、前記共振器上に形成された上部反射器とを有
    し、前記共振器の層厚および前記共振器に含まれる活性
    層の組成が前記半導体基板の面内方向に傾斜してなるこ
    とを特徴とする請求項記載の波長多重伝送システム。
  10. 【請求項10】 発光素子アレイに含まれる面発光レー
    ザの下部反射器と複数の共振器の間に形成された制御層
    と、前記制御層の屈折率を電気的に変化させる手段とを
    有することを特徴とする請求項記載の波長多重伝送シ
    ステム。
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