JP6135240B2 - 光電変換器及び光検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換器及び光検出方法に関する。
赤外線検出器を初めとする光検出器は、熱源の検知や温度測定、特定のガス検知、また暗視装置用のセンサなどの光検出部として有用である。また、それらを利用した、赤外領域を初めとする波長領域における光検出の技術は特に有用である。
上記光検出器は、その用途に応じて、単一の光検出素子またはそれらを1次元若しくは2次元のアレイ状に配列したものを備えている。このような光検出器の一例として、光吸収層に量子ドットを含む量子ドット赤外線検出器(Quantum Dot Infrared Photodetector:QDIP)がある。
QDIPは、量子ドットを構成する材料よりも大きなバンドギャップをもつ半導体が3次元的に、量子ドットの周囲を囲んでいる、という構造的特徴を有する。このため、量子ドット内部の電子および正孔は、上記半導体の強い閉じ込め効果により離散的なエネルギー準位(以下、単に準位という。)を持つ。
QDIPは、それらの準位のうち、伝導帯の複数の電子のサブバンド準位を利用することで、サブバンド間のエネルギー差に相当するエネルギーを持つ赤外線を検知することができる。
QDIPは検出対象に即した所望の複数の波長スペクトルごとの光量を検知することができる。例えば、熱検知においては温度に依存したスペクトルについて検知することができる。またガス検知においてはガスの組成に依存した特定のスペクトルについて検知することができる。
非特許文献1又は特許文献1は、QDIPを備えることで、複数の波長帯域に感度をもつ赤外線検出器を開示している。非特許文献1は、量子ドットが量子井戸内に存在するDot−in−Well構造を備え、23.2、8.5、3.8μmをそれぞれ中心波長とする、3波長帯域の光を検知するQDIPを開示している。
これら3つの波長帯域はそれぞれInAs量子ドットの束縛準位間、InAs量子ドットとInGaAs量子井戸の束縛準位間、InAs量子ドットの束縛準位とGaAs中間層の連続準位間の遷移エネルギーに相当する波長に対応している。
図12には、吸収波長の異なる、2つの光吸収層又は光電変換層を有する、QDIPの一種である赤外線検出器を示した。図12中、赤外線検出器20は、半導体基板1、第1光吸収層10、第2光吸収層11、を備える。第1光吸収層10は半導体基板1に対して図中の上方に位置する。
第2光吸収層11は第1光吸収層10に対して図中の上方に位置する。第1光吸収層10は、コンタクト層2、光電変換層4、及びコンタクト層5を備える。第2光吸収層11は、光電変換層7、及びコンタクト層8を備える。電極3、6、9はコンタクト層2、5、8とそれぞれ接している。赤外線検出器20は、図中の下方より赤外線107を受ける。
特許文献1に記載の赤外線検出器は、図12のQDIPの一種である。該赤外線検出器は、平面形状が楕円形である量子ドットを含む2つの光吸収層を有する。かかる赤外線検出器は第1光吸収層に含まれる量子ドットの長軸方向と第2光吸収層に含まれる量子ドットの長軸方向とが互いに直交している。かかる検出器は、これらの量子ドットの方向性により生じる偏光依存性を利用している。このため、2波長あるいは3波長以上の波長帯域の光を切り替えて検知することができる。
特許第4842291号公報
S.Krishna、外6名、「APPLIED PHYSICS LETTERS」、2003年、第83巻、第14号、p.2745−2747
非特許文献1が開示しているQDIPは、3つの波長に対し感度を有する優れたものである。しかしながら、波長ごとの信号を区別できず3つの波長帯域の信号の和としてしか取り出すことができないという問題点を有する。
特許文献1が開示しているQDIP内では、副格子交換と呼ばれる手法に基づいて、第1の光吸収層および第2の光吸収層の量子ドットの長軸方向が互いに直交している。すなわち、上記QDIPは、第1および第2の光吸収層を構成する、二層のGaAs層の間に、数原子からなるSi層を備えることで、副格子交換を実現している。
上記QDIPは、2波長あるいは3波長以上の波長帯域に感度を有している優れたものである。しかしながら、上記QDIPの製造工程には、1原子層レベルでの精密な厚さ制御技術が必要である。このため、どのような分野でも製造容易というわけではない。また、上記QDIPは直交した光の偏向状態を利用するため、偏光方向の揃った2つ以上の波長検出を行う用途に適していない。
本発明の目的は、簡易な構造で、複数の波長帯域における光を選択的に光電変換することが可能な光電変換器及びこれを用いた光検出方法を提供することにある。
本発明の光電変換器は、半導体基板と、光吸収層と、光共振器と、前記光共振器の共振波長帯域を変調する変調手段を備える。前記光吸収層は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を有する。前記変調手段は電圧源から印加電圧を受ける入力部を備える。
本発明の光検出方法は、前記光電変換器と、前記入力部と接続する変調用電圧源と、前記光吸収層と接続する検出用電圧源と、及び前記光吸収層と接続する電流計と、を備える光検出器、を用いて光を検出する。
本発明の光検出方法は、前記変調用電圧源で、前記変調手段に対する印加電圧を発生又は変化させることで、前記共振波長帯域を変調する変調工程と、前記光電変換器で光を受光する受光工程と、前記光を前記光共振器内で共振させる光共振工程と、を備える。
本発明の光検出方法は、さらに前記量子閉じ込め構造で、前記共振した光を吸収する光吸収工程と、前記検出用電圧源で前記光吸収層に電圧を印加することで、前記吸収した光を光吸収層で光電変換し、電流を生ずる光電変換工程と、前記電流計で電流を検出する、検出工程を備える。
本発明により、簡易な構造で、複数の波長帯域における光を選択的に光電変換することが可能な光電変換器及びこれを用いた光検出方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る光電変換器の概略図である。 第1の実施形態に係る光電変換器の構造断面図である。 第1の実施形態に係る光電変換層の構造断面図である。 第1の実施形態に係る光吸収層の動作原理を表す模式図である。 第1の実施形態に係る光吸収層の動作原理を表す模式図である。 第1の実施形態に係る光電変換器の検出波長感度を示す模式図である。 第1の実施形態に係る光電変換器の検出波長感度を示す模式図である。 屈折率変調前後の光電変換器の検出スペクトルを表すグラフである。 第2の実施形態に係る光電変換器の概略図である。 第2の実施形態に係る第1共振器の共振スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る第2共振器の共振スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る光電変換器の共振スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る光吸収層の吸収スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る光電変換器の検出スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る第1共振器の共振スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る第2共振器の共振スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る光電変換器の共振スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る光吸収層の吸収スペクトルを表す模式図である。 第2の実施形態に係る光電変換器の検出スペクトルを表す模式図である。 第3の実施形態に係る光電変換器の概略図である。 第4の実施形態に係る光電変換器の概略図である。 比較例に係る光電変換器の概略図である。
本発明の光検出器及び光検出方法の実施形態について、以下、赤外線検出器及び赤外線検出器の備える光電変換器、並びに赤外線検出方法を中心として説明する。
[第1の実施形態]
1.構成
図1中、光電変換器100は、半導体基板101、光吸収層102、光変調層103、共振器106、下部電極214、及び上部電極215を備える。光吸収層102は光電変換機能を備える。光吸収層102は半導体基板101に対して図中の上方に位置する。光変調層103は共振器106の共振波長帯域を変調する変調手段である。光変調層103は光吸収層102に対して図中の上方に位置する。
共振器106は光共振器である。共振器106は、半導体基板101に対して図中の下方に位置する第1反射膜104を備える。共振器106はさらに、光変調層103に対して図中の上方に位置する第2反射膜105を備える。
下部電極214及び上部電極215は光変調層103への入力部として、電圧源(変調用電圧源)から印加電圧を受ける。光変調層103、下部電極214、及び上部電極215は、変調手段として、印加電圧の発生又は変化に応じて共振器106の共振波長帯域を変調する。
赤外線107は光電変換器100に対して図中の下方より入射する。その後、赤外線107は、特定の波長によらず、一部が第2反射膜105で反射する。第2反射膜105で反射した赤外線107は、特定の波長によらず、さらに一部が第1反射膜104で反射する場合がある。
赤外線107の内、特定の波長を有する光は第1反射膜104及び第2反射膜105に挟まれた領域で定在波となる。定在波となるべき光の特定の波長は、第1反射膜104及び第2反射膜105の間隔、すなわち共振器106の長さ、並びに反射膜間の屈折率によって選択される。
したがって第1反射膜104及び第2反射膜105を例えば金属膜とした場合、共振器106内に入射した特定の波長以外の光の大部分は、第1反射膜104及び第2反射膜105で反射はされるものの、定在波となりにくい。このため、特定の波長の光だけが効率的に検出できる。
また、第1反射膜104又は第2反射膜105を分布反射用多層膜とすることもできる。かかる場合は、第1反射膜104又は第2反射膜105は特定波長、及びその波長付近の光のみを効率よく反射する一方、それ以外の光を透過する。このため、特定の波長以外の光の大部分は、なお定在波となりにくい。
かかる特定の波長の光は第1反射膜104及び第2反射膜105の内部で共振し定在波となる。このため、赤外線107のうち、2枚の反射膜で挟まれた空間に定在波が立つことで共振波長が限定される。これは赤外線107のうち、時間的に蓄積される、又は領域内で光の走行距離が伸びている波長が限定されることに相当する。したがって、光電変換器100を有する光検出器は、上記のとおり定在波となった特定の波長の光を検出可能である。
図2Aに示す赤外線検出器200は図1に示す光電変換器100を備える。赤外線検出器200はさらに、下部電極206、上部電極207、電圧源208(検出用電圧源)、電流計209、及び電圧源216(変調用電圧源)を備える。
図2Aは、光電変換器100中の、光吸収層102及び光変調層103を詳細に示している。光吸収層102は量子ドットを有する、半導体の積層構造である。光吸収層102は、下記に述べるとおり2以上の極大波長を有する離散的な吸収波長帯域を有する。以下、かかる吸収波長帯域に含まれる、特定の極大波長に対応する特定の吸収波長帯域を吸収波長ピークという場合がある。
光吸収層102は、緩衝層201、下部コンタクト層202、光電変換層220、及び上部コンタクト層205を備える。緩衝層201は、半導体基板101と同じ半導体材料からなり、半導体基板101表面の微小な凹凸を緩和し、上部の層の結晶品質を向上する機能を有する。
下部コンタクト層202はn型ドーパントをドープした半導体をはじめとする、導電性の半導体からなり、緩衝層201に対して図中の上方に位置する。
光電変換層220は、中間層203、量子ドット層204、歪み緩和層217を備える。中間層203はi型半導体からなり、下部コンタクト層202に対して図中の上方に位置する。i型半導体としては、量子ドット層204の半導体とは格子定数の異なる半導体が好ましい。具体的にはGaAs、InGaAs、又はAlGaAsが好ましい。
中間層203がかかる半導体からなることにより、後述する所望の量子ドットを備えるものとすることができる。このため、光吸収層102又は光電変換層220が、かかる量子ドットを備えることにより、所望の吸収波長ピークを有することができる。中間層203の厚さは10〜100nmであることが好ましい。
中間層203がGaAsの場合、その厚さは50nmであることが好ましい。中間層203がかかる厚さを有することで、量子ドットの歪みが緩和されるので多層の量子ドットを積層できる。また、光電変換層220は、均一に積層された量子ドットを備えるものとすることができる。均一に積層された量子ドットは、隣り合う量子ドットの層の間の品質の差異が小さいものとなっている。
量子ドット層204は図中で、最下層の中間層203に対して上方に位置する。量子ドット層204は中間層203の半導体とは格子定数の異なる半導体からなることが好ましい。具体的にはInAs、InGaAs、又はInSbが好ましい。量子ドットかかる半導体材料を有することで、光電変換層220は所望の吸収波長ピークを有することができる。
量子ドット層204は、三次元的な島状形状を有し、SK(Stranski−Krastanov)モードと呼ばれる量子ドットを有することが好ましい。量子ドット層204中の量子ドットの直径は、検出波長に応じて設計することが好ましい。
本実施形態では、中赤外の検知を目的とするため、量子ドット層204の備える量子ドットの直径は、20〜40nmであることが好ましい。該量子ドットの高さは5〜20nmであることが好ましい。
量子ドット層204がInAs量子ドットを備える場合、その高さは5〜10nm、大きさは20〜30nmであることが好ましい。量子ドットがかかる大きさ又は形状を有することで、光電変換層220は所望の吸収波長ピークを有することができる。
量子ドット層204の1平方センチメートルあたりの量子ドットの数密度は10〜1011程度であることが好ましく、好感度な検出器を効率的に生産する観点から1010であることが好ましい。光吸収層102又は光電変換層220が、上記量子ドット層204を備えることにより、赤外線検出器200は所望の吸収波長ピークにて、光電変換による電流を検出することができる。量子ドット層の構成の詳細及び量子ドットにかかる光吸収層の動作原理については後述する。
歪み緩和層217は、図中で最下層の量子ドット層204の上方に位置する。歪み緩和層217は、量子ドットの形成に伴う歪みの蓄積に緩和し多層の量子ドット層を積層するため、中間層とは別個に設けることが好ましい。
歪み緩和層217は、厚さと組成により光電変換層の波長特性を制御するために、量子ドット層204の半導体とは異なる半導体からなることが好ましい。また、歪み緩和層217が量子ドット層204と相異なる材質を有することで、量子ドット層204は量子ドットして、作動する。なお、歪み緩和層217が量子ドット層204と同一の材質を有する場合、かかる層は量子井戸として機能する。
また、歪み緩和層217は、厚さと組成により光電変換層の波長特性を制御するために中間層203の半導体とは異なる半導体からなることが好ましい。具体的にはInGaAs、AlGaAs、又はGaAsが好ましい。
歪み緩和層217は、量子ドットによる局所的な歪みを3次元的に緩和するために、量子ドット層の高さの1〜2倍に相当する5〜10nmの厚さを有することが好ましい。また、歪み緩和層217は量子井戸にもなりうることから、光吸収層の吸収スペクトルに影響を与える可能性がある。したがって波長制御の観点から量子ドットの高さ以上の厚みを有することが好ましい。
次の中間層203は歪み緩和層217の上方に位置する。光電変換層220は、上記の順序に沿って、さらに量子ドット層204、歪み緩和層217、及び中間層203を有する層の繰り返しを備えることが好ましい。
かかる層が繰り返し、配置することで、効率的に光を吸収できる。光電変換層220は、かかる層の繰り返しを10〜20個程度有することが好ましい。層の繰り返しがかかる範囲にあることで、特定波長の強度の検出に十分な光を吸収できる。
上部コンタクト層205は、n型ドーパントをドープした半導体からなり、図中の最上層の中間層203の上方に位置する。上記のように、光吸収層102が複数の量子ドット層204を有することで、光吸収層102による赤外線の吸収効率が向上する。
図2Bは、量子ドット層の構成の詳細について表す。光電変換層220は、第1量子ドット及び第2量子ドットを有している。第1量子ドットを有する第1量子ドット層204は、中間層203の図中の上方に位置する。歪み緩和層217は第1量子ドット層204の図中の上方に位置する。
別の中間層203は該歪み緩和層217の図中の上方に位置する。第2量子ドットを有する第2量子ドット層204は、該中間層203の図中の上方に位置する。別の歪み緩和層217は第2量子ドット層204の図中の上方に位置する。さらに別の中間層203は該歪み緩和層217の図中の上方に位置する。光電変換層220は、かかる多層構造の繰り返しを備える。
第2量子ドットは第1量子ドットと形状が相似しており、かつ大きさが第1量子ドットより小さい量子ドットである。このため、光電変換層220内では、相異なる特定の吸収波長帯域を生ずる、第1量子ドット層204及び第2量子ドット層204が交互に、繰り返し配置している。
量子ドット層204の有する量子ドットの大きさ、形状、又は材料として、任意のものを選択できる。さらに、複数の量子ドット層204の間で、大きさ及び形状、大きさ及び材料、又は形状及び材料がそれぞれ相異なる量子ドットを有してもよい。さらに、複数の量子ドット層204の間で、大きさ、形状、及び材料のいずれも、それぞれ相異なる量子ドットを有してもよい。
光吸収層102は、例えば第1量子ドット及び第2量子ドットを有する光電変換層220と、下部コンタクト層202及び上部コンタクト層205からなる2層のコンタクト層と、を備える。すなわち、光電変換層220は2層のコンタクト層の間に位置することが好ましい。
また、2層のコンタクト層以外のコンタクト層が光電変換層220内に位置することはなく、コンタクト層は光電変換層220の外に位置することが好ましい。光電変換層220が上記構成を有することで、光吸収層102は量子ドット層の種類と同じ数の極大波長を有する、離散的な吸収波長帯域を有する。
図2Aに戻り本実施形態の赤外線検出器200の説明を続ける。図2A中、下部コンタクト層202は、図中の上面で下部電極206と接している。下部コンタクト層202と下部電極206とが接している部分では、下部コンタクト層202の上面に中間層203、量子ドット層204又は歪み緩和層217が接していない。
本実施形態では、上部コンタクト層205は、図中の上面で上部電極207と接している。上部コンタクト層205と上部電極207とが接している部分では、上部コンタクト層205の上面に後述する緩衝層218が接していない。
電圧源208は下部電極206及び上部電極207と接続可能である。電圧源208が各電極と接続することで、下部コンタクト層202及び上部コンタクト層205の間に所望の電圧を印可する。
電圧源208が光吸収層102に電圧を印可した場合、光吸収層102が、入射した赤外線107を吸収することで、光吸収層102内を上部電極207から下部電極206に流れる光電流に変化が生じる。電流計209は回路を通じて光電流の変化を検出する。
本実施形態中、光変調層103は半導体が積層している構造を有する。該半導体は半導体量子井戸を含む。光変調層103は、緩衝層218、下部コンタクト層210、屈折率変調層230、及び上部コンタクト層213を備える。緩衝層218は、緩衝層201もしくは中間層203と同じ半導体材料からなり、光吸収層の積層に伴い蓄積された歪みによる結晶品質の低下を緩和する機能を有する。
下部コンタクト層210はn型ドーパントをドープした半導体からなり、緩衝層218に対して図中の上方に位置する。
屈折率変調層230は、中間層211、量子井戸層212を備える。中間層211はi型半導体からなり、下部コンタクト層210に対して図中の上方に位置する。量子井戸層212は図中で、最下層の中間層211に対して上方に位置する。次の中間層211は量子井戸層212の上方に位置する。
屈折率変調層230は、上記の順序に沿って、さらに量子井戸層212、及び中間層211を有する層の繰り返しを備えることが好ましい。かかる層が繰り返し配置することで、効率的に光の波長帯域を変調できる。屈折率変調層230は、波長、材料、厚さ、デバイスサイズ、電圧によって層数を調節可能である。例えば、かかる層の繰り返しを10〜100個程度有することができる。
上部コンタクト層213は、n型ドーパントをドープした半導体からなり、図中の最上層の中間層211の上方に位置する。
上記のように、光変調層103が複数の量子井戸層212を有することで、所望の波長の光を選択するのに必要な波長帯域の変調を効率よくできる。
本実施形態では、下部コンタクト層210は、図中の上面で下部電極214と接している。下部コンタクト層210と下部電極214とが接している部分では、下部コンタクト層210の上面に中間層211、又は量子井戸層212が接していない。
本実施形態では、上部コンタクト層213は、図中の上面で上部電極215と接している。上部コンタクト層213と上部電極215とが接している部分では、上部コンタクト層213の上面に第2反射膜105が接していない。
電圧源216は上部電極215及び下部電極214と接続可能である。電圧源216が各電極と接続することで、下部コンタクト層210及び上部コンタクト層213の間に所望の電圧を印可する。
電圧源216が光変調層103に電圧を印可した場合、光変調層103が、入射した赤外線107に対する量子井戸層の実効屈折率を変化させる。これにより、共振器106の内側にある層全体にかかる屈折率が変化するので、所望の波長の光を選択するのに必要な波長帯域の変調ができる。
本実施形態中、第2反射膜105は上部コンタクト層213に対して図中の上方に位置する。
第1反射膜104及び第2反射膜105は、半導体の積層による分布反射用多層膜、誘電体多層膜、又は金属薄膜からなる。かかる膜からなることにより、第1反射膜104及び第2反射膜105は、赤外線107に対して、特定の反射率を有する。
ここで特定の反射率とは、第1の反射膜104においては0%より大きく、かつ100%未満であることが好ましい。第2の反射膜105においては、特定の反射率は0%より大きく100%以下であることが好ましい。特定の反射率は、共振器106のフィネス(Q値)を決定するものである。
かかる膜からなることにより、第1反射膜104及び第2反射膜105として、所望の透過・反射率を有するものを選択できる。第1反射膜104及び第2反射膜105が、かかる透過・反射率を有することで、共振器106は効率的に定在波を発生させる条件の一つを満たすことができる。
また、2つの反射膜の反射率及び赤外光の波長は、図4に示す各ピークの高さと幅の比率を決定する。このため、第1反射膜104及び第2反射膜105のそれぞれの反射率を選択することで、所望のピークの高さと幅の比率を得ることができる。
第1反射膜104の材料を、上記材料より適宜選択することで、第1反射膜104は図中の下方より入射する赤外線107をほとんど反射せずに透過させることができる。第1反射膜104の材料としては、SiO2、GaAsなど検知する赤外線の波長における吸収率の低い材料が好ましい。第1反射膜104を透過した赤外線107は、光電変換器100に入射する。
第2反射膜105の材料を、金属膜となる上記材料より適宜選択することで、第2反射膜105は図中の下方より入射する赤外線107のうち、特定の波長の光を含め、ほとんどの光を反射する。また、反射膜105が分布反射用多層膜の場合は、特定波長(付近)の光のみを効率よく反射し、それ以外の光を透過する。
しかしながら、第1反射膜104及び第2反射膜105の間隔、並びに反射膜間の屈折率に応じて2枚の反射膜で挟まれた空間に定在波が立つため、時間的に蓄積され、共振波長が限定される。このため、光電変換層220は特定の波長の光のみを検出することができる。
第1反射膜104及び第2反射膜105の間隔、すなわち共振器106の長さは赤外線107の波長より大きい。光電変換器100は、複数のピークまたは極大波長を有する離散的な共振波長帯域を持つ。極大波長及び共振波長帯域のスペクトルは共振器の長さと共振器106の内側にある層全体にかかる屈折率に応じて定まる。
光変調層103の屈折率は、電圧印加によって変化する。このため、共振器106の内側にある層全体にかかる屈折率が変化するので、共振器106の共振波長帯域が変化する。
光電変換器100の各構成要素は、上記に従い下記の条件を満たすように選択する。
赤外線107中の光の特定の波長で、共振器106の共振波長帯域と光吸収層102の吸収波長帯域とが重複又は一致する。または、共振波長帯域と吸収波長帯域の極大波長とが重複する。または、共振波長帯域の極大波長と吸収波長帯域とが重複する。または、共振波長帯域の極大波長と吸収波長帯域の極大波長が一致する。
上記の通り、共振波長帯域と吸収波長帯域とが一致又は重複するとき、赤外線検出器200は、特定の波長の赤外線のみ選択的に検出する。
2.動作原理
図3A〜図5を参照して、赤外線検出器200の動作を説明する。図3A及びBは第1の実施形態にかかる光吸収層102の光吸収又は光電変換の原理を説明するための模式図である。かかる模式図は、ある中間層203から隣の中間層203に至る領域の電子エネルギーバンド構造を示す。
上記のとおり、光電変換層220は図中の下方より中間層203、量子ドット層204、歪み緩和層217、次の中間層203の順で層の繰り返しを有している。図3A及びBにおける左から右への方向が図2での上から下への方向に対応する。図3A及びBの左側が下部コンタクト層202側を表している。
図3A及びB中、量子力学に基づけば量子ドット層204および歪み緩和層217が束縛した電子は離散的なエネルギー準位しかとることができない。図3Aでは、離散的なエネルギー順位のうち、基底状態301と励起状態302を表している。
赤外光304は基底状態301と励起状態302のエネルギー差(第1エネルギー差)に等しい光子エネルギーを持つ。赤外光304を基底状態301の電子300が吸収すると電子300は励起状態302へと遷移する。
電圧源208は負のバイアス電圧を印加している。このため、この励起状態302への遷移をした電子300を光電流として検出することができる。電流計209を備える赤外線検出器200は検出器として動作する。赤外光304の有する光子エネルギーと一致するエネルギー差を持つ第1量子ドットが光吸収層102に存在するので光吸収が起こる。かかる量子ドットが無ければ光吸収は効率的に起こらないので、赤外線検出器200の感度はほぼ0となる。
図3Bでは、離散的なエネルギー順位のうち、基底状態301と励起状態302を表している。図3Aと同一の符号を有する要素については説明を省略する。赤外光304より波長の長い赤外光305は基底状態301と励起状態302のエネルギー差(第2エネルギー差)に等しい光子エネルギーを持つ。
赤外光305を基底状態301の電子300が吸収すると電子300は励起状態302へと遷移する。励起状態302への遷移をした電子300を光電流として検出することができる。赤外光305の有する光子エネルギーと一致するエネルギー差を持つ第2量子ドットが光吸収層102に存在するので光吸収が起こる。
上述のとおり、光電変換器100では第1量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第1エネルギー差と、光共振器の第1共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致している。また、第2量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第2エネルギー差と、光共振器の第2共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致している。
上述のとおり、変調手段により、共振波長帯域は第1共振波長帯域から第2共振波長帯域に変調する。また、同様に、共振波長帯域は第2共振波長帯域から第1共振波長帯域に変調する。このため、光電変換器100を備える赤外線検出器200は、複数の波長帯域における光強度を選択的に検出することが可能である。
基底状態301及び301並びに励起状態302及び302とは量子ドット層204の量子ドットの大きさ、形状、材料によって制御可能である。このため、量子ドットが所望のエネルギー差を有するようにそれらを選択することができる。すなわち所望の波長帯域に波長を有する赤外光304を検出対象として選択できる。
上記の通り、複数の量子ドットが相異なるエネルギー差を有することで、図4(B)に示すとおり、光吸収層102の第1吸収波長帯域400、及び第2吸収波長帯域401として、所望の極大波長を有する吸収波長ピークを選択することができる。このため、光吸収層102は離散的な吸収波長帯域を持つ。
第1吸収波長帯域400は上述の第1エネルギー差に対応する。第2吸収波長帯域401は上述の第2エネルギー差に対応する。
図4は(A)共振器106の共振スペクトル、(B)光吸収層102の吸収スペクトル、及び(C)赤外線検出器200の検出スペクトルを示している。図5は(A)共振器106の共振波長帯域又は特性、(B)光吸収層102の吸収波長帯域又は特性、及び(C)赤外線検出器200の検出波長帯域又は感度を示している。
図4(A)に示すとおり、共振器106内で、他の特定の波長帯域の光とともに、赤外光304は定在波として存在している。図1及び2Aに示すとおり、入射する赤外線107のスペクトルのうち特定の波長の光のみが共振器106内部で定在波として存在する。かかる光の一例として波長λ及び周辺波長帯域を有する赤外光304が共振器106内部で定在波として存在する。
これは上記のとおり、図中の下方から第1反射膜を通じて赤外線107が入射するとき、第1反射膜104と第2反射膜105とが形成する共振器106によって赤外光304及び他の特定の波長帯域の光のみが共振するからである。
図4(B)に示すとおり、光吸収層102は吸収できる第1吸収波長帯域400又は第2吸収波長帯域401を有する。第1吸収波長帯域400にかかる波長λ又は第2吸収波長帯域401にかかる波長λの光が入射したときに光の吸収が起こり、光電流が発生する。かかる場合、電圧源208が光吸収層102に負のバイアス電圧を印加している必要がある。
第1吸収波長帯域400と第2吸収波長帯域401との波長間隔は、共振器106の共振波長特性の自由スペクトル間隔(Free Spactral Range:FSR)とは一致しないことが好ましい。
電圧源216は光変調層103にバイアス電圧を印加している。かかる印加電圧の大きさに応じて、共振器106の内部で存在する定在波の波長が変化し、共振波長特性が変化する。
光変調層103の屈折率の変調は例えば量子井戸の量子閉じ込めシュタルク効果(Quantum‐well Confined Stark Effect:QCSE)によって行う。適切な印加電圧下で、第1吸収波長帯域400と、共振器の共振波長の1つとが重複又は一致する。共振波長の1つとして、赤外光304の波長帯域又は波長がある。
共振器内部で定在波として存在する光のうち、吸収が起こるのは赤外光304のみであるため、光電変換器100は前記条件下において波長λのみに感度をもつ。
このとき光電変換器100が、光変調層103への印加電圧の無い状態で、第1吸収波長帯域400を有するよう、共振器106内の各半導体層および光吸収層102の構造を選択できる。
次に光変調層103に適切な電圧を印加することで、共振器106の共振波長特性を図4(A)から図5(A)のように変調できる。共振波長帯域の極大波長のうち、光吸収層102の第2吸収波長帯域401と一致するのが、波長λと同一の波長のみとなるよう、共振器の共振波長特性を選択できる。光変調層103の変調により共振波長がΔλ変化した後、赤外線検出器200は波長λでは感度を持たず、波長λのみに感度を持つ。
すなわち光電変換器100は、上述の光吸収層102及び変調手段を備えるので、下記の特性を有する。光電変換器100では、第1共振波長帯域の極大波長は第1吸収波長帯域400と重複し、かつ第2吸収波長帯域401とは重複しない。一方で、光電変換器100では、第2共振波長帯域の極大波長は第1吸収波長帯域400とは重複せず、かつ第2吸収波長帯域401と重複する。かかる構成とすることで特定波長のみ効率よく検出できる。
また、共振器106の変調により、共振波長帯域は前記第2共振波長帯域から前記第1共振波長帯域に、さらに変調してもよい。かかる構成とすることで適時に適切な検出波長を選択できる。上記の電圧印加は、光変調層103の屈折率および共振器106の共振波長特性を変化させる方法の一例である。
また、光吸収層102の光吸収特性が波長軸上で変化することで、共振器の共振波長に依存することなく、同様の波長選択動作が可能である。図6は代表的な量子ドット層204に正バイアスおよび負バイアスを印加した際の、波長ごとの感度の測定結果である。すなわち図6は光吸収層102側での変調方法を例示したものである。
図6のデータは、一様なサイズの量子ドットからなるQDIPに正バイアス(実線501)および負バイアス(破線500)を印加した際の感度スペクトル、ないしは吸収スペクトルの変化の実測データである。
このため、図6に表される特性を有する光吸収層に、厚さの異なる歪み緩和層や異なるサイズのドットを加えて積層した場合に、図4、図5(B)のような離散的なスペクトルが得られる。
本実施形態の赤外線検出器は、上記の構成を有するので、光吸収層で吸収可能な波長の光のうち、特定の波長のみを選択して検出することが可能である。
図2〜5を参照しつつ、本実施形態の光検出方法を説明する。本実施形態の光検出方法は、赤外線検出器200を用い、以下の工程で赤外線107中の光を検出する方法である。
変調工程では、電圧源216が、変調手段に対する印加電圧を発生又は変化させることで、共振器106の共振波長帯域を変調する。具体的には、上部電極215及び下部電極214を備える入力部を通じて、変調手段に電圧を印加する。変調手段中の光変調層103に電圧を印加すると、屈折率変調層230内で屈折率が変調する。
変調前では、第1共振波長帯域の極大波長(赤外光304相当)が、光吸収層102の吸収波長帯域中の第1吸収波長帯域400と重複している。変調後では、第2共振波長帯域の極大波長(赤外光305相当)が第2吸収波長帯域401と重複している。光吸収層102は量子閉じ込め構造を有するため、離散的な吸収波長帯域を有している。このため、光電変換器100は上記の変調をすることで、吸収波長帯域を選択的に変更できる。
受光工程では、光電変換器100が赤外線107に含まれる光を受光する。具体的には光電変換器100が、光吸収層102に平行な面と直角をなす方向から、光を受光する。
光共振工程では、光を共振器106内で共振させる。具体的には光変調層103により屈折率の変調した、第1反射膜104及び第2反射膜105の間の光路内で、光が反射を繰り返す。これにより、共振波長帯域の光だけが共振する。
光吸収工程では、光吸収層102の有する量子閉じ込め構造が共振した光を吸収する。具体的には、第2吸収波長帯域401内の光、すなわち赤外光305を吸収する。吸収波長帯域は変調により、第2吸収波長帯域401となり、赤外光305と重複している。このため、光子数が共振により増大しているので特定波長の光を選択的に吸収できる。
また、第1吸収波長帯域400内の光、すなわち赤外光304はほとんど吸収しない。吸収波長帯域は変調により、第2吸収波長帯域401となり、赤外光304とほとんど重複していない。このため、光子数が増大していないので他の波長の光を選択的に吸吸しないものとすることができる。
光電変換工程は、吸収した光を光吸収層102で光電変換し、検出用電圧源による電圧印加を受けて電流を生ずる。検出工程では、電流計が電流を検出する。このため、特定波長の光を、電流として選択的に検出できる。
また光検出方法は、次のように構成することもできる。第1測定工程では、変調手段に電圧印加しないで、第1吸収波長帯域400の光を検出し、光の強度を測定する。次に、第2測定工程では、電圧源216を通じて変調手段に電圧印加して、第2吸収波長帯域401の光を検出し、光の強度を測定する。
他の光検出方法は、次のように構成することもできる。第1測定工程では、電圧源216を通じて変調手段に第1電圧を印加して、第1吸収波長帯域400の光を検出し、光の強度を測定する。次に第2測定工程では、電圧源216を通じて前記変調手段に第2電圧を印加して、第2吸収波長帯域401の光を検出し、光の強度を測定する。
本実施の形態の方法では、赤外線検出器が検出する波長を大きく変更するときでも、これに必要な外力は、共振波長特性を変化させるのに必要な小さい力で足りる。このため、少ない消費電力で検出波長を変化させることが可能である。
上記の通り、電圧源による電圧印加により屈折率を変調することで、赤外線検出器200の検出動作中に、適切なタイミングで、特定の波長のみを選択して検出することが可能である。
本実施形態では、量子ドット層中の量子ドットを適宜選択することで、赤外線検出器が、2以上の複数の数の波長を、選択的に検出することも可能である。このため、本実施形態の光電変換器、又は赤外線検出器が、一のみの光吸収層を備える簡単な構造であっても、複数のスペクトルを検知可能である。
3.製造
次に、図2を参照して、本実施形態にかかる光電変換器100及び赤外線検出器200の製造方法を説明する。
(1)結晶成長による光吸収層102の形成方法
半導体基板101として、面方位が(001)面のGaAs基板を用意する。基板研磨等により、所望の厚さの半導体基板101を得ることができる。半導体基板101の厚さを適宜選択することで、所望の共振波長を得ることができる。
この基板を分子線エピタキシャル装置内へ導入し、固体Asを過熱し昇華させることにより得られるAs分子線を照射する。照射中、基板温度を600℃まで上昇させ、半導体基板101表面にある自然酸化膜を除去する。
次に基板温度を580℃程度にした後、厚さ500nmの、半導体基板101と同じGaAsからなる緩衝層201を積層する。引き続き、厚さ500nmの、GaAsからなるn型の下部コンタクト層202を積層する。GaAsには、予めSi原子を2×1018cm−3程度の濃度でドーピングしておく。さらに、厚さ50nmの、GaAsからなるi型の中間層203を積層する。
次に基板温度を490℃程度にした後、中間層203の表面に一様に拡がったならば厚さが2から3原子層程度になる分量の、InAsを、中間層203の表面に供給する。このとき、InAsとGaAsとの格子定数の違いから発生する歪みによって、InAsが三次元的な島状形状に成長し、SKモードの量子ドットを形成する。
その結果、量子ドット層204では、中間層203の表面に量子ドットが平面状に並ぶ。量子ドット層204中、典型的な量子ドットの直径は30nm、高さは5nmであり、量子ドット層204の1平方センチメートルあたりの量子ドットの数密度は5×1010程度である。
本実施形態では離散的な吸収波長特性を持たせるために、量子ドットが2種類でも良い。量子ドットの大きさは上述の量子ドット形成時のInAsの分量、基板温度、成長にかける時間により調整可能である。また、量子ドットの形状はInAsの分量、基板温度、成長にかける時間、基板や中間層の材料によっても調整可能である。
続いて、n型ドーパントであるSi原子を量子ドット層204の直上に供給する。Si原子の数密度は、上記量子ドットの数密度と同程度にする。次いでInAsの供給を停止する。
Si原子はドーパントとして機能し、量子ドットに電子を供給する。このため、Si原子は光検出器の感度を向上させる。Si原子は波長特性などに強い影響は与えないため、量子ドット層204の上にふりかける形で供給してもよい(不図示)。量子ドットと同じ個数のSi原子をふりかけることが好ましい。
Si原子は量子ドット層204中の量子ドットのみではなく中間層203に到達してもよい。なお、量子ドットをつくる際に中間層203の上にInAsが供給される。このため、量子ドットが形成されていない部分は、中間層203が露出することは少ない。一方で量子ドットが形成されていない部分では、薄いInAsの膜、いわゆる濡れ層が形成される。
次に厚さ5〜10nm程度の、InGaAsからなる歪み緩和層217を、量子ドット層204の上に積層する。温度を580℃にした後、厚さ50nmの、GaAsからなるi型の中間層203を積層する。
本実施形態では離散的な吸収波長特性を持たせるために、量子ドット層204を同じ量子ドットで作成し、歪み緩和層217の厚さが異なるものとしてもよい。例えば歪み緩和層217の厚みを異なる層ごとに5nm又は10nmとしてもよい。かかる場合それぞれの厚さを有する歪み緩和層217に積層される各量子ドット層204の量子ドットは量子ドット層204の層の間で相異なる吸収波長特性を有する。
上記の手順に従って量子ドット層204、歪み緩和層217、中間層203の積層を10〜20回程度繰り返すことで、量子ドットを含む光電変換層220を形成する。光電変換層220の上に、厚さが200nmでSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsを有するn型の上部コンタクト層205を積層する。
量子ドット層204を形成する際、中間層203の材料と格子定数の異なる材料であれば、InGaAs、InSb、GaN、GaSb等の、InAs以外の材料を用いてもよい。
歪み緩和層217を形成する際、AlGaAs、GaAs、InSb、InGaSb等の、InGaAs以外の材料を用いてもよい。また半導体基板101を形成する際、GaAs基板以外の、InP、Ge、Si等からなる基板を用いてもよい。上記の説明では量子ドットおよび周辺構造を形成する際MBE法を用いているが、有機金属気相成長(MOCVD)法などの他の方法を用いてもよい。
(2)光変調層103の形成方法
上記光吸収層102の上部コンタクト層205の直上に緩衝層218を積層する。光吸収層のときと同様の条件で下部コンタクト層210、その次に中間層211を積層する。さらに、例えばInGaAsから構成される量子井戸層212を積層する。上記と同様の手順で中間層211、量子井戸層212の積層を繰り返し、屈折率変調層230を形成する。その後、最上層の中間層211の上に、n型の上部コンタクト層213を積層する。
効率の良い屈折率変調を行うため、量子井戸層212と中間層211の積層は複数回繰り返すのが望ましい。所望の共振波長を得るために中間層211や緩衝層218の厚さを適宜選択できる。
(3)反射膜の作製
半導体基板101の図中の下部表面に金属薄膜や誘電体の多層膜を積層して第1反射膜104を形成する。また、上部コンタクト層213の図中の上部表面に金属薄膜や誘電体の多層膜を積層して第2反射膜105を形成する。
図1及び2Aのように、赤外線107が図中の下方より入射する場合、検出波長に対して完全反射を起こす金属膜を積層して第2反射膜105を形成することができる。なお、赤外線107の入射方向は図1及び2Aのように図中の下方に限定されない。このため図には示さないが、赤外線107は、図中の上方、すなわち第2反射膜105の側から入射しても良い。この場合、検出波長に対して完全反射を起こす金属膜を積層して第1反射膜104を形成することができる。
第1反射膜104及び第2反射膜105は、分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Refrector:DBR)として形成してもよい。図には示さないが、半導体基板101と緩衝層201との間に、これらと屈折率の異なる半導体を積層して、第1反射膜104を形成することが好ましい。また、上部コンタクト層213の図中の上部に、これと屈折率の異なる半導体を積層して、第2反射膜105を形成することが好ましい。
(4)検出器構造加工及び電極プロセス
続いて、紫外線リソグラフィ及びドライエッチングにより第2反射膜105、光変調層103、光吸収層102の一部を選択的にエッチングする。これにより上部コンタクト層205及び上部コンタクト層213、並びに下部コンタクト層202及び下部コンタクト層210の図中の上部表面の一部が露出する。このように、選択エッチングにより、周囲から独立した構造体が赤外線検出器200の一素子である光電変換器100に相当する。
赤外線検出器200は一素子のみで構成されてもよいし、このような素子を1列、あるいは2次元的に配列したアレイであってもよい。
続いて、各上部コンタクト層及び各下部コンタクト層に、AuGe/Ni/Auからなる上部電極215及び上部電極207、並びに下部電極214及び下部電極206を形成する。各電極は、リソグラフィ、金属蒸着、レジスト剥離などの工程を含むリフトオフ法で形成することが好ましい。
[第2の実施形態]
以下の第2〜4の実施形態の説明では、第1の実施形態中の構成要素と同等の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図7は本実施形態の光電変換器600を表す。光電変換器600は半導体基板601、光吸収層602、光変調層603、第1共振器606(第1の光共振器)、第2共振器607(第2の光共振器)、光透過層613を備える。
光吸収層602は光電変換機能を備える。光吸収層602は、緩衝層201、下部コンタクト層202、光電変換層220、及び上部コンタクト層205を備える。光変調層603は、緩衝層218、下部コンタクト層210、屈折率変調層230、及び上部コンタクト層213を備える。
第1共振器606は主共振器となる第1の光共振器である。第1共振器606は第1反射膜604中の第1反射部617及び第2反射膜605を備える。第2共振器607は副共振器となる第2の光共振器である。第2共振器607は第3反射膜614及び第1反射膜604中の第2反射部615を備える。光電変換器600は、さらに下部電極206及び上部電極207を備えてもよい。
下部電極214及び上部電極215は光変調層603への入力部として、電圧源から印加電圧を受ける。下部電極214、上部電極215及び光変調層603は、変調手段として、印加電圧の発生又は変化に応じて共振器106の共振波長帯域を変調する。
概観すると、光電変換器600は、光電変換器100の構成要素をすべて備え、さらに第2共振器607及び光透過層613を備えるものである。光電変換器600は不図示の電圧源208、電流計209、及び電圧源216と接続されている。第2共振器607は第1共振器606と異なるFSRおよび共振波長特性を有する。
図8A〜図9Eに基づき、光電変換器600の動作原理を説明する。図8Aは第1共振器606の共振波長特性、図8Bは第2共振器607の共振波長特性をそれぞれ示す。第1共振器606と第2共振器607とは一の複合共振器系を構成している。
該複合共振器系内では、第1共振器606及び第2共振器607の共振波長帯域のうち、双方に共通して存在する共振波長帯域(複合共振波長帯域)のみが定在波として存在する。このため、該複合共振器系を備える光電変換器600は図8Cに示すような共振波長特性を有する。
図8Dに示すように、光吸収層602は図8Cの共振波長帯域と重複又は一致する波長λを含む吸収波長帯域、すなわち第1吸収波長帯域700を有する。上記定在波の吸収が起こることで、光電変換器600は複合共振器系にかかる共振波長に感度を持つ。つまり、図8Eに示すように、光電変換器600は、光吸収層602の吸収波長帯域の1つである、第1吸収波長帯域700内の赤外線にのみ感度を有する。
変調手段による変調前では、第1量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第1エネルギー差と、第1複合共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致するのが好ましい。上記エネルギー差は、複合共振波長帯域の極大波長の光の光子エネルギーと一致するのが特に好ましい。かかる構成とすることで特定波長のみ効率よく検出できる。
不図示の変調用電圧源が光変調層603に印加電圧の発生又は変化といった外力を加えることで、屈折率変調層230の屈折率を変化させる。このため、図9Aに示すように第1共振器606内での共振波長特性が変化する。第1共振器606の共振波長特性が、破線から実線のように変化する。かかる変調により、複合共振波長帯域は第1複合共振波長帯域から第2複合共振波長帯域に変調する。
一方、図9Bに示すように、第2共振器607の共振波長特性は図8(B)のものと変化していない。このとき複合共振器系の共振波長特性を示したのが図9Cである。このときの共振波長帯域が、図9Dに示す光吸収層602の第2吸収波長帯域701と重複又は一致している。このため、図9Eに示すように、光電変換器600はこの波長帯域にのみ感度を持つ。第2吸収波長帯域701は波長λを含む波長帯域である。
変調手段による変調後では、第2量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第2エネルギー差と、第2複合共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致するのが好ましい。上記エネルギー差は、複合共振波長帯域の極大波長の光の光子エネルギーと一致するのが特に好ましい。かかる構成とすることで特定波長のみ効率よく検出できる。
第1複合共振波長帯域の極大波長は第1吸収波長帯域700と重複し、かつ第2吸収波長帯域701とは重複しないことが好ましい。また、第2複合共振波長帯域の極大波長は第1吸収波長帯域700とは重複せず、かつ第2吸収波長帯域701と重複することが好ましい。かかる構成とすることで特定波長のみ効率よく検出できる。
また、第1共振器606の変調により、複合共振波長帯域は前記第2複合共振波長帯域から前記第1複合共振波長帯域に、さらに変調してもよい。かかる構成とすることで適時に適切な検出波長を選択できる。
上記では、共振波長特性を変化させるために、第1共振器606内部の光変調層603の屈折率を変化させた。これに対し光透過層613に働き掛けて、第2共振器607を変調させてもよい。又は第1共振器606及び第2共振器607の双方の共振波長特性を変調してもよい。
図9A〜図9Eに示すように、本実施形態の光電変換器600は、微小な屈折率の変調で検出波長を大きく変化させることができる。
また、光吸収層602の不均一幅によって、吸収波長帯域すなわち吸収スペクトルが広がる場合がある。光吸収層602の不均一幅とは、光吸収層602のプロセスや品質のばらつきに伴う吸収スペクトルの広がりのことである。具体的には光吸収層602の中の量子ドットおよび歪み緩和層のことである。本実施形態では、光吸収層602の不均一幅は吸収スペクトルの半値全幅であることが好ましい。
ここで、光電変換器600の検出感度の線幅は、第1共振器606又は第2共振器607により制限することができる。このため、本実施形態の光電変換器600では、第1の実施形態の光電変換器100に比べ、これを備える赤外線検出器の波長検出精度を高められる効果がある。
[第3の実施形態]
図10に示す第3の実施形態にかかる光電変換器800は、第1の実施形態にかかる光電変換器100の備える光変調層103及び共振器106を、共振器型フィルタ806に置き換えたものである。
半導体基板101及び光吸収層102は、共振器型フィルタ806外に位置する。共振器型フィルタ806は光共振器であり、同時に変調手段である。共振器型フィルタ806は、印加電圧の発生又は変化に応じて、共振器型フィルタ806自身の共振波長帯域を変調する。
共振器型フィルタ806は、第1反射膜804、第2反射膜805、下部電極814、及び上部電極815を備える。第1反射膜804は、図中の下面で下部電極814と接している。第2反射膜805は、図中の上面で上部電極815と接している。下部電極814及び上部電極815は共振器型フィルタ806への入力部として、電圧源から印加電圧を受ける。
電圧源816は上部電極815及び下部電極814と接続可能である。電圧源816が各電極と接続することで、第1反射膜804及び第2反射膜805の間に所望の電圧を印可する。
電圧源816が共振器型フィルタ806に電圧を印可した場合、共振器型フィルタ806の共振波長特性は変化する。この変化は第1の実施形態にかかる図4(B)から図5(B)の変化と同等である。このため、光電変換器800は、第1及び第2の実施形態の光電変換器と同様に、波長帯域を選択できる。
共振器型フィルタ806としては、エタロンフィルタ、液晶、又はMEMS(Micro Electro Machanical System)を備える共振器型フィルタを選択できる。
光吸収層102は、共振器型フィルタ806側に反射防止膜を備えることが好ましい。具体的には、光吸収層102は、その最上部にある上部コンタクト層205の図中の上面に反射防止膜を備えることができる。該反射防止膜は、TiOやSiOといった誘電体の薄膜からなることが好ましい。かかる反射防止膜により、光吸収層102の表面での赤外線の反射を抑制できる。
本実施形態では、光吸収層と、光共振器とは別個の部品として組み合わせることができる。このため、光電変換器800を備える赤外線検出器は多様な検出波長に対応する。
[第4の実施形態]
図11に示す第4の実施形態にかかる光電変換器900は、第1の実施形態の光電変換器100における共振器106を共振器906に置き換えたものである。光電変換器900は、半導体基板101、光吸収層102、駆動部903、共振器906、電極914、及び電極915を備える。
共振器906は光共振器である。共振器906は第1反射鏡904及び第2反射鏡905を備える。電極914及び電極915は駆動部903への入力部として、電圧源から印加電圧を受ける。駆動部903、電極914、及び電極915は、変調手段として、印加電圧の発生又は変化に応じて共振器906の共振波長帯域を変調する。
第1反射鏡904は、半導体基板101の図中の下方に位置する。半導体基板101、光吸収層102、及び第1反射鏡904は、集合して一の素子を構成している。第2反射鏡905は、かかる素子とは離れて、光電変換器900に備わっている。本実施形態では、光吸収層102の図中の上方に位置している。
駆動部903が第2反射鏡905を図中の上下方向に移動することで、反射鏡間の距離が変化する。このため、共振器906の共振特性が変化し、光電変換器900は検知する波長を選択できる。
第2反射鏡905、駆動部903、電極914、及び電極915は、例えばMEMS等を備える駆動ミラーとして構成できる。一方、第1反射鏡904、半導体基板101、及び光吸収層102は光電変換器用の素子として構成できる。
第2反射鏡905を移動する駆動部903に対する電圧印加によって第1反射鏡904及び第2反射鏡905の間の距離が変化する。このため、共振器906の共振波長特性が変化する。
本実施形態の変形として、光電変換器900は、上記一の素子から独立した第1反射鏡904を備えることができる。さらに、第2反射鏡905が、光吸収層102の図中の上方に位置することもできる。また、この場合、半導体基板101、光吸収層102、及び第2反射鏡905が、集合して一の素子を構成している。
光電変換器900は、光吸収層と、光共振器とは別個の部品として組み合わせることができる。このため、光電変換器900を備える赤外線検出器は、多様な検出波長に対応できる。
[効果の説明]
非特許文献1に開示されているQDIPでは、3つの波長に対し感度を有するが、波長ごとの信号を区別できず3つの波長帯域の信号の和としてしか取り出すことができない。各波長の信号を独立に取り出すためには素子ごとに独立した狭帯域波長フィルタが必要であり、装置の構造を複雑にする原因となる。
一方、特許文献1に開示されているQDIPは、複数の波長の光を検知するために、2以上の光吸収層を有している。このため、製造工程が複雑となり、生産効率が低い。また偏光を利用するため、偏光フィルタが必要である。本実施形態において偏光フィルタとは特定の偏光のみを透過するフィルタ、すなわち偏光子のことである。
これらに対し、上記各実施形態の光電変換器では、狭帯域波長フィルタが不要である。また、一の光吸収層で、複数の波長の光を検知できる。このため、製造工程を簡略化できるため、生産効率が高い。
上記各実施形態の赤外線検出器は、1つ以上の離散的な吸収波長を持つ光吸収層と、1つ以上の離散的な共振波長をもつ光共振器とを備える。本実施形態の赤外線検出器は光吸収層の吸収波長もしくは光共振器の共振波長の少なくとも一方を外力によって変調する。
かかる外力により前記光吸収層の吸収波長の1つと前記光共振器の共振波長の1つが一致する。このため、本実施形態の赤外線検出器は、光吸収層の1つ以上の離散的な吸収波長ピークのうち、任意の1つを選択し検出することが可能となる。
上記各実施形態の波長選択方法は、1つ以上の離散的な吸収波長もしくは1つ以上の離散的な共振波長の少なくとも一方を外力によって変調する工程を備える。かかる外力により前記光吸収層の吸収波長の1つと前記光共振器の共振波長の1つが一致する。本実施形態の波長選択方法では、光吸収層の1つ以上の離散的な吸収波長ピークのうち、任意の1つを選択し検出することができる。
上記各実施形態の光検出器は中赤外又は中遠赤外領域の特定の赤外線の検出装置の光検出部として好適である。上記各実施形態の光検出器は、熱源の検知や温度測定、特定のガス検知、また暗視装置用のセンサなどの光検出部として好適である。また、上記各実施形態の光検出器は、特定の波長を選択的に受信する通信機器用の受光器として好適である。
[実施形態の変形]
なお、本発明は上記各実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。本実施形態では、赤外線の検出技術を中心に説明したが、赤外線に限らず、可視光線、紫外線といった光全般に適用可能である。
上記各実施形態では、光吸収層は量子ドットを有するものとした。実施形態の変形として、光吸収層が、量子ドット以外の量子閉じ込め構造を有するものとしてもよい。光吸収層は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を備えてよい。また、第1及び2の実施形態にかかる光変調層も、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を備えてよい。
これらの量子閉じ込め構造は自由に選択して、組み合わせることができる。光吸収層が上記量子閉じ込め構造を有することで、光電変換器は離散的な吸収波長特性を有する。また、上記光変調層が上記量子閉じ込め構造を有することで、光電変換器は離散的な共振波長特性を有する。
上記各実施形態では、光吸収層が第1及び第2の吸収波長帯域を有するものとしたが、さらに特定の吸収波長帯域を有してもよい。かかる光吸収層を有する光電変換器は、3以上の波長帯域の光に対して感度を有することができる。
光吸収層は、大きさ、形状、若しくは材料の異なる二以上の量子ドットを有する光電変換層を備える。または光吸収層は厚さ若しくは材料の異なる二以上の歪み緩和層を有する光電変換層を備える。このため、一の光吸収層は離散的な吸収波長帯域を生じる。
上記各実施形態では、例えば光吸収層は、第1量子ドットを有する第1量子ドット層を備える。光吸収層は、さらに第1量子ドットと大きさ、形状、又は材料が異なる第2量子ドットを有する第2ドット層を備える。
実施形態の変形として、一の量子ドット層が、大きさ、形状、又は材料が相異なる第1量子ドット及び第2量子ドットを有してもよい。また、一の量子ドット層が、大きさ及び形状、大きさ及び材料、又は形状及び材料が相異なる第1量子ドット及び第2量子ドットを有してもよい。また、一の量子ドット層が、大きさ、形状、及び材料のいずれも相異なる第1量子ドット及び第2量子ドットを有してもよい。
実施形態の変形として、複数の歪み緩和層の間で、その厚さ又は材料が相異なるものであってもよい。上記各量子ドット層の有する量子ドットの大きさ、形状、及び材料、並びに当該量子ドット層に最も近い図中の上方に位置する上記各歪み緩和層の厚さ及び材料の組み合わせとして、任意のものを選択できる。
光吸収層は上記の量子ドット層及び歪み緩和層の組み合わせの種類と同じ数の離散的な吸収波長ピークを有する。このため、上記の構成を有する光吸収層は、さらに多くの離散的な吸収波長ピークを有する。また、量子ドットの種類を一にして、歪み緩和層のみで離散的な吸収波長帯域を生じてもよい。
例えば、光吸収層は、第1量子ドット、及び第1量子ドットを取り囲む第1歪み緩和層、並びに第2量子ドット、及び第2量子ドットを取り囲む第2歪み緩和層を有してもよい。第2歪み緩和層は前記第1歪み緩和層と厚さ又は材料が異なることが好ましい。
本実施形態では、光電変換器は1層の光吸収層と、これを挟む2層のコンタクト層とを備える。ここで光電変換器が2層以上の光吸収層を備えるものとし、かつ各光吸収層が、異なる量子閉じ込め構造又は歪み緩和層を備えてもよい。
この場合、各光吸収層の生じる個々の吸収波長帯域を組み合わせることで、離散的な吸収波長帯域を作ることもできる。また、一の光吸収層だけで離散的な吸収波長帯域を生じるものと、一の極大波長のみを有する吸収波長帯域を生じる光吸収層とは、自由に組み合わせることができる。
上記第1及び第2実施形態では、光変調層のコンタクト層を介して電圧印加することで屈折率を変調する。実施形態の変形として、コンタクト層を介さなくとも、光変調層への光照射によっても屈折率を変調できる。かかる光照射にかかる光は光吸収層に吸収されないことが好ましい。
このため、上記吸収帯域波長以外の波長の光の照射によって屈折率変化が起こるよう、光変調層の材料と構造を選択することが好ましい。また、光照射のためのレーザー等の光源は波長及び強度について適宜選択できる。
かかる光源は、電圧源からの電圧の入力部を備えていることが好ましい。電圧源が光源に電圧を印加した際、光源は屈折率変調層に対し光を照射する。光を受けた光変調層は共振器内の屈折率を変調する。このため、光共振器の共振波長は変化する。
電圧源が光源に電圧を印加することをやめた場合、光源は屈折率変調層に対し光の照射をやめる。このため、光を受けなくなった光変調層は共振器内の屈折率を元の状態に変調する。このため、共振器の共振波長は元に戻る。光電変換器は、上記の光源及び光変調層を変調手段として備える。かかる変調手段は印加電圧の発生又は変化に応じて光共振器の共振波長帯域を変調する。
(付記11)
前記共振波長帯域中の光は、前記共振波長帯域の極大波長の光である、請求項2に記載の光電変換器。
(付記12)
前記光吸収層は、第1量子ドット、及び第1量子ドットを取り囲む第1歪み緩和層、並びに第2量子ドット、及び第2量子ドットを取り囲み、前記第1歪み緩和層と厚さ又は材料が異なる第2歪み緩和層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換器
(付記13)
前記第1共振波長帯域の極大波長は前記第1吸収波長帯域と重複し、かつ前記第2吸収波長帯域とは重複せず、
前記第2共振波長帯域の極大波長は前記第1吸収波長帯域とは重複せず、かつ前記第2吸収波長帯域と重複する、請求項5に記載の光電変換器。
(付記14)
前記エネルギー差と、前記変調手段による変調前又は変調後の、前記複合共振波長帯域の光の光子エネルギーとが一致する、請求項7に記載の光電変換器。
(付記15)
前記複合共振波長帯域中の光は、前記複合共振波長帯域の極大波長の光である、付記14に記載の光電変換器。
(付記16)
前記光吸収層は第1量子ドット及び第2量子ドットを有し、前記第1量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第1エネルギー差と、前記複合共振器系の第1複合共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致し、
前記第2量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第2エネルギー差と、前記複合共振器系の第2複合共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致し、
前記第1の光共振器の共振波長帯域の変調により、前記複合共振波長帯域は前記第1複合共振波長帯域から前記第2複合共振波長帯域に変調する、請求項7、並びに付記14及び15に記載の光電変換器。
(付記17)
前記第1複合共振波長帯域の極大波長は前記第1エネルギー差に対応する第1吸収波長帯域と重複し、かつ前記第2エネルギー差に対応する第2吸収波長帯域とは重複せず、
前記第2複合共振波長帯域の極大波長は前記第1吸収波長帯域とは重複せず、かつ前記第2吸収波長帯域と重複する、付記16に記載の光電変換器。
(付記18)
前記光吸収層は、前記共振器型フィルタ側に反射防止膜を備える、請求項8に記載の光電変換器。
(付記19)
前記半導体基板及び前記光吸収層は、前記第1反射鏡又は第2反射鏡と、一の素子を構成する、請求項9に記載の光電変換器。
(付記20)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する光検出部を備える、照度計、輝度計、光度計、又は測光装置
(付記21)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を配列したアレイを有する撮像部を備える撮影装置
(付記22)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する光検出部を備える撮影装置であって、第1の波長の光に基づく情報を受け取る、焦点調整部、方向制御部、自動追尾部、光軸調整部又は手振れ補正部である第1調整部と、第2の波長の光に基づく情報を受け取る焦点調整部、方向制御部、自動追尾部、光軸調整部又は手振れ補正部である第2調整部とを備え、第2調整部の調整機能は第1調整部とは異なり、前記光検出部は前記第1及び第2の波長の光を受光する、撮影装置
(付記23)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する光検出部を備える、発光体、導光体、配光体、若しくは光学レンズ、又は目の検査装置
(付記24)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する光検出部を備える、放射温度計又は温度測定装置
(付記25)
付記24に記載の温度測定装置、及び前記温度測定装置が測定した温度の情報を受け取る温度調整部を備える、送風機、空調機、暖房機、調理機、恒温槽、冷蔵庫、又は冷凍庫。
(付記26)
付記24に記載の温度測定装置、及び前記温度測定装置が測定した温度の情報を受け取る判定部を備える、火災警報装置又は漏洩検知装置。
(付記27)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する光検出部を備えるガス検知装置を備え、前記ガス検知装置が検知したガスの情報を受け取る判定部をさらに備える、火災警報装置又は漏洩検知装置。
(付記28)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有し、温度測定装置及びガス検知装置が共有する光検出部を備え、前記温度測定装置は固体表面温度に由来する第1の波長の光に基づく情報を受け取り、前記ガス検知装置はガス分子の構造に由来する第2の波長の光に基づく情報を受け取り、前記光検出部は前記第1及び第2の波長の光を受光する、火災警報装置又は漏洩検知装置。
(付記29)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する受光部を備える無線通信装置又は非接触型カードの光学読取装置。
(付記30)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する、反射光の受光部を備える測距装置又は位置決定装置。
(付記31)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する、透過光又は反射光の受光部を備える紙幣、又は有価証券の光学読取装置。
(付記32)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する、透過光又は反射光の受光部と、第1の分子若しくは原子により発生した、又は減衰された光に基づく情報を受け取る第1検出部と、第2の分子若しくは原子により発生した、又は減衰された光に基づく情報を受け取る第2検出部とを備え、前記受光部は前記第1及び第2の分子若しくは原子により発生した、又は減衰された光を受光する、液体、気体、生体、青果、食品、又は医薬品の分析装置。
(付記33)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する受光部を備える光電スイッチ。
(付記34)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する受光部を備える、暗視装置、障害物検知装置、探査装置、又は標的表示装置。
(付記35)
請求項1〜9及び付記11〜19のいずれかに記載の光電変換器を有する検出部を備える、潜入者に対する警報装置、又は盗難防止装置。
100 光電変換器 101 半導体基板
102 光吸収層 103 光変調層
106 共振器(光共振器) 200 赤外線検出器(光検出器)
202 下部コンタクト層 205 上部コンタクト層
208 電圧源(検出用電圧源) 209 電流計
214 下部電極(入力部) 215 上部電極(入力部)
216 電圧源(変調用電圧源) 220 光電変換層
304 赤外光(光) 305 赤外光(光)
400 第1吸収波長帯域 401 第2吸収波長帯域
600 光電変換器 601 半導体基板
602 光吸収層 603 光変調層
606 第1共振器(第1の光共振器) 607 第2共振器(第2の光共振器)
700 第1吸収波長帯域 701 第2吸収波長帯域
800 光電変換器 806 共振器型フィルタ
814 下部電極(入力部) 815 上部電極(入力部)
816 電圧源(変調用電圧源) 900 光電変換器
903 駆動部 904 第1反射鏡
905 第2反射鏡 906 共振器(光共振器)
914 電極(入力部) 915 電極(入力部)

Claims (10)

  1. 半導体基板と、光吸収層と、光共振器と、前記光共振器の共振波長帯域を変調する変調手段を備え、
    前記光吸収層は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を有し、
    前記変調手段は電圧源から印加電圧を受ける入力部を備え
    前記変調手段は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を有する光変調層を備え、
    前記半導体基板と、前記光吸収層と、前記光共振器と、前記光変調層とは一の素子を構成する、
    光電変換器。
  2. 前記量子閉じ込め構造に束縛される電子のエネルギー準位間のエネルギー差と、前記変調手段による変調前又は変調後の、前記共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致する、請求項1に記載の光電変換器。
  3. 前記光吸収層は、第1量子ドット、及び第1量子ドットと大きさ、形状、又は材料が異なる第2量子ドットとを有する、請求項1又は2に記載の光電変換器。
  4. 前記光吸収層は、前記第1量子ドット及び第2量子ドットを有する光電変換層と、2層のコンタクト層を備え、
    前記光電変換層は前記2層のコンタクト層の間に位置し、
    前記2層のコンタクト層は前記光電変換層外に位置し、
    他のコンタクト層が前記2層のコンタクト層の間に位置しない、
    請求項3に記載の光電変換器。
  5. 前記第1量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第1エネルギー差と、前記光共振器の第1共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致し、
    前記第2量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第2エネルギー差と、前記光共振器の第2共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致し、
    前記第1エネルギー差に対応する第1吸収波長帯域と、前記第2エネルギー差に対応する第2吸収波長帯域とは離散的であり、
    前記変調手段により、前記共振波長帯域は前記第1共振波長帯域から前記第2共振波長帯域に変調する、請求項3又は4に記載の光電変換器。
  6. 第1の光共振器として前記光共振器を備え、
    前記第1の光共振器と共に複合共振器系を構成する第2の光共振器をさらに備え、
    前記複合共振器系は、前記第1の光共振器及び第2の光共振器の共振波長帯域に共通して存在する複合共振波長帯域を生じる、
    請求項に記載の光電変換器。
  7. 半導体基板と、光吸収層と、第1の光共振器と、前記第1の光共振器と共に複合共振器系を構成する第2の光共振器と、前記第1の光共振器の共振波長帯域を変調する変調手段を備え、
    前記光吸収層は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を有し、
    前記変調手段は電圧源から印加電圧を受ける入力部を備え、
    前記複合共振器系は、第1の光共振器及び第2の光共振器の共振波長帯域に共通して存在する複合共振波長帯域を生じる、
    光電変換器。
  8. 前記光吸収層は第1量子ドット及び第2量子ドットを有し、前記第1量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第1エネルギー差と、前記複合共振器系の第1複合共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致し、
    前記第2量子ドットに束縛される電子のエネルギー準位間の第2エネルギー差と、前記複合共振器系の第2複合共振波長帯域中の光の光子エネルギーとが一致し、
    前記第1の光共振器の共振波長帯域の変調により、前記複合共振波長帯域は前記第1複合共振波長帯域から前記第2複合共振波長帯域に変調する、請求項6又は7に記載の光電変換器。
  9. 前記第1複合共振波長帯域の極大波長は前記第1エネルギー差に対応する第1吸収波長帯域と重複し、かつ前記第2エネルギー差に対応する第2吸収波長帯域とは重複せず、
    前記第2複合共振波長帯域の極大波長は前記第1吸収波長帯域とは重複せず、かつ前記第2吸収波長帯域と重複する、請求項8に記載の光電変換器。
  10. 半導体基板と、光吸収層と、光共振器と、前記光共振器の共振波長帯域を変調する変調手段を備え、
    前記光吸収層は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を有し、
    前記変調手段は電圧源から印加電圧を受ける入力部を備え、
    前記変調手段は、量子ドット、量子細線、及び量子井戸からなる群から選ばれる一以上の量子閉じ込め構造を有する光変調層を備え、
    前記半導体基板と、前記光吸収層と、前記光共振器と、前記光変調層とは一の素子を構成する、
    光電変換器と;前記入力部と接続する変調用電圧源と前記光吸収層と接続する検出用電圧源と前記光吸収層と接続する電流計とを備える光検出器、を用いて光を検出する光検出方法であって、
    前記変調用電圧源で、前記変調手段に対する印加電圧を発生又は変化させることで、前記共振波長帯域を変調する変調工程と、
    前記光電変換器で光を受光する受光工程と、
    前記光を前記光共振器内で共振させる光共振工程と、
    前記量子閉じ込め構造で前記共振した光を吸収する光吸収工程と、
    前記検出用電圧源で前記光吸収層に電圧を印加することで、前記吸収した光を光吸収層で光電変換し、電流を生ずる光電変換工程と、
    前記電流計で電流を検出する、検出工程と、を備える光検出方法。
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