JP3245013B2 - Dcモータ駆動装置 - Google Patents

Dcモータ駆動装置

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JP3245013B2 JP20082495A JP20082495A JP3245013B2 JP 3245013 B2 JP3245013 B2 JP 3245013B2 JP 20082495 A JP20082495 A JP 20082495A JP 20082495 A JP20082495 A JP 20082495A JP 3245013 B2 JP3245013 B2 JP 3245013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエアコンの
ファンなどを駆動するDCモータの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレスDCモータの駆動装置は、ロ
ータの回転位置を検出する複数の位置検出素子としてホ
ール素子を用い、この複数の位置検出素子からの位置検
出信号を基に複数のスイッチング素子を所定のオン、オ
フの組み合わせとなるように駆動し、複数のステータコ
イルに順次通電を行ってロータを回転させる(矩形波1
20度通電)ようにしたものが一般的である。ところ
で、このような駆動方式において、複数のステータコイ
ルへの通電の切り替えの瞬間に電流の落ち込む瞬間があ
ると駆動トルクにも同様に落ち込みが生じ、駆動トルク
にむらを生じさせる原因となる。この駆動トルクのむら
は、振動、騒音の発生につながる。これに対し、従来は
複数のステータコイルに通電する期間に一定の割合で重
なりを持たせることにより、電流の落ち込みをなくして
騒音等を低減することが行われている(実公昭59−1
5269号公報、特公平6−52997号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特公平6−5
2997号公報に開示された駆動装置では、同公報第3
図のタイミングチャートに示されているように、計測さ
れた位置検知信号変化時間間隔Td1 に基づいて通電重
なり時間Tl1 が設定され、位置検知信号変化時間間隔
Td3 の期間においてスイッチング素子Q2 のオフ時間
が時間Tl1 だけ引き延ばされて通電重なりを持たせる
ことが行われている。以下、同様にして計測された位置
検知信号変化時間間隔Td2 に基づいて通電重なり時間
Tl2 が設定され、位置検知信号変化時間間隔Td4
期間においてスイッチング素子Q4のオフ時間が時間T
2 だけ引き延ばされて通電重なりを持たせることが行
われている。このため計測された位置検知信号変化時間
間隔を基に設定された通電重なり時間が実際の通電重な
りに反映されるまでに一定の時間が必要となり、位置検
知信号変化時間間隔を計測した時点のロータ速度と、実
際の通電重なりに反映された時点のロータ速度とが異な
ってしまっていることがあり、通電重なり時間に誤差が
生じて制御の安定性に欠けるおそれがある。また通電重
なり期間中に位置検知信号が入力されると、複数のスイ
ッチング素子をU相上相の通電からU相下相の通電に切
り替えなければならなくなるため、上下相に誤通電の起
こるのを防止するためにデッドタイムを設ける必要があ
った。一方、モータ電流をサンプリングし、モータ電流
の変化を基に位置検出の周期とは関係なく速度制御に反
映させる方法も提案されているが、専用の回路が必要と
なってコストアップを招いていた。
【0004】そこで本発明は、計測された位置検出信号
変化時間間隔を基に算出された通電重なり角度及び通電
重なり開始時間を速やかに実際の通電重なりに反映させ
て制御の安定性を向上させるとともに位置検出信号変化
時間間隔が変化したときにおいても誤通電の起こること
がなく、信頼性を向上させることができるDCモータ駆
動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、ロータの回転位置を検出し
てそれぞれ位置検出信号を出力する複数の位置検出素子
と、複数のステータコイルに順次通電を行うための複数
のスイッチング素子と、前記位置検出信号の変化時間間
隔を計測する位置検出信号変化時間間隔計測手段と、前
記複数の位置検出素子からの位置検出信号出力の組み合
わせ状態に応じて前記複数のスイッチング素子を所定の
オン、オフの組み合わせとなるように駆動するドライブ
手段と、前記位置検出信号変化時間間隔及びロータ回転
速度を基に前記複数のステータコイルに対する通電重な
り角度を算出する通電重なり角度算出手段とを備えたD
Cモータ駆動装置であって、前記位置検出信号変化時間
間隔及び前記通電重なり角度を基に次の通電重なり開始
時間を算出する重なり開始時間算出手段と、前記位置検
出信号の変化時から前記通電重なり開始時間経過後に前
記複数のスイッチング素子のオン、オフの組み合わせに
よる前記複数のステータコイルに対する通電を重なり通
電モードとさせる転流指令信号を前記ドライブ手段に送
る転流信号合成手段とを有することを要旨とする。
【0006】請求項1記載の発明において、位置検出信
号変化時間間隔計測手段で計測された位置検出信号変化
時間間隔を基に次の通電重なり開始時間が算出され、位
置検出信号の変化時からその通電重なり開始時間後に複
数のステータコイルに対する通電が重なり通電モードと
される。これにより、位置検出信号変化時間間隔が計測
されてから、その位置検出信号変化時間間隔が通電重な
り開始時間に反映するまでの時間遅れが最小限に止めら
れ、より誤差の少ない通電重なり時間とすることができ
て制御の安定性が向上する。
【0007】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
のDCモータ駆動装置において、前記転流信号合成手段
は、前記通電重なり開始時間よりも前に前記位置検出信
号の次の変化が生じたときは、前記複数のステータコイ
ルに対する通電を前記重なり通電モードに代えて通常転
流モードとさせる転流指令信号を前記ドライブ手段に送
るように構成してなることを要旨とする。
【0008】請求項2記載の発明において、通電重なり
開始時間よりも、位置検出信号の次の変化が先に来たと
きは、通電重なりを持たずに通常の転流が行われるの
で、誤通電の起こることがなく、信頼性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図3に基づいて説明する。図1はDCモータ駆動装
置の構成を示し、図2はブラシレスDCモータの駆動波
形を示している。図1において、1はブラシレスDCモ
ータ、Hu ,Hv ,Hw はロータの回転位置を検出する
ためのホール素子からなる位置検出素子である。位置検
出素子Hu ,Hv ,Hw のステータに対する取り付け位
置は、その出力信号が変化した時点でステータコイルへ
の転流を行いブラシレスDCモータ1を回転駆動させる
位置に設置されている。図2において、位置検出素子H
u ,Hv ,Hw の出力の組み合わせがある組み合わせ、
例えば(L,H,H)から再び(L,H,H)となった
ときが電気角で360度であり、ある組み合わせから次
の組み合わせ、例えば(L,H,H)から(L,L,
H)となる時間が電気角で60度である。2は位置検出
信号変化時間間隔計測手段であり、位置検出素子Hu
v ,Hw の出力が所定の組み合わせの状態から、次の
組み合わせの状態に変化する時間、即ちブラシレスDC
モータ1のロータが電気角で60度回転するのに要する
時間を計測する。例えば図2において、位置検出素子H
u ,Hv ,Hw の出力の組み合わせが(L,H,H)の
状態の時から(L,L,H)に変化した時点を位置検出
とみなし位置検出信号10を転流信号合成手段7へ出力
し、同時にタイマ5のカウント値14を位置検出信号変
化時間間隔Tn として取り込む。位置検出信号10を受
けた転流信号合成手段7は転流指令信号16を出力し、
転流モード信号17を通常転流のモードとする。通常転
流のモードで転流指令信号16を受け取ったマイクロコ
ンピュータ8は、位置検出素子Hu ,Hv ,Hw の出力
の状態に合わせて、ドライブ手段としてのドライブ回路
9のドライブ出力を所定の状態とするドライブ信号18
を出力する。例えばここで位置検出素子Hu ,Hv ,H
w の出力の組み合わせが(L,H,H)の状態の時、そ
のドライブ出力でスイッチング素子Qu ,Qv ,Qw
x ,Qy ,Qz (以下、Qu 〜Qz のように記す)の
オン、オフ状態は(0,0,1,1,0,0)(0はオ
フ、1はオン)となる。タイマ5では位置検出信号10
を受け取ると位置検出信号変化時間間隔計測手段2へカ
ウント値を渡すとともに次の位置検出信号変化時間間隔
をカウントするために、リセット動作後に新たなカウン
トを始める。
【0010】重なり角度算出手段3では、位置検出信号
変化時間間隔計測手段2から出力された位置検出信号変
化時間間隔11を受け取り、通電重なり角度及び通電重
なり時間12を算出する。即ち、計測された電気角60
度をロータが移動するのに要する時間からロータの回転
速度を計算して所定の重なり角度を算出し、さらにこの
重なり角度及び位置検出信号変化時間間隔を基に通電重
なり時間を算出する。通電重なり時間TAn+1 は次式に
より求められる。
【0011】
【数1】 TAn+1 =(α/60度)・Tn …(1) α=F(位置検出信号変化時間間隔、ロータ速度) 上式でαは重なり角度を電気角で表したものであり、位
置検出信号変化時間間隔及びロータ速度を基に算出され
る。重なり開始時間算出手段4では、通電重なり時間1
2と位置検出信号変化時間間隔11を基に通電重なり開
始時間13を算出する。通電重なり開始時間TSn は次
式により求められる。
【0012】
【数2】 TSn =Tn-1 −TAn …(2) コンパレータ6では、タイマ5のカウント値が通電重な
り開始時間13と一致したところで通電重なり開始信号
15を出力する。通電重なり開始信号15を受けた転流
信号合成手段7は転流指令信号16及び転流モード信号
17を重なり通電のモードとして出力する。重なり通電
のモードで転流指令信号16を受け取ったマイクロコン
ピュータ8は、位置検出素子Hu ,Hv ,Hw の出力の
状態に合わせて、ドライブ回路9のドライブ出力を所定
の状態とするドライブ信号18を出力する。例えばここ
で位置検出素子Hu ,Hv ,Hw の出力の組み合わせが
(L,H,H)の状態の時、そのドライブ出力でスイッ
チング素子Qu 〜Qz のオン、オフ状態は(0,1,
1,1,0,0)となり、次の位置検出が起きるまでの
期間だけ通電重なり時間を持つことになる。
【0013】通電重なり角度の算出には、前記のように
n を用いるが、実際に通電重なりを持たせるときの位
置検出信号変化時間間隔Tは負荷変動などによりTn
は異なっている。本実施例では、位置検出信号変化時間
間隔が計測されてから、次の位置検出信号変化までに通
電重なり時間が実際の通電に反映することが可能とな
り、より誤差の少ない通電重なり時間とすることができ
て制御の安定性が向上する。
【0014】通電重なり時間TAn は計測された位置検
出信号変化時間間隔Tn-1 を基に、現在計測されている
位置検出信号変化時間間隔も等しい時間間隔(Tn ≒T
n-1)であろうという予測の基に算出されている。しか
しブラシレスDCモータ1によりファンなどを駆動する
場合、風などの外乱で負荷が変動するために、位置検出
信号変化時間間隔Tn は計測する毎に異なってくる。そ
のため、図3に示すようにTn-1 に比べTn が著しく小
さな値となり、Tn-1 を基に算出された通電重なり開始
時間TSn になるよりも早く次の位置検出がくる場合が
ある。即ち Tn <TSn となる場合である。しかし本実施の形態では、通電重な
り開始時間TSn になるよりも早く次の位置検出がきた
ときは、転流信号合成手段7から重なり通電モードに代
えて通常転流モードとする転流指令信号をマイクロコン
ピュータ8に送るような構成とすることで、重なり開始
時間より早く位置検出が起きた場合、通常のモードで転
流を行うことが可能となる。このとき通電重なり時間を
持たずに転流を行ったことになる。このように、本実施
の形態では、例え計算された通電重なり開始時間より早
く次の位置検出がきたとしても通電重なりを持たずに転
流を行うのみで、デッドタイムなどの特別な機能を付加
する必要がなく、信頼性が向上する。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、通電重なり角度及び位置検出信号変化時間
間隔計測手段で計測された位置検出信号変化時間間隔を
基に次の通電重なり開始時間を算出する重なり開始時間
算出手段と、位置検出信号の変化時から前記通電重なり
開始時間経過後に複数のスイッチング素子のオン、オフ
の組み合わせによる複数のステータコイルに対する通電
を重なり通電モードとする転流信号合成手段とを具備さ
せたため、位置検出信号変化時間間隔が計測されてか
ら、その位置検出信号変化時間間隔が通電重なり開始時
間に反映するまでの時間遅れが最小限に止められ、より
誤差の少ない通電重なり時間とすることができて制御の
安定性を向上させることができる。
【0016】請求項2記載の発明によれば、前記転流信
号合成手段は、前記通電重なり開始時間よりも前に前記
位置検出信号の次の変化が生じたときは、前記複数のス
テータコイルに対する通電を前記重なり通電モードに代
えて通常転流モードとさせる転流指令信号を前記ドライ
ブ手段に送るように構成したため、誤通電の起こること
がなく、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るDCモータ駆動装置の実施例を示
すブロック図である。
【図2】上記実施例における駆動波形例を示すタイミン
グチャートである。
【図3】上記実施例において通電重なり開始時間よりも
次の位置検出信号が先にきたときの駆動波形例を示すタ
イミングチャートである。
【符号の説明】
1 DCモータ駆動装置 2 位置検出信号変化時間間隔計測手段 3 重なり角度算出手段 4 重なり開始時間算出手段 7 転流信号合成手段 9 ドライブ回路(ドライブ手段) Hu ,Hv ,Hw 位置検出素子 Qu 〜Qz スイッチング素子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−316688(JP,A) 特開 昭62−171489(JP,A) 特開 平5−137384(JP,A) 特開 平5−184188(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータの回転位置を検出してそれぞれ位
    置検出信号を出力する複数の位置検出素子と、複数のス
    テータコイルに順次通電を行うための複数のスイッチン
    グ素子と、前記位置検出信号の変化時間間隔を計測する
    位置検出信号変化時間間隔計測手段と、前記複数の位置
    検出素子からの位置検出信号出力の組み合わせ状態に応
    じて前記複数のスイッチング素子を所定のオン、オフの
    組み合わせとなるように駆動するドライブ手段と、前記
    位置検出信号変化時間間隔及びロータ回転速度を基に前
    記複数のステータコイルに対する通電重なり角度を算出
    する通電重なり角度算出手段とを備えたDCモータ駆動
    装置であって、前記位置検出信号変化時間間隔及び前記
    通電重なり角度を基に通電重なり時間を算出する通電重
    なり時間算出手段と、前記位置検出信号変化時間間隔及
    び前記通電重なり時間を基に次の通電重なり開始時間を
    算出する重なり開始時間算出手段と、前記位置検出信号
    の変化時から前記通電重なり開始時間経過後に前記複数
    のスイッチング素子のオン、オフの組み合わせによる前
    記複数のステータコイルに対する通電を重なり通電モー
    ドとさせる転流指令信号を前記ドライブ手段に送る転流
    信号合成手段とを有することを特徴とするDCモータ駆
    動装置。
  2. 【請求項2】 前記転流信号合成手段は、前記通電重な
    り開始時間よりも前に前記位置検出信号の次の変化が生
    じたときは、前記複数のステータコイルに対する通電を
    前記重なり通電モードに代えて通常転流モードとさせる
    転流指令信号を前記ドライブ手段に送るように構成して
    なることを特徴とする請求項1記載のDCモータ駆動装
    置。
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