JP3243981B2 - 電荷輸送性樹脂の精製方法、それを利用した電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

電荷輸送性樹脂の精製方法、それを利用した電子写真感光体および電子写真装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電荷輸送性樹脂の精製
方法、それを利用した電子写真感光体および電子写真装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルカルバゾール(PVK)に代
表される電荷輸送性樹脂は、電子写真感光体の光導電材
料或いは第36回応用物理学関係連合講演会予稿集31
p−K−12(1990)等に記載されたような、有機
電界発光素子材料として有望なものである。これ等は共
に層を形成させ、電荷輸送層として使用するが、電荷輸
送層を形成する材料としては、PVKに代表される電荷
輸送性樹脂と、電荷輸送性の低分子化合物を樹脂中に分
散した低分子分散系のものとがよく知られている。ま
た、有機電界発光素子では低分子の電荷輸送材料を蒸着
して用いるのが一般的である。このうち、低分子分散系
のものが、材料の多様性があり、高機能のものが得られ
やすいことから、特に電子写真感光体では主流になって
いる。電子写真感光体に関しては、近年、有機感光体の
高性能化に伴い、高速の複写機やプリンターにも使用さ
れるようになってきたが、高速の複写機やプリンターに
用いる場合、必ずしも現在の性能では十分でなく、特に
有機感光体については、一層長寿命化することが切望さ
れている。有機感光体の寿命を決定する重要な因子の一
つが電荷輸送層の摩耗である。現在の主流である低分子
分散系の電荷輸送層については、電気的な特性に関して
は十分に満足できる性能のものが得られつつあるが、低
分子化合物を樹脂中に分散して用いるため、本質的には
機械的強度が劣り、摩耗に対して弱いという欠点があっ
た。また、有機電界発光素子の場合には、発生するジュ
ール熱により、低分子の電荷輸送材料が溶融し、結晶化
等による膜のモルホロジー変化が起こりやすいという欠
点があった。
【0003】これに対し、電荷輸送性樹脂は、上記の欠
点を大きく改善できる可能性があるため、現在盛んに研
究されている。例えば、米国特許第4,806,443
号明細書には、特定のジヒドロキシアリールアミンとビ
スクロロホルメートとの重合によるポリカーボネートが
開示されており、米国特許第4,806,444号明細
書には特定のジヒドロキシアリールアミンとホスゲンと
の重合によるポリカーボネートが開示されている。ま
た、米国特許第4,801,517号明細書にはビスヒ
ドロキシアルキルアリールアミンとビスクロロホルメー
ト或いはホスゲンとの重合によるポリカーボネートが開
示されており、米国特許第4,937,165号明細書
および同第4,959,288号明細書には、特定のジ
ヒドロキシアリールアミン或いはビスヒドロキシアルキ
ルアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によ
るポリカーボネート、或いはビスアシルハライドとの重
合によるポリエステルが開示されている。さらに、米国
特許第5,034,296号明細書には、特定のフルオ
レン骨格を有するアリールアミンのポリカーボネート、
或いはポリエステルが、また、米国特許第4,983,
482号明細書には、ポリウレタンが開示されている。
さらにまた、特公昭59−28903号公報には、特定
のビススチリルビスアリールアミンを主鎖としたポリエ
ステルが開示されている。また、特開昭61−2095
3号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−
134457号公報、特開平1−134462号公報、
特開平4−133065号公報、特開平4−13306
6号公報等には、ヒドラゾンや、トリアリールアミン等
の電荷輸送性の置換基をペンダントとした樹脂およびそ
れを用いた感光体も提案されている。特にテトラアリー
ルベンジジン骨格を有する樹脂は、“The Sixth Intern
ational Congress on Advances in Non-impact Printin
g Technologies, 306, (1990).”にも報告されているよ
うにモビリティーが高く、実用性の高いものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電荷輸送性
樹脂の重合反応では、所望の分子量より低分子量のオリ
ゴマー等が副生成物として生成されやすい。この低分子
量成分が混合していると、成膜性の低下、ポットライフ
の低下等、製造上の問題が発生し易く、また、トラップ
を形成する可能性のある末端基の数が増加することによ
り、電子写真特性上の問題として、残留電位の上昇、繰
り返し安定性の低下、耐磨耗性の低下等の問題が発生し
易くなる。これらの問題点を解決するためには、電荷輸
送性樹脂の重合反応後の精製が必要になってくる。一般
的な樹脂の精製方法としては、溶解性不純物を抽出除去
するソックスレー抽出法や樹脂溶液を過剰の沈澱溶剤中
に撹拌しながら滴下し、沈澱させる再沈澱方法が知られ
ている。しかしながら、除去すべき物質と精製すべき樹
脂の性質が似ている場合、このソックスレー抽出法や再
沈澱法では除去しにくかったり、或いは精製を繰り返し
行わなければならない等の欠点があった。本発明は、こ
れらの問題点を解決することを目的とするものであっ
て、低分子量成分を効果的に除去することが可能な精製
方法を提供することにある。また、本発明の他の目的
は、耐刷性が優れ、繰り返し複写した場合に安定性の高
い電子写真感光体および電子写真装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記欠点
に鑑み鋭意検討した結果、合成によって得られた電荷輸
送性樹脂の溶液中に、該電荷輸送性樹脂を沈澱させ得る
溶剤を滴下することにより、低分子量成分を効果的に除
去できることを見出だした。さらにまた、この方法によ
り精製した電荷輸送性樹脂が、電荷輸送性、電気特性安
定性、機械的摩耗に優れ、これを用いた有機電子デバイ
ス、特に電子写真感光体は、優れた電気特性と高い耐久
性を実現できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】したがって、本発明の電荷輸送性樹脂の精
製方法は、低分子量成分を副生成物として含有する電荷
輸送性樹脂の溶液中に、該電荷輸送性樹脂を沈澱させ得
る溶剤を滴下して再沈澱させ、不純物を除去することを
特徴とする。また、本発明の電子写真感光体は、表面層
が、上記の電荷輸送性樹脂の精製方法により得られた電
荷輸送性ポリカーボネート樹脂または電荷輸送性ポリエ
ステル樹脂を含有することを特徴とする。さらに本発明
の電子写真装置は、感光体、および該感光体に接触する
ように配置された電圧が印加される帯電部材を有するも
のであって、その感光体が、上記の電荷輸送性樹脂の精
製方法により得られた電荷輸送性ポリカーボネート樹脂
または電荷輸送性ポリエステル樹脂を表面層に含有する
電子写真感光体よりなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。先ず、合成された、低分子量成分を
副生成物として含有する電荷輸送性樹脂を、適当な溶剤
に溶解させて電荷輸送性樹脂溶液を得る。溶剤として
は、電荷輸送性樹脂を溶解するものであれば何如なるも
のでも使用できるが、テトラヒドロフラン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、トルエン、モノクロロベンゼン等
が好ましい。電荷輸送性樹脂の溶解濃度は、溶剤100
重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.
5〜5重量部の範囲に設定される。溶解温度は、室温な
いし使用溶剤の沸点以下に設定される。得られた電荷輸
送性樹脂溶液は、必要に応じて濾過し、不溶分を除去す
ることができる。得られた電荷輸送性樹脂溶液をマグネ
チックスターラーやメカニカルスターラー等で撹拌しな
がら、その中に、電荷輸送性樹脂を沈澱させ得る溶剤
(以下、「沈澱溶剤」という。)を滴下する。その際の
電荷輸送性樹脂溶液の温度は0〜40℃、好ましくは1
0〜30℃の間に設定される。沈澱溶剤としては、電荷
輸送性樹脂を沈澱させるものであれば何如なるものでも
使用することができるが、蒸溜水、メタノール、エタノ
ール、アセトン等が好ましい。沈澱溶剤の温度は0〜4
0℃、好ましくは10〜30℃の間に設定される。沈澱
溶剤の滴下速度は任意に設定できる。沈澱溶剤の滴下量
は、所望の電荷輸送性樹脂を沈澱させ得る量で、かつ、
除去したい低分子量成分を沈澱させない量であれば、任
意に設定できる。沈澱溶剤の滴下を開始すると、沈澱し
やすい分子量の大きい成分から順次沈澱する。沈澱溶剤
の滴下は、除去すべき低分子量成分が沈澱する前に停止
する。得られた沈澱物は、濾過等の方法によって溶液部
分と分離する。分離した沈澱物が水飴状である場合に
は、減圧乾燥を行っても乾燥され難く、溶剤が残留しや
すいので、そのまま或いは適当に乾燥してから、それを
溶解する溶剤に溶解し、得られた樹脂溶液を水やメタノ
ールのような沈澱溶剤中に攪拌しながら滴下し、繊維状
に析出させることもできる。
【0008】本発明において、電荷輸送性樹脂として
は、従来公知のものであれば何如なるものでも使用でき
るが、特に電荷輸送性ポリカーボネート樹脂または電荷
輸送性ポリエステル樹脂が好ましい。電荷輸送性ポリカ
ーボネート樹脂および電荷輸送性ポリエステル樹脂とし
ては、例えば、米国特許第4,806,443号、同第
4,806,444号、同第4,801,517号、同
第4,937,165号、同第4,959,288号、
同第5,034,296号明細書、特願平6−1517
76号、特願平6−219599号、特願平6−329
854号、特願平6−329853号、特願平6−70
232号および特願平7−161608号に記載されて
いる下記一般式(I−1)または(I−2)で示される
部分構造の少なくとも1種を含む繰り返し単位よりなる
電荷輸送性樹脂が好ましい。
【0009】
【化3】 (ここで、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲ
ン原子、または置換もしくは未置換のアリール基を表
し、Xは置換または未置換の2価の芳香族基を表し、T
は炭素数1〜10の枝分かれしてもよい2価の炭化水素
基を表し、kおよびlは、それぞれ0または1を表
す。)
【0010】上記一般式中、基Tで示される炭化水素基
の具体的な構造例として、以下のものを例示することが
できる。アリールアミン骨格はどちらの側と結合しても
よいが、例えば、T−2rと記す場合は、構造T−2の
右側に、T−2lと記す場合は、構造T−2の左側にテ
トラアリールベンジジン骨格が結合していることを示す
ものとする。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】また、Xとしては以下の基(1)〜(7)
から選択されたものがあげられる。
【化6】 〔式中、R5 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、置換もしくは未置換のフェニル基、または置換もし
くは未置換のアラルキル基を表し、R6 〜R12は、それ
ぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜
4のアルコキシ基、置換もしくは未置換のフェニル基、
置換もしくは未置換のアラルキル基、またはハロゲン原
子を表し、aは0または1を意味し、Vは下記の基
(8)〜(17)から選択された基を表す。
【0014】
【化7】 (bは1〜10の整数を意味し、cは1〜3の整数を意
味する。)〕
【0015】また、YおよびZは、下記の基(18)〜
(24)から選択された基を表す。
【化8】 (式中、R13およびR14は、それぞれ水素原子、炭素数
1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置
換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換の
アラルキル基、またはハロゲン原子を表し、dおよびe
はそれぞれ1〜10の整数を意味し、fおよびgはそれ
ぞれ0、1または2の整数を意味し、hおよびiはそれ
ぞれ0または1を意味し、Vは前記したものと同意義を
有する。)
【0016】このうち、Xが下記構造式(V)または
(VI)で示されるビフェニル構造を有するポリマーは、
「The Sixth International Congress on Advances in
Non-impact Printing Technologies, 306,(1990)」にも
報告されているようにモビリティーが高く、特に好まし
い。
【化9】
【0017】より具体的なものとして、下記一般式(I
I)〜(IV)で示される電荷輸送性ポリカーボネート樹
脂および電荷輸送性ポリエステル樹脂が好ましい。
【化10】 [ここで、Aは上記一般式(I−1)または(I−2)
で示される部分構造を表し、Bは、−O−(Y′−O)
m′−または−Z′−を表し(ただし、Y′およびZ′
はそれぞれ2価の炭化水素基を表し、m′は1〜5の整
数を意味する。)、YおよびZは、それぞれ2価の炭化
水素基を表し、mは1〜5の整数を表し、nは0または
1を表し、p、p′およびp″は、5〜5000の整数
を表す。]
【0018】本発明における電荷輸送性樹脂の具体例を
下記表に示す。なお、表1〜表5は、一般式(I−1)
で示される部分構造の例であり、表6〜表10は、一般
式(I−2)で示される部分構造の例である。また、表
11〜表12は、一般式(II)で示される電荷輸送性ポ
リエステル樹脂を例示し、表13は、一般式(III )で
示される電荷輸送性ポリエステル樹脂を例示し、表14
は、一般式(IV)で示される電荷輸送性ポリカーボネー
ト樹脂を例示する。
【0019】上記一般式(I−1)で示される部分構造
の例
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】上記一般式(I−2)で示される部分構造
の例
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】上記一般式(II)で示される電荷輸送性ポ
リエステル樹脂の例
【表11】
【0030】
【表12】
【0031】上記一般式(III )で示される電荷輸送性
ポリエステル樹脂の例
【表13】
【0032】上記一般式(IV)で示される電荷輸送性ポ
リカーボネート樹脂の例
【表14】
【0033】本発明の上記電荷輸送性樹脂の合成につい
ては、前述の文献に記載されているが、以下、電荷輸送
性ポリエステル樹脂の合成の場合を例にとって説明す
る。電荷輸送性ポリエステル樹脂は、下記構造式(VII
)または(VIII)で示される電荷輸送性モノマーの少
なくとも1種を用いて、例えば、第4版実験化学講座第
28巻等に記載された公知の方法で重合させることによ
って合成することができる。
【0034】
【化11】 〔式中、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原
子、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、X
は置換または未置換の2価の芳香族基を表し、Tは炭素
数1〜10の枝分かれしてもよい2価の炭化水素基を示
し、kおよびlは0または1であり、Eは水酸基、ハロ
ゲン原子、または基−O−R15を表す。(ただし、R15
はアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、また
はアラルキル基を表す。)〕
【0035】(1)Eが水酸基の場合 Eが水酸基の場合には、HO−(Y−O)−Hで示さ
れる2価アルコール類をほぼ当量混合し、酸触媒を用い
て重合する。酸触媒としては、硫酸、トルエンスルホン
酸、トリフルオロ酢酸等、通常のエステル化反応に用い
るものが使用でき、電荷輸送性モノマー1重量部に対し
て、1/10000〜1/10重量部、好ましくは1/
1000〜1/50重量部の範囲で用いられる。重合中
に生成する水を除去するために、水と共沸可能な溶剤を
用いることが好ましく、トルエン、クロロベンゼン、1
−クロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送性モノマ
ー1重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは2
〜50重量部の範囲で用いられる。反応温度は任意に設
定できるが、重合中に生成する水を除去するために、溶
剤の沸点で反応させることが好ましい。反応終了後、溶
剤を用いなかった場合には溶解可能な溶剤に溶解させ
る。溶剤を用いた場合には、反応溶液をそのまま、メタ
ノール、エタノール等のアルコール類や、アセトン等の
ポリマーが溶解しにくい貧溶剤中に滴下し、電荷輸送性
樹脂を析出させ、電荷輸送性樹脂を分離した後、水や有
機溶剤で十分洗浄し、乾燥させる。更に、必要であれば
適当な有機溶剤に溶解させ、貧溶剤中に滴下し、電荷輸
送性樹脂を析出させる再沈殿処理を繰り返してもよい。
再沈殿処理の際には、メカニカルスターラー等で、効率
よく撹拌しながら行うことが好ましい。再沈殿処理の際
に電荷輸送性樹脂を溶解させる溶剤は、電荷輸送性樹脂
1重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは2〜
50重量部の範囲で用いられる。また、貧溶剤は電荷輸
送性ポリマー1重量部に対して、1〜1000重量部、
好ましくは10〜500重量部の範囲で用いられる。
【0036】(2)Eがハロゲンの場合 Eがハロゲンの場合には、HO−(Y−O)−Hで示
される2価アルコール類をほぼ当量混合し、ピリジンや
トリエチルアミン等の有機塩基性触媒を用いて重合す
る。有機塩基性触媒は、電荷輸送性モノマー1当量に対
して、1〜10当量、好ましくは2〜5当量の範囲で用
いられる。溶剤としては、塩化メチレン、テトラヒドロ
フラン(THF)、トルエン、クロロベンゼン、1−ク
ロロナフタレン等が有効であり、電荷輸送性モノマー1
重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは2〜5
0重量部の範囲で用いられる。反応温度は任意に設定で
きる。重合後、前述のように再沈殿処理し、精製する。
また、ビスフェノール等の酸性度の高い2価アルコール
類の場合には、界面重合法も用いることができる。すな
わち、2価アルコール類を水に加え、当量以上の塩基を
加えて溶解させた後、激しく撹拌しながら2価アルコー
ル類と当量の電荷輸送性モノマー溶液を加えることによ
って重合できる。この際、水は2価アルコール類1重量
部に対して、1〜1000重量部、好ましくは2〜50
0重量部の範囲で用いられる。電荷輸送性モノマーを溶
解させる溶剤としては、塩化メチレン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、トルエン、クロロベンゼン、1
−クロロナフタレン等が有効である。反応温度は任意に
設定でき、反応を促進するために、アンモニウム塩、ス
ルホニウム塩等の相間移動触媒を用いることが効果的で
ある。相間移動触媒は、電荷輸送性モノマー1重量部に
対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重
量部の範囲で用いられる。
【0037】(3)Eが−O−R15の場合 Eが−O−R15の場合には、HO−(Y−O)−Hで
示される2価アルコール類を過剰に加え、硫酸、リン酸
等の無機酸、チタンアルコキシド、カルシウムおよびコ
バルト等の酢酸塩或いは炭酸塩、亜鉛や鉛の酸化物を触
媒に用いて加熱し、エステル交換により合成できる。2
価アルコール類は電荷輸送性モノマー1当量に対して、
2〜100当量、好ましくは3〜50当量の範囲で用い
られる。触媒は電荷輸送性モノマー1重量部に対して、
1/10000〜1重量部、好ましくは1/1000〜
1/2重量部の範囲で用いられる。反応は、反応温度2
00〜300℃で行い、基−O−R15から基−O−(Y
−O)−Hへのエステル交換終了後は、HO−(Y−
O)−Hの脱離による重合を促進するため、0.01
〜100mmHg程度、好ましくは0.05〜20mm
Hgに減圧して反応させることが好ましい。また、HO
−(Y−O)−Hと共沸可能な1−クロロナフタレン
等の高沸点溶剤を用いて、常圧下でHO−(Y−O)
−Hを共沸で除きながら反応させることもできる。
【0038】また、一般式(III )で示される電荷輸送
性樹脂は、次のようにして合成することができる。上記
それぞれの場合において、2価アルコール類を過剰に加
えて反応させることによって下記構造式(IX)または
(X)で示される化合物を生成した後、これを電荷輸送
性モノマーとして用いて上記(2)と同様の方法で、2
価カルボン酸または2価カルボン酸ハロゲン化物等と反
応させればよく、それによって電荷輸送性樹脂を得るこ
とができる。
【0039】
【化12】 (式中、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲン原
子、または置換もしくは未置換のアリール基を表し、X
は置換または未置換の2価の芳香族基を表し、Yは2価
の炭化水素基を表し、Tは炭素数1〜10の枝分れして
もよい2価の炭化水素基を表し、mは1〜5の整数を表
し、kおよびlは、それぞれ0および1である。) 本発明において、電荷輸送性樹脂の重合度p、p′およ
びp″は、低すぎると成膜性に劣り、強固な膜が得られ
難く、また、高すぎると溶剤への溶解度が低くなり、加
工性が悪くなるため、5〜5000の範囲のものが用い
られ、好ましくは10〜3000、より好ましくは15
〜1000の範囲に設定される。また、電荷輸送性樹脂
の末端は、所望により変性することができる。
【0040】次に、本発明の電子写真感光体について説
明する。図1ないし図7は、本発明の電子写真感光体の
断面を示す模式図である。図1においては、導電性支持
体3上に電荷発生層1が設けられ、その上に電荷輸送層
2が設けられている。図2においては、導電性支持体3
上に下引き層4が設けられており、図3においては、表
面に保護層5が設けられている。さらに、図4において
は、下引き層4と保護層5の両者が設けられている。図
5ないし図7は、光導電層6よりなる単層構成のもの
で、図6は下引き層4が設けられており、図7において
は、下引き層4と保護層5の両者が設けられている。本
発明において、上記のように精製された電荷輸送性樹脂
は図1ないし図7の何如なる構成のものにも使用できる
が、表面を形成する層中に含有させる。
【0041】導電性支持体としては、アルミニウム、ニ
ッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、およびアル
ミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス
鋼、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO
等の薄膜を設けたプラスチックフィルム等、或いは導電
性付与剤を塗布または含浸させた紙、およびプラスチッ
クフィルム等があげられる。これらの導電性支持体は、
ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のもの
として使用されるが、これらに限定されるものではな
い。更に必要に応じて導電性支持体の表面は、画質に影
響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の酸化処理や薬品処理、および、着色処理等、
または、砂目立て等の乱反射処理等を行うことができ
る。また、導電性支持体と電荷発生層の間に更に下引き
層を設けてもよい。この下引き層は、積層構造からなる
感光層の帯電時において、導電性支持体から感光層への
電荷の注入を阻止すると共に、感光層を導電性支持体に
対して一体的に接着保持せしめる接着層としての作用、
或いは場合によっては導電性支持体の光の反射防止作用
等を示す。
【0042】この下引き層に用いる結着樹脂は、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエ
ステル樹脂、ニトロセルロース、カゼイン、ゼラチン、
ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ
澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニ
ウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、チタ
ニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シ
ランカップリング剤等の公知の材料を用いることができ
る。また、上記結着樹脂に電荷輸送性物質、電荷輸送性
顔料等を含有させることもできる。下引き層の厚みは、
0.01〜10μmが適当であり、好ましくは0.05
〜7μmの範囲に設定する。更にこの下引き層を設ける
ときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング
法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティン
グ法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エ
アーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等
の通常の方法が採用できる。
【0043】電荷発生層には、電荷発生材料として、前
記したフタロシアニン結晶を用いるのが好ましいが、ビ
スアゾ顔料、フタロシアニン顔料、スクアリリウム顔
料、ペリレン顔料、ジブロモアントアントロン等の何如
なる公知の電荷発生材料も使用することができる。電荷
発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂か
ら選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレ
ン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーから選択する
こともできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノール
Aとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ
アクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロ
ース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等
の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定さ
れるものではない。これらの結着樹脂は、単独或いは2
種以上混合して用いることができる。
【0044】また、電荷発生材料と結着樹脂との配合比
(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。ま
たこれらの分散させる方法としては、ボールミル分散
法、アトライター分散法、サンドミル分散法等、通常の
方法を用いることができる。更にこの分散の際、粒子を
0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、更に好ま
しくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効
である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセ
ルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホル
ム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤があ
げられ、それらは単独或いは2種以上混合して用いるこ
とができる。更にこの電荷発生層を設けるときに用いる
塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤー
バーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コ
ーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコ
ーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法
が採用できる。
【0045】本発明における上記電子写真感光体におい
て、上記電荷輸送性樹脂と組合せて使用されるフタロシ
アニン結晶としては、特開平5−98181号公報に開
示されているハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶、
特開平5−140472号公報および特開平5−140
473号公報に開示されているハロゲン化錫フタロシア
ニン結晶、特開平5−263007号公報および特開平
5−279591号公報に開示されたヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶、特開平4−189873公報お
よび特開平5−43813公報に開示されているオキシ
チタニウムフタロシアニン水和物結晶をあげることがで
き、それにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れ
る電子写真感光体を得ることができる。
【0046】また、本発明に用いるクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶は、特開平5−98181号公報に開示
されているように、公知の方法で製造されるクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を、自動乳鉢、遊星ミル、振動
ミル、CFミル、ロールミル、サンドミル、ニーダー等
で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボ
ールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式
粉砕処理を行うことによって製造することができる。上
記の処理において使用される溶剤としては、芳香族類
(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アル
コール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、
脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセ
リン、ポリエチレングリコール等)、芳香脂肪族アルコ
ール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール
等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチル
スルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等)、更には数種の混合系、水とこれら有
機溶剤の混合系等があげられる。使用される溶剤は、ク
ロロガリウムフタロシアニンに対して、1〜200部、
好ましくは10〜100部の範囲で用いる。処理温度
は、0℃〜溶剤の沸点以下、好ましくは10〜60℃の
範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助
剤を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5
〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。
【0047】ジクロロ錫フタロシアニン結晶は、特開平
5−140472号公報および特開平5−140473
号公報に開示されているように、公知の方法で製造され
たジクロロ錫フタロシアニン結晶を、前記のクロロガリ
ウムフタロシアニンと同様に粉砕し、溶剤処理すること
により得ることができる。ヒドロキシガリウムフタロシ
アニン結晶は、特開平5−263007号公報および特
開平5−279591号公報に開示されているように、
公知の方法で製造されたクロロガリウムフタロシアニン
結晶を、酸またはアルカリ性溶液中での加水分解または
アシッドペースティングを行って、ヒドロキシガリウム
フタロシアニン結晶を合成し、直接溶剤処理を行うか、
或いは、合成によって得られたヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン結晶を、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サン
ドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うか、溶
剤を用いずに乾式粉砕処理を行った後に溶剤処理するこ
とによって製造することができる。上記の処理において
使用される溶剤としては、芳香族類(トルエン、クロロ
ベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノー
ル、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコー
ル類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレン
グリコール等)、芳香脂肪族アルコール類(ベンジルア
ルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢
酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メ
チルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテ
ル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、更
には数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系等があ
げられる。使用される溶剤は、ヒドロキシガリウムフタ
ロシアニンに対して、1〜200部、好ましくは10〜
100部の範囲で用いる。処理温度は、0〜150℃、
好ましくは室温〜100℃の範囲で行う。また、粉砕の
際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。
磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜
10倍用いる。
【0048】オキシチタニウムフタロシアニン結晶は、
特開平4−189873号公報および特開平5−438
13号公報に開示されているように、公知の方法で製造
されるオキシチタニウムフタロシアニンを、アシッドペ
ースティングするか、或いは、ボールミル、乳鉢、サン
ドミル、ニーダー等を用いて無機塩と共にソルトミリン
グを行って、X線回折スペクトルにおいて27.2°に
ピークを持つ、比較的結晶性の低いオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶とした後、直接溶剤処理を行うか、或
いは、溶剤と共に、ボールミル、乳鉢、サンドミル、ニ
ーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造
することができる。アシッドペースティングに用いる酸
としては、硫酸が好ましく、濃度70〜100%、好ま
しくは95〜100%のものが使用され、溶解温度は、
−20〜100℃、好ましくは0〜60℃の範囲に設定
される。濃硫酸の量は、オキシチタニウムフタロシアニ
ン結晶の重量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜
50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤としては、
水、或いは、水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用い
られ、水とメタノール、エタノール等のアルコール系溶
剤との混合溶剤、或いは、水とベンゼン、トルエン等の
芳香族系溶剤との混合溶剤が特に好ましい。析出させる
温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、
氷等で冷却することが好ましい。また、オキシチタニウ
ムフタロシアニン結晶と無機塩との比率は、重量比で1
/0.1〜1/20で、1/0.5〜1/5の範囲が好
ましい。
【0049】上記の溶剤処理において使用される溶剤と
しては、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、脂
肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノー
ル等)、ハロゲン系炭化水素類(ジクロロメタン、クロ
ロホルム、トリクロロエタン等)、更には数種の混合
系、水とこれらの有機溶剤との混合溶剤等があげられ
る。溶剤は、オキシチタニウムフタロシアニンに対し
て、1〜100倍、好ましくは5〜50倍の範囲で用い
る。処理温度は、室温〜100℃、好ましくは50〜1
00℃の範囲に設定する。磨砕助剤は顔料に対し0.5
〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。これら
のフタロシアニン化合物結晶は、電子写真感光体におい
て、電荷発生材料として感光層における電荷発生層中に
含有させるのが好ましい。
【0050】本発明の電子写真感光体において、表面層
を電荷輸送層として用いる場合、(a)精製した電荷輸
送性樹脂を単独あるいは2種以上混合して使用するか、
(b)精製した電荷輸送性樹脂を、ヒドラゾン系電荷輸
送材料、トリアリールアミン系電荷輸送材料、スチルベ
ン系電荷輸送材料等の低分子電荷輸送材料と混合して使
用するが、いずれかの方法を用いればよい。配合比(重
量比)は、いずれの場合にも任意に設定することができ
るが、電荷輸送性低下、膜強度低下に注意しなければな
らない。電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmが適当であ
り、好ましくは10〜35μmの範囲である。さらにこ
の電荷輸送層を設ける際に用いる塗布方法としては、ブ
レードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、
スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビード
コーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテ
ンコーティング法等の通常の方法を用いることができ
る。塗布に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロ
ルベンゼン、トルエン等の通常使用される有機溶剤があ
げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。
【0051】本発明の電子写真感光体において、表面層
をオーバーコート層として用いる場合、公知の結着樹脂
やヒドラゾン系電荷輸送材料、トリアリールアミン系電
荷輸送材料、スチルベン系電荷輸送材料等を用いて形成
した電荷輸送層や、公知の結着樹脂に顔料を分散して形
成した電荷発生層などの上部に、前記(a)または
(b)の組成でオーバーコート層を形成すればよい。オ
ーバーコート層の膜厚は、1〜20μmが適当であり、
好ましくは2〜10μmの範囲である。さらにこの電荷
輸送層を設ける際に用いる塗布方法としては、ブレード
コーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレ
ーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーテ
ィング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコー
ティング法等の通常の方法を用いることができる。溶剤
としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレン
クロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン
等の通常使用される有機溶剤を単独あるいは2種以上混
合して用いることができるが、できるだけ、下層を溶解
しにくい溶剤を用いるのが好ましい。
【0052】本発明の電子写真感光体において、表面層
を単層構成の感光体として用いる場合、前記(a)また
は(b)の組成にさらにアントアントロン顔料、アゾ顔
料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料などの公知の電
荷発生材料を加えて使用する。その他の材料:電荷発生
材料の比は、その他の材料:電荷発生材料=99:1〜
50:50の範囲、好ましくは95:5〜60:40の
範囲で使用される。膜厚は、5〜50μmが適当であ
り、好ましくは10〜40μmの範囲である。さらにこ
の単層構成の感光体に用いる塗布方法としては、ブレー
ドコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプ
レーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコー
ティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコ
ーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗
布に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベン
ゼン、トルエン等の通常使用される有機溶剤があげら
れ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いること
ができる。
【0053】本発明の電子写真感光体は、従来のコロナ
放電方式の帯電用部材を用いる電子写真装置のほかに、
接触帯電方式を使用した場合にも優れた特性を発揮す
る。次に、本発明の電子写真感光体を用いた電子写真装
置について説明する。図8は、本発明の電子写真装置の
概略の構成図である。10は感光体であって、接触帯電
方式の接触帯電用部材11が設けられている。帯電用部
材11には、電源12から電圧が供給されるようになっ
ている。感光体の周囲には、露光装置13、現像装置1
4、転写装置15、クリーニング装置16および除電器
17が設けられている。なお、18は定着装置である。
【0054】上記接触帯電用部材は、感光体表面に接触
するように配置され、電圧を感光体に直接均一に印加
し、感光体を所定の電位に帯電させるものである。この
接触帯電用部材には、アルミニウム、鉄、銅などの金
属、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等
の導電性高分子材料、ポリウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴ
ム、アクリルゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー材料に、カーボ
ンブラック、ヨウ化銅、ヨウ化銀、硫化亜鉛、炭化ケイ
素、金属酸化物等の導電性微粒子を分散したもの等を用
いることができる。金属酸化物の例としては、ZnO、
SnO2 、TiO2 、In2 3 、MnO3 、あるいは
これらの複合酸化物があげられる。また、エラストマー
材料中に過塩素酸塩を含有させて導電性を付与してもよ
い。さらに、表面に被覆層を設けることもできる。この
被覆層を形成する材料としては、N−アルコキシメチル
化ナイロン、セルロース樹脂、ビニルピリジン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、
メラミン樹脂等が単独、あるいは併用して用いられる。
また、エマルジョン樹脂系材料、例えば、アクリル樹脂
エマルジョン、ポリエステル樹脂エマルジョン、ポリウ
レタン、特にソープフリーのエマルジョン重合により合
成されたエマルジョン樹脂を用いることもできる。これ
らの樹脂には、さらに抵抗率を調整するために、導電剤
粒子を分散してもよいし、劣化を防止するために酸化防
止剤を含有させることもできる。また、被覆層を形成す
る際の成膜性を向上させるために、エマルジョン樹脂に
レベリング剤または界面活性剤を含有させることもでき
る。
【0055】また、この接触帯電用部材の形状として
は、ローラー型、ブレード型、ベルト型、ブラシ型等が
あげられる。さらに、この接触帯電用部材の抵抗は、好
ましくは100 〜1014Ωcm、さらに好ましくは10
2 〜1012Ωcmの範囲である。また、この接触帯電用
部材への印加電圧は、直流、交流のいずれを用いてもよ
い。また、直流+交流の形で印加することもできる。
【0056】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。な
お、「部」は「重量部」を意味する。 合成例1[電荷輸送性樹脂〔例示化合物(6)〕の合
成] N,N−ビス[3−(2−エトキシカルボニルエチル)
フェニル]−3,4−キシリジン(A部分の構造が3で
示され、末端がジエチルエステル)8.0g、エチレン
グリコール20.0gおよびテトラブトキシチタン0.
1gを窒素気流下で3時間加熱還流し、ついで、0.5
mmHgに減圧してエチレングリコールを留去しながら
230℃に加熱し、3時間反応を続けた。その後THF
に溶解し、不溶物を濾過し、濾液を水1000ml中に
滴下して、ポリマーを析出させ他。得られたポリマーを
水洗し、乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(6)〕7.2gを得た。得られた樹脂についてGPC
測定を行ったところ、主生成物の分子量はMw=1.0
5×105 (スチレン換算)(重合度p=約230)で
あり、副生成物として、Mw=2.79×103 、1.
35×103 および9.12×102 (スチレン換算)
にそれぞれ0.9、0.5および2.0(Area%)
が検出された。
【0057】合成例2[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(1)〕の合成] N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス[3−(2−エ
トキシカルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−ビ
フェニル]−4,4′−ジアミン(A部分の構造が6で
示され、末端がジエチルエステル)10.0gおよびエ
チレングリコール20.0gおよびテトラブトキシチタ
ン0.1gを窒素気流下で3時間加熱還流し、ついで、
0.5mmHgに減圧してエチレングリコールを留去し
ながら230℃に加熱し、3時間反応を続けた。その後
塩化メチレン100mlに溶解し、不溶物を濾過し、濾
液をアセトン1000ml中に滴下し、ポリマーを析出
させた。得られたポリマーをTHF100mlに溶解
し、濾液を水1000ml中に滴下して、ポリマーを析
出させ、水洗して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(1)〕8.4gを得た。得られた樹脂についてGPC
測定を行ったところ、主生成物の分子量はMw=1.1
0×105 (スチレン換算)(重合度p=約165)で
あり、副生成物として、Mw=2.67×103 、1.
99×103 および1.32×103 (スチレン換算)
にそれぞれ0.6、0.6および1.7(Area%)
が検出された。
【0058】合成例3[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(23)〕の合成] N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス[3−(2−エ
トキシカルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−ビ
フェニル]−4,4′−ジアミン10.0g、エチレン
グリコール20.0gおよびテトラブトキシチタン0.
1gを窒素気流下で3時間加熱還流し、ついで、0.5
mmHgに減圧してエチレングリコールを留去した。そ
の後塩化メチレン200mlに溶解し、イソフタル酸ジ
クロリド3.0gを100mlの塩化メチレンに溶かし
た溶液を滴下し、トリエチルアミン6.1gの存在下に
30分間加熱還流した。メタノール3mlを加え、さら
に30分加熱還流した後、不溶物を濾過し、濾液をエタ
ノール1000ml中に滴下して、ポリマーを析出さ
せ、エタノールで洗浄し、乾燥して、電荷輸送性樹脂
〔例示化合物(23)〕6.1gを得た。得られた樹脂
についてGPC測定を行ったところ、主生成物の分子量
はMw=1.70×104 (スチレン換算)(重合度
p′=約20)であり、副生成物として、Mw=5.1
0×103 、2.55×103 および1.70×103
(スチレン換算)にそれぞれ0.5、0.7および1.
8(Area%)が検出された。
【0059】合成例4 [電荷輸送性樹脂〔例示化合物(3)〕の合成]N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス[3−(2−エトキ
シカルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−ビフェ
ニル]−4,4′−ジアミン10.0g、1,4−シク
ロヘキサンジオール(シス−トランス混合物)20.0
gおよびテトラブトキシチタン0.1gを窒素気流下で
3時間加熱還流し、ついで、0.5mmHgに減圧して
1,4−シクロヘキサンジオールを留去しながら230
℃に加熱し、5時間反応を続けた。その後塩化メチレン
100mlに溶解し、不溶物を濾過し、濾液をエタノー
ル1000ml中に滴下し、ポリマーを析出させた。得
られたポリマーをエタノール、水で洗浄し、乾燥して、
電荷輸送性樹脂〔例示化合物(3)〕8.6gを得た。
得られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、主生
成物の分子量はMw=8.20×104 (スチレン換
算)(重合度p=約35)であった。また、副生成物と
して、Mw=9.37×103 、7.05×103 およ
び4.70×103 (スチレン換算)にそれぞれ0.
6、0.7および2.1(Area%)が検出された。
【0060】合成例5 [電荷輸送性樹脂〔例示化合物(5)〕の合成]N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス[3−(2−エトキ
シカルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−ビフェ
ニル]−4,4′−ジアミン10.0g、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール(シス−トランス混合物)2
0.0gおよびテトラブトキシチタン0.1gを窒素気
流下で2時間加熱還流し、ついで、0.5mmHgに減
圧して1,4−シクロヘキサンジメタノールを留去しな
がら230℃に加熱し、4時間反応を続けた。その後塩
化メチレン100mlに溶解し、不溶物を濾過し、濾液
をエタノール1000ml中に滴下し、ポリマーを析出
させた。得られたポリマーをエタノール、水で洗浄し、
乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(5)〕8.0
gを得た。得られた樹脂についてGPC測定を行ったと
ころ、主生成物の分子量はMw=2.40×104 (ス
チレン換算)(重合度p=約30)であった。また、副
生成物として、Mw=4.80×103 、3.20×1
3 および1.62×103 (スチレン換算)にそれぞ
れ0.7、0.9および1.8(Area%)が検出さ
れた。
【0061】合成例6[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(7)〕の合成] 3,3′−ジメチル−N,N′−ビス(3,4−ジメチ
ルフェニル)−N,N′−ビス[4−(2−メトキシカ
ルボニルエチル)フェニル]−[1,1′−ビフェニ
ル]−4,4′−ジアミン(A部分の構造が19で示さ
れ、末端がジメチルエステル)20.0g、エチレング
リコール40.0gおよびテトラブトキシチタン0.1
gを窒素気流下で3時間加熱還流し、ついで、0.5m
mHgに減圧してエチレングリコールを留去しながら2
30℃に加熱し、3時間反応を続けた。その後塩化メチ
レン200mlに溶解し、不溶物を濾過し、濾液をエタ
ノール1500ml中に滴下し、ポリマーを析出させ
た。得られたポリマーをエタノールで洗浄し、乾燥し
て、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(7)〕19.2gを
得た。得られた樹脂についてGPC測定を行ったとこ
ろ、主生成物の分子量はMw=1.21×105 (スチ
レン換算)(重合度p=約165)であった。副生成物
として、Mw=3.64×103 、2.18×103
よび1.46×103(スチレン換算)にそれぞれ1.
0、0.5および1.2(Area%)が検出された。
【0062】合成例7[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(12)〕の合成] N,N−ビス[4−(4−エトキシカルボニルメチルフ
ェニル)フェニル]−3,4−キシリジン(A部分の構
造が46で示され、末端がジエチルエステル)10.0
g、エチレングリコール20.0gおよびテトラブトキ
シチタン0.1gを窒素気流下で2時間加熱還流し、つ
いで、0.5mmHgに減圧してエチレングリコールを
留去しながら230℃に加熱し、5時間反応を続けた。
その後塩化メチレン100mlに溶解し、不溶物を濾過
し、濾液をエタノール1000ml中に滴下し、ポリマ
ーを析出させた。得られたポリマーをエタノールで洗浄
し、乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(12)〕
8.1gを得た。得られた樹脂についてGPC測定を行
ったところ、主生成物の分子量はMw=1.21×10
5 (スチレン換算)(重合度p=約210)であり、副
生成物として、Mw=3.44×103 、1.75×1
3 および1.14×103 (スチレン換算)にそれぞ
れ1.1、1.1および0.4(Area%)が検出さ
れた。
【0063】合成例8[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(13)〕の合成] N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス[4−(4−エ
トキシカルボニルメチルフェニル)フェニル]−[1,
1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(A部分の構
造が47で示され、末端がジエチルエステル)10.0
g、エチレングリコール20.0gおよびテトラブトキ
シチタン0.1gを窒素気流下で3時間加熱還流し、つ
いで、0.5mmHgに減圧してエチレングリコールを
留去しながら230℃に加熱し、3時間反応を続けた。
その後塩化メチレン100mlに溶解し、不溶物を濾過
し、濾液をエタノール1000ml中に滴下し、ポリマ
ーを析出させた。得られたポリマーをエタノールで洗浄
し、乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(13)〕
8.0gを得た。得られた樹脂についてGPC測定を行
ったところ、主生成物の分子量はMw=1.06×10
5 (スチレン換算)(重合度p=約140)であった。
また、副生成物として、Mw=6.06×103 、3.
00×103 および1.52×103 (スチレン換算)
にそれぞれ0.7、0.8および0.9(Area%)
が検出された。
【0064】合成例9[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(14)〕の合成] N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス[4−(4−エ
トキシカルボニルエチルフェニル)フェニル]−[1,
1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(A部分の構
造が48で示され、末端がジエチルエステル)10.0
g、エチレングリコール20.0gおよびテトラブトキ
シチタン0.1gを窒素気流下で3時間加熱還流し、つ
いで、0.5mmHgに減圧してエチレングリコールを
留去しながら230℃に加熱し、3時間反応を続けた。
その後塩化メチレン100mlに溶解し、不溶物を濾過
し、濾液をエタノール1000ml中に滴下し、ポリマ
ーを析出させた。得られたポリマーをエタノールで洗浄
し、乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(14)〕
8.6gを得た。得られた樹脂についてGPC測定を行
ったところ、主生成物の分子量はMw=1.19×10
4 (スチレン換算)(重合度p=約150)であった。
また、副生成物として、Mw=4.76×103 、2.
35×103 および1.59×102 (スチレン換算)
にそれぞれ1.2、1.0および1.6(Area%)
が検出された。
【0065】合成例10[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(28)〕の合成] N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス[4−(4−エ
トキシカルボニルエチルフェニル)フェニル]−[1,
1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン(A部分の構
造が48で示され、末端がジエチルエステル)10.0
g、エチレングリコール20.0gおよびテトラブトキ
シチタン0.1gを窒素気流下で3時間加熱還流した。
ついで、0.5mmHgに減圧してエチレングリコール
を留去し、塩化メチレン100mlに溶解した。ついで
イソフタル酸クロリド2.4gを塩化メチレン10ml
に溶解した溶液を加えて30分加熱還流し、さらにメタ
ノール3mlを加えて30分加熱還流した後、不溶物を
濾過し、濾液をエタノール1000ml中に滴下してポ
リマーを析出させた。得られたポリマーをエタノールで
洗浄し、乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(2
8)〕9.5gを得た。得られた樹脂についてGPC測
定を行ったところ、主生成物の分子量はMw=1.33
×104 (スチレン換算)(重合度p′=約15)であ
った。また、副生成物として、Mw=7.10×1
3 、3.55×103 および1.77×103 (スチ
レン換算)にそれぞれ1.1、1.1および1.8(A
rea%)が検出された。
【0066】合成例11[電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(30)〕の合成] N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−ヒドロキ
シフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−
ジアミン(米国特許第4,806,443号明細書参
照)10.0g、100mlの乾燥テトラヒドロフラン
および8mlのトリエチルアミンをアルゴンガス気流下
で攪拌しながら20mlの乾燥テトラヒドロフラン中の
エチレングリコールビスクロロホルメート34.5gを
滴下し、さらに0.1gのフェノールを含む乾燥テトラ
ヒドロフラン5mlを加え、5分間攪拌した後、濾過し
てトリエチルアミンヒドロクロリドを除去した。濾液を
メタノール中に滴下してポリマーを沈殿させ、濾過し、
乾燥して、電荷輸送性樹脂〔例示化合物(30)〕9.
1gを得た。得られた樹脂についてGPC測定を行った
ところ、主生成物の分子量はMw=1.8×105 (ス
チレン換算)(重合度p″=約260)であった。ま
た、副生成物として、Mw=4.18×103 、2.0
5×103 および1.37×103 (スチレン換算)に
それぞれ2.2、1.4および2.4(Area%)が
検出された。
【0067】合成例12 1,3−ジイミノイソインドリン30部、3塩化ガリウ
ム9.1部をキノリン230部中に入れ、200℃にお
いて3時間反応させた後、生成物を瀘別し、アセトン、
メタノールで洗浄し、次いで、湿ケーキを乾燥した後、
クロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。得ら
れたクロロガリウムフタロシアニン結晶15部を、自動
乳鉢(Lab−Mill UT−21型、ヤマト科学社
製)で3時間乾式粉砕した後、ガラスビーズ(1mm
φ)300部と共に室温下、ベンジルアルコール500
部中で24時間ミリング処理した後、ガラスビーズを瀘
別し、メタノールで洗浄し、乾燥して、粉末X線回折ス
ペクトルで2θ±0.2°=7.4°、16.6°、2
5.5°および28.3°に強い回折ピークを持つクロ
ロガリウムフタロシアニン結晶を得た。これをCG−1
とする。
【0068】合成例13 フタロニトリル50gおよび無水塩化第2スズ27g
を、1−クロルナフタレン350ml中に加え、195
℃において5時間反応させた後、生成物を瀘別し、1−
クロルナフタレン、アセトン、メタノ−ル、次いで水で
洗浄した後、減圧乾燥して、ジクロロスズフタロシアニ
ン結晶18.3gを得た。得られたジクロロスズフタロ
シアニン結晶5gを、食塩10g、メノウボール(20
mmφ)500gと共にメノウ製ポットに入れ、遊星型
ボールミル(P−5型、フリッチュ社製)にて400r
pmで10時間粉砕した後、十分に水洗し、乾燥した。
これをTHF150g、ガラスビーズ(1mmφ)20
0gと共に室温下24時間ミリング処理した後、ガラス
ビーズを瀘別し、メタノールで洗浄し、乾燥して、粉末
X線回折スペクトルで2θ±0.2°=8.5°、1
1.2°、14.5°および27.2°に強い回折ピー
クを有するジクロロスズフタロシアニン結晶を得た。こ
れをCG−2とする。
【0069】合成例14 合成例12で得られたクロロガリウムフタロシアニン結
晶15部を濃硫酸300部に0℃にて溶解した後、5℃
の蒸留水2000部に上記溶液を滴下し、結晶を再析出
させた。蒸留水、希アンモニア水等で洗浄した後、乾燥
し、12.5部のヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶を得た。この結晶を自動乳鉢にて5.5時間粉砕した
後、ジメチルホルムアミド60部、直径1mmのガラス
ビーズ120部と共に24時間ミリング後、結晶を分離
し、メタノールで洗浄後乾燥し、粉末X線回折スペクト
ルで2θ±0.2°=7.5°、9.9°、12.5
°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3
°に強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロ
シアニン結晶を得た。これをCG−3とする。
【0070】合成例15 1,3−ジイミノイソインドリン30部、チタニウムテ
トラブトキシド17部を1−クロルナフタレン200部
中に入れ、窒素気流下190℃において5時間反応させ
た後、生成物を瀘別し、アンモニア水、水、アセトンで
洗浄し、オキシチタニウムフタロシアニン40部を得
た。得られたオキシチタニウムフタロシアニン結晶10
部と塩化ナトリウム20部を自動乳鉢(Lab−Mil
l UT−21型、ヤマト科学社製)で3時間粉砕し
た。その後、蒸留水で十分に洗浄し、乾燥して9.6部
のオキシチタニウムフタロシアニン結晶を得た。得られ
たオキシチタニウムフタロシアニン結晶は、粉末X線回
折スペクトルで2θ±0.2°=27.3°に明瞭なピ
ークを示すものであった。得られたオキシチタニウムフ
タロシアニン結晶を蒸留水40部、モノクロロベンゼン
4部の混合溶剤中で、50℃において1時間撹拌した
後、濾過し、メタノールで十分洗浄し、乾燥して、粉末
X線回折スペクトルで2θ±0.2°=27.3°に強
い回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン
水和物結晶を得た。これをCG−4とする。
【0071】実施例1 合成例1で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(6)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水
20mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水
で洗浄した後、乾燥させ、4.6gの精製樹脂を得た。
得られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生
成物は、Mw=2.79×103 、1.35×103
よび9.12×102 (スチレン換算)のピークが、そ
れぞれ0.1以下、0.5以下および0.2(Area
%)に減少した。一方、ホーニング処理した30mmφ
のアルミニウム円筒基板上に、ジルコニウム化合物(商
品名:オルガチックスZC540、マツモト製薬社製)
100部およびシラン化合物(商品名:A1110、日
本ユニカー社製)10部と、i−プロパノール400部
およびブタノール200部からなる溶液を浸漬コーティ
ング法で塗布し、150℃において10分間加熱乾燥
し、膜厚0.5μmの下引き層を形成した。CG−1の
10部を、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレ
ックBM−S、積水化学社製)10部および酢酸n−ブ
チル500部と混合し、ガラスビーズと共にペイントシ
ェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液
を上記下引き層上に浸漬コーティング法で塗布し、10
0℃において10分間加熱乾燥した。次に、精製した電
荷輸送性樹脂〔例示化合物(6)〕5部を、モノクロル
ベンゼン30部に溶解し、得られた塗布液を、電荷発生
層が形成されたアルミニウム円筒基板上に浸漬コーティ
ング法で塗布し、120℃において1時間加熱乾燥し、
膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。このようにして
得られた電子写真感光体の電子写真特性を、レーザービ
ームプリンター(XP−15改造機、富士ゼロックス社
製)にて常温常湿(20℃、40%RH)の環境下、プ
リントテストを行い、10000枚複写後の画質を評価
した。その結果を表15に示す。
【0072】実施例2 合成例2で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(1)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水
20mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水
で洗浄した後、乾燥させ、4.4gの精製樹脂を得た。
得られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生
成物は、Mw=2.67×103 、1.99×103
よび1.32×103 (スチレン換算)のピークが、そ
れぞれ0.1、0.1以下および0.1(Area%)
に減少した。電荷発生材料との組み合わせを、表15に
示す通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を作製
し、評価した。その結果を表15に示す。
【0073】実施例3 合成例3で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(2
3)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水2
0mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で
洗浄した後、乾燥させ、4.5gの精製樹脂を得た。得
られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成
物は、Mw=5.10×103 、2.55×103 およ
び1.70×103 (スチレン換算)のピークが、それ
ぞれ0.1以下、0.1以下および0.3(Area
%)に減少した。電荷発生材料との組み合わせを、表1
5に示す通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を
作製し、評価した。その結果を表15に示す。
【0074】実施例4 合成例4で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(3)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水
20mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水
で洗浄した後、乾燥させ、4.7gの精製樹脂を得た。
得られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生
成物は、Mw=9.37×103 、7.05×103
よび4.70×103 (スチレン換算)のピークが、そ
れぞれ0.2、0.1および0.4(Area%)に減
少した。電荷発生材料との組み合わせを、表15に示す
通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、
評価した。その結果を表15に示す。
【0075】実施例5 合成例5で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(5)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水
20mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水
で洗浄した後、乾燥させ、4.8gの精製樹脂を得た。
得られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生
成物は、Mw=4.80×103 、3.20×103
よび1.62×103 (スチレン換算)のピークが、そ
れぞれ0.2、0.2および0.2(Area%)に減
少した。電荷発生材料との組み合わせを、表15に示す
通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、
評価した。その結果を表15に示す。
【0076】実施例6 合成例6で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(7)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水
20mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水
で洗浄した後、乾燥させ、4.3gの精製樹脂を得た。
得られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生
成物は、Mw=3.64×103 、2.18×103
よび1.46×103 (スチレン換算)のピークが、そ
れぞれ0.1以下、0.1以下および0.1以下(Ar
ea%)に減少した。電荷発生材料との組み合わせを、
表15に示す通りにして実施例1と同様に電子写真感光
体を作製し、評価した。その結果を表15に示す。
【0077】実施例7 合成例7で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(1
2)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水2
0mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で
洗浄した後、乾燥させ、4.5gの精製樹脂を得た。得
られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成
物は、Mw=3.44×103 、1.75×103 およ
び1.14×103 (スチレン換算)のピークが、それ
ぞれ0.1以下、0.2および0.1以下(Area
%)に減少した。電荷発生材料との組み合わせを、表1
5に示す通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を
作製し、評価した。その結果を表15に示す。
【0078】実施例8 合成例8で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(1
3)〕5.0gをジクロロメタン100mlに溶解し、
得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水20m
lを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で洗浄
した後、乾燥させ、4.5gの精製樹脂を得た。得られ
た樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成物
は、Mw=6.06×103 、3.00×103 および
1.52×103 (スチレン換算)のピークが、それぞ
れ0.1以下、0.1以下および0.1以下(Area
%)に減少した。電荷発生材料との組み合わせを、表1
5に示す通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を
作製し、評価した。その結果を表15に示す。
【0079】実施例9〜12 合成例9で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(1
4)〕5.0gをジクロロメタン100mlに溶解し、
得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水20m
lを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で洗浄
した後、乾燥させ、4.5gの精製樹脂を得た。得られ
た樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成物
は、Mw=4.76×103 、2.35×103 および
1.59×102 (スチレン換算)のピークが、それぞ
れ0.2、0.1以下および0.4(Area%)に減
少した。電荷発生材料との組み合わせを、表15に示す
通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、
それぞれについて評価した。その結果を表15に示す。
【0080】実施例13〜16 合成例10で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(2
8)〕5.0gをジクロロメタン100mlに溶解し、
得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水20m
lを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で洗浄
した後、乾燥させ、4.7gの精製樹脂を得た。得られ
た樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成物
は、Mw=7.10×103 、3.55×103 および
1.77×103 (スチレン換算)のピークが、それぞ
れ0.1以下、0.1および0.3(Area%)に減
少した。電荷発生材料との組み合わせを、表15に示す
通りにして実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、
それぞれについて評価した。それらの結果を表15に示
す。
【0081】実施例17〜20 合成例11で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(3
0)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
し、得られた樹脂溶液を撹拌しながらその中に蒸溜水2
0mlを滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で
洗浄した後、乾燥させ、4.5gの精製樹脂を得た。得
られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成
物は、Mw=4.18×103 、2.05×103 およ
び1.37×103 (スチレン換算)のピークが、それ
ぞれ0.2、0.1および0.4(Area%)に減少
した。電荷発生材料との組み合わせを、表15に示す通
りにして実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、そ
れぞれについて評価した。それらの結果を表15に示
す。
【0082】実施例21 実施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、パーソ
ナルコンピューター用プリンター(商品名:PR100
0、日本電気社製)に装着し、常温常湿(20℃、40
%RH)の環境下で1万枚の印刷耐久テストを実施し、
画像評価を行った。この時の帯電部材として、5mmφ
の18.8ステンレス鋼シャフトの外周に、弾性層およ
び樹脂層を形成したものを用いた。すなわちシャフトの
外周に過塩素酸リチウム0.5%を加えて弾性を持たせ
たポリエーテル系ポリウレタンゴムよりなる弾性層を1
5mmφになるように形成し、その表面に0.001%
のメチルフェニルシリコーンレベリング剤を添加したポ
リエステル系ポリウレタンエマルジョン樹脂溶液からな
る塗布液を浸漬塗布法により塗布し、120℃で20分
間乾燥して、膜厚20μmの被覆層を形成したロール型
帯電部材を用いた。その結果を表15に示す。
【0083】比較例1〜20 実施例1〜20において、電荷輸送性樹脂の精製を行わ
なかった以外は、実施例1〜20と同様にして電子写真
感光体を作製し、評価した。それらの結果を表16に示
す。 比較例21 実施例21において、電荷輸送性樹脂の精製を行わなか
った以外は、実施例21と同様にして電子写真感光体を
作製し、評価した。その結果を表16に示す。
【0084】比較例22 合成例1で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物
(6)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶
解し、得られた樹脂溶液を、蒸留水100ml中に撹拌
しながら滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で
洗浄した後、乾燥させ、4.6gの精製樹脂を得た。得
られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成
物は、Mw=2.79×103 、1.35×103 およ
び9.12×102 (スチレン換算)のピークが、それ
ぞれ0.9、0.5および2.0(Area%)であ
り、不純物の除去効果はなかった。
【0085】比較例23 合成例11で得られた電荷輸送性樹脂〔例示化合物(3
0)〕5.0gをテトラヒドロフラン100mlに溶解
し、得られた樹脂溶液を、エタノール20ml中に撹拌
しながら滴下した。析出した樹脂を濾別し、十分に水で
洗浄した後、乾燥させ、4.5gの精製樹脂を得た。得
られた樹脂についてGPC測定を行ったところ、副生成
物は、Mw=4.18×103 、2.05×103 およ
び1.37×103 (スチレン換算)のピークが、それ
ぞれ2.2、1.4および2.4(Area%)であ
り、不純物の除去効果はなかった。
【0086】
【表15】
【0087】
【表16】
【0088】
【発明の効果】本発明の精製方法によって得られた精製
した電荷輸送性樹脂は、上記実施例および比較例の比較
結果からも明らかなように、従来の再沈殿法によって精
製した場合に比して、優れた不純物除去効果を示す。本
発明によって精製された電荷輸送性樹脂を用いて作製さ
れた電子写真感光体は、耐刷性に優れた安定性の非常に
高いものであって、それを用いた電子写真装置により、
長期にわたり優れた画質の複写物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図2】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図3】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図4】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図5】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図6】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図7】 本発明の電子写真感光体の一例の模式的断面
図である。
【図8】 本発明の電子写真装置の一例の概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1…電荷発生層、2…電荷輸送層、3…導電性支持体、
4…下引き層、5…保護層、6…光導電層、10…感光
体、11…接触帯電用部材、12…電源、13…露光装
置、14…現像装置、15…転写装置、16…クリーニ
ング装置、17…除電器、18…定着装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 米国特許5356743(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08G 64/00 - 64/42

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量成分を副生成物として含有する
    電荷輸送性樹脂の溶液中に、該電荷輸送性樹脂を沈澱さ
    せ得る溶剤を滴下して再沈澱させ、不純物を除去するこ
    とを特徴とする電荷輸送性樹脂の精製方法。
  2. 【請求項2】 電荷輸送性樹脂が電荷輸送性ポリカーボ
    ネート樹脂または電荷輸送性ポリエステル樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電荷輸送性樹脂の精製方
    法。
  3. 【請求項3】 電荷輸送性ポリカーボネート樹脂または
    電荷輸送性ポリエステル樹脂がトリアリールアミン構造
    を有する樹脂であることを特徴とする請求項1または請
    求項2記載の電荷輸送性樹脂の精製方法。
  4. 【請求項4】 電荷輸送性ポリカーボネート樹脂または
    電荷輸送性ポリエステル樹脂が、下記一般式(I−1)
    または(I−2)で示される部分構造の少なくとも1種
    を含む繰り返し単位よりなることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の電荷輸送性樹脂の精
    製方法。 【化1】 (ここで、R1 ないしR4 は、それぞれ独立に水素原
    子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、ハロゲ
    ン原子、または置換もしくは未置換のアリール基を表
    し、Xは置換または未置換の2価の芳香族基を表し、T
    は炭素数1〜10の枝分かれしてもよい2価の炭化水素
    基を表し、kおよびlは、それぞれ0または1を表
    す。)
  5. 【請求項5】 電荷輸送性ポリカーボネート樹脂または
    電荷輸送性ポリエステル樹脂が、下記一般式(II)ない
    し(IV)で示されることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれかに記載の電荷輸送性樹脂の精製方法。 【化2】 [ここで、Aは上記一般式(I−1)または(I−2)
    で示される部分構造を表し、Bは、−O−(Y′−O)
    m′−または−Z′−を表し(ただし、Y′およびZ′
    はそれぞれ2価の炭化水素基を表し、m′は1〜5の整
    数を意味する。)、YおよびZは、それぞれ2価の炭化
    水素基を表し、mは1〜5の整数を表し、nは0または
    1を表し、p、p′およびp″は5〜5000の整数を
    表す。]
  6. 【請求項6】 低分子量成分を副生成物として含有する
    電荷輸送性樹脂の溶液中に、該電荷輸送性樹脂を沈澱さ
    せ得る溶剤を滴下して再沈澱させ、不純物を除去するこ
    とにより得られたことを特徴とする電荷輸送性樹脂。
  7. 【請求項7】 表面層が、請求項1記載の電荷輸送性樹
    脂の精製方法により得られた電荷輸送性ポリカーボネー
    ト樹脂または電荷輸送性ポリエステル樹脂を含有するこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 表面層が、請求項1記載の電荷輸送性樹
    脂の精製方法により得られた電荷輸送性ポリカーボネー
    ト樹脂または電荷輸送性ポリエステル樹脂と、電荷発生
    材料としてフタロシアニン顔料とを含有することを特徴
    とする請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 フタロシアニン顔料が、ハロゲン化ガリ
    ウムフタロシアニン結晶、ハロゲン化錫フタロシアニン
    結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶およびオ
    キシチタニウムフタロシアニン結晶から選択された少な
    くとも1種を含有することを特徴とする請求項8記載の
    電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 感光体および該感光体に接触するよう
    に配置された電圧が印加される帯電部材を有する電子写
    真装置において、前記感光体が、請求項7ないし9のい
    ずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする
    電子写真装置。
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