JP3253798B2 - 立体形状の防音遮熱板 - Google Patents

立体形状の防音遮熱板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車のエキゾ
ーストマニホールドヒートインシュレーターのごとき、
立体的な形状を有する防音遮熱板に関する。
【0002】
【従来技術】従来、例えば自動車のエンジンルーム内に
は、エンジンと共に、エンジン制御、走行制御等を行わ
せるための電子機器が配置されている。そこで、これら
電子機器を高熱から保護するために、遮熱板としてのエ
キゾーストマニホールドヒートインシュレーター(以
下、インシュレーターと称す)が設けられている。この
インシュレーターは、熱源であるエキゾーストマニホー
ルドから一定の空間を設けて、その周囲に配置してあ
り、有効な遮熱板となる。上記インシュレーターは、一
般的に振動源であるエキゾーストマニホールドに固定さ
れている。また、エキゾーストマニホールドは、騒音発
生源でもある。そのため、上記インシュレーターは、遮
熱板であると共に防音材としての役割も有する、防音遮
熱板である。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のイ
ンシュレーターは、金属板または複数枚の金属板を積層
固定したもの、もしくはその間にアスベストシート等を
挟設したものである。そのため、防音遮熱板として十分
にその役割を果たしていない。即ち、従来のインシュレ
ーターは、エキゾーストマニホールドからの固体伝搬音
によって、騒音が高くなってしまうことがある。
【0004】また、エキゾーストマニホールドとインシ
ュレーターとの間の空間が共鳴箱の役割を果たしてしま
い、エキゾーストマニホールドからの騒音が上記空間
で、反射を繰り返し、騒音が増幅される。そのため、イ
ンシュレーターによって騒音値が上昇してしまう。ま
た、一枚または複数の金属板に吸音材としてアスベスト
シート等を挟設したものについても、上記表面の金属板
が騒音を反射する。そのため、十分な吸音効果が得られ
ない。
【0005】また、遮音材、制振材として、2枚の金属
板の間に粘弾性樹脂を挟持した制振鋼板も提案されてい
る。しかし、このものは、上記粘弾性樹脂が熱に弱いた
め、エキゾーストマニホールド等の高温体の周囲に設置
することは、耐久性の面から好ましくない。本発明は、
かかる問題点に鑑み、防音、遮熱、耐久性に優れた立体
的な形状を有する防音遮熱板を提供しようとするもので
ある。
【0006】本発明は、自動車のエキゾーストマニホー
ルドヒートインシュレーター等の立体的な形状を有する
防音遮熱板において、該防音遮熱板は成形した金属基板
と、該金属基板の表面に設けた無機吸音材と、該無機吸
音材の表面に配置され、かつ上記金属基板にスポット溶
接で固定された、線径が0.1〜1.0mmで、目開きが5〜70
メッシュである金網よりなり、しかも上記無機吸音材が
上記金網と一体で成形されていることを特徴とする立体
形状の防音遮熱板にある。
【0007】本発明において最も注目すべきことは、上
記無機吸音材が金網と一体で成形されていることにあ
る。上記金属板としては、例えば、鋼板、アルミニウム
板、ステンレス板、アルミメッキ鋼板などを用いる。上
記無機吸音材は、接着剤によって金属板に固定すること
が好ましい。接着剤としては、無機材質の物が好まし
い。また、無機質繊維は、耐熱性を有することが好まし
い。
【0008】上記無機吸音材と、該無機吸音材の表面に
配置され、かつ上記金属基板にスポット溶接で固定され
る金網は、耐熱性及び柔軟性に優れた金網である必要が
ある。柔軟性は、無機吸音材を湾曲面に固定する為に必
要であるばかりでなく、エキゾーストマニホールドから
の放射音を反射することなく無機吸音材に吸収させる為
にも必要である。
【0009】また、上記金網の線径は、0.1mm〜
1.0mmであり、メッシュは5メッシュ〜70メッシ
ュである必要がある。線径が0.1mm未満だと柔軟性
には優れるが耐久性が不十分であり、1.0mmより太
いと耐久性には優れるが柔軟性に劣り、加工性が悪いば
かりでなく剛性が高くなりエキゾーストマニホールドか
らの放射音を反射してしまうからである。以上の点とコ
スト面から0.2mm〜0.3mmが好ましい。また、
5メッシュより粗いと無機質繊維からなる無機吸音材が
自動車の振動や走行風、等により開口部から脱落、飛散
してしまうし、70メッシュより細かくなるとエキゾー
ストマニホールドからの放射音を反射してしまうからで
ある。以上の点とコスト面から40メッシュ〜50メッ
シュが好ましい。また、金網の材質は耐熱性、耐酸化性
の面からSUS304が好適である。
【0010】また、産業機械に於いては、金属板に吸音
材をエクスパンドメタルで固定したものが見受けられる
が、防音対策としては効果的であるものの自動車部品と
しては不適切である。何故ならば、通常吸音材として用
いられるグラスウール、ロックウール、シリカ−アルミ
ナセラミックファイバー等といった短繊維不織布は、定
置式の産業機械の場合には実用上何等問題ないが、エン
ジンまたは走行中の振動に加え、走行風、泥水といった
条件下で使用される自動車部品の場合には開口率の高い
エクスパンドメタルのようなものでは前記吸音材を保持
する事ができず、吸音材が、除々に飛散または流出して
しまうからである。従って、無機吸音材の保持の為には
金網状の物が必要である。金網の固定方法としては、リ
ベット、スタッドピン、針金でしばる、等の方法がある
が、生産性の面からスポット溶接が好ましい。
【0011】上記無機吸音材は、無機質繊維であること
が好ましい。無機質繊維は繊維同士の間隙が侵入した音
のエネルギーを毛細管の粘性抵抗により熱エネルギーに
変換、あるいは繊維自体が侵入した音のエネルギーで振
動し熱エネルギーに変換するため吸音材の役割を果た
す。
【0012】また、上記無機繊維は次の様にして、振動
を吸収する。すなわち、エンジンからエンジンカバーに
伝達した振動エネルギーは、上記無機繊維吸音材の内部
摩擦により熱エネルギーに変換される。よって、上記無
機繊維吸音材は、制振材の役割を果たす。
【0013】上記無機質繊維としては、セラミックファ
イバーまたはガラス繊維であることが好ましい。上記セ
ラミックファイバーは、以下に示された、密度等の条件
を満たしうる無機吸音材のなかで、最も一般的で、コス
トも安価で安全性も高い。また、セラミックファイバー
は耐熱性、耐久性にも優れている。耐熱性に対する要求
があまり重要でない場合においては、コストの面からガ
ラス繊維が好ましい。上記無機質繊維としては、アルミ
ナ、シリカ−アルミナ、ガラス、シリカ、ロックウール
のグループから選ばれる1種以上の材料を用いている。
【0014】上記無機吸音材は、通常シートまたは成形
体の形態で生産される。シートは所定の形状に打ち抜き
加工し提供される。しかしながら上記シートまたは成形
体は上記金網と密着させるのが困難であるばかりでなく
密着状態を完全にすることはできない。本来上記金網は
無機吸音材を金属基板に密着させて該金属基板の振動を
吸収させるために用いるものである。もし、金網と無機
吸音材の間に隙間があると金属基板と無機吸音材の密着
状態が不完全となり金属基板の振動を吸収することが出
来ない。また、自動車部品のようにエンジンまたは走行
中の振動で、無機吸音材が振動して剥離、飛散等が発生
して著しく耐久性を悪化させてしまう。従って、無機吸
音材と金網を一体で成形することが必要である。
【0015】上記無機吸音材と金網を一体で成形する方
法は、無機吸音材の湿式抄造法に於ける抄造金型の金網
を脱着自在にしておけば良い。即ち上記抄造金型は無機
吸音材を形成する吸引面を有し一般的に上記吸引面はパ
ンチングメタルで形成しその表面に金網を張ることによ
りなる。上記金網は脱着自在の方法で固定されている。
【0016】次に、上記無機吸音材は、0.5mm〜1
5mmの厚みを有し、かつその嵩密度は0.05g/c
3 〜0.5g/cm3 であることが好ましい。0.5
mm未満の厚みでは吸音、制振性が不充分であり、一方
15mmより厚いと、例えばエンジンルームの限られた
スペース内でエンジンに装着できないおそれがある。ま
た、嵩密度が0.05g/cm3 未満であれば、耐久性
の問題を生じ、0.5g/cm3 より大きければ、吸音
不良の問題を生じるおそれがある。本発明の防音遮熱板
は、前記のインシュレーターの外、エキゾーストパイ
プ、マフラー、ターボチャージャカバー、触媒コンバー
タなどの高熱及び騒音発生機器の防音、遮熱材として優
れた効果を発揮する。
【0017】
【作用及び効果】本発明の立体形状の防音遮熱板におい
ては、金属基板と、該金属基板の表面に金網と無機吸音
材を一体で成形されたもので構成されている。そして、
上記防音遮熱板により製作されたインシュレーター等
は、上記無機吸音材を設けた面を、エンジン等と対面さ
せるよう設置する。そのため、エンジン等からの騒音は
上記無機吸音材に吸収され、上記金属基板には伝搬しな
い。従って、上記金属基板を通じて、外部に騒音が伝わ
らない。
【0018】更に、上記無機吸音材は遮熱効果に優れて
いる。従って、エンジン等より発生する熱も容易に遮断
できる。また、上記無機吸音材に対して、音源側に金網
が配置される。金網は音源側の音を吸音材に通すため、
無機吸音材の吸音効果が極めて有効に発揮される。ま
た、前記金網が密着して無機吸音材を支える。そのた
め、無機吸音材の剥離や摩耗が防止され、耐久性にも優
れている。また、上記構成により、複雑な立体形状の防
音遮熱板を容易に製作できる。上記のごとく、本発明に
よれば、防音、遮熱、耐久性に優れた立体的な形状を有
する防音遮熱板を提供することができる。
【0019】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる立体形状の防音遮熱板につき、
図1、図2、図3、図4、図5、図6を用いて説明す
る。本例の立体形状の防音遮熱板は、自動車のエキゾー
ストマニホールドヒートインシュレーター1(以下イン
シュレーター)として用いるものである。このインシュ
レーター1は、図1に示すごとく、立体的な形状を有す
る防音遮熱板よりなる。インシュレーターは、上記形状
に成形した金属基板12と、該金属基板12の表面に配
設した無機吸音材11と、該無機吸音材11の表面に配
置され、かつ上記金属基板12にスポット溶接14で固
定された金網10よりなり、上記無機吸音材11は金網
10と一体的に成形されている。
【0020】上記金属基板12は、アルミメッキ鋼板を
用いる。その厚みは0.6mmである。上記金網は、S
US304であり、その線径は0.2mmで50メッシ
ュの平織である。そして、金属基板12に対しては、図
1に示すごとく複数箇所をスポット溶接14で固定す
る。次に、上記無機吸音材11は、シリカ−アルミナの
セラミックファイバー(商品名;イビウール、イビデン
(株)製)の層状物である。無機吸音材11の層の厚み
は4mmである。その嵩密度は0.25g/cm3 であ
る。上記無機吸音材11はスポット溶接をおこなう部分
に予め開孔部16が設けられ、この部分で金属基板12
と金網10によりスポット溶接で固定される。
【0021】次に、上記無機吸音材11と金網10を一
体的に成形する方法は、まず抄造型2のパンチングメタ
ル21の抄造面に沿うように金網10をプレス成形す
る。金網10はクランプ22でパンチングメタル21の
抄造面に固定される。パンチングメタル21に設けられ
た26はスポット溶接を行うために無機吸音材11に予
め設けた開孔部16を形成するためのものである。即ち
パンチングメタル21に設けられた26において原料は
吸着すること無く開孔部16は容易に形成される。次
に、真空回路3に接続された抄造型2は原料スラリー3
1に埋没し吸引バルブ32を開くことにより原料が吸着
する。バルブ32を開いた時点から7秒後に抄造型2を
引き上げ10秒間脱水してバルブ32を閉じた。成形後
の金網と一体に成形した無機吸音材を図5に示した。次
に、クランプ22を開放して金網10と一体的に成形し
た無機吸音材11をとりだす。金網10と一体的に成形
した無機吸音材11は熱風乾燥機で120℃、2時間乾
燥した。また、金網10と一体的に成形した無機吸音材
11はスポット溶接を行った後に乾燥しても良い。製作
されたインシュレーター1は、上記金網10を設けた面
を、エキゾーストマニホールドと対面させるよう設置す
る。
【0022】次に、本例における作用効果につき説明す
る。上記インシュレーター1は、上記金網10を設けた
面を、エキゾーストマニホールドと対面させるよう設置
する。そのため、エキゾーストマニホールドからの騒音
は金網10を通過して、上記無機吸音材11に吸収さ
れ、減衰した騒音が上記金属基板12に達するものの、
この金属基板12からの反射音は、さらに無機吸音材1
1に吸収され減少する。したがって、本例の構造は、エ
キゾーストマニホールドとインシュレーターとの間の空
間が共鳴箱とならず、エキゾーストマニホールドからの
騒音が上記空間で反射をくり返し増幅されることを抑制
するのである。
【0023】また、エキゾーストマニホールドからイン
シュレーター1に伝搬した振動は、無機吸音材11に吸
収される。したがって、インシュレーターを音響放射面
とした新たな騒音の発生を防止する。
【0024】更に、無機吸音材11は、遮熱効果に優れ
ているセラミックファイバーを用いる。従って、エキゾ
ーストマニホールドより発生する熱が容易に遮断でき
る。更に、セラミックファイバーは耐熱性に優れた素材
であり、エキゾーストマニホールド周囲の高熱条件にも
耐える。
【0025】また、セラミックファイバーに対して金網
10が配置され、金網10がセラミックファイバーを支
える。よって、セラミックファイバーが金属基板12よ
り剥離することが防止できる。さらにセラミックファイ
バーは金網10と一体的に成形されているため、セラミ
ックファイバーを金属基板12に密着させることができ
る。よって、自動車の振動等によって、短繊維であるセ
ラミックファイバーがほつれ、飛散する事がない。従っ
て、本例のインシュレーターは耐久性に優れる。また、
上記構成により、複雑な立体形状の防音遮熱板の製作が
容易である。上記のごとく、本例によれば、防音、遮
熱、耐久性に優れた立体的な形状を有する防音遮熱板を
提供することができる。
【0026】本例は、図7〜図8および表1に示すごと
く、本発明による防音遮熱板(試料1)の、伝達関数特
性および各共振周波数における損失係数を測定した。ま
た、比較のため、従来品(比較例C1)と比較した。本
例の試料1及び比較例C1の構成を図9、図10に示
す。試料1の防音遮熱板1は、図3に示すごとく、金属
基板12と無機吸音材11と金網10とを、スポット溶
接14で固定し、実施例1と同様の材料等を用いて製作
する。比較例C1の防音遮熱板2は、図10に示すごと
く、2枚のアルミメッキ鋼板21、22をスポット溶接
14により接合したものである。アルミメッキ鋼板21
はその厚みが0.6mmである。アルミメッキ鋼板22
はその厚みが0.4mmである。そして、両者の試料と
もに図の上側に描かれた面が、音源に対向する。これら
の試料について、伝達関数特性を測定した結果を、それ
ぞれ図7、図8に、各共振周波数における損失係数を測
定した結果を表1に示す。
【0027】図7、図8より知られるごとく、本発明に
かかる試料1の伝達関数特性曲線は、従来品である試料
C1のそれに比べて、その曲線のピークの先端部がなだ
らかである。これは、試料1のほうが、比較例C1よ
り、その内部を伝搬する振動エネルギーが、早く減衰す
ることを表している。つまり、試料1内では振動エネル
ギーが吸収されてしまう。従って、上記試料1は騒音を
伝えにくい。また、表1より知られるごとく、試料1の
各共振周波数の損失係数は、比較例C1のそれよりも、
約15倍以上大きい。よって、上記効果を一層明確に知
ることができる。すなわち、本発明品は、外部に騒音を
伝えにくい構造を有することが分かる。
【0028】
【表1】
【0029】本例は、表2に示すごとく、本発明にかか
る防音遮熱板と、従来品にかかるそれとによって、それ
ぞれインシュレーターを作製した。そして、比較、対照
のために、これらを実際のエンジンに装着して、上記イ
ンシュレーターを通じて、外部に伝搬した騒音を測定し
た。比較例としては、試料C1と試料1と同様の構成を
有し、無機吸音材と金網を一体で成形せず金属基板に固
定した試料C3とを用いた。また、インシュレーターを
用いない例を試料C2とした。本例の比較例C3を図1
1に示す。また、測定に使用したエンジンは、2リット
ル、4気筒のディーゼルエンジンを回転数3000r.
p.mで運転したものである。上記インシュレーターよ
り50cm離れた地点に騒音計を設置して、その騒音特
性を測定した。その結果を表2に示す。
【0030】表2より知られるごとく、本発明による試
料1は、比較例C1、C2より、騒音特性が、低くなっ
ている。すなわち、従来品の比較例C1はエキゾースト
マニホールドと、インシュレーターとの間の空間で共鳴
により増幅された音が、インシュレーターを伝搬し外部
へ放出されるので、かえって、インシュレーターを設け
ない比較例C2より、騒音特性が大きくなっている。ま
た比較例C3は、無機吸音材が金網と一体で成形してい
ないため、金属基板の振動を十分吸収することができ
ず、試料1より騒音特性が大きくなっている。しかし、
本発明品の防音遮熱板は、エンジンと対面する側に設け
た無機吸音材によって、エンジンから発生する騒音を吸
収する。また、上記無機吸音材が金網と一体で成形され
ているために、振動が防音遮熱板を伝搬しにくい。更
に、上記金網は騒音を通過させ、該騒音を無機吸音材に
吸収させる。従って、本発明品は、外部に騒音を伝えに
くく、さらには、エキゾーストマニホールドからインシ
ュレーターに伝搬した振動により、エンジンカバーが音
響放射面となり新たな騒音発生源となるということがな
い。
【0031】
【表2】
【0032】本例に用いた防音遮熱板の比較例として、
金網10のかわりに、3Mesh厚み約1mmの金属製
エクスパンドメタルを用いた試料(C4)とを振動試験
機によって10時間加振(3.5g−33Hz)した。
この試験前と試験後の重量減を測定したところ、試料1
は重量減0%で何ら変化はなかったが、比較例C4の試
料は、エクスパンドメタルの開口部から、無機吸音材1
1の一部が剥離脱落し、その重量減が6.8%であっ
た。
【0033】本例に用いた防音遮熱板の比較例として、
無機吸音材と金網を一体で成形していない試料(C3)
とを振動試験機によって10時間加振(3.5g−33
Hz)した。この試験前と試験後の重量減を測定したと
ころ、試料1は重量減0%で何ら変化はなかったが、比
較例C3の試料は、無機吸音材11の一部が剥離脱落
し、その重量減が1.9%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるインシュレーターの正面図。
【図2】実施例1における抄造型断面図。
【図3】実施例1における金網1の断面図。
【図4】実施例1における真空回路。
【図5】実施例1における成形後の図。
【図6】実施例1におけるインシュレーター断面図。
【図7】試料1の伝達関数特性を示す線図。
【図8】比較例C1の伝達関数特性を示す線図。
【図9】試料1の断面図。
【図10】比較例C1の断面図。
【図11】比較例C3の断面図。
【符号の説明】
1・・・インシュレーター、 10・・・金網、 11・・・無機吸音材、 12・・・金属基板、 13・・・無機バインダー硬化処理部、 14・・・スポット溶接部 16・・・スポット溶接を行う為に無機吸音材に予め設
けた開孔部 2・・・抄造型 21・・・パンチングメタル 22・・・金網固定クランプ 26・・・無機吸音材に開孔部を設けるための遮蔽部 3・・・無機吸音材を成形するための真空回路 31・・・抄造スラリー 32・・・吸引バルブ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のエキゾーストマニホールドヒー
    トインシュレーター等の立体的な形状を有する防音遮熱
    板において、該防音遮熱板は成形した金属基板と、該金
    属基板の表面に設けた無機吸音材と、該無機吸音材の表
    面に配置され、かつ上記金属基板にスポット溶接で固定
    された、線径が0.1〜1.0mmで、目開きが5〜70メッシュ
    である金網よりなり、しかも上記無機吸音材が上記金網
    と一体で成形されていることを特徴とする立体形状の防
    音遮熱板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記無機吸音材は無
    機質繊維からなることを特徴とする立体形状の防音遮熱
    板。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記無機質繊維は、
    アルミナ、シリカ−アルミナ、ガラス、シリカ、ロック
    ウールのグループから選ばれる1種以上の材料であるこ
    とを特徴とする立体形状の防音遮熱板。
  4. 【請求項4】 請求項3において、上記無機吸音材は、
    0.5mm〜15mmの厚みを有し、かつその嵩密度は
    0.05g/cm3 〜0.5g/cm3 であることを特
    徴とする立体形状の防音遮熱板。
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