JP3255857B2 - セラミックス成形体の脱脂方法および脱脂装置 - Google Patents

セラミックス成形体の脱脂方法および脱脂装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス成形
体の有機バインダ(結合剤,可塑剤,潤滑剤など)を加
熱により分解揮発させる脱脂方法および脱脂装置に関す
るものであり、より具体的に説明すると、積層セラミッ
クスコンデンサなど、電極とセラミックスの一体焼結タ
イプの電子部品の脱脂方法およびそれに用いられる脱脂
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ラジオ,マイクロカセットレコー
ダ,電子チューナー,ビデオカメラ等の電子機器が超小
型,薄型軽量に伴い、回路素子として使用される電子部
品の小型,大容量化が強く要求されるようになってき
た。
【0003】これらの要求を満足させる、電極とセラミ
ックスの一体焼結タイプのセラミックス電子部品とし
て、例えば積層セラミックスコンデンサが知られてい
る。積層セラミックスコンデンサの製造方法は、まず始
めに誘電体粉末,バインダ,可塑剤および有機溶剤から
なるスラリーを用いて、ドクターブレード法により有機
フィルム上に厚さ数十μmのセラミックス誘電体グリー
ンシートを成形する。次に、このセラミックス誘電体グ
リーンシート上に内部電極を印刷し、有機フィルムを取
り除いたものを複数枚数積み重ねた後、圧着により積層
成形体を製作する。さらに、この積層成形体をチップ状
に切断し、脱脂し、焼結の後、外部電極を取り付けて製
造は終了する。
【0004】ところで、従来の技術は、セラミックス成
形体の脱脂方法に通常大気が用いられている。大気を用
いて脱脂を行った場合、有機バインダが急激に酸化分解
によって発熱して熱暴走し、かつセラミックス成形体中
の金属粉体が酸化膨張する。このため、製品の内部構造
に欠陥が誘発される。
【0005】この製品の内部構造の欠陥を抑制するた
め、従来の方法は、装置内のセラミックス成形体の温度
分布を均一にかつ時間をかけて温度を上昇させていた。
例えば、積層セラミックスコンデンサの場合、400℃
の熱処理温度に達するまでに40時間を必要としていた
(10℃/hの昇温速度)。しかも、この昇温過程での
セラミックス成形体の温度分布は、±10℃程度以内に
調整する必要があるのが一般的である。
【0006】また、この脱脂のプロセスには、通常、温
度均一を目的としてセラミックス成形体を支持する支持
容器が間隔を開けて配置され、装置内のガスをモータフ
ァン等で攪袢する内部循環式脱脂装置が設けられてい
る。なお、この内部循環式脱脂装置の詳細は図10に基
づいて後に説明する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の脱脂方法および脱脂装置は、単位規模および
単位時間当たりの生産性が低く、強いては製品の製造コ
ストを増加させるという問題点を有している。また、従
来の装置内のガスをモータファン等で攪袢する内部循環
式脱脂装置を用いて脱脂を行う方法は、加熱によりセラ
ミックス成形体から分解揮発した脱脂排気ガスがセラミ
ックス成形体表面に再び接触して化合し、製品の構造上
の欠陥等を誘発するという問題を有している。
【0008】本発明の目的は、製品の欠陥の発生を抑止
し、良質の製品を生産性高く製造することが可能な脱脂
方法及び脱脂装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1記載のセラミックス成形体の脱脂方
法は、セラミックス粉体と内部電極としての金属粉体と
有機バインダで構成されるセラミックス成形体を加熱
し、セラミックス成形体より有機バインダを除去するに
際し、セラミックス成形体中の内部電極の金属粉体の酸
化還元平衡酸素分圧より低い酸素分圧の非酸化性雰囲気
ガスを所定の温度に加熱し、このガスをセラミックス成
形体を支持する支持容器に対して一方向より送風して再
循環させずに排出し、かつ非酸化性雰囲気ガスの0℃,
1気圧の1分あたりの換算流量が、前記容器の全空間体
積以上の流量に設定されたことを特徴とする。
【0010】また本発明の請求項2記載のセラミックス
成形体の脱脂方法は、請求項1記載の脱脂方法におい
て、非酸化性雰囲気ガスの露点が40℃以上であること
を特徴とする。
【0011】また本発明の請求項5記載のセラミックス
成形体の脱脂装置は、セラミックス粉体と内部電極とし
ての金属粉体と有機バインダとで構成されるセラミック
ス成形体を加熱し、セラミックス成形体より有機バイン
ダを除去する際に用いる脱脂装置であって、セラミック
成形体を支持する支持容器が収納された脱脂装置本体
と、この脱脂装置本体に、0℃、1気圧の1分あたりの
換算流量で、前記セラミック成形体を支持する支持容器
の全空間体積以上の雰囲気ガスを供給する機構と、雰囲
気ガスを事前に所定の温度に加熱する機構と、非酸化性
雰囲気ガスを一方向より送風して再循環させずに排出さ
せる機構とを備えたことを特徴とする。
【0012】また本発明の請求項6記載のセラミックス
成形体の脱脂装置は、請求項5記載の脱脂装置に雰囲気
ガスを加湿する機構を備えたことを特徴とする。また本
発明の請求項7記載のセラミックス成形体の脱脂装置
は、脱脂装置本体が円筒形に形成され、この脱脂装置本
体の内部にセラミック成形体を支持する扇形の支持容器
が円柱状に積層されていることを特徴とする。本発明の
セラミックス成形体の脱脂方法および脱脂装置が対象と
したセラミックス成形体の成形方法としては、シート積
層法,射出成形法,押し出し成形法等の従来の成形方法
を用いることができる。
【0013】またセラミックス粉体としては、チタン酸
バリウム,酸化チタン,酸化バリウム等の酸化物,窒化
珪素,窒化アルミニウム等の窒化物,炭化珪素,炭化チ
タン等炭化物およびこれら化合物の混合物を従来通り用
いることができる。
【0014】有機バインダとしては、ブチラール樹脂,
アクリル樹脂,スチレン樹脂等の従来から用いられてき
ている樹脂およびそれら樹脂に可塑剤を加えた混合物を
用いることができる。
【0015】本発明のセラミックス成形体の脱脂方法で
は,まず第一に雰囲気ガスは、セラミックス成形体中の
金属粉体の酸化還元平衡酸素分圧より低い酸素分圧の非
酸化性雰囲気ガスが用いられたことを特徴とする。
【0016】一般に脱脂プロセス中に酸素分圧を低くす
るほど、セラミックス成形体中の有機バインダの分解
は、酸化分解よりも、吸熱反応である熱分解が支配的に
なり、有機バインダの酸化分解の発熱による熱暴走を原
理的に抑制することができる。また金属粉体の酸化還元
平衡酸素分圧より低い酸素分圧の非酸化性雰囲気ガスを
用いることで金属粉体の酸化膨張が原理的に無くなっ
た。
【0017】また、低酸素分圧下での脱脂処理において
は、露点が40℃以上の雰囲気ガスを用いると脱脂効率
がより向上する。この結果、製品の内部構造欠陥を抑制
しつつ、従来法よりも昇温速度を速くすることがでる。
しかも、温度分布の影響は従来法にくらべ、さほど考慮
する必要がないため、より多くのセラミックス成形体を
支持する支持容器を装置内に配置することができる。し
たがって、単位規模および単位時間当たりの生産性を著
しく向上させることができる。
【0018】さらに従来の方法で脱脂を行った場合に発
生する亀裂,膨れ等の内部構造欠陥の発生原因の内、前
述の有機バインダの酸化分解の発熱による熱暴走、およ
びセラミックス成形体中の金属粉体の酸化膨張以外の原
因について、本発明者等は詳細に研究を行った結果、以
下の結論を得た。
【0019】セラミックス成形体を非酸化性雰囲気ガス
下で加熱を行うとセラミックス成形体中の有機バインダ
は主に熱分解により、反応性の高い低分子の有機物の形
で揮発する。さらにこの低分子の有機物はセラミックス
粉体表面に対して特に反応性が高く、通常の循環式脱脂
装置を用いると循環気流により運ばれたこの低分子の有
機物が高い確率でセラミックス粉体表面に再付着するこ
とになる。低分子の有機物が表面に再付着し、化合する
とセラミックス成形体は固く、もろくなり、その結果、
その後の焼結処理により亀裂や膨れといった不良が発生
する確率が高くなる結果をもたらす。したがって、この
揮発した低分子の有機物、言い換えれば脱脂排気ガス
が、セラミックス成形体表面に再付着する確率をできる
だけ低くすることが良質の製品を得る意味において、必
要かつ重要であるといえる。
【0020】そこでこの課題に対して本発明において
は、前述の脱脂排気ガスがセラミックス成形体の表面へ
再付着する確率をできるだけ低減する具体的手段とし
て、まず、非酸化性雰囲気ガスを、セラミックス成形体
を支持する支持容器に一方向より送風して排出し、雰囲
気ガスが脱脂装置本体内部で再循環しないようにした。
また、雰囲気ガスを所定の温度に事前に調節し、脱脂装
置本体内を強制的に通過させることで加熱を行うと同時
に装置内の自然対流を極力抑制した。
【0021】
【発明の実施の形態】図1(a)は第1の実施の形態の
脱脂装置の概略正面図、図1(b)は図1(a)のX−
Y線断面図を示している。
【0022】本発明による脱脂方法に用いた脱脂装置
は、内部にセラミックス成形体支持容器11を配置し、
外周に予熱ヒータ13を備えた脱脂装置本体Bと、窒素
ガスボンベ15と水素ガスボンベ16から流出したガス
の流量を調節するガス流量調節器14と、前記ガスを予
熱するガス予熱ヒータ12とから構成されている。本実
施の形態において、ガス流量調節器14として具体的に
はマスフローメータを用いた。
【0023】雰囲気ガスを供給する窒素ガスボンベ15
と水素ガスボンベ16から流出した非酸化性雰囲気ガス
Aは、ガス流量調節器14によって流量が調整され、図
1(a)の右側から左側に流れる。次に流量調節された
非酸化性雰囲気ガスAは、ガス予熱ヒータ12により所
定の温度に加熱、調整される。所定の流量および温度に
調整された非酸化性雰囲気ガスAは、その後、脱脂装置
本体Bの内部に配置されたセラミックス成形体を支持す
る支持容器11〔以下、支持容器11と称す〕の一端よ
り流入し、再循環することなく、他端から排出される。
【0024】なお脱脂装置本体B内に配置された予備ヒ
ータ13は、所定の温度および加熱速度条件によってガ
ス予熱ヒータ12の容量が不十分な場合、補助として用
いるものであり、原理的にはなくても構わない。
【0025】第1の実施の形態における支持容器11
は、図1(c)に示したように高さ方向に9段、長さ方
向に5段そして幅方向に3段にわたって段積みされ、計
135個の支持容器11が脱脂装置本体B内部に隙間な
く積層されている。
【0026】個々の支持容器11は、図2に示すように
形成されている。支持容器11の縦断面はチャネル状に
なっており、脱脂を行う対象であるセラミックス成形体
21を積載した後、図1(c)に示すように積み上げた
際も、非酸化性雰囲気ガスAが流れるための流路が確保
されるように工夫されている。
【0027】この実施の形態で用いた支持容器11は、
幅10cm×長さ15cm×高さ3cmのアルミナ製の
ものである。しかし、支持容器11は、前述のセラミッ
クス成形体21を積載した後、積み上げても雰囲気ガス
が通過する流路が確保されるという条件を満たすもので
あれば、大きさ,数量、形,および材質は限定されない
ことは、言うまでもない。
【0028】〔実験例1〕次に上記脱脂装置を用いた実
験例1について説明する。まず、脱脂の対象となるセラ
ミックス成形体21について説明する。成形体21の製
造に際して、粒径約1.5μmのチタン酸バリウムを主
成分とする誘電体粉末と、ブチラール樹脂を主成分とす
る有機バインダとからなる誘電体スラリーを用いて、ド
クターブレード法により乾燥厚みが30μmのシートが
作成された。さらに、その上にスクリーン印刷法によ
り、市販のNi電極ペーストを用いて乾燥厚み3μmの
内部電極を印刷し、グリーンシートを得た。このグリー
ンシートを20枚積み重ねた後、圧着し、さらに2mm
×4mmの形状に切断してセラミックス成形体を得た。
このセラミックス成形体に含まれる有機バインダ成分は
10wt%であった。本実験例においては、このNiを
内部電極とする積層セラミックスコンデンサチップ(以
下、Ni積層チップと称す)のセラミックス成形体21
である。
【0029】この実験例1では、1つの支持容器11に
前述Ni積層チップを100g積載し、図1(c)に示
したように高さ方向に9段、長さ方向に5段そして幅方
向に3段、計135個を脱脂装置本体Bに隙間なく配置
して脱脂を実施した。
【0030】なお、本発明におけるセラミックス成形体
21を支持する容器11の全空間体積とは、支持容器1
1それ自体が実際にしめる体積と、セラミックス成形体
21自体の体積と、雰囲気ガスが流通する空間の体積と
の総和を意味するものであり、この実験例における支持
容器11の全空間体積は、60750cm3 (=10c
m×15cm×3cm×135個=60.75リット
ル)となる。
【0031】この試料に対して、内部電極の主成分であ
るNi金属の酸化還元平衡酸素分圧より低い酸素分圧の
非酸化性雰囲気ガスを流した。この非酸化性雰囲気ガス
は、窒素ガスを100リットル/minと水素ガスを1
リットル/minの混合ガスで、50℃/hの速度で4
00℃まで昇温して2時間維持した。このガス中でセラ
ミックス成形体21の脱脂を試みた。したがって、この
実験例1において供給した非酸化性雰囲気ガスAの流量
は、1秒あたり支持容器11の全空間体積の約1.7倍
と計算できる。 〔比較例1〕〔比較例2〕上記の実験例1と比較のため
に、図10に従来の脱脂方法でよく用いられる内部循環
式脱脂装置の構成を示す。
【0032】この内部循環式脱脂装置は、供給口Dから
雰囲気ガスAを供給し、排出口Eから放出する。脱脂装
置の内部ではモータファン41によって雰囲気ガスAが
循環する。循環中の雰囲気ガスAは、脱脂装置内部に設
置されたヒータ42によって所定温度に加熱される。
【0033】実験例1とほぼ同じ大きさの内部循環式脱
脂装置を用いて、実験例1における試料の1/5数量、
すなわち前述Ni積層チップを各100gづつ積載した
支持容器11を27個、を対象として脱脂を試みた。
【0034】比較例1においては、雰囲気ガスAとして
大気を101リットル/min供給し、また、比較例2
においては、窒素ガスを100リットル/minと水素
ガスを1リットル/minを流した。そして、比較例1
と比較例2は、実験例1と同様に雰囲気ガスを50℃/
hの速度で400℃まで昇温し、この状態を2時間維持
して脱脂を試みた。
【0035】この比較例1、比較例2および実験例1の
3通りの脱脂方法で脱脂を行ったNi積層チップをその
後、1300℃、酸素分圧1×10-10 気圧の雰囲気下
で2時間で焼成を行った。欠陥の発生率をついて比較を
行うと下記の表1のようになった。
【0036】
【表1】
【0037】この表1の結果から明らかなように、比較
例1では全試料、比較例2では約1/5の試料に欠陥が
発生したのに対して、本発明による脱脂方法および脱脂
装置による実験例1においては、処理量が5倍であるに
もかかわらず欠陥は一切発生しなかった。このことから
本発明による脱脂方法および脱脂装置は、有機バインダ
の酸化分解による発熱を抑制する効果と、金属粉体の酸
化膨張を無くする効果と、さらにセラミックス成形体か
らの脱脂排気ガスがセラミックス成形体表面に再付着す
る確率を低く抑える効果があった。この結果、本発明の
脱脂方法および脱脂装置は、欠陥の発生を低減すること
ができ、かつ著しく生産性を向上させることが可能であ
ることが判る。
【0038】本実験例において、ガス流量調節器14と
して具体的には、マスフローメータを用いたが、ガス流
量を調節する目的が達成できるならば、例えばローター
メータ等の他の機器を用いても構わない。
【0039】この実験例において非酸化性雰囲気ガスと
して、窒素ガスおよび水素ガスの混合ガスを用いたが、
脱脂処理の対象であるセラミックス成形体中の金属粉体
が酸化しない酸素分圧を有するガスであれば、窒素ガ
ス,炭酸ガス,水素ガスの単体もしくはこれらの2つ以
上を組み合わせた混合ガス等を用いてもよいことは言う
までもない。
【0040】またこの実施例において、脱脂処理の対象
としたセラミックス成形体中の金属粉体はNiである
が、供給する雰囲気ガスに酸化されないという条件を満
たせば、セラミックス成形体中の金属粉体は、Niを主
成分とする合金,Pd,Pdを主成分とする合金,C
u,Cuを主成分とする合金等の他の金属でもよいこと
は言うまでもない。
【0041】〔実験例2〕次に、供給する非酸化性雰囲
気ガスの0℃、1気圧の1分あたりの換算流量が、支持
容器の全空間体積以上に流された実験例を説明する。
【0042】この実験例の脱脂装置本体B、脱脂装置の
内部構造、支持容器11およびセラミックス成形体21
は、形状および量において実験例1と全く同様であっ
た。すなわち、幅10cm×長さ15cm×高さ3cm
のアルミナ製の支持容器11にNi積層チップがそれぞ
れ100gづつ積載され、この支持容器11が図1
(c)に示したように高さ方向に9段、長さ方向に5段
そして幅方向に3段、計135個、脱脂装置本体Bに隙
間なく配置されて試料とした。したがって、実験例1と
同様にこの支持容器全体の全空間体積は、60750c
3 (=10cm×15cm×3cm×135個=6
0.75リットル)である。
【0043】この試料を5組用意し、1%の水素ガスを
含む窒素ガスを下記の表2に示す5通りの条件の流量
(0℃、1気圧の換算流量)で流して脱脂を試みた。
【0044】
【表2】
【0045】5通りの脱脂方法で脱脂を行ったNi積層
チップがその後、1300℃、酸素分圧1×10-10
圧の雰囲気下で2時間焼成され、欠陥の発生率について
比較を行うと下記の表3のようになった。
【0046】
【表3】
【0047】この表3から明らかなように、非酸化性雰
囲気ガスが0℃、1気圧の換算流量で1分あたり、支持
容器11の全空間体積以下の流量で流された条件1およ
び条件2で脱脂を行った場合、セラミック成形体21に
多くの割合で欠陥の発生が認められた。他方、非酸化性
雰囲気ガスが0℃、1気圧の換算流量で1分あたり、支
持容器11の全空間体積以上の流量で流された条件3、
条件4および条件5で脱脂を行った場合、セラミック成
形体21に欠陥が一切発生しなかった。
【0048】これらのことから本発明による脱脂方法お
よび脱脂装置を用いれば、有機バインダの酸化分解によ
る発熱を抑制する効果と、金属粉体の酸化膨張を無くす
る効果があった。さらに非酸化性雰囲気ガスの0℃、1
気圧の換算流量を1分あたり支持容器の全空間体積以上
にすることにより、セラミックス成形体からの脱脂排気
ガスを効率良く排出させることが可能となり、その結
果、脱脂排気ガスがセラミックス成形体表面に再付着す
る確率を低くする効果があった。これらの効果により、
セラミックス成形体21の欠陥の発生を低減することが
できることが判った。
【0049】この実施例において非酸化性雰囲気ガスと
して、窒素ガスおよび水素ガスの混合ガスを用いたが、
脱脂処理の対象であるセラミックス成形体中の金属粉末
が酸化しない酸素分圧を有するガスであれば、窒素ガ
ス、炭酸ガス、水素ガスの単体もしくはこれらの2つ以
上を組み合わせた混合ガス等を用いてもよいことは言う
までもない。
【0050】またこの実施例において、脱脂処理の対象
としたセラミックス成形体中の金属粉体はNiである
が、供給する雰囲気ガスに酸化されないという条件を満
たせば、セラミックス成形体中の金属粉体は、Niを主
成分とする合金、Pd、Pdを主成分とする合金、C
u、Cuを主成分とする合金等の他の金属でもよいこと
は言うまでもない。 [実験例3]次に、非酸化性雰囲気ガスの露点が40℃
以上に限定された実験例を説明する。この実験例3は図
3に示した第2の実施の形態の脱脂装置(図3)を用い
た。この脱脂装置は、第1の実施の形態の脱脂装置(図
1(a))に加湿器31を加えたものである。
【0051】先に説明した実験例1では、1つの支持容
器11にセラミックス成形体21としてNi積層チップ
を100g積載して脱脂したが、この実験例3では、1
つの支持容器11にセラミックス成形体21としてNi
積層チップを200g積載した。この支持容器11を図
1(c)に示したように高さ方向に9段、長さ方向に5
段そして幅方向に3段、計135個を図3に示した脱脂
装置本体Bに隙間なく積み上げて試料とした。また、非
酸化性雰囲気ガスは、窒素ガスを99リットル/min
と水素ガスを2リットル/minの合計101リットル
/minの混合ガスである。このガスを図3に示した加
湿器31を用いて、露点が40℃以上になるように加湿
し、50℃/hの速度で400℃まで昇温し、2時間維
持して脱脂した。その他の条件は実験例1と同じにし
た。
【0052】実験例3との比較のため、比較例3として
以下の実験を行った。すなわち先の比較例2と同じ内部
循環式脱脂装置を用い、Ni積層チップを200gづつ
積載した支持容器11を27個配置し、窒素ガスを99
リットル/minと水素ガスを2リットル/minの混
合ガスを流し、50℃/hの速度で400℃まで昇温
し、2時間維持して脱脂した。
【0053】2通りの脱脂方法で脱脂を行ったNi積層
チップをその後1300℃,酸素分圧1×10-10 気圧
の雰囲気下で2時間の焼成を行い、欠陥の発生率につい
て比較を行うと下記の表4のようになった。
【0054】
【表4】
【0055】表4の結果より明らかなように、先の比較
例2では欠陥の発生率が21%であるのに対して、比較
例2に比べ、処理量を2倍にした比較例3では欠陥の発
生率が34%であって、脱脂が難しくなっている。他
方、本発明による脱脂方法および脱脂装置を用いた実験
例3では比較例3と比較して処理量がさらに5倍に増え
たにもかかわらず欠陥は一切発生しなかった。
【0056】これらのことから本発明による脱脂方法お
よび脱脂装置は、有機バインダの酸化分解による発熱を
抑制する効果や金属粉体の酸化膨張を無くする効果があ
った。しかも、セラミックス成形体からの脱脂排気ガス
を効率良く排出させることが可能となり、その結果、脱
脂排気ガスがセラミックス成形体表面に再付着する確率
を低くする効果があった。このような効果によって、セ
ラミックス成形体の欠陥の発生を低減することができ、
かつ著しく生産性を向上させることが可能となることが
判った。
【0057】この実験例は非酸化性雰囲気ガスとして、
窒素ガスおよび水素ガスの混合ガスを用いたが、本発明
はこの混合ガスに限定されない。即ち、脱脂処理の対象
であるセラミックス成形体中の金属粉末が酸化しない酸
素分圧を有するガスでかつ露点が40℃以上であれば、
窒素ガス,炭酸ガス,水素ガスの単体もしくはこれらの
2つ以上を組み合わせた混合ガス等を用いてもよいこと
は言うまでもない。
【0058】またこの実施例において、脱脂処理の対象
としたセラミックス成形体中の金属粉体はNiである
が、供給する雰囲気ガスに酸化されないという条件を満
たせば、セラミックス成形体中の金属粉体は、Niを主
成分とする合金,Pd,Pdを主成分とする合金,C
u,Cuを主成分とする合金等の他の金属でもよいこと
は言うまでもない。
【0059】〔実験例4〕この実験例4でおいて用いた
脱脂装置の内部構造、セラミックス成形体支持容器およ
びセラミックス成形体は、形状および量において実験例
3と全く同じものである。
【0060】すなわち、幅10cm×長さ15cm×高
さ3cmのアルミナ製の1つの支持容器11にセラミッ
クス成形体21として前述Ni積層チップが200g積
載された。この支持容器11を図1(c)に示したよう
に高さ方向に9段、長さ方向に5段そして幅方向に3
段、計135個を脱脂装置本体Bに隙間なく配置して試
料とした。
【0061】したがって、実験例1と同様にこのセラミ
ックス成形体支持容器の全空間体積は、60750cm
3 (=10cm×15cm×3cm×135個=60.
75リットル)である。
【0062】この試料を5組用意し、それぞれの試料
は、2%の水素ガスを含む窒素ガスを露点40℃以上に
加湿し、下記の表5に示す5通りの流量(0℃、1気圧
の換算流量)で脱脂が試みられた。
【0063】
【表5】
【0064】5通りの脱脂方法で脱脂を行ったNi積層
チップをその後、1300℃,酸素分圧1×10-10
圧の雰囲気下で2時間の焼成を行い、欠陥の発生率につ
いて比較を行うと下記の表6のようになった。
【0065】
【表6】
【0066】この表6の結果から明らかなように、Ni
積層チップは、非酸化性雰囲気ガスを0℃,1気圧の換
算流量で1分あたり、支持容器11の全空間体積以下の
流量で流通させた条件1および条件2で脱脂を行った場
合、多くの割合で欠陥の発生が認められた。他方、Ni
積層チップは、非酸化性雰囲気ガスを0℃、1気圧の換
算流量で1分あたり、支持容器11の全空間体積以上の
流量で流通させた条件3、条件4および条件5で脱脂を
行った場合、欠陥が一切発生しなかった。
【0067】これらのことから本発明による脱脂方法お
よび脱脂装置は、有機バインダの酸化分解による発熱を
抑制する効果や金属粉体の酸化膨張を無くする効果があ
った。しかも、非酸化性雰囲気ガスの0℃,1気圧の換
算流量を1分あたり支持容器の全空間体積以上にしたこ
とにより、セラミックス成形体からの脱脂排気ガスを効
率良く排出させることが可能となり、その結果、脱脂排
気ガスがセラミックス成形体表面に再付着する確率を低
くする効果もあった。このような効果によってセラミッ
クス成形体の欠陥の発生を低減することができることが
判った。
【0068】この実験例は非酸化性雰囲気ガスとして、
窒素ガスおよび水素ガスの混合ガスを用いたが、本発明
はこの混合ガスに限定されない。即ち、脱脂処理の対象
であるセラミックス成形体中の金属粉末が酸化しない酸
素分圧を有するガスでかつ露点が40℃以上であれば、
窒素ガス,炭酸ガス,水素ガスの単体もしくはこれらの
2つ以上を組み合わせた混合ガス等を用いてもよいこと
は言うまでもない。
【0069】またこの実験例において、脱脂処理の対象
としたセラミックス成形体中の金属粉体はNiである
が、供給する雰囲気ガスに酸化されないという条件を満
たせば、セラミックス成形体中の金属粉体は、Niを主
成分とする合金,Pd,Pdを主成分とする合金,C
u,Cuを主成分とする合金等の他の金属でもよいこと
は言うまでもない。
【0070】〔実験例5〕この実験例5において用いた
脱脂装置の内部構造、セラミックス成形体支持容器およ
びセラミックス成形体は、形状および量において実験例
3と全く同じものである。
【0071】すなわち、幅10cm×長さ15cm×高
さ3cmのアルミナ製の1つの支持容器11にセラミッ
クス成形体21として前述Ni積層チップが200g積
載された。この支持容器11を図1(c)に示したよう
に高さ方向に9段,長さ方向に5段そして幅方向に3
段,計135個を脱脂装置本体Bに隙間なく配置し試料
とした。
【0072】したがって、実験例1と同様にこのセラミ
ックス成形体支持容器の全空間体積は、60750cm
3 (=10cm×15cm×3cm×135個=60.
75リットル)である。
【0073】この試料を3組用意し、それぞれの試料
は、露点を5℃,40℃および50℃に調整した100
リットル/minの2%の水素ガスを含む窒素ガス(0
℃,1気圧の換算流量)を流して脱脂が試みられた。
【0074】3つの加湿条件で脱脂を行ったNi積層チ
ップをその後、1300℃,酸素分圧1×10-10 気圧
の雰囲気下で2時間の焼成を行い、欠陥の発生率につい
て比較を行うと下記の表7のようになった。
【0075】
【表7】
【0076】この表7の結果から明らかなように、Ni
積層チップは、非酸化性雰囲気ガスの露点を5℃とした
場合、多くの割合で欠陥の発生が認められた。これら欠
陥が発生した試料を詳細に調べた結果、脱脂後の試料に
は、脱脂が不十分なことに起因して有機成分が多く残存
していた。そして、この残存有機成分がその後の130
0℃、2時間の焼成処理中にガス化し、膨れを発生させ
たことが明らかになった。他方、露点を40℃および5
0℃とした場合においては、欠陥が一切発生しなかっ
た。
【0077】これらのことから本発明による脱脂方法お
よび脱脂装置は、有機バインダの酸化分解による発熱を
抑制する効果や金属粉体の酸化膨張を無くする効果があ
った。しかも、非酸化性雰囲気ガスの0℃,1気圧の換
算流量を1分あたり支持容器の全空間体積以上にしたこ
とにより、セラミックス成形体からの脱脂排気ガスは効
率良く排出させることが可能となり、その結果、脱脂排
気ガスがセラミックス成形体表面に再付着する確率を低
くできた効果があった。さらに、低酸素分圧下での脱脂
処理において、露点が40℃以上の雰囲気ガスを用いる
ことで脱脂効率が向上する効果もあった。これらの効果
により、Ni積層チップの欠陥の発生を低減することが
できることが判った。
【0078】この実験例は非酸化性雰囲気ガスとして、
窒素ガスおよび水素ガスの混合ガスを用いたが、本発明
はこの混合ガスに限定されない。即ち、脱脂処理の対象
であるセラミックス成形体中の金属粉末が酸化しない酸
素分圧を有するガスでかつ露点が40℃以上であれば、
窒素ガス,炭酸ガス,水素ガスの単体もしくはこれらの
2つ以上を組み合わせた混合ガス等を用いてもよいこと
は言うまでもない。
【0079】またこの実施例において、脱脂処理の対象
としたセラミックス成形体中の金属粉体はNiである
が、供給する雰囲気ガスに酸化されないという条件を満
たせば、セラミックス成形体中の金属粉体は、Niを主
成分とする合金,Pd,Pdを主成分とする合金,C
u,Cuを主成分とする合金等の他の金属でもよいこと
は言うまでもない。
【0080】図4(a)は本発明における脱脂装置の第
3の実施の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)に
おけるX−Y線断面図、(c)は本発明のセラミックス
成形体の支持容器の配置の斜視図である。
【0081】この脱脂装置は、窒素ガスボンベ15と水
素ガスボンベ16から流出したガスの流量を調節するガ
ス流量調節器14と、前記ガスを予熱するガス予熱ヒー
タ12とは前記図1の脱脂装置と同じであるが、脱脂装
置本体Bが相違する。この脱脂装置本体Bは図に示すよ
うに円筒状に形成され、その内部には図5に示すよう
に、扇形基板の両側に立上片が立設したセラミックス成
形体支持容器11が、ドーナツ状に8枚組み合わされ、
円柱状に積み重ねられている。そして、予熱ヒータから
伸びたパイプは脱脂装置本体Bの外周部に接続してい
る。
【0082】この脱脂装置は、非酸化性雰囲気ガスAが
支持容器11の円柱状の積層体の外周部から中心部に向
かって送風され、再循環されずに中心部から排出され
る。この脱脂装置は、製品の品質が維持でき、しかも装
置全体の省スペース化が可能となり、かつ、生産性が向
上するという効果がある。
【0083】図6(a)は本発明における脱脂装置の第
4の実施の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)に
おけるX−Y線断面図である。この第4の実施例は、第
3の実施例と構造的には殆ど同じであるが、予熱ヒータ
から伸びたパイプが脱脂装置本体の中心部に接続されて
いる。このため、非酸化性雰囲気ガスAは支持容器11
の円柱状の積層体の中心部から外周部に向かって送風さ
れ、再循環されずに排出される。この脱脂装置も製品の
品質が維持でき、しかも装置全体の省スペース化が可能
となり、かつ、生産性が向上するという効果がある。
【0084】図8(a)は本発明における脱脂装置の第
5の実施の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)に
おけるX−Y線断面図である。図9(a)は本発明にお
ける脱脂装置の第6の実施の形態の構成を示す断面図、
(b)は(a)におけるX−Y線断面図である。
【0085】この第5の実施の形態の脱脂装置は、前記
第3の実施の形態のそれとよく似た構成であるが、予備
ヒータ12とガス流量調節器14の間に加湿器31が設
けられた点が異なる。この第5の実施の形態の非酸化性
雰囲気ガスAは、第3の実施の形態と同じように脱脂装
置本体Bの外周部から中心部に向かって送風され、再循
環されずに中心部から排出される。
【0086】第6の実施の形態の脱脂装置は、前記第4
の実施の形態のそれとよく似た構成であるが、前記と同
様に加湿器31を設けた点が異なる。この第6の実施例
の非酸化性雰囲気ガスAは、第4の実施の形態と同じよ
うに脱脂装置本体Bの中心部から外周部に向かって送風
される。
【0087】前記第5と第6の実施例の脱脂装置は、加
湿器31を付け加えた構成であるので、セラミックス成
形体の品質を維持しつつ、装置全体の省スペース化が可
能となり、生産性がさらに向上する。
【0088】
【発明の効果】以上のように本件発明のような方法およ
び構成によれば、セラミックス粉体と内部電極としての
金属粉体と有機バインダで構成されるセラミックス成形
体を加熱し、セラミックス成形体より有機バインダを除
去するに際し、セラミックス成形体を支持する支持容器
を脱脂装置内に隙間なく配置して生産性を向上しつつ、
効率のよい強制対流を実現し脱脂排気ガスの速やかな排
出が可能となった結果、セラミックス成形体の欠陥も著
しく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明における脱脂装置の第1の実施
の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)におけるX
−Y線断面図、(c)は本発明の支持容器の配置を示し
た斜視図である。
【図2】本発明におけるセラミックス成形体を支持する
支持容器の斜視図である。
【図3】本発明における脱脂装置の第2の実施の形態の
構成を示す断面図である。
【図4】(a)は本発明における脱脂装置の第3の実施
の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)におけるX
−Y線断面図、(c)は本発明のセラミックス成形体を
支持する支持容器の配置の斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の支持容器の斜視図
である。
【図6】(a)は本発明における脱脂装置の第3の実施
の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)におけるX
−Y線断面図である。
【図7】本発明における第4の実施の形態の支持容器の
斜視図である。
【図8】(a)は本発明における脱脂装置の第5の実施
の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)におけるX
−Y線断面図である。
【図9】(a)は本発明における脱脂装置の第6の実施
の形態の構成を示す断面図、(b)は(a)におけるX
−Y線断面図である。
【図10】従来の内部循環式脱脂装置の断面図である。
【符号の説明】
11 支持容器 12 予熱ヒータ 13 予熱ヒータ 14 ガス流量調節器 15 窒素ガスボンベ 16 水素ガスボンベ 21 セラミックス成形体 31 加湿器 A 非酸化性雰囲気ガス B 脱脂装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉光 秀紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−196352(JP,A) 特開 平8−81702(JP,A) 実開 昭59−181715(JP,U) 実開 昭62−180038(JP,U) 実開 昭63−78041(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/638

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス粉体と内部電極としての金
    属粉体と有機バインダとで構成されるセラミックス成形
    体を加熱し、セラミックス成形体から有機バインダを除
    去するセラミックス成形体の脱脂方法において、前記セ
    ラミックス成形体中の内部電極の金属粉体の酸化還元平
    衡酸素分圧より低い酸素分圧の非酸化性雰囲気ガスを所
    定の温度に加熱し、このガスをセラミックス成形体を支
    持する支持容器に対して一方向より送風して再循環させ
    ずに排出し、かつ非酸化性雰囲気ガスの0℃,1気圧の
    1分あたりの換算流量が、前記支持容器の全空間体積以
    上の流量に設定されたセラミックス成形体の脱脂方法。
  2. 【請求項2】 非酸化性雰囲気ガスの露点が40℃以上
    である請求項1記載のセラミックス成形体の脱脂方法。
  3. 【請求項3】 非酸化性雰囲気ガスが、窒素ガス、炭酸
    ガス、水素ガスの単体もしくはそれらの2つ以上を組み
    合わせた混合ガスである請求項1又は請求項2記載のセ
    ラミックス成形体の脱脂方法。
  4. 【請求項4】 内部電極が、PdあるいはPdを主成分
    とする合金又は、NiあるいはNiを主成分とする合金
    又は、CuあるいはCuを主成分とする合金の何れかで
    ある請求項1又は請求項2又は請求項3記載のセラミッ
    クス成形体の脱脂方法。
  5. 【請求項5】 セラミックス粉体と内部電極としての金
    属粉体と有機バインダとで構成されるセラミックス成形
    体を加熱し、セラミックス成形体より有機バインダを除
    去する際に用いる脱脂装置であって、セラミック成形体
    を支持する支持容器が収納された脱脂装置本体と、この
    脱脂装置本体に、0℃、1気圧の1分あたりの換算流量
    で、前記セラミック成形体を支持する支持容器の全空間
    体積以上の雰囲気ガスを供給する機構と、雰囲気ガスを
    事前に所定の温度に加熱する機構と、非酸化性雰囲気ガ
    スを一方向より送風して再循環させずに排出させる機構
    とを備えたことを特徴とする脱脂装置。
  6. 【請求項6】 非酸化性雰囲気ガスを加湿する機構を備
    えたことを特徴とする請求項5記載の脱脂装置。
  7. 【請求項7】 脱脂装置本体が円筒形に形成され、この
    脱脂装置本体の内部にセラミック成形体を支持する扇形
    の支持容器が円柱状に積層されていることを特徴とする
    請求項5又は請求項6記載の脱脂装置。
  8. 【請求項8】 非酸化性雰囲気ガスが、円柱状に積層さ
    れた支持容器の外周部から中心部に流され、再循環され
    ずに中心部から排出されることを特徴とする請求項7記
    載の脱脂装置。
  9. 【請求項9】 非酸化性雰囲気ガスが、円柱状に積層さ
    れた支持容器の中心部から外周部に流され、再循環され
    ずに外周部から排出されることを特徴とする請求項7記
    載の脱脂装置。
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