本発明は、2以上の基板上に作製されたレーザ素子および光導波路を含む光送信機に関する。より詳細には、少なくともレーザ共振器を含む第1の基板と、光導波路回路を少なくとも含む第2の基板を組み合わせて構成される光送信機に関する。
高精細な動画配信サービスや移動体通信の普及などにより、ネットワークを流れるトラフィック量は膨大なものとなっており、年々さらに増加を続けている。このようなトラフィック需要に応え得る高速・大容量光ネットワークの構築に向け、各ノードにおいて使用される高速動作が可能な基本デバイスの開発が精力的に行われている。ノードにおける光源として、広帯域なベースバンド信号を伝送可能な大容量の光送信機は、重要な基本デバイスの1つである。
大容量の光送信機を実現するにあたっては、複数の信号光を多重化する技術が不可欠なものの1つである。複数の信号光の多重化のため、信号光を出力する複数の半導体レーザ素子と、複数の信号光を低損失に合波可能な石英系平面光波回路(PLC:Planar Light wave Circuit)による合波素子とを組み合わせた光送信機が用いられる。この光送信機においては、2つの異なる種類の基板材料である半導体基板と石英系基板を組み合わせたハイブリッド実装技術が広く採用されている。
しかしながら、半導体基板上に作製される半導体レーザを伝搬する光のモードフィールド径は、石英系基板上のPLCを伝搬する光のモードフィールド径と大きく異なる。これら異種材料の基板上に構成されたデバイス間で損失無く光結合させるためには、デバイス間で、レンズを用いてモードフィールド径を変換する必要がある。例えば、レンズ集積型の半導体レーザは、基板水平方向に共振器をもつ半導体レーザの出力光の出射方向を傾斜ミラーによって変換し、さらにInPによって基板表面に形成されたレンズを透過させて半導体基板から出力する。InPレンズによって所望のスポットサイズに変換されたレーザ出力光を、別個の外部レンズを用いることなく、低損失で他の光素子に結合させることが可能となる。
一般的なレンズ集積型の半導体レーザでは、出力光を傾斜ミラーによって基板裏面側に反射させ、裏面に形成されたレンズにより所望のスポットサイズに変換して出力する。例えば非特許文献1のFig.1には、フリップチップ実装で表面の電極とコンタクトを取ったレンズ集積型の半導体レーザが開示されている。これに対して、例えば非特許文献2では、レーザからの光出力を傾斜ミラーによって基板表(おもて)面に跳ね上げることで、基板表面から光出力を得る表面出射型半導体レーザ素子の構造も提案されている。
図1は、従来技術による表面出射型半導体レーザ素子の構造を示す図である。レーザ素子100は、半導体基板の内部に構成されたDFB(Distributed FeedBack Laser)グレーティングを持つ活性領域101を持っており、基板の表面側にはP型電極、裏面側にはn型電極が構成されている。活性領域101の両端では、基板端面を加工して45度ミラー105、104がさらに構成されている。レーザ出力光は、一方の45度ミラー104を反射して、基板面に垂直に上方(表面側に)に出射される。尚、レーザ出力光の出射する基板面上には、図1には明示的に描かれてはいないが、反射防止膜106も形成される。
図2は、従来技術のレンズを集積化した表面出射型半導体レーザ素子の構造を示す図である。レーザ素子200は、InP基板内に光導波路209が形成されており、活性層204、その上下のSCH層203a、203b、光導波路上の回折格子205がレーザ共振器201を構成している。さらに、基板端面には傾斜ミラー207が、レーザ共振器201の上方には電極206がそれぞれ形成されている。InP基板の表面から光出力を得る図2の半導体レーザ素子では、InP基板表面にInPレンズ208を集積することで、出力光を所望のスポットサイズに変換することが可能になる。図2の構成では、傾斜ミラー207およびInPレンズ208の間の位置合わせ、その作製プロセスを、半導体基板表面で行うことができる。このため、一般的な利用されるステッパプロセスによって高い位置決め精度でレンズを集積することが可能である。尚、非特許文献1のように基板の裏面にレンズを構成するのではなく、図2のように半導体基板の表(おもて)面にレンズを集積する場合、チップの作製プロセス上、裏面を加工する特殊なプロセスを必要としないメリットがある。図2に示したようなレンズを集積化した表面出射型半導体レーザ素子に、光合波素子を組み合わせると、複数の信号光を多重化することのできる光送信機が構成できる。
図3は、表面出射型半導体レーザアレイとPLC合波素子とを組み合わせた光送信機の構成を示す概観図である。光送信機300では、例えばInP基板302上に構成された発振波長の異なる複数の半導体レーザ共振器303からの各出力光を、InP基板上に集積された複数のレンズ305によって、石英基板301上に構成されたPLCに光結合する。光送信機300は、複数のレーザ出力光をPLC上のレンズ/ミラー部306によって光結合し、さらにAWG308によって波長分割多重を行い、マルチチャネル光309を出力するよう動作する。
図4は、図3の光送信機において1つのチャネルの半導体レーザ光とPLCとの光結合の様子をより詳細に示した図である。InP基板302内に構成されたレーザ共振器303からのレーザ出力光は、InP302基板内に作製された光導波路304によって基板端部へ伝搬される。光導波路304は、InPレンズ305の直下に作製された傾斜ミラー310に接続しており、レーザ出力光の伝搬方向は傾斜ミラー310によって基板面に垂直な方向に変換される。レーザ出力光は、基板表面に設けられたInPレンズ305によって、さらに所望のスポットサイズの光またはコリメート光に変換される。InPレンズ305からの出力光は、石英基板301で形成されたPLC素子の表面に達し、石英系基板301の表面に形成されたレンズ312を通してPLC光導波路307に適したスポットサイズに変換される。レンズ312を通過したレーザ出力光は、続いて石英系基板301上に作製された傾斜ミラー311によって伝搬方向を基板面に平行な基板水平方向に変換された後、PLC光導波路307に結合される。
したがって、従来技術の代表的な光送信機は、異なる2つの基板第1の基板上に作製された基板水平方向のレーザ共振器と、レーザ共振器からの出力光の出射方向を変換する傾斜ミラーを備えた表面出射型レーザ素子と、第1の基板とは異なる第2の基板上に作製され、基板面に平行な水平方向に光を伝搬する導波路と、基板表面から入射した光の進行方向を変換する傾斜ミラーを備えた光素子とからなっていた。
本発明の光送信機は、第1の基板上に作製された表面出射型レーザと、第1の基板とは異なる第2の基板上に作製された光回路とを、表面入出力型の光素子を用いて光結合し、基板間の簡単な配置構成に基づいて偏波状態を制御して、大容量の光送信機を実現する。すなわち、表面出射型レーザの共振器から傾斜ミラーへ光を導く第1の基板内に構成される光導波路と、表面入出力型の光素子の傾斜ミラーから光を取り出す第2の基板内に構成される光導波路とが、互いに直交する関係になるように配置することで、レーザからの光出力をTEモードからTMモードに変換する。従来技術の偏波多重方式の光送信機で必要とされていた、半導体レーザ出力光をTEモードからTMモードに変換するための個別の光学部品が不要となる。以下、図面を参照しながら、本発明の光送信機の構成および動作について説明する。
図5は、本発明の光送信機における2つの基板間の光結合の様子を説明する図である。第1の基板であるInP基板502上に作製された表面出射型半導体レーザと、第1の基板とは異なる第2の基板である石英系基板501上に作製された表面入出力型光素子の合波素子との間で光結合する例を説明する。従来技術の場合と、本発明の場合とを比較しながら説明する。
図5の(a)では、従来技術の光送信機の場合の2つの基板の間の光結合の様子を示している。図の上側には、2枚の基板の配置関係が描かれている。InP基板502上に作製された半導体レーザ503からの出力光は、光導波路504を介して、InPレンズ505の下部にある図示してない傾斜ミラーに導かれる。InPレンズ505と、石英系基板上のレンズ512との間で光結合した出力光は、石英系基板501上の光導波路507によって伝搬光として取り出される。ここで、第1の基板上の光導波路504と、第2の基板上の光導波路507は、平行となっている。すなわち、InP基板502上の傾斜ミラーに入射する直前の光の進行方向と、石英系基板501上の傾斜ミラーを反射した直後の光の進行方向は平行となっている。
図5の(a)の下側には、石英系基板501の傾斜ミラーを通り光導波路507に平行な線(Y軸)を含む光導波路断面を見た図を示す。このとき、半導体レーザ503からの出力光はInP基板502の基板面に水平な方向(X軸方向)の電界ベクトルを持つTEモードで半導体の光導波路504を伝搬し、石英系基板501上の光導波路507においても同じ方向(X軸方向)の電界ベクトルを持つTEモードで結合される。
図5の(b)は、本発明の光送信機の場合の2つの基板の間の光結合の様子を示している。図の上側には、2枚の基板の配置関係が描かれている。(a)の場合と同様に、第1の基板であるInP基板502上に作製された半導体レーザ503からの出力光は、光導波路504を介して、InPレンズ505の下部にある傾斜ミラーに導かれる。InPレンズ505と、石英系レンズ512との間で光結合した出力光は、第2の基板である石英系基板501上の光導波路507を介して伝搬光として取り出される。本発明の光送信機では、第1の基板上の光導波路504と、第2の基板上の光導波路507は、互いに直交する関係となるように配置される。すなわち、半導体レーザ503からの出力光を半導体基板502上の傾斜ミラーに導く光導波路504(Y軸方向)と、石英系基板501上の傾斜ミラーから伝搬光を取り出す光導波路507(X軸方向)とは、互いに直交する関係となるように配置される。
図5の(b)の下側には、石英系基板501の傾斜ミラーを通り光導波路507に平行な線(X軸)を含む光導波路断面を見た図を示す。すなわち、InP基板502上の傾斜ミラーに入射する直前の光の進行方向(Y軸方向)と、石英系基板501上の傾斜ミラーを反射した直後の光の進行方向(Z軸方向)とは、互いに直交する関係にある。したがって、半導体レーザ503からのTEモードの出力光は、石英系基板501上の傾斜ミラーに入射した際に、TEモードからTMモードに変換され反射されて、石英系素子の光導波路507に結合される。このように、第1の基板(InP基板)上に作製された表面出射型レーザと、第2の基板(石英系基板)上に作製された表面入出力型光素子の合波素子において、それぞれの傾斜ミラーおよび光導波路が直交する位置関係になるように配置設計を行うことで、簡単にTEモードからのTMモード変換が可能となる。
したがって本発明は、変調機能を有する光送信機において、第1の基板502上に構成され、前記第1の基板の基板面に平行な方向に光を出射するレーザ共振器503と、前記レーザ共振器からの発振光を伝搬する第1の光導波路504と、前記第1の光導波路からの伝搬光の進行方向を、前記第1の基板の前記基板面に垂直な方向に変換する第1の傾斜ミラーとを含む第1の光素子と、前記第1の基板とは異なる第2の基板501上に構成され、前記第2の基板の基板面に平行な方向に光を伝搬する第2の光導波路507と、前記第1の光素子の前記第1の傾斜ミラーから入射した光の進行方向を、前記第2の基板の前記第2の光導波路に沿った方向に変換する第2の傾斜ミラーとを含む第2の光素子とを備え、前記第1の傾斜ミラーに入射する前記発振光が伝搬する前記第1の光導波路504、および、前記第2の傾斜ミラーによって前記進行方向が変換された光が伝搬する前記第2の光導波路507が、互いに直交する関係となるよう構成されていることを特徴とする光送信機として実施できる。
以下、図面を参照しながら本発明のさらに具体的な実施例について詳細に説明する。以下の種々の実施例の説明において提示される具体的な数値例は、本発明を実施する上での例示的なものに過ぎず、本発明の範囲はこれらの具体的な数値例のものだけに限定されない。一般性を失うことなしに別の数値においても実施することもできるし、様々な変形例や組み合わせ例も可能であることは言うまでもない。最初に、直接変調レーザ型の光送信機の実施例によって、本発明で偏波多重変調方式の光送信機を実現する構成について説明する。
以下の説明では、1つの基板上に少なくとも光導波路が構成され、光導波路上の光信号の伝搬を含む何らかの光信号処理を実施できる光回路を、単に「素子」または「光素子」と呼ぶ。光素子は、半導体基板上にも構成できるし、石英系基板またはその他の材料の基板上に構成することもできる。
図6は、本発明の実施例1の光送信機の光導波路に着目した構成を示す概念図である。光送信機600は、第1の基板上に作製された半導体レーザ素子(第1の光素子)、および、第2の基板上に作製された石英系合波素子(第2の光素子)を含み、図6は、それぞれの光導波路の方向とレーザ共振器の配置関係がわかるように図示した。構成をより分かりやすくするため、図上でレーザ素子と石英系光素子(以下PLC素子と言う)とが重ならないように図示しているが、実際には図面に垂直な方向の共通軸上で、石英系基板601上のレンズ606と半導体基板602上のレンズ605とが重なるように配置される。すなわち、図6上の2つの基板間の点線で結ばれたレンズ群が、図面に垂直な方向の同一軸上で重なる。
また、図6ではすべての光導波路やレンズが見えるものとして図示しているが、実際にはInP基板602と石英系基板601のそれぞれの回路素子が作製される表(おもて)面同士が向い合わせになる。例えば、レンズ605、606が互いに向い合わせとなるように配置される。したがって、図6に示した石英系基板601上の各要素は、光回路が構成される表(おもて)面の反対側(裏側)から透視した状態で描かれている点に留意されたい。図6に示したように、2つの基板上の各レンズが基板面に垂直な共通の軸上で向かい合って配置され光結合する構成は、2枚レンズ系構成とも呼ばれる。
図6に戻ると、半導体レーザ603a、603bは、それぞれ4チャネル毎に1つのグループを構成し、2つのグループで、合計8チャネルの直接変調型半導体レーザからなる半導体レーザアレイである。それぞれの半導体レーザ素子は、InP基板602面に平行な水平方向に形成されたレーザ共振器と、共振器に連続して同方向に形成された光導波路604a、604bと、図示していない傾斜ミラーと、InP基板602の表(おもて)面の光軸上に形成されたInPレンズ605からなる。本実施例の半導体レーザ603a、603bは従来技術のものと変わりがないため、図2も参照しながら簡単にその構造について述べる。
素子作製にはn−InP基板202上に、下部SCH(Separated Confinement Heterostructure)層203a、多重量子井戸層の活性層204、上部SCH層203bを順次成長した初期基板を用いる。初めに、光導波路となる部分を選択的にエッチングし、バットジョイント再成長によって光導波路部分を形成する。続いて、レーザ共振器部に1.3μm帯を発振波長として動作するように調節された回折格子205を形成する。その後、再成長によって回折格子205を埋め込み、p−InPクラッド層を形成する。クラッド層の厚さは一般的な半導体レーザで用いられる1.5μmとした。次に、メサ構造をエッチングによって形成し、再び埋め込み再成長によってメサの両脇にFeをドーピングした半絶縁性InP層を形成した。したがって、本実施例の半導体レーザ素子は、共振器の垂直方向については、多重量子井戸層の活性層204と上下のSCH層203a、203bからなるコア層(層厚の合計200nm)と、コア層を上下から挟み込むInPクラッド層からなる積層構造を持っている。水平方向については、メサ両脇にInP層が形成された埋め込みヘテロ構造を持っている。また、共振器長を200μm、ストライプ幅を1.5μmとし、共振器内に形成した回折格子に起因するDFBモードで動作する。
続いて、ステッパプロセスおよびエッチングによって光導波路の直上の半導体基板の表面上にInPレンズ208を形成する。このときInPレンズ208は、後述する対向する石英系基板上のレンズとコリメート光で繋ぐように設計した曲率を有する。次に、光導波路部分の終端にInP基板表面となす角45°を設計値としてエッチングを施して、傾斜ミラー207を形成する。この際のエッチングは、光導波路部分が完全に露出し、さらに光導波路を越えた下部を2μm程度露出する深さまで行った。最後にn側の電極、p側の電極を形成した。
図6に示した2つのグループの半導体レーザ603a、603bは、LD1〜LD8からなり、それぞれのグループの対応する2つのLDが同じ波長で発振する。LD1〜LD8は共振器内部に形成された回折格子によって発振波長が制御され、LD1およびLD5がλ1(1294.53−1296.59nm)で、LD2およびLD6がλ2(1299.02−1301.09nm)で、LD3およびLD7がλ3(1303.54−1305.63nm)で、LD4およびLD8がλ4(1308.09−1310.19nm)で、それぞれ動作するように調整されている。
図6に戻ると、石英系基板601上にもLD1〜LD8の各チャネルの信号光に対して、石英系基板601の表(おもて)面に形成され、石英系基板上の光導波路607a、607bに最適なモードフィールドにコリメート光を集光するレンズ606が構成される。石英系基板601上には、さらに、信号光の進行方向を石英系基板601に平行な水平方向に変換する図示しない傾斜ミラーと、信号光を石英系基板601面に平行な水平方向に伝搬する上述の光導波路607a、607bとを備える。また、各光導波路は、前述のLD1〜LD8の発振波長λ1〜λ4の波長間隔で、各レーザ出力光を合波するAWG609a、609bに接続される。
レーザ共振器からの発振光の流れを再度追うと、以下のようになる。各半導体レーザにより変調された信号光(出力光)はレーザ共振器から出力し、レーザ共振器から連続して形成された光導波路604a、604bを伝搬し、さらに傾斜ミラーへ入射する。傾斜ミラーにおいて、レーザ出力光の伝搬方向は基板面に垂直な方向に変換され、InP基板602表面のレンズ605に達する。レーザからの出力光は、半導体レーザ素子のInP基板602(第1の基板)から出射すると同時に、InPレンズ605によってコリメート光に変換される。続いてInP基板からの出射光は、石英系基板601(第2の基板)表面に形成されたレンズ606に到達し、レンズ606によってPLC光導波路に最適なスポットサイズに集光されながら石英系基板601上に形成された傾斜ミラーに達する。傾斜ミラーにより基板面に平行な水平方向に伝搬方向を変換された出力光はPLC光導波路607a、607bに結合される。
ここで、半導体レーザの第1のグループ603aのLD1、LD2、LD3、LD4は、TEモードの光を供給する。2つの基板上の傾斜ミラーに接続される光導波路604a、光導波路607aは、それぞれInP基板602上の傾斜ミラーへ光導波路604aを通じて光が入射する際の光の進行方向と、石英系基板601上の傾斜ミラーから光導波路607aへ光が出射する際の光の進行方向が平行になるように配置されている。前述のように、半導体レーザの第1のグループ603aからの光は、レーザ共振器からの出射光と同じくTEモード、すなわち基板面に対して平行な水平方向の電界方向を有した状態でPLC光導波路607aへ結合される。
一方、半導体レーザの第2のグループ603bのLD5、LD6、LD7、LD8は、TMモードの光を供給する。2つの基板上の傾斜ミラーに接続される光導波路604b、光導波路607bは、それぞれInP基板602上の傾斜ミラーへ光導波路604bを通じて光が入射する際の光の進行方向と、石英系基板601上の傾斜ミラーから光導波路607bへ光が出射する際の光の進行方向が、相互に直交する関係となるように配置されている。前述のように、半導体レーザの第2のグループ603bからの光はレーザ共振器からの出射光とは異なりTMモード、すなわち基板面に対して垂直方向の電界方向を有した状態でPLC光導波路607bへ結合される。LD5〜LD8からの出力光が結合されるPLC光導波路607bは、それぞれ互いが交差しないように配置されている。また、本実施例では2つの基板表面にそれぞれレンズを形成しているが、後述する本発明特有の効果であるTEモードからTMモードへの変換に関してレンズは必須ではない。
続いて、TEモードで結合されたLD1〜LD4からの出力光、並びに、TMモードで結合されたLD5〜LD8からの出力光は、それぞれ合波素子であるAWG609aおよびAWG609bによって合波され、それぞれPLC光導波路610aおよびPLC光導波路610bに結合される。さらにPLC光導波路610aおよびPLC光導波路610bから偏波ビームスプリッタ611に入射された出力光は、1つの光導波路612に結合され、石英系基板601の端面から出射される。
試作した本実施例の光送信機において半導体レーザ素子グループ604a、604bの各々とPLC素子との光結合損失を見積もったところ、LD1〜LD8の8素子の平均で3.0dBとなった。この結果、外部レンズ等を用いることなく基板上にレンズの集積もしていない表面出射型半導体レーザ素子と比較して、各チャネルで約10dBの損失改善が得られた。また、各LDを単体で動作させて、PLC素子の偏波ビームスプリッタ611からの出力レベルを評価することで光送信機全体の挿入損失を評価した。すべてのチャネルにおいて、挿入損失が5dB以下という良好な特性を得た。さらに、LD1〜LD8の半導体レーザを直接変調することによる伝送実験を実施した。ここではLD1〜LD8の各々を50Gb/sのデータレートで直接変調動作させ、PLC素子からの多重化された信号光を光送信機から出力させた。ここで光受信機回路として、AWG609a、609bおよび偏波ビームスプリッタ611と同一構造をもつPLC素子を用いて、各LDからの信号光を分光および検出することで伝送実験を実施した。各LDは、データレート50Gb/sのNRZ信号形式で、31段の擬似ランダム信号(PRBS 231−1)で直接変調され、変調振幅バイアス(Vp−p) は3.5 Vである。その結果、すべてのチャネルにおいて良好なアイ開口を確認し、偏波多重WDM光送信機の動作が実現された。
上述の実施例では、直接変調レーザにおいて偏波多重変調を実現する光送信機の例を示したが、次に電界吸収型(EA:Electro Absorption)変調レーザにおいて、偏波多重変調方式を実現する構成例を示す。
図7は、本発明の実施例2の電界吸収型変調レーザを用いた光送信機の構成を示す図である。本実施例の光送信機700は、EA変調器集積半導体レーザアレイ素子702およびPLC合波素子701からなり、図7では2つの光素子の空間的な配置がわかるよう立体的に示した斜視図で示している。
図8は、実施例2の光送信機700の2つの光素子のより詳細なチップ内構成がわかるように基板面を垂直に見た上面図を示す。EA変調器集積半導体レーザアレイ素子(第1の光素子)702はInP基板上に作製されており、PLC合波素子701(第2の光素子)は、石英系基板上に作製されている。本実施例における2つの光素子上のInPレンズおよび傾斜ミラーは、前述の実施例1のものと同一構造であり、各チャネルからの光出力は、半導体レーザアレイ素子702上のレンズ705a、705bと、PLC合波素子701上のレンズ706a、706bとの間を、それぞれコリメート光で結合する2枚レンズ系となっている。
図7を再び参照すると、InP基板上に作製された半導体レーザアレイ素子702上の4つの半導体レーザ素子703(LD1〜LD4)は、それぞれ共振器内の回折格子によって、λ1(1294.53−1296.59nm)で、λ2(1299.02−1301.09nm)で、λ3(1303.54−1305.63nm)で、λ4(1308.09−1310.19nm)の各波長で動作するように設計された分布帰還型(DFB:Distributed FeedBack Laser)レーザである。また4つの半導体レーザ素子703は、λ/4位相シフトを共振器中央に配置した回折格子を持っており、各共振器の前側および後側からは、それぞれ同一強度の発振光が得られる。
図9は、実施例2の光送信機における半導体レーザ素子の断面構造を示す図である。図9は、4つの半導体レーザ素子703の内の1つの半導体レーザ素子720の断面を示している。レーザ共振器726の前後の両側(図9ではチップ断面の左右両端)には、レーザ共振器726から連続して光導波路721a、721bが構成され、レーザ共振器726からの光出力をそれぞれ伝搬する。光導波路721a、721bには、EA変調器704a、704bがさらに連続して構成されている。すなわち本実施例の光送信機における半導体レーザ素子720には2つのEA変調器704a、704bが集積されており、光導波路721a、721bを伝搬してきたレーザ共振器726からの各出力光をそれぞれ別個に強度変調して、2つの異なる信号光(変調光)として出力する。
ここで図7および図8を再び参照すると、4つの半導体レーザ素子703の前側にはEA変調器704a(チャネル1〜4)が集積され、4つの半導体レーザ素子703の後側にはEA変調器704b(チャネル5〜8)が集積されている。すなわち本実施例の光送信機は、1つの半導体レーザ素子の前側と後側からの出力光をそれぞれ別のEA変調器によって変調することで、2チャネル分の別個の信号光を得ることできる構成となっている。したがって、4つの半導体レーザ素子703に対して8つのEA変調器704a、704bが集積され、半導体レーザアレイ素子702からは8チャネル分の信号光(変調光)が出力される。ただし、同一の半導体レーザ素子に集積されている2つのEA変調器は、当然にそれぞれ同一波長の信号光を出力する。一般的な構成の8チャネルのEA変調器集積型半導体レーザ素子に対して、本実施例の構成によれば半導体レーザ素子における消費電力を大幅に削減できる。
各EA変調器により変調された信号光は、再び導波路722a、722bを伝搬し、傾斜ミラー723a、723bへ入射する。傾斜ミラー723a、723bにおいて信号光は、その伝搬方向がInP基板の基板面に対して垂直な方向に変換され、InP基板表面のレンズ705a、705bに達する。InP基板表面からの出力光は、基板表面から出射すると同時にInPレンズ705a、705bによってコリメート光に変換される。続いてInPレンズ705a、705bからの出射光は、PLC合波素子701の石英系基板表面に対向して形成されたレンズ706a、706bに到達する。これらのレンズによって石英系基板上のPLC光導波路に最適なスポットサイズに集光されながら石英系基板上に形成された図示しない傾斜ミラーに達する。傾斜ミラーによって石英系基板の基板面に平行な水平方向に伝搬方向を変換されたレーザ素子出力光(変調光)は、PLC光導波路707a、707bに結合される。
図8において本実施例の光送信機の2つの基板上の各光導波路は、次のように構成されている。すなわち、EA変調器704aからのチャネル1〜4の信号光が光導波路705aからInP基板上の傾斜ミラー705aへ入射する際の光の進行方向と、石英系基板上の傾斜ミラー706aからPLC光導波路707aへ出射する際の光の進行方向とが、平行になるように光導波路705a、707aが配置されている。したがって、2つの基板間を2つのレンズを介して結合するときの信号光は、レーザ共振器からの出射光と同じくTEモード、すなわち石英系基板に対して水平方向の電界方向を有した状態でPLC光導波路へ結合される。
一方、EA変調器704bからのチャネル5〜8の信号光は、光導波路705bからInP基板上の傾斜ミラーへ入射する際の光の進行方向と、石英系基板上の傾斜ミラーから光導波路707bへ出射する際の光の進行方向とが互いに直交するように光導波路705b、707bが配置されている。したがって2つの基板間を2つのレンズを介して結合するときの信号光は、レーザ共振器からの出射光とは異なりTMモード、すなわち石英系基板に対して垂直方向の電界方向を有した状態でPLC光導波路へ結合される。それぞれのEA変調器からの信号光が結合されるPLC合波素子701上のPLC光導波路は、それぞれ互いに交差しないように配置されている。
続いて、TEモードで結合されたチャネル1〜4の信号光およびTMモードで結合されたチャネル5〜8の信号光は、それぞれ合波素子AWG708a、708bによって合波され、それぞれPLC光導波路709aおよびPLC光導波路709bに結合される。さらにPLC光導波路709aおよびPLC光導波路709bから偏波ビームスプリッタ710に入射されたチャネル1〜8の信号光は1つの光導波路711に結合され、偏波多重化された信号光が石英系基板の端面から出射される。
したがって、本発明の光送信機は、変調機能を有する光送信機において、第1の基板上に構成され、前記第1の基板の基板面に平行な方向に光を出射するレーザ共振器と、前記レーザ共振器の一方の端からの発振光を変調する第1の電界吸収型変調器と、前記レーザ共振器の他方の端からの発振光を変調する第2の電界吸収型変調器と、前記第1の電界吸収型変調器からの変調光を伝搬する第1の光導波路と、前記第2の電界吸収型変調器からの変調光を伝搬する第2の光導波路と、前記第1の光導波路の伝搬光の進行方向を、前記第1の基板の前記基板面に垂直な方向に変換する第1の傾斜ミラーと、前記第2の光導波路の伝搬光の進行方向を、前記第1の基板の前記基板面に垂直な方向に変換する第2の傾斜ミラーとを含む第1の光素子と、前記第1の基板とは異なる第2の基板上に構成され、前記第2の基板の基板面に平行な方向に光を伝搬する複数の光導波路と、各々が、前記第1の光素子の前記第1の傾斜ミラーまたは前記第2の傾斜ミラーのいずれかから入射した光の進行方向を、前記第2の基板の前記複数の光導波路の内の対応する1つの光導波路に沿った方向に変換する複数の傾斜ミラーとを含む第2の光素子とを備え、前記第1の傾斜ミラーに入射する前記発振光が伝搬する前記第1の光導波路、および、前記第2の基板の前記複数の傾斜ミラーによって前記進行方向が変換された光が伝搬する前記複数の光導波路の一部の導波路が、互いに直交する関係となるよう構成され、前記第1の傾斜ミラーに入射する前記発振光が伝搬する前記第2の光導波路、および、前記第2の基板の前記複数の傾斜ミラーによって前記進行方向が変換された光が伝搬する前記複数の光導波路の他の一部の導波路が、互いに平行な関係となるよう構成されていることを特徴とする光送信機として実施できる。
試作した本実施例の光送信機において、まずは各チャネルについて、半導体レーザアレイ素子702およびPLC合波素子701の光結合損失を見積もった。その結果、TEモードで結合するチャネル1〜4およびTMモードで結合するチャネル5〜8の間で、結合損失の明確な差異は確認されず、いずれの場合も平均で3.0dBの結合損失が確認された。したがって、個別の光学部品である外部レンズ等を用いず基板上にレンズの集積もしていない表面出射型半導体レーザ素子と比較すると、平均で約10dBの損失改善が得られた。
また、各LDへ動作電流70mAを注入し、8つのEA変調器704a、704bを同時に駆動させる伝送実験を実施した。その結果、各チャネルにおいて、NRZの信号形式でデータレート40Gb/s、31段の擬似ランダム信号(PRBS 231−1)で変調された光信号を受信して、明瞭なアイ開口が確認された。本実施例の光送信機によって、従来技術のように複数のレンズやミラーなどの個別の光学部品によるTEモードからTMモードに変換するための複雑な機構を用いることなく、簡単な構成で、省サイズかつ低損失な偏波多重方式の光送信機が実現された。さらに本実施例では、8チャネル分の信号光を得るのに半導体レーザ素子が4つで済むため、8つの半導体レーザ素子を利用する一般的な構成の8チャネル光送信機と比べて、駆動電流を15%減らすこともできた。
上述の2つの実施例では、光送信機を構成する2つの基板が異なる材料の基板を使用する場合を示した。しかしながら、本発明の特徴は光送信機が同種材料からなる2つの基板から構成される場合にも発揮され、2つの基板材料の同異に関係なく適用できる。次の実施例では、TMモードで変調を行うことのできるEA変調レーザ光送信機の例を示す。
図10は、本発明の実施例3の電界吸収型(EA)変調レーザを用いた光送信機の構成を示す図である。光送信機1000は、第1のInP基板上に作製された半導体レーザアレイ1001(以下レーザアレイチップ)と、第2のInP基板上に作製された電界吸収型光変調器アレイ1002(以下、EA変調器アレイチップ)から構成される。各InP基板上に作製された光導波路、InPレンズおよび傾斜ミラーの構成は前述の実施例1の場合と同一である。レーザアレイチップ1001上と、EA変調器チップ1002上には、それぞれ4チャネル分の図示しない傾斜ミラーとInPレンズ1004、1015、1007、1008を備えている。光送信機1000は、向かい合う傾斜ミラーおよびInPレンズの2組を介して、コリメート光で2つの基板間が光学的に接続される2枚レンズ系で構成されている。図10では、各要素が見えやすいように、2つのアレイがずらして描かれているが、2つのアレイチップ1001、1002は、点線で結ばれた各レンズの組が基板面に垂直な共通軸上で重なるように配置される。
図10の光送信機1000において、第1のInP基板上に作製された半導体レーザ1010(LD1〜LD4)は、それぞれ共振器内の回折格子によって、λ1(1294.53−1296.59nm)、λ2(1299.02−1301.09nm)、λ3(1303.54−1305.63nm)、λ4(1308.09−1310.19nm)の各波長で動作するように設計されており、4チャネルのDFBレーザアレイである。
レーザ共振器1010の各々から光導波路1003が連続して形成されており、レーザ共振器からの出力光を伝搬する。さらに各光導波路1003を伝搬された光は、図示していない傾斜ミラーに入射し、進行方向を垂直に変換して第1のInP基板表面から出射し、同時にInPレンズ1004によってコリメート光に変換される。続いて、第1のInP基板から出射した各出力光は、EA変調器1006が作製された第2のInP基板表面に形成されたInPレンズ1005に到達する。これらのInPレンズ1005によって、再びEA変調器アレイチップ1002上の光導波路1011に最適なスポットサイズに集光されながら第2のInP基板上に形成された図示しない傾斜ミラーに達する。傾斜ミラーにより基板面に平行な水平方向に伝搬方向を変換された出力光は、第2のInP基板上の光導波路1011に結合される。各チャネルの光導波路1011はEA変調器1006に接続されており、各チャネルの光をEA変調器1006でそれぞれ変調して、4チャネル分の変調光を生成し、さらに光導波路1012を伝搬する。各チャネルの変調光は、光導波路1012から2つの基板上の図示しない傾斜ミラーとレンズ1007、1008を通して、再び元のレーザアレイチップ1001上の光導波路1013に結合され、第1のInP基板の端面から変調光1009として出射する。
ここで、2つの基板間の光結合と、2つの基板上の光導波路の配置構成に着目する。各チャネルの光がレーザアレイチップ1001からEA変調器アレイチップ1002へ結合される場合、2つの基板上の光導波路1003、1011は、レーザアレイチップ1001の傾斜ミラーへ入射する直前の光導波路1003上の光の進行方向と、EA変調器アレイチップ1002の傾斜ミラーで反射された直後の光導波路1011上の光の進行方向が、互いに直交する方向となるよう配置されている。また、各チャネルの光がEA変調器アレイチップ1002から再びレーザアレイチップ1001へ結合される場合、2つの基板上の光導波路1012、1013は、EA変調器アレイチップ1002の傾斜ミラーへ入射する直前の光導波路1012上の光の進行方向と、レーザアレイチップ1001の傾斜ミラーで反射された直後の光導波路1013上の光の進行方向も、互いに直交する方向となるよう配置されている。
したがって、半導体レーザ1010から出力した各チャネルの光は、TEモードでレーザアレイチップ1001内を伝搬し、2つのレンズを介してEA変調器アレイチップ1002に結合されるときにTMモードに変換される。変換されたTMモード光がEA変調器1006によりそれぞれ変調され、再びレーザアレイチップ1001に結合する際に再びTEモードに変換される。光送信機1000の全体では、TMモードで変調が可能なEA変調器付きの光源として機能する。このように、本発明特有の2つの基板間における光導波路の配置構成によって、TEモードからTMモードへの変換は、2つの基板がどちらもInP基板であって同一種類の材料で構成される場合にも適用できる。2つの基板が石英系基板の場合であっても、同様に効果を発揮する。前述のように、EA変調器は、TEモードよりもTMモードに対して高い吸収係数を有することが知られている。本実施例の光送信機では、次に述べるような効果を生じる。
図11は、EA変調器におけるTEモードとTMモードの間の消光特性の比較を示す図である。図11の縦軸に示された変調器の消光比は、一般にTEモードよりもTMモードの方が絶対値が大きい。したがって、本実施例のようにTMモードでEA変調器を実現できれば、TEモードで実現できる消光比を維持する条件で、TMモードではEA変調器の長さをより短くすることができる。電極の長さを短くできることで、結果的にEA変調器の広帯域化が可能となる。本実施例ではEA変調器1006の長さを75μmとしている。これは一般的な高速変調用のEA変調器と比べて、約1/2の長さである。
図10で示した本実施例の光送信機を用いて伝送実験を実施した。各チャネルの半導体レーザには電流85mAを注入している。各EA変調器において、データレートが50Gb/sで信号形式がNRZの、31段の擬似ランダム信号(PRBS 231−1)で変調された光信号1009が、レーザアレイチップ1001の出力側端面から出射される。各チャネルの変調信号のアイパターンを計測した結果、良好なアイ開口が得られた。また、各チャネルの動的消光比を評価したところ、平均で10.0dBの良好な特性を得た。さらに各チャネルの光出力レベルは、すべて概ね3.0dBmであることが確認された。本実施例の光送信機によれば、従来技術のように複数のレンズやミラーなどの個別の光学部品によるTEモードからTMモードに変換するための複雑な機構を用いずに、簡単な構成で、高い消光特性を得られるTMモードで動作するEA変調器を備えた光送信機が実現される。
上述の実施例で、半導体レーザやEA変調器を構成する基板としては、InPの他に、GaAs、GaNなどが利用できる。また、光合波素子を構成する基板としては、石英系基板のほか、Si基板、プラスチック基板などを利用できる。同一種類の基板を用いた光送信機の例としては、実施例3のEA変調器による光送信機の外、マッハツェンダー変調器などがある。
上説明したように、本発明によればレーザ共振器を有する第1の基板上の光導波路および第2の基板上の光導波路が特定の配置関係となるように構成することで、半導体レーザからのTEモードの出力光をTEモードまたはTMモードの任意の偏波方向で第2の基板内の光導波路に結合させることができる。その結果、従来技術のように複数のレンズやミラーなどの個別の光学部品によるTEモードからTMモードに変換するための複雑な機構や、複雑な偏波回転素子などを用いることなく、簡単かつ省サイズかつ低損失な偏波多重方式を用いた光送信機を実現できる。