JP2006005172A - 積層型誘電素子の製造方法 - Google Patents

積層型誘電素子の製造方法 Download PDF

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Atsuhiro Sumiya
篤宏 角谷
Etsuro Yasuda
悦朗 安田
Yasunori Suzuki
靖典 鈴木
Tetsuyoshi Saisho
哲秀 最所
Akira Fujii
章 藤井
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Abstract

【課題】デラミネーション、クラック、変形等の不具合をほとんど発生することなく、高品質な積層型誘電素子を製造することができる積層型誘電素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】組成中に鉛を含有する誘電セラミック層12と、卑金属からなる卑金属電極層13とを交互に積層した積層型誘電素子1を製造する方法であり、電極印刷工程と、圧着工程と、脱脂工程と、焼成工程とを行う。電極印刷工程においては、セラミック材料をシート状に成形してなるセラミックグリーンシートに、卑金属電極用ペースト材料を塗布する。圧着工程においては、セラミックグリーンシートを積層し圧着して積層体を作製する。脱脂工程においては、積層体を水蒸気と不活性ガスとを含有する雰囲気ガスの流通下にて加熱炉内で加熱する。焼成工程においては、積層体を焼成する。また、脱脂工程においては、有機物の分解を促進する金属イオンを供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、組成中に鉛を含有する誘電セラミック層と、卑金属からなる卑金属電極層とを交互に積層した積層型誘電素子を製造する方法に関する。
従来より、各種優れた誘電特性を有するPZT系材料等よりなる誘電セラミック層と、銅等の卑金属よりなる卑金属電極層とを交互に積層してなる積層型誘電素子は、コンデンサやアクチュエータ等に広く利用されている。
このような積層型誘電素子を製造する方法は、通常下記のような複数の工程にて行われる。
即ち、まず、PZTなどのセラミック材料よりなるグリーンシートを準備し、このグリーンシートにスクリーン印刷等にて金属酸化物よりなる電極ペースト材料を塗布する。続いて、電極ペースト材料が塗布されたグリーンシートを積層して積層体を作製し、さらにこの積層体を脱脂する。次に、脱脂後の積層体を加熱炉内にて焼成して積層型誘電素子を得る。
上記積層体を脱脂する工程(脱脂工程)においては、脱脂により、積層体に含まれる有機物を除去する。脱脂工程後に有機物が残存すると、焼成時に積層体の内部に応力が発生し、焼成後の積層型誘電素子にデラミネーションやクラックが発生するおそれがある。また、焼成後の積層型誘電素子が変形してしまうおそれがある。
積層体を脱脂する具体的な方法としては、例えば下記の特許文献1〜3に記載の方法がある。
特許文献1においては、大気中で適切な温度条件下で加熱することによりバインダー及び分散材等の有機物を除去している。
また、特許文献2及び特許文献3においては、水蒸気を含む非酸化性ガス雰囲気中で、温度1000℃以下で加熱処理することにより有機バインダーを分解除去している。
しかしながら、特許文献1のように、大気中で脱脂を行う方法においては、脱脂後の積層体の内部に有機物が残存するおそれがあった。このように有機物が残存する積層体をそのまま焼成すると、図17〜図20に示すごとく、焼成後の積層型誘電素子にデラミネーションやクラックが発生するおそれがあった。また、焼成後の積層型誘電素子が変形してしまうおそれがあった。有機物が残存する部分、即ち残炭部分は、炭素が残っていない部分に比べて収縮率が小さく、両者の収縮率の差によって歪みが発生し、上記のようなデラミネーションやクラック等の不具合が発生すると考えられる。
また、特許文献2及び3に記載の脱脂方法は、セラミックコンデンサ等に用いるBaTiO3等を主成分とする焼結温度の高い積層体には適用することができるが、アクチュエータとして用いるPZT等からなる積層体のように、900℃〜1100℃という比較的焼結温度の低い積層体には、不向きであった。PZTのような焼結温度の低いセラミックからなる積層体は、例えば600℃以下という比較的低温で脱脂を行う必要があるからである。仮に600℃を超える高い温度で脱脂を行った場合、PZTと卑金属電極層に含まれる卑金属とが化学反応を開始するおそれがある。
その結果、焼成時にPZTと卑金属とが反応した部分と、未反応部分との収縮率が変化し、焼成後の焼成体内部に応力が発生し、デラミネーション、クラック、及び変形等が発生するおそれがある。
また、デラミネーション、クラック、及び変形等が発生した積層型誘電素子は、これを圧電素子として用いると、ヤング率や絶縁抵抗が低くなるという問題を生じる。
特開平5−82387号公報 特開平7−109177号公報 特開平7−109178号公報
本発明は、かかる従来の問題点を鑑みてなされたものであって、デラミネーション、クラック、変形等の不具合をほとんど発生することなく、高品質な積層型誘電素子を製造することができる積層型誘電素子の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、組成中に鉛を含有する誘電セラミック層と、卑金属からなる卑金属電極層とを交互に積層した積層型誘電素子を製造する方法において、
鉛酸化物を含む金属酸化物よりなるセラミック材料をシート状に成形してなるセラミックグリーンシートの少なくとも一方の面に、卑金属酸化物を含有してなる卑金属電極用ペースト材料を塗布する電極印刷工程と、
上記卑金属電極用ペースト材料が塗布されたセラミックグリーンシートを積層し圧着して積層体を作製する圧着工程と、
上記積層体を水蒸気と不活性ガスとを含有する雰囲気ガスの流通下にて加熱炉内で加熱し、上記積層体中に含まれる有機物を除去する脱脂工程と、
上記積層体を焼成する焼成工程とを有し、
上記脱脂工程においては、上記有機物の分解を促進する金属イオンを供給することを特徴とする積層型誘電素子の製造方法にある(請求項1)。
本発明においては、上記脱脂工程において上記有機物の分解を促進する金属イオンを供給する。また、上記脱脂工程は、水蒸気と不活性ガスとを含有する雰囲気ガスの流通下にて行う。そのため、上記脱脂工程においては、上記金属イオンが上記積層体中に含まれる例えば有機バインダーや分散材などの有機物に結合し、さらに上記雰囲気ガス中に含まれる水分により上記有機物を容易に分解することができる。分解後の有機物は、低分子量の揮発性分子等になるため、上記積層体から容易に除去することができる。それ故、上記脱脂工程後の上記積層体には、ほとんど有機物が残存することはない。
したがって、上記脱脂工程後の上記積層体を焼成しても、焼成後に得られる上記積層型誘電素子にデラミネーションやクラック発生することはほとんどない。また、焼成後の上記積層型誘電素子が変形することもほとんどない。そのため、高品質な積層型誘電素子を得ることができる。
このように、本発明によれば、デラミネーション、クラック、変形等の不具合をほとんど発生することなく、高品質な積層型誘電素子を製造することができる積層型誘電素子の製造方法を提供することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明の積層型誘電素子の製造方法においては、上記電極印刷工程と、上記圧着工程と、上記脱脂工程と、上記焼成工程とを行う。
上記電極印刷工程においては、鉛酸化物を含む金属酸化物よりなるセラミック材料をシート状に成形してなるセラミックグリーンシートの少なくとも一方の面に、卑金属酸化物を含有してなる卑金属電極用ペースト材料を塗布する。
上記セラミック材料としては、PZT系材料が好ましい。
この場合には、PZT系材料が有する優れた圧電及び誘電特性を利用して、高性能の積層型セラミックコンデンサ及び積層型圧電アクチュエータ等に利用できる積層型誘電素子を作製することができる。
上記セラミックグリーンシートは、上記セラミック材料に、有機バインダー、可塑剤、分散剤、及び溶剤等を混合しスラリーとしてものを、例えばドクターブレード法等によりシート状に成形して得ることができる。
上記有機バインダーとしては、例えばポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニル
アセタール(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸エステル系バインダ類、ポリメタクリル酸エステル系バインダ類、ポリウレタン系バインダ類、ポリスチレン系バインダ類から選ばれる1種以上を用いることができる。上記可塑剤としては、例えばベンジルブチルフタレート(BBP)、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等のフタル酸誘導体及びアジピン酸誘導体、グリコール誘導体等から選ばれる1種以上を用いることができる。上記分散剤としては、例えばソルビタントリオレート等のソルビン酸誘導体等のさまざまな分散剤から選ばれる1種以上を用いることができる。また、上記溶剤としては、エタノール、2−ブタノール等のアルコール、酢酸イソアミル等のエステル類、トルエン等のベンゼン誘導体等から選ばれる1種以上を用いることができる。
また、上記卑金属電極用ペースト材料に含まれる上記卑金属酸化物としては、銅、ニッケル、銅-ニッケルの合金又は銅-ニッケルに若干の添加物を加えた合金の酸化物等を用いることができる。
好ましくは、CuO等の銅の酸化物がよい。この場合には、導電性に優れた上記卑金属電極層を安価で作製することができる。
上記卑金属電極用ペースト材料は、上記卑金属酸化物に、卑金属、及び上記セラミック材料を混合して得られる固形分に、さらに有機バインダー、分散剤、及び溶剤等を混合して得ることができる。
卑金属としては、例えば上記卑金属酸化物中に含まれる金属と同種のものを用いることができる。また、上記セラミック材料は、上記セラミックグリーンシートの作製に用いるものと同様のものを用いることができる。上記有機バインダーとしては、例えばセルロース、エチルセルロース等のセルロース類、ポリスチレン系バインダ類等から選ばれる1種以上を用いることができる。上記分散剤としては、例えば高級脂肪酸等を用いることができる。上記溶剤としては、ブチルカルビトール又は/及びテレピネオール等を用いることができる。
上記卑金属電極用ペースト材料は、例えばスクリーン印刷等により、上記セラミックグリーンシートに塗布することができる。
また、上記圧着工程においては、上記卑金属電極用ペースト材料が塗布された上記セラミックグリーンシートを積層し圧着して積層体を作製する。具体的には、例えばセラミックグリーンシートを積層し、圧着治具等に固定して熱圧着することができる。
次に、脱脂工程においては、上記積層体を水蒸気と不活性ガスとを含有する雰囲気ガスの流通下にて加熱炉内で加熱し、上記積層体中に含まれる有機物を除去する。また、上記脱脂工程においては、上記有機物の分解を促進する金属イオンを供給する。
上記不活性ガスとしては、例えば窒素、アルゴン、及び炭酸ガスから選ばれる1種以上を用いることができる。
上記金属イオンは、Pbイオン、Zrイオン、Tiイオン、Srイオン、Yイオン、Nbイオン、Mnイオン、Cuイオン、Feイオン、Niイオン、Crイオン、Coイオン、Wイオン、Moイオン、Agイオン、Ptイオン、Pdイオン、Auイオン、Alイオン、Siイオン、Naイオン、及びKイオンから選ばれる1種以上であることが好ましい(請求項2)
この場合には、上記脱脂工程において、有機バインダーや分散剤等の有機物分子が上記金属イオンに配位して有機物分子の官能基部分の結合距離を伸ばすことができる。その後、水分又は縮合によりこの部分の結合を容易に切断することができる。即ち、この場合には、上記脱脂工程において、上記積層体に含まれる有機物分子を容易に分解除去することができる。
より好ましくは、上記金属イオンとしては、Pbイオン、Zrイオン、Tiイオン、Srイオン、Yイオン、Nbイオン、Mnイオン、Cuイオン、Crイオン、Coイオン、Wイオン、Moイオン、Ptイオン、Pdイオン、Auイオン、Alイオン、Siイオン、Naイオン、及びKイオンから選ばれる1種以上がよい。
上記雰囲気ガス中に含まれる水蒸気は、露点が50〜80℃となるように上記加熱炉内に供給することが好ましい(請求項3)。
露点50℃は、上記加熱炉内の水蒸気量0.0671kg/kgに相当する。また、露点80℃は、0.371kg/kgに相当する。この水蒸気量は、上記加熱炉内に導入する上記雰囲気ガス1kgに対する水蒸気量である。
露点が50℃未満の場合には、上記加熱炉内の水蒸気量が不充分になり、上記脱脂工程において上記積層体中に含まれる有機物を除去する効率が低下するおそれがある。一方、露点が80℃を超える場合には、積層体中の電極材料であるCuとセラミック材料とが反応してしまうおそれがある。また、80℃を超える場合において、セラミック材料がアルカリ金属、アルカリ土類金属を含む場合には、これらの金属がイオンとして溶け出したり、偏析するおそれがある。
上記金属イオンは、上記加熱炉の内壁から供給することが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記加熱炉内に上記金属イオンを容易に供給することができる。
具体的には、例えば、Pb、Zr、Ti、Sr、Y、Nb、Mn、Cu、Fe、Ni、Cr、Co、W、Mo、Ag、Pt、Pd、Au、Al、Si、Na、及びKから選ばれる1種以上の金属を上記加熱炉の内壁に配置することができる。内壁に配置した金属は、上記脱脂工程において、上記雰囲気ガス中に含まれる水蒸気と反応して上記加熱炉内に金属イオンを供給することができる。上述の金属は、例えば加熱炉の内壁に塗布することにより配置することができる。また、例えば板状に成形した金属板を加熱炉の内壁に接合することにより配置することもできる。
また、上記金属イオンは、上記雰囲気ガス中に含まれる水蒸気と共に上記加熱炉内に供給することができる(請求項5)。
この場合にも、上記加熱炉内に上記金属イオンを容易に供給することができる。また、この場合には、上記加熱炉内の金属イオンのイオン濃度を調整することが容易になる。
上記脱脂工程における上記加熱炉内の上記金属イオンの濃度は、0.001ppm〜500ppmであることが好ましい(請求項6)
上記金属イオンの濃度が0.001ppm未満の場合には、上記脱脂工程において、上記積層体中に含まれる有機物を分解する効率が低下するおそれがある。一方500ppmを超える場合には、上記積層型誘電素子の誘電セラミック層の特性が変化し、変位や抵抗が低下するおそれがある。
また、上記金属イオンは、上記脱脂工程における上記積層体に予め含有させておくことにより供給することもできる(請求項7)。
この場合にも、上記金属イオンを容易に供給することができる。
次に、上記脱脂工程においては、上記加熱炉内の温度を、昇温速度100℃/h以下で昇温し、保持温度250〜600℃で1〜80時間保持するという温度制御を行うことが好ましい(請求項8)。
昇温速度が100℃を超える場合には、積層体内に存在する有機物の突沸や急激な膨張により積層体にクラックが発生するおそれがある。また、昇温速度は、10℃/h以上が好ましい。
また、保持温度が250℃未満の場合には、上記脱脂工程において、上記積層体中に含まれる有機物を除去する効率が低下するおそれがある。一方、600℃を超える場合には、上記金属イオンが上記積層体中の有機物に充分に作用できず、脱脂が充分に行われなくなるおそれがある。より好ましくは、保持温度は250〜350℃がよい。
保持温度での保持時間が1時間未満の場合には、上記脱脂工程において、上記積層体中に含まれる有機物を充分に除去できないおそれがある。一方、80時間を超える場合には、脱脂する積層体の体格にもよるが、内部で分解途中の有機物が副反応により、より高分子かつ炭素リッチ組成の化合物に変化してしまうおそれがある。
上記脱脂工程においては、上記加熱炉内の温度を、昇温速度100℃/h以下で昇温し、第一保持温度250℃〜350℃で10〜30時間保持し、さらに昇温速度100℃/hで昇温し、第二保持温度500℃〜600℃で1〜20時間保持するという温度制御を行うことが好ましい(請求項9)。
この場合には、上記脱脂工程において上記積層体中の有機物をさらに効果的に除去することができる。
また、上記雰囲気ガスは、1〜30L/minの速度で上記加熱炉内に流通させることが好ましい(請求項10)。
上記雰囲気ガスの流通速度が1L/min未満の場合には、上記脱脂工程において、上記積層体中に含まれる有機物の除去効率が低下するおそれがある。一方、30L/minを超える場合には、上記積層型誘電素子の製造コストが増大してしまうおそれがある。
次に、上記焼成工程においては、上記積層体を焼成する。
上記焼成工程は、酸化ガス及び還元ガスを含む雰囲気ガス中で行うことが好ましい。
この場合には、上記焼成工程において、上記卑金属電極用ペースト材料中の卑金属酸化物を還元することができ、充分な導電性を有する卑金属電極層を形成することができる。さらにその一方で、上記セラミック材料を酸化することができ、圧電特性及び誘電特性を充分に発揮できる上記誘電セラミック層を形成することができる。
上記酸化ガスとしては、例えば酸素、水等を用いることができる。上記還元ガスとしては、水素、一酸化炭素、アンモニア、ヒドラジン等を用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例にかかる、積層型誘電素子の製造方法につき、図1〜図13を用いて説明する。
本例においては、図1に示すごとく、組成中に鉛を含有する誘電セラミック層12と、卑金属からなる卑金属電極層13とを交互に積層した積層型誘電素子1を製造する。本例の製造方法においては、後述の電極印刷工程と、圧着工程と、脱脂工程と、焼成工程とを行う。
電極印刷工程は、鉛酸化物を含む金属酸化物よりなるセラミック材料をシート状に成形してなるセラミックグリーンシートの少なくとも一方の面に、卑金属酸化物を含有してなる卑金属電極用ペースト材料を塗布する工程である。
圧着工程は、上記卑金属電極用ペースト材料が塗布されたセラミックグリーンシートを積層し圧着して積層体を作製する工程である。
脱脂工程は、上記有機物の分解を促進する金属イオンを供給する工程である。
焼成工程は、上記積層体を焼成する工程である。
また、上記脱脂工程においては、上記有機物の分解を促進する金属イオンを供給する。
以下、本例の製造方法につき、詳細に説明する。まず、以下のようにしてセラミック材料を作製する。
まず、酸化鉛と酸化タングステンとをそれぞれ83.5mol%と16.5mol%ずつ秤量し乾式混合した後、500℃にて2時間焼成することにより、酸化鉛と酸化タングステンの一部を反応させた助剤酸化物粉(化学式:Pb0.8350.1651.33)を作製した。次に、この助剤酸化物粉を媒体攪拌ミルにより微粒化し乾燥して反応性を高めた。
一方、PbO、SrCO3、ZrO2、TiO2、Y23、Nb25、Mn23の各金属酸化物を混合し、これらを乾式混合した後、890℃にて7時間焼成することにより、誘電体仮焼成粉を作製した。
次に、この誘電体仮焼成粉4.7kgに対して、水5.5L添加し、さらに分散剤としてのD134(第一工業製薬株式会社製)を上記誘電体仮焼成粉に対して5wt%の割合で添加し、1時間混合して誘電体仮焼成粉の粉砕用スラリーを作製した。
この粉砕用スラリーを媒体攪拌ミルにて8時間粉砕してメジアン径を0.2μm以下とした。さらにこの粉砕用スラリーをスプレードライヤにて220℃で乾燥して誘電体仮焼成粉の粉砕粉を得た。この粉砕粉には分散剤が残るため、この粉砕粉をさらに650℃で5時間熱処理することにより、分散剤を脱脂し、誘電体仮焼成粉を得た。
次に、誘電体仮焼成粉700gに、上記のようにして予め準備した助剤酸化物3.5gを添加して原料粉を作製し、さらにこの原料粉に対し、溶剤としてエタノールを16wt%、2−ブタノールを16wt%、酢酸イソアミルを16wt%、また分散剤としてのソルビタントリオレートを0.6wt%、可塑剤としてのBBP(ベンジルブチルフタレート、和光純薬工業株式会社製)を5wt%、さらにバインダーとしてのPVB(ポリビニルブチラール 電気化学工業株式会社製)を7.5wt%添加して72時間ボールミルで混合し、誘電セラミック材料のスラリーを得た。
次に、上記セラミック材料のスラリーをドクターブレード法によりブレード間隔125μmでシート状に成形した。その後、80℃にて乾燥した後、シートカッターにて100mm×150mmに切断し、セラミックグリーンシートとした。
次に、上記電極印刷工程及び圧着工程につき図2及び図3を用いて説明する。
まず、以下のようにして卑金属電極用ペースト材料を作製する。
上記卑金属電極用ペースト材料の作製にあたっては、まず上記卑金属電極用ペースト材料の固形分を準備する。固形分の組成としては、上記卑金属酸化物としてのCuO粉(比表面積10〜15m2/g、高純度化学社製)が28wt%、Cu粉(平均粒子径0.5μm以下、三菱マテリアル株式会社製)が56.6wt%、及び上記誘電体仮焼成粉と同じ組成であり粒子径20μm以下に造粒してなる共粉が15wt%である。
次に、バインダーとしてのセルロール5.5〜15wt%と、分散剤としての高級脂肪酸0.7〜2wt%と、残りの成分として溶剤であるフチルカルビトールとを、これらの合計が22wt%となるように、上記固形分78wt%に対して添加し、遠心力攪拌脱泡装置により混合して卑金属電極用ペースト材料を作製した。
次に、図2に示すごとく、この卑金属電極用ペースト材料23を複数の上記セラミックグリーンシート22に塗布する。このとき、卑金属電極用ペースト材料23は、上記セラミックグリーンシート22の一方の表面に、スクリーン印刷により塗布した。なお、印刷の厚みは6μmとした。同図には、印刷後のグリーンシートの一例を示す。
続いて、図3に示すごとく、上記卑金属電極用ペースト材料23が印刷されたセラミックグリーンシート22を積層していく。このとき、卑金属電極用ペースト材料23が交互に左右の側面に到達するようにした。このようにして、セラミックグリーンシート22を順次積層し、図4に示すごとく、合計26枚のセラミックグリーンシート22を積層した積層体25を得た。なお、積層体25においては、セラミックグリーンシート22を積層する際に、卑金属電極用ペースト材料を印刷していないセラミックグリーンシートを1枚準備し、最上段にはこのペースト材料を印刷していないセラミックグリーンシートを積層した。
そして、積層体25を圧着治具に固定し、110℃にて1分間16MPaにて熱圧着した。熱圧着した積層体25は、シートカッターにて縦9mm、横9.5mmの大きさに切断した後、常温において、7.8MPaの加圧力で積層方向に加圧して平坦化を行った。
次に、加熱炉を用いて積層体25の脱脂を行った(脱脂工程)。
図5に示すごとく、脱脂工程において用いる加熱炉3は、管状炉であり、加熱炉本体31とその周囲に配置されたヒータとを備えている。加熱炉本体31の炉壁315は、SUS310Sからなり、炉壁315の内側(内壁)には、Cu板33が管状に貼付されている。
また、加熱炉3の外部には、雰囲気ガス供給装置35が配置されている。この雰囲気ガス供給装置35は、ヒータ351を内蔵しており、内部に供給されたイオン交換水を加熱して水蒸気を生じる。雰囲気ガス供給装置35は、生成した水蒸気と、外部から供給された不活性ガスとしての窒素(N2)とを雰囲気ガスとして加熱炉に供給する。
脱脂工程においては、まず、加熱炉3内に積層体25を載置し、昇温速度50℃/hにて加熱を開始し、保持温度550℃にて37時間加熱した。また、このとき、雰囲気ガス供給装置35から加熱炉3内に、雰囲気ガスとして、窒素と水蒸気を供給した。窒素は、速度10000ml/minで供給し、また、水蒸気は、加熱炉3内の露点温度が70℃となるように供給した。その後、炉冷し、積層体25を加熱炉3から取り出した。
この脱脂工程において、積層体25中のPbを含有する化合物の一部は、粒界にPbO、WO3、SrO等を排出し、PbOはPbOHに、WO3はH2WO4に、SrOはSr(OH)2に変化することで、積層体25中の粒界が弱アルカリ性を帯びる。また、加熱炉3の炉壁315に配置された銅板33からは、Cuイオンが加熱炉3内に供給される。
Cuイオンと弱アルカリ性の状態とが触媒となり、バインダーとして積層体25中に存在するPVBは、図8に示すごとく、低分子量の揮発性分子に分解される。また、同様に、可塑剤としてのBBPも、図9に示すごとく低分子量の揮発性分子に分解される。
次に、図8に示す焼成炉4を用いて焼成工程を行った。
図8に示すごとく、焼成工程において用いる焼成炉4は、積層体25を載置して加熱を行う炉室40と、該炉室40に差し込まれた炉内酸素分圧センサ415及びこのセンサ415からの検出値を得る炉内酸素分圧計416を有し、上記炉室40にAr−H2(或いはAr−CO)、CO2、O2をそれぞれ導入するための各マスフローコントローラー411、412、413及び該マスフローコントローラー411、412、413から炉室40への流路を適宜切り替える電磁弁414を設けた流路41を有する。
また、炉室40から炉外へ向かう排気計410の途中に炉外酸素分圧センサ417と、該センサ417からの出力値を得る炉外酸素分圧計418を設置した。
そして、炉室40の酸素分圧の制御は炉外酸素分圧センサ417及び分圧計418及び炉内酸素分圧センサ415及び分圧計416により行う。
炉外酸素分圧センサ417は、ジルコニアO2センサで、内蔵するヒータでセンサが600℃以上に常に加熱されており、炉外酸素分圧センサ417に導入されたガス中の酸素分圧を全温度範囲で計測する。
一方、炉内酸素分圧センサ415はジルコニアO2センサであるがヒータを内蔵せず、焼成炉4の炉室の温度が400〜500℃程度以上に加熱されたときに炉室40の酸素分圧が計測可能になる。そのため、この焼成炉4においては、炉外酸素分圧センサ417は炉内温度が炉内酸素分圧センサ415の測定温度範囲から外れているときに用いた。
上記焼成工程においては、まず積層体25を炉室40内に載置し、昇温速度300℃/hにて加熱を開始し、最高保持温度を970℃にして2時間加熱した。そして、炉冷速度で降温し、炉室40内の温度が90℃まで冷却されたときに、積層体を取り出した。このときの温度制御の様子を図9に示す。図9は、横軸に加熱開始からの時間をとり、縦軸に上記積層体近傍の温度をとり、温度パターンP3を示すものである。
また、上記の加熱の際には、雰囲気ガスとして、CO2(ベースガス)、Ar(不活性ガス)とCO(還元ガス)とからなるAr−CO(CO濃度は10体積%)、及び酸素分圧を調整するためのO2(酸化ガス)をそれぞれ一定の流量で炉室内に導入した。
このときのCO2及びAr−COの流量は、それぞれ5000ml/min及び150ml/minであり、O2の流量は、2〜8ml/minの範囲とした。
室温から600℃近傍まで炉外酸素分圧センサ417及び分圧計418で酸素分圧の制御を行い、炉外酸素分圧センサ417の指示値が10-12.9〜10-16.0atmとなるようにした。
一方、600℃以上からは酸素分圧の制御を炉内酸素分圧センサ415及び分圧計416に切り替えて行った。切り替え時の炉内酸素分圧センサ415の指示値は10-10〜10-14atmであった。切り替え後から最高保持温度までは、酸素分圧を直線的に上昇させ、最高保持温度では酸素分圧10-6.0〜10-8.0atmの範囲に保持して雰囲気制御を行った。
この制御の様子を時間と温度と、酸素分圧(炉内酸素分圧センサ及び炉外酸素分圧センサの示す値)との関係として図9に示した。図9は、横軸は時間、左側の縦軸は温度を、さらに右側の縦軸は酸素分圧を10xatmで表した際のxの値であり、炉内酸素分圧S1、炉内目標酸素分圧S2、炉外酸素分圧S3、及び温度パターンP3を示すものである。なお、10xatmは1.013×105×10xPaに等しい。
このようにして積層体25を焼成し、図1に示すごとく、積層型誘電素子1を得た。これを試料E1とした。
次に、上記試料E1について静電容量、絶縁抵抗、ヤング率を以下のようにして測定した。
(静電容量)
インピーダンスアナライザーを用いて、温度条件を室温に設定し、測定周波数1kHzにて測定した。その結果を表1に示す。
(絶縁抵抗)
室温で150Vの電圧を印加し、印加してから2分後の抵抗を、絶縁抵抗計を用いて測定した。その結果を表1に示す。
(ヤング率)
室温で150Vの電圧を印加したまま、積層型誘電素子の積層方向に500〜1500Nの荷重を印加し、そのときの荷重−ひずみ線図の傾きから測定した。
表1より知られるごとく、試料E1は、絶縁抵抗及び静電容量が高く、優れた誘電素子として利用できる。また、試料E1は、ヤング率が高いため、大きな変位が得られ、優れた圧電素子としても利用できることがわかる。
また、上記試料E1の内部構造を明らかにするため、電子顕微鏡にて試料E1を観察した。その結果を図10〜図13に示す。
図10〜図13に示すごとく、試料E1の積層型誘電素子においては、内部構造が緻密で、卑金属電極層に切れ目などの不具合もなかった。また、デラミネーションやクラック等も発生しておらず、積層型誘電素子が変形することもなかった。
このように、本例の製造方法によれば、高品質な積層型誘電素子を製造することができる。
(実施例2)
本例は、脱脂工程において加熱炉に供給する金属イオンとしてFe3+を用いて積層型誘電素子を作製した例である。
まず、実施例1と同様にして電極印刷工程を行い、セラミックグリーンシートに卑金属電極用ペースト材料を塗布した。また、実施例1と同様にして上記圧着工程を行い、図4に示すごとく、セラミックグリーンシートを積層してなる積層体25を得た。
次に、図14に示す加熱炉5を用いて積層体25の脱脂を行った。
図14に示すごとく、本例の脱脂工程において用いる加熱炉5は、管状炉であり、加熱炉本体51とその周囲に配置されたヒータ52とを備えている。加熱炉本体51の炉壁515は、SUS310Sからなる。
また、加熱炉5の外部には、雰囲気ガス供給装置55が配置されている。雰囲気ガス供給装置55は、内部にヒータ551を備えてり、内部に供給されたイオン交換水を加熱して水蒸気を生じる。雰囲気ガス供給装置55は、生成した水蒸気と、外部から供給された不活性ガスとしての窒素(N2)とを雰囲気ガスとして加熱炉に供給する。
本例の脱脂工程においては、実施例1と同様に、まず加熱炉5内に積層体25を載置し、昇温速度50℃/hにて加熱を開始し、保持温度550℃にて37時間加熱した。このとき、雰囲気ガス供給装置55から加熱炉5内に、雰囲気ガスとして、窒素と水蒸気を供給した。窒素は、速度10000ml/minで供給し、また、水蒸気は、加熱炉5内の露点温度が55℃となるように供給した。その後、炉冷し、積層体25を加熱炉5から取り出した。
この脱脂工程において、積層体25中のPbを含有する化合物の一部は、粒界にPbO、WO3、SrO等を排出し、PbOはPbOHに、WO3はH2WO4に、SrOはSr(OH)2に変化することで、積層体中の粒界が弱アルカリ性を帯びる。また、加熱炉5の炉壁515からは、Fe3+イオンが加熱炉5内に供給される。
本例においては、Fe3+イオンと弱アルカリ性の状態とが触媒となり、バインダーとして積層体中に存在するPVB及び可塑剤としてのBBPがそれぞれ低分子量の揮発性分子に分解される。
次いで、実施例1と同様の焼成工程を行い、積層体を焼成して積層型誘電素子を得た。
本例で得られた積層型誘電素子は、上記試料E1と同様に、優れた静電容量、絶縁抵抗、及びヤング率を示した。また、デラミネーション、クラック、及び変形等も発生していなかった。
本例においては、上記のごとく、実施例1よりも露点温度を低くして脱脂を行っても、実施例1と同様の時間で脱脂を完了することができた。
(実施例3)
本例は、脱脂工程における金属イオンを、雰囲気ガス中に含まれる水蒸気と共に上記加熱炉内に供給する例である。
まず、実施例1と同様にして電極印刷工程を行い、セラミックグリーンシートに卑金属電極用ペースト材料を塗布した。また、実施例1と同様にして上記圧着工程を行い、図4に示すごとく、セラミックグリーンシートを積層してなる積層体25を得た。
次に、図15に示す加熱炉6を用いて積層体25の脱脂を行った。
図15に示すごとく、脱脂工程において用いる加熱炉6は、管状炉であり、上記実施例1と同様のものである。
加熱炉6の外部には、雰囲気ガス供給装置65が配置されている。この雰囲気ガス供給装置65は、内部にヒータ651を備えてり、内部に供給されたイオン交換水を加熱して水蒸気を生じる。本例においては、この水蒸気にSr(OH)2を0.0001mol/l配合した。雰囲気ガス供給装置65は、Sr(OH)2を含む水蒸気と、外部から供給された不活性ガスとしての窒素(N2)とを雰囲気ガスとして加熱炉6に供給する。
脱脂工程においては、実施例1と同様に、まず、加熱炉6内に積層体25を載置し、昇温速度50℃/hにて加熱を開始し、保持温度550℃にて37時間加熱した。このとき、雰囲気ガス供給装置65から加熱炉6内に、雰囲気ガスとして、窒素とSr(OH)2を含む水蒸気を供給した。窒素は、速度10000ml/minで供給し、また、水蒸気は、加熱炉6内の露点温度が70℃となるように供給した。
この脱脂工程において、積層体25中のPbを含有する化合物の一部は、粒界にPbO、WO3、SrO等を排出し、PbOはPbOHに、WO3はH2WO4に、SrOはSr(OH)2に変化することで、積層体25中の粒界が弱アルカリ性を帯びる。また、加熱炉6内には、水蒸気中に混合されたSr(OH)2が供給される。
本例においては、Sr(OH)2と弱アルカリ性の状態とが触媒となり、バインダーとして積層体25中に存在するPVB及び可塑剤としてのBBPがそれぞれ低分子量の揮発性分子に分解される。
その後、炉冷し、積層体を加熱炉から取り出した。
次いで、実施例1と同様の焼成工程を行い、積層体を焼成して積層型誘電素子を得た。
本例で得られた積層型誘電素子は、上記試料E1と同様に、優れた静電容量、絶縁抵抗、及びヤング率を示した。また、デラミネーション、クラック、及び変形等も発生していなかった。
(実施例4)
本例は、二段階の温度制御により脱脂を行った例である。
まず、実施例1と同様にして電極印刷工程を行い、セラミックグリーンシートに卑金属電極用ペースト材料を塗布した。また、実施例1と同様にして上記圧着工程を行い、図4に示すごとく、セラミックグリーンシートを積層してなる積層体25を得た。この積層体25の寸法は、10mm×10mm×3mmであった。
図5に示すごとく、この積層体25を、実施例1と同様の加熱炉3内に載置し、昇温速度30℃/hにて加熱を開始し、温度(第一保持温度)270℃(素子近傍温度)℃にて25時間加熱した。このとき、雰囲気ガス供給装置から加熱炉内に、雰囲気ガスとして、窒素と水蒸気を供給した。窒素は、速度10000ml/minで供給し、また、水蒸気は、加熱炉内の露点温度が55℃となるように供給した。その後、昇温速度30℃/hにてさらに昇温し、温度(第二保持温度)550℃(素子近傍温度)にて10時間加熱した。その後、炉冷し、積層体を加熱炉から取り出した。この脱脂工程における温度制御の様子を図16に示す。図6において、(a)で示す部分は第一保持温度での加熱を示し、(b)で示す部分は第二保持温度での加熱を示す。
次いで、実施例1と同様の焼成工程を行い、積層体を焼成して積層型誘電素子を得た。
本例で得られた積層型誘電素子は、上記試料E1と同様に、優れた静電容量、絶縁抵抗、及びヤング率を示した。また、デラミネーション、クラック、及び変形等も発生していなかった。
実施例1にかかる、積層型誘電素子の全体を示す説明図。 実施例1にかかる、卑金属電極用ペースト材料が印刷されたセラミックグリーンシートを示す説明図。 実施例1にかかる、セラミックグリーンシートを積層する様子を示す説明図。 実施例1にかかる、積層体の全体を示す説明図。 実施例1にかかる、脱脂工程に用いる加熱炉の構成を示す説明図。 実施例1にかかる、有機バインダー(PVB)が分解される反応を示す説明図。 実施例1にかかる、可塑剤(BBP)が分解される反応を示す説明図。 実施例1にかかる、焼成工程に用いる加熱炉の構成を示す説明図。 実施例1にかかる、焼成工程における温度制御の様子を示す説明図。 実施例1にかかる、積層型誘電素子(試料E1)における卑金属電極層と誘電セラミック層との積層状態を示す電子顕微鏡写真。 実施例1にかかる、積層型誘電素子(試料E1)の卑金属電極層の端部の積層状態を示す電子顕微鏡写真。 図11の部分拡大写真。 図12の部分拡大写真。 実施例2にかかる、脱脂工程に用いる加熱炉の構成を示す説明図。 実施例3にかかる、脱脂工程に用いる加熱炉の構成を示す説明図。 実施例4にかかる、脱脂工程における温度制御の様子を示す説明図。 大気中で脱脂を行うことによって得られた積層型誘電素子の卑金属電極層と誘電セラミック層との積層状態を示す電子顕微鏡写真。 大気中で脱脂を行うことによって得られた積層型誘電素子の卑金属電極層の端部の積層状態を示す電子顕微鏡写真。 図18の部分拡大写真。 図19の部分拡大写真。
符号の説明
1 積層型誘電素子
12 誘電セラミック層
13 卑金属電極層

Claims (10)

  1. 組成中に鉛を含有する誘電セラミック層と、卑金属からなる卑金属電極層とを交互に積層した積層型誘電素子を製造する方法において、
    鉛酸化物を含む金属酸化物よりなるセラミック材料をシート状に成形してなるセラミックグリーンシートの少なくとも一方の面に、卑金属酸化物を含有してなる卑金属電極用ペースト材料を塗布する電極印刷工程と、
    上記卑金属電極用ペースト材料が塗布されたセラミックグリーンシートを積層し圧着して積層体を作製する圧着工程と、
    上記積層体を水蒸気と不活性ガスとを含有する雰囲気ガスの流通下にて加熱炉内で加熱し、上記積層体中に含まれる有機物を除去する脱脂工程と、
    上記積層体を焼成する焼成工程とを有し、
    上記脱脂工程においては、上記有機物の分解を促進する金属イオンを供給することを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  2. 請求項1において、上記金属イオンは、Pbイオン、Zrイオン、Tiイオン、Srイオン、Yイオン、Nbイオン、Mnイオン、Cuイオン、Feイオン、Niイオン、Crイオン、Coイオン、Wイオン、Moイオン、Agイオン、Ptイオン、Pdイオン、Auイオン、Alイオン、Siイオン、Naイオン、及びKイオンから選ばれる1種以上であることを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記雰囲気ガス中に含まれる水蒸気は、露点が50〜80℃となるように上記加熱炉内に供給することを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記金属イオンは、上記加熱炉の内壁から供給することを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記金属イオンは、上記雰囲気ガス中に含まれる水蒸気と共に上記加熱炉内に供給することを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記脱脂工程における上記加熱炉内の上記金属イオンの濃度は、0.001ppm〜500ppmであることを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記金属イオンは、上記脱脂工程における上記積層体に予め含有させておくことにより供給することを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記脱脂工程においては、上記加熱炉内の温度を、昇温速度100℃/h以下で昇温し、保持温度250〜600℃で1〜80時間保持するという温度制御を行うことを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記脱脂工程においては、上記加熱炉内の温度を、昇温速度100℃/h以下で昇温し、第一保持温度250℃〜350℃で10〜30時間保持し、さらに昇温速度100℃/hで昇温し、第二保持温度500℃〜600℃で1〜20時間保持するという温度制御を行うことを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、上記雰囲気ガスは、1〜30L/minの速度で上記加熱炉内に流通させることを特徴とする積層型誘電素子の製造方法。
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