JP3256748B2 - 衣料用液体柔軟剤組成物 - Google Patents

衣料用液体柔軟剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維や衣料に柔軟性を
付与する為の柔軟剤組成物に関し、特に羊毛や絹等の動
物性天然繊維に対する風合い付与効果に優れた柔軟剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、洗濯後の衣料に柔軟性を付与する
為に、ジ長鎖ヒドロカルビル第4級塩を主成分とするも
のが一般的に用いられているが、ジ長鎖ヒドロカルビル
第4級塩は、綿に対する柔軟性付与効果は優れている
が、羊毛や絹などの動物性天然繊維に対する風合い性の
面では充分ではなかつた。なお、「ヒドロカルビル」と
は、エステル基等で分離されていてもよいアルキルまた
はアルケニルを指す。そこで、羊毛や絹などの動物性天
然繊維に対する柔軟性、特に風合い性に優れた柔軟剤の
開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、洗濯後の衣
料、特に羊毛や絹などの動物性天然繊維に対して柔軟性
を付与すると同時に風合い性に優れた柔軟剤組成物を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の衣料用液体柔軟
剤組成物は、以下の(A)および(B)成分を含有する
ことを特徴とする。 (A) 下記化2の一般式(I)で表される第4級アン
モニウム塩:3〜30重量%。 (B) 蛋白質を加水分解して得られる重量平均分子量
200〜1500のポリペプタイドまたはその誘導体:
0.001〜0.9重量%。
【0005】
【化2】 (R1,R2:分断基も含めて炭素数が18〜21の、エ
ステル基またはアミド基で分断されたアルキル基または
アルケニル基、あるいは炭素数16〜20のアルキル基
またはアルケニル基 R3,R4:炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシ
アルキル基 X- :陰イオン)
【0006】
【発明の実施態様】本発明の(A)成分としては、下記
化3の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩が
用いられる。
【0007】
【化3】 (R1,R2:分断基も含めて炭素数が18〜21の、エ
ステル基またはアミド基で分断されたアルキル基または
アルケニル基、あるいは炭素数16〜20のアルキル基
またはアルケニル基 R3,R4:炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシ
アルキル基 X- :陰イオン)
【0008】一般式(I)中のR1,R2炭素数が規定よ
り少ないと柔軟性が低下し、一方、規定範囲を越えると
カチオン界面活性剤としての融点が高くなり、製造性が
悪化する。
【0009】(A)成分の第4級アンモニウム塩の具体
例としては、以下に示すものが例示され、これら1種を
単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
ジステアリルジメチル第4級アンモニウムクロライド、
ステアリルオレイルジメチル第4級アンモニウムクロラ
イド、ジオレイルジメチル第4級アンモニウムクロライ
ド、ジ(ステアロイルオキシエチル)ジメチル第4級ア
ンモニウムクロライド、ジ(オレオイルオキシイソプロ
ピル)ジメチル第4級アンモニウムメチルサルフェー
ト、N−硬化牛脂アミノメチル−N−オレオイルオキシ
メチル−N,N−ジメチル第4級アンモニウムクロライ
ド、N−オレオイルオキシエチル−N−エライジルオキ
シ−N,N−ジメチル第4級アンモニウムエチルサルフ
ェート、N−ステアロイルオキシエチル−N−オレオイ
ルオキシエチル−N,N−ジメチル第4級アンモニウム
クロライド。
【0010】(A)成分の第4級アンモニウム塩は、本
発明の柔軟剤組成物中に3〜30重量%、好ましくは5
〜15重量%配合され、この配合量が3重量%未満で
は、充分な柔軟性効果を得る為に多量の柔軟剤組成物を
使用しなければならないことから、商品価値上好ましく
ない。また、30重量%を越えると、柔軟剤組成物の溶
液安定性が悪化し、製造性の面で好ましくない。
【0011】本発明の(B)成分としては、蛋白質を加
水分解して得られる平均重量分子量200〜1500、
好ましくは400〜1000のポリペプタイドまたはそ
の誘導体が用いられる。(B)成分のポリペプタイドの
具体例としては、羊毛等に由来するケラチンを加水分解
して得られるポリペプタイドとその誘導体、コラーゲン
を加水分解して得られるコラーゲンポリペプタイドとそ
の誘導体、カゼインを加水分解して得られるポリペプタ
イドとその誘導体、大豆蛋白(植物蛋白)を加水分解し
て得られるポリペプタイド、これらポリペプタイドと脂
肪酸との縮合物又はその無機塩、有機塩等が例示され、
これら1種を単独で使用しても、2種以上を混合使用し
ても良い。
【0012】(B)成分のポリペプタイド類は、本発明
衣料用液体柔軟剤組成物中に0.001〜0.9重量
%配合される。この配合量が0.001重量%未満で
は、繊維への吸着量が少なく、風合い性向上効果が得ら
れない。また、0.9重量%を越えると、柔軟剤組成物
の安定性、特に分離、増粘等に悪影響を及ぼすので好ま
しくない。
【0013】本発明の柔軟剤組成物には、上記成分以外
にその他任意成分として、通常柔軟剤組成物に配合され
る公知の成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合する
ことができる。任意成分としては、例えば、ジ長鎖アル
キルジ短鎖アルキル第4級アンモニウム塩、ステアリン
酸等の高級脂肪酸、2−エチルヘキサン酸とグリセリン
またはペンタエリスリトールとの部分エステル化物や、
高級脂肪酸、高級アルコールまたはモノアルキルアミン
のアルキレンオキシド付加物等の非イオン界面活性剤、
食塩、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネ
シウム、塩化カリウム等の水溶性塩、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ヘキ
シレングリコール等の溶剤、尿素、殺菌剤、酸化防止
剤、染料、顔料、シリコーン類、炭化水素、セルロース
誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、香料等が挙げられ
る。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、(A)一般式(I)で
表される第4級アンモニウム塩3〜30重量%と、
(B)蛋白質を加水分解して得られる平均分子量200
〜1500のポリペプタイドまたはその誘導体0.00
1〜0.9重量%とを併用して液体柔軟剤組成物とする
ことにより、洗濯後の衣料、特に羊毛や絹などの動物性
天然繊維に対して柔軟性を付与すると同時に優れた風合
いを与えることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限される
ものではない。なお各例中の%はいずれも重量%であ
る。また評価法は下記方法によつた。
【0016】(1) 柔軟化処理方法 市販の綿タオルを市販衣料用洗剤「ハイトツプ」(商品
名、ライオン(株)製)により、電気式二槽洗濯機を用
いて2回繰り返し洗濯後、常温の水道水で充分にすす
ぎ、これを試験布とした。次に25℃の水道水30リツ
トルに対し柔軟基剤の(A)成分を1gになるように加
え均一溶液とした。この溶液中に浴比30倍で綿タオル
とウールジャージの比率を重量で1/1として浸して3
分間処理した後、2分間脱水した。このように処理した
後、20℃、40%RHの条件で24時間放置し、評価
試験に用いた。
【0017】(2) 柔軟性評価方法 表−2に示すジステアリルジメチル4級アンモニウムク
ロライドを柔軟基剤として配合した柔軟剤組成物(対
照)で処理した布を対照として一対比較を行い、下記基
準にて評価した。 +2:対照より柔らかい +1:対照よりやや柔らかい 0:対照と同等 −1:対照の方がやや柔らかい −2:対照の方が柔らかい
【0018】(3) 風合い性評価方法 表−2に示すジステアリルジメチル4級アンモニウムク
ロライドを柔軟基剤として配合した柔軟剤組成物(対
照)で処理した布を対照として、風合い(特に滑り性)
について一対比較を行い下記基準にて評価した。 +2:対照より風合い(滑り性)が良い +1:対照より風合い(滑り性)がやや良い 0:対照と同等 −1:対照の方が風合い(滑り性)がやや良い −2:対照の方が風合い(滑り性)が良い
【0019】(4) 溶液安定性評価方法 柔軟剤組成物を5℃及び45℃に恒温保存し、目視によ
り判定した。判定基準は下記に示す。 ◎:30日間以上安定 ○:15〜30日間安定 △:10〜15日間安定 ×:10日以内に不安定
【0020】実施例1〜6、比較例1〜7 以下表1に示した(A)成分と(B)成分とを表2に示
した配合量で用い、非イオン系の界面活性剤により分散
させて柔軟剤組成物を調製して柔軟性、風合い性、溶液
安定性を評価し、その結果を表2に示した。
【0021】
【表1】表1:(A)成分及び(B)成分 記号 化合物名 A成分: A−1 ジステアリルジメチル第4級アンモニウムクロライド A−2 ステアリルオレイルジメチル第4級アンモニウムクロライド A−3 ジ(ステアロイルオキシ)エチルジメチル第4級アンモニウム クロライド A−4 N−ステアロイルアミノエチル−N−オレオイルオキシエチル −N,N−ジメチル第4級アンモニウムクロライド A−5 ジオレイルジメチル第4級アンモニウムメチルサルフェート A−6 ジラウリルジメチル第4級アンモニウムクロライド(比較品) A−7 ジベヘニルジメチル第4級アンモニウムクロライド(比較品) B成分: B−1 羊毛を加水分解したケラチンポリペプタイド:分子量約400 (プロモイスWK:商品名/成和化成(株)製) B−2 大豆蛋白を加水分解したポリペプタイド:分子量約700 (プロモイスWS:商品名/成和化成(株)製) B−3 コラーゲンを加水分解したコラーゲンポリペプタイド:分子量約1000 (プロモイスW−42:商品名/成和化成(株)製) B−4 コラーゲンを加水分解したコラーゲンポリペプタイド:分子量約4000 (プロモイスW−4000:商品名/成和化成(株)製)(比較品)
【0022】
【表2】 評価結果 A成分 B成分 柔軟性 風合い性 溶液 化合物 配合量 化合物 配合量 綿 ウール 綿 ウール 安定性 実施例1 A−1 15.0 B−1 0.1 0 +1 0 +1 ◎ 比較例1 A−1 15.0 − − 0 0 0 0 ◎ (対照) 比較例2 − − B−2 0.1 −2 −2 −2 −2 ◎ 比較例3 A−1 15.0 B−1 0.0001 0 0 0 0 ◎ 比較例4 A−1 15.0 B−1 2.0 0 +1 0 +2 △ 比較例5 A−7 15.0 B−2 0.2 0 0 0 +1 △ 比較例6 A−1 15.0 B−4 0.5 0 +1 0 +1 △ 比較例7 A−6 15.0 B−2 0.5 −2 −1 −2 −2 ◎ 実施例2 A−2 15.0 B−2 0.5 0 +1 0 +2 ◎ 実施例3 A−3 5.0 B−2 0.5 0 +1 0 +2 ◎ 実施例4 A−3 15.0 B−2 0.1 0 +1 0 +1 ◎ 実施例5 A−4 15.0 B−1 0.5 0 +2 0 +2 ◎ 実施例6 A−5 5.0 B−3 0.5 0 +1 0 +1 ◎
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−66108(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 下記化1の一般式(I)で表さ
    れる第4級アンモニウム塩を3〜30重量%と、 (B) 蛋白質を加水分解して得られる重量平均分子量
    200〜1500のポリペプタイドまたはその誘導体:
    0.001〜0.9重量% とを含有することを特徴とする衣料用液体柔軟剤組成
    物。 【化1】 (R1,R2:分断基も含めて炭素数が18〜21の、エ
    ステル基またはアミド基で分断されたアルキル基または
    アルケニル基、あるいは炭素数16〜20のアルキル基
    またはアルケニル基 R3,R4:炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシ
    アルキル基 X-:陰イオン)
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WO2023104752A1 (en) * 2021-12-07 2023-06-15 Amsilk Gmbh Use of a structural polypeptide for treating or finishing textiles

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