JP3249476B2 - 中空ユニットローラ - Google Patents

中空ユニットローラ

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JP3249476B2 JP26097298A JP26097298A JP3249476B2 JP 3249476 B2 JP3249476 B2 JP 3249476B2 JP 26097298 A JP26097298 A JP 26097298A JP 26097298 A JP26097298 A JP 26097298A JP 3249476 B2 JP3249476 B2 JP 3249476B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯板圧延ライン等
に付設される帯板巻付機に用いて好適のユニットローラ
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図4に示すように、圧延設備等
の帯板処理ライン30,圧延ラインのローラテーブル31,
ライン30の出側のピンチロール32およびライン30の出側
に配置された帯板巻取用のマンドレル33からなる帯板巻
取設備においては、マンドレル33のまわりに配置された
帯板巻付用ユニットローラ39〜42を有する帯板巻付機34
が装備されるようになっている。
【0003】すなわち、帯板巻付機34は、圧延ラインの
帯板50をマンドレル33に巻付けるため、支持軸35に端部
を支持された各対の3組の回動フレーム36,37,38上
に、マンドレル33の周面に接するように平行軸に支持さ
れた4本のユニットローラ39,40,41,42と、巻付けガ
イド部材43,44,45,46とを備えるとともに、回動フレ
ーム36,37,38を回動させるシリンダ47,48,49を備え
ている。
【0004】帯板処理ライン30上で処理された帯板50
は、ライン出側からマンドレル33へ案内され、マンドレ
ル33の矢印方向の回転駆動と、4組のユニットローラ3
9,40,41,42の逆まわりの回転と巻付けガイド部材4
3,44,45,46の案内とによってマンドレル33上に巻取
られる。
【0005】上述のような、帯板巻付機34のユニットロ
ーラ39,40,41,42は、図5に示すように、従来は一般
に中実のローラとして構成されている。
【0006】一方、圧延ライン等では、帯板の圧延条件
の制御技術の向上等によって帯板の通板速度が次第に高
速化しつつあり、それに伴って帯板巻取用のマンドレル
33の回転速度と巻付機のユニットローラ回転速度も次第
に高速化してきている。
【0007】その結果、マンドレル33上に高速で送り込
まれる帯板50と、質量の大きい中実ユニットローラ39〜
42との間の衝撃力が著しく増大してきている。例えば図
6に示すように、帯板50の巻取りに際して厚さのある帯
板50の先端50aがマンドレル33と中実ユニットローラ40
との間に噛込まれる時、あるいは、帯板50の先端50aが
マンドレル33と共に回転して帯板50の先端50a上に2層
目、3層目の帯板50が巻重なって噛込まれる時、非常に
強い衝撃力が生じ、板面やユニットローラ40を損傷する
問題がある。
【0008】また他方で、個々のユニットローラを軽量
にして、回転中の衝撃力を少なくするために、ユニット
ローラを中空構造にすることが考えられている。図7は
従来帯板用ローラ等に用いられている中空ローラ60の構
成を示している。中空ローラ60は、両端のシャフト部61
と中空のローラ部62とに分割して形成され、またローラ
部62は、中央部に中空部63を有するとともに両端側に嵌
合孔64を有するように形成され、このようにして成形さ
れた筒形ローラ部62の両端嵌合孔64にシャフト部61を焼
嵌めにより固着一体化する構造が採用されている。な
お、ローラ部62の表面には溶接成形された硬化層65が設
けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
な焼嵌め構造による中空ローラ60は、帯板通板速度が高
速化したラインで使用すると、高速回転下での衝撃力の
繰返しに、焼嵌固定部の強度が不足し耐えられないとい
う問題がある。
【0010】そこで本発明は、上述した従来の問題点を
解消し、高速回転下での衝撃力に安全に耐用できるよう
にした中空のユニットローラを提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明の中空ユニットローラは、外端にシャフトを
一体に設けられた両端側の2個のシャフト付ローラ部分
と、1個の中間ローラ部分とに分割して形成され、上記
中間ローラ部分には軸方向に貫通する貫通中空孔が形成
され、上記シャフト付ローラ部分には上記中間ローラ部
分の貫通中空孔に連なる浅い深さの中空孔端部が形成さ
れ、上記の中間ローラ部分と各シャフト付ローラ部分と
が相互に突合わせ溶接接合され、上記の溶接接合された
ローラ全周に表面硬化層が形成されたことを特徴として
いる。
【0012】上述の本発明の中空ユニットローラでは、
中間ローラ部分とシャフト付ローラ部分とが突合わせ溶
接されるので、従来の中空筒の両端にシャフトを焼嵌め
たものと比べて、衝撃に耐える強度が著しく高められ、
しかもその突合わせ溶接部分を覆うようにローラ全周に
わたり表面硬化層が形成されることと相まって、帯板巻
付機等に用いた場合の高速回転下での衝撃力の繰返しに
十分に耐えられるようになる。
【0013】また、本発明の中空ユニットローラは、上
記の中間ローラ部分と各シャフト付ローラ部分とが、V
形開先の突合わせ面で相互に溶接接合されたことを特徴
としており、これにより十分な強度が得られるほか、工
作が容易になる利点も得られる。
【0014】さらに、本発明の中空ユニットローラは、
上記V形開先が、内径部および外形部の各応力範囲を最
適にするため非対称のV形に形成されたことを特徴とし
ている。
【0015】このように、非対称V形の開先を用いて中
間ローラ部分とシャフト付ローラ部分との溶接接合を行
なうことにより、内径部側の応力範囲を外径部側よりも
低く抑えることができ、外径部側については溶接後に機
械加工により溶接欠陥を取り除くようにして、全体とし
て溶接接合部の強度を高めることができる。
【0016】また、本発明の中空ユニットローラは、上
記シャフト付ローラ部分の中空孔端部が、孔の内周面か
ら一定の曲率Rで平らな内端面に連なるように形成さ
れ、上記の中間ローラ部分と各シャフト付ローラ部分と
の溶接部が、上記中空孔端部における一定曲率の凹弯曲
面の内側終端部からローラ中央側にわたる部分でのロー
ラ外面の応力範囲およびローラ内面の応力範囲の両方が
過大とならない位置に設けられたことを特徴としてい
る。
【0017】上述のように、中間ローラ部分と各シャフ
ト付ローラ部分との溶接部の位置の選定に際して、同溶
接部におけるローラ外面の応力範囲およびローラ内面の
応力範囲が共に過大とならないように、溶接位置の選択
が適切に行なわれることにより、この中空ユニットロー
ラの衝撃に対する強度が一層高められるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の一実施
形態としての中空ユニットローラについて説明すると、
図1はその縦断面図、図2は図1のII部の拡大図、図3
は図1,2の中空ユニットローラにおける溶接部のロー
ラ外面とローラ内面とにおける応力範囲について、同溶
接部の位置に関して示すグラフである。
【0019】本実施形態のユニットローラ10も、図4に
示した帯板の巻付機に用いられているユニットローラ39
〜42と同様に用いられるものであるが、図1,2に示す
ように、本実施形態ではユニットローラ10が中空孔15を
有する中空構造になっている。
【0020】そして、1個の中間ローラ部分12と、その
両端にそれぞれ突合わせ溶接部13を介し溶接接合された
シャフト11a付ローラ部分11とでユニットローラ10が構
成されている。
【0021】中間ローラ部分12は軸方向に貫通する貫通
中空孔15bを形成され、シャフト付ローラ部分11には、
図2に示すごとく、中間ローラ部分12の中空孔15bに連
なる浅い深さの中空孔端部15aを形成されている。
【0022】すなわち、中空孔端部15aは、中間ローラ
部分12の貫通中空孔15bの内周面と同径の内周面16aを
有するとともに、この内周面16aから一定曲率Rの凹弯
曲面16bを経て平らな内端面16cに連なる形状を有して
いる。
【0023】シャフト付ローラ部分11と中間ローラ部分
12との突合わせ溶接部13は、中空孔15の内周面16a側に
おいて、凹弯曲面16bの内側終端部(内側Rエンド)か
ら僅かにローラ中央側へ寄った位置に設けられている。
図1中でRcが中空ユニットローラの中央位置を示し、
Reが凹弯曲面16bの内側終端位置を示している。
【0024】そして、シャフト付ローラ部分11と中間ロ
ーラ部分12の両端との溶接部13は、非対称のV形の溶接
用開先13a,13bを介して溶接されている。
【0025】[表1]では、上述した構成で作られた実
機対応のモデルのもとで、ローラ10の荷重側と反荷重側
とで、両端近くの微小間隔位置毎に、ローラの外面と内
面の応力分布を計算し、荷重側、反荷重側の両応力を合
わせた大きさ(応力範囲)を求めた結果を示している。
【表1】
【0026】すなわち、[表1]に、内側のRe位置
(内側Rエンド)からの距離をパラメータとして、ロー
ラ外面の応力範囲とローラ内面の応力範囲の分布を示し
ている。[表1]からローラ外面の応力範囲とローラ内
面の応力範囲の両方が過大とならない溶接可能位置を見
つけることができる。
【0027】図3は、[表1]に示すデータをグラフに
表わしたもので、溶接可能位置を特定できる。図示はそ
の一例で内側のRエンドから約30〜80mmの範囲で
V形開先で溶接することを示している。そして、V形開
先13a,13bの開き角度を大きくとることで作業性を高
めている。
【0028】なお、この溶接部では、内径側において、
溶接欠陥が出やすい上、その溶接後のグラインダー手入
れができないため、できるだけ応力の低い部分を用いる
ことが望ましく、外径側は溶接後に機械加工して溶接欠
陥の取除きができるため、応力を高くとることが可能で
ある。この結果、溶接開先13a,13bの開き角度は、溶
接部の外径側の応力範囲をあまり大きくしないで、且つ
内径側の応力範囲を低く抑えるために非対称としてい
る。
【0029】すなわち、この突合わせ溶接部13の配置と
構成によると、中空ユニットローラ10が、高速回転時お
よび高速回転下で受ける衝撃力を中空ユニットローラ10
の荷重側、反荷重側の応力合計値の低分布区域で、シャ
フト付ローラ部分11と中間ローラ部分12とを大きい接合
面で溶接されることとなる。
【0030】この結果、中空ユニットローラ10の溶接部
13の強度不足が解消され、高速回転下で安全に衝撃力に
耐えられる中空ユニットローラを提供できる。
【0031】また、溶接接合されたユニットローラ10全
周面には表面硬化層14が施されるので、溶接部13による
溶接接合と相まって、帯板巻付機等に用いた場合の高速
回転下での繰返し衝撃力にも十分に耐えられるようにな
る。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の中空ユニ
ットローラによれば次のような効果が得られる。 (1) 中間ローラ部分とシャフト付ローラ部分とが突合わ
せ溶接されるので、従来の中空筒の両端にシャフトを焼
嵌めしたものと比べて、衝撃に耐える強度が著しく高め
られ、しかもその突合わせ溶接部分を覆うようにローラ
全周にわたり表面硬化層が形成されることと相まって、
帯板巻付機等に用いた場合の高速回転下での衝撃力の繰
返しに十分に耐えられるようになる。 (2) 上記の中間ローラ部分と各シャフト付ローラ部分と
が、V形開先の突合わせ面で相互に溶接接合されること
により、十分な強度が得られるほか、工作が容易になる
利点も得られる。 (3) 非対称V形の開先を用いて中間ローラ部分とシャフ
ト付ローラ部分との溶接接合を行なうことにより、内径
部側の応力範囲を外径部側よりも低く抑えることがで
き、外径部側については溶接後に機械加工により溶接欠
陥を取り除くようにして、全体として溶接接合部の強度
を高めることができる。 (4) 中間ローラ部分と各シャフト付ローラ部分との溶接
部の位置の選定に際して、同溶接部におけるローラ外面
の応力範囲およびローラ内面の応力範囲が共に過大とな
らないように、溶接位置の選択が適切に行なわれること
により、この中空ユニットローラの衝撃に対する強度が
一層高められるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての中空ユニットロー
ラの縦断面図である。
【図2】図1のII部の拡大図である。
【図3】ローラ外面の応力範囲およびローラ内面の応力
範囲の各分布の例を示すグラフである。
【図4】従来の帯板巻付機の一例を示す側面図である。
【図5】図4の帯板巻付機に用いられている中実のユニ
ットローラの構造を示す説明図である。
【図6】図4の帯板巻付機においてユニットローラが繰
返し衝撃力を受ける状態を示す説明図である。
【図7】従来の焼嵌め構造のユニットローラを示す説明
図である。
【符号の説明】
10 中空ユニットローラ 11 シャフト付ローラ部分 12 中間ローラ部分 13 突合わせ溶接部 13a,13b V形開先部 14 表面硬化層 15 貫通中空孔 15a 中空孔端部 15b 貫通中空孔 16a 内周面 16b 凹弯曲面 16c 平らな内端面 Rc ユニットローラ中央位置 Re 内側Rエンド位置 30 帯板処理ライン 33 マンドレル 34 帯板巻付機 35 支持軸 36, 37, 38 回動フレーム 39, 40, 41, 42 ユニットローラ 43,44,45,46 巻付ガイド部材 47,48,49 油圧シリンダ 50 帯板 50a 帯板の先端

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空構造のユニットローラであって、同
    ユニットローラが、外端にシャフトを一体に設けられた
    両端側の2個のシャフト付ローラ部分と、1個の中間ロ
    ーラ部分とに分割して形成され、上記中間ローラ部分に
    は軸方向に貫通する貫通中空孔が形成され、上記シャフ
    ト付ローラ部分には上記中間ローラ部分の貫通中空孔に
    連なる浅い深さの中空孔端部が形成され、上記の中間ロ
    ーラ部分と各シャフト付ローラ部分とが相互に突合わせ
    溶接接合され、上記の溶接接合されたローラ全周に表面
    硬化層が形成されたことを特徴とする、中空ユニットロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 上記の中間ローラ部分と各シャフト付ロ
    ーラ部分とが、V形開先の突合わせ面で相互に溶接接合
    されたことを特徴とする、請求項1に記載の中空ユニッ
    トローラ。
  3. 【請求項3】 上記のV形開先が、内径部および外形部
    の各応力範囲を最適にするため非対称のV形に形成され
    たことを特徴とする、請求項2に記載の中空ユニットロ
    ーラ。
  4. 【請求項4】 上記シャフト付ローラ部分の中空孔端部
    が、孔の内周面から一定の曲率Rで平らな内端面に連な
    るように形成され、上記の中間ローラ部分と各シャフト
    付ローラ部分との溶接部が、上記中空孔端部における一
    定曲率の凹弯曲面の内側終端部からローラ中央側にわた
    る部分でのローラ外面の応力範囲およびローラ内面の応
    力範囲の両方が過大とならない位置に設けられたことを
    特徴とする、請求項1〜3の何れか1つに記載の中空ユ
    ニットローラ。
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KR101011989B1 (ko) * 2008-09-24 2011-01-31 에스엠메탈(주) 압연장치의 강판 이송용 탑/바텀 핀치롤러
CN101947721B (zh) * 2010-09-30 2012-07-04 陕西航空电气有限责任公司 小孔口大内孔类空心轴的加工方法

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