JP3243028B2 - ブラシレスモータの制御装置及びブラシレスモータ - Google Patents
ブラシレスモータの制御装置及びブラシレスモータInfo
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Description
のような、複数の巻線を有するモータの各巻線をロータ
の所定の回転位置に対応する転流タイミングで順次通電
するためのスイッチング回路を有するブラシレスモータ
の制御装置及びブラシレスモータに関する。
プレッサの能力可変や電力消費量の節約のために直流モ
ータの一種であるブラシレスモータを採用し、これをイ
ンバータ装置によって駆動することが行なわれている。
ブラシレスモータの場合、通常、巻線の通電相を決定す
るためにロータの回転位置信号を必要とするが、エアコ
ンや冷蔵庫のコンプレッサのようにモータが冷媒に晒さ
れる等、モータの使用環境によっては位置検出センサを
配置することが困難な場合がある。このため、モータの
巻線の誘起電圧を検出し、これを電気的に処理すること
により回転位置信号を得る技術が提案されている。モー
タ停止時には誘起電圧が発生しないために強制的に転流
を行なってモータを回転させ、十分に検出可能な誘起電
圧が発した時点で、誘起電圧による回転位置検出信号に
より転流を行なう制御が行なわれている。
術を説明する。図8において、直流電源1には、コンデ
ンサ2が並列に接続されている。この直流電源1の正側
電源線1aは、電圧制御手段たる電圧制御回路3を介し
てスイッチング回路としての三相ブリッジ回路4の正側
入力端子に接続され、負側電源線1bは電圧制御回路3
のGND端子および三相ブリッジ回路4の負側入力端子
に接続されている。この三相ブリッジ回路4は、スイッ
チングスイッチング素子としてのトランジスタT1〜T
6を有して構成されている。そして、この三相ブリッジ
回路4の出力端子4u,4v,4wにブラシレスモータ
5の各巻線5u,5v,5wが接続されている。
路6は、回転位置検出回路7と転流タイミング決定回路
8とを有して構成されており、回転位置検出回路7には
出力端子4u,4v,4wの端子電圧Vu,Vv,Vw
が与えられ、転流タイミング決定回路8によりロータの
回転位置に対応した通電信号XU+,XU−,XV+,
XV−,XW+,XW−が形成される。この通電信号X
U+,XU−,XV+,XV−,XW+,XW−は切り
替え回路9に与えられる。
は、始動制御回路11から与えられる周波数指令信号S
fに基づいてクロック周波数を可変して強制通電信号形
成手段たる強制通電信号形成回路12に与えるようにな
っている。この強制通電信号形成回路12は、予め定め
られたパターンで強制通電信号YU+,YU−,YV
+,YV−,YW+,YW−を出力して前記切り替え回
路9に与える。始動制御回路11はタイマー機能を有
し、始動時の所定時期に周波数指令信号Sfを出力する
と共に選択信号Scをハイレベルで出力するようになっ
ている。
ルであるときに強制通電信号YU+,YU−,YV+,
YV−,YW+,YW−を選択して、これに基づきトラ
ンジスタT1〜T6に対するベース駆動制御信号U+,
U−,V+,V−,W+,W−を出力して駆動回路12
の各単位駆動回路12a〜12fに与え、選択信号Sc
がロウレベルであるときに回転位置検出に基づく通電信
号XU+,XU−,XV+,XV−,XW+,XW−を
選択して、これに基づきトランジスタT1〜T6に対す
るベース駆動制御信号U+,U−,V+,V−,W+,
W−を出力するようになっている。
フローチャートとして示している。ステップS1では始
動制御回路11の選択信号Sがハイレベルとされて切り
替え回路9により強制通電信号YU+,YU−,YV
+,YV−,YW+,YW−が選択されて、モータ5に
対して強制通電が開始される。ステップS2では、始動
制御回路11の第1のタイマー機能により所定時間ta
が経過するまでは上記強制通電を継続し、この所定時間
taにおいては、ステップS3に示すように、始動制御
回路11の第2のタイマー機能による周期で始動制御回
路11の周波数指令信号Sfが出力されると、ステップ
S4に示すように可変周波数クロック発生回路10にて
強制通電の転流周波数の増加が実行される。これらの作
用によりモータ5は回転し、回転位置検出が可能となる
誘起電圧が発生する回転数まで上昇される。
ップS5で示すように、通電信号を切り替える。すなわ
ち、始動制御回路11の選択信号Scをロウレベルとし
て、切り替え回路9に回転位置検出による通電信号XU
+,XU−,XV+,XV−,XW+,XW−を切り替
えて与え、これに基づいてモータ5を駆動する。
+,XU−,XV+,XV−,XW+,XW−の形成方
法について図9ないし図11を参照して説明する。図9
は、通電信号形成回路6における回転位置検出回路7お
よび転流タイミング決定回路8を詳細に示している。回
転位置検出回路7は各出力端子4u,4v,4wに接続
された抵抗Ra,Rb,Rcおよび負側電源線1b間に
接続されたコンデンサCa,Cb,Ccとから成るフィ
ルター13と、波形整形回路14a,14b,14cと
から構成されている。
圧波形と図6に示す回路の信号波形とを示したものであ
る。端子電圧Vu,Vv,Vwを、π/2の遅れ位相特
性を有する上述のフィルター13a,13b,13cを
通し、さらに波形成形回路14a,14b,14cの作
用により、信号U2,V2,W2が得られる。これらの
信号の反転タイミングは、ロータ回転位置に対応した転
流タイミングと一致しているから、転流タイミング決定
回路8で図10で示す関係の論理変換すれば通電信号X
U+,XU−,XV+,XV−,XW+,XW−を形成
することができる。
通電信号形成回路6の回転位置検出回路7は、誘起電圧
が発生している場合には、その誘起電圧に従った検出を
出力する。しかしながら、負荷トルクが大きく強制通電
によってモータが回転しない場合や、回転中に負荷トル
クの一時的な増大で誘起電圧が十分に発生しない回転数
まで低下した場合に等に、回転位置検出回路7は誤った
信号を出力する。この結果、通電および転流は継続され
ているが、その通電や転流はロータ回転位置に対応して
いないために、転流周波数が高くなり、制御回路が発振
する状況となる。
る。出力端子4u,4v,4wの出力電圧Vu,Vv,
Vwの波形は誘起電圧が発生していないために、図10
で示すような斜めの部分がない。この場合でも、回転位
置検出回路7や転流タイミング決定回路8の作用によっ
て通電信号が形成されるために、通電および転流は継続
されている。図11の符号(A)で示す部分は、転流時
に、三相ブリッジ回路4の各トランジスタT1〜T6と
並列に接続されているダイオードDの作用によって生じ
るパルス状の電圧であるが、この電圧の影響によりフィ
ルター13a,13b,13cの各信号U1,V1,W
1は若干進み位相となることから、発振状態での転流周
波数は上昇し、高い周波数で安定する。この場合、高周
波数の転流であるから電流は小さく、電流監視手段を設
けても発振状態を判別することは困難である。
出力端子4u,4v,4wの電圧から求める方式におい
て発生する。また、ノイズなどの影響によって、通電信
号形成回路6が誤出力した場合にも、発振状態が形成さ
れることが考えられる。
のであり、その目的は、発振状態を正確に検出できると
共に、その検出時に停止あるいは再始動させることが可
能なブラシレスモータの制御装置及びブラシレスモータ
を提供するにある。
タの制御装置は、モータが有する複数相の巻線に順次通
電するためのスイッチイング素子を有してなるスイッチ
ング回路と、モータ印加電圧を変化させる電圧制御手段
と、転流タイミングを前記巻線の端子電圧から決定し、
その転流タイミングに対応した通電信号を得る通電信号
形成手段と、該通電信号に基づいて前記スイッチング素
子を駆動する駆動回路と、モータ電圧に応じて変化する
判定用転流周波数データを記憶したデータ保有手段と、
前記モータ電圧と前記転流タイミングに対応する転流周
波数とを検出し、前記データ保有手段から前記モータ電
圧に対する判定用転流周波数データを読み出してこの判
定用転流周波数データと前記転流周波数とを比較する判
定手段と、前記判定手段における比較結果に基づいてモ
ータ運転制御を行なう運転制御手段とを含んで構成され
る(請求項1の発明)。
に対してπ/2の遅れ位相特性のフィルターを有する構
成としても良い(請求項2の発明)。
と基準電圧との比較結果から巻線に生じる誘起電圧の正
負を判定する比較手段と、その誘起電圧の正負変化時間
に基づいて転流タイミングを決定する転流タイミング決
定手段とを有する構成としても良い(請求項3の発
明)。他の発明は、請求項1に記載の制御装置により制
御されるブラシレスモータである(請求項4の発明)。
し、データ保有手段から前記モータ電圧に対する判定用
転流周波数データを読み出し、そしてこの判定用転流周
波数データと前記転流周波数とを比較する。
御手段によるモータ電圧と通電信号形成手段による転流
周波数とは正常な関係を維持しており、つまり、この時
のモータ電圧に対応する判定用転流周波数データと現在
の転流周波数とがほぼ同じという比較結果となり、発振
状態でないことがわかる。
ータが停止あるいは振動している時には、転流信号の周
波数が正常な駆動時における転流周波数より高くなり、
つまり、この時のモータ電圧に対応する判定用転流周波
数データに対して現在の転流周波数が高いという比較結
果となり、発振状態であることがわかる。運転制御手段
は、この比較結果に基づいてモータ運転制御を行なうか
ら、発振状態の有無に応じてモータ通電停止や再始動を
制御できるようになる。
し図4を参照しながら説明するが、図5と異なる部分に
ついて述べる。通電信号形成手段としての通電信号形成
回路21は、図9に示した回転位置検出回路7と同一構
成(従ってフィルター13a,13b,13cおよび波
形整形回路14a,14b,14cを有する)の回転位
置検出回路22と、転流周波数信号を出力する構成が付
加された転流タイミング決定回路23とから構成されて
いる。この転流タイミング決定回路23は、図3に示す
ように既述した通電信号XU+,XU−,XV+,XV
−,XW+,XW−の各立ち上がり毎に反転する転流周
波数信号Saを出力する。
応する適正な判定用転流周波数データが記憶されてお
り、この判定用転流周波数データは、図2の特性線
(f)で示されている。この特性線(f)は、次のよう
にして定められたものである。すなわち、予め、正常時
におけるモータ電圧と転流周波数との関係を、それぞれ
異なる負荷トルク(1.5Nm,1.0Nm,0.5N
m,0.2Nm)について測定し、且つ、故意に発振を
発生させその状態でのモータ電圧と転流周波数との関係
も測定し、正常時と発振状態との間に、上記特性線
(f)を定めている。
1.5Nmの場合、特性線(b)は負荷トルク1.0N
mの場合、特性線(c)は負荷トルク0.5Nmの場
合、特性線(d)は負荷トルク0.2Nmの場合を示
し、特性線(e)は発振状態の場合を示している。
波数データfiは fi=Ka×モータ電圧V+Kb なる数式の形態でデータ保有手段24に記憶されてい
る。ここで、Ka,Kbは定数、モータ電圧Vは電圧制
御回路3からの電圧信号Svが用いられる。
えば三相4極モータの時、次の式で示される。 転流周波数(Hz)=2×6×回転数(r.p.s )
タ25は、判定手段および運転制御手段として機能する
ものであり、このマイクロコンピュータ25には、電圧
制御回路3から電圧信号Svが与えられると共に、通電
信号形成回路21の転流タイミング決定回路23から転
流周波数信号Saが与えられるようになっている。
における判定手段および運転制御手段としての制御内容
および各部の動作の流れを示している。ステップS1な
いしステップS5においては、従来と同様に、強制通電
による始動制御が実行される。この始動制御が実行され
た後は、ステップS6で示すように、現在の転流周波数
fcが測定される。この測定はマイクロコンピュータ2
5にて行なわれる。
通電信号形成回路21の転流タイミング決定回路23か
ら与えられる転流周波数信号Saを一定時間Tcでカウ
ントし、そのカウント回数nに基づいて、転流周波数f
cを次式 fc=n/Tc にて求める。
テップS7に示すように、判定用転流周波数データfi
を、電圧信号Svに基づいてデータ保有手段24から読
み出す。次いで、ステップS8に示すように、転流周波
数fcと判定用転流周波数データfiとを比較し、転流
周波数fcが判定用転流周波数データfi以下であれば
発振状態でないと判定し、転流周波数fcが判定用転流
周波数データfiを上回れば、発振状態であると判定す
る。
S9で、一定期間Td(Td>>Tc)の判定回数を設
定値と比較し、設定値以下のときには再始動指令信号S
rを出力して始動制御回路11に与え、すなわち、ステ
ップS1に戻って再始動し、設定値を超えるとステップ
S10に示すように通電を停止する。
ピュータ25は、電圧信号Svからモータ電圧Vを検出
すると共に転流周波数fcとを検出し、データ保有手段
24から前記モータ電圧Vに対する判定用転流周波数デ
ータfiを読み出してこの判定用転流周波数データfi
と転流周波数fcとを比較する。そして、転流周波数f
cがモータ電圧Vに対応する判定用転流周波数データf
iを上回ることをもって、発振状態であることを確実に
検出することができる。そしてこの比較結果のときに
は、モータ運転制御である通電の停止あるいは再始動を
実行するから、発振状態が継続することを防止できる。
信号形成回路21における回転位置検出回路22が巻線
5u,5v,5wの端子電圧Vu,Vv,Vwに対して
π/2の遅れ位相特性のフィルター13a,13b,1
3cを有する構成にて、通電信号XU+,XU−,XV
+,XV−,XW+,XW−並びに転流周波数信号Sa
を出力するようにしたが、これは、本発明の第2の実施
例として示す図5のように構成しても良い。
通電信号形成回路31は、巻線端子電圧Vu,Vv,V
wと基準電圧V0との比較結果から、各巻線5u,5
v,5wに生じる誘起電圧の正負を判定する比較手段た
る比較器32a,32b,32cを有すると共に、その
誘起電圧の正負変化時間に基づいて転流タイミングを決
定する転流タイミング決定手段たる転流タイミング決定
回路33とを有して構成されている。
ば巻線5uの端子電圧Vuの波形を示す。約60度(期
間Ta)の区間にわたる傾斜部分は巻線の誘起電圧、細
長い正負パルスは三相ブリッジ回路4の各トランジスタ
T1〜T6と並列に接続されたダイオードDによるパル
ス電圧、またV0は、正側電源線1a、負側電源線1b
間に接続された抵抗分圧回路34によて形成された基準
電圧である。この図6から、転流タイミングは誘起電圧
と基準電圧V0とがクロスする時点から約30度遅れて
いることが理解される。
a,32b,32cによって基準電圧V0と比較される
ことによって、図7に示す端子電圧Vu〜Vwの180
度区間認識用の基本波信号Vu´,Vv´,Vw´に変
換される。そしてさらに、これら基本波信号Vu´,V
v´,Vw´は、転流タイミング決定回路33に与えら
れ、ここで正パルス分のみの時間幅180度の連続方形
波からなり且つ互いに120度の位相差を有する認識波
形信号Ua,Va,Waに変換される。この認識波形信
号Ua,Va,Waの開始点(立上り時点)および終了
点(立下り時点)は誘起電圧と基準電圧V0とがクロス
する時点に一致している。
第1のタイマー機能によってこの認識波形信号Ua,V
a,Waから時間幅Tbがそれぞれ60度をもつ6個の
第1の位相区分パターンX1〜X6を形成し、さらに第
2のタイマー機能によって第1の各位相区分パターンX
1〜X6の終点を起点とする第2の位相区分パターンY
1〜Y6を形成する。そして、最終的に上記のような第
2の位相区分パターンから図7に示す通電信号XU+,
XU−,XV+,XV−,XW+,XW−を合成する。
+,XV−,XW+,XW−の開始点は、第2の位相区
分パターンY1〜Y6の終了点に一致しているので、誘
起電圧と基準電圧V0とがクロスする時点から30度遅
れた時点となり、従って、これら通電信号XU+,XU
−,XV+,XV−,XW+,XW−の位相パターンは
三相ブリッジ回路4のトランジスタT1〜T6に要求さ
れた転流タイミングパターンに一致することとなり、も
って、第1の実施例と同様に適正な転流タイミングに対
応した通電信号を得ることができる。
に、発振状態を正確に検出することができると共に、発
振状態が検出されたときに停止あるいは再始動させるこ
とができて、発振状態が継続することを防止できるとい
う優れた効果を奏する。
Saを示す波形図
ート
回路(スイッチング回路)、5はブラシレスモータ、5
u,5v,5wは巻線、11は始動制御回路、12は強
制通電信号発生回路、13a,13b,13cはフィル
ター、21は通電信号形成回路(通電信号形成手段)、
25はマイクロコンピュータ(判定手段、運転制御手
段)、31は通電信号形成回路(通電信号形成手段)、
32a,32b,32cは比較器(比較手段)、33は
転流タイミング決定回路(転流タイミング決定手段)を
示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 モータが有する複数相の巻線に順次通電
するためのスイッチイング素子を有してなるスイッチン
グ回路と、 モータ印加電圧を変化させる電圧制御手段と、 転流タイミングを前記巻線の端子電圧から決定し、その
転流タイミングに対応した通電信号を得る通電信号形成
手段と、該通電信号に 基づいて前記スイッチング素子を駆動する
駆動回路と、 モータ電圧に応じて変化する判定用転流周波数データを
記憶したデータ保有手段と、前記 モータ電圧と前記転流タイミングに対応する転流周
波数とを検出し、前記データ保有手段から前記モータ電
圧に対する判定用転流周波数データを読み出してこの判
定用転流周波数データと前記転流周波数とを比較する判
定手段と、前記判定手段における比較結果に基づいてモータ運転制
御を行なう 運転制御手段とを備えて成るブラシレスモー
タの制御装置。 - 【請求項2】 通電信号形成手段は、巻線の端子電圧に
対してπ/2の遅れ位相特性のフィルターを有すること
を特徴とする請求項1記載のブラシレスモータの制御装
置。 - 【請求項3】 通電信号形成手段は、巻線端子電圧と基
準電圧との比較結果から巻線に生じる誘起電圧の正負を
判定する比較手段と、その誘起電圧の正負変化時間に基
づいて転流タイミングを決定する転流タイミング決定手
段とを有することを特徴とする請求項1記載のブラシレ
スモータの制御装置。 - 【請求項4】 請求項1に記載の制御装置により制御さ
れるブラシレスモータ。
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