JP3244532B2 - 電子ビーム蒸発方法 - Google Patents

電子ビーム蒸発方法

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JP3244532B2 JP16840292A JP16840292A JP3244532B2 JP 3244532 B2 JP3244532 B2 JP 3244532B2 JP 16840292 A JP16840292 A JP 16840292A JP 16840292 A JP16840292 A JP 16840292A JP 3244532 B2 JP3244532 B2 JP 3244532B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着装置やイオン
プレーティング装置における蒸発源の電子ビーム蒸発方
法に関し、特に、蒸発物質を回転させながら蒸発させる
場合に使用して有効な電子ビーム蒸発方法に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる装置に用いられる電子ビーム蒸発
源としては、図1及び図2に示すような例えば180度
の偏向型の構造のものが広く使用されている。同図にお
いて、1は蒸発源本体、2はこの本体の上面に載置され
た電子銃で、図示しないがフィラメントとグリッドと陽
極とから構成されている。この電子銃2の上面にはフィ
ラメントから発生した電子ビームEを通過させるための
ビーム通過孔3が形成されている。4はこの電子銃と同
様に本体1の上面に載置された有底筒状のルツボで、内
部に蒸発物質5が装填されている。前記電子銃2とルツ
ボ4とはX方向に沿って適当な間隔をおいて配置されて
いる。6a及び6bは電子銃2から発生した電子ビーム
Eを偏向させて蒸発材料5上に照射するための偏向磁場
Bを発生する一対の磁極で、各磁極はその間に前記電子
銃2及びルツボ4を挾むようにしてY方向に沿って互い
に対向するように配置されている。また、この各磁極は
前記本体1に取り付けられた断面コの字状のヨーク7の
両端に夫々固定されている。前記ヨークの途中には図示
しないが磁束を発生するためのコイルが巻回されてい
る。
【0003】8a,8b及び9a,9bは前記磁極6a
及び6bに夫々固定されたビーム成形用の第1,第2の
磁極片で、第1の磁極片8a,8bは各開放端部が電子
銃2に接近するように配置され、それによって電子銃の
ビーム通過孔3から出射した電子ビームEを発散させる
ことなく集束させながらルツボ4方向に向けて偏向させ
る役目を果たすものである。また、第2の磁極片9a,
9bも同様に各開放端部がルツボ4(蒸発材料5)に接
近するように配置され、蒸発材料上に照射される電子ビ
ームEの形状をできるだけ小さいスポット状に集束する
役目を果たすものである。ここで、蒸発材料5を照射す
る電子ビームの形状をできるだけ小さい径のスポット状
にするのは、電流密度をできるだけ高くして効率良く加
熱蒸発させるためである。
【0004】10は電子ビームEを蒸発材料5上で2次
元的に走査するための例えばトロイダルコイル等からな
る偏向系である。
【0005】いま、図1及び図2で示すように各磁極6
a,6bにより矢印方向の磁場Bを形成した状態におい
て電子銃2から電子ビームEを発生すれば、電子ビーム
は磁場Bにより180度偏向されて蒸発材料5上を照射
するため、蒸発材料が加熱蒸発される。このとき、偏向
系10により電子ビームEを蒸発材料5上で2次元的に
走査すれば、蒸発材料領域を広げることができる。
【0006】しかしながら、このように偏向系により蒸
発材料上で電子ビームを2次元的に走査する方式では、
一般にはルツボの形状は円筒状のものが使用されるのに
対して電子ビームの走査は矩形状に行われるため、蒸発
材料状で走査されない部分ができ、走査されない部分に
は蒸発材料が残る。従って、蒸発されずに残っている部
分があるにもかかわらず蒸発材料を交換しなければなら
ないため、蒸発材料の利用効率が悪い。また、電子ビー
ムによる蒸発材料の走査範囲にも限界があり、一度に蒸
発させる量に限界がある。
【0007】そこで、近時図3に示すように蒸発材料5
(ルツボ4)を矢印C方向に回転させた状態において、
電子ビームEを蒸発材料5の回転中心Oから半径方向
(X方向)に沿って同図中点線Saで示すように蒸発材
料の外周部分までを往復動させながら蒸発材料を加熱蒸
発することが行われている。
【0008】このようになせば、電子ビームEを蒸発材
料5全体に照射させることができるため、蒸発材料を無
駄なく消費することができる。また、電子ビームの走査
は2次元的ではなく往復動であるため、その移動距離を
長くすることは比較的容易である。従って、大径のルツ
ボを使用することが可能となるため、一度に多量の蒸発
材料を加熱蒸発させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蒸発材料5
上を照射する電子ビームEの形状は、図3中実線Saと
点線Sbで示すように電子ビームの移動範囲内で変える
ことなく一定であり、また、その大きさは前述した理由
により非常に小さいスポット上のものを使用している。
つまり、非常に大きな一定の電流密度の電子ビームでも
って蒸発材料上を往復動させている。
【0010】一方、蒸発材料5を回転させた場合、その
周速度は回転中心からの距離に比例して速くなる。つま
り蒸発材料の回転中心O部分はほとんど回転していな
い。従って、蒸発材料上を上述のように非常に大きな一
定の電流密度の電子ビームで移動させると、ほとんど回
転していない回転中心部分がその外周部分よりも強く加
熱されて早く蒸発するため、蒸発材料上において蒸発の
ムラが生じて均一な蒸着膜を形成することができなくな
ると共に、蒸発材料を一様に蒸発させることができなく
なる。また、最悪の場合には蒸発材料の回転中心部分に
ルツボ底部に到達する穴が形成されて蒸発作業ができな
くなる恐れがある。
【0011】そこで、本発明はかかる不都合を解決する
ために、蒸発材料を回転させながら電子ビームにより加
熱蒸発させるにあたり、蒸発ムラをなくして均一な蒸着
膜を形成すると共に蒸発材料を一様に蒸発させることの
できる蒸発方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、回転している蒸発物質に電子ビームを照
射して蒸発させるにあたって、前記電子ビームを蒸発物
質の回転中心から半径方向に往復動させながら蒸発させ
る方法において、前記蒸発物質上での電子ビームの電流
密度が、前記蒸発物質の回転中心部では小さく、外周部
では大きく成るように、前記蒸発物質に照射する電子ビ
ームの形状を前記蒸発物質の回転中心部とその外周部と
で変化させるようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳説
する。
【0014】図4は本発明に係る電子ビーム蒸発方法を
実施するための装置の一例を示す構成概略図であり、図
1,図2及び図3と同一番号のものは同一構成要素を示
すものである。
【0015】該実施例において、図1及び図2と相違す
るところは蒸発源本体1に対してルツボ4を図示外のモ
ータ等により回転可能に組み込むと共に、一対の磁極6
a,6bの相対向する面に補助磁極片11a,11bを
夫々対向するように取り付けた点である。
【0016】このように補助電極11a,11bを設け
ることにより、磁極6a,6bによる磁場Bに補助磁極
片11a,11bによる磁場Bsが重畳される。この重
畳磁場はルツボ4(蒸発物質5)の外周に近く、ルツボ
4(蒸発物質5)の中心に近いほど遠く離れている。さ
て、ルツボ4(蒸発物質5)の上方には、該ルツボ4
(蒸発物質5)上方に設けられている第2磁極片9a,
9bによるほぼ一様な磁場Boが形成されており、前記
重畳磁場による影響を受ける。即ち、前記重畳磁場に近
い所程磁場が強くなり、離れている所程磁場が弱い。即
ち、ルツボ4(蒸発物質5)の外周付近に形成される磁
場が強く、ルツボ4(蒸発物質5)の中心付近、即ち、
第2の磁極片9a,9bの各開放端部間の磁場は前記ル
ツボ4(蒸発物質5)の外周付近に比べ著しく弱い。さ
て、電子銃2から発生した電子ビームEは磁極6a,6
bの磁場により180度偏向されてルツボ4内の蒸発物
質5上に照射され、偏向系10により蒸発物質5の回転
中心Oから外周部までのX方向に往復動される際、前記
蒸発物質5の回転中心Oから外周部までに形成されてい
る磁場によりX方向に集束する力を受ける。この時、図
5に示す様に、電子ビームEが蒸発物質5の外周に近づ
く程、強い磁場によりX方向に強く集束され、蒸発物質
5の回転中心Oに近づく程、弱い磁場によりX方向にあ
まり集束されない。従って、蒸発物質5に照射される電
子ビームは、蒸発物質5の外周部上では図5のSa´に
示す様に、X方向が強く収縮され、断面積の小さい、い
わゆる電流密度の大きいビームとなり、蒸発物質5の回
転中心O上では図5のSb´に示す様に、X方向があま
り収縮されず、断面積の大きい、いわゆる電流密度の小
さなビームとなる。従って、蒸発物質上での電子ビーム
の電流密度を回転中心から離れるに従って大きくなるよ
うに連続的に変化させることが出来るため、回転してい
る蒸発物質に電子ビームを照射させても、蒸発物質を均
一に加熱蒸発させることができる。
【0017】以上の説明は本発明の一例であり、実施に
あたっては幾多の変形が考えられる。例えば、図6に示
す様に、補助電極11a,11bを設けた状態で第2の
磁極片9a,9bを取り外しても、図5で示したよう
、蒸発物質5の回転中心O部分で、X方向があまり収
縮されず、断面積の大きい、いわゆる電流密度の小さな
ビームになり、蒸発物質5の外周部上では、X方向が強
く収縮され、断面積の小さい、いわゆる電流密度の大き
いビームにできることが実験により確認された。このよ
うに、第2の磁極片が無くなれば、蒸発物質供給の自動
化を容易に行うことが可能となり、また、第2の磁極片
に付着した蒸発物質が剥離してルツボ内に落下すること
によるコンタミを防止することが出きる効果を有する。
【0018】また、上記実施例では、蒸発材料上を走査
する電子ビームの形状を変化させるために、磁極6a,
6bに補助磁極片11a,11bを追加した場合を示し
たが、これに限定されることなく、例えば補助磁極片を
設けないで第2の磁極片の開放端の間隔を拡げても良
い。これは磁極片の間隔が広くなるにつれてその間に生
じる磁場が弱くなり、電子ビームEがルツボ5の外周部
から回転中心Oに向かうにつれてX方向の集束作用が弱
まるためである。
【0019】さらに、上記の実施例では、180度偏向
型の電子ビーム蒸発源について述べたが、これに限定さ
れることなく270度偏向型にも同様に実施することが
できる。
【0020】
【発明の効果】以上のようになせば、電子ビームの電流
密度を蒸発材料の回転中心とその外周部において変化さ
せることができるため、従来のように蒸発材料の回転中
心部が強く加熱されるのを防止することができる。その
結果、蒸発材料上において蒸発のムラが生じることなく
均一な蒸着膜を形成することができると共に、蒸発材料
を一様に蒸発させることができる。また、蒸発材料の回
転中心部分にルツボ底部に到達する穴が形成されて蒸発
作業ができなくなるという最悪の状態をなくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来装置を説明するための平面図である。
【図2】図1のAA断面図である。
【図3】従来装置の動作を説明するための図である。
【図4】本発明に係る電子ビーム蒸発方法を実施するた
めの装置の一例を示す構成概略図である。
【図5】本発明における動作を説明するための図であ
る。
【図6】本発明に係る電子ビーム蒸発方法を実施するた
めの装置の他の例を示す構成概略図である。
【符号の説明】
1 蒸発源本体 2 電子銃 3 ビーム通過孔 4 ルツボ 5 蒸発物質 6a,6b 磁極 7 ヨーク 8a,8b 第1の磁極片 9a,9b 第2の磁極片 10 偏向系 11a,11b 補助磁極片

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転している蒸発物質に電子ビームを照
    射して蒸発させるにあたって、前記電子ビームを蒸発物
    質の回転中心から半径方向に往復動させながら蒸発させ
    る方法において、前記蒸発物質上での電子ビームの電流
    密度が、前記蒸発物質の回転中心部では小さく、外周部
    では大きく成るように、前記蒸発物質に照射する電子ビ
    ームの形状を前記蒸発物質の回転中心部とその外周部と
    で変化させるようにした電子ビーム蒸発方法。
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