JP3249377B2 - 光記録媒体の再生方法 - Google Patents

光記録媒体の再生方法

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JP3249377B2 JP05170696A JP5170696A JP3249377B2 JP 3249377 B2 JP3249377 B2 JP 3249377B2 JP 05170696 A JP05170696 A JP 05170696A JP 5170696 A JP5170696 A JP 5170696A JP 3249377 B2 JP3249377 B2 JP 3249377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスク層を有する
光記録媒体の再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光記録において、記録密度は、一般に媒
体に照射されるレーザースポットの大きさによって制限
されるが、近年、光の回折限界によって決定されるレー
ザースポットよりも小さい実効的スポットで、高密度に
記録された情報を再生する超解像技術の研究が盛んに行
われている。
【0003】超解像技術を用いた高密度記録媒体とし
て、記録層の上に、再生光スポットを実際のレーザース
ポット径よりも小さい実効的スポットとするためのマス
ク層を設けた光記録媒体が知られている。例えば、特開
平7−169057号公報では、フォトンモードで反応
するフォトクロミック性のマスクを用いた光記録媒体が
開示されている。このような光記録媒体では、着色状態
にあるマスク層が、再生光の照射により、再生光スポッ
トの一部でのみ消色反応を起こし、透過率の高い部分が
形成される。この再生光スポットよりも小さい透過率の
高い部分を実効的な超解像スポットとして再生すること
により、超解像効果を得ている。
【0004】上記の超解像技術においては、フォトクロ
ミック性のマスク層を使用しているため、再生光ビーム
照射により消色反応を起こして再生を行う前に、予め着
色光を照射しマスク層を着色状態にしておく必要があ
る。しかしながら、一旦再生光スポットが走査すると、
マスク層の着色状態は消色状態に変化するため、同じト
ラックを再度再生しようとすると、マスク層が着色状態
でない場合がある。このような問題を解消するため、再
生光スポットに先行して着色光スポットを走査させ、常
に再生光スポットが照射される領域のマスク層を着色状
態としておく方法が考えられる。
【0005】図4は、このような着色光スポットを再生
光スポットに先行させて光記録媒体上を走査する状態を
示す平面図である。図4を参照して、再生光スポット1
は、矢印A方向に、すなわち図面上方向に向かって走査
されている。再生光スポット1の前後には、トラッキン
グサーボのためのトラッキングサーボ用ビームスポット
2及び3が配置されており、これらのトラッキングサー
ボ用ビームスポット2及び3は、再生光スポット1とと
もに走査されている。この光記録媒体においては、トラ
ックに沿ってグルーブ(溝)が形成されており、凸部で
あるランド部と、凹部であるグルーブ部の両方に記録マ
ークが形成されている。トラッキングサーボ用ビームス
ポット2及び3が、このようなランド部またはグルーブ
部からずれると、トラッキング用ビームの回折条件が変
化し、光検出器に入射する光量が変化する。このような
光量変化からトラッキング用ビームスポットのずれの量
を検出し、ずれが少なくなるように対物レンズ等を駆動
してトラッキングサーボが行われる。
【0006】トラッキングサーボ用ビームスポット2の
前方には、さらに着色光スポット4が配置され、再生光
スポット1及びトラッキングサーボ用ビームスポット
2,3とともに走査されている。着色光スポット4の走
査により、マスク層はフォトンモード反応により着色
し、着色光スポット4が走査された領域には、着色領域
7が形成される。着色光の光源としては、通常短波長光
(青色光や紫外線)を放射可能な発光ダイオードや各種
レーザー、あるいは水銀ランプ等が使用される。
【0007】この着色領域7の上を再生光スポット1が
走査することによりマスク層にフォトンモード反応が生
じ着色状態から消色状態に変化する。再生光スポット1
は矢印A方向に走査されているので、図4に示すよう
に、再生光スポット1の後半部分において再生光スポッ
トに対する透過率の高い透過領域5が形成される。この
透過領域5と再生光スポット1との重なり部分5aが実
効的スポットとなり再生が行われる。すなわち、この重
なり部分5aにおいてのみ再生光が記録層にまで到達
し、この重なり部分5aに存在する記録マーク6cのみ
が再生される。着色領域にある記録マーク6a及び6b
は再生されない。従って、より高密度に記録された情報
の再生が可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような着色光スポットを再生光スポットに先行させて走
査させる方式においては、再生を開始する際のトラッキ
ングサーボへの引き込みが不安定になるという問題があ
った。
【0009】図5は、このようなトラッキングサーボへ
の引き込みの際の従来の問題を説明するための平面図で
ある。図5を参照して、再生光スポット1の前後には、
トラッキングサーボ用ビームスポット2及び3がそれぞ
れ配置されており、トラッキング用ビームスポット2の
前方には、さらに着色光スポット4が配置されている。
図5に示す状態は、フォーカスサーボが入っており、ト
ラッキングサーボがかかっていない状態を示しており、
再生光スポット1、トラッキングサーボ用ビームスポッ
ト2,3及び着色光スポット4は、トラック方向に沿う
相対運動がなされておらず、図5に示す状態では、矢印
Aの方向に相対的に移動している。着色光スポット4
は、既に照射が開始されているので、着色光スポット4
が移動した後には、着色領域7が形成されている。トラ
ッキングサーボがかかっていないので、各スポットはト
ラック方向に移動するのではなく、矢印A方向に移動し
ている。従って、図5に示す状態では、前方のトラッキ
ングサーボ用ビームスポット2のみが着色領域7上を走
査する状態となっている。
【0010】従って、トラッキングサーボ用ビームスポ
ット2からの信号出力と、トラッキングサーボ用ビーム
スポット3からの信号出力の間に大きな差が生じ、この
結果、安定なトラッキングサーボへの引き込みができな
くなるという問題を生じた。
【0011】本発明の目的は、このような従来の問題点
を解消し、光記録媒体を再生する際、安定にトラッキン
グサーボを行うことができる再生方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の再生方法は、着
色光の照射により再生光に対する透過率が低下した着色
状態となり、再生光の照射により上記着色状態が再生光
に対する透過率の増大した消色状態となって該再生光の
一部を透過するマスク層を備える光記録媒体に、着色光
を照射し、該照射によってマスク層が上記着色状態とな
った部分に再生光を照射して再生を行うと共に、再生光
スポットのトラックに対するトラッキング制御を行うた
めのトラッキング用ビームを照射して光記録媒体を再生
する方法であり、光記録媒体のマスク層が消色状態にあ
る、再生を開始すべき所定のトラック上にトラッキング
用ビームを照射し、上記所定のトラック上でのトラッキ
ング制御を開始した後、マスク層に対する着色光の照射
を開始することを特徴としている。
【0013】本発明において、着色光は、着色光ビーム
として光記録媒体に照射されるものであってもよいし、
着色光ビームで照射する領域より広い領域、例えば光記
録媒体の全面に照射することができるような着色光であ
ってもよい。着色光として着色光ビームを用いる場合に
は、好ましくは、再生光ビームに先行させて着色光ビー
ムを走査しながら照射し、着色光ビームによって照射さ
れた領域を、着色光ビームに追随して再生光ビームが走
査するように照射する。また、例えば、全面を照射する
ような着色光の場合には、所定のタイミングで着色光を
照射することができる。この場合、本発明に従えば、ト
ラッキング用ビームが再生を開始すべき所定のトラック
上でトラッキング制御を開始した後に、最初の着色光照
射が行われる。
【0014】本発明においては、上述のように再生を開
始すべき所定のトラック上にトラッキング用ビームを照
射し、該所定のトラック上でのトラッキング制御を開始
するまでの間トラッキング用ビームが照射される領域の
マスク層が消色状態にある。上述のように、着色光ビー
ムに追随して再生光ビームが走査される場合には、着色
光ビームにより着色状態となったマスク層が再生光ビー
ム照射により消色状態となるので、通常ほぼ全面のマス
ク層が消色状態となっている。従って、このような消色
状態の光記録媒体では、上記トラッキング用ビームが照
射される領域はすでにほぼ消色状態である。従って、そ
のまま本発明を適用し、トラッキング制御を開始した後
に着色光を照射すればよい。また、必要に応じて、光記
録媒体の全面のマスク層を一旦消色状態とする工程を実
施し、その後にトラッキング制御を行ってもよい。この
ような消色状態とする工程は、例えば、光記録媒体の全
面を一度に照射することができるような消色光の光源等
を設け、この光源からの消色光を照射することにより行
うことができる。特に、上述した着色光によって媒体の
全面を照射し着色状態とするような実施形態において
は、このような全面を照射できる消色光の光源が設けら
れていることが好ましい。また、消色光はトラッキング
サーボの引き込みが行われる領域のみを消色状態とする
ように照射されてもよい。
【0015】また、トラッキング制御開始前のマスク層
を消色状態にする他の方法として、室温状態で徐々に消
色状態となるようなマスク層を用い、トラッキング制御
が行われる前のマスク層を消色状態になるようにしても
よい。
【0016】本発明において、光記録媒体のマスク層
は、上述のように、着色光の照射により再生光に対する
透過率が低下した着色状態となり、再生光の照射により
上記着色状態が再生光に対する透過率の増大した消色状
態となるマスク層である。このようなマスク層は、例え
ばフォトクロミック性色素を含有させることにより形成
することができる。このようなフォトクロミック性色素
としては、着色光ビームの波長でフォトンモード反応を
生じ着色状態となり、再生光ビームの波長でフォトンモ
ード反応を生じ消色状態となるものが例えば使用でき
る。また、着色光ビーム照射による温度上昇によって着
色状態となるようなフォトクロミック性色素を用いても
よい。
【0017】なお、マスク層の光学濃度は高く設定する
ことが好ましく、例えば光学濃度が0.3以上となるよ
うに設定することが好ましい。光学濃度を高くすること
により、マスク層の透過率の変化が非線形的となり、よ
り高い超解像効果を得ることができる。
【0018】また、本発明におけるトラッキング方法
は、特に限定されるものではなく、複数のビームを用い
ることによりトラッキングサーボを行う方法であればよ
い。例えば、3ビーム法や、差動プッシュプル等のトラ
ッキングサーボ方式が挙げられる。また本発明の対象と
なる光記録媒体も特に限定されるものではなく、CDの
ような再生専用ディスクや、光磁気ディスク及び相変化
型光ディスクなどの記録可能型ディスクを含み、サーボ
トラッキングが行われる広い範囲の光記録媒体に適用す
ることができる。CDの場合には、トラックにピット列
が形成されており、このピット列によって反射されたト
ラッキング用ビームの反射光を検出することによりトラ
ッキングサーボが行われる。この場合、トラックからず
れると、ピットによる反射光の回折条件が変化し、トラ
ッキング用ビームの反射光の光量が変化するので、この
光量変化からずれの量を検出して、ずれを少なくするよ
うに対物レンズ等を駆動してトラッキングサーボが行わ
れる。また、CDのようにトラックにピットの凹凸が形
成されない場合、例えば光磁気ディスクや相変化型光デ
ィスクなどの場合は、トラックに沿ってグルーブを形成
し、グルーブの凹凸によって反射されるトラッキング用
ビームの反射光量の変化を検出することによりトラッキ
ングサーボが行われる。この場合、図4に示すようにラ
ンド部とグルーブ部の双方に記録マークが形成されたよ
うなタイプでもよいし、ランド部のみあるいはグルーブ
部のみに記録マークが形成されたようなタイプであって
もよい。
【0019】本発明に従えば、再生を開始すべき所定の
トラック上でのトラッキング用ビームによるトラッキン
グ制御が開始された後に、着色光の照射を開始してい
る。従って、トラッキングサーボを引き込む際、あるい
はディスク上の所定のアドレスへのシークの際、着色光
照射による着色領域が形成されることがなく、トラッキ
ングサーボを安定して行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う一実施形態
において用いられる超解像光記録媒体の再生装置を示す
構成図である。図1を参照して、再生光を出射する再生
用光源11の前方には、ビームを3分割する回折格子か
らなるビームスプリッター12が設けられている。この
ビームスプリッター12により、再生用光源11からの
出射光が、再生光ビーム、及び2つのトラッキング用ビ
ームに分割される。3分割されたビームは、ハーフミラ
ー13、ダイクロックミラー14を通過し、対物レンズ
15によって超解像媒体16上に集光され、各スポット
が形成される。
【0021】着色光を出射する着色用光源17の前方に
は、着色光を超解像媒体16上に照射するか否かを制御
する着色光制御用シャッター18が設けられている。着
色光制御用シャッター18が開いた状態で、着色用光源
17から出射された着色光は、ダイクロックミラー14
で反射し、対物レンズ15で超解像媒体16上に集光さ
れる。本実施形態において、着色光ビームスポットが集
光される位置は、図4の平面図に示すように、再生光ビ
ームスポット及びトラッキングサーボ用ビームスポット
より前方の位置である。
【0022】超解像媒体16で反射された再生光及びト
ラッキングサーボ用ビーム光は、対物レンズ15及びダ
イクロックミラー14を通り、ハーフミラー13で反射
されて光検出器20に送られる。ここで、フォーカスサ
ーボ信号、トラッキングサーボ信号、及び再生信号が検
出される。フォーカスサーボ信号及びトラッキングサー
ボ信号は、対物レンズ15を駆動する装置に送られ、フ
ォーカスサーボ及びトラッキングサーボが行われる。こ
こでは、トラッキングサーボ系として差動プッシュプル
法を採用し、フォーカスサーボ系として非点収差方式を
それぞれ採用している。また、各種サーボ系回路には、
反射光の大小に応じてサーボゲインを自動調節する回路
も含んでいる。
【0023】着色用光源17及び着色光制御用シャッタ
ー18は、着色光源駆動系19によって制御されてお
り、着色光源駆動系19には、光検出器20におけるト
ラッキングサーボ系回路からのエラー信号が送られる。
これによって、トラッキングサーボがOFF状態のとき
には着色光が超解像媒体16に照射されないよう制御さ
れている。
【0024】本実施形態の装置において、再生用光源と
しては、波長635nm半導体レーザーを用いており、
着色用光源17としてはHeCdレーザーを用い、着色
光として紫外線レーザーを放射している。
【0025】図2は、図1に示す再生装置において、ト
ラッキングエラー信号に基づき、着色光が照射されるタ
イミングを示す図である。図2(a)を参照して、まず
超解像光記録媒体を再生する際には、フォーカスサーボ
への引き込みが行われる。これは、図2(a)において
「フォーカスサーボOFF時」として示されている期間
である。この期間内にフォーカスサーボが設定され、フ
ォーカスサーボ制御がなされ、次にトラッキングサーボ
の引き込みがなされる。この期間が、図2(a)におい
て「フォーカスサーボONトラッキングサーボOFF」
として示される期間である。この期間内に、トラッキン
グサーボが引き込まれ、再生光ビーム、トラッキングサ
ーボ用ビームが再生を開始すべき所定のトラック位置ま
で移動し、所定のトラック上でのトラッキングサーボが
開始される。トラッキングサーボが開始されてから後の
期間が、図2(a)に示す「トラッキングサーボON」
で示される期間である。本実施形態では、図2(b)に
示すように、トラッキングサーボ制御が開始された後に
着色光の照射が開始される。また着色光の照射開始とと
もに再生が開始される。
【0026】トラッキングサーボが開始されるまで着色
光の照射がなされないので、図5を参照して示したよう
な着色光照射による着色領域をトラッキングサーボ用ビ
ームが走査することがない。従って、再生光ビーム、ト
ラッキングサーボ用ビーム、及び着色光ビームを所定の
方向に配列させ、トラッキングサーボを安定な状態で開
始することができる。
【0027】図3に示すようなマスク層を有する再生専
用ディスクを用いて、図1に示すような構成の再生装置
で本発明に従う再生を行った。図3に示す超解像光ディ
スクは、ポリカーボネートからなる透明基板30に、ト
ラックピッチ0.82ミクロン、最短ピット(3T信
号)0.45ミクロンのEFM信号でピットが形成され
ており、この透明基板30の上にスパッタリング法によ
り膜厚0.04ミクロンのAlN膜31を形成し、この
上にマスク層32として、下記構造式(化1)のスピロ
ベンゾピラン系フォトクロミック材料を真空蒸着法で膜
厚0.3ミクロンとなるように蒸着している。さらに、
このマスク層32の上にAg膜を真空蒸着法で膜厚0.
2ミクロンとなるように形成し反射膜33を形成してい
る。さらにこの上に紫外線硬化樹脂からなる保護膜34
を形成している。
【0028】
【化1】
【0029】上記フォトクロミック材料は、紫外線の光
照射により着色し、赤色波長域での吸収が増大する。ま
た赤色光照射により消色し、元の状態に戻る。従って、
このフォトクロミック材料をマスク層として用いた場合
には、着色光として紫外線レーザー光を用いることがで
き、マスク層を消色し情報を再生するための再生光とし
て、波長630nm〜680nmの半導体レーザーのレ
ーザー光を用いることができる。
【0030】本実施形態の再生装置では、上述のよう
に、再生光として波長635nmのレーザー光を用い、
着色光として紫外線レーザー光を用いている。着色光パ
ワーは3mWとし、再生光パワーは1mWとし、それぞ
れのビームの相対速度は1.4m/秒とした。なお、本
実施形態では、着色光ビームに追随して再生光ビームを
走査する再生装置を用いており、従って、再生終了後の
状態においてほぼ全面のマスク層が消色状態にある。従
って、本実施形態では、予めほぼ全面のマスク層が消色
状態にある光ディスクを用いて評価している。
【0031】図2に示すように、トラッキングサーボを
ON状態とした後、100ミリ秒後に着色光の照射を開
始し、着色光の照射開始とともに再生を開始した。着色
光照射のON及びOFFは、図1に示す着色光制御用シ
ャッター18を開閉することにより行った。
【0032】この結果、安定にトラッキングサーボへの
引き込みを行うことができ、また最短ピットに対する出
力が約50%向上し、超解像再生の効果が確認された。
比較として、トラッキング系回路からの着色光制御のた
めの信号を遮断し、再生光ビーム及びトラッキングサー
ボ用ビーム照射と同時に着色光も照射されるように設定
して、同様にして再生したところ、オシロスコープで確
認したトラッキングサーボの信号にひずみが存在してお
り、トラッキングサーボへの引き込みが不安定であり、
安定な超解像再生を行うことができなかった。
【0033】以上の結果から明らかなように、本発明に
従いトラッキングサーボ用ビームによる位置制御が開始
された後に、着色光ビームの照射を開始することによ
り、安定にトラッキングサーボを行うことができる。
【0034】上記実施形態においては、着色光制御用シ
ャッターにより着色光の照射を制御したが、着色用光源
のON及びOFFにより着色光の照射を制御してもよ
い。また、本発明において、再生光及び着色光の波長、
マスク層に用いる材料等は上記の実施形態に限定される
ものではない。また上記実施形態では、超解像光記録媒
体として、CDのような再生専用ディスクを例にして示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光磁
気媒体や相変化型媒体等の記録可能型光ディスクに対し
ても適用されるものである。
【0035】また、マスク層の着色ビーム光源として
は、上述のようにHeCdレーザーに限定されるもので
はなく、マスク層材料の吸収特性に応じた紫外線・青色
半導体レーザーや発光ダイオード等も使用することがで
きる。また、紫外線・青色光源を再生用の光源として用
い、より長波長の赤色・近赤外の半導体レーザー等を着
色用光源として用いることも可能である。
【0036】上記実施形態では、再生用ビーム及び着色
用ビームを同一の対物レンズで集光しているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、別々の光学系によっ
て媒体上に集光することも可能である。
【0037】また上記実施形態では、着色光として、光
記録媒体上に着色光スポットを形成する着色光ビームの
照射を例にして示したが、上述のように、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えば、光記録媒体の全面
を着色可能な着色光を用いてもよい。
【0038】本発明の対象となる光記録媒体は、記録層
(記録面)に対して再生光入射側にマスク層を設ける構
成の光記録媒体以外に、再生光入射側から見て記録層の
裏側にマスク層、反射層をこの順序で備えるような反射
型光記録媒体であってもい。
【0039】
【発明の効果】本発明に従えば、マスク層が消色状態に
ある、再生を開始すべき所定トラック上で、トラッキン
グ用ビームを照射し、該所定トラック上でのトラッキン
グ制御が開始された後に、着色光の照射を開始してい
る。従って、トラッキングサーボを引き込む際のマスク
層の着色領域による影響がなく、安定にトラッキングサ
ーボを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う一実施形態において用いられる再
生装置を示す構成図。
【図2】本発明の一実施形態におけるトラッキングエラ
ー信号と着色光照射タイミングの関係を示す図。
【図3】本発明の一実施形態において用いた超解像光記
録媒体を示す断面図。
【図4】着色光ビーム、再生光ビーム、及びトラッキン
グ用ビームの再生時における位置関係を示す平面図。
【図5】着色光ビーム照射によるトラッキングサーボ引
き込みの際の問題点を説明するための平面図。
【符号の説明】
1…再生光ビームスポット 2,3…トラッキングサーボ用ビームスポット 4…着色光ビームスポット 5…再生光ビームスポット中の透過領域(実効的スポッ
ト) 6a,6b,6c…記録ピット 7…マスク層の着色領域 11…再生用光源 12…ビームスプリッター 13…ハーフミラー 14…ダイクロックミラー 15…対物レンズ 16…超解像媒体 17…着色用光源 18…着色光制御用シャッター 19…着色光源駆動系 20…光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−64927(JP,A) 特開 平8−17059(JP,A) 特開 平8−7283(JP,A) 特開 平5−266478(JP,A) 特開 平6−337496(JP,A) 特開 平5−28498(JP,A) 特開 平5−73962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/013 G11B 7/09 - 7/095 G11B 7/135

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色光の照射により再生光に対する透過
    率が低下した着色状態となり、再生光の照射により前記
    着色状態が再生光に対する透過率の増大した消色状態と
    なって該再生光の一部を透過するマスク層を備える光記
    録媒体に、前記着色光を照射し、該照射によって前記マ
    スク層が前記着色状態となった部分に前記再生光を照射
    して再生を行うと共に、前記再生光スポットのトラック
    に対するトラッキング制御を行うためのトラッキング用
    ビームを照射して前記光記録媒体を再生する方法であっ
    て、 前記光記録媒体の前記マスク層が消色状態にある、再生
    を開始すべき所定のトラック上に前記トラッキング用ビ
    ームを照射し、前記所定のトラック上でのトラッキング
    制御を開始した後、前記マスク層に対する前記着色光の
    照射を開始することを特徴とする光記録媒体の再生方
    法。
  2. 【請求項2】 着色光の照射により再生光に対する透過
    率が低下した着色状態となり、再生光の照射により前記
    着色状態が再生光に対する透過率の増大した消色状態と
    なって該再生光の一部を透過するマスク層を備える光記
    録媒体に、前記着色光のビームを走査しながら照射し、
    該照射によって前記マスク層が前記着色状態となった部
    分を前記着色光ビームに追随して走査するように前記再
    生光のビームを照射して再生を行うと共に、これらのビ
    ームスポットのトラックに対するトラッキング制御を行
    うためのトラッキング用ビームを照射して前記光記録媒
    体を再生する方法であって、 前記光記録媒体の前記マスク層が消色状態にある、再生
    を開始すべき所定のトラック上に前記トラッキング用ビ
    ームを照射し、前記所定のトラック上でのトラッキング
    制御を開始した後、前記マスク層に対する前記着色光ビ
    ームの照射を開始することを特徴とする光記録媒体の再
    生方法。
  3. 【請求項3】 前記トラッキング用ビームが前記再生光
    と同一波長からなる光であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の光記録媒体の再生方法。
JP05170696A 1996-03-08 1996-03-08 光記録媒体の再生方法 Expired - Fee Related JP3249377B2 (ja)

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