JP3256833B2 - 車両用スライドドア装置 - Google Patents

車両用スライドドア装置

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JP3256833B2
JP3256833B2 JP10009796A JP10009796A JP3256833B2 JP 3256833 B2 JP3256833 B2 JP 3256833B2 JP 10009796 A JP10009796 A JP 10009796A JP 10009796 A JP10009796 A JP 10009796A JP 3256833 B2 JP3256833 B2 JP 3256833B2
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光弘 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、ワンボックス車などの車両の
側面部に設けられた乗降口の開閉に使用される車両用ス
ライドドア装置、さらに詳しくは、スライドドアを開け
るときにスライドドアが車幅方向外方に移動するように
構成されたタイプの車両用スライドドア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用スライドドア装置
の一例としては、たとえば実開平7−11419号公報
に所載のものがある。すなわち、この従来のものは、本
願の図10に示すように、ワンボックス車5の側面部の
乗降口50をスライドドア1によって開閉自在とするも
のであり、スライドドア1の上部および下部には、アッ
パローラ2とロアローラ3(3a,3b)とが設けられ
ている。アッパローラ2とロアローラ3aとは、ワンボ
ックス車5の車両本体に設けられたアッパガイドレール
20とロアガイドレール30とによってそれぞれ車両前
後方向にガイドされている。ロアローラ3bは、スライ
ドドア1の重量を負担するローラであり、水平なローラ
支持面31e上を転動するように配されている。
【0003】上記アッパガイドレール20とロアガイド
レール30とは、スライドドア1を車両前後方向へ直線
状にスライドさせるための直線状のレール部を有する
が、これ以外として、屈曲レール部(図示略)をも有し
ている。この屈曲レール部は、スライドドア1をドア閉
位置からドア開位置へスライドさせるときに上記アッパ
ローラ2およびロアローラ3を矢印N1方向の車幅方向
外方へ移動ガイドさせるように屈曲(湾曲も含む)した
レール部分である。
【0004】このような構成によれば、スライドドア1
のドア閉時においては、スライドドア1の外面を車両側
面と面一状に設定できる一方、スライドドア1を開けた
ときには、図10の仮想線に示すように、スライドドア
1を車両側面から離間させることができ、スライドドア
1と車両側面との干渉を回避することができる。
【0005】上記のような車両用スライドドア装置で
は、スライドドア1を車幅方向外方へ移動させる場合
に、スライドドア1の上部の移動量Laよりも下部の移
動量Lbを大きくする場合がある。このようにすれば、
ワンボックス車5などの車両側面が車両上部よりも車両
下部の方が大きく膨らんでいるような場合に、アッパガ
イドレール20の大型化を極力回避しつつ、スライドド
ア1と車両側面との干渉を回避することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用スライドドア装置では、次のような不具合が
生じていた。
【0007】すなわち、従来の車両用スライドドア装置
では、スライドドア1の下部の移動量Lbを上部の移動
量Laよりも大きくすると、スライドドア1は車幅方向
外方へ移動したときに所定角度θ1だけ傾斜し、スライ
ドドア1の重心位置が鉛直方向に変化する。
【0008】一方、上記実開平7−11419号公報に
は記載されていないが、この種のスライドドアには、ア
ッパローラやロアローラに加えて、センタローラを取付
け、このセンタローラをセンタガイドレールによってガ
イドさせるのが一般的である。具体的には、図9に示す
ように、スライドドア1の前縁部1aにアッパローラ2
やロアローラ3a,3bを取付けた場合には、これとは
逆に、スライドドア1の後縁部1bにセンタローラ4を
取付けた上で、これをセンタガイドレール40によって
ガイドし、このセンタローラ4の高さを規定している。
センタガイドレール40は水平状に形成されており、セ
ンタガイドレール40にガイドされるセンタローラ4の
高さは不変となっている。このため、従来では、スライ
ドドア1を開けるときにスライドドア1の下部を上部よ
りも車幅方向外方へ大きく移動させると、図11の仮想
線に示すように、スライドドア1のセンタローラ4の取
付箇所D1の高さは不変であるものの、スライドドア1
の全体は所定角度θ2だけ鉛直方向に回転することとな
って、スライドドア1の前縁部1aが適当な寸法Haだ
け上昇する事態を生じていた。
【0009】したがって、結局、従来では、ドア閉時に
おけるスライドドア1の重心G1の高さよりも、ドア開
時におけるスライドドア1の重心G2の高さの方が、H
a/2の寸法だけ高くなる現象を生じていた。その結
果、従来では、スライドドア1の重心を上昇させなけれ
ばならない分だけ、ドアを開けるのに必要な操作力が大
きくなってしまい、スライドドアを開ける際の操作性が
悪くなっていた。
【0010】実開平7−11419号公報には、アッパ
ガイドレールの屈曲レール部の変化率に比べてロアガイ
ドレールの屈曲レール部の変化率を小さくすることによ
り、スライドドアの操作性を向上させる手段が開示され
ている。しかし、このような手段では、スライドドアの
操作性は幾らかは改善されるものの、スライドドアを開
けるときにスライドドアの重心が上昇する現象について
は解消することはできない。したがって、上記公報に所
載の手段では、スライドドアの重心の上昇に原因する操
作性の悪化を根本的に解消することはできず、この点に
おいて未だ改善すべき余地があった。
【0011】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、スライドドアの下部を上部より
も車幅方向外方へ大きく移動させるようにしてスライド
ドアを開ける場合に、スライドドアの重心が大きく上昇
することを適切に防止し、スライドドアの操作性を良好
にすることをその課題としている。
【0012】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0013】
【0014】
【0015】すなわち、本願発明に係る車両用スライド
ドア装置は、スライドドアの上部に取付けられたアッパ
ローラと、このアッパローラを車両前後方向にガイドす
るアッパローラガイド手段と、上記スライドドアの下部
に取付けられたロアローラと、上記スライドドアの高さ
方向略中央部に取付けられたセンタローラと、上記ロア
ローラおよびセンタローラからの荷重をそれぞれ支持し
つつこれらロアローラおよびセンタローラを車両前後方
向にガイドするロアローラガイド手段およびセンタロー
ラガイド手段とを具備し、上記ロアローラガイド手段お
よびセンタローラガイド手段のそれぞれは、上記スライ
ドドアがドア閉位置からドア開位置にスライドするとき
に上記ロアローラが上記アッパローラよりも大きな寸法
量で車幅方向外方へ移動するように上記ロアローラおよ
びセンタローラガイドを車幅方向外方へ移動させる屈曲
レール部を有しており、かつ、上記センタローラは、こ
のセンタローラが上記センタローラガイド手段の屈曲レ
ール部を移動するときに回転するブラケットに支持され
ている車両用スライドドア装置であって、上記センタロ
ーラのブラケットの回転中心軸は、上記スライドドアが
ドア閉位置からドア開位置にスライドして上記ブラケッ
トが回転するときに上記スライドドアに対する上記セン
タローラの相対高さが徐々に高くなるように、鉛直方向
に対して傾斜していることを特徴としている。
【0016】本願発明においては、ロアローラガイド手
段とセンタローラガイド手段とのそれぞれの屈曲レール
部によってロアローラやセンタローラをガイドさせて、
スライドドアを車幅方向外方へ順次移動させながらスラ
イドドアを開けるときに、センタローラが傾斜した回転
中心軸を中心として回転することにより、スライドドア
に対するセンタローラの相対高さが徐々に高くなるよう
に変化する。また、このようにスライドドアに対するセ
ンタローラの相対高さが徐々に高くなれば、センタロー
ラガイド手段に対するスライドドアの相対高さは逆に低
くなってゆき、スライドドアのセンタローラ取付箇所の
実際の高さは、スライドドアが車幅方向外方へ移動する
に連れて低くなる。したがって、スライドドアの下部を
上部よりも車幅方向外方へ大きな寸法量移動させてスラ
イドドアを開ける場合に、スライドドアの重心位置が上
方へ大きく変化することを解消することが可能となり、
スライドドアを開けるときに必要な操作力を小さくし
て、スライドドアの操作性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】図1は、本願発明に係る車両用スライドド
ア装置の第1の実施形態を示す要部平面説明図である。
図2は、図1のX1−X1線要部断面図である。図3
は、スライドドアに取付けられたセンタローラとセンタ
ガイドレールとの組合せ構造の一例を示す要部平面説明
図である。図4は、図3のX2−X2線要部断面図であ
る。図5は、スライドドアに取付けられたアッパローラ
とアッパガイドレールとの組合せ構造の一例を示す要部
断面図である。これらの図、および以降の図において、
矢印Frは車両前方を示し、矢印Ouは車幅方向外方を
示している。
【0019】本実施形態に係る車両用スライドドア装置
は、図1および図2に示すロアローラのガイド構造に特
徴を有しており、その他の部位については、基本的には
既存の車両用スライドドア装置と共通している。したが
って、説明の便宜上、本実施形態については、図9にお
いて説明した車両用スライドドア装置を援用して説明す
る。
【0020】すなわち、本実施形態に係る車両用スライ
ドドア装置は、先の図9に示されているとおり、スライ
ドドア1の前縁部1aの上部に取付けられたアッパロー
ラ2、上記前縁部1aの下部に取付けられたロアローラ
3、および上記スライドドア1の後縁部1bの高さ方向
略中央部に取付けられたセンタローラ4を具備してい
る。また、この車両用スライドドア装置は、ワンボック
ス車5の車両側面部の乗降口50の上縁部に設けられた
アッパガイドレール20、上記乗降口50の下縁部に設
けられたロアガイドレール30とローラ支持面31、お
よび上記乗降口50よりも後方に位置する車両側面部5
9に沿って設けられたセンタガイドレール40をも具備
している。スライドドア1は、乗降口50の後方に退避
した位置から車両前部方向へ前進することにより、上記
乗降口50を閉塞するようになっている。
【0021】図1および図2に示すように、上記ロアロ
ーラ3は、具体的には、鉛直方向の中心軸周りに回転可
能な2つのガイドローラ3a,3aと、水平方向の中心
軸周りに回転可能な荷重ローラ3bとに区別される。荷
重ローラ3bは、スライドドア1の重量の一部を負担す
る。これら荷重ローラ3bやガイドローラ3a,3a
は、第1のブラケット10に連結された第2のブラケッ
ト11に支持されている。第1のブラケット10は、ス
ライドドア1の下部の適当な箇所に固定して取付けられ
ているが、第2のブラケット11は、第1のブラケット
10の先端部に軸19を介して連結されており、この軸
19を中心として水平方向に回転可能となっている。
【0022】上記ロアガイドレール30は、下面が開口
した断面略コ字状の溝形材によって構成されており、ワ
ンボックス車5の車両本体の一部を構成する略水平状の
パネル材51の下面部に固定して取付けられている。こ
のロアガイドレール30は、図1に示すように、一定領
域Aにおいて車両前後方向へ直線状に延びる直状レール
部30Aと、この直状レール部30Aに繋がった一定領
域Bにおいて滑らかに屈曲した屈曲レール部30Bとを
有している。この屈曲レール部30Bは、スライドドア
1のドア開け方向となる車両後方になるほど車幅方向外
方へ位置するように形成されている。上記ロアガイドレ
ール30の内部には、上記2つのガイドローラ3a,3
aが嵌入されている。したがって、これら2つのガイド
ローラ3a,3a、および荷重ローラ3bは、ロアガイ
ドレール30の長手方向に沿って移動する。
【0023】上記ローラ支持面31は、適当なパネル材
によって構成されており、上記ロアガイドレール30の
下方においてこのロアガイドレール30の長手方向に沿
って延びるように設けられている。このローラ支持面3
1上には、上記荷重ローラ3bが配置され、荷重ローラ
3bに作用するスライドドア1の重量はこのローラ支持
面31が受ける。このローラ支持面31の各部のうち、
上記ロアガイドレール30の直状レール部30Aの下方
の領域については、水平面として形成されている。これ
に対し、ローラ支持面31の各部のうち、屈曲レール部
30Bの下方の領域については、図2に示すように、車
幅方向外方になるほどその高さが徐々に低くなるよう
に、水平面に対して若干の角度αだけ傾斜した傾斜面と
なっている。上記傾斜角度αは、たとえば荷重ローラ3
bが車幅方向外方へ150mm移動すると、この荷重ロ
ーラ3bの高さを約3mm低くする角度である。
【0024】図3および図4に示すように、上記センタ
ローラ4は、具体的には、鉛直方向の中心軸周りに回転
可能な2つのガイドローラ4a,4aと、水平方向の中
心軸周りに回転可能な荷重ローラ4bとに区別される。
荷重ローラ4bは、上記荷重ローラ3bと同様に、スラ
イドドア1の重量の一部を負担する。これら荷重ローラ
4bやガイドローラ4a,4aは、スライドドア1の後
縁部1bに取付けられたブラケット13に支持されてい
る。このブラケット13は、スライドドア1の内部のリ
インフォースメント14などの適所に固着された他のブ
ラケット15にボルトなどの軸12を介して連結されて
おり、この軸12を中心として水平方向に回転可能であ
る。なお、図4において、符号16は、スライドドア1
のインナパネルを示している。
【0025】上記センタガイドレール40は、一側面に
開口部40aを有する略角パイプ状の溝形鋼材などから
構成されており、ワンボックス車5の車両側面部59の
外面と略面一となるように固定して取付けられている。
このセンタガイドレール40の2つの垂直板部41a,
41b間には、2つのガイドローラ4a,4aが配さ
れ、これらガイドローラ4a,4aや荷重ローラ4bが
上記センタガイドレール40の長手方向に沿って移動す
るようになっている。また、このセンタガイドレール4
0の底板部42上には、荷重ローラ4bが配置され、荷
重ローラ4bに作用するスライドドア1の重量をこの底
板部42が受けるようになっている。このセンタガイド
レール40は、先に説明したロアガイドレール30と同
様に、車両前後方向に直線状に延びる直状レール部40
Aと、この直状レール部40Aに繋がった屈曲レール部
40Bとを有している。この屈曲レール部40Bは、乗
降口50の内側まで延びており、ドア開け方向となる車
両後方になるほど車幅方向外方へ位置するように滑らか
に屈曲している。
【0026】図5に示すように、上記アッパローラ2
は、スライドドア1の上部に固定して取付けられたブラ
ケット21に支持されており、略鉛直方向の中心軸周り
に回転可能である。上記アッパガイドレール20は、下
面開口の断面略コ字状の溝形材などから構成されてお
り、車両前後方向に延びている。上記アッパローラ2
は、アッパガイドレール20の内部に嵌入されることに
より、アッパガイドレール20の長手方向に沿って移動
可能となっている。アッパローラ2は、アッパガイドレ
ール20によって車幅方向の移動は規制されるものの、
車両高さ方向については融通があり、一定の範囲で上下
動可能である。上記アッパガイドレール20は、スライ
ドドア1をドア閉位置からドア開位置へスライドさせる
ときに上記アッパローラ2が車幅方向外方へ適当な寸法
L1だけ移動するように、ロアガイドレール30の屈曲
レール部30Bと同様な構成の屈曲レール部(図示略)
を有している。ただし、上記アッパローラ2が車幅方向
外方へ移動する寸法L1は、ガイドローラ3a,3aや
荷重ローラ3bが車幅方向外方へ移動する寸法L2より
も小さくなるように構成されている。
【0027】上記構成の車両用スライドドア装置におい
ては、まず図1および図2の実線で示すように、ガイド
ローラ3a,3aがロアガイドレール30の最も車幅方
向内方寄りに位置したドア閉じ状態から、スライドドア
1を車両後方へスライドさせてゆくと、このスライドド
ア1は、ロアガイドレール30、アッパガイドレール2
0、およびセンタガイドレール40の各々の屈曲レール
部のガイド作用によって徐々に車幅方向外方へ移動して
ゆく。この場合、スライドドア1の上部よりも下部の方
が車幅方向外方へより大きな寸法量で移動する。一方、
センタローラ4は、センタガイドレール40によって一
定高さに維持されている。
【0028】本来ならば、上記のようなスライドドア1
の動作がなされると、既に述べた原理によって、スライ
ドドア1の前縁部1aは後縁部1bよりも上方へ傾き、
スライドドア1の重心位置が上昇する筈である。しか
し、荷重ローラ3bを支持するローラ支持面31が適当
な角度αだけ傾斜しているために、この荷重ローラ3b
の高さ、ならびにこの荷重ローラ3bを支持するスライ
ドドア1の前縁部1aの高さは、スライドドア1が車両
後方へスライドされるに連れて徐々に低くなっていく。
このため、スライドドア1の重心位置が上昇することう
解消し、または重心の上昇量を少なくすることが可能と
なる。したがって、スライドドア1を車幅方向外方へ移
動させながらスライドドア1を開けるのに必要な操作力
は小さくて済み、その操作性が良好となる。
【0029】なお、ローラ支持面31の傾斜角度αは、
必ずしも上記実施形態の内容に限定されない。この傾斜
角度αは、スライドドア1を開けるときの車幅方向外方
へのスライドドア1の上部や下部の移動量の差や、スラ
イドドア1のサイズなどの諸条件を考慮して適宜決定す
ればよく、その具体的な数値は特定されない。
【0030】次に、本願発明の第2の実施形態について
説明する。
【0031】図6は、本願発明に係る車両用スライドド
ア装置の第2の実施形態を示す要部断面図であり、ドア
閉状態を示している。図7は、センタローラおよびこの
センタローラを支持するブラケットの動作説明図であ
る。なお、これらの図では、先の第1の実施形態と同一
部位は、同一符号で示している。
【0032】本実施形態に係る車両用スライドドア装置
は、先に説明した第1の実施形態に係る車両用スライド
ドア装置と各部の構成の多くが共通しており、その詳細
な説明は省略するが、本実施形態は、先の第1の実施形
態と比べて次の点で相違している。
【0033】すなわち、先に説明した第1の実施形態で
は、ロアローラ3をガイドするローラ支持面31を傾斜
させることによってスライドドア1の操作性を高めた
が、本実施形態では、これとは異なり、センタローラ4
の支持構造を改良することによってスライドドア1の操
作性を高めている。
【0034】具体的には、図4において先に説明した第
1実施形態では、センタローラ4を支持するブラケット
13の回転中心となる軸12が鉛直方向に沿っている
が、本実施形態では、図6に示すように、ブラケット1
3の回転中心となる軸12が、鉛直線Cに対して所定の
角度βだけ傾斜している。この軸12の傾斜方向は、た
とえば図3の実線で示すようにスライドドア1がドア閉
位置に配置されているときに、軸12の上部が荷重ロー
ラ4bとセンタガイドレール40との接触点Pに接近す
るように傾斜する方向(矢印A1方向)である。
【0035】上記軸12を傾斜させる手段としては、軸
12を支持するブラケット15の上部15aと下部15
bとを傾斜状に設ける手段を採用することが可能であ
る。ただし、本願発明はこれに限定されず、ブラケット
15の全体をスライドドア1に対して傾斜させて取付け
るような手段を採用しても構わない。なお、本実施形態
では、図2において説明したローラ支持面31に相当す
る部位は傾斜面として形成されている必要はなく、水平
面として形成されている。
【0036】本実施形態に係る車両用スライドドア装置
においては、まず図3の実線で示すスライドドア1のド
ア閉位置から、ガイドローラ4a,4a、および荷重ロ
ーラ4bをセンタガイドレール40の屈曲レール部40
Bに沿って移動させて、スライドドア1を同図仮想線で
示すドア開位置まで移動させると、ブラケット13は、
センタガイドレール40に対して常に垂直方向の角度姿
勢を維持するように、軸12を中心として回転する。す
なわち、ブラケット13は、スライドドア1のドア閉時
には、図7の実線で示す角度姿勢であるのに対し、ドア
開時には、図7の仮想線で示す角度姿勢まで回転する。
【0037】一方、鉛直線Cに対して傾斜した軸12を
中心としてセンタローラ4が回転すると、このセンタロ
ーラ4のスライドドア1に対する相対的な高さは変化す
る。より具体的には、図7の実線で示すドア閉時には、
軸12が傾斜している方向(矢印A1)の延長線上に荷
重ローラ4bの中央部が位置するために、荷重ローラ4
bの高さはこのときが最も低くなる。これに対し、同図
仮想線で示すドア開時における荷重ローラ4bの高さ
は、同図実線で示す荷重ローラ4bの高さよりも高くな
る。このため、結局、軸12およびスライドドア1に対
する荷重ローラ4bの取付け高さは、スライドドア1が
車幅方向外方へ移動するに連れて徐々に高くなってゆ
く。ただし、荷重ローラ4bはスライドドア1の荷重に
よって、常時、センタガイドレール40の底板部42と
の接触状態を維持する。したがって、実際には、荷重ロ
ーラ4bの高さは変化することなく、荷重ローラ4bが
取付けられているスライドドア1の後縁部1bの高さ
が、ワンボックス車5の車両本体に相対して低くなる。
【0038】このため、図8に示すように、スライドド
ア1を開けるときに、同図仮想線で示すように、スライ
ドドア1の前縁部1aが上昇するように傾く事態を生じ
ても、これに伴ってスライドドア1の後縁部1bのセン
タローラ取付部分Dの高さが適当な寸法Hだけ低くな
る。その結果、上記寸法H分だけ、スライドドア1の重
心位置が上昇する量を小さくすることが可能となり、ス
ライドドア1を開けるときに必要な操作力を軽減するこ
とができることとなる。
【0039】なお、上記実施形態では、軸12を図7の
実線で示すドア閉時における荷重ローラ4bの中央部の
方向に傾斜させているが、本願発明は軸12の傾斜方向
はこれに限定されない。上記実施形態のように、軸12
を、図7の実線で示すドア閉時における荷重ローラ4b
の方向(矢印A1方向)に傾斜させたときには、荷重ロ
ーラ4bの高さをドア閉時において最低とすることがで
きる。これに対し、軸12を、図7の仮想線で示すドア
開時における荷重ローラ4bに向かう方向とは反対の方
向(矢印A2方向)に傾斜させたときには、荷重ローラ
4bの高さをドア開時において最高とすることができ
る。したがって、上記矢印A1方向と矢印A2方向との
相互間の角度範囲θのいずれかの方向に軸12を傾斜さ
せれば、スライドドア1をドア閉位置からドア開位置へ
移動させるに連れてスライドドア1に対する荷重ローラ
4bの相対的な高さを徐々に高くしてゆくことが可能で
ある。むろん、軸12の傾斜角度は、スライドドア1の
取付条件などを考慮して適宜決定すればよく、その具体
的な値は特定されない。
【0040】本願発明に係る車両用スライドドア装置の
各部の具体的な構成は、上述した実施形態に限定され
ず、種々に設計変更自在である。たとえば上述の実施形
態では、ロアローラやセンタローラのそれぞれを、2つ
のガイドローラと1つの荷重ローラとを組み合わせたも
のとしているが、本願発明はこれに限定されない。本願
発明では、たとえばロアローラを1つのローラによって
構成し、このローラの高さ方向の支持をローラ支持面に
よって行いながら、このローラの車両前後方向の規制を
他のガイド手段によって行うように構成しても構わな
い。センタローラについても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る車両用スライドドア装置の第1
の実施形態を示す要部平面説明図である。
【図2】図1のX1−X1線要部断面図である。
【図3】スライドドアに取付けられたセンタローラとセ
ンタガイドレールとの組合せ構造の一例を示す要部平面
説明図である。
【図4】図3のX2−X2線要部断面図である。
【図5】スライドドアに取付けられたアッパローラとア
ッパガイドレールとの組合せ構造の一例を示す要部断面
図である。
【図6】本願発明に係る車両用スライドドア装置の第2
の実施形態を示す要部断面図である。
【図7】センタローラおよびこのセンタローラを支持す
るブラケットの動作説明図である。
【図8】図6に示す車両用スライドドア装置におけるス
ライドドアの動作状態を示す説明図である。
【図9】車両用スライドドア装置が適用される車両の要
部斜視図である。
【図10】従来の車両用スライドドア装置の一例を示す
説明図である。
【図11】従来の車両用スライドドア装置におけるスラ
イドドアの動作状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スライドドア 2 アッパローラ 3 ロアローラ 3a ガイドローラ(ロアローラ) 3b 荷重ローラ(ロアローラ) 4 センタローラ 4a ガイドローラ(センタローラ) 4b 荷重ローラ(センタローラ) 5 ワンボックス車 12 軸(回転中心軸) 13 ブラケット 20 アッパガイドレール(アッパローラガイド手段) 30 ロアガイドレール(ロアローラガイド手段) 30B 屈曲レール部 31 ローラ支持面(ロアローラガイド手段) 40 センタガイドレール(センタローラガイド手段) 40B 屈曲レール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴村 弘之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 平4−11419(JP,U) 実開 平2−90121(JP,U) 実開 昭63−126120(JP,U) 実開 昭62−181423(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 5/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライドドアの上部に取付けられたアッ
    パローラと、このアッパローラを車両前後方向にガイド
    するアッパローラガイド手段と、上記スライドドアの下
    部に取付けられたロアローラと、上記スライドドアの高
    さ方向略中央部に取付けられたセンタローラと、上記ロ
    アローラおよびセンタローラからの荷重をそれぞれ支持
    しつつこれらロアローラおよびセンタローラを車両前後
    方向にガイドするロアローラガイド手段およびセンタロ
    ーラガイド手段とを具備し、 上記ロアローラガイド手段およびセンタローラガイド手
    段のそれぞれは、上記スライドドアがドア閉位置からド
    ア開位置にスライドするときに上記ロアローラが上記ア
    ッパローラよりも大きな寸法量で車幅方向外方へ移動す
    るように上記ロアローラおよびセンタローラガイドを車
    幅方向外方へ移動させる屈曲レール部を有しており、か
    つ、 上記センタローラは、このセンタローラが上記センタロ
    ーラガイド手段の屈曲レール部を移動するときに回転す
    るブラケットに支持されている車両用スライドドア装置
    であって、 上記センタローラのブラケットの回転中心軸は、上記ス
    ライドドアがドア閉位置からドア開位置にスライドして
    上記ブラケットが回転するときに上記スライドドアに対
    する上記センタローラの相対高さが徐々に高くなるよう
    に、鉛直方向に対して傾斜していることを特徴とする、
    車両用スライドドア装置。
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