JP3243889B2 - 無電解銅めっき浴 - Google Patents
無電解銅めっき浴Info
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- plating
- copper plating
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無電解銅めっき浴に
関するもので、特に、このようなめっき浴に含まれる還
元剤の改良に関するものである。
関するもので、特に、このようなめっき浴に含まれる還
元剤の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無電解めっきにより銅皮膜を析出させる
ためのめっき浴は、主として、銅塩と、酒石酸やエチレ
ンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のような錯化剤と、
アンモニム塩や水酸化ナトリウムのようなpH調整剤
と、ホルムアルデヒドのような還元剤とを含み、その
他、浴安定剤や光沢剤の微量添加物を含んでいる。
ためのめっき浴は、主として、銅塩と、酒石酸やエチレ
ンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のような錯化剤と、
アンモニム塩や水酸化ナトリウムのようなpH調整剤
と、ホルムアルデヒドのような還元剤とを含み、その
他、浴安定剤や光沢剤の微量添加物を含んでいる。
【0003】上述したように、還元剤としては、ホルム
アルデヒドが通常用いられているため、無電解めっき反
応は、次式: Cu2++2HCHO+4OH- →Cu+H2 +2H2 O
+2HCO2 - に示すように、水素発生反応である。
アルデヒドが通常用いられているため、無電解めっき反
応は、次式: Cu2++2HCHO+4OH- →Cu+H2 +2H2 O
+2HCO2 - に示すように、水素発生反応である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにホルム
アルデヒドを還元剤とする無電解めっき反応は、水素発
生反応であるため、発生した水素が活性化処理されてい
ない部分に吸着することによりめっき成長を促す、とい
った、いわゆる異常析出が生じやすい。そのため、この
ような無電解めっきが、たとえば回路基板上の導電パタ
ーンの形成に適用された場合、パターンの精度の低下や
パターン間の不所望な短絡等の不具合を引き起こすこと
がある。
アルデヒドを還元剤とする無電解めっき反応は、水素発
生反応であるため、発生した水素が活性化処理されてい
ない部分に吸着することによりめっき成長を促す、とい
った、いわゆる異常析出が生じやすい。そのため、この
ような無電解めっきが、たとえば回路基板上の導電パタ
ーンの形成に適用された場合、パターンの精度の低下や
パターン間の不所望な短絡等の不具合を引き起こすこと
がある。
【0005】また、還元剤としてホルムアルデヒドを用
いる場合、めっき浴のpH値が高くないと、めっき反応
が起こらないため、めっき浴は強アルカリ液となってし
まう。そのため、めっき作業をするとき、めっき液が衣
服や手に付いたり、また、誤って眼に入ったりするとい
った危険が伴い、さらに、ホルムアルデヒドの刺激臭が
問題になったりしている。
いる場合、めっき浴のpH値が高くないと、めっき反応
が起こらないため、めっき浴は強アルカリ液となってし
まう。そのため、めっき作業をするとき、めっき液が衣
服や手に付いたり、また、誤って眼に入ったりするとい
った危険が伴い、さらに、ホルムアルデヒドの刺激臭が
問題になったりしている。
【0006】それゆえに、この発明の目的は、上述した
ような異常析出を抑制することができ、また、作業上の
危険性の低い無電解銅めっき浴を提供しようとすること
である。
ような異常析出を抑制することができ、また、作業上の
危険性の低い無電解銅めっき浴を提供しようとすること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、銅塩、錯化
剤、pH調整剤および還元剤を含む、無電解銅めっき浴
に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決
するため、錯化剤がチオ尿素またはその誘導体を含み、
還元剤が3価のチタンイオンを含むことを特徴としてい
る。
剤、pH調整剤および還元剤を含む、無電解銅めっき浴
に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決
するため、錯化剤がチオ尿素またはその誘導体を含み、
還元剤が3価のチタンイオンを含むことを特徴としてい
る。
【0008】
【作用】この発明において、錯化剤として用いられるチ
オ尿素またはその誘導体は、銅イオンと強く配位して、
安定な錯形成を行なうことができる。そのため、無電解
銅めっき浴が安定となり、分解が生じにくくなる。
オ尿素またはその誘導体は、銅イオンと強く配位して、
安定な錯形成を行なうことができる。そのため、無電解
銅めっき浴が安定となり、分解が生じにくくなる。
【0009】また、還元剤として3価のチタンイオンを
用いるため、めっき反応において水素発生がなくなり、
また、pH値についても、弱酸性から中性領域において
めっき反応を生じさせることができる。
用いるため、めっき反応において水素発生がなくなり、
また、pH値についても、弱酸性から中性領域において
めっき反応を生じさせることができる。
【0010】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、上述し
たように、めっき反応において水素発生がないため、異
常析出がほとんど生じない。そのため、無電解銅めっき
によって、たとえば回路基板上の導電パターンを高い精
度をもって形成することができ、また、不所望な短絡等
の不具合を引き起こすことを防止でき、それゆえ、微細
な導電パターンにも対応できるようになる。
たように、めっき反応において水素発生がないため、異
常析出がほとんど生じない。そのため、無電解銅めっき
によって、たとえば回路基板上の導電パターンを高い精
度をもって形成することができ、また、不所望な短絡等
の不具合を引き起こすことを防止でき、それゆえ、微細
な導電パターンにも対応できるようになる。
【0011】また、めっき浴のpH値が弱酸性から中性
領域であるため、アルカリ性雰囲気に弱い基体上にも、
問題なく無電解銅めっきを適用することができるととも
に、作業上においても危険性を低減できる。
領域であるため、アルカリ性雰囲気に弱い基体上にも、
問題なく無電解銅めっきを適用することができるととも
に、作業上においても危険性を低減できる。
【0012】なお、この発明に係る無電解銅めっき浴を
用いて実施した無電解めっきにより得られた銅皮膜の密
着性や導電率等の特性については、従来のめっき浴によ
る銅皮膜とほとんど差がないことが実験により確認され
ている。
用いて実施した無電解めっきにより得られた銅皮膜の密
着性や導電率等の特性については、従来のめっき浴によ
る銅皮膜とほとんど差がないことが実験により確認され
ている。
【0013】
【実施例】次のような組成の無電解銅めっき浴を調製し
た。
た。
【0014】 クエン酸3ナトリウム塩 :0.34mol/l EDTA・2ナトリウム塩:0.08mol/l ニトリロ三酢酸 :0.20mol/l 塩化銅 :0.008mol/l チオ尿素 :0.032mol/l 三塩化チタン :0.04mol/l このめっき浴を、28%アンモニア水でpH5.0に調
整し、40℃の条件で、1時間のめっき処理を、SnC
l2 溶液とPdCl2 溶液とによる活性化処理を済ませ
たアルミナ基板に対して行ない、このアルミナ基板上に
約0.8μmの銅めっき皮膜を析出させた。この銅めっ
き皮膜には、異常析出がほとんど認められず、また、そ
の密着性や導電率についても、従来のめっき浴によるも
のとほぼ同等の結果が得られた。
整し、40℃の条件で、1時間のめっき処理を、SnC
l2 溶液とPdCl2 溶液とによる活性化処理を済ませ
たアルミナ基板に対して行ない、このアルミナ基板上に
約0.8μmの銅めっき皮膜を析出させた。この銅めっ
き皮膜には、異常析出がほとんど認められず、また、そ
の密着性や導電率についても、従来のめっき浴によるも
のとほぼ同等の結果が得られた。
【0015】なお、めっき浴のpH値が、3.0〜7.
0の範囲内において特に好ましいめっき操作を行なうこ
とができたが、この範囲外、たとえばpH2.5では、
析出速度が遅く、十分なめっき皮膜が得られず、また、
pH7.5では、めっき浴が不安定となり、めっき浴中
に銅粉末が生成してしまうことがあった。しかし、これ
らの問題点は、浴温や浴組成を操作することにより、若
干解決することができる。
0の範囲内において特に好ましいめっき操作を行なうこ
とができたが、この範囲外、たとえばpH2.5では、
析出速度が遅く、十分なめっき皮膜が得られず、また、
pH7.5では、めっき浴が不安定となり、めっき浴中
に銅粉末が生成してしまうことがあった。しかし、これ
らの問題点は、浴温や浴組成を操作することにより、若
干解決することができる。
【0016】上述した実施例では、錯化剤として、チオ
尿素CS(NH2 )2 を用いたが、たとえばテトラメチ
ルチオ尿素(CH3 )2 NCSN(CH3 )2 等の誘導
体を用いても、同等の効果が得られた。
尿素CS(NH2 )2 を用いたが、たとえばテトラメチ
ルチオ尿素(CH3 )2 NCSN(CH3 )2 等の誘導
体を用いても、同等の効果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−119726(JP,A) 特開 昭53−44434(JP,A) 特開 昭61−153281(JP,A) 特開 昭57−60071(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54
Claims (1)
- 【請求項1】 銅塩、錯化剤、pH調整剤および還元剤
を含む、無電解銅めっき浴において、 前記錯化剤はチオ尿素またはその誘導体を含み、前記還
元剤は3価のチタンイオンを含むことを特徴とする、無
電解銅めっき浴。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13037393A JP3243889B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 無電解銅めっき浴 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13037393A JP3243889B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 無電解銅めっき浴 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06340979A JPH06340979A (ja) | 1994-12-13 |
JP3243889B2 true JP3243889B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=15032816
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13037393A Expired - Fee Related JP3243889B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 無電解銅めっき浴 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243889B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3455709B2 (ja) | 1999-04-06 | 2003-10-14 | 株式会社大和化成研究所 | めっき方法とそれに用いるめっき液前駆体 |
JP3669680B2 (ja) | 2000-01-17 | 2005-07-13 | 本田技研工業株式会社 | 無段変速機用ベルト |
JP4573445B2 (ja) * | 2001-02-16 | 2010-11-04 | 吉野電化工業株式会社 | 無電解銅メッキ液組成物及び無電解銅メッキ方法 |
JP2013204107A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Kanto Gakuin | 無電解めっき方法および配線板 |
-
1993
- 1993-06-01 JP JP13037393A patent/JP3243889B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06340979A (ja) | 1994-12-13 |
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