JP3255088B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法

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JP3255088B2
JP3255088B2 JP18301497A JP18301497A JP3255088B2 JP 3255088 B2 JP3255088 B2 JP 3255088B2 JP 18301497 A JP18301497 A JP 18301497A JP 18301497 A JP18301497 A JP 18301497A JP 3255088 B2 JP3255088 B2 JP 3255088B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正帯電安定性に優
れ、且つ耐久印刷時の帯電量変動による画質低下が少な
いトナーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真装置や静電記録装置
等の画像形成装置において形成される静電潜像は、先
ず、現像剤により現像され、次いで、形成された現像剤
像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加
熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により定着される。
【0003】画像形成装置によって形成される画像は、
年々、その精細さへの要求が高くなってきている。該装
置に用いる現像剤は、従来、着色剤などを含有する樹脂
を溶融し、粉砕し、分級して得る粉砕法現像剤が主流で
あったが、粒径コントロールが容易で、分級などの煩雑
な製造工程を経なくても済むと言われている重合法現像
剤が注目されるようになってきている。正帯電現像方式
は、感光体上の潜像の形成が負帯電方式に比べ緻密であ
り、小粒径の重合法トナーと組み合わせる事で高解像度
の画像形成が可能となる。
【0004】非磁性一成分正帯電重合法現像剤として、
特開昭59−123852号公報には重合性単量体とカ
チオン性重合体をアニオン性分散剤中で懸濁重合する方
法が提案されているが、このような方式で製造したトナ
ーは帯電安定性に欠けていた。理由は明らかでないが、
カチオン性重合体とアニオン性分散剤のイオン的吸引力
が大きすぎてアニオン性分散剤がトナー中に取り込ま
れ、洗浄が充分でないためと考えられる。当該現像剤で
は、非磁性一成分のごときスリーブやブレードからの摩
擦帯電による現像方式では現像剤に十分な帯電能力が得
られず、カブリが発生するという欠点があった。特開平
3−175456号公報には、4級アンモニウム塩基含
有共重合体存在下に懸濁重合しトナーを得る方法が提案
されているが、このような現像剤では、帯電量が大きく
印字濃度が低く、また、4級アンモニウム塩基含有共重
合体の重量平均分子量が低いために、現像剤の流動性が
不十分であり、保存性が低下するという問題があった。
特開平6−27740号公報には4級アンモニウム塩含
有熱可塑性樹脂を負帯電性帯電制御剤と化学結合させた
トナーが提案されているが現像剤の帯電性が負であるこ
とから、非磁性一成分正帯電現像剤には使用できないと
いう欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術のも
と、本発明者らは、良好な保存性を有し正帯電安定性に
優れ、且つ耐久印刷時の帯電量変動による画質低下が少
ない現像剤を得るべく鋭意研究した結果、ビニル芳香族
炭化水素単量体と(メタ)アクリレート単量体からなる
油溶性単量体とある種の4級アンモニウム塩基含有(メ
タ)アクリレート単量体とを共重合して得られる4級ア
ンモニウム塩基含有共重合体存在下に重合性単量体を重
合する非磁性一成分正帯電用現像剤を用いることによっ
て、上記目的を達成できることを見いだし、この知見に
基づいて、本発明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、少なくともビニル芳香族炭化水素由来の繰り返し構
造単位(以下、ビニル芳香族炭化水素単位という)と
(メタ)アクリレート由来の繰り返し構造単位(以下、
(メタ)アクリレート単位という)と4級アンモニウム
塩基含有(メタ)アクリレート由来の繰り返し構造単位
(以下4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート
単位という)とを有する4級アンモニウム塩基含有共重
合体存在下に着色剤と無機質系分散剤を含有する懸濁液
媒体中で、重合性単量体を懸濁重合する静電荷像現像用
トナーの製造方法であって、無機質系分散剤がカチオン
性分散剤であり、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の、テトラヒドロフランを用いたゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィーによって測定されるポリスチレ
ン換算重量平均分子量Aが25,000〜1,000,
000であり、4級アンモニウム塩基含有共重合体中の
4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート構造の
繰り返し構造単位のモル分率Bが0.01〜0.4モル
%であり、4級アンモニウム塩基含有共重合体の量(重
量部)Cが懸濁重合する単量体100重量部に対して
0.01〜10重量部であることを特徴とする静電荷像
現像用トナーの製造方法が提供される。以下に本発明を
詳述する。
【0007】1.4級アンモニウム塩基含有共重合体 本発明で用いる4級アンモニウム塩基含有共重合体は、
ビニル芳香族炭化水素単位、(メタ)アクリレート単
位、および4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレ
ート単位を有するものである。
【0008】(ビニル芳香族炭化水素単位)本発明でい
うビニル芳香族炭化水素単位は、下式(1A)で表され
る構造単位である。
【0009】
【化1】 式(1A)中、R1は水素原子あるいは炭素数1〜3の
直鎖または分岐のアルキル基、好ましくは水素原子また
はメチル基であり、R2およびR3は水素原子、ハロゲン
原子、あるいは炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキ
ル基、好ましくは水素原子またはメチル基である。本発
明において、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子であり、好適には塩素原子ま
たは臭素原子である。
【0010】これらのビニル芳香族炭化水素単位は、単
独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
【0011】((メタ)アクリレート単位)本発明でい
う(メタ)アクリレート単位は、下式(2A)で表され
る構造単位である。
【化2】 式(2A)中、R1は水素原子またはメチル基であり、
2は、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の直
鎖、分岐、あるいは環状のアルキル基、または1以上の
水素原子がハロゲン原子あるいは水酸基で置換されてい
ている炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜6の直
鎖、分岐、あるいは環状の置換アルキル基である。これ
らの(メタ)アクリルレート単位は、単独であっても、
2種以上の組み合わせであってもよい。
【0012】(4級アンモニウム塩基含有(メタ)アク
リレート単位)本発明でいう4級アンモニウム塩基含有
(メタ)アクリレート単位は、下式(3A)で表される
構造単位である。これらの4級アンモニウム塩基含有
(メタ)アクリルレート単位は、単独であっても、2種
以上の組み合わせであってもよい。
【0013】
【化3】 式(3A)中、R1は、水素原子またはメチル基であ
り、R2は次式(3a1)であり、R3、R4およびR5
それぞれ独立に水素原子、或いは炭素数1〜6の直鎖、
分岐または環状のアルキル基であり、Xはハロゲン原
子、または下式(3a2)である。
【0014】
【化4】 式(3a1)中、R’およびR”は、水素原子、ハロゲ
ン原子、または炭素数1〜3の分岐しても良いアルキル
基である。
【0015】
【化5】 式(3a2)中、R1は、水素原子、炭素数1〜6の直
鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基またはハロゲン原
子であり、Aは水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐、
もしくは環状のアルキレン、炭素数1〜6の直鎖、分
岐、もしくは環状のアルキル基またはハロゲン原子を有
していても良いフェニレン、あるいは炭素数1〜6の直
鎖、分岐、あるいは環状のアルキル基またはハロゲン原
子を有していても良いナフチレンであり、MはSO3 -
PO3 -、またはBO3 -である。
【0016】式(3A)中、R3およびR4はそれぞれ独
立に水素原子あるいは炭素数1〜3の直鎖または分岐の
アルキル基が好ましく、R5は炭素数1〜3の直鎖のア
ルキル基であり、Xはハロゲン原子、または下式(3a
2’)が好ましい。
【化6】 式(3a2’)中、R1は水素原子または炭素数1〜6
の直鎖、分岐あるいは環状のアルキル基またはハロゲン
原子であり、R2およびR3は炭素数1〜6の直鎖、分岐
もしくは環状のアルキレン、ハロゲン原子もしくは炭素
数1〜3のアルキル基を有していても良いフェニレン、
またはハロゲン原子もしくは炭素数1〜3のアルキル基
を有していても良いナフチレンであり、MはSO3 -であ
る。
【0017】このような構造単位を有する4級アンモニ
ウム塩基含有共重合体は、(1)ビニル芳香族炭化水素
単位を与える単量体(以下、ビニル芳香族炭化水素単量
体という)と(メタ)アクリレート単位を与える単量体
(以下、(メタ)アクリレート単量体という)とN,N
−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレート(以下、
アミノ基含有(メタ)アクリレート単量体という)とを
重合開始剤存在下で共重合させた後、4級化剤を用いて
アミノ基を4級化する方法、(2)ビニル芳香族炭化水
素単量体、(メタ)アクリレート単位を与える単量体、
およびアミノ基含有(メタ)アクリレート単量体をハロ
ゲン化有機化合物で4級アンモニウム塩基化したアミノ
基含有(メタ)アクリレート単量体(以下、ハロゲン化
4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体
という)とを重合開始剤存在下で共重合させた後、有機
酸と反応させて塩にする方法など特開平3−17545
6号公報記載の方法によってまたは準じて得られるほ
か、(3)ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アク
リレート単位を与える単量体、および4級アンモニウム
塩基含有(メタ)アクリレート単量体を重合開始剤存在
下で共重合させて直接得る方法、(4)ビニル芳香族炭
化水素単量体とハロゲン化アルキル(メタ)アクリレー
トとの共重合体と、ビニル芳香族炭化水素単量体とアミ
ノ基含有(メタ)アクリレート単量体との共重合体とを
混合し、ポリマー間で4級化する方法などが挙げられる
また、前記式(3A)で表される4級アンモニウム塩基
含有(メタ)アクリレート単位中のXがハロゲンである
単位を有する共重合体については、上述(2)の方法に
おいて有機酸またはその誘導体との反応を必要としな
い。各構造単位の割合は、各単量体の仕込み比を変更す
ることにより任意に設定することができる。
【0018】(ビニル芳香族炭化水素単量体)前述の方
法で用いられるビニル芳香族炭化水素単量体は、芳香族
炭化水素にビニル基が結合した構造を有する化合物であ
り、具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、
4−エチルスチレン、2−プロピルスチレン、3−プロ
ピルスチレン、4−プロピルスチレン、2−イソプロピ
ルスチレン、3−イソプロピルスチレン、4−イソプロ
ピルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレ
ン、4−クロロスチレン、2−メチル−α−メチルスチ
レン、3−メチル−α−メチルスチレン、4−メチル−
α−メチルスチレン、2−エチル−α−メチルスチレ
ン、3−エチル−α−メチルスチレン、4−エチル−α
−メチルスチレン、2−プロピル−α−メチルスチレ
ン、3−プロピル−α−メチルスチレン、4−プロピル
−α−メチルスチレン、2−イソプロピル−α−メチル
スチレン、3−イソプロピル−α−メチルスチレン、4
−イソプロピル−α−メチルスチレン、2−クロロ−α
−メチルスチレン、3−クロロ−α−メチルスチレン、
4−クロロ−α−メチルスチレン、2,3−ジメチルス
チレン、3,4−ジメチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,3−ジエチ
ルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2,4−ジエ
チルスチレン、2,6−ジエチルスチレン、2−メチル
−3−エチルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレ
ン、2−クロロ−4−メチルスチレン、2,3−ジメチ
ル−α−メチルスチレン、3,4−ジメチル−α−メチ
ルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−ジメ
チル−α−メチルスチレン、2,3−ジエチル−α−メ
チルスチレン、3,4−ジエチル−α−メチルスチレ
ン、2,4−ジエチル−α−メチルスチレン、2,6−
ジエチル−α−メチルスチレン、2−エチル−3−メチ
ル−α−メチルスチレン、2−メチル−4−プロピル−
α−メチルスチレン、2−クロロ−4−エチル−α−メ
チルスチレンなどの下式(1B)で表される置換可スチ
レン類が挙げられる。
【0019】
【化7】 式(1B)中の各記号は、前記式(1A)と同じであ
る。
【0020】これらのビニル芳香族炭化水素単量体は、
単独であっても、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0021】((メタ)アクリレート単量体)前述の方
法で用いられる(メタ)アクリレート単量体は、アクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであり、具体
例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−
アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロ
キシプロピル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸エ
ステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メ
タクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタ
クリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタク
リル酸n−ヘキシル、メタクリル2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ラウリ
ルなどのメタクリル酸エステル類;など下式(2B)で
示される化合物が挙げられる。これらのビニル芳香族炭
化水素単量体は、単独であっても、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0022】
【化8】 式(2B)中の各記号は、前記式(2A)と同じであ
る。
【0023】(アミノ基含有(メタ)アクリレート単量
体)前述の方法で用いるアミノ基含有(メタ)アクリレ
ート単量体は、下式(4)で表されるN,N−二置換ア
ミノアルキル(メタ)アクリレート化合物である。
【化9】 式(4)中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2
は前記式(3a1)と同じであり、R3およびR4はそれ
ぞれ独立に水素原子、または炭素数1〜6の直鎖、分岐
もしくは環状のアルキル基である。R2の好ましい例と
しては前記式(3a2)と同じであり、R3およびR4
それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキ
ル基が好ましい。
【0024】このような化合物の具体例としては、ジメ
チルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノメチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノメチ
ル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノメチル
(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、メチルプロピルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノ−1−エチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノ−1−エチル(メ
タ)アクリレート、ジプロピルアミノ−1−エチル(メ
タ)アクリレート、ジイソプロピルアミノ−1−エチル
(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノ−1−エチ
ル(メタ)アクリレート、メチルプロピルアミノ−1−
エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ−2−エ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ−2−エチ
ル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノ−2−エチ
ル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノ−2−
エチル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノ−2
−エチル(メタ)アクリレート、メチルプロピルアミノ
−2−エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ−
1−プロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ−
1−プロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノ
−1−プロピル(メタ)アクリレート、ジイソプロピル
アミノ−1−プロピル(メタ)アクリレート、エチルメ
チルアミノ−1−プロピル(メタ)アクリレート、メチ
ルプロピルアミノ−1−プロピル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノ−2−プロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノ−2−プロピル(メタ)アクリレー
ト、ジプロピルアミノ−2−プロピル(メタ)アクリレ
ート、ジイソプロピルアミノ−2−プロピル(メタ)ア
クリレート、エチルメチルアミノ−2−プロピル(メ
タ)アクリレート、メチルプロピルアミノ−2−プロピ
ル(メタ)アクリレートなどのN,N−二置換アミノア
ルキル(メタ)アクリレート化合物である。
【0025】(4級アンモニウム塩基含有(メタ)アク
リレート単量体)アミノ基含有(メタ)アクリレート化
合物を後述するハロゲン化有機化合物でハロゲン化4級
アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレートを得る以外
に、市販のハロゲン化4級アンモニウム塩基含有(メ
タ)アクリレート化合物、例えばメタクリル酸ジメチル
アミノエチルメチルクロライド塩(DMC)やメタクリ
ル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩(DM
L)などを直接用いることも可能であり、さらにこれら
の硫酸塩、ジメチル硫酸塩、ジエチル硫酸塩、パラトル
エンスルホン酸塩などのスルホン酸塩化した市販の化合
物を直接用いることにより後述する有機酸塩でのエステ
ル化を省略することも可能である。
【0026】(重合開始剤)前述の方法で4級アンモニ
ウム塩基含有共重合体を得る際に用いられる重合開始剤
としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチ
レート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノイッ
ク酸)などのアゾ化合物;2,2’−アゾビス(2−ア
ミノジプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾ
ビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、
2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチル
アミジン)ジヒドロクロライドなどのジアミン化合物が
用いられる。また、過酸化物系のラジカル重合開始剤と
しては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫
酸塩;4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2
−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビス(ヒドロキ
シメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)
等のアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等の過酸
化物類などを例示することができる。また、これら重合
開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙
げることができる。重合開始剤の使用量は、目的とする
重量平均分子量に併せて任意に選択することができ、具
体的には重合開始剤の使用量は、モノマー総重量100
重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部である。また、重合開始剤の量が水系
媒体基準で0.001重量%未満では、重合速度が遅
く、3重量%超過では、粒子径1μm未満の粒子が副生
してする傾向にある。
【0027】さらにアルカリ金属、ブチルリチウム、ア
ルカリ金属とナフタレンの反応物等アニオン重合の開始
剤による溶液重合は分子量制御が容易なので好ましい。
【0028】(4級化剤)前述の方法で用いる4級化剤
は、ハロゲン化有機化合物や酸エステル化合物である。
具体的には、ハロゲン化有機化合物としては、クロロメ
タン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロエタ
ン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタ
ン、ヘキサクロロエタン、クロロプロパン、1,1−ジ
クロロプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−
ジクロロプロパン、1,1,3,3−テトラクロロプロ
パン、クロロイソプロパン、クロロブタン、1,4−ジ
クロロブタン、1,1−ジクロロイソブタン、クロロヘ
キサン、クロロシクロヘキサン、ブロモメタン、ジブロ
モメタン、トリブロモメタン、ブロモエタン、1,1−
ジブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、ヘキサクロ
ロエタン、クロロプロパン、1,1−ジクロロプロパ
ン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロ
パン、1,1,3,3−テトラブロモプロパン、ブロモ
イソプロパン、ブロモブタン、1,2−ジブロモブタ
ン、1,4−ジブロモイソブタン、1,1,4,4−テ
トラブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン、ブロモ
シクロペンタン、1,6−ジブロモヘキサンなどの炭素
数1〜6の直鎖、分岐、または環状のアルキルハライ
ド;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、4−クロロトル
エン、4−ブロモトルエン、4−エチルクロロベンゼ
ン、4−エチルトルエン、1−クロロナフタレン、2−
クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモ
ナフタレンなどの芳香族ハライド;などが挙げられる。
特に2以上のハロゲンを結合しているハロゲン化有機化
合物は、架橋により重量平均分子量が高い4級アンモニ
ウム塩基含有共重合体を得るのに好都合である。
【0029】また、酸エステルの具体例としては、メチ
ルスルホン酸メチル、メチルスルホン酸エチル、メチル
スルホン酸プロピル、メチルスルホン酸イソプロピル、
エチルスルホン酸メチル、エチルスルホン酸エチル、エ
チルスルホン酸プロピル、エチルスルホン酸イソプロピ
ル、プロピルスルホン酸メチル、プロピルスルホン酸エ
チル、プロピルスルホン酸プロピル、プロピルスルホン
酸イソプロピル、イソプロピルスルホン酸メチル、イソ
プロピルスルホン酸エチル、イソプロピルスルホン酸プ
ロピル、イソプロピルスルホン酸イソプロピルなどのア
ルキルスルホン酸アルキルエステル;ベンゼンスルホン
酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホ
ン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸イソプロピルなどの
ベンゼンスルホン酸アルキルエステルやパラトルエンス
ルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラ
トルエンスルホン酸プロピル、パラトルエンスルホン酸
プロピルなどのパラトルエンスルホン酸アルキルエステ
ルなどの芳香族スルホン酸エステル;トリメチルホスフ
ェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェ
ート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリ
ブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリキンシールホスフェート、トリス(イソプロ
ピルフェニル)ホスフェート、トリス(O-フェニルフ
ェニル)ホスフェート、トリス(p-フェニルフェニ
ル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホス
フェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート、ジ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、O-
フェニルフェニルクレジルホスフェート、ジブチルホス
フェート、モノブチルホスフェート、ジ(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート、モノイソデシルホスフェートな
どのリン酸エステル;トリメトキシボラン、トリエトキ
シボラン、トリプロピオキシボランなどのホウ酸エステ
ル;などが例示される。これらの中でも、正帯電安定性
に優れ、且つ耐久印刷時の帯電量変動による画質低下が
少ないトナーを得る観点から炭素数1〜3の直鎖、分岐
のアルキルハライドやスルホン酸エステルが好ましく、
特に芳香族スルホン酸エステルが好ましい。
【0030】(ハロゲン化有機化合物)前述の方法で用
いられるハロゲン化有機化合物は、前記4級化剤として
用いられるハロゲン化有機化合物と同じである。
【0031】(有機酸またはその誘導体)前述の方法で
用いられる有機酸またはその誘導体としては、メチルス
ルホン酸、エチルスルホン酸エチル、エチルスルホン
酸、プロピルスルホン酸エチル、プロピルスルホン酸プ
ロピル、プロピルスルホン酸、イソプロピルスルホン酸
などのアルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、パラ
トルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;トリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェー
ト、トリブトキシエチルホスフェート、トリオレイルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、トリキンシールホスフェート、トリス
(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(O-
フェニルフェニル)ホスフェート、トリス(p-フェニ
ルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフ
ェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシ
ル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)ホスフ
ェート、O-フェニルフェニルクレジルホスフェート、
ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジ
(2−エチルヘキシル)ホスフェート、モノイソデシル
ホスフェートなどのリン酸エステル;トリメトキシボラ
ン、トリエトキシボラン、トリプロピオキシボランなど
のホウ酸エステル;などが例示される。これらの中で
も、帯電性の観点から炭素数1〜3の直鎖、分岐のアル
キルハライドやスルホン酸エステルが好ましく、特に芳
香族スルホン酸エステルが好ましい。
【0032】(重合)上述した方法は、乳化重合、分散
重合、懸濁重合、溶液重合などいずれの方法であっても
よいが、目的とする重量平均分子量を得られることから
溶液重合が特に好ましい。各重合で用いる溶剤、分散剤
は、適宜選択することができるが、具体的には炭化水素
化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系化合物;n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ノ
ナン、デカン、デカリン、ドデカンなどの飽和炭化水素
系有機化合物;が挙げられ、含窒素系有機化合物として
は、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプ
ロパン、アセトニトリル、トリエチルアミン、シクロヘ
キシルアミン、ピリジン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、ホルホリン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素有機化合物
が挙げられる。含酸素系有機化合物としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、第二ブチルアルコール、アミルアルコール、イ
ソアミルアルコール、メチルイソブチルカルビノール、
2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、シク
ロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロ
フルフリルアルコール、エチレングリコール、へキシレ
ングリコール、グリセリンなどのヒドロキシル基を有す
る化合物;プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、
ブチルエーテル、イソブチルエーテル、n−アミルエー
テル、イソアミルエーテル、メチルブチルエーテル、メ
チルイソブチルエーテル、メチルn−アミルエーテル、
メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、
エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、
エチルイソブチルエーテル、エチルn−アミルエーテ
ル、エチルイソアミルエーテルなどの脂肪族飽和系エー
テル類;アリルエーテル、エチルアリルエーテルなどの
脂肪族不飽和系エーテル類;アニソール、フェネトー
ル、フェニルエーテル、ベンジルエーテルなどの芳香族
エーテル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、ジオキサンなどの環状エーテル類;エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテルなどのエチレングリコール類;ギ
酸、酢酸、無水酢酸、酪酸などの有機酸類;ギ酸ブチ
ル、ギ酸アミル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル、酢酸第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミ
ル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢
酸ブチルシクロヘキシル、プロピオン酸エチル、プロピ
オン酸ブチル、プロピオン酸アミル、酪酸ブチル、炭酸
ジエチル、シュウ酸ジエチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、乳酸ブチル、リン酸トリエチルなどの有機酸エステ
ル類;メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、
アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキ
サノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、
シクロヘプタノンなどのケトン類;1,4−ジオキサ
ン、イソホロン、フルフラールなどのその他の含酸素有
機化合物が挙げられる。含塩素系有機化合物としては、
テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロ
エチレン、ジクロロプロパン、塩化アミル、ジクロロペ
ンタンなどの炭素数2〜6の脂肪族炭化水素の塩素置換
体が挙げられる。含硫黄系有機化合物としては、チオフ
ェン、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどが挙げら
れる。
【0033】重合温度および重合時間は、重合法や使用
する重合開始剤の種類などにより任意に選択できるが、
通常約50〜200℃であり、重合時間は0.5〜20
時間程度である。更に、重合に際しては通常知られてい
る添加剤、例えばアミンなどの重合助剤を併用すること
もできる。重合後の系から4級塩共重合体を得る方法は
貧溶剤に落とす方法、スチームで溶剤を除去する方法、
減圧で除去する方法、高濃度で重合しそのままトナー重
合系に添加する方法等が用いられる。
【0034】(重量平均分子量A)4級アンモニウム塩
基含有共重合体の、テトラヒドロフランを用いたゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定さ
れるポリスチレン換算重量平均分子量Mwは25,00
0〜1,000,000、好ましくは25,000〜8
00,000、より好ましくは25,000〜100,
000である。重量平均分子量が大きすぎるとトナー粒
子製造時のハンドリングが悪く液滴の大きさがバラバラ
になるため均一なトナー粒子が得られないことがあり、
逆に重量平均分子量が小さすぎると現像剤の流動性が不
十分であり、保存性が低下するという問題があった。
【0035】(4級アンモニウム塩基含有(メタ)アク
リレート単位の割合B)さらに、本発明で用いる4級ア
ンモニウム塩基含有共重合体はの4級アンモニウム塩基
含有(メタ)アクリレート単位のモル分率(以下、官能
基モル分率ということがある)は0.01〜0.4モル
%、好ましくは0.03〜0.3モル%である。4級ア
ンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単位の割合が
多すぎると帯電過剰となり印字特性が低下する傾向にあ
る。
【0036】上述してきた本発明の4級アンモニウム塩
基含有共重合体は帯電制御剤として使用されるものであ
るが、当該共重合体に対して50重量%以下、好ましく
は30重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割
合で併用することが可能である。併用可能な帯電制御剤
の具体例としては、ニグロシンボントロンN−01(オ
リエント化学社製)、ニグロシンベースEX(オリエン
ト化学社製)、第4級アンモニウム塩P−51(オリエ
ント化学社製)、コピーブルー−PR(ヘキスト社製)
等を挙げることができる。
【0037】2.重合性単量体 本発明に用いる単量体として、モノビニル系単量体を挙
げることができる。具体的にはスチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリ
ル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、メタクリルアミド等のアクリル酸またはメタク
リル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等の
エチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエー
テル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケト
ン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニル
ピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合
物;等のモノビニル系単量体が挙げられる。これらのモ
ノビニル系単量体は、単独で用いてもよいし、複数の単
量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル系
単量体のうち、スチレン系単量体またはアクリル酸もし
くはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
【0038】本発明に用いる単量体として、架橋性単量
体をホットオフセット改善のために用いることが好まし
い。架橋性単量体は、2以上の重合可能な炭素−炭素不
飽和二重結合を有する単量体である。具体的には、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘
導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N
−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のジビニル化
合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げる
ことができる。これらの架橋性単量体は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0039】また、本発明では、保存性と低温定着性と
のバランスを良くするためにマクロモノマーを単量体と
して用いることが好ましい。マクロモノマーは、分子鎖
の末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分
子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマー
またはポリマーである。数平均分子量が小さいものを用
いると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性
が低下するようになる。逆に数平均分子量が大きいもの
を用いると、マクロモノマーの溶融性が悪くなり、定着
性および保存性が低下するようになる。マクロモノマー
分子鎖の末端に有するビニル重合性官能基としては、ア
クリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることがで
き、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好
適である。
【0040】マクロモノマーは、前記モノビニル系単量
体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高
いガラス転移温度を有するものが好適である。
【0041】モノビニル系単量体を重合して得られる重
合体とマクロモノマーとの間のTgの高低は、相対的な
ものである。例えば、モノビニル系単量体がTg=70
℃の重合体を形成するものである場合には、マクロモノ
マーは、Tgが70℃を越えるものであればよい。モノ
ビニル系単量体がTg=20℃の重合体を形成するもの
である場合には、マクロモノマーは、例えば、Tg=6
0℃のものであってもよい。なお、マクロモノマーのT
gは、通常のDSC等の測定機器で測定される値であ
る。
【0042】本発明に用いるマクロモノマーの具体例と
しては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得ら
れる重合体、ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマ
ー、特開平3−203746号公報の第4頁〜第7頁に
開示されているものなどを挙げることができる。これら
マクロモノマーのうち、親水性のもの、特にメタクリル
酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独でまたはこ
れらを組み合わせて重合して得られる重合体が、本発明
に好適である。
【0043】マクロモノマーを使用する場合、その量
は、モノビニル系単量体100重量部に対して、通常、
0.01〜10重量部、好適には0.03〜5重量部、
さらに好適には0.05〜1重量部である。マクロモノ
マーの量が少ないと、保存性と定着性とのバランスが向
上しないことがある。マクロモノマーの量が極端に多く
なると定着性が低下するようになる。
【0044】3.着色剤 着色剤としては、カーボンブラック、チタンホワイト、
ニグロシンベース、アニリンブルー、カルコオイルブル
ー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、オリエン
トオイルレッド、フタロシアニンブルー、マラカイトグ
リーンオクサレート等の染顔料類;コバルト、ニッケ
ル、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄
亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;などを挙げること
ができる。
【0045】さらに、磁性カラートナー用着色剤として
は、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクト
レッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシ
ックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.
I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー
2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブル
ー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシ
ックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.
ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン
4、C.I.ベーシックグリーン6等が、顔料として黄
鉛、カドミウムイエロ、ミネラルファーストイエロ、ネ
ーブルイエロ、ネフトールイエロS、ハンザイエロG、
パーマネントイエロNCG、タートラジンレーキ、赤口
黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGT
R、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カド
ミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチング
レッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカ
ーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メ
チルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アル
カリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシ
アニンブルー、ファストスカイブルー、インダスレンブ
ルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグ
リーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエ
ログリーンG等が挙げられ、フルカラートナー用マゼン
タ着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、
2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、15、16、17、18、19、21、2
2、23、30、31、32、37、38、39、4
0、41、48、49、50、51、52、53、5
4、55、57、58、60、63、64、68、8
1、83、87、88、89、90、112、114、
122、123、163、202、206、207およ
び209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.
I.バットレッド1、2、10、13、15、23、2
9および35等が、マゼンタ染料としては、C.I.ソ
ルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、
30、49、81、82、83、84、100、109
および121、C.I.ディスパースレッド9、C.
I.ソルベントバイオレット8、13、14、21およ
び27、C.I.ディスパースバイオレット1などの油
溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、
13、14、15、17、18、22、23、24、2
7、29、32、34、35、36、37、38、39
および40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、
7、10、14、15、21、25、26、27および
28などの塩基性染料等が挙げられ、
【0046】フルカラートナー用シアン着色顔料として
は、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16およ
び17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブ
ルー45およびフタロシアニン骨格にフタルイミドメチ
ル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げ
られる。
【0047】また、フルカラートナー用イエロ着色顔料
としては、C.I.ピグメントイエロ1、2、3、4、
5、6、7、10、11、12、13、14、15、1
6、17、23、65、73、83、138および18
0、C.I.バットイエロ1、3および20等が挙げら
れる。
【0048】5.トナーの製造 上述した4級アンモニウム塩基含有共重合体存在下、重
合性単量体、着色剤、その他必要に応じて添加物を、無
機分散剤を含む水を加え、重合を開始する。このとき4
級アンモニウム塩基含有共重合体の使用割合Cは、懸濁
重合する単量体100重量部に対して0.01〜10重
量部である。また、前述した4級アンモニウム塩基含有
共重合体の重量平均分子量A、4級アンモニウム塩基含
有共重合体中の4級アンモニウム基含有(メタ)アクリ
レート構造の繰り返し構造単位のモル分率Bおよび4級
アンモニウム塩基含有共重合体の使用割合Cの関係が、
2.5≦A×B×C≦5,000,000、好ましくは
50≦A×B×C≦200,000、より好ましくは1
00≦A×B×C≦150,000であると、特に正帯
電安定性に優れ、且つ耐久印刷時の帯電量変動による画
質低下が少ない優れたトナーが得られる。
【0049】本発明に用いられる無機分散剤は、懸濁重
合において、通常、使用されている、カチオン性分散剤
である。具体的には水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物等を挙げること
ができる。カチオン性分散剤はトナー表面に分散剤が吸
着され難く粒子形状が整い画質に優れる上、耐久性に優
れるため好ましい。
【0050】難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有す
る無機分散剤は、その製法による制限はないが、水溶性
多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整すること
によって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、
特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属との水
相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸物のコロ
イドを用いることが好ましい。
【0051】本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロ
イドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累
積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の9
0%累積値)が1μm以下であることが好ましい。コロ
イドの粒径が大きくなると重合の安定性が崩れ、またト
ナーの保存性が低下する。
【0052】無機分散剤は、重合性単量体100重量部
に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用す
る。この割合が0.1重量部より少ないと、充分な重合
安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易
くなる。逆に、20重量部を超えると、水系分散媒体中
の粘度が上昇し、重合トナー粒径の分布が広くなるので
好ましくない。
【0053】また、本発明においては、通常、重合性単
量体を重合するためにラジカル重合開始剤、分子量調整
剤などの重合副資材や、離型剤、ワックス等の各種添加
剤を配合することができる。
【0054】ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4−アゾ
ビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス−2−メ
チル−N−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒ
ドロキシエチルプロピオアミド、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1−シ
クロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;メチル
エチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ア
セチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオ
キシイソフタレート等の過酸化物類などを例示すること
ができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合
わせたレドックス開始剤を挙げることができる。これら
のうち、油溶性ラジカル開始剤、特に、10時間半減期
の温度が60〜80℃、好ましくは65〜80℃で且つ
分子量が250以下の有機過酸化物から選択される油溶
性ラジカル開始剤、特にt−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエートが印字時の臭気が少ないこと、臭気
などの揮発成分による環境破壊が少ないことから好適で
ある。
【0055】トナー製造のための重合開始剤の使用量
は、水媒体基準で通常、0.001〜3重量%である。
0.001重量%未満では、重合速度が遅く、3重量%
超過では、分子量が低くなるので好ましくない。
【0056】分子量調整剤としては、例えば、t−ドデ
シルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オ
クチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、
四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げるこ
とができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あ
るいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤
は、単量体100重量部に対して、通常、0.01〜1
0重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いら
れる。
【0057】離型剤としては、例えば、ペンタエリスリ
トールテトラステアラートのごとき多官能エステル化合
物;低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィン
類;パラフィンワックス類;などを挙げることができ
る。これらの内、多官能エステル化合物、特にペンタエ
リスリトールと炭素数10〜30個のカルボン酸からな
るもの、具体的にはペンタエリスリトールテトラステア
ラートが好適である。離型剤は、単量体100重量部に
対して、通常、0.1〜40重量部、好ましくは1〜2
0重量部の割合で使用される。
【0058】さらに、着色剤のトナー粒子中への均一分
散等を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の滑
剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助
剤;などを使用してもよい。このような滑剤や分散剤
は、着色剤の重量を基準として、通常、1/1000〜
1/1程度の割合で使用される。
【0059】懸濁重合を開始するに際し、通常、懸濁液
を撹拌する。撹拌は重合開始剤添加前であっても添加後
であっても構わない。撹拌は、単量体組成物が水媒体中
に均一に分散する方法であれば特に限定されないが、高
速回転する回転子と、それを取り囲み且つ小孔または櫛
歯を有する固定子との間隙に流通させて造粒する方法が
好適である。
【0060】単量体組成物分散液の分散状態は、単量体
組成物の液滴の体積平均粒径が、0.1〜20μm、好
ましくは、0.5〜10μmの状態である。液滴が大き
すぎると、トナー粒子が大きくなり、画像の解像度が低
下するようになる。
【0061】該液滴の体積平均粒径/数平均粒径は、1
〜3.0、好ましくは1〜2.0である。該液滴の粒径
分布が広いと定着温度のばらつきが生じ、かぶり、フィ
ルミングなどの不具合が生じるようになる。該液滴は、
好適には、その体積平均粒径±1μmの範囲に50体積
%以上、好ましくは60体積%以上存在する粒径分布の
ものである。
【0062】また、本発明の製法においては、前記単量
体組成物分散液を得た後、重合反応器に仕込み、重合す
ることが好ましい。具体的には、分散液調製用の容器で
単量体組成物を水媒体に添加して単量体組成物分散液を
調製し、該単量体組成物を別の容器(重合反応用容器)
に移送し、該容器に仕込み、重合する。従来の懸濁重合
法のごとく、分散液を重合反応器で得、そのまま重合反
応をさせる方法では、反応器内にスケールが生起し、粗
大粒子が多量に生成しやすくなる。
【0063】本発明の製法において単量体の重合は、重
合転化率を、通常、80%以上、好ましくは85%以
上、より好ましくは90%以上とする。80%未満の場
合には、単量体が残存していると、トナーを熱定着した
ときに残存単量体が揮発して、作業環境を悪化させる。
【0064】なお、本発明はコアシェル構造のトナーの
製造にも適用することができる。
【0065】本発明のトナーの製法によって、粒子の体
積平均粒径が、通常、0.5〜20μm、好ましくは1
〜10μmが得られる。また、体積平均粒径(dv)/
個数平均粒径(dp)が、通常、1.7以下、好ましく
は1.5以下、より好ましくは1.4以下のものが得ら
れる。
【0066】本発明のトナーを含有する現像剤の製造に
用いられる外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が
挙げられる。無機粒子としては、二酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸
バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。
有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒
子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタク
リル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル共重
合体で、シェルがスチレン重合体で形成されたコアシェ
ル型粒子などが挙げられる。これらのうち、無機酸化物
粒子、特に二酸化ケイ素粒子が好適である。また、これ
らの粒子表面を疎水化処理することができ、疎水化処理
された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤の量
は、特に限定されないが、トナー粒子100重量部に対
して、通常、0.1〜6重量部である。
【0067】外添剤は2種以上を組み合わせて用いても
良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子
径の異なる2種の無機酸化物粒子または有機樹脂粒子を
組み合わせる方法が好適である。具体的には、平均粒子
径5〜20nm、好ましくは7〜18nmの粒子(好適
には無機酸化物粒子)と、平均粒子径20nm超過2μ
m以下、好ましくは30nm〜1μmの粒子(好適には
無機酸化物粒子)とを組み合わせて付着させることが好
適である。なお、外添剤用の粒子の平均粒子径は、透過
型電子顕微鏡で該粒子を観察し、無作為に100個選び
粒子径を測定した値の平均値である。
【0068】前記2種の外添剤(粒子)の量は、トナー
粒子100重量部に対して、平均粒子径5〜20nmの
粒子が、通常、0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜
2重量部、平均粒子径20nm超過2μm以下の粒子
が、通常、0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重
量部である。平均粒子径5〜20nm粒子と平均粒子径
20nm超過2μm以下粒子との重量比は、通常、1:
5〜5:1の範囲、好ましくは3:10〜10:3の範
囲である。外添剤の付着は、通常、外添剤とトナー粒子
とをヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌して
行う。
【0069】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。なお、部および%は、
特に断りのない限り重量基準である。
【0070】本実施例では、以下の方法で評価した。 (重量平均分子量)4級アンモニウム塩基含有(メタ)
アクリレート単位の重量平均分子量はテトラヒドロフラ
ンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ
ーによって測定されるポリスチレン換算重量平均分子量
である(以下、単に重量平均分子量またはMwとい
う)。具体的には以下の方法を用いて行った。 1)試料調製 試料約10mgを5mlのテトラヒドロフラン溶媒に溶
解し、25℃、16時間放置後、0.45μmメンブラ
ンフィルターを通し、試料とした。 2)測定条件 温度:35℃、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1.
0ml/min、濃度:0.2wt%、試料注入量:1
00μl。 3)カラム 昭和電工(株)製、ショウデックス GPC KF80
6M(30cm×2本)を用いた。
【0071】(流動性)篩3種(目開き:150、7
5、45μm)をこの順に上から重ね、一番上の篩上に
測定する現像剤を4g精秤して乗せる。この3種の篩を
粉体測定機(細川ミクロン社製;商品名「REOSTA
T」)を用いて、振動強度4の条件で、15秒間振動し
た後、篩いを通過した現像剤の重量を測定し、以下の式
にて算出した。1サンプルにつき3回測定し、その平均
値を流動性の指標とした。算出式: a=(150μm篩に残った現像剤重量(g))/4g
×100 b=(75μm篩に残った現像剤重量(g))/4g×
100×0.2 c=(45μm篩に残った現像剤重量(g))/4g×
100×0.6 流動性(%)=100−(a+b+c)
【0072】(保存性)現像剤を密閉した容器に入れ
て、密閉した後、55℃の温度にした恒温水槽の中に沈
め、一定時間経過した後、容器から静かに現像剤を取り
出し、42メッシュの篩いの上にできるだけ構造を破壊
しないように移し、粉体測定機(細川ミクロン社製;商
品名「REOSTAT」)を用いて、振動強度4.5の
条件で、30秒間振動した後、篩い上に残った現像剤の
重量を測定し、凝集現像剤の重量とした。全現像剤に対
する凝集現像剤の重量の割合(重量%)を算出した。1
サンプルにつき3回測定し、その平均値を保存性の指標
とした。
【0073】(帯電量の環境依存性)L/L(温度10
℃、湿度20%RH)またはH/H(温度35℃、湿度
80%RH)環境下で、非磁性一成分現像方式のプリン
ター(4枚機)に現像剤を入れ、1昼夜放置後、ハーフ
トーンの印字パターンを5枚印字し、その後、現像ロー
ラ上の現像剤を吸引式帯電量測定装置に吸引し、帯電量
と吸引量から単位重量当たりの帯電量を測定した。各環
境下における帯電量の変化から現像剤の環境変動の状況
を評価した。
【0074】(画質の環境依存性)前述のプリンターで
35℃×85RH%(H/H)環境および10℃×15
RH%(L/L)環境下で初期から連続印字を行い、印
字濃度が反射濃度計(マクベス製)で1.3以上、非画
像部のカブリが白色度計(日本電色製)で10%以下で
1000枚以上継続できる現像剤を(○)、できない現
像剤を(×)と評価した。
【0075】(画質の耐久性)前述のプリンターで23
℃×50RH%(H/H)環境下で初期から連続印字を
行い、印字濃度が反射濃度計(マクベス製)で1.3以
上、非画像部のカブリが白色度計(日本電色製)で10
%以下で10000枚以上継続できる現像剤を(○)、
5千枚以上継続できる現像剤を(△)、5千枚以上継続
きない現像剤を(×)と評価した。
【0076】実施例1 スチレン90部、離型剤(シェル・MDS社製;商品名
「FT−100」)10部、重合禁止剤(t−ブチルカ
テコール)0.09部を、メデヤ型湿式粉砕機を用いて
湿式粉砕を行い、離型剤が均一に分散されたスチレン単
量体離型剤分散液を調製した。この分散液中の離型剤の
体積平均粒径は、D50が3.2μm、D90が7.2
μmであった。また、この分散液の固形分濃度は10.
1%であった。
【0077】3リットルフラスコにトルエン900部、
スチレン88部、ブチルアクリレート12.8部、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド0.
7部およびアゾビスジメチルバレロニトリル2部を仕込
み攪拌、80℃で8時間反応後減圧蒸留により溶剤を除
去しMw40,000の4級アンモニウム塩基含有共重
合体を得た。
【0078】次いで、先に得た離型剤分散液20部、ス
チレン65部、n−ブチルアクリレート17部、カーボ
ンブラック(商品名モナーク120、キャボット社製)
7部、4級アンモニウム塩基含有共重合体(MW=4
0,000、スチレン比率89.775モル%、nブチ
ルアクリレート比率9.975モル%、4級アンモニウ
ム塩基含有モノマー比率0.25モル%)5部、ジビニ
ルベンゼン0.3部を、通常の攪拌装置で攪拌、混合し
た後、メディア型分散機により、均一分散し、そこに重
合開始剤(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、日本油脂社製)4部を溶解させ重合性単量体混
合物を得た。
【0079】他方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)9.5部を溶解した水溶液
に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化ア
ルカリ金属)5.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々
に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の
金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。生成した上
記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定
器(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50
(個数粒径分布の50%累積値)が0.37μmで、D
90(個数粒径分布の90%累積値)が0.81μmで
あった。このマイクロトラック粒径分布測定器による測
定においては、測定レンジ=0.12〜704μm、測
定時間=30秒、媒体=イオン交換水の条件で行った。
【0080】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液に、上記単量体混合物を投入し、TK式ホ
モミキサーを用いて12,000rpmの回転数で高剪
断攪拌して、単量体混合物の液滴を造粒した。この造粒
した単量体混合物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応
器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、8時間継続し
た後、反応を停止し、pH11のトナー粒子の水分散液
を得た。
【0081】上記により得た現像剤用重合体粒子の水分
散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを約5.5に
して酸洗浄(25℃、10分間)を行った。次いで、濾
過、脱水し、脱水後、洗浄水を振りかけて水洗浄を行っ
た。その後、乾燥器(45℃)にて2昼夜乾燥を行い重
合体粒子を得た。
【0082】上記により得られた現像剤用重合体粒子1
00部に、疎水化処理した平均粒子径8nmのシリカ
(WACKER CHEMIE 社製;商品名「HVK
2150」)1.2部を添加し、ヘンシェルミキサーを
用いて混合して非磁性一成分現像剤を製造した。
【0083】上記処方により得られた現像剤の体積平均
粒径(dv)は6.9μmであった。画像評価では、高
温高湿下および低温低湿下のいずれにおいても、色調が
良く、画像濃度が高く、カブリの無い極めて良好な画像
が得られた。その他の評価結果を表1に示した。
【0084】比較例1 実施例1において無機分散剤としてアエロジル#200
をイオン交換水300部に2部分散させて用いたこと以
外は実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表
1に示した。
【0085】
【表1】
【0086】尚、表中のMwは4級アンモニウム塩基含
有共重合体の重量平均分子量であり、モル分率は、4級
アンモニウム塩基含有共重合体中の4級アンモニウム塩
基含有(メタ)アクリレート単位の割合(モル%)であ
り、部は、4級アンモニウム塩基含有共重合体の懸濁重
合する単量体等組成物に対する割合である。以下の表2
〜4についても同様である。
【0087】実施例2 3リットルフラスコにトルエン900部 スチレン88
部 ブチルアクリレート12.8部 メタクリル酸ジメ
チルアミノエチルベンジルクロライド0.7部およびア
ゾビスジメチルバレロニトリル5部を仕込み攪拌、80
℃で8時間反応後減圧蒸留により溶剤を除去しMw2
6,000の4級アンモニウム塩基含有共重合体を得
た。実施例1において4級アンモニウム塩基含有共重合
体の分子量を26,000であるものを用いた他は実施
例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表2に示し
た。
【0088】実施例3 3リットルフラスコにトルエン900部、スチレン88
部、ブチルアクリレート12.8部、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチルベンジルクロライド0.7部、1,4
−ブタンジオールジアクリレート0.1部およびアゾビ
スジメチルバレロニトリル2部を仕込み攪拌、80℃で
8時間反応後減圧蒸留により溶剤を除去しMw162,
000の4級アンモニウム塩基含有共重合体を得た。実
施例1において4級アンモニウム塩基含有共重合体の分
子量を162,000であるものを用いたこと以外は実
施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表2に示
した。
【0089】比較例2 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を21,000であるものを用いたこと以外は
実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表2に
示した。帯電が高くなり、LLの印字濃度が低く、また
耐久でも画像に不具合が起きていた。
【0090】比較例3 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を1,500,000であるものを用いた他は
実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表2に
示した。4級アンモニウム塩基含有共重合体の分子量が
高いために重合性単量体等組成物の粘度が高く、粒径が
大きくなり、分布が乱れた。
【0091】
【表2】
【0092】実施例4 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を41,000、官能基モル分率0.01%で
あるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして現像
剤を得た。評価結果を表3に示した。
【0093】実施例5 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を42,000、官能基モル分率0.4%であ
るものを用いたこと以外は実施例1と同様にして現像剤
を得た。評価結果を表3に示した。
【0094】比較例4 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を40,000、官能基モル分率0.005部
であるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして現
像剤を得た。評価結果を表3に示した。
【0095】比較例5 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を42,000、官能基モル分率0.5%であ
るものを用いたこと以外は実施例1と同様にして現像剤
を得た。評価結果を表3に示した。
【0096】
【表3】
【0097】実施例6 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を41,000、官能基モル分率0.2%、共
重合体含有量0.01部であるものを用いたこと以外は
実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表4に
示した。
【0098】実施例7 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を40,000、官能基モル分率0.2%、共
重合体含有量10.0部であるものを用いたこと以外は
実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表4に
示した。
【0099】比較例6 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を42,000、官能基モル分率0.2%、共
重合体含有量0.005部であるものを用いたこと以外
は実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表4
に示した。
【0100】比較例7 実施例1において、4級アンモニウム塩基含有共重合体
の分子量を41,000、官能基モル分率0.2%、共
重合体含有量12.0部であるものを用いたこと以外は
実施例1と同様にして現像剤を得た。評価結果を表4に
示した。
【0101】
【表4】
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、保存性、流動性に優
れ、且つ、低温低湿下および高温高湿下のいずれの環境
においても、帯電量が余り変化せず、画質の低下が殆ど
見られないので、非磁性一成分現像方式の印刷機や、複
写機に好適に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−152448(JP,A) 特開 平3−175456(JP,A) 特開 平7−98514(JP,A) 特開 平9−34168(JP,A) 特開 昭62−203166(JP,A) 特開 平4−146448(JP,A) 特開 平9−106100(JP,A) 特開 平4−215665(JP,A) 特開 昭59−152447(JP,A) 特開 平6−186777(JP,A) 特開 平6−313983(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族炭化水素由来の繰り返し構
    造単位と(メタ)アクリレート由来の繰り返し構造単位
    と4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート由来
    の繰り返し構造単位とを有する4級アンモニウム塩基含
    有共重合体存在下に着色剤と無機質系分散剤を含有する
    懸濁液媒体中で、重合性単量体を懸濁重合する静電荷像
    現像用トナーの製造方法であって、無機質系分散剤がカ
    チオン性分散剤であり、4級アンモニウム塩基含有共重
    合体の、テトラヒドロフランを用いたゲル・パーミエー
    ション・クロマトグラフィーによって測定されるポリス
    チレン換算重量平均分子量Aが25,000〜1,00
    0,000であり、4級アンモニウム塩基含有共重合体
    中の4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート構
    造の繰り返し構造単位のモル分率Bが0.01〜0.4
    モル%であり、4級アンモニウム塩基含有共重合体の量
    (重量部)Cが懸濁重合する単量体100重量部に対し
    て0.01〜10重量部であることを特徴とする静電荷
    像現像用トナーの製造方法。
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