JP3251049B2 - 表面電位及び形状測定器 - Google Patents

表面電位及び形状測定器

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JP3251049B2
JP3251049B2 JP12035992A JP12035992A JP3251049B2 JP 3251049 B2 JP3251049 B2 JP 3251049B2 JP 12035992 A JP12035992 A JP 12035992A JP 12035992 A JP12035992 A JP 12035992A JP 3251049 B2 JP3251049 B2 JP 3251049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子写真装置に
おける感光体ドラム表面の電位分布測定や、トナー形状
或いはトナー帯電分布測定、又は、静電気メモリのピッ
クアップなどに用いられる表面電位及び形状測定器に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真プロセスにおける印写
画像は、感光体上に形成される静電潜像を基礎としてい
る。このため、電子写真法において、静電潜像の状態を
知ることは、帯電、露光、現像等の印写プロセスや感光
体などの評価・解析を行なう上で重要である。
【0003】ここに、静電気は電圧は高いが電荷量が少
ないという特徴を有するため、静電位の測定を一般的な
接触型電位計で行なうと、静電気が電圧計を通ってリー
クしてしまう等の計測上の問題を生ずる。よって、静電
位の計測には、非接触型電位計、即ち、表面電位計が適
しているとされている。
【0004】このような点を考慮しながら、感光体上に
形成される静電潜像を直接測定できるようにした静電潜
像測定装置が、電子写真学会誌 第30巻 第2号(1991)に
おいて論文「感光体上静電潜像の高分解能測定」(p.
123〜130)(第1の従来例とする)として報告されてい
る。これは、いわゆる直流増幅型のものであり、測定電
極を測定対象物(感光体)に近接させ、その時に測定電
極に誘起される電荷を測定用コンデンサで電圧に変換
し、入力インピーダンスの高い増幅器で増幅するように
したものである。
【0005】ここに、試料表面電位を測定するプローブ
は、このプローブ先端と試料表面との間の距離により、
測定結果に大きな誤差を生じる。そこで、このような表
面電位測定装置において、試料表面とプローブとの間の
距離を一定に維持させるようにしたものが、例えば、文
献‘TECHNICAL DIGEST OF THE 9TH SENSORSYMPOS
IUM,1990,pp,129〜132’中の論文“Image Charge Se
nsing byScanning Electrometer”(第2の従来例と
する)として報告されている。これは、プローブの両脇
にレーザダイオードとPSD(半導体位置検出器)とを
一対設け、レーザ光を試料表面に照射し、その反射光が
PSDに戻る位置によってプローブ先端と試料表面との
距離を測定し、この測定結果からプローブ全体を移動さ
せるアクチュエータに対してフィードバック制御を掛
け、プローブ先端と試料表面との距離を一定とさせるよ
うにしたものである。
【0006】ところが、第1の従来例による場合、測定
用コンデンサに対して浮遊容量を介して電流が流入する
のを防止するため、シールドケースを必要とし、プロー
ブ自身を小型化できず、これをアレイ状に並べた時の密
度が向上しないものとなってしまうとか、浮遊容量を一
定に保つために測定電極と感光体との間の距離を一定に
保つための装置(即ち、第2の従来例のようなギャップ
センサないしはギャップコントローラ)を必要とし、装
置が大型化・複雑化してしまうといった問題がある。
【0007】しかして、プローブの小型・アレイ化を容
易にした表面電位計が、特願平3−316872号とし
て本出願人により提案されている(第1の提案例とす
る)。これは、測定対象物表面に存在する電荷と探針と
の間に生ずる静電力を検出する手段を有し、この静電力
が零又はほぼ零となるように探針の電位を測定対象物の
表面電位と等しくなるように制御し、この時の探針の電
位を換算して表面電位の測定結果とするようにしたもの
である。
【0008】その構成例を図9に示す。まず、基板1a
上に感光体1bを積層させて測定対象物となる試料2の
表面には電荷Qが存在し、接地GNDとの間に電位差
(表面電位)VS を生じている。このような感光体1b
表面に近接対向させて導電性の探針3が設けられてい
る。この探針3は、固定台4に対して一対の電極5,6
を有するピエゾ圧電素子、ここではPZT7、絶縁フィ
ルム8を介して一端が固定支持された導電性の片持ち梁
9の先端下部に取付けられている。つまり、探針3は片
持ち梁9を板ばねとするような形でその先端側に変位自
在に支持され、かつ、探針3と片持ち梁9とは電気的に
導通した状態とされている。前記PZT7には電極5,
6を介して駆動電源10により交流電圧V8 が印加さ
れ、このPZT7は交流電圧V8 の周波数で振動するよ
うに構成されている。この周波数は、片持ち梁9の機械
的振動の固有振動周波数f0 で振動するものとされてい
る。
【0009】一方、片持ち梁9の探針3背面位置には鏡
11が固定されており、この鏡11を利用して片持ち梁
9先端部分の変位を介して探針3と感光体1bの表面電
位VS との間に作用する静電力を検出する静電力検出手
段としての光テコ法変位検出器12が設けられている。
この光テコ法変位検出器12は、この鏡11とともに、
前記鏡11部分にレーザ光を照射するレーザダイオード
13と、鏡11部分の変位に応じて角度変位した位置に
反射光を受ける位置検出フォトダイオード(PSD)1
4とにより構成されている。このPSD14の出力はプ
リアンプ15により振動を表す電気信号V0 として出力
される。
【0010】よって、探針3の先端と感光体1bの表面
電位VS との間に静電力(静電引力)が作用すると、そ
の力により、片持ち梁9のばね定数が等価的に変化した
ことになる。これにより、片持ち梁9の共振点がずれる
のであるが、片持ち梁9はPZT7により片持ち梁9の
固有振動数f0 で強制振動されているので、その振動振
幅が小さくなる。このような振動振幅の減少は、片持ち
梁9先端の変位量の減少として光テコ法変位検出器12
により捉えられる。つまり、光テコ法変位検出器12に
よる変位検出は、探針3が受けている静電引力を検出す
ることに相当する。
【0011】さらに、前記光テコ法変位検出器12の出
力V0 に基づき前記探針3の電位を可変制御する電位制
御手段16が設けられている。この電位制御手段16
は、予め設定された直流電圧V9=VS/G1に電源17
による台形状波形の交流電圧V4を重畳するゲイン0の
加算器18と、この加算器18の出力電圧V5 を増幅し
て前記探針3(片持ち梁9)に出力電圧V6を印加する
ゲインG1のパワーアンプ19と、前記プリアンプ15
の出力V0の振幅を直流電圧V1に変換するAM復調器2
0と、この直流電圧V1 を所定タイミングでサンプリン
グして保持するサンプルホールド回路21,22と、こ
れらのサンプルホールド回路21,22から得られる電
圧V21,V22間の差をとる差動アンプ23と、この差動
アンプ23の出力電圧V3を積分して前記直流電圧V9
増減させる反転積分器構成の積分器24とをループ状に
接続して構成されている。ここに、前記電源17から前
記サンプルホールド回路22に対するシンクロ信号V72
が交流電圧V4 に同期して取出され、サンプルホールド
回路22に対してはインバータ25により反転されたシ
ンクロ信号V71が与えられている。さらに、前記直流電
圧V9 の値を測定して電位測定手段となる電圧計26が
設けられている。
【0012】ところが、このような第1の提案例構成に
よる表面電位計の場合、探針3と感光体1b表面との間
に作用する静電気力は、表面電位と探針3との電位差が
高くなった場合に大きくなるだけでなく、探針3と感光
体1b表面との間の距離が短くなった場合も大きくなる
ため、表面電位と表面形状とを同時かつ独立して測定す
ることはできない不都合がある。
【0013】即ち、実際の普通紙複写機(PPC)用の
ドラム状感光体の表面電位分布を測定するような場合、
感光体を回転させる一方、探針を装置本体側に固定支持
させて行うことになるが、感光体は一般にそのドラム中
心が100μmのオーダで偏心しており、又は、感光体
表面形状も必ずしも鏡面ではなく、特に有機感光体(O
PC)の場合には顔料の粒子や、クリーニング等で生じ
たひっかき傷などによる凹凸が存在している。よって、
感光体表面と探針との間の距離は感光体の回転によって
変動することになり、第1の提案例方式による場合に
は、感光体の表面電位が均一であっても距離の変動を表
面電位の変動として測定してしまうことになる。また、
トナー粒子上の帯電分布を調べる場合、前述したよう
に、トナーは通常凹凸形状をしているので、帯電分布と
その表面形状とを同時に測定する必要がある。
【0014】また、第2の従来例による場合、試料表面
の凹凸が大きいとレーザ光が散乱されてPSDに入射す
るビームスポット径が大きくなり、距離測定精度が低下
してしまう。
【0015】さらに、試料がPPC用の感光体である場
合、レーザ光を感光体が感じ、感光体表面上の電荷が放
電されて消滅してしまう可能性もある。よって、この面
からは、感光体等を測定対象物とする場合であっても、
その表面の電荷に何ら影響を与えることなく、距離の制
御精度がよい状態で、その表面電位と表面形状(距離)
とを測定し得ることが要望される。
【0016】このような点を考慮した表面電位及び形状
測定器が、特願平4−66871号として本出願人によ
り提案されている(第2の提案例とする)。これは、測
定対象物の試料表面の電位分布と形状分布を測定するた
めに、導電性の探針に直流バイアス電圧とこれに重畳し
て交流電圧を印加する。そして、交流電圧が直流バイア
ス電圧に対して正側に振れた時の探針と試料表面との間
に働く静電引力と負側に振れた時の探針と試料表面との
間に働く静電引力とが等しくなるように直流バイアスを
制御し、この直流バイアス電圧から表面電位を測定す
る。一方、これらの静電引力の和が基準値と等しくなる
ように、探針先端と試料表面との距離を制御する。距離
の制御は試料又は探針を動かすアクチュエータにより行
い、このアクチュエータが動作した距離を測定すること
で、試料表面形状を測定するようにしたものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ここに、第2の提案例
による場合、試料側にZ軸方向のアクチュエータが設置
されているが、測定する試料が重い場合には、片持ち梁
側にZ軸アクチュエータを設けることになる。即ち、固
定台と片持ち梁加振用圧電素子との間にZ軸アクチュエ
ータを設けることになる。
【0018】この方式の場合、下記のような欠点があ
る。
【0019】A.まず、光学的手法により片持ち梁の振
動を測定する方法は、精度が高いので、精度面を重視す
る場合には最良の方法といえる。しかし、光学的手法に
より片持ち梁の振動を測定する場合、片持ち梁を試料表
面の凹凸に対応させて上下させると、振動測定のための
レーザ光が梁の鏡に当らなくなったり、当る位置がずれ
てしまい、測定精度が低下してしまう。また、光学系全
体をZ軸アクチュエータにより動かすことは、大きさ、
重量から考えて極めて困難である。
【0020】B.これを避けるための方法として、光学
的手法に代えて、ビエゾ抵抗素子を持つ片持ち梁とし、
このビエゾ抵抗素子の抵抗値変化により片持ち梁の振動
を測定することで、光学系を不要とし、片持ち梁の根元
部分にZ軸アクチュエータを取付けるようにしたものが
ある。
【0021】しかし、このようなピエゾ抵抗素子方式に
よる場合も下記のような欠点がある。
【0022】a.Z軸アクチュエータは、通常、粗動用
と微動用との2つのアクチュエータを組合せて使用し、
微動用には一般にPZT等の圧電素子が用いられる。し
かし、PZTは印加電圧と距離変位との間の直線性の点
で比較的優れているものの、ヒステリシス特性を有して
おり、測定精度に問題がある。
【0023】b.また、微動用PZTには10μm程度
の変位が要求される。このため、積層型のPZTを用い
ることになる。しかし、このような構造のアクチュエー
タは加振用PZTより重いものとなるので、これを固定
台上に取付け、その上に加振用PZT、片持ち梁を順に
配設することになる。つまり、微動用PZTは加振用P
ZTと片持ち梁とを動かすことになる。また、微動用P
ZTは試料表面上の凹凸に追随して変位する。よって、
表面に急峻な突起又は窪みがあると、微動用PZTは片
持ち梁を急激に変位・移動させることになる。ここに、
このような変位の周波数成分には片持ち梁の共振周波数
成分が含まれていることが多い。従って、これにより片
持ち梁がリンギング(減衰しながら共振する現象)振動
を起す。この時、片持ち梁は、元々、加振用PZTによ
り共振点付近で加振されているので、このようなリンギ
ング振動が片持ち梁振動に混入し、測定精度を低下させ
てしまう。
【0024】c.PZTは電気的に容量性負荷であるた
め、容量の充放電のために十数kHz以上での応答性が
悪い。また、これ以上の周波数での駆動においては、容
量性電流による損失により、電流又はPZT自身が破損
してしまう。従って、試料表面形状の測定時に、これ以
上の周波数をもって現れ得る表面の凹凸に追随して、試
料表面と片持ち梁先端における探針との間の距離を一定
に保つことができない。この結果、この周波数帯域にお
ける測定精度が低下してしまう。
【0025】よって、このような問題を解消して、高い
測定精度と高い応答速度とを併せ持つ表面電位及び形状
測定器が要望される。
【0026】ところで、表面電位ないしは形状を測定す
る試料の中には、試料表面に100μm程度のうねりが
存在するものもある。この場合、測定中に試料表面は数
Hz程度の繰返し周期で約100μmの振幅をもって上
下する。一方、試料表面上には高さ、幅とも数〜数十μ
m程度の凹凸形状が存在し、これにより、数kHz以上
の繰返し周波数で数〜数十μm程度の振幅をもって上下
する。
【0027】この点、第2の提案例によれば、このよう
な2種類の試料表面‐探針間の距離変動に対して、アク
チュエータに対する帰還信号を周波数帯域により分離
し、各々の周波数成分に適したアクチュエータを制御す
るようにしている。より具体的には、低周波の大きい変
位に対してはボイスコイルを用い、高周波の小さい変位
に対してはPZTを用いるようにしている。しかし、こ
の方式の場合、PZTの微動アクチュエータを用いるた
め、前述したような幾つかの欠点がある。
【0028】よって、測定中に、大きなうねりのある測
定対象物についても測定精度及び分解能を低下させるこ
となく、その表面電位ないしは形状を測定し得ることが
要望される。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、測定対象物に対向させた導電性の探針を設け、この
探針と前記測定対象物の表面電位との間に作用する静電
力を検出する静電力検出手段を設け、前記探針に対して
直流電圧に交流電圧を重畳して交流電圧が正側に振れた
時の静電力と負側に振れた時の静電力とが等しくなるよ
うに前記直流電圧を可変させる電位制御手段を設け、前
記探針の前記直流電圧の電位を測定する直流電位測定手
段と、前記交流電圧が、正側に振れた時の静電力が一定
となり、又は、負側に振れた時の静電力が一定となり、
又は、正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の静電
力との和が一定となるように前記交流電圧の振幅を制御
する振幅制御手段を設け、前記交流電圧の電位を測定す
る交流電位測定手段を設けた。
【0030】請求項2記載の発明では、加振装置により
加振される片持ち梁の先端に保持された探針を設け、静
電力に応じて変化するこの探針の振動振幅を検出する変
位検出器による静電力検出手段を設け、前記探針に対し
て直流電圧に交流電圧を重畳して交流電圧が正側に振れ
た時の静電力と負側に振れた時の静電力とが等しくなる
ように前記直流電圧を可変させる電位制御手段を設け、
前記探針の前記直流電圧の電位を測定する直流電位測定
手段を設け、前記交流電圧が、正側に振れた時の前記探
針の振幅が一定となり、又は、負側に振れた時の前記探
針の振幅が一定となり、又は、正側に振れた時の前記探
針の振幅と負側に振れた時の前記探針の振幅との和が一
定となるように前記加振装置による振動振幅を制御する
振幅制御手段を設け、この振動振幅を測定する振動振幅
測定手段を設けた。
【0031】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
発明における振幅制御手段、振動振幅測定手段に代え
て、加振装置による振動周波数を制御する周波数制御手
段と、この振動周波数を測定する振動周波数測定手段と
を設けた。
【0032】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様に、探針、静電力検出手段、電位制御手段及
び直流電位測定手段を設けるとともに、交流電圧が、正
側に振れた時の静電力値を測定する前記静電力検出手段
からの、又は、負側に振れた時の静電力値を測定する前
記静電力検出手段からの、又は、前記交流電圧が、正側
に振れた時の静電力と負側に振れた時の静電力との
を測定する前記静電力検出手段からの帰還信号を周波
数帯域により分離する分離手段を有して分離された一部
の周波数帯域の帰還信号により前記交流電圧の振幅を制
御する振幅制御手段を設け、前記交流電圧の電位を測定
する交流電位測定手段と、前記交流電位測定手段の測定
値から前記測定対象物の表面形状の前記一部の周波数帯
域に対応した空間周波数成分を測定する第1の空間周波
数成分測定手段を設け、前記分離手段により分離された
前記交流電圧の振幅を制御する前記一部の周波数帯域の
信号を除く帰還信号により前記測定対象物と前記探針と
の間の距離を制御するアクチュエータを有する距離制御
手段を設け、前記アクチュエータの変位量を測定する変
位測定手段を設け、前記変位測定手段の測定値から前記
測定対象物の表面形状の前記一部の周波数帯域以外の周
波数帯域に対応した空間周波数成分を測定する第2の空
間周波数成分測定手段を設けた。
【0033】請求項5記載の発明では、請求項2記載の
発明と同様に、探針、静電力検出手段、電位制御手段及
び直流電位測定手段を設けるとともに、交流電圧が、正
側に振れた時の静電力値を測定する前記静電力検出手段
からの、又は、負側に振れた時の静電力値を測定する前
記静電力検出手段からの、又は、前記交流電圧が、正側
に振れた時の静電力と負側に振れた時の静電力との
を測定する前記静電力検出手段からの帰還信号を周波
数帯域により分離する分離手段を有して分離された一部
の周波数帯域の帰還信号により前記加振装置による振動
振幅を制御する振幅制御手段を設け、この振動振幅を測
定する振動振幅測定手段を設け、前記振動振幅測定手段
の測定値から前記測定対象物の表面形状の前記一部の周
波数帯域に対応した空間周波数成分を測定する第1の空
間周波数成分測定手段を設け、前記分離手段により分離
された前記加振装置による振動振幅を制御する前記一部
の周波数帯域の信号を除く帰還信号により前記測定対象
物と前記探針との間の距離を制御するアクチュエータを
有する距離制御手段を設け、前記アクチュエータの変位
量を測定する変位測定手段を設け、前記変位測定手段の
測定値から前記測定対象物の表面形状の前記一部の周波
数帯域以外の周波数帯域に対応した空間周波数成分を測
定する第2の空間周波数成分測定手段を設けた。
【0034】請求項6記載の発明では、請求項3記載の
発明と同様に、探針、静電力検出手段、電位制御手段及
び直流電位測定手段を設けるとともに、前記探針の前記
直流電圧の電位を測定する直流電位測定手段と、交流電
圧が、正側に振れた時の静電力値を測定する前記静電力
検出手段からの、又は、負側に振れた時の静電力値を測
定する前記静電力検出手段からの、又は、前記交流電圧
が、正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の静電
との和を測定する前記静電力検出手段からの帰還信
号を周波数帯域により分離する分離手段を有して分離さ
れた一部の周波数帯域の帰還信号により前記加振装置に
よる振動周波数を制御する周波数制御手段を設け、この
振動周波数を測定する振動周波数測定手段を設け、前記
振動周波数測定手段の測定値から前記測定対象物の表面
形状の前記一部の周波数帯域に対応した空間周波数成分
を測定する第1の空間周波数成分測定手段を設け、前記
分離手段により分離された前記加振装置による振動周波
数を制御する前記一部の周波数帯域の信号を除く帰還信
号により前記測定対象物と前記探針との間の距離を制御
するアクチュエータを有する距離制御手段を設け、前記
アクチュエータの変位量を測定する変位測定手段を設
、前記変位測定手段の測定値から前記測定対象物の表
面形状の前記一部の周波数帯域以外の周波数帯域に対応
した空間周波数成分を測定する第2の空間周波数成分測
定手段を設けた。
【0035】
【作用】請求項1,2及び3記載の発明によれば、静電
力検出手段の一部をなす探針支持部材の振動を測定する
ため、測定精度の高い光学的測定手法を用いて測定可能
となる。また、PZT等のZ軸アクチュエータを用いる
必要がないので、そのヒステリシス特性、PZTの変位
に伴う探針支持部材のリンギング等に起因する測定精度
の低下を生じない。さらには、容量性負荷であるPZT
を用いないので、高周波帯域における表面形状の測定に
も十分追随し得るものとなる。
【0036】加えて、請求項4,5及び6記載の発明に
よれば、大きなうねりのある測定対象物の表面電位ない
しは形状の測定においても、探針に印加する交流電圧の
電位、片持ち梁の振動振幅ないしは片持ち梁の振動周波
数の変化から簡単な比例式を用いて表面形状を測定し得
るものとなる。即ち、請求項1,2及び3記載の発明に
よる場合には、振幅変動値が測定対象物表面と探針先端
との距離に対して線形関係にないので、帰還を掛ける帰
還信号のパラメータの変化分から線形式により距離変動
を求めることができず、約100μmの大きなうねりの
ある測定対象物表面の電位及び形状測定に適用するに際
しては複雑な換算式を用いて距離変動を求めなくてはな
らないが、この処理が簡単となる。また、探針先端と測
定対象物表面との間の距離が大きくなると測定分解能が
低下するが、この点に関しても、アクチュエータ制御に
より探針先端と測定対象物表面とを近接させ、ほぼ一定
の距離に保つことができ、測定分解能が低下することは
ない。
【0037】
【実施例】請求項1及び4記載の発明の一実施例を図1
ないし図5に基づいて説明する。図9で示した部分と同
一部分は同一符号を用いて示す。即ち、基本として、試
料2に対する探針3、静電力検出手段となる光テコ法変
位検出器12、電位制御手段16及び直流電位測定手段
となる電位計26は、本実施例でもそのまま用いられて
いる。ただし、PZT7に関する機械的振動の固有振動
周波数f0 とは、片持ち梁9がPZT7により加振され
る力以外の力を受けない場合の共振点とされている。ま
た、探針3は固定台4に対して粗動アクチュエータとし
てのボイスコイル27と、微動アクチュエータとしての
PZT28とにより支持された片持ち梁9の先端に保持
されている。試料2側はX,Y軸アクチュエータ29上
に保持されている。
【0038】探針3の先端と感光体1bの表面電位VS
との間の電位差Vによる静電力(静電引力)が作用する
と、片持ち梁9のばね定数が等価的に変化したことにな
る。これにより片持ち梁9の機械的共振点がずれるの
で、交流電圧V8 の周波数による強制振動の振動振幅が
小さくなる。
【0039】いま、共振周波数f0 (共振角周波数ω
0 )で片持ち梁9を加振し、この片持ち梁9に静電引力
等の外力が働いていない場合の片持ち梁9の先端の振動
振幅をA0 とする。また、探針3先端と試料2表面との
間の平均距離(探針3先端の振動中心と試料2表面との
距離)をxとすると、何らかの物理的力(静電力、磁気
力或いはvan der Waals力など)Fが探針3の先端に加
わった場合の、片持ち梁9の振動振幅の変化ΔAは、近
似的に ΔA=a・A0・∂F/∂x ………………………………………(1) で表される。ただし、aは比例定数である。
【0040】また、説明を単純化するために、図2に模
式的に示すように、探針3の先端を面積Sを持つ平板と
考え、試料2表面に対して平行に対向しているものとす
る。また、探針3先端と試料2表面との間の距離をx、
両者間の電位差をVとする。すると、両者間に働く力F
は、 F=(b/2)・V2/x2 ………………………………(2) で表される。ただし、bは比例定数である。
【0041】(2)式より ∂F/∂x=−b・V2/x3 ………………………………(3) が得られる。よって、静電力Fにより生ずる変化ΔA
は、(1)(3)式より ΔA=−a・b・V2/x3 ………………………………(4) となる。この時の振動振幅Aは、 A=A0 +ΔA=A0 −a・b・ 0 2/x3 ……………………(5) となる。
【0042】このような振動振幅の減少は、片持ち梁9
先端の変位量の減少として光テコ法変位検出器12によ
り捉えられる。つまり、光テコ法変位検出器12による
変位量の変化の検出は、探針3が受けている静電引力を
検出することに相当する。
【0043】ここに、前記光テコ法変位検出器12、従
って、プリアンプ15の出力V0 は片持ち梁9の振動を
表す電圧となる。また、電圧V1は電圧V0の振幅を直流
電圧に変換したものであるので、その電圧値は、 V1 =c・A=c・A0 −d・V2/x3 ………………………(6) として表される。ただし、c,dはともに比例定数であ
り、d=a・b・A 0 である。
【0044】いま、 c・A0 =v0 ……………………………………………(7) d・V2/x3 =Δv ……………………………………………(8) とすると、電圧V1 は、 V1 =v0 −Δv ……………………………………………(9) で表される。
【0045】また、本実施例では、第1,2の提案例と
同様な構成に加え、サンプルホールド回路21,22か
らの出力V21,V22を加算する加算器31が設けられ、
この加算器31からの出力V10を予め設定された基準電
圧(基準値)V13と比較する差動増幅器32が設けられ
ている。この差動増幅器32の出力V14を積分する積分
器33が設けられている。この積分器33の出力V15
ついて周波数帯域により分離する分離手段となるバンド
パスフィルタ34が設けられている。このバンドパスフ
ィルタ34は出力V15を高帯域成分信号VH 、中帯域成
分信号VM 、低帯域成分信号VL との3信号に分離する
ものである。分離されたこれらの信号につき、高帯域成
分信号VH は交流電圧V4 を発生させるための電圧源1
7に振幅制御信号としてフィードバックされ、中帯域成
分信号VM はパワーアンプ35を介して微動アクチュエ
ータ、即ちPZT28に制御信号としてフィードバック
され、低帯域成分信号VL はパワーアンプ36を介して
粗動アクチュエータ、即ちボイスコイル27にフィード
バックされている。よって、高帯域成分信号VH のフィ
ードバック系が交流電圧V4 の振幅を制御する振幅制御
手段37を構成しており、この出力線に対してはその交
流電位を測定する交流電位測定手段となる電圧計38が
接続されている。また、中帯域成分信号VM 、低帯域成
分信号VL のフィードバック系が距離制御手段39を構
成しており、各々の出力線に対しても変位測定手段とな
る電圧計40,41が接続されている。
【0046】このような構成において、図3ないし図5
に示すタイミング波形図を参照して表面電位VS 及び表
面形状の測定動作を説明する。まず、PZT7には図3
(a)に示すように交流電圧V8 が印加され、また、同図
(b)に示す台形状波形の交流電圧V4 は、この交流電圧
8 の周期よりも低い周波数(好ましくは、1/10以
下)に設定されて加算器18の一方の入力端子に入力さ
れ、さらに、同図(c)に示すようにVb/G1なる電圧V
9 がこの加算器18の他方の入力端子に入力されている
とする。すると、加算器18の出力電圧V5 は同図(d)
に示すようになり、さらに、ゲインG1 のパワーアンプ
19で増幅した出力電圧V6 は同図(e)に示すようにな
る。即ち、直流電圧Vb を中心にVb −Vp からVb
p の間で振れる電圧、つまり、直流電圧Vb に交流電
圧V4 をG1 倍した交流電圧を重畳した波形の電圧とな
る。よって、探針3の先端電位もこの出力電圧V6 に相
当する電位となる。
【0047】ここに、いま、感光体1bの表面電位VS
は、VS =VSaであり、電圧Vb がVb =VSaになって
いるとする。また、電圧源17の交流電圧V4 の振幅も
高帯域成分信号VH により制御され、Vp =Vpaである
とする。すると、時刻t1 において電圧V6 は電圧VSa
よりVpaだけ大きくなり、時刻t2 においてはVpaだけ
小さくなっている。よって、時刻t1,t2において探針
3の先端は、表面電位VSaとの間にVpaの電位差がある
ので、同図(f)に示すように、各々F1a,F2aなる静電
力FS を受ける。これにより、前述したように片持ち梁
9のばね定数が変化したことと等価的となり、この片持
ち梁9、従って、探針3の振動振幅が小さくなる。よっ
て、光テコ法変位検出器12を通して得られる振幅信号
0 は同図(g)に示すように小さくなる。なお、時刻t
3 においては、V6 =VSaであり、同電位であるので、
探針3は静電引力FS を受けず、振幅信号V0 の振幅も
大きくなる。
【0048】このような振幅信号V0 はAM復調器20
により復調され、同図(h)に示すような直流電圧V1
変換される。ここに、時刻t1における電圧V11aと時刻
2における電圧V12aとは等しくなる。これは、時刻t
1,t2における電圧V6の各々の値と、電圧VSaとの差
の絶対値が等しく、時刻t1,t2において作用する静電
引力F1,F2の値が等しいためである。
【0049】即ち、x=xa の場合、時刻t1 において
試料2の表面電位を基準とした探針3と試料2表面との
間の電位差はVpa、時刻t2 におけるその電位差は−V
paである。従って、時刻t1,t2において作用する力F
1a,F2aは各々、 F1a =(b/2)・Vpa 2/xa 2 ………………………(10) F2a =(b/2)(−Vpa)2/xa 2 ………………………(11) となる。
【0050】従って、電圧V11a,V12aは、(6)式よ
り、各々 V11a =c・A0 −d・Vpa 2/xa 3 =v0 −Δv11a ……………(12) V12a =c・A0 −d・(−Vpa)2/xa 3 =v0 −Δv12a ……(13) となる。ただし、 Δv11a =d・Vpa 2/xa 3 ……………………………(14) Δv12a =d(−Vpa)2/xa 3 ……………………………(15) とする。
【0051】ここに、 Δv11a =Δv12a …………………………………………(16) であるので、 V11a =V12a …………………………………………(17) となる。
【0052】ここに、電源17からはその交流電圧V4
に同期した同図(j)に示すようなシンクロ信号V72が取
出され、サンプルホールド回路22のサンプリング時刻
が決められている。同様に、同図(i)に示すように、こ
のシンクロ信号V72を反転させたシンクロ信号V71が生
成され、サンプルホールド回路21のサンプリング時刻
が決められている。本例では、これらのサンプルホール
ド回路21,22がシンクロ信号V71,V72の立上りで
サンプリングするように構成されているので、サンプル
ホールド回路21は時刻t1 における直流電圧V1 の値
をV21=V11aとして、サンプルホールド回路22は時
刻t2 における直流電圧V1 の値をV22=V12a として
各々サンプルホールドする(同図(k)(l)参照)。
【0053】これらの電圧V21,V22は差動アンプ23
に入力されて差がとられ、V3 として出力される。い
ま、前述したようにV11a=V12aによりV21=V22であ
るので、同図(m)に示すように、V3 =V22−V21=0
となる。この差動アンプ23の出力V3 は積分器24に
入力されるが、V3 =0であるので、積分器24出力で
ある直流電圧V9 の値は当初のVSa /G1のまま変化し
ない、従って、探針3に印加する電圧V6 の直流電圧V
b の値も変化しない。
【0054】このように感光体1bの表面電位VS が、
S =VSaのまま変化しない限り、探針3の先端電位も
図3(e)に示す電圧V6 の直流電圧Vb も電圧VSaを維
持し続ける。よって、表面電位VS は直流電圧V9 を電
圧計26で読取り、パワーアンプ19のゲインG1 を掛
けることにより、VS =VSaとして求められる。
【0055】一方、これらの電圧V21,V22を加算器3
1により加算した電圧V10は、差動増幅器32で基準電
圧V13と比較される。この基準電圧V13の値は、探針3
の先端と感光体1bの表面との間の平均距離xが、所望
の距離xa となった場合の電圧V10の出力と等しい値に
予め設定されたものである。また、この時の電圧Vp
p =Vpaと設定しておく。
【0056】即ち、この時の電圧V10は V10 =V21 +V22 =V11a +V12a =2(c・A0 −d・Vpa 2/xa 3 ) …………………(18) となる。
【0057】従って、基準電圧V13も V13 =V10 =2(c・A0 −d・Vpa 2/xa 3 ) …………(19) のように設定されている。
【0058】今、仮に平均距離xが所望の値となってい
るとし(x=xa )、この時の電圧V10の値V10a が基
準電圧V13と等しい値、即ち、V10a =V11a+V12a
13になっていたとする。すると、この時の電圧V14
14=0であり、これを積分した出力V15も変動しな
い。従って、この出力V15をバンドパスフィルタ34に
より周波数帯域で分離した各信号VL,VH,VMは変化
しない。よって、信号VL,VM は各々距離xを所望値
a に維持させるに必要な電圧VLa,VMaを維持したま
まとなり、信号VH は電圧源17の交流信号の振幅をV
4aに維持させるに必要な電圧VHaを維持したままとな
る。よって、粗動、微動用のボイスコイル27、PZT
28は変位を示さず、電圧源17による交流電圧の振幅
も変化を示さない。
【0059】次に、X,Y軸アクチュエータ29により
試料2をX軸又はY軸方向に移動させ、探針3直下の試
料表面の位置が移動した場合を考える。ここでは、この
ような移動により、図3に示したような状態から、感光
体1bの表面電位VS は変化せずVS =VSaのままと
し、感光体1bの表面が高さΔxの突起の存在により探
針3・感光体1b間の距離xのみがΔx分だけ小さくな
り(近付き)、x=xb=xa −Δxになったものと
し、その測定シーケンスを図4を参照して説明する。
【0060】ただし、動作説明を容易にするため、Δx
なる距離変化は周波数帯域としては高周波成分にしか含
まれておらず、よって、信号VH には変化を生ずるもの
の、信号VM,VLには変化が生じないものとする。
【0061】まず、感光体1b表面と探針3先端とが近
付くと、(2)式においてxの値が小さくなるので、力F
は大きくなる。即ち、 F1b =(b/2)・Vpa 2/xb 2 =(b/2)・Vpa 2/(xa−Δx)2 >(b/2)・Vpa 2/xa 2 =F1a ……………………(20) F2b =(b/2)(−Vpa)2/xb 2 =(b/2)(−Vpa)2/(xa−Δx)2 >(b/2)(−Vpa)2/xa 2 =F2a ……………………(21) で表される。
【0062】これにより、振動振幅Aも小さくなり、こ
の振幅を表す電圧V11b,V12bは、各々 V11b =c・A0 −d・Vp 2/x3 =c・A0 −d・Vpa 2/xb 3 =c・A0 −d・Vpa 2/(xa−Δx)3 <c・A0 −d・Vpa 2/xa 3 =V11a ………………(22) V12b =c・A0 −d(−Vp)2/x3 =c・A0 −d(−Vpa)2/xb 3 =c・A0 −d(−Vpa)2/(xa−Δx)3 <c・A0 −d(−Vpa)2/xa 3 =V12a ………………(23) となる。
【0063】また、 Vpa 2 =(−Vpa)2 …………………………………………(24) であるので、(22)(23)式より V11b =V12b ………………………………………………(25) なる結果となる。
【0064】ここに、V21は時刻t1 における電圧V1
の値、即ち、V11b を保持し、V22は時刻t2 における
電圧V12b を保持しているので、V21=V11b,V22
12bとなる。よって、(25)式より、V3 =V22−V21
=0となる。
【0065】即ち、V11b,V12bは V11b < V11a ………………………………………………(26) V12b < V12a ………………………………………………(27) ではあるが、(25)式に示したように、V11b =V12b
あるので、V3 =0となる。よって、電圧V3 を積分し
た電圧V9 も変化せず、電圧V6 の直流バイアス電圧V
b も図3に示した状態から変化しない。従って、電圧V
9 は感光体1bの表面電位を表すものとなる。
【0066】これによれば、感光体1bの表面電位VS
がVS =VSaのままで変化しなければ、表面の突起によ
り感光体1b表面と探針3との間の距離dが小さくなっ
ても、このような変動が表面電位の測定結果には何ら影
響を及ぼさないものとなり、表面電位がVSaである正し
い結果が得られるものとなる。即ち、表面電位の測定結
果は、距離dの変動に対して不感となる。
【0067】一方、この時の電圧V21,V22の和である
電圧V10の値をV10b とすると、(26)(27)式より、 V10b =V11b +V12b <V11a +V12a =V13 ………………(28) となり、 V14 =−(V11b +V12b −V13)>0 ………………(29) となる。
【0068】ここに、積分器33は反転積分器であり、
電圧V14が正になると、電圧V15の値は小さくなってい
く。前述したように、この変化は周波数帯域として高周
波である場合を仮定しているので、信号VH の値のみが
小さくなっていく。この時、電圧源17はその振幅Vp
が信号VH により制御されており、信号VH が小さくな
ると振幅Vp も小さくなっていく。振幅Vp が小さくな
ると、(22)(23)式よりV11b,V12bの値は大きくなって
いく。このような動作は、 V11b +V12b =V13 ……………………………………(30) となるまで続けられる。従って、信号VH の変化から試
料2表面のΔxなる突起、即ち、表面形状を測定するこ
とができる。Δxが突起でなく、窪みの場合も、上記の
動作において極性が反対となるだけであり、同様に測定
できる。
【0069】特に、請求項4記載の発明にいうように粗
動、微動用のボイスコイル27、PZT28により、低
周波で大きい振幅の試料2表面と探針3との間の距離変
動を除去しており、高周波で小さい振幅の距離変動を探
針3に印加している電圧の交流成分の振幅により測定す
る場合は、この交流成分の振幅変動と距離との間に比例
関係が成立し、容易に表面形状を測定し得る。ここに、
電圧V6 の交流成分の振幅Vp は信号VH により制御さ
れているので、VH とVp との間に比例関係があれば、
電圧計38の測定結果により表面の突起高さΔxの値を
直線性をもって測定できる。
【0070】以上のように、X,Y軸アクチュエータ2
9の動作により探針3直下の試料2表面箇所が移動し、
これにより探針3直下の試料2表面の電位は変化せず、
高さΔxの突起が探針3直下に現われた場合であって
も、表面電位の測定値(電圧計26の測定値)は、Δx
に対して不感となる。同時に、電圧計38により測定さ
れる信号VH の値からΔxのみを測定することもでき
る。
【0071】次に、X,Y軸アクチュエータ29により
試料2がX軸又はY軸方向に移動し、探針3直下の試料
2表面箇所が移動し、これにより、図3に示した状態か
ら感光体1bの表面電位VS のみが変化してVS =VSc
=VSa−ΔVS となったが、感光体1b表面と探針3先
端との間の距離xは変化しない(x=xa のままであ
り、表面に凹凸が存在しない)とした場合の測定シーケ
ンスを図5を参照して説明する。
【0072】いま、表面電位VS がVSaからVSc=VSa
−ΔVS に変化したとする。また、探針3の先端電位V
6 は図3(e)に示した値と同じであるとする。すると、
図5(a)に示すように感光体1bの表面と探針3先端と
の電位差は、時刻t1 においてはVpa+ΔVS 、時刻t
2 においてはVpa−ΔVS となる。つまり、時刻t1
おける電位差が、時刻t2 における電位差よりも大きく
なる。従って、探針3先端の受ける静電引力FS も同図
(b)に示すように時刻t2 の時の値F2cよりも時刻t1
の時の値F1cのほうが大きくなる。
【0073】即ち、 F1c =(b/2)(Vpa+ΔVS )2/xa 2 >F1a =F2a ……(31) F2c =(b/2)(Vpa−ΔVS )2/xa 2 <F1a =F2a ……(32) となり、F1c>F2cであるので、時刻t1,t2での電圧
1 の値V11c,V12cは、各々 V11c =c・A0 −d(Vp +ΔVS )2/xa 3 <V11a =V12a …………………………………(33) V12c =c・A0 −d(Vp −ΔVS )2/xa 3 >V12a =V11a …………………………………(34) となる。よって、 V11c <V12c …………………………………(35) なる結果が得られる。
【0074】この結果、前述したように、時刻t1 にお
けるサンプルホールド電圧V11c は時刻t2 におけるサ
ンプルホールド電圧V12c の値より小さくなる(同図
(d)〜(f)参照)。よって、サンプルホールド回路2
1,22の各々の出力電圧V21,V22の間には、V21
22なる関係が成立する。従って、差動アンプ23の出
力V3 は同図(g)に示すように正の電圧となる。この電
圧V3 は、 V3 =V3c=V12c−V11c =(4d/xa 3 )・Vp・ΔVS ……………………(36) で表される。ここに、積分器24は反転積分器なので、
この電圧V3 を積分し、直流電圧V9 の電位は当初の値
Sa/G1 から減少されていく。
【0075】直流電圧V9 が減少すると、同図(h)に示
すように、探針3(片持ち梁9)に対する電圧V6の交
流振幅のバイアス電圧Vb(振幅の中心電圧)も小さく
なり、このバイアス電圧VbがVSa−ΔVSとなった時、
即ち、Vb =VScとなった時に、Vb の変動は止まる。
そして、図3の場合と同様に、電圧V6 はVb =VSa
ΔVS =VScなる直流電圧を中心とし振幅Vpaの電圧と
なる。この時の感光体1bの表面電位はVSa−ΔVS
あるので、図5(i)に示すように、時刻t1,t2におい
て受ける静電引力F1d,F2dはF1d=F2dとなる。この
結果、電圧V3はV3=0となり、直流電圧V9 は(VSa
−ΔVS )/G1 なる電圧を維持する。この時の感光体
1bの表面電位は、電圧計26の指示値(VSa−Δ
S )/G1に既知の値G1 を掛けた値により求められ
る。
【0076】感光体1bの表面電位がVSa+ΔVS に変
化した場合は、上記の処理の電圧の増減関係が逆になる
だけで、同様に電圧V9 を可変させる制御を行なうこと
により、最終的にはVb =VSa+ΔVS となる。
【0077】一方、感光体1b表面・探針3先端間の距
離の測定に関して説明する。前述した(33)(34)式におい
て、実際の測定では、常に探針3の電圧への帰還制御を
掛けていれば、 Vpa ≫ΔVS ……………………………………(37) であるので、 Vpa 2 ≫ΔVS 2 ……………………………………(38) 2Vpa・ΔVS ≫ΔVS 2 ……………………………………(39) となる。
【0078】よって、(33)(34)式より V11c =c・A0−d(Vpa+ΔVS )2/xa 3 =c・A0−d(Vpa 2+2Vpa・ΔVS+ΔVS 2)/xa 3 ≒c・A0−d(Vpa 2+2Vpa・ΔVS)/xa 3 …………(40) V12c =c・A0−d(Vpa−ΔVS )2/xa 3 =c・A0−d(Vpa 2−2Vpa・ΔVS+ΔVS 2)/xa 3 ≒c・A0−d(Vpa 2−2Vpa・ΔVS)/xa 3 …………(41) となる。
【0079】この時、電圧V21,V22は時刻t1 におけ
る電圧V21(=V11c )、時刻t2における電圧V
22(=V12c )を保持したものであるので、図5(e)
(f)に示すように、V21=V11c ,V22=V12c とな
る。
【0080】また、電圧V10はこれらの電圧V21,V22
の和であるので、 V10 =V21 +V22 =V11c +V12c =c・A0−d(Vpa 2+2Vpa・ΔVS)/xa 3 +c・A0−d(Vpa 2−2Vpa・ΔVS)/xa 3 =2c・A0 −2d・Vpa 2/xa 3 =2(c・A0 −d・Vpa 2/xa 3) ………………(42) となる。
【0081】また、基準電圧V13は(19)式で求めた値が
予め設定されているので、(19)式と(42)式とより、図5
に示す状態でも、V13=V10となる。従って、V14もV
14=0となる。これはV15が変化しないことを意味し、
試料2の表面凹凸の測定結果である電圧計38の指示値
は、表面電位VS の変化に対して全く影響を受けず変化
しないものとなる。即ち、Vp =Vpaのままである。
【0082】以上のことから、感光体1b表面に凹凸が
存在せずその表面電位のみが変化する場合であっても、
表面電位VS の変化のみを測定し得るものとなる。
【0083】さらに、表面電位VS がVSaからVSd=V
Sa−ΔVS に、距離xが高さΔxの突起によりxa から
d =xa −Δxに、同時に変化した場合の測定シーケ
ンスについて説明する。この場合、そのタイミングチャ
ートは図示を省略するが、図4と図5とに示したシーケ
ンスが同時に生ずるだけであるので、前述した説明に準
じ、表面電位VS と距離xの変化とを独立かつ同時に測
定し得る。
【0084】このケースにおいて、電圧V21,V22の値
を各々V11d,V12dとする。また、xd =xa −Δx、
Sd=VSa−ΔVS となり、Vp =Vpaのままであると
する。すると、(12)(13)式の場合と同様に、 V11d =c・A0 −d(Vpa+ΔVS )2/(xa−Δx)3 ………(43) V12d =c・A0 −d{−(Vpa−ΔVS )}2/(xa−Δx)3 ………(44) となる。
【0085】これらの電圧V21,V22の電位差V3 は、 V3 =V22 −V21 =V12d −V11d ={d/(xa−Δx)3}{(Vpa+ΔVS )2−(Vpa−ΔVS )2} ={4d/(xa−Δx)3}・Vpa・ΔVS ……………………(4
5) となる。ここに、x≫Δxであるので、(xa −Δ
x)3 >0となり、V3 >0となる。
【0086】よって、図5に示した場合と同様に、電圧
9 は減少していき、Vb =VSdとなり、V22=V21
なるまでV6 は減少していき、最終的にVb =VSdとな
って安定する。よって、電圧V9 の値から表面電位VSd
を測定し得るものとなる。
【0087】一方、距離の測定に関しては、 V10d =V12d +V11d =2c・A0−d{(Vpa−ΔVS )2+(Vpa+ΔVS )2 }/(xa−Δx)3 =2c・A0−d(Vpa 2−2Vpa・ΔVS+ΔVS 2+Vpa 2 +2Vpa・ΔVS+ΔVS 2)/(xa−Δx)3 =2c・A0−2d(Vpa 2+ΔVS 2)/(xa−Δx)3 ……………………………………(46) となる。ここに、Vpa 2 ≫ ΔVS 2であるので、(46)式
は V10d =2c・A0−2d・Vpa 2/(xa−Δx)3 …………………(47) となる。
【0088】また、(19)式より V10d <V13 ……………………………………(48) であるので、電圧V14は正となって、電圧V15は小さく
なる。これにより、信号VH が小さくなり、振幅Vp
小さくなっていく。この動作は、V10=V13となるまで
継続される。この時の距離は、図4で説明した場合と同
様に、電圧計38の測定結果から突起高さΔxを測定し
得るものとなる。
【0089】以上のように、表面電位VS の変動と表面
凹凸による距離変動とが同時に生じても、表面電位と距
離(突起高さ)とを各々別個に測定し得るものとなる。
【0090】この結果、上述した動作をX,Y軸アクチ
ュエータ29により試料2を2次元的に移動させて探針
3により試料2表面をラスタスキャンさせることによ
り、試料2表面上の表面電位分布及び表面形状分布を同
時かつ独立して測定し得るものとなる。
【0091】つづいて、請求項2及び5記載の発明の一
実施例を図6により説明する。前記実施例で示した部分
と同一部分は同一符号を用いて示す(以下の実施例でも
同様とする)。本実施例では、バンドパスフィルタ34
により分離された最高周波帯域の信号VH を、電圧源1
7に代えて、PZT7用の駆動電源10に帰還入力さ
せ、信号VH により駆動電源10の電圧振幅(振動振
幅)を制御するようにしたものである。具体的には、信
号VH が減少すれば交流電圧V8 の振幅は大きくなる。
信号VH の出力ラインにはその電圧振幅を測定する振動
振幅測定手段となる電圧計42が接続されている。その
他の構成は、前記実施例と同様である。
【0092】今、この交流電圧V8 の振幅をVz で表す
ものとして、本実施例の動作を説明する。本実施例の場
合も、(1)式が成立し、片持ち梁9の振動振幅A0 はP
ZT7の振動振幅に比例し、PZT7の振動振幅はこれ
に対する印加電圧の振幅Vzに比例する。即ち、 A0 ∝Vz ………………………………………………………(49) が成立する。従って、e′,e″を比例定数とすると、
(1)(3)(49)式により ΔA=−e″・Vz ・V2/x30 =e′・Vz …………………………………………(50) となる。
【0093】よって、この時の振幅は A=A0+ΔA=e′・Vz −e″・Vz ・V2/x3 …………(51) となる。ここに、電圧V1 は振幅Aに比例するので、e
1,e2を比例定数とすると、 V1 =Vz(e1−e2・V2/x3) …………………………(52) となる。
【0094】ここで、表面電位VS =VSa、Vb
Sa、V=Vp =Vpa、x=xa 、Vz=Vzaとする
と、 V11a =V12a =c・A0 −e・Vza・Vpa 2/xa 3 ……………………(53) となる。よって、V3 =0であるので、電圧V9 の値は
変化せず、VS も変化せず、Vb =VSaを保つ。ここで
eは比例定数である
【0095】ところで、x=xa の時の電圧V10の値と
してV13を設定しておく。即ち、 V13=2Vza(e1−e2・Vpa 2/xa 3) =2c・A0 −2e・Vza・Vpa 2/xa 3 ……………………(54) とする。すると、x=xa である限り、V13=V10であ
り、V14=0であるので、図3で説明した場合と同様に
して、信号VH は変化しない。
【0096】ついで、距離xについてのみその値が変化
し、x=xb=xa−Δxとなり、表面電位VS は変化し
ないものとする。また、Vz =Vzaのままであるとす
る。すると、 V11b =V12b =Vza{e1−e2・Vpa 2/(xa−Δx)3 } ……(55) であるので、V3 =0となり、表面電位VS の測定結果
となる電圧V9 は変化しない。
【0097】一方、この時のV10、即ち、V10b は V10b =V11b +V12b =2Vza{e1−e2・Vpa 2/(xa−Δx)3 }<V13 ……(56) となるので、電圧V15は小さくなっていく。
【0098】これにより、信号VH は小さくなり、駆動
電源10の振幅Vz が大きくなっていく。(56)式より、
振幅Vzaが大きくなると、V10b の値も大きくなってい
く。この動作は、V10b =V11b +V12b=V13となる
まで続けられる。従って、信号VH の変化から試料2表
面のΔxなる突起、即ち、表面形状を測定することがで
きる。Δxが突起でなく、窪みの場合も、上記の動作に
おいて極性が反対となるだけであり、同様に測定でき
る。
【0099】特に、請求項5記載の発明にいうように粗
動、微動用のボイスコイル27、PZT28により、低
周波で大きい振幅の試料2表面と探針3との間の距離変
動を除去しており、高周波で小さい振幅の距離変動を探
針3を加振させるための加振電圧の振幅変動により測定
する場合は、この加振電圧の振幅変動と距離との間に比
例関係が成立し、容易に表面形状を測定し得る。ここ
に、電圧V8 の振幅VZは信号VH により制御されてい
るので、VH とVZ との間に比例関係があれば、電圧計
42の測定結果により表面の突起の高さΔxの値を直線
性をもって測定できる。
【0100】次に、表面電位VS だけがVS =VSc=V
Sa−ΔVS となり、xは変化しない場合を考える。この
時のV21,V22をV11c,V12cとすると、 V11c =c・A0−e(Vpa +ΔVS)2・Vza/xa 3 …………(57) V12c =c・A0−e(Vpa −ΔVS)2・Vza/xa 3 …………(58) となる。この時のV3 は、 V3 =V3c =V12c −V11c =4e(Vza/xa 3)・Vpa・ΔVS >0 ……………………………………(59) で表される。
【0101】これにより、V9 の値は減少していき、V
9 =VSc /G1となると安定する。よって、V9 の値に
より表面電位VScを測定することができる。
【0102】一方、距離の測定については(40)(41)式の
場合と同様にして、 V11c ≒c・A0−e(Vpa 2+2Vpa・ΔVS )・Vza/xa 3 …(60) V12c ≒c・A0−e(Vpa 2−2Vpa・ΔVS )・Vza/xa 3 …(61) V10 =V11c +V12c =2(c・A0−e・Vpa 2・Vza/xa 3 ) ……………………………(62) として求められる。ここに、(54)式よりV10=V13であ
り、高周波成分の信号VH は変化しないので、距離の測
定結果は変化しない。
【0103】ついで、表面電位VS がVSaからVSd=V
Sa−ΔVS に変化し、また、距離xが高さΔxの突起に
よりxa からxd =xa −Δxに同時に変化した場合の
測定について説明する。ここでは、V21,V22の値を各
々V11d,V12dとする。また、xd =xa −Δx,VSd
=VSa−ΔVS となり、Vz =Vzaのままであるとす
る。
【0104】すると、 V11d =c・A0−e(Vpa +ΔVS )2・Vza/(xa−Δx)3 …(63) V12d =c・A0−e{−(Vpa −ΔVS )}2・Vza/(xa−Δx)3 ……………………………………(64) となり、 V3 =V22−V11=V12d−V11d ={e・Vza/(xa−Δx)3 }{(Vpa+ΔVS)2−(Vpa−ΔVS)2 } ={4e・Vza/(xa−Δx)3 }・Vpa・ΔVS ……………(65) となる。
【0105】ここに、xa≫Δxであるので、(xa−Δ
x)3>0なり、 V3 >0 …………………………………………………(66) となる。よって、図5で説明した場合と同様に、電圧V
9 の値は減少していき、Vb=VSdとなり、V22=V21
となるまでV6の値は減少していき、最終的にVb=VSd
で安定する。よって、電圧V9 の値から表面電位VSd
測定することができる。
【0106】一方、距離の測定については、この時の電
圧V10をV10d とすると、 V10 =V10d =V12d+V11d =2c・A0−{e・Vza/(xa−Δx)3} {(Vpa+ΔVS)2+(Vpa−ΔVS)2 } =2c・A0−{2e・Vza/(xa−Δx)3}(Vpa 2+ΔVS 2) …(67) となる。
【0107】ここに、(38)(67)式より、 V10d =2c・A0−{2e・Vza/(xa−Δx)3}・Vpa 2 …………(68) となり、(54)式より V10d <V13 …………………………………………………………(69) となる。よって、電圧V14の値は正となり、電圧V15
値は小さくなっていく。これにより、高周波成分の信号
H が小さくなり、振幅Vz は大きくなっていく。この
動作は、V10=V13となるまで続く。
【0108】以上のようにして、表面電位VS と試料2
表面の凹凸とが同時に変化しても各々を独立して測定し
得るものとなる。
【0109】この結果、上述した動作をX,Y軸アクチ
ュエータ29により試料2を2次元的に移動させて探針
3により試料2表面をラスタスキャンさせることによ
り、試料2表面上の表面電位分布及び表面形状分布を同
時かつ独立して測定し得るものとなる。
【0110】さらに、請求項3及び6記載の発明の一実
施例を図7及び図8により説明する。構成的には前記実
施例と同様であるが、前記実施例がバンドパスフィルタ
34により周波数分離された高周波成分の信号VH をP
ZT7用の駆動電源10の振動振幅制御用として用いた
のに対して、本実施例ではこの信号VH により駆動電源
10による振動周波数を制御するようにしたものであ
る。この信号VH の減少により駆動電圧V8 の周波数は
減少する。また、信号VH の出力ラインにはその周波数
を測定する振動周波数測定手段となる電圧計43が接続
されている。
【0111】このような構成において、本実施例の動作
を判りやすくするため、振幅Vz の周波数と片持ち梁9
の振動振幅との関係から説明する。今、図8において探
針3と試料2表面間との働く力が無い状態での、片持ち
梁9の振動振幅Aと加振周波数f(図7においてはVz
の周波数となる)との特性がで示すようになっている
とする。ついで、探針3先端が試料2表面に近付き、両
者間に静電引力が働き、振幅A‐加振周波数f特性が
で示すようになったとする。
【0112】この間、加振周波数fをf0 に固定したま
まであると、振幅Aは(0)の状態のA0 から(b)の状態
に移り、A0−ΔAbとなる。この時のΔAb は、gを比
例定数とすると、 ΔAb =−g・V2/x3 ……………………………………………(70) で表される。
【0113】次に、(b)の状態から周波数をf0 からΔ
fだけ小さくすると、振幅Aは(b)の状態からΔAf
け大きくなる。ここで、Δf≪f0 であれば、 ΔAf =h・Δf ……………………………………………(71) となる。従って、この時のA0 からの差ΔAは ΔA=ΔAb +ΔAf =−g・V2/x3+h・Δf ……………(72) となる。
【0114】よって、この時の振幅Aは A=A0+ΔA=A0−g・V2/x3+h・Δf ……………(73) となる。ここに、電圧V1 は振幅Aに比例するので、
i,jを比例定数とすると、 V1 =c・A0−i・V2/x3+j・Δf ……………(74) となる。ここでh,i,jは比例定数である
【0115】今、表面電位VS =VSa、Vb =VSa、V
=Vp=Vpa、x=xa 、Δf=0とすると、 V11a =V12a =c・A0−i・Vpa 2/xa 3 ………………(75) であるので、V3 =0であり、V9 の値は変化せず、表
面電位VS が変化しない限り、Vb =VSaを保つ。
【0116】ところで、x=xa の時、Δf=0、即ち
f=f0 、V=Vp =Vpaとした時のV10と同じ値に基
準電圧V13を設定しておく。即ち、 V13=2(c・A0−i・Vpa 2/xa 3) ……………………………(76) と設定する。また、VS =VSa=Vb であり、V10=V
13であるとすると、図3で説明した場合と同様に、
H,V9とも変化しない。
【0117】また、x=xa の時のV10の値に基準電圧
13の値を設定しておく。即ち、(76)式のように設定す
ると、x=xa である限り、V13=V10であり、図3で
説明した場合と同様に、VH は変化しない。
【0118】次に、距離xについてのみその値が変化
し、x=xb=xa−Δxとなり、表面電位VS は変化し
ないとする。また、加振周波数f=f0 (即ち、Δf=
0)のままであったとする。すると、 V11b =V12b =c・A0−i・Vpa 2/(xa−Δx)3 …………(77) であるので、V3 =0となり、表面電位VS の測定結果
9 は変化しない。
【0119】一方、この時のV10、即ち、V10b は V10b =V11b +V12b =2{c・A0−i・Vpa 2/(xa−Δx)3}<V13 ……(78) となるので、V15の値は小さくなっていく。これによ
り、高周波成分の信号VHは小さくなり、駆動電源10
の電圧V8 の周波数fが小さくなっていく。図8より(7
3)式のhはh<0である。よって、周波数fが小さくな
っていく、即ち、Δf<0の場合、振幅Aが大きくなっ
ていく。この動作は、V10b =V11b+V12b=V13とな
るまで続く。
【0120】特に、請求項6記載の発明にいうように粗
動、微動用のボイスコイル27、PZT28により、低
周波で大きい振幅の試料2表面と探針3との間の距離変
動を除去しており、高周波で小さい振幅の距離変動を探
針3に印加している電圧の交流成分の周波数変化により
測定する場合は、この加振電圧の周波数変動と距離との
間に比例関係が成立し、容易に表面形状を測定し得る。
【0121】この時のΔxは、周波数fの変化Δfから
比例式により容易に知ることができる。即ち、周波数変
化Δfが高周波成分の信号VH に比例するようにしてお
けば、この信号VH の値によりΔxの値を比例式より求
めることができる。
【0122】次に、表面電位VS だけがVS =VSc=V
Sa−ΔVS (ただし、ΔVS >0とする)となり、距離
xは変化しない場合を考える。この時のV21,V22をV
11c,V12c とし、周波数fは表面電位VS が変化する
前の周波数と等しい、即ち、Δf=0であるとする。す
ると、 V11c =c・A0−i(Vpa+ΔVS)2/xa 3 ……………………(79) V12c =c・A0−i(Vpa−ΔVS)2/xa 3 ……………………(80) が成立する。よって、この時のV3 は V3 =V3c=V12c−V11c =4i・Vpa・ΔVS /xa 3 >0 ……………………(81) となる。これにより、V9 の値は減少していき、V9
Sc/G1 になると安定する。よって、このV9 に基づ
き表面電位VScを測定できる。
【0123】一方、距離の測定は(40)(41)式と同様にし
て、 V11c ≒c・A0−i(Vpa 2+2Vpa・ΔVS)/xa 3 …………(82) V12c ≒c・A0−i(Vpa 2−2Vpa・ΔVS)/xa 3 …………(83) V10=V11c +V12c =2{c・A0−i・Vpa 2/xa 3} ………………………(84) により行われる。この時、(76)式よりV10=V13であ
り、高周波成分の信号Vは変化しない。よって、距離
の測定結果も変化しない。
【0124】次に、表面電位VがVSaからVSd=V
Sa−ΔVS に、距離xが高さΔxの突起によりxa から
d =xa −Δxに、同時に変化した場合の測定につい
て説明する。この場合のV21,V22の値を各々V11d
12dとする。また、xd =xa−Δx,VSd=VSa−Δ
Sとなり、Δf=0のままであるとする。すると、xa
≫Δxにより V11d =c・A0−i(Vpa+ΔVS)2/(xa −Δx)3 …………(85) V12d =c・A0−i{−(Vpa−ΔVS)}2/(xa −Δx)3 ……(86) V3 =V22−V21=V12d−V11d ={i/(xa −Δx)3}{(Vpa+ΔVS)2−(Vpa−ΔVS)2} ={4i/(xa −Δx)3}・Vpa・ΔVS >0 ………………(87) となる。
【0125】よって、図5で説明した場合と同様に、電
圧V9 は減少していき、Vb =VSdになり、V22=V21
になるまでV6 は減少していき、Vb =VSdで安定す
る。よって、電圧V9 の値から表面電位VSdを測定する
ことができる。
【0126】一方、距離の測定については、 V10=V10d =V12d+V11d =2c・A0−{i/(xa−Δx)3}{(Vpa−ΔVS)2+(Vpa+ΔVS)2} =2c・A0−2{i/(xa−Δx)3}(Vpa 2+ΔVS 2) ………(88) により行われる。ここに、(88)(38)式より V10d =2c・A0−2i・Vpa 2/(xa−Δx)3 ………………(89) となり、(75)式より V10d <V13 ………………………………………………………(90) となる。よって、V14は正となりV15は小さくなってい
く。これにより、高周波成分の信号VH が小さくなり、
振幅Vp も小さくなっていく。この動作はV10=V13
なるまで続く。
【0127】以上のようにして、表面電位VS と試料2
表面の凹凸とが同時に変化しても各々を独立して測定し
得るものとなる。
【0128】この結果、上述した動作をX,Y軸アクチ
ュエータ29により試料2を2次元的に移動させて探針
3により試料2表面をラスタスキャンさせることによ
り、試料2表面上の表面電位分布及び表面形状分布を同
時かつ独立して測定し得るものとなる。
【0129】なお、これらの本実施例ではX,Y軸アク
チュエータ29を試料2側に対して設けたが、片持ち梁
9の根元側に設けて探針3側を移動させるようにしても
よい。また、表面電位測定のための帰還制御を距離制御
に優先させ、時刻t1 における電圧V21(=V11)と時
刻t2 における電圧V22(=V12)とが、V11=V12
なった後で、V11又はV12の値をサンプルホールドする
ことにより、距離xの変化を捉える信号V10を生成する
ようにしてもよい。
【0130】
【発明の効果】請求項1,2及び3記載の発明によれ
ば、静電力検出手段の一部をなす探針支持部材の振動
を、振幅制御された交流電圧の電位を測定する形、探針
に対する振幅制御された加振装置の振動振幅を測定する
形、又は、探針に対する周波数制御された加振装置の振
動周波数を測定する形で測定するため、応答性がよく測
定精度の高い光学的測定手法を用いて測定可能となり、
また、PZT等のZ軸アクチュエータを用いる必要がな
いので、そのヒステリシス特性、PZTの変位に伴う探
針支持部材のリンギング等に起因する測定精度の低下を
生ずることもなく、さらには、容量性負荷であるPZT
を用いないので、高周波帯域における表面形状の測定に
も十分追随できるものとなる。
【0131】加えて、請求項4,5及び6記載の発明に
よれば、帰還信号を周波数帯域により分離してその一部
の周波数帯域の信号により振幅、振動振幅ないしは振動
周波数を制御する一方、残りの周波数帯域成分の信号に
より距離制御用のアクチュエータを制御するようにした
ので、測定時に大きなうねりを持つ測定対象物の表面電
位ないしは形状の測定においても、請求項1,2及び3
記載の発明のように複雑な計算式等を用いて距離変動を
求めるようなことなく、交流電圧の電位の変化から簡単
な比例式を用いて表面形状を測定でき、さらには、アク
チュエータ制御により探針先端と測定対象物表面とを近
接させ、ほぼ一定の距離に保つことができ、測定分解能
が低下することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び4記載の発明の一実施例を示す回
路構成図である。
【図2】探針付近を拡大して示す模式図である。
【図3】表面電位の変動及び距離の変動のない場合の測
定動作を示すタイミング波形図である。
【図4】距離の変動した場合の測定動作を示すタイミン
グ波形図である。
【図5】表面電位の変動した場合の測定動作を示すタイ
ミング波形図である。
【図6】請求項2及び5記載の発明の一実施例を示す回
路構成図である。
【図7】請求項3及び6記載の発明の一実施例を示す回
路構成図である。
【図8】加振周波数‐振動振幅特性図である。
【図9】既提案例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
2 測定対象物 3 探針 7 加振装置 9 片持ち梁 12 静電力検出手段 16 電位制御手段 26 直流電位測定手段 27,28 アクチュエータ 34 分離手段 37 振幅制御手段 38 交流電位測定手段 39 距離制御手段 40,41 変位測定手段 42 振動振幅測定手段 43 振動周波数測定手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 29/12 G01R 29/24 G01N 13/12 G01N 13/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物に対向させた導電性の探針
    と、この探針と前記測定対象物の表面電位との間に作用
    する静電力を検出する静電力検出手段と、前記探針に対
    して直流電圧に交流電圧を重畳して交流電圧が正側に振
    れた時の静電力と負側に振れた時の静電力とが等しくな
    るように前記直流電圧を可変させる電位制御手段と、前
    記探針の前記直流電圧の電位を測定する直流電位測定手
    段と、前記交流電圧が、正側に振れた時の静電力が一定
    となり、又は、負側に振れた時の静電力が一定となり、
    又は、正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の静電
    力との和が一定となるように前記交流電圧の振幅を制御
    する振幅制御手段と、前記交流電圧の電位を測定する交
    流電位測定手段とよりなることを特徴とする表面電位及
    び形状測定器。
  2. 【請求項2】 加振装置により加振される片持ち梁の先
    端に保持された探針と、静電力に応じて変化するこの探
    針の振動振幅を検出する変位検出器による静電力検出手
    段と、前記探針に対して直流電圧に交流電圧を重畳して
    交流電圧が正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の
    静電力とが等しくなるように前記直流電圧を可変させる
    電位制御手段と、前記探針の前記直流電圧の電位を測定
    する直流電位測定手段と、前記交流電圧が、正側に振れ
    た時の前記探針の振幅が一定となり、又は、負側に振れ
    た時の前記探針の振幅が一定となり、又は、正側に振れ
    た時の前記探針の振幅と負側に振れた時の前記探針の振
    幅との和が一定となるように前記加振装置による振動振
    幅を制御する振幅制御手段と、この振動振幅を測定する
    振動振幅測定手段とよりなることを特徴とする表面電位
    及び形状測定器。
  3. 【請求項3】 加振装置により加振される片持ち梁の先
    端に保持された探針と、静電力に応じて変化するこの探
    針の振動振幅を検出する変位検出器による静電力検出手
    段と、前記探針に対して直流電圧に交流電圧を重畳して
    交流電圧が正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の
    静電力とが等しくなるように前記直流電圧を可変させる
    電位制御手段と、前記探針の前記直流電圧の電位を測定
    する直流電位測定手段と、前記交流電圧が、正側に振れ
    た時の前記探針の振幅が一定となり、又は、負側に振れ
    た時の前記探針の振幅が一定となり、又は、正側に振れ
    た時の前記探針の振幅と負側に振れた時の前記探針の振
    幅との和が一定となるように前記加振装置による振動周
    波数を制御する周波数制御手段と、この振動周波数を測
    定する振動周波数測定手段とよりなることを特徴とする
    表面電位及び形状測定器。
  4. 【請求項4】 測定対象物に対向させた導電性の探針
    と、この探針と前記測定対象物の表面電位との間に作用
    する静電力を検出する静電力検出手段と、前記探針に対
    して直流電圧に交流電圧を重畳して交流電圧が正側に振
    れた時の静電力と負側に振れた時の静電力とが等しくな
    るように前記直流電圧を可変させる電位制御手段と、前
    記探針の前記直流電圧の電位を測定する直流電位測定手
    段と、前記交流電圧が、正側に振れた時の静電力値を測
    定する前記静電力検出手段からの、又は、負側に振れた
    時の静電力値を測定する前記静電力検出手段からの、又
    は、前記交流電圧が、正側に振れた時の静電力と負側
    に振れた時の静電力との和を測定する前記静電力検出
    手段からの帰還信号を周波数帯域により分離する分離手
    段を有して分離された一部の周波数帯域の帰還信号によ
    り前記交流電圧の振幅を制御する振幅制御手段と、前記
    交流電圧の電位を測定する交流電位測定手段と、前記交
    流電位測定手段の測定値から前記測定対象物の表面形状
    の前記一部の周波数帯域に対応した空間周波数成分を測
    定する第1の空間周波数成分測定手段と、前記分離手段
    により分離された前記交流電圧の振幅を制御する前記一
    部の周波数帯域の信号を除く帰還信号により前記測定対
    象物と前記探針との間の距離を制御するアクチュエータ
    を有する距離制御手段と、前記アクチュエータの変位量
    を測定する変位測定手段と、前記変位測定手段の測定値
    から前記測定対象物の表面形状の前記一部の周波数帯域
    以外の周波数帯域に対応した空間周波数成分を測定する
    第2の空間周波数成分測定手段とよりなることを特徴と
    する表面電位及び形状測定器。
  5. 【請求項5】 加振装置により加振される片持ち梁の先
    端に保持された探針と、静電力に応じて変化するこの探
    針の振動振幅を検出する変位検出器による静電力検出手
    段と、前記探針に対して直流電圧に交流電圧を重畳して
    交流電圧が正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の
    静電力とが等しくなるように前記直流電圧を可変させる
    電位制御手段と、前記探針の前記直流電圧の電位を測定
    する直流電位測定手段と、前記交流電圧が、正側に振れ
    た時の静電力値を測定する前記静電力検出手段からの
    又は、負側に振れた時の静電力値を測定する前記静電力
    検出手段からの、又は、前記交流電圧が、正側に振れた
    時の静電力と負側に振れた時の静電力との和を測定
    する前記静電力検出手段からの帰還信号を周波数帯域に
    より分離する分離手段を有して分離された一部の周波数
    帯域の帰還信号により前記加振装置による振動振幅を制
    御する振幅制御手段と、この振動振幅を測定する振動振
    幅測定手段と、前記振動振幅測定手段の測定値から前記
    測定対象物の表面形状の前記一部の周波数帯域に対応し
    た空間周波数成分を測定する第1の空間周波数成分測定
    手段と、前記分離手段により分離された前記加振装置に
    よる振動振幅を制御する前記一部の周波数帯域の信号を
    除く帰還信号により前記測定対象物と前記探針との間の
    距離を制御するアクチュエータを有する距離制御手段
    と、前記アクチュエータの変位量を測定する変位測定手
    段と、前記変位測定手段の測定値から前記測定対象物の
    表面形状の前記一部の周波数帯域以外の周波数帯域に対
    応した空間周波数成分を測定する第2の空間周波数成分
    測定手段とよりなることを特徴とする表面電位及び形状
    測定器。
  6. 【請求項6】 加振装置により加振される片持ち梁の先
    端に保持された探針と、静電力に応じて変化するこの探
    針の振動振幅を検出する変位検出器による静電力検出手
    段と、前記探針に対して直流電圧に交流電圧を重畳して
    交流電圧が正側に振れた時の静電力と負側に振れた時の
    静電力とが等しくなるように前記直流電圧を可変させる
    電位制御手段と、前記探針の前記直流電圧の電位を測定
    する直流電位測定手段と、前記交流電圧が、正側に振れ
    た時の静電力値を測定する前記静電力検出手段からの
    又は、負側に振れた時の静電力値を測定する前記静電力
    検出手段からの、又は、前記交流電圧が、正側に振れた
    時の静電力と負側に振れた時の静電力との和を測定
    する前記静電力検出手段からの帰還信号を周波数帯域に
    より分離する分離手段を有して分離された一部の周波数
    帯域の帰還信号により前記加振装置による振動周波数を
    制御する周波数制御手段と、この振動周波数を測定する
    振動周波数測定手段と、前記振動周波数測定手段の測定
    値から前記測定対象物の表面形状の前記一部の周波数帯
    域に対応した空間周波数成分を測定する第1の空間周波
    数成分測定手段と、前記分離手段により分離された前記
    加振装置による振動周波数を制御する前記一部の周波数
    帯域の信号を除く帰還信号により前記測定対象物と前記
    探針との間の距離を制御するアクチュエータを有する距
    離制御手段と、前記アクチュエータの変位量を測定する
    変位測定手段と、前記変位測定手段の測定値から前記測
    定対象物の表面形状の前記一部の周波数帯域以外の周波
    数帯域に対応した空間周波数成分を測定する第2の空間
    周波数成分測定手段とよりなることを特徴とする表面電
    位及び形状測定器。
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