JP3256621B2 - 酵素固定化用担体の製造方法 - Google Patents
酵素固定化用担体の製造方法Info
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Description
化学反応を工業的に行わせるためのバイオリアクター、
バイオセンサー等の用途で使用される酵素固定化用担体
の製造方法に関するものである。
せる酵素固定化バイオリアクター、バイオセンサー等の
研究は近年非常に盛んに行われており、これに使用され
る酵素固定化用担体の開発も進んでいる。酵素固定化バ
イオリアクターとは、酵素を担体表面に固定した触媒を
カラム内に充填した構成を有し、担体の種類もセルロー
ス、アガロース、キチン、カラギーナン、ポリアクリル
アミド等の高分子有機材料とか、一般的な多孔質ガラ
ス、セラミックス質等の無機材料等各種のものが提案さ
れている。
い傾向にあり、更に酵素固定化用担体を利用した反応系
においては、雑菌汚染を防止するために高温操作が必要
とされる場合が多く、有機系の担体は高温での耐熱性お
よび化学的安定性に問題がある。特に工業的に大量に使
用する場合には、圧密、即ち圧力による担体の縮みによ
る全体の反応液の流れとか加圧圧力が変動し、一定の化
学反応が遂行できなくなる惧れがある。
数百Åの細孔を持たすことが可能である反面、製造工程
が複雑であり、溶融のために高温(1500℃)が必要
であるため、製作に要するコストが極めて高価となり、
実用規模の設備は採算に合わないという問題がある。
ナ、ジルコニア等の一般的なセラミックス材料を用いた
担体は、熱安定性及び化学的安定性に優れているが、酵
素固定化に必要とされている数百Å〜千Åの細孔が少な
くて、肝心の酵素固定化量が少ないため装置の大型化が
要求される上、長い反応時間を必要とする等の問題があ
る。
題点を解決したものとして、特開昭63−91083号
公報には、セピオライト原料を粉砕して一定粒度とした
上、800〜1000℃での温度範囲で熱処理した酵素
固定化用担体(以下セピオライト担体と呼称)が提案さ
れている。このセピオライト担体は熱安定性が良い上、
酵素の固定化に適した数百Å〜千Åの細孔分布を持ち、
一般的なセラミックス担体と較べて酵素固定化能力に優
れているという特徴を有している。
うな従来の酵素固定化用担体中、有機系の担体は前記し
たように高温での耐熱性および化学的安定性に問題があ
り、多孔質ガラスは製造工程が複雑であって製作に要す
るコストが極めて高価になるという難点がある。他方で
特開昭63−91083号公報に記載されたセピオライ
ト担体は、一般的なセラミックス担体と較べて熱安定性
及び細孔分布の面から酵素固定化能力に優れているが、
細孔分布及び細孔量を制御することが困難であり、しか
も該セピオライト原料にはドロマイト(CaCO2・M
gCO3)等の炭酸塩鉱物が不純物として含まれている
という問題がある。
セピオライト結晶を破壊する惧れがあるため、これらア
ルカリ不純物を充分に除去することが出来ない。このた
めセピオライト担体をバイオリアクターに使用した場
合、使用条件によってはアルカリ成分の溶出が生じて精
度上満足する結果が得られないという問題がある。
が容易に制御出来なかった高い酵素活性発現能力を持
ち、圧密がなく、熱的安定性、化学的安定性、経済性の
何れをも満足させる酵素固定化用担体の製造方法を提供
することを目的とするものである。
するために、カオリン鉱物に強酸を加え、処理温度が1
00℃以上で処理時間が1時間以上の条件で水熱処理を
施した後に水洗して、粒径が数10μm乃至数mmのス
ラリー又は粉体の造粒体を得て、この造粒体に350〜
1000℃の温度条件下で焼成処理を施す酵素固定化用
担体の製造方法を提供する。上記カオリン鉱物は、カオ
リナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイトか
ら選択された一種又は複数のものを主成分とする天然品
もしくは合成品である。
ーにした状態でpHが4.0以下になる無機酸もしくは
有機酸である。上記水熱処理条件は、処理温度が100
℃以上で250℃以下、処理時間が1時間以上であり、
水熱処理後のスラリー又は粉体の造粒方法は、転動造粒
法,粉霧乾燥造粒法,攪拌造粒法,真空乾燥造粒法,流
動層造粒法その他の造粒法の中から選択された造粒法の
何れかを採用する。更に本発明にあっては、カオリン鉱
物に強酸を加え、処理温度が100℃以上で処理時間が
1時間以上の条件で水熱処理を施した後に水洗して、粒
径が数10μm乃至数mmのスラリー又は粉体の造粒体
を得て、この造粒体に350〜1000℃の温度条件下
で焼成処理してからシランカップリング処理及びグルタ
ルアルデヒト処理を施して酵素固定化用粉体とする方法
を提供する。
カオリン鉱物を焼成したときの焼成条件によっては細孔
ができるという知見に基づき、処理温度が100℃以上
で処理時間が1時間以上の条件で水熱処理を施した後に
水洗して、粒径が数10μm乃至数mmのスラリー又は
粉体の造粒体を得て、この造粒体に350〜1000℃
の温度条件下で焼成処理を実施して得られた酵素固定化
用担体は、シャープで均一な細孔分布と細孔量を有し、
高い酵素活性発現能力を持つとともに圧密がなく、しか
も熱的安定性、化学的安定性、経済性の何れをも満足す
ることができる。上記の工程は強酸を用いて水熱処理を
行うため、不純物として含まれているアルカリ成分が溶
出してカオリン鉱物本来の化学的安定性がさらに向上す
る。
の細孔量が少なく、逆に水熱処理条件が強過ぎると、カ
オリン鉱物が分解する上、燃費等の面で不経済となるの
で、前記したように処理温度は100℃以上で処理時間
が1時間以上、又は処理温度が100℃以上で250℃
以下、処理時間が1時間以上とする。また、造粒体の焼
成温度が350℃以下では結晶水の放出が十分行われ
ず、メタカオリン化が不十分となって細孔量が少なくな
り、焼成温度が1000℃以上では、焼成収縮が始まっ
て細孔量が少なくなるので、水熱処理後の粉体の焼成温
度は350〜1000℃とする。
方法の具体的な実施例を説明する。本発明者等はカオリ
ン鉱物を焼成したときの焼成条件によっては細孔ができ
るという知見に基づいて実験を行ったところ、原料の種
類とか原料組成のばらつきによって細孔分布が異なり、
かつ、大きな細孔量のものは出来ないことを確認した。
した結果、カオリン鉱物に強酸を加え、水と共に水熱処
理を施した後、水洗したスラリー又は粉体を造粒し、3
50℃〜1000℃の温度で焼成することにより、シャ
ープで均一な細孔分布と大きな細孔量を持つ酵素固定化
用担体を安定して製造することが可能であることを見い
だした。
ため、不純物として含まれているアルカリ成分が溶出
し、得られたスラリー又は多孔質粉体にはほとんど可溶
性アルカリ成分は含まれておらず、カオリン鉱物本来の
化学的安定性を更に向上させることができることが判明
した。
ナイトは、粘土鉱物であるカオリン類の主要な鉱物であ
って、このカオリナイトを主成分とする天然粘土は従来
から陶磁器やセラミックスの原料として用いられてい
る。カオリナイトは白色,灰色又は黄色の高アルミナ鉱
物であり、良質の天然粘土,特に愛知県瀬戸地区で産出
する蛙目(がえろめ)粘土には上記のカオリナイトと粘
性を高めるための亜炭等の有機物が混合されていること
が確認されている。この蛙目粘土は世界で最も優れた陶
芸材料といわれ、珍重されている。
の製造方法の詳細を述べる。本実施例に用いられるカオ
リン鉱物は、上記カオリナイト以外にディッカイト、ナ
クライト、ハロイサイトから選択された一種又は複数の
ものが主成分であれば良く、天然品もしくは合成品のど
ちらでも良い。強酸とはカオリン鉱物を10%スラリー
にした状態でpHが4.0以下になるものを言い、使用
する酸は無機酸もしくは有機酸のどちらでも良い。
上、又は処理温度が100℃以上で250℃以下とす
る。水熱処理条件が弱いと得られたスラリー又は多孔質
粉体の細孔量が少なく、逆に水熱処理条件が強過ぎると
カオリン鉱物の分解が発生する上、燃費等が余計にかか
って不経済であるという問題が生じる。
に応じた粒径に造粒する。造粒方法は転動造粒法,粉霧
乾燥造粒法,攪拌造粒法,真空乾燥造粒法,流動層造粒
法等多くの造粒法の何れを用いても良い。特にバイオリ
アクターカラムに充填して使用する場合には、一般に造
粒径が小さいほど液との接触面積が増えるため、酵素の
活性発現率が向上するが、圧力損失が増えて液の流れが
悪くなるという問題が生じる。このため造粒径が10μ
mより小さい粒径の担体を用いると圧力損失が大きすぎ
て使用できない。
には数十μm〜数mmの粒径のものを反応液の粒度に応
じて使用するのが良い。造粒品の焼成温度は350〜1
000℃が望ましい。
ン鉱物はOHの形で含まれている水が400℃前後から
脱水し始め、600℃前後で大きい吸熱ピークをつくっ
て脱水し、この脱水が終わった後メタカオリンになり、
更に970℃〜1000℃付近でγアルミナ又はムライ
トの結晶化に起因する発熱ピークが現れ、焼成収縮が始
まる。
水の放出が十分行われず、メタカオリン化が不十分とな
って細孔量が少なくなり、焼成温度が1000℃以上で
は、焼成収縮が始まる為、細孔がつぶされて細孔量が少
なくなることが確認された。従って焼成温度は前記の3
50〜1000℃とした。
体の表面を適宜のシランカップリング剤によりシラン化
したうえ、グルタルアルデヒドでアルデヒド化して酵素
の固定化を行う手段が一般的に行われている。従って酵
素の固定化法は一般的な手段に依って実施すれば良く、
酵素は共有結合によって酵素固定化用担体の表面に高密
度で、かつ、強固に固定化される。
物に強酸を加え、水と共に水熱処理を施した後、濾過,
水洗したスラリー又は粉体を造粒した後、350〜10
00℃で焼成してからシランカップリング処理及びグル
タルアルデヒト処理を施して得られた酵素固定化用担体
を得ており、得られた酵素固定化用担体は数百〜千Åの
シャープな細孔分布と大きな細孔量を持ち、酵素固定化
能力に優れているため高い酵素活性発現能力を示し、圧
密が無く、熱的安定性、化学的安定性、経済性を満足さ
せることが出来る。
記の蛙目粘土(主成分カオリナイト)に塩酸を加えてp
H=0.5の10%スラリーを作成した。このスラリー
をテフロン内装モーレ型ボンベに封入し、循環式温風乾
燥機に220℃で18時間放置して水熱処理を行い、ス
ラリーを取り出して濾過,水洗した後、乾燥させてサン
プルミルで粉砕して粉体を得て、この粉体と、濾過,水
洗したスラリーをスプレードライヤーを用いて造粒した
粒径の異なる3種類の造粒乾燥体とを、電気炉にて70
0℃、2時間焼成して、H−粉体(平均粒子径8μ
m),H−50,H−150,H−250の各サンプル
を作成した。上記サンプルナンバーのHは酸性水熱処理
を施したことを示し、数字は2次粒子の平均粒子径(μ
m)を示す。
理を施さないで上記実施例1と同様に造粒,焼成して3
種類のサンプル(N−50,N−150,N−250)
を作成して実施例1との比較を行った。上記サンプルナ
ンバーのNは酸性水熱処理を施していないことを示し、
数字は2次粒子の平均粒子径(μm)を示す。
及び比較例の担体の細孔分布、即ち細孔径が102〜1
03(Å)における細孔量(cc/g)と微分細孔量(cc/g・lo
gA)との相関を水銀圧入法で測定した結果を図1に示
す。図1によれば実線で示す本実施例の担体(H−5
0,H−150,H−250)は、微分細孔量が最大
1.71、細孔量が最大0.59であり、破線で示した
酸性水熱処理を施さない比較例の担体(N−50,N−
150,N−250)の各値0.58及び0.20に較
べても細孔分布がシャープであり、単位重量当たりの細
孔量は約3倍多いことが判った。また、造粒径(2次粒
子)が大きくなっても、数百〜千Åの細孔分布,及び細
孔量はほとんど変わらないことも判った。
かる担体及びH−粉体を用いて圧力損失を測定した結果
を図2に示す。図2は各担体150ccをカラム内径
2.8mmのオープンカラムに充填し、グリセリンで粘
度調整した水溶液を通液させ、カラム通液時の圧力損失
を1cp(センチポアズ,水),10cp(センチポア
ズ)の粘度の水溶液で測定した結果を示している。横軸
は線速度(cm/min)を示し、縦軸は圧力損失(kgf/c
m2)を示している。即ち、圧力をかけて通水した時の流
れる距離を線速度で表わして比較している。
0cp水溶液を用いると、2(kgf/cm2)の圧力下での
線速度が約2cm/minであり、更に「H−150」
「H−250」と粒径が大きくなるのにつれて線速度が
順次大きくなっている。また、1cp(水)を用いる
と、1(kgf/cm2)の圧力下での線速度が約12cm/
minであり、更に粒径が大きくなるのにつれて各サン
プルとも線速度は大きくなっている。
りにも小さいため、1cpの低粘度液でも圧力損失が大
きすぎて、2(kgf/cm2)の圧力をかけてもほとんど通
液せず、実用に耐えられないことも確認した。
きくなると圧力損失は大幅に少なくなることが判明し
た。特に反応液の粘度が高くなると造粒径を大きくしな
いと実用に耐えられないことが判明した。
例の各サンプルを2%の3−アミノプロピルトリエトキ
シシランのトルエン溶液に浸漬してシラン化し、しかる
後にトルエンで洗浄し、乾燥した後、2.5%のグルタ
ルアルデヒドを含む10mMリン酸緩衝溶液中で4℃、
24時間反応させて表面をアルデヒド化した。
した各サンプル1ccを50cc三角フラスコに入れ、
0.1M酢酸緩衝液5ccを加えて121℃で10分間
オートクレーブ殺菌をした。冷却後、グルコアミラーゼ
70mgをそれぞれ添加した後、氷冷しながら1時間攪
拌して酵素を担体に吸着固定化して酵素固定担体を作成
した。吸着終了後、担体を殺菌済みの濾紙上に移し、同
緩衝液で15回洗浄し(1回の洗浄で緩衝液5cc使
用)、未吸着の酵素を除去した。使用したグルコアミラ
ーゼはAspergillus niger起源、ベーリンガーマンハイ
ム山之内製薬のものである。
の定量分析を実施するため、0.1M酢酸緩衝液に可溶
性デンプン10%を溶かし、オートクレーブで殺菌し、
冷却後、デンプン溶液100ccに得られた酵素固定担
体を投入し、攪拌しながら35℃でデンプンの糖化を行
い、経時的にサンプリングし、グルコースを定量して糖
化曲線を描き、初速度法により、酵素活性を求めた。反
応終了後デンプン溶液のみを入れ替えることにより、繰
り返し回分反応を行い、酵素活性の変化を調べた。その
結果を図3に示す。グルコースの定量はグルコースCII
−テストワコー(和光純薬)により行った。
目,2回目は充分固定化されていない酵素が残留するた
め、酵素活性が高くなるので、真の固定化酵素の活性と
して3回目以降の値を比較した。実施例1(H−50,
H−150,H−250)に固定化したグルコアミラー
ゼの活性は担体1cc当たり500〜800Unitに
達し、酸性水熱処理を施さない比較例(N−50,N−
150,N−250)の150〜250Unitに較
べ、3〜4倍の高い発現を示し、本発明の効果が極めて
顕著であることが明らかとなった。また、造粒径が大き
くなると酵素固定担体と反応液の接触面積が小さくなる
ため、酵素活性発現能力が接触面積に応じて徐々に低下
することを確認した。なお、図3における活性1Uni
tは、1分間に1μmolのグルコースを生成する酵素
単位である。
め、実施例1と同様に酸性水熱処理を施したスラリーを
水洗,乾燥後、サンプルミルにて粉体を作成し、攪拌造
粒機にて造粒後、電気炉にて700℃,2時間焼成し
「H−1500」(2次粒子の平均粒子径1500μ
m)の担体を作成し、圧力損失の測定を行った。その結
果水溶液の粘度を50cpと高くしても、線速度10
(cm/min)のカラム通液時の圧力損失は0.2
(kgf/cm2)となり、図2に示した実施例1のH
−250の1cpにおける圧力損失とほぼ同等になっ
た。よって、2次粒子径を大きくすれば、かなり高粘度
の反応液でも圧力損失は問題にならないことが判った。
タルアルデヒド処理を行った後、酵素の固定化を行い、
酵素活性を測定するとともに、比較のため、優れた酵素
活性発現能力を持つと言われている市販の酵素固定化用
担体キトパール(キトサンビーズ,平均粒子径1000
μm)に、実施例1と同様の方法で酵素の固定化を行
い、酵素活性を測定した。その結果を図4に示す。図4
に示すように単位容積当たりの酵素活性は図3に示した
実施例1のH−250に較べやや低くなったが、優れた
酵素活性発現能力を持つと言われているキトパールの約
2倍の活性を示し、本発明の効果が極めて顕著であるこ
とが判った。従って2次粒子径を大きくすれば、かなり
高粘度の反応液でも圧力損失は問題にならず、上記例の
ように平均粒子径が1500μmの大きさであっても実
用可能な酵素活性発現性を有し、しかも圧力損失は小さ
いという特徴があることが判明した。よって、粒径数m
m程度のものまで実用可能であることが判明した。
かる酵素固定化用担体の製造方法によれば、カオリン鉱
物に強酸を加え、処理温度が100℃以上で処理時間が
1時間以上の条件で水熱処理を施した後に水洗して、粒
径が数10μm乃至数mmのスラリー又は粉体の造粒体
を得て、この造粒体に350〜1000℃の温度条件下
で焼成処理を実施することにより、シャープで均一な細
孔分布と大きな細孔量を有し、酵素活性が高い上、造粒
径に応じて圧力損失が調整可能であり、熱的安定性、化
学的安定性、経済性の何れをも満足する酵素固定化用担
体を得ることができる。特に得られた酵素固定化用担体
は、従来の有機系担体の持つ耐熱性及び化学的安定性上
での問題をなくし、かつ、製造工程の複雑性を解消し
て、製作に要するコストが低廉化されるという効果が得
られる。
結晶破壊の惧れがなく、特に強酸を用いて水熱処理と造
粒処理を行うことによって不純物として含まれているア
ルカリ成分を充分に除去することが可能となり、カオリ
ン鉱物本来の化学的安定性を発揮してバイオリアクター
に使用した場合であってもアルカリ成分の溶出が生じる
ことがなく、精度上満足する酵素固定化用担体を提供す
ることが出来る。よって、バイオリアクターの性能と経
済性を高めるのに寄与するところは極めて大である。
径に対する細孔量と微分細孔量との相関を測定した結果
を示すグラフ。
時の圧力損失を測定した結果を示すグラフ。
り返しテスト回数と酵素活性の関係を示すグラフ。
についての繰り返しテスト回数と酵素活性の関係を示す
グラフ。
Claims (6)
- 【請求項1】 カオリン鉱物に強酸を加え、処理温度が
100℃以上で処理時間が1時間以上の条件で水熱処理
を施した後に水洗して、粒径が数10μm乃至数mmの
スラリー又は粉体の造粒体を得て、この造粒体に350
〜1000℃の温度条件下で焼成処理を施すことを特徴
とする酵素固定化用担体の製造方法。 - 【請求項2】 上記カオリン鉱物は、カオリナイト、デ
ィッカイト、ナクライト、ハロイサイトから選択された
一種又は複数のものを主成分とする天然品もしくは合成
品である請求項1に記載の酵素固定化用担体の製造方
法。 - 【請求項3】 上記強酸は、カオリン鉱物を10%スラ
リーにした状態でpHが4.0以下になる無機酸もしく
は有機酸である請求項1又は2に記載の酵素固定化用担
体の製造方法。 - 【請求項4】 上記水熱処理条件は、処理温度が100
℃以上で250℃以下、処理時間が1時間以上である請
求項1,2又は3に記載の酵素固定化用担体の製造方
法。 - 【請求項5】 上記水熱処理後のスラリー又は粉体の造
粒方法は、転動造粒法,粉霧乾燥造粒法,攪拌造粒法,
真空乾燥造粒法,流動層造粒法その他の造粒法の中から
選択された造粒法の何れかを採用した請求項1,2,3
又は4に記載の酵素固定化用担体の製造方法。 - 【請求項6】 カオリン鉱物に強酸を加え、処理温度が
100℃以上で処理時間が1時間以上の条件で水熱処理
を施した後に水洗して、粒径が数10μm乃至数mmの
スラリー又は粉体の造粒体を得て、この造粒体に350
〜1000℃の温度条件下で焼成処理してからシランカ
ップリング処理及びグルタルアルデヒト処理を施して酵
素固定化用粉体とすることを特徴とする酵素固定化用担
体の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35076993A JP3256621B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 酵素固定化用担体の製造方法 |
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