JP3253603B2 - 防水滴レンズ鏡筒 - Google Patents
防水滴レンズ鏡筒Info
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Description
筒、詳しくは降雨中にも使用することができる程度の防
水性を有する防水滴レンズ鏡筒に関するものである。
たは防水滴機能を持たせるには、ズーミングなどでズー
ムレンズ鏡筒が光軸方向に進退動作を行うと、これに伴
ってカメラの内圧が変化するので、これを吸収する構造
にしなければならない。そして、そのようにしたもの
が、例えば米国特許4,931,816号や実開昭63
−113137号公報などで既に知られている。
は、カメラの内部と外部とを連通させるための空気循環
通路を有し、同通路内に撥水性微多孔部材を配置し、該
撥水性微多孔部材により通路を介して空気を循環させる
ようにする一方、水が通過するのを防ぐことができるよ
うにした防水カメラである。このカメラは、浸水を防ぐ
完全な防水カメラであり、該撥水性微多孔部材はゴアテ
ックスやエントラント、ミクロテック等の商品名で知ら
れる特殊素材を使用することを前提にしているものであ
る。
報のものは、上記米国特許4,931,816号のもの
とは異なり、生活防水カメラ、即ち、降雨中でも使用す
ることができる程度の防水性を有する防水滴レンズ鏡筒
に関するものである。しかし、その構造は上記米国特許
4,931,816号のものと概略同じであり、通気孔
を塞ぐものを「非通水性で通気性のフィルター(ゴアテ
ックスやボアフロンなどの商品名で知られる多孔性の四
フッ化エチレン樹脂)など」で構成している。
発明の防水滴レンズ鏡筒に関連する、従来の防水、また
は防水滴技術は、カメラの防水性の確保とカメラの内部
と外部との気圧変化の調整が水滴(100μ〜300
μ)よりも孔径が小さく、かつ水蒸気(0.0004
μ)よりも孔径が大きい孔が多数あいた素材によって行
われている。このような素材は防水性はかなり確保でき
るが、通気性はそれ程よくない。よって、このような素
材を防水性および通気性を確保する目的で使用した場合
には、カメラ内部と外部との気圧の差を調整するのに充
分な時間が必要となる。即ちズーミング動作などは非常
にゆっくり行わねばならず、また、通気性の能力不足の
せいでズーミングの負荷が増加し、そのために、ズーム
用モータや減速ギヤー系に多大な負担がかかることにな
る。従って、これを解消するためには強力なズーム用モ
ータと強靭なギヤーおよびギヤー軸が必要になり、コス
トが高くなったりスペースを多くとったりしてカメラの
小型化の妨げになるという問題点があった。
備えた素材は微細孔が設けられているため、不用意に触
ったりすると目詰まりを起こし通気性が損なわれたりす
る問題点もあった。従って、通常はユーザーがカメラを
保持した状態で手に触れない箇所に、このような手段を
配設しなければならず、設計上の制約になるという欠点
もある。更に、素材の特殊性によりコストが高いものと
なっており、そのためにカメラのコストも高いものとな
ってしまうという問題もあった。
除去し、浸水防止型ではなく、生活防水型で簡単な構造
で防水性を高めることができ、かつ低コストに製作でき
る防水滴レンズ鏡筒を提供するにある。
ズ鏡筒は、ズーミング動作等により光軸方向に移動可能
なレンズ鏡筒において、 第1の鏡枠と、 該第1の鏡枠
に対し所定範囲内で相対移動可能な第2の鏡枠と、 上
記第1の鏡枠と第2の鏡枠の一方に設けられ、上記移動
範囲内全体にわたって摺動可能な状態で他方を径方向に
常時押圧し、両者間を液密に保つ弾性体からなるシール
部材と、 上記シール部材の押圧量を増加させる押圧量
増加手段とを具備し、上記押圧量増加手段は、上記レン
ズ鏡筒が収納状態にあるときに上記シール部材の押圧量
を増加させることを特徴とする。また、本発明による防
水滴レンズ鏡筒は、ズーミング動作等により光軸方向に
移動可能なレンズ鏡筒において、 第1の鏡枠と、 該第
1の鏡枠に対し所定範囲内で相対移動可能な第2の鏡枠
と、 上記第1の鏡枠と第2の鏡枠の一方に設けられ、
上記移動範囲内全体にわたって摺動可能な状態で他方を
径方向に常時押圧し、両者間を液密に保つ弾性体からな
るシール部材と、 上記シール部材の押圧量を増加させ
る押圧量増加手段とを具備し、上記押圧量増加手段は、
上記レンズ鏡筒が特定の焦点距離状態にあるときに上記
シール部材の押圧量を増加させることを特徴とし、ま
た、上記押圧量増加手段は、上記他方の鏡枠の径を変化
させた段部であることを特徴とする。
レンズ鏡筒において、開口を有する部材と、 上記開口
中を光軸方向に所定範囲内で相対移動する枠部材と、上
記開口を有する部材と上記枠部材の一方に設けられ、上
記移動範囲内全体にわたって摺動可能な状態で他方を径
方向に常時押圧し、両者間を液密に保つ弾性体からなる
シール部材と、上記シール部材の押圧量を増加させる押
圧量増加手段と、を具備し、上記押圧量増加手段は、上
記開口を有する部材と上記枠部材とが特定の相対位置状
態にあるときに上記シール部材の押圧量を増加させるこ
とを特徴とする。
本発明を説明する。図1は、本発明の第1実施形態を示
す防水滴レンズ鏡筒の要部断面図である。この実施形態
の防水滴レンズ鏡筒は、ズームレンズ鏡筒を有してお
り、このズームレンズ鏡筒はカメラ本体1に一体に取り
付けられた固定枠10を含んで構成されていて、図1に
おける上半部はズームレンズをワイド位置に移動させた
状態を、下半部はズームレンズをテレ位置に移動させた
状態をそれぞれ示している。
上記ズームレンズ鏡筒と、カメラ本体1を覆う前カバー
2および後部を覆う後カバー3と、裏蓋4とで、その主
要部が構成されている。上記ズームレンズ鏡筒80は、
上記固定枠10の外周面に回転自在に嵌合している駆動
枠20と、上記固定枠10の内周面に回転自在に嵌合し
ていて、上記駆動枠20によって回転駆動せられて回動
しながら光軸方向に前後動する、第1の鏡枠からなるカ
ム筒30と、第1レンズ群L1 を支持した第1レンズ保
持枠41を保持した第1レンズ枠40(この第1レンズ
枠は本発明における第2の鏡枠を構成している)と、第
2レンズ群L2 を支持した第2レンズ保持枠51を保持
した第2レンズ枠50と、第3レンズ群L3 を支持した
第3レンズ保持枠61を保持した第3レンズ枠60と、
上記第1レンズ枠40に支持されたバリアユニット70
と、第2レンズ枠50に支持されたシャッタユニット5
1等で主要部が構成されている。
付けられた上記裏蓋4の内周面部には、合成ゴム等より
なる遮光ゴム5が一周にわたって固定されていて、裏蓋
4を閉めたときには、裏蓋4と後カバー3との間で押圧
され、外部からの光および水滴が侵入するのを防ぐよう
になっている。また、前カバー2と後カバー3との間に
は、シリコンゴム等からなる防水ゴム6(図8参照)が
一周にわたって固定されていて、前カバー2と後カバー
3との間からの光と水滴の侵入を防ぐようになってい
る。また更に、前カバー2の前端部寄りの内周面と上記
固定枠10の先端部の嵌合部にはシリコンゴム等からな
るOリング11が嵌着されている。
面には、シリコンゴム等からなるシール部材12が取り
付けられており、更にカム筒30の先端部の内周面側に
もシリコンゴム等からなるシール部材31が取り付けら
れている。また上記カム筒30の外周面と上記第1レン
ズ枠40の外周面には、フッ素系の撥水塗装が施されて
いる。従って、この撥水塗装と上記2つのシール部材1
2,31とで、固定枠10とカム筒30の間、およびカ
ム筒30と第1レンズ枠40との間の光と水滴の侵入を
防止する液密性と光密性が保たれるようになっている。
れた第1レンズ群L1 の前側のレンズと第1レンズ保持
枠41とは接着剤にて固定されている。この接着剤は第
1レンズ保持枠41と該レンズとの間のシールドを兼ね
ており、これによってレンズの前面側からの水滴の侵入
を防止している。
例えば複数個の通気孔4aが穿設されていて、この通気
孔4aの内面側には撥水性および通気性を有するシート
状部材7が接着剤で固定されている。上記通気孔4a
は、図3のカメラの背面図に示す如く、裏蓋4に設けた
後部グリップ部4bに穿設されている。この後部グリッ
プ部4bには、その上部外側方寄りに指掛け用突出部4
cが突設されており、内方寄りの中央部にはパトローネ
の有無を観察するためのパトローネ窓4dが配設されて
いる。上記通気孔4aは、本実施形態では上記指掛け用
突出部4cの下方の、上記パトローネ窓4dの外側方の
位置に、縦方向に等間隔に並んで4個穿設されている。
って、前カバー2の上面の右側前方寄りには、レリーズ
釦9が配設されており、このレリーズ釦9に対応する後
方の外側方寄りに上記後部グリップ部4bが若干後部に
突出するように形成されている。このように裏蓋4の後
部グリップ部4bに形成した上記通気孔4aは、図4に
示すように通常、カメラを保持した状態では、人の手H
によって塞がれることはない。
によって織られた布を、シリコン、またはフッ素などの
撥水剤に浸漬し、そして乾燥して作られる。このシート
状部材7は、通常、繊維と繊維の間に隙間があいている
ものであって、この隙間は撥水処理をしないと、このま
まの状態では水滴が侵入したり、染み込んだりしてしま
う程度の大きさのものである。ところで、このように撥
水処理を施した織り布からなるシート状部材7の防水滴
作用は、同シート状部材7に多くの水滴が付着しても撥
水処理が施されているので、個々の水滴同士が集まり、
これが布の目よりも大きな水滴となり、この大粒の水滴
を通さないという防水滴作用を行うものである。また、
このような素材は非常に一般的な素材であり、例えばコ
ートの生地として使用されているものである。
成されている。次に、その動作を説明すると、図1に示
すように上半部のワイド状態から下半部のテレ状態まで
ズーミングさせると、カメラの内部体積が著しく変化す
るので、全ユニットが完全に密封されている場合には、
ズーミングさせることができない。しかし、本発明のレ
ンズ鏡筒を有するカメラにおいては、前述のように裏蓋
4に通気孔4aが設けられているので、通気性のあるシ
ート状部材7を介して空気の流通が行われる。従って、
通常の使用状態ではスムーズにズーミングすることがで
きる。
降雨中に使用する場合には、次のように防水滴作用が行
われる。即ち、 (A)雨滴等が鏡枠の外周部に付着した場合には、Oリ
ング11,シール部材12,31により、水滴のカメラ
内への侵入を防止する。 (B)レンズ前面に水滴が付着した場合には、第1レン
ズ保持枠41と第1レンズ群L1 の間の接着剤にて水滴
のカメラ内への侵入を防止する。 (C)前カバー2と後カバー3の突合わせ結合部に水滴
が付着した場合には、防水ゴム6にて水滴のカメラ内へ
の侵入を防止する。 (D)後カバー3と裏蓋4の間に水滴が付着した場合に
は、遮光ゴム5にて水滴のカメラ内への侵入を防止す
る。 (E)通気孔4aに水滴が付着した場合には、シート状
部材7が、その撥水力により水滴のカメラ内への侵入を
防止する。 このように本発明のレンズ鏡筒を有するカメラは、降雨
中など若干の水滴がつく状態で使用しても問題はない。
4に穿設し、これの内面側にシート状部材7を貼着した
が、この通気孔はカメラ本体とレンズ鏡枠の、少なくと
もいずれか一方の壁面であって、カメラの保持により覆
われない位置に穿設し、カメラの内部と外部とを連通す
るようにすればよいことは言うまでもない。
先端部に、基部を取り付けられて第2鏡枠である上記第
1レンズ枠40の周面に圧接する上記シール部材31
は、図5に示すように、その断面形状が略コの字形に形
成されている。ここで、上記第1レンズ枠40の外径を
φD1とすると、本発明においては、図6に示す如く、
上記第1レンズ枠40の先端部40aは、傾斜段部を形
成しており、その外径φD2が φD2 > φD1 となるように形成されている。即ち、第1レンズ枠40
の先端部40aは、その中程より傾斜面40bを介して
段部を形成していて、その外径がφD2と大きく形成さ
れている。
介在するシール部材31の押圧量が特定の焦点距離また
は沈胴状態などの収納状態において増加することにな
る。即ち、図7に示すように、第1レンズ枠40がワイ
ド位置からテレ位置に移動する間は、上記シール部材3
1が圧接している第1レンズ枠40の外径φD1は変ら
ないので、シール部材31の押圧力も変らず、ズーミン
グ動作はスムーズに行われる。しかし、沈胴状態に鏡枠
が移動すると、図6に示す如く、シール部材31は傾斜
面40bを介して外径φD2が大きい先端部40aに圧
接するので、その押圧力が増して防水性が高くなる。
りも沈胴時のレンズ部の防水性を高くすることができる
ため、例えば、降雨中などにカメラをケースに入れない
で携行する場合などの防水性が、より一層向上する。ま
た、一般的にはカメラは、撮影状態よりも収納状態の方
が多いので、その態様に合致した防水性を確保すること
ができる。
第1レンズ枠40の外周面を押圧するようにしたが、こ
れはシール部材31が第1レンズ枠40に固定され、第
1の鏡枠である上記カム筒30の内周面に押圧されるよ
うに構成してもよいことは勿論である。また、このよう
に押圧量が増加する構成を、沈胴状態のみならず、テレ
状態に対しても形成してもよい。かくすれば、撮影時の
使用頻度の高いテレ状態の防水性をより一層向上させる
ことができると共に、テレ端でズームの負荷が増加して
も、それ以上にはテレ方向にはズーミングしないので、
特に問題にはならない。
な構造で防水性を高めることができ、かつ低コストで製
作することができる防水滴レンズ鏡筒を提供することが
できる。
要部断面拡大図。
ラの平面図。
ラの背面図。
ラのグリップを保持した状態を示す要部斜視図。
ール状態を示す拡大断面図。
圧状態を示す拡大断面図。
状態を示す拡大断面図。
大断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 ズーミング動作等により光軸方向に移動
可能なレンズ鏡筒において、 第1の鏡枠と、 該第1の鏡枠に対し所定範囲内で相対移動可能な第2の
鏡枠と、 上記第1の鏡枠と第2の鏡枠の一方に設けられ、上記移
動範囲内全体にわたって摺動可能な状態で他方を径方向
に常時押圧し、両者間を液密に保つ弾性体からなるシー
ル部材と、 上記シール部材の押圧量を増加させる押圧量増加手段
と、 を具備し、上記押圧量増加手段は、上記レンズ鏡筒が収
納状態にあるときに上記シール部材の押圧量を増加させ
ることを特徴とする防水滴レンズ鏡筒。 - 【請求項2】 ズーミング動作等により光軸方向に移動
可能なレンズ鏡筒において、 第1の鏡枠と、 該第1の鏡枠に対し所定範囲内で相対移動可能な第2の
鏡枠と、 上記第1の鏡枠と第2の鏡枠の一方に設けられ、上記移
動範囲内全体にわたって摺動可能な状態で他方を径方向
に常時押圧し、両者間を液密に保つ弾性体からなるシー
ル部材と、 上記シール部材の押圧量を増加させる押圧量増加手段
と、 を具備し、上記押圧量増加手段は、上記レンズ鏡筒が特
定の焦点距離状態にあるときに上記シール部材の押圧量
を増加させることを特徴とする防水滴レンズ鏡筒。 - 【請求項3】 上記押圧量増加手段は、上記他方の鏡枠
の径を変化させた段部であることを特徴とする請求項1
又は2記載の防水滴レンズ鏡筒。 - 【請求項4】 レンズ鏡筒において、 開口を有する部材と、 上記開口中を光軸方向に所定範囲内で相対移動する枠部
材と、 上記開口を有する部材と上記枠部材の一方に設けられ、
上記移動範囲内全体にわたって摺動可能な状態で他方を
径方向に常時押圧し、両者間を液密に保つ弾性体からな
るシール部材と、 上記シール部材の押圧量を増加させる押圧量増加手段
と、 を具備し、上記押圧量増加手段は、上記開口を有する部
材と上記枠部材とが特定の相対位置状態にあるときに上
記シール部材の押圧量を増加させることを特徴とする防
水滴レンズ鏡筒。
Priority Applications (1)
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JP22423699A JP3253603B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 防水滴レンズ鏡筒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22423699A JP3253603B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 防水滴レンズ鏡筒 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3345544A Division JPH05173240A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 防水滴カメラ |
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JP2000047081A JP2000047081A (ja) | 2000-02-18 |
JP3253603B2 true JP3253603B2 (ja) | 2002-02-04 |
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ID=16810636
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22423699A Expired - Fee Related JP3253603B2 (ja) | 1999-08-06 | 1999-08-06 | 防水滴レンズ鏡筒 |
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-
1999
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