JP3251833B2 - 張力調整装置 - Google Patents

張力調整装置

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JP3251833B2
JP3251833B2 JP32235695A JP32235695A JP3251833B2 JP 3251833 B2 JP3251833 B2 JP 3251833B2 JP 32235695 A JP32235695 A JP 32235695A JP 32235695 A JP32235695 A JP 32235695A JP 3251833 B2 JP3251833 B2 JP 3251833B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、供給ボビンに巻
かれたマグネットワイヤなどの線条材を巻取り機のコイ
ルボビンに巻取る際に、線条材に一定の張力を付与する
張力調整装置に関するものである。特に、表ハウジング
に揺動自在に支持されたテンションバーと連動して線条
材の張力変動を吸収するためのバックテンション調整手
段と、表ハウジングに回転自在に支持されたテンション
プーリと一対に回転する磁性ディスクが配設され、線条
材に一定の張力を付与するマグネットブレーキを備えた
張力調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記バックテンション調整手段と
上記マグネットブレーキとを備えた張力調整装置は種々
開発されているが、実公平2−11420号公報に提案
された「テンション装置」が代表的である。該公報の張
力調整装置は、供給ボビンに巻かれた線条材が、スネー
ルガイドと線押さえを通りテンションプーリに掛けられ
た後、補助プーリを通りテンションバーのプーリに掛け
られ、一定の張力が付与された状態で、巻取機のコイル
ボビンに巻取られる。
【0003】張力調整装置のバックテンション調整装置
は、表ハウジングの内面に揺動自在に支持されテンショ
ンバーと一体に連動するとともに、調整ねじの調整つま
みを回すことにより移動する移動リングを有する揺動レ
バーと、この揺動レバーの移動リングに一端のフックが
掛止され、他端のフックが、エアシリンダで回動が規制
されたV字形レバーに掛止されたバックテンション吸収
用調整ばねとからなり、調整ばねのフックが掛止される
移動リングの突起部に設けた目印と、裏ハウジングの表
示窓に設けた目盛りを装置外部から見ながら、移動リン
グの位置を調整することにより、調整ばねのばね長(ば
ね力)を調整する構造である。
【0004】張力調整装置のマグネットブレーキは、表
ハウジングの円筒部に軸受を介して回転自在に支持され
るとともに、表ハウジングの外面に配設されたテンショ
ンプーリと一体に固定され同ハウジングの内面に配設さ
れたディスクカバーと、このディスクカバーに固着され
た磁性ディスクと、この磁性ディスクとエアギャップを
おいて対向するとともに、円周方向の磁極を交互に変え
た永久磁石と、この永久磁石が固着されたマグネットカ
バーとからなり、エアギャップの寸法を可変することに
より、テンションプーリの制動トルク(線条材に付与さ
れる張力)を調整する構造である。
【0005】またトルク調整機構は、マグネットカバー
に固定されて裏ハウジングの外面に突設された支持軸
を、裏ハウジングの円筒部に螺合されたトルク調整リン
グの軸穴に軸受を介して支持するとともに、この支持軸
の軸端に装着されたダイヤルとトルク調整リングとが一
体に回動される構造からなり、ダイヤルの回動量によ
り、エアギャップの寸法を可変して制動トルクを調整す
るようにしている。
【0006】一方、従来の張力調整装置には、消磁用ブ
レーキと空送り防止用ブレーキ、弱張力付与手段とが構
成されている。消磁用ブレーキは、巻取り駆動初期に発
生するマグネットブレーキのコギング現象を防止するた
めに配設されたものであり、また空送り防止用ブレーキ
は、テンションバーがはね上がったときにテンションプ
ーリを強制的に制動するために配設されたものである。
またさらに弱張力付与手段は、例えば、線条材としての
マグネットワイヤを、巻取機に装着されるコイルボビン
に一体的に固定された端子にからげるときに、通常のバ
ックテンション吸収用調整ばねのばね力より小さいねじ
りコイルばねのばね力で、線条材に弱張力を付与するも
のである。
【0007】このような構造とした従来の張力調整装置
は、該装置に線条材を掛けた後、消磁用ブレーキでマグ
ネットブレーキの磁性ディスクを固定した状態で、同ブ
レーキの永久磁石をダイヤル操作により回転させながら
後退させ、磁性ディスク内部の磁界を消磁させてから、
マグネットブレーキのエアギャップを調整する。この
時、ダイヤルの目盛りと裏ハウジングの目印とを見なが
ら、エアギャップを調整することにより、テンションプ
ーリの制動トルクは初期設定される。
【0008】また、線条材が掛けられたテンションバー
の傾き状態により、バックテンション調整手段の調整ね
じを回動して移動リングを左右に移動させ、バックテン
ション吸収用調整ばねのばね力を調整する。この時、移
動リングの目印と裏ハウジングの表示窓に設けた目盛り
とを見ながら、調整ばねのばね力は初期設定される。
【0009】そして、このような初期設定がなされた状
態で、線条材は巻取機のコイルボビンに巻取られる。巻
取り中の線条材には、マグネットブレーキの制動トルク
による張力が付与されているので、線条材がテンション
プーリやその他プーリからはずれて断線することはな
い。また、巻取り中の線条材の張力変動によりテンショ
ンバーが揺動すると、バックテンション吸収用調整ばね
でその張力変動は吸収される。
【0010】また更に、線条材の張力が弱まりテンショ
ンバーが上方に回動されると、マイクロスイッチが閉じ
て異常の発生が知らされるとともに、空送り防止用ブレ
ーキでテンションプーリは制動される。また、線条材を
コイルボビンの端子にからげるときには、バックテンシ
ョン吸収用調整ばねより小さなばね力による弱張力が線
条材に付与されるので、からげ作業中に線条材が断線す
ることはない。
【0011】以上のような動作をする張力調整装置は、
バックテンション調整手段とマグネットブレーキとを個
々に初期設定した後、線条材の走行中に個々に再微調整
を行なうものであるが、バックテンション調整手段と連
動するカム機構を配設して、線条件の走行中においてマ
グネットブレーキによりテンションプーリに作用する制
動トルク、換言すれば線条材に付与する張力を可変する
ようにしたものもある。その一例としては、特公平1−
22194号公報に提案された「マグネットテンション
装置」が代表的である。
【0012】該公報の張力調整装置のマグネットブレー
キは、表ハウジングの円筒部に軸受を介して支持軸が支
持され、この支持軸の表ハウジング外面より突設された
軸端にはテンションプーリが装着されている。また、支
持軸の表ハウジング内面より突設された軸端には、磁性
ディスクが装着されている。一方、裏ハウジングの円筒
部にはねじ穴が形成され、このねじ穴に螺合されたトル
ク調整リングの軸穴に、鍔付き円筒部材とこの円筒部材
の軸穴に軸受を介して挿入されたブレーキ軸とが配設さ
れている。
【0013】ブレーキ軸は、トルク調整機構の構成部材
である、トルク調整リングに一体的に嵌合されたダイヤ
ルと連結されるとともに、テンションプーリ側の支持軸
と同一軸線上で突き合わされている。またこのブレーキ
軸は、支持軸のフランジ部に当接したスラスト軸受とこ
のブレーキ軸の凹部底面との間に配設されたばねによ
り、支持軸とは反対側に付勢されている。
【0014】また更に、ブレーキ軸のフランジ部の一方
側面には、円周方向の磁極を交互に変えた永久磁石が固
着され、フランジ部の他方側面には、鍔付き円筒部材に
固定された固定カムと噛み合う可動カムが、スラストワ
ッシャとスラスト軸受を介在した状態で配設されてい
る。鍔付き円筒部材は裏ハウジングで回り止めされ、ダ
イヤルは、このダイヤルに植設されたストッパピンと裏
ハウジングに植設されたスプリングピンとで回動操作域
が制限されている。
【0015】このような構造とした調整機構を有するマ
グネットブレーキの可動カムには、バックテンション調
整手段の揺動レバーに係合された係合レバーが一体に固
定され、中ハウジングに植設された一対のスプリングピ
ンで回動域が制限されたテンションバーが回動すると、
このテンションバーとともに揺動レバーと可動カムが回
動される。即ち、この張力調整装置は、通常、マグネッ
トブレーキの永久磁石と磁性ディスクのエアギャップが
最も小さい状態に設定されているので、テンションバー
が下方に回動すれば、バックテンション吸収用調整ばね
による強調力変動の吸収作用が得られるとともに、マグ
ネットブレーキの永久磁石と磁性ディスクのエアギャッ
プが大きくなり、テンションプーリの制動トルク(線条
材への張力付与)が弱められる。
【0016】なお、先に説明したマグネットブレーキ
は、消磁用ブレーキに磁性ディスクを固定した状態で永
久磁石を回転させながら後退させることによりコギング
取りを行なっていたが、このマグネットブレーキは、磁
性ディスクの支持軸をワンウェイクラッチを介して表ハ
ウジングに支持することにより、後退する磁性ディスク
と永久磁石との連れ回りが防止されているので、同様に
ダイヤルを回して永久磁石を回転させながら後退するこ
とによりコギング取りが行なえる。
【0017】したがって、特公平1−22194号公報
の張力調整装置も実公平2−11420号公報の張力調
整装置と同様に、線条材に一定の張力を付与することが
できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の張力調整装置
は、マグネットブレーキを、円周方向の磁極を交互に変
えた永久磁石と、この永久磁石とエアギャップをおいて
対向する磁性ディスクとからなる構造として、テンショ
ンバーの揺動により連動するカム組立体により、上記エ
アギャップを可変してテンションプーリの制動トルクを
制御していた。また、バックテンション調整手段と係合
される係合レバーが固定された可動カムを、永久磁石が
固着されたブレーキ軸のフランジ部を介して、鍔付き円
筒部材に固定された固定カム側に圧縮コイルばねで付勢
させることにより、これら可動カムと固定カムを噛み合
わせていた(特公平1−22194号公報参照)。
【0019】したがって、このような圧縮コイルばねの
付勢力を受けながら、またはその付勢力に抗して固定カ
ムと可動カムの係合動作を繰り返えす構造では、カム摺
動面の摺動抵抗が大きく、線条材の微張力変動に連動し
てマグネットブレーキの制動トルクを制御することが困
難であると考えられる。また、係合レバーとブレーキ軸
のフランジ部との間にスラストワッシャやスラストベア
リングを介在して、係合レバーやこれと連動するバック
テンション調整手段、テンションバーの回動抵抗を抑制
する構造や、裏ハウジングの円筒部に螺合されたトルク
調整リングに鍔付き円筒部材を支持してこの円筒部材を
回り止めした構造など、マグネットブレーキのトルク調
整機構は煩雑な構造であり、生産性が悪くマグネットブ
レーキが高価なブレーキとなってしまう。
【0020】この発明の張力調整装置は、簡単な構造か
らなるマグネットブレーキが配設された張力調整装置を
提供することを第1の目的とする。また、バックテンシ
ョン調整手段に連動して制動トルク制御が行なわれるマ
グネットブレーキのトルク調整機構に作用する抵抗を小
さくして、線条材の微張力変動による制動トルク制御の
動作が機敏で性能の良い張力調整装置を提供することを
目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の張力調整装置では、マグネットブレーキ
を、表ハウジングの外面から突設された軸端にテンショ
ンプーリが装着されたブレーキ軸と、このブレーキ軸を
軸受を介して支持する固定ブラケットと調整ブラケット
と、これらブラケットのうち固定ブラケットに一体的に
設けられ調整ブラケットに着脱自在に固定されたマグネ
ットカバーと、このマグネットカバーの内側に軸受を介
して支持され調整ブラケットと対向する可動ブラケット
と、調整ブラケットと可動ブラケットの対向面に個々に
固着されるとともに円周方向の磁極を交互に変えた一対
の永久磁石と、これら永久磁石の間に非接触状態に介在
されブレーキ軸に装着された磁性ディスクとからなる構
造として、テンションバーと連動して可動ブラケットが
回動されるようにしたことを特徴とする。
【0022】このような構造にすれば、マグネットブレ
ーキのトルク調整機構にカム組立体を配設する必要がな
く簡単な構造にすることができる。また、トルク調整機
構の一構成部材として配設された可動ブラケットは、テ
ンションバーに掛けられる線条材の張力とバックテンシ
ョン調整手段の調整ばね力との釣り合いにより回動され
るが、この可動ブラケットは固定ブラケットのマグネッ
トカバーに軸受を介して回転自在に支持されているので
回動抵抗が小さく、トルク調整機構に作用する抵抗が小
さくなる。したがって、この発明の張力調整装置は、線
条材の微張力変動による制動トルク制御の動作が機敏で
性能が良く、しかも安価に提供することができる。
【0023】またこの発明の張力調整装置は、テンショ
ンプーリのプーリカバーに形成されたボス部をマグネッ
トブレーキの固定ブラケットとしたので、表ハウジング
の内面に装着されるマグネットブレーキの寸法が短縮さ
れ、張力調整装置を薄形に設計することができる。ま
た、表ハウジングの貫通穴からテンションプーリを装着
したマグネットブレーキを挿入した後、プーリカバーを
表ハウジングに固定することによりマグネットブレーキ
の表ハウジングへの装着もできるので、従来のような、
表ハウジング側に磁性ディスクを配設して裏ハウジング
側に永久磁石を配設した突き合わせ型のマグネットブレ
ーキを構成した張力調整装置と相異して、張力調整装置
の生産性が向上されてより装置の低廉化が図れる。
【0024】またこの発明の張力調整装置は、マグネッ
トブレーキの調整ブラケットに目印を設け、この目印と
裏ハウジングまたはマグネットカバーに設けた目盛りを
見ながら、制動トルクの初期設定を行なうようにしたの
で、従来のような、装置の裏面側にダイヤルが突出した
外観形状と相異して、張力調整装置を薄形に設計するこ
とができる。
【0025】またこの発明の張力調整装置は、マグネッ
トブレーキの可動ブラケットの回動域を制限するように
したので、異常張力が付与された線条材が断線すること
はない。
【0026】即ち、線条材に異常張力が付与されると、
マグネットブレーキの永久磁石が異極対向となってテン
ションプーリの制動トルクが最小値となるが、線条材に
より大きな異常張力が付与されてテンションバーが回動
されても、マグネットブレーキの永久磁石が同極対向に
移行されないので、テンションプーリの制動トルクが上
昇することはなく、線条材の断線を防止することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】図1から図3はこの発明の実施の
形態を示したものであり、図1は正面図、図2は背面
図、図3は一部を破断した底面図である。以下、これら
図面によりこの発明の張力調整装置を説明する。
【0028】張力調整装置1は、図示せぬ供給ボビンに
巻かれた線条材(マグネットワイヤ)2が、スネールガ
イド3と線押さえ4を通りテンションプーリ5に掛けら
れた後、補助プーリ6を通りテンションバー7のガイド
リング8に掛けられ、図示せぬ巻取機の駆動により、そ
の巻取機に装着されるコイルボビンに巻取られる線条材
2に、一定の張力を付与するものである。上記各部材
は、巻取機の図示せぬ支持軸に装着されるハウジングの
うち表ハウジング9側に配設されている。
【0029】テンションプーリ5は、表ハウジング9の
外面に突設されたマグネットブレーキ10のブレーキ軸
11の軸端に装着されている。マグネットブレーキ10
は、テンションプーリ5の外側で表ハウジング9にねじ
止めされたプーリカバー12と、このプーリカバー12
のボス部(固定ブラケット)12aの外周面に一方の開
口端が嵌合されて固定されたマグネットカバー13と、
このマグネットカバー13の他方の開口端に嵌合され、
調整ねじ14で着脱自在に固定された調整ブラケット1
5とを備え、プーリカバー12のボス部12a内周面と
調整ブラケット15の内周面とに嵌合された軸受16に
より、プーリカバー12にブレーキ軸11が回転自在に
支持されている。
【0030】またこのマグネットブレーキ10は、外輪
をブレーキカバー12のボス部12a側に当接した状態
で、軸受17がマグネットカバー13の内周面に嵌合さ
れて固定されており、この軸受17の内輪側には、断面
が略L字状で環状な可動ブラケット18が嵌合されて固
定されている。この可動ブラケット18の円板部は、調
整ブラケット15の側面と軸線方向に間隔をおいて対向
しており、これら対向面には、永久磁石19が個々に固
着されている。永久磁石19は、円周方向を4等分して
磁極がNS交互に着磁されたものである。
【0031】永久磁石19の間には、ブレーキ軸11に
一体に装着された磁性ディスク(ヒステリシス板)20
が非接触状態に介在されている。なお、磁性ディスク2
0と永久磁石19との間は、ブレーキ軸11に嵌合され
軸受16間に固定されたカラー部材により、一定のエア
ギャップ寸法になっており、永久磁石19の磁界の中を
磁性ディスク20が回転する構造である。また調整ねじ
14は、マグネットカバー13に形成された長穴から挿
入され、そのねじ部が調整ブラケット15に形成された
ねじ穴に螺合されているので、この調整ねじ14を緩め
て調整ブラケット15のねじ穴からはずすことにより、
一対の永久磁石19の対向位置を調整することができ
る。符号21は、調整ブラケット15にねじ止めされた
目印となる針である。
【0032】このような構造からなるマグネットブレー
キ10の可動ブラケット18には、マグネットケース1
3に形成された長穴から挿入された棒状の係合部材22
の一端が固定されている。係合部材22は、このねじり
部22aに一端のフックが掛止され他端のフックが表ハ
ウジング9の裏面側に突設されたねじに掛止された戻し
ばね23により、図2において時計回りとは反対方向に
引張られており、テンションバー7と一体に回動するテ
ンションレバー24のストッパ部24aに当接してい
る。またこの係合部材22は、戻しばね23により表ハ
ウジング9の内面に突設されたストッパピン25まで移
動される。
【0033】テンションレバー24は、表ハウジング9
の裏面にねじ止めされた円板部材26に軸受で回転自在
に支持された支持軸27に固定されている。支持軸27
の表ハウジング9の外面へ突設された軸端には、テンシ
ョンバー7が一体に装着されている。またテンションレ
バー24は、バックテンション調整手段28に係合され
ている。
【0034】バックテンション調整手段28は、裏ハウ
ジング29側に延びた一対の壁部30aが一体に形成さ
れた矩形部30bと、この矩形部30bの一方端に一体
に形成された取付け部30cとを有する揺動レバー30
が配設されている。この揺動レバー30は、表ハウジン
グ9の内面に突設された支持ピン31を取付け部30c
の貫通穴に挿入してE形止め輪で抜け止めすることによ
り、表ハウジング9の内面に揺動自在に支持された構造
であり、矩形部30bの他方端が、テンションレバー2
4にストッパ部24a(ねじ部材)で固定された軸受2
4bに当接している。
【0035】また、揺動レバー30の壁部30aには、
ハウジングより外側へ突設された調整つまみ32aが形
成された調整ねじ32が回転自在に支持され、この調整
ねじ32に螺合された移動リング33が左右に移動自在
に配設されている。移動リング33には、バックテンシ
ョン吸収用調整ばね34の一端のフックが掛止されてい
る。この調整ばね34の他端のフックは、表ハウジング
9の内面に突設したねじ35に掛止されており、調整ば
ね34のばね力により、揺動レバー30の端部で、テン
ションレバー24を表ハウジング9の内面に固定したス
トッパ部材36に押圧している。
【0036】なお、この調整ばね34のばね力の調整
は、裏ハウジング29が透明板で形成されているので、
揺動レバー30に固定された目盛り板37の目盛りと目
印33aを見ながら、調整ねじ35を回して移動リング
33を移動すればよい。また、すでに説明したマグネッ
トブレーキ10の制動トルクの調整は、裏ハウジング2
9の貫通穴29aからマグネットブレーキ10の端部が
突出しているので、その端部に固定された針21と裏ハ
ウジング29に印刷された目盛りを見ながら、調整ねじ
14を緩めて調整ブラケット15を回動調整すればよ
い。即ち、調整ブラケット15に固着された永久磁石1
9と、可動ブラケット18に固着された永久磁石19と
の磁極の重なり合い具合いによる、磁性ディスク20の
ヒステリシス特性により、マグネットブレーキ10の制
動トルクを初期設定すればよい。
【0037】また、この張力調整装置1は、従来の張力
調整装置と同様に、表ハウジング9にマイクロスイッチ
38が固定されており、テンションバー7の作動ピン3
9がマイクロスイッチ38に接離自在に構成されてい
る。
【0038】以上のような構造とした張力調整装置1
は、図示せぬ供給ボビンに巻かられた線条材2が、テン
ションバー7が略水平状態になる状態に、一定の張力が
付与されながら、図示せぬ巻取機のコイルボビンに巻取
られる。走行中の線条材2に付与される張力が大きくな
ると、バックテンション調整手段28の調整ばね34の
ばね力に抗して、テンションバー7と揺動レバー30
が、図2において時計回り方向に回動される。そして、
線条材2に、張力の増大分、調整ばね34のばね力が作
用する。
【0039】また、このようなバックテンション調整手
段28の動作に連動して、戻しばね23によりマグネッ
トブレーキ10の可動ブラケット18が回動され、同極
対向の占める割合いが大きい永久磁石19の対向関係
が、異極対向の占める割合いが大きい永久磁石19の対
向関係になる。即ち、永久磁石19が異極対向になる
と、これら永久磁石19間に介在された磁性ディスク2
0の磁化力が弱まるので、線条材2の走行により回転す
るテンションプーリ5の制動トルクも弱まる。したがっ
て、テンションプーリ5とテンションバー7のガイドリ
ング8との間で線条材2に大きな張力が作用することは
ない。
【0040】また、線条材2に非常に大きな張力が作用
してテンションバー7が大きく回動すると、係合部材2
2の先端はテンションレバー24のストッパ部24aか
ら離間されるとともに、戻しばね23でストッパピン2
5に当接する。また更には、マグネットブレーキ10の
永久磁石19の対向関係が異極対向の占める割合いが大
きい対向関係で静止されるとともに、同極対向に移行さ
れることがないので、テンションプーリ5の制動トルク
が大きくなることはない。したがって、テンションバー
7のある程度の回動がすぎると、マグネットブレーキ1
0は制動トルクが大きくならないように動作が制限され
るので、線条材2の断線が防止できる。
【0041】一方、走行中の線条材2に付与される張力
が小さくなると、バックテンション調整手段28の調整
ばね34のばね力により、テンションバー7と揺動レバ
ー30が、図2において時計回り方向とは逆方向に回動
され、調整ばね34のばね力による線条材2への張力付
与が弱まる。また、マグネットブレーキ10の永久磁石
19の対向関係も、同極対向の占める割合いが大きくな
って、テンションプーリ5の制動トルクは大きくなる。
したがって、線条材2がテンションプーリ5や補助プー
リ6からはずれたりすることはない。
【0042】また、テンションレバー24がストッパ部
材36に当接するまでテンションバー7が回動すると、
このテンションバー7の作動ピン39でマイクロスイッ
チ38が作動して異常の発生を知らせることができる。
【0043】一方、このような動作をする張力調整装置
1においては、テンションバー7と連動するマグネット
ブレーキ10の可動ブラケット18がマグネットケース
13に軸受17を介して支持された構造としたので、制
動トルク制御の動作が機敏で性能が良い。即ち、可動ブ
ラケット18を直接マグネットケース13に嵌合した構
造であると、摺動面があれて経年的に摺動抵抗が大きく
なってしまうという問題があるが、また、可動ブラケッ
ト18をブレーキ軸11に軸受を介して支持した構造で
あると、ブレーキ軸11の回転中は軸受の空転トルクが
可動ブラケット18に作用してしまうという問題がある
が、これら問題が解決される。
【0044】以上、張力調整装置1について詳細に説明
したが、この張力調整装置1に限らずこの発明では、マ
グネットブレーキ10のプーリカバー12とマグネット
ケース13を合成樹脂材で一体に形成したり、また同様
に、テンションプーリ5とブレーキ軸11を合成樹脂材
で一体に形成するなどの設計の変更を実施してもよい。
また、裏ハウジング29に目盛りを設けたが、マグネッ
トケース13の端面に目盛りを設けて針21を取除けて
もよい。
【0045】
【発明の効果】この発明の張力調整装置においては、マ
グネットブレーキの可動ブラケットをマグネットケース
の内側に軸受を介して支持したので、バックテンション
調整手段と戻しばねにより回動される可動ブラケットの
回動抵抗が小さく、制動トルク制御の動作が機敏で性能
が良い張力調整装置を提供することができる。また、従
来のようなカム組立体からなるトルク調整機構を設け、
永久磁石を磁性ディスク側へ前進させたり後退させる構
造と相異して、マグネットブレーキが簡単な構造である
ので、張力調整装置を安価に提供することができる。
【0046】また更には、従来のような磁性ディスクと
永久磁石のエアギャップを可変して磁性ディスクを流れ
る磁束の密度を調整する構造から、一対の永久磁石間の
磁性ディスクに流れる磁束の密度を調整する構造とした
ので、磁性ディスクの残留磁気によるコギングの発生が
少なく、テンションバーの良好な動作を維持することが
できる。
【0047】またこの発明の張力調整装置においては、
テンションプーリのプーリカバーに形成されたボス部を
マグネットブレーキの固定ブラケットとしたので、マグ
ネットブレーキの軸線方向の寸法が短縮され張力調整装
置を薄形にできる。また更には、表ハウジングへのマグ
ネットブレーキの取付けが容易になるなど、生産性が向
上されてより張力調整装置の低廉化が図れる。
【0048】またこの発明の張力調整装置においては、
マグネットブレーキの調整ブラケットに目印を設け、こ
の目印と裏ハウジングまたはマグネットカバーに設けた
目盛りを見ながら、制動トルクの初期設定を行なうよう
にしたので、従来のような装置の裏面側にダイヤルが突
出した外観形状と相異して、張力調整装置を薄形にでき
る。
【0049】しかも従来の装置のように、トルク調整機
構のカム組立体により前進または後退する永久磁石と一
体に、トルク調整リングを介して裏ハウジングに螺合さ
れたダイヤルが回動する構造と相異して、制動トルク制
御の動作が機敏で性能が良い張力調整装置を提供するこ
とができる。
【0050】またこの発明の張力調整装置は、マグネッ
トブレーキの可動ブラケットの回動域を制限したので、
線条材に大きな異常張力が付与されてテンションバーが
大きく回動されても、マグネットブレーキの永久磁石が
同極対向に移行されない。したがって、テンションバー
のガイドプーリ側とテンションプーリとの間で線条材が
強く引張られて断線してしまうことがなく、張力調整装
置として信頼性の高い性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の張力調整装置の正面図である。
【図2】図1の張力調整装置の背面図である。
【図3】図1の張力調整装置の一部を破断した底面図で
ある。
【符号の説明】
1…張力調整装置、2…線条材、5…テンションプー
リ、7…テンションバー、9…表ハウジング、10…マ
グネットブレーキ、11…ブレーキ軸、12…プーリカ
バー、12a…ボス部(固定ブラケット)、13…マグ
ネットカバー、14…調整ねじ、15…調整ブラケッ
ト、18…可動ブラケット、19…永久磁石、20…磁
性ディスク、21…針、22…係合部材、23…戻しば
ね、24…テンションレバー、25…ストッパピン、2
8…バックテンション調整手段、29…裏ハウジング、
30…揺動レバー、32…調整ねじ、33…移動リン
グ、34…バックテンション吸収用調整ばね、36…ス
トッパ部材、37…目盛り板、38…マイクロスイッ
チ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−219643(JP,A) 特開 平2−193871(JP,A) 特開 平6−219644(JP,A) 特開 平5−238647(JP,A) 特開 平7−33328(JP,A) 特開 平6−310353(JP,A) 特公 平1−22194(JP,B2) 実公 昭2−11420(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 59/38 B65H 59/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表ハウジングに揺動自在に支持されたテ
    ンションバーと連動して線条材の張力変動を吸収するバ
    ックテンション調整手段と、前記表ハウジングに回転自
    在に支持されたテンションプーリと一体に回転する磁性
    ディスクが配設されたマグネットブレーキとを備え、線
    条材に一定の張力を付与する張力調整装置において、前
    記マグネットブレーキは、前記表ハウジングの外面から
    突設された軸端に前記テンションプーリが装着されたブ
    レーキ軸と、このブレーキ軸を軸受を介して支持する固
    定ブラケットと調整ブラケットと、これらブラケットの
    うち前記固定ブラケットに一体的に設けられ前記調整ブ
    ラケットに着脱自在に固定されたマグネットカバーと、
    このマグネットカバーの内側に軸受を介して支持され前
    記調整ブラケットと対向する可動ブラケットと、前記調
    整ブラケットと前記可動ブラケットの対向面に個々に固
    着されるとともに円周方向の磁極を交互に変えた一対の
    永久磁石と、これら永久磁石の間に非接触状態に介在さ
    れ前記ブレーキ軸に装着された前記磁性ディスクとから
    なり、前記テンションバーと連動して前記可動ブラケッ
    トが回動されることを特徴とする張力調整装置。
  2. 【請求項2】 前記テンションプーリのプーリカバーに
    形成されたボス部を、前記マグネットブレーキの前記固
    定ブラケットとしたことを特徴とする請求項1記載の張
    力調整装置。
  3. 【請求項3】 前記マグネットブレーキの前記調整ブラ
    ケットに目印を設け、この目印と裏ハウジングまたは前
    記マグネットカバーに設けた目盛りを見ながら、制動ト
    ルクの初期設定を行なうようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の張力調整装置。
  4. 【請求項4】 前記マグネットブレーキの前記可動ブラ
    ケットの回動域を制限するようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の張力調整装置。
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