JPH0880083A - ブラシレス直流モータの駆動方法 - Google Patents

ブラシレス直流モータの駆動方法

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JPH0880083A
JPH0880083A JP6212338A JP21233894A JPH0880083A JP H0880083 A JPH0880083 A JP H0880083A JP 6212338 A JP6212338 A JP 6212338A JP 21233894 A JP21233894 A JP 21233894A JP H0880083 A JPH0880083 A JP H0880083A
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motor
voltage
brushless
time
driving
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JP6212338A
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English (en)
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Yuuhachi Takakura
雄八 高倉
Yukio Kawabata
幸雄 川端
Yasuo Notohara
保夫 能登原
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Motoo Futami
基生 二見
Kazuo Tawara
和雄 田原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フィルタを用いることなく誘起電圧情報を検出
し、電圧の時間に対する変化量からロータの位置を推定
してブラシレス直流モータを駆動できる方法を提供する
ことにある。 【構成】インバータ回路を制御するPWM信号をブラシ
レス直流モータの電気角60度内に少なくとも2回以上
出力するように制御し、ブラシレス直流モータの無通電
相の端子電圧をPWM信号のオン期間に同期して検出
し、検出された端子電圧の時間に対する変化率に基づい
て転流タイミングを決定するブラシレス直流モータの駆
動方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレス直流モータ
の駆動方法に係り、特に回転子の位置検出をホール素子
等の磁気検出手段を用いることなく行うことができる、
いわゆるセンサレス直流ブラシレスモータ駆動方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にブラシレス直流モータは、ロータ
の位置と通流すべき巻線の位置に密接な関係がある。モ
ータの出力トルクは、ロータの有する磁極の磁束と、ス
テータの巻線に流れる電流の相互作用によって発生す
る。ブラシレス直流モータの駆動は、ロータの磁極から
発生する磁束が最大となる付近に存在する相の巻線に電
流を流すことにより最大のトルクを発生させてモータを
回転させる。このときロータの磁極位置の回転に従っ
て、電流を流す相を時々刻々に切り替えるが、相の切り
替えである転流のタイミングが磁束の最大位置よりも大
幅にずれた場合には、モータの出力トルクは減少し、最
悪の場合モータは停止に至る。従って、ブラシレス直流
モータの駆動制御は、何らかの手段によってロータの磁
極位置を検出し、これによって制御を行う必要がある。
【0003】ロータの磁極位置検出回路としては、例え
ば特公昭58−25038 号公報に記載のように、バンドパス
フィルタを用いて、フィルタの位置遅延波形とフィルタ
の出力電圧の3相分の中性点との比較によりタイミング
を作成し、このタイミングに基づいて転流を行う方式が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、フ
ィルタを用いてブラシレス直流モータの誘起電圧の位相
遅延波形を作成しているが、負荷の変動などによりロー
タの回転脈動が生じた場合、フィルタの位相遅延が不正
確になるという問題がある。また、インバータのPulse
Width Modulation(以下PWMと称する)制御によっ
て、各通流期間毎に通流率を変え、モータトルクと負荷
トルクを一致させるように制御する方法が考えられる
が、フィルタを用いた従来の方式では、各通流期間の通
流率の違いがフィルタの出力電圧に反映され、位相遅延
が不正確になる。
【0005】一方、ブラシレス直流モータの転流を精度
良く行うためにPWM周波数の高周波化が望まれるが、
高周波化に伴ってインバータの損失が増加するという問
題がある。そこで、モータの回転数に応じてPWM信号
の周波数を切り替え、低速回転域では転流の精度が低下
しない範囲においてPWM信号の周波数を低く設定し、
インバータの損失を抑制する制御方法が考えられるが、
PWM信号の低周波化によってフィルタ出力の波高値が
変動し、正確な位相遅延ができなくなる恐れがある。
【0006】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、モータに対する負荷が変動し、それに合わ
せてモータトルクを変動させるべく通流期間毎に通流率
を変化させる制御を行っている場合にも、更にPWM信
号の周波数を切り替えた場合でもフィルタ等のハードウ
エアの設計変更を必要とせず、ロータの磁極位置を正し
く推定して的確に転流を行い、効率的にブラシレス直流
モータを駆動できる方法を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、モータの無通電相のモータ端子電圧をフィルタを用
いずに直接サンプリングできるA/D変換器を有し、モ
ータを回転させることのできる制御系から構成され、こ
のサンプリング値から時間に対する変化率を求めて外挿
補間することによって誘起電圧情報からロータの位置を
推定し、その結果から転流位相の進み,遅れ等を含めモ
ータ電流の転流タイミングを推定し、適切な時刻に転流
を行う制御方法を用いることによて実現できる。即ち、
端子電圧をサンプリングできる回路構成と、その離散的
に取り込んだ電圧値の時間に対する変化率から誘起電圧
情報を外挿補間し、その情報から制御部によってドライ
バを駆動、最終的にモータを回転する手段から構成され
る。
【0008】前記制御部は、前記ドライバを制御するP
WM信号をモータの電気角60度内に少なくとも2回以
上出力する制御手段と、電気角60度内における前記P
WM信号の数に所定の上限値を設ける制御手段と、各P
WM信号のオン期間に少なくとも1回以上の前記端子電
圧のサンプリングが可能となるように、前記PWM信号
のオン期間に所定の下限値を設ける制御手段から構成さ
れ、モータの無通電相の端子電圧を前記PWM信号のオ
ン期間に同期して検出し、検出された端子電圧の時間に
対する変化率に基づいて転流タイミングを決定する機能
を備える。
【0009】
【作用】本発明は、ブラシレス直流モータのロータの位
置検出手段にフィルタを用いるかわりに、モータの無通
電相の端子電圧を検出し、検出された端子電圧の時間に
対する変化率に基づいてロータの位置を推定してブラシ
レス直流モータを駆動することが特徴である。従って、
フィルタを用いて位置検出制御を行った場合の問題点、
即ち負荷の変動などによりロータの回転脈動が生じた場
合、或いはモータの各通流期間毎に通流率を変えてモー
タトルクと負荷トルクを一致させるように制御する場合
に、フィルタの出力電圧が歪んで位相遅延が不正確にな
ることを回避することができる。更に、フィルタを用い
た場合はPWM信号の周波数を切り替えることによって
フィルタ出力の波高値が変動し、正確な位相遅延ができ
なくなる恐れがあるが、本発明では低速回転域では転流
の精度が低下しない範囲においてPWM信号の周波数を
低く設定することが可能であり、インバータの損失を抑
制できる。
【0010】以上により、本発明はブラシレス直流モー
タの良質な駆動制御を行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。
【0012】図1は、本発明による駆動方法が適用され
るブラシレス直流モータの駆動システムである。直流電
源1,インバータ回路2,端子電圧3相の内無通電相1
相を選択するセレクタ3,選択した電圧のアナログ値を
電子計算機で演算できるようにディジタル値へ変換する
A/D変換器4,検出した電圧から変化率及び転流時刻
を決定し、ドライバに信号を出力する制御部5,インバ
ータ回路のドライバ回路部6,U,V,W相の巻線が一
端で結線された3相の直流ブラシレスモータのステータ
7,永久磁石を用いた磁極を有するロータ8,モータ結
合される負荷9により構成されている。
【0013】以後の説明における本発明の一実施例によ
るモータの駆動方法は、高出力トルクを得ることのでき
る120度通電形駆動とし、また、モータの制御方法
は、直流電圧の通流率を制御するいわゆるPWM制御で
あり、チョッピングを行うスイッチング素子は、直流電
源1の正電圧側に接続されているものとする。なお、チ
ョッピングを行うスイッチング素子が、直流電源1の負
電圧側に接続されていてもよく、また、インバータ回路
2は、図には省略されているが、各相の巻線に対応する
ように、3組のスイッチング素子を備えて構成されてい
る。
【0014】一般に、インバータ回路2により全波駆動
される直流モータにおいて、巻線からの有効な誘起電圧
情報は、3相の巻線の内の常時1相の通電されていない
巻線からの誘起電圧のみであり、インバータ回路による
チョッピングが行われていない期間の誘起電圧情報が有
効である。このため、セレクタ3は、通流モードに合わ
せて検出される相の端子を切り替えるスイッチング機
能、A/D変換器4は、PWM信号に同期してアナログ
値である電圧値をディジタル値に変換するいわゆるA/
D変換機能を有するものである。
【0015】制御部5は、ドライバ回路部6を制御する
PWM信号をモータの電気角60度内に少なくとも2回
以上出力する機能と、電気角60度内におけるPWM信
号の数に所定の上限値を設ける機能と、各PWM信号の
オン期間に少なくとも1回以上の端子電圧のサンプリン
グが可能となるように、PWM信号のオン期間に所定の
下限値を設ける機能と、モータの無通電相の端子電圧を
PWM信号のオン期間に同期して検出し、それに基づい
て電圧の時間に対する変化率即ち電圧の傾きを算出する
機能と、この傾きから目的の電圧の値になるまでの時間
を算出する機能と、インバータ回路2のスイッチング素
子を制御するドライバ回路部6を制御する信号を出力す
る機能と、前述の検出値及び傾きを記憶しておく機能を
有するマイクロコンピュータにより構成される。また、
ドライバ回路部6は、制御部5からの信号に応じてイン
バータ回路2を構成するスイッチング素子を駆動する機
能を有する。なお、前述した本発明の一実施例は、制御
部5とインバータ回路2のスイッチング素子のドライバ
回路部6とを別の回路により構成しているが、これらの
機能を一つに纏めたマイクロコンピュータを制御部とし
て用いてもよい。
【0016】モータを構成するステータ7は、電流を流
すことによって磁極化される巻線U,V,Wの3相の巻
き線をもって構成され、それらの巻き線の一端がお互い
に結線されている。また、ロータ8は、磁極化された永
久磁石であり、前述したステータの順当な磁極位置の変
化に応じて回転する。
【0017】次に、前述のように構成されるブラシレス
直流モータにおいて、ステータ7の各巻線が理想的な転
流タイミングで通流制御され、モータが一定速度で回転
しているものとして、その動作状態を図2を参照して説
明する。図2(a)は、この状態の場合に、物理現象と
して生じる各相の誘起電圧波形、図2(b)は、全波駆
動において検出される各相の巻線の端子電圧波形、図2
(c)は、本発明において、端子電圧波形をPWM信号
に同期して検出して検出不能な点について、検出値の時
間に対する変化量から外挿補間して得ることのできる信
号波形である。図2に示すように、モータが理想的な転
流タイミングで転流し、一定速度で回転している場合、
物理的現象としての回転を妨げるように図2(a)に示
すような逆向きの電圧が誘起される。この誘起電圧は、
ロータの磁極によって誘起されるものであり、そのPeak
To Peak値はモータの回転数に比例し、過渡値は、ロー
タの磁極位置と相関して決まる。通常、モータの転流タ
イミングは、この誘起電圧情報に基づいて決定すること
ができる。即ち、モータの理想的な(最大限に出力を引
き出すことができる)転流タイミングは、それぞれ隣り
合う相の誘起電圧が交差する図示の点tp1及びtp2
であり、本発明の一実施例は、この時の電圧を、上に凸
な変曲点である電圧の最大値e(tp1),下に凸な変
曲点である電圧の最小値e(tp2)として求めるもの
である。なお、モータが一定速度で回転している場合、
その時の前述の電圧の最大値と最小値とは、どの隣り合
う相においてもほぼ等しくなる。
【0018】一方、現実の系として検出できるのは、モ
ータのステータ巻線の端子電圧であり、図2(b)に示
すような波形となる。この検出波形は、演算より求めら
れた各相巻線が結合された中点の電位と各相巻線の端子
との間の電圧を示しており、モータを回転させるために
印加する駆動電圧と誘起電圧とが混在したものである。
そして、モータの120度通電形駆動において、有効な
誘起電圧情報は、図2(b)に示す期間Tsであり、常
時3相の内1相のみである。さらに、有効な誘起電圧情
報の期間Tsにおいても、転流時にフリーホイリングダ
イオードに電流が流れる区間では、その電位が直流電圧
の正又は負の値に固定され、また、インバータ回路がP
WM信号を行っている時には、チョッピングが行われて
いるため、図2(b)に示す様な連続するものとはなら
ない。このため、何らかの方法で誘起電圧を検出し、転
流タイミングを、その情報を基に演算処理を行って決定
する必要がある。
【0019】そこで、本発明の一実施例は、有効な誘起
電圧情報が、前述したように120度通電形駆動におい
て図2(b)に示す期間Tsでかつ常時3相の内1相の
みからしか得ることができないことから、セレクタ3に
より、通流モードに応じてモータの3相巻線の内の通電
していない1相を切り替え選択し、図3に示す検出波形
の拡大図の中に示されているように、インバータ回路2
における還流ダイオードに電流が流れておらず、かつ、
チョッピングオフの時の端子電圧e(t1)及びe(t
2)等をサンプリングすることにより、離散的である
が、端子電圧から直接誘起電圧情報をピックアップする
ようにしている。
【0020】さらに、本発明の一実施例は、制御部5で
離散的に得られた誘起電圧情報から電圧の時間に対する
変化率Δv/Δtを算出し、離散値間(図示の波線部
分)の誘起電圧を外挿補間して求め、これを3相分連続
的につなげて、図2(c)に示すような三角波信号波形
を有する処理波形を得ている。図2により説明したよう
に、理想的な転流タイミングで各相の巻線に対する通流
が制御され、モータが一定速度で回転している状態で
は、図2(c)に示すように、それぞれ隣り合う相の誘
起電圧が交差する点(上に凸な変曲点である電圧の最大
値、下に凸な変曲点である最小値)の電圧が、それぞれ
どの隣り合う相においてもほぼ一定になり、この時のこ
の信号の各変曲点の電圧値から処理波形のemax及びemin
を求めることができる。このことから、最適な転流タイ
ミングを求めるには、それぞれの相における誘起電圧を
検出し、その時の時間に対する変化率から得られる誘起
電圧がemax及びeminとなる時刻を求めればよいことにな
る。
【0021】また、転流タイミングの位相に遅れ,進み
が生じている場合、図4(b),図4(c)に示すよう
に、現在の誘起電圧の変化率による前回転流点における
電圧値e(t′41)及びe(t′42)と前回転流時
における電圧値e(t41)及びe(t42)の差を取
り、現在あるいは前回の誘起電圧の変化率情報に基づい
て前回の転流時t41及びt42における電圧値e(t
pb)の最適値を推定し比較することにより、前回の転
流時間の遅れ、進み時間Δtbdを推定し、転流時刻誤
差を蓄積することなく次回の転流点において補正を行
う。
【0022】本発明の一実施例は、前述の補正を繰り返
すことにより、転流タイミングを最終的に最適な転流時
刻に近付けていくことができる。また、誘起電圧情報
は、ロータの回転数及び磁極位置に依存するため、本発
明の一実施例は、前述の補正により、モータに回転脈動
が生じた場合においても、この回転脈動によって誘起電
圧も変化するので常に適正な転流タイミングを推定する
ことができる。
【0023】以下、前述した転流時刻を求める処理につ
いてさらに詳細に説明する。
【0024】今、モータに対する負荷9が、周期的な負
荷変動を持たない一定負荷とし、モータを定速制御して
回転させるものとする。この場合、誘起電圧として、図
3に示すような電圧波形が検出される。この電圧波形か
ら誘起電圧情報を得るためのサンプリングは、インバー
タ回路2のPWM出力のON期間に同期し、かつ、転流
時のフリーホイリングダイオードに電流が流れていない
期間のみのデータを有効として行われる。
【0025】電圧の時間に対する変化率Δv/Δtを算
出するためには、少なくとも2回のサンプリングが必要
であるが、PWM周波数が一定であれば電気角60度内
に含まれるPWM信号の個数はモータが高速回転になる
に従って減少し、最悪の場合はサンプリングができなく
なる。そこで、モータの出力周波数に応じてPWM周期
を切り替えて、サンプリングが確実に行われるように制
御する。このときのモータの出力周波数fmとPWM信
号の個数Npwm の関係を図5に示す。高速回転域におけ
るPWM周波数は、モータの最高回転時Nmax における
電気角60度内に最低でも2個以上のPWM信号が含ま
れるように設定する。電気角60度期間の初期は転流刻
時にほぼ一致するため、フリーホイリングダイオードに
還流電流が流れている場合は正常な誘起電圧情報を得る
ことができない。従って、この還流電流が流れている期
間を考慮して、電気角60度内のPWM信号の個数はあ
る程度の余裕値nを持たせて設計するのが望ましい。
【0026】またPWM周波数は、モータの出力周波数
帯毎に上限値を設定する。即ち、中速回転域,低速回転
域では、転流の精度が低下しない範囲でPWM周波数を
高速運転域よりも低く設定し、インバータのスイッチン
グ損失を低減する。
【0027】図6にセレクタ3の構成を示す。モータの
U相端子電圧Vuを抵抗R1,R2によって分圧する。
コンデンサC1はノイズ対策用であり、その端子電圧を
オペアンプOPuに入力する。V相,W相についても同
様にオペアンプOPv,OPwにモータの端子電圧を分圧
して入力する。スイッチS1は、オペアンプOPu,O
Pv,OPwの出力を、制御部5から出力される通流モ
ード信号Stにより選択して端子電圧A/D変換器4に
出力する。A/D変換器4は、制御部5から出力される
同期信号Ssにより入力電圧のA/D変換を開始する。
【0028】正確に端子電圧をサンプリングするために
は、抵抗R1とコンデンサC1の直列接続による時定数
の影響を考慮する必要がある。そこで、図7に示すよう
にPWM信号のON時刻からオペアンプの入力電圧が十
分立ち上がるまでの時間Tが経過した後、同期信号Ss
を出力する。また、PWM信号のON期間が抵抗R1と
コンデンサC1の直列接続による時定数より短い場合、
オペアンプの入力電圧が十分に立ち上がらない。そこ
で、PWM信号のON期間に下限値Tonminを設定し
て、抵抗R1とコンデンサC1の時定数よりPWM信号
のON期間が短くならないように制御する。
【0029】以上のように制御して、各60度電気角内
におけるモータ端子電圧のサンプリングを行い、前述し
た無効期間のデータは、検出した電圧値及び時間からそ
の変化率Δv/Δtを用い外挿補間によって算出する。
このように、無効期間の電圧値を外挿補間によって得る
ことにより、この結果による時間あるいは電圧から各通
流期間毎に連続的にロータ位置を推定することが可能と
なる。
【0030】転流時刻の推定は、現時刻を基準にして求
めた誘起電圧の変化率Δv/Δtから前回1回転時に求
めておいた上に凸な変曲点である最大値あるいは、下に
凸な変曲点である最小値の電圧になるまでの時間を基準
時間tbmとして算出し、さらに、前回転流点の情報を
基に転流位相の進み、遅れ時間tbdを推定し、前述の
基準時間tbmを前回の転流時刻の進み、遅れを時間t
bdで補正するという方法により行われる。
【0031】実際には、検出できる領域の電圧値が時間
に対する一次関数の近似式で表されるものとして取り扱
い、時間に対する変化率K=Δv/Δtは、図3に示す
ようにサンプリングした電圧値e(t1),e(t2)
から式(1)により求める。 K=Δv/Δt={e(t2)−e(t1)}/(t2−t1) …(1) 次に、現時刻tnを基準にして前回1回転時に求めてお
いた上に凸な変曲点である最大値の電圧になるまでの時
間である次回転流基準時間tbmを変化率K及び現時刻
での電圧値e(tn)に基づいて、式(2)により求め
る。この時、e(tn)は、emaxからeminの時間幅の中
の最も直線近似が有効な1/5〜4/5の位置の電圧値
とすることが望ましい。式(2)は、最大値の場合を記
したが、最小値の場合も同様である。そして、図4
(a)に示すように転流タイミングの位相に、進み,遅
れがなければ隣り合う相の電圧値が転流時刻において一
致し、前述した変化率Kに基づいて連続的にロータ位置
を推定し、転流タイミングを決定することができる。
【0032】 tbm={emax−e(tn)}/K …(2) また、図4(b),図4(c)に示すように、前回の転
流時に生じた転流位相に遅れ,進みがある場合、その補
正時間tbdは、現在の変化率K及び前回転流時刻を求
めた変化率Kbからそれぞれ前回転流点における電圧値
を推定し、その電圧値が一致する時間とする。即ち、ま
ず、フリーホイリングダイオードに電流が流れている期
間である前回の転流時刻における電圧e(t′41),
式(3)により推定する。
【0033】 e(t′41)=e(tn)−(tn−t41)・K …(3) さらに、予め前回の転流時刻算出に用いた変化率Kbよ
り求めておいた、前回転流時刻における推定電圧e(t
41)との差を取り、その1/2の点を最適に転流が行
われた際の電圧値と想定し、その電圧値と現在の変化率
Kから求めた電圧e(t′41)から求められる時間に
前回の位相時間tbd(n−1)を加え次回転流補正時
間tbd(n)を式(4)のように算出し、この結果を
前回転流点における位相遅れ時間とする。この時想定し
た電圧値は、理想的な転流タイミングにおける最大電圧
値として、次回転流時に反映させる。
【0034】 tbd(n)=[{e(t′41)−e(tpb)}/K]+tbd(n−1) …(4) そして、最終的に、次回転流時刻までの時間tbは、次
回転流基準時刻tbmを位相遅れ時間tbdで式(5)
により補正した時間である。
【0035】 tb=tbm+tbd(n) …(5) 前述の説明は、図4(b)に示す転流位相遅れの場合で
あるが、図4(c)に示すような位相進みの場合、変化
率が負の場合も同様である。前述では、検出されたモー
タの誘起電圧の変化率から転流時刻を求め、その時刻に
おいて時間管理を行って転流を行っていくとして説明し
たが、モータの誘起電圧の変化率は、電圧及び時間の情
報を持っているので、検出された電圧あるいは外挿した
電圧を転流タイミングであると推定される電圧値と比較
し、その電圧と一致した場合あるいはその電圧を越えた
場合に転流を行うような電圧で管理してモータの駆動を
制御するようにする方法も有効である。即ち、電圧の時
間に対する変化率Δv/Δtを用いると電圧,時間双方
の情報を持っていることから、電圧,時間のどちらでも
ロータ位置及び転流タイミングの管理ができる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、モータの無通電相の端子電圧
を検出し、検出された端子電圧の時間に対する変化率に
基づいてロータの位置を推定することができる。これに
より、負荷の変動などによりロータの回転脈動が生じた
場合、或いはモータの各通流期間毎に通流率を変えてモ
ータトルクと負荷トルクを一致させるように制御する場
合でも正確なロータの位置の推定が可能であり、ブラシ
レス直流モータの良質な駆動制御を行うことができる。
【0037】更に、本発明では低速回転域では転流の精
度が低下しない範囲においてPWM信号の周波数を低く
設定することが可能であり、インバータの損失を抑制で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による駆動方法が適用されるブラシレス
直流モータのシステム構成を示すブロック図である。
【図2】モータに対して理想的な転流タイミングで通流
が制御され、モータが一定速度で回転している状態にお
けるモータの誘起電圧,検出端子電圧,処理電圧の波形
を模式化して示す図である。
【図3】検出端子電圧波形の拡大図である。
【図4】本発明による転流タイミングの位相の進み,遅
れを説明する処理電圧波形を示す図である。
【図5】本発明によるモータの出力周波数とPWM周波
数、及び60度電気角内に含まれるPWM信号の数との
関係を示す図である。
【図6】図1のセレクタ3の構成図である。
【図7】本発明による同期信号とPWM信号の関係を示
す図である。
【符号の説明】
1…直流電源、2…インバータ回路、3…セレクタ、4
…A/D変換器、5…制御部、6…ドライバ回路部、7
…ステータ、8…ロータ、9…負荷。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 直樹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 二見 基生 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 田原 和雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石と電機子コイルとを有し、電機子
    コイルの各相の一端部が共通接続されて構成されるブラ
    シレス直流モータの120度通電型インバータ回路を用
    いる駆動方法において、前記インバータ回路を制御する
    PWM信号を前記ブラシレス直流モータの電気角60度
    内に少なくとも2回以上出力するように制御し、前記ブ
    ラシレス直流モータの無通電相の端子電圧を前記PWM
    信号のオン期間に同期して検出し、検出された端子電圧
    の時間に対する変化率に基づいて転流タイミングを決定
    することを特徴とするブラシレス直流モータの駆動方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1のブラシレス直流モータの駆動方
    法において、前記インバータを駆動するPWM信号は、
    前記ブラシレス直流モータの出力周波数帯毎に、前記P
    WM信号の周波数を切り替えることを特徴とするブラシ
    レス直流モータの駆動方法。
  3. 【請求項3】請求項1のブラシレス直流モータの駆動方
    法において、前記インバータを駆動するPWM信号は、
    前記ブラシレス直流モータの出力周波数帯毎に、PWM
    周波数に所定の上限値を設けることを特徴とするブラシ
    レス直流モータの駆動方法。
  4. 【請求項4】請求項1のブラシレス直流モータの駆動方
    法において、前記PWM信号のオン期間は、各PWM信
    号のオン期間に少なくとも一回以上の前記端子電圧のサ
    ンプリングが可能となるように、所定の下限値を設ける
    ことを特徴とするブラシレス直流モータの駆動方法。
JP6212338A 1994-09-06 1994-09-06 ブラシレス直流モータの駆動方法 Pending JPH0880083A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5923134A (en) * 1996-12-10 1999-07-13 Zexel Corporation Method and device for driving DC brushless motor
US6614137B2 (en) * 2000-10-12 2003-09-02 Hitachi, Ltd. Linear motor, driving and control system thereof and manufacturing method thereof

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