JP2000014187A - 直流ブラシレスモータ駆動装置とこれを用いたルームエアコン - Google Patents

直流ブラシレスモータ駆動装置とこれを用いたルームエアコン

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JP2000014187A
JP2000014187A JP10180975A JP18097598A JP2000014187A JP 2000014187 A JP2000014187 A JP 2000014187A JP 10180975 A JP10180975 A JP 10180975A JP 18097598 A JP18097598 A JP 18097598A JP 2000014187 A JP2000014187 A JP 2000014187A
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pole position
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brushless motor
voltage
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JP10180975A
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Yuhachi Takakura
雄八 高倉
Makoto Ishii
誠 石井
Hiroshi Shinozaki
弘 篠崎
Koji Kato
浩二 加藤
Yasuo Notohara
保夫 能登原
Yukio Kawabata
幸雄 川端
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタを用いることなく、各通電区間の切
替えタイミングの検出精度を高め、直流ブラシレスモー
タの駆動効率を高める。 【解決手段】 駆動部1から駆動信号U+,U−,V
+,V−,W+,W−が供給されるインバータ11によ
って駆動される直流ブラシレスモータ12から、各相
U,V,Wのモータ端子電圧Vu,Vv,Vwを検出
し、夫々をロータ磁極宇一検出回路2での比較器8a,
8b,8cで検出抵抗によるVd/2の基準電圧と比較
することにより、各相の磁極位置検出信号U,V,Wを
得、駆動部1に供給する。駆動部1では、磁極位置検出
信号U,V,Wにおけるチョッピングする駆動信号のタ
イミングでのレベルを検出し、このレベルの変化からロ
ータ3の磁極位置を検出し、その検出時点から次の通電
区間の切替え時点を決める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータを用い
た直流ブラシレスモータの駆動装置に係り、特に、ステ
ータ巻線に誘起される速度起電力によって磁石回転子
(ロータ)とステータ巻線との間の相対的位置(以下、
磁極位置という)を検出して回転速度制御を行なうよう
にした直流ブラシレスモータ駆動装置及びこれを用いた
ルームエアコンに関する。
【0002】
【従来の技術】直流ブラシレスモータのステータ巻線に
誘起される速度起電力(誘起電圧)によって磁石回転子
(以下、単にロータという)とステータ巻線との間の相
対的位置、即ち、ロータの磁極位置を検出して回転速度
制御を行なうようにした直流ブラシレスモータ駆動装置
の一従来例が、例えば、特公昭59−36519号公報
に記載されている。
【0003】これは、ステータ巻線に生じる3相の誘起
電圧を夫々1次形フィルタを通すことにより、誘起電圧
に対してほぼ90°の位相関係をもつ3つの三角波状信
号に変換し、これら3つの三角波状信号を星形結線した
抵抗に導通させて、星形結線の中性点電圧とこれら三角
波状信号とを比較器で大小比較し、これら比較器から得
られるパルス信号に応じてインバータを構成する半導体
スイッチ群を制御することにより、直流ブラシレスモー
タを回転させるものである。
【0004】この従来技術による直流ブラシレスモータ
駆動装置では、ステータ巻線の端子電圧を1次フィルタ
に通すことにより、ステータ巻線の端子電圧に対してほ
ぼ90°の位相差をもつ三角波状信号を得ているが、こ
のとき、1次形フィルタの伝達関数は、誘起電圧の基本
周波数(モータの回転数に比例する)の所定の範囲にお
いて、ほぼ90°の位相差を維持できるように設定され
ている。また、誘起電圧の基本周波数より高い周波数の
ノイズ等が1次フィルタで除去しきれず、三角波状信号
が滑らかな波形とならないときには、上記の比較器の出
力段に、さらに、低域フィルタを追加してノイズなどの
高周波信号を除去している。
【0005】このようにして得られた上記のパルス信号
からロータとステータ巻線との間の相対的位置を推定
し、その推定結果に応じて直流ブラシレスモータの回転
速度制御を行なうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術による直流ブラシレスモータ駆動装置は、誘起電圧に
対してほぼ90°の位相関係をもつ三角波状信号を得る
ための1次フィルタを用いている。このフィルタは、入
力信号である誘起電圧の基本周波数が低くなると、この
フィルタによって得られる三角波状信号との位相差が大
きくなるという周波数特性を有している。直流ブラシレ
スモータを安定した効率の良い状態で運転するには、誘
起電圧の基本周波数の所定の範囲において、ほぼ90°
の位相差を維持できるように設定する必要があるが、誘
起電圧の基本周波数の範囲を拡大したい(直流ブラシレ
スモータの回転数の可変範囲を拡大したい)場合などで
は、フィルタの周波数特性により、誘起電圧と三角波状
信号との位相差を90°に維持できなくなるという問題
がある。
【0007】また、直流ブラシレスモータの端子電圧に
は、特公昭59−36519号公報の第2図にVa,V
b,Vcとして示すように、台形波にスパイク電圧が重
畳されたものとなる。そして、これらスパイク電圧及び
誘起電圧の基本周波数よりも高い周波数のノイズなどが
1次フィルタで除去しきれず、三角波状信号が滑らかな
波形とならないときには、ロータとステータ巻線との間
の相対的位置を正確に推定できなくなるため、三角波状
信号と基準信号とを比較する上記の比較器の出力段にも
う一段低域フィルタを追加してノイズなどの高周波信号
を除去している。
【0008】しかし、三角波状信号の波形を滑らかにす
るにはフィルタの時定数を大きくすればよいが、信号の
時間遅れが生じるため、フィルタの時定数の設定には上
限がある。ところで、直流ブラシレスモータでは、モー
タの負荷に応じてスパイク電圧の波形が変化するが、フ
ィルタの時定数の設定に上限があるため、三角波状信号
の波形が変化して見かけ上三角波状信号の位相が変動
し、誘起電圧と三角波状信号との位相差を90°に維持
できなくなる問題がある。
【0009】このように、ロータとステータ巻線との間
の相対的位置を推定するために、フィルタを用いると、
直流ブラシレスモータを広範囲の回転数で運転する場
合、あるいは広範囲の負荷条件で運転する場合には、フ
ィルタの周波数特性や時定数の設定の限界などにより、
ロータとステータ巻線との間の相対的位置関係の推定精
度が低下し、安定した効率の良い状態で運転させること
が困難である。
【0010】本発明の目的は、かかる問題を解消し、直
流ブラシレスモータを広範囲の回転数で運転する場合、
或いは広範囲の負荷条件で運転する場合にも、安定した
効率の良い状態で運転することができるようにした直流
ブラシレスモータ駆動装置及びこれを用いたルームエア
コンを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ステータ巻線に生じる3相の誘起電圧と
複数の半導体スイッチング素子がブリッジ接続されてな
るインバータの直流電源電圧、あるいはステータ巻線の
中性点電圧から得られる所定電圧の基準電圧とを大小比
較して各相の磁極位置検出信号を生成するロータ磁極位
置検出回路を設け、該ステータ巻線のいずれか通電しな
いステータ巻線に対する該磁極位置検出信号を参照して
通電区間の切替えタイミングを得、ロータを回転させる
ようにする。
【0012】また、本発明は、該半導体スイッチング夫
々に逆並列接続された還流ダイオードに還流電流が流れ
ている期間、該ロータ磁極位置検出回路から得られる磁
極位置検出信号を参照しないようにする。
【0013】さらに、本発明は、上記ロータ磁極位置検
出回路から得られる磁極位置検出信号のレベルを順次検
出して、このレベルの変化時点から次の通電区間の切替
え時点を求めるようにする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は本発明による直流ブラシレスモ
ータ駆動装置の一実施形態を示すブロック図であって、
1は駆動部、2はロータ磁極位置検出回路、3はロー
タ、4a,4bは基準電圧の検出抵抗、5a〜5fは還
流ダイオード、6a〜6fは半導体スイッチング素子、
7a〜7cはステータ巻線、8a〜8cは比較器、9a
〜9cはプルアップ抵抗、10a〜10fはモータ端子
電圧の検出抵抗、11はインバータ、12は直流ブラシ
レスモータである。
【0015】同図において、ブリッジ接続された半導体
スイッチング素子6a〜6fと夫々の半導体スイッチン
グ素子6a〜6fに並列接続された還流ダイオード5a
〜5fとでインバータが構成されており、このインバー
タ11に直流電源電圧Vdが印加されている。また、ロ
ータ3とステータ巻線7a〜7cとは直流ブラシレスモ
ータ12を構成しており、駆動部1からの駆動信号U
+,U−,V+,V−,W+,W−によって駆動される
インバータ11から直流ブラシレスモータ12の各相の
ステータ巻線7a〜7cに所定のタイミングで駆動電流
が供給される。ここで、駆動信号U+は半導体スイッチ
ング素子6aをオン/オフ駆動し、駆動信号U−は半導
体スイッチング素子6dをオン/オフ駆動し、駆動信号
V+は半導体スイッチング素子6bをオン/オフ駆動
し、駆動信号V−は半導体スイッチング素子6eをオン
/オフ駆動し、駆動信号W+は半導体スイッチング素子
6cをオン/オフ駆動し、駆動信号W−は半導体スイッ
チング素子6fをオン/オフ駆動するものとする。
【0016】ロータ磁極位置検出回路2は比較器8a〜
8c,プルアップ抵抗9a〜9c及びモータ端子電圧V
u,Vv,Vwの検出抵抗10a〜10fとから構成さ
れており、直流ブラシレスモータ12の各端子の電圧V
u,Vv,Vwを検出し、夫々に応じ太一検出信号U,
V,Wを生成して駆動部1に供給する。このロータ磁極
位置検出回路2において、ステータ巻線7aの端子に生
ずるモータ端子電圧Vuは検出抵抗10a,10bによ
って検出されて比較器8aに供給され、ステータ巻線7
bの端子に生ずるモータ端子電圧Vvは検出抵抗10
c,10dによって検出されて比較器8bに供給され、
ステータ巻線7cの端子に生ずるモータ端子電圧Vwは
検出抵抗10e,10fによって検出されて比較器8c
に供給される。また、これら比較器8a〜8cには検出
抵抗4a,4bによって検出される直流電源電圧Vdの
1/2の値の基準電圧Vd/2が供給されており、検出
されたモータ端子電圧Vu,Vv,Vwと夫々比較され
る。夫々の比較結果は、比較器8a〜8cの出力端子に
夫々接続されるプルアップ抵抗9a,9b,9cによ
り、ハイ,ローレベルの2値の位置検出信号U,V,W
として得られ、夫々駆動部1に供給される。
【0017】駆動部1は、これら位置検出信号U,V,
Wからインバータ11の駆動信号U+,U−,V+,V
−,W+,W−を生成するが、これらの信号波形を図2
(a)に示す。図2では、直流ブラシレスモータ12の
通電区間を(1),(2),(3),(4),(5),
(6),……として示しており、また、インバータ11
における+電源端子側の半導体スイッチング素子6a〜
6cを上アーム、−電源端子側の半導体スイッチング素
子6d〜6fを下アームというが、ここでは、上下いず
れのアームの半導体スイッチング素子もチョッピングが
行なわれるものとし、このチョッピングは半導体スイッ
チング素子6e,6a,6f,6b,6d,6cの順に
行なわれて、この順序が繰り返すものとする。また、チ
ョッピングが行なわれたスイッチング素子は、次の通電
区間でオン状態が保持され、さらに、4通電区間オフの
状態が保持された後、再びチョッピング駆動されるもの
とする。従って、駆動信号U+,U−,V+,V−,W
+,W−は、通電区間が経過するとともに、図2(a)
に示すように変化する。
【0018】なお、このチョッピングのデューティ比は
可変であって、このデューティ比を制御することによ
り、直流ブラシレスモータ12の回転数が制御される。
【0019】このようにインバータ11が駆動されるこ
とにより、直流ブラシレスモータ12の通電相順次切り
替わっていく。ここで、ステータ巻線7aがU相、ステ
ータ巻線7bがV相、ステータ巻線7cがW相である。
図2(a)で示す例では、例えば、通電区間(1)で
は、半導体スイッチング素子6c,6eが駆動信号W
+,V−によって駆動されることにより、ステータ巻線
7c,7bを介して駆動電流が流れ、直流ブラシレスモ
ータ12の通電相はV,W相である。同様にして、通電
区間(2)では、駆動信号U+,V−によって半導体ス
イッチング素子6a,6eが駆動されるから、直流ブラ
シレスモータ12の通電相はU,V相であり、……、通
電区間(6)では、駆動信号W+,U−によって半導体
スイッチング素子6c,6aが駆動されるから、直流ブ
ラシレスモータ12の通電相はW,U相である。この通
電区間(6)が終わると、再び通電区間(1)に戻り、
これ以降、これを繰り返す。
【0020】以上のように半導体スイッチング素子6
a,6d,6b,6e,6c,6fに駆動信号U+,U
−,V+,V−,W+,W−が供給されたときのモータ
各相U,V,Wの端子電圧は、図2(b)に示される電
圧Vu,Vv,Vwとして表わされる。
【0021】即ち、通電区間(1)では、通電相がV,
W層であって、半導体スイッチング素子6eが駆動信号
V−によってチョッピングし、半導体スイッチング素子
6cが一定レベルの駆動信号W+でオン状態に保持され
ているため、半導体スイッチング素子6cからステータ
巻線7c,7bを介して半導体スイッチング素子6eに
駆動電流が流れるが、半導体スイッチング素子6a,6
fがオフ状態に保持されてステータ巻線7aに駆動電流
が供給されない。これにより、U相が無通電相をなり、
この無通電相Uのモータ端子電圧Vuは、図2(b)に
示すように、回転するロータ3がステータ巻線7aに近
づくにつれて順次増加する誘起電圧にステータ巻線7
c,7bに流れる断続波形の駆動電流による電圧が重畳
されたものとなる。
【0022】これに対し、駆動信号W+によって半導体
スイツチング素子6aがオン状態に保持されているか
ら、通電相Wのモータ端子電圧Vwは、図2(b)に示す
ように、直流電源電圧Vdに等しい値の電圧となり、ま
た、駆動信号V−によって半導体スイッチング素子6e
がチョッピングしているので、通電相Vのモータ端子電
圧Vvは、図2(b)に示すように、半導体スイッチング
素子6eがオンのとき0、また、半導体スイッチング素
子6eがオフのときVdとなり、駆動信号V−とは逆位
相で振幅がVdのパルス状の電圧となる。
【0023】また、モータ端子電圧Vuは、ステータ巻
線7aの誘起電圧にステータ巻線7a〜7cが互いに接
続された点(ステータ巻線の中性点)Nの電圧、即ち、
Vd/2の値の電圧を重畳したものであるから、このモ
ータ端子電圧Vuの断続波形はモータ端子電圧Vvと同
相となり、従って、従って、駆動信号V−と逆相とな
る。
【0024】これらモータ端子電圧Vu,Vv,Vwは
夫々検出抵抗10a,10b、検出抵抗10c,10
d、検出抵抗10e,10fで検出され、比較器8a,
8b,8cでVd/2の基準電圧と比較される。比較器
8bからは、図2(c)に示すように、モータ端子電圧
Vvと同相で断続するロータ3の磁極位置検出信号(以
下、磁極位置検出信号という)Vが得られ、比較器8c
からは、図2(c)に示すように、モータ端子電圧Vw
と同様に一定振幅の磁極位置検出信号Wが得られる。ま
た、図2(b)に示すモータ端子電圧Vuの誘起電圧は、
通電区間(1)において、0からVdに値がほぼ直線状に
上昇する。このため、比較器8aでこのモータ端子電圧
VuをVd/2の基準電圧と比較すると、この通電区間
(1)の前半の期間T1では、モータ端子電圧Vuと同位
相で断続し、その後半の期間T2では、この断続波と同
じ一定の振幅に保持された磁極位置検出信号Uが得られ
る。
【0025】以上のようにして、通電区間(1)での磁
極位置検出信号U,V,Wが得られるが、駆動部1で
は、これらとこのとき発生している駆動信号U+,U
−,V+,V−,W+,W−のうちのチョッピングを行
なうものとからロータ3の磁極位置を検出し、次の通電
区間(2)での駆動信号U+,U−,V+,V−,W
+,W−への切替えタイミングを検出するものである
が、これを図3により説明する。ここで、図3では、通
電区間(1),(2)について、駆動信号U+,U−,
V+,V−,W+,W−と磁極位置検出信号U,V,W
とのタイミング関係を拡張して示している。
【0026】同図において、いま、通電区間(1)につ
いてみると、期間Tbと期間Tcとの境が通電区間
(1)の中点であり、従って、T1=Ta+Tb、T2
=Tcである。また、期間Taは期間T1での駆動信号
V−の最初の1周期であり、後述するスパイク電圧の発
生期間である。
【0027】上記のように、駆動信号V−と磁極位置検
出信号Uとの関係は、期間Tbでは、互いに逆相となっ
ており、期間Tcでは、磁極位置検出信号Uがハイレベ
ルに保持されている。そこで、いま、ハイレベルを
“1”,ローレベルを“0”として表わすと、駆動信号
U−の“1”のタイミングでは、 期間Tbで“0”、期間Tcで“1” となる。従って、駆動信号U−の“1”のタイミングで
磁極位置検出信号Uのレベルを順次検出すると、この検
出レベルが“0”から“1”に反転した時点が期間Tb
から期間Tcに移った時点とみることができ、これによ
り、通電区間(1)の中点、即ち、ロータ3の磁極が、
例えば、ステータ巻線7aに対して特定な位置に達した
ことが判明する。このようにして、ロータとステータ巻
線との間の相対的位置関係を検出することができる。
【0028】そして、例えば、通電区間(1)の開始時
点から駆動信号V−のパルス数をプリセット値(例え
ば、0)からカウントアップし、磁極位置検出信号Uの
検出レベルが“0”から“1”に反転したときにそれま
でのカウント数からカウントダウンを開始し、元のプリ
セット値までカウントダウンしたとき、期間Tcが経過
したことになるので、その時点を次の通電区間(2)の
開始時点とする。
【0029】以上のようにして、通電区間(1)から通
電区間(2)の切替え時点を検出することができ、駆動
信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を図2(a)
に示すように切り換える。
【0030】以上は通電区間(1)でのロータ3の磁極
位置検出についてであったが、次に、通電区間(2)で
のロータ3の磁極位置検出について説明する。
【0031】通電区間(2)では、図1において、上記
のように、通電相がU,V相となって、図2(a)に示
すように、半導体スイッチング素子6aが駆動信号U+
によってチョッピングを行ない、半導体スイッチング素
子6eが駆動信号V−によってオン状態に保持され、半
導体スイッチング素子6b,6c,6fがオフ状態に保
持される。このために、直流ブラシレスモータ12で
は、半導体スイッチ素子6aからステータ巻線7a,7
bを介して半導体スイッチング素子6eにチョッピング
される駆動電流が流れ、ステータ巻線7cに誘起電圧が
生ずる。
【0032】この場合、直流ブラシレスモータ12のU
相のモータ端子電圧Vuは、図2(b)に示すように、
駆動信号U+と同相で振幅がVdのパルス電圧であり、
直流ブラシレスモータ12のV相のモータ端子電圧Vv
は、半導体スイッチング素子6eがオン状態に保持され
ているから、図2(b)に示すように、0に保持され
る。これに対し、ステータ巻線7cに対してロータ3の
磁極が遠ざかるように移動しているから、ステータ巻線
7cに生ずる誘起電圧はほぼVd/2の値からほぼ直線
状に低下するものとなり、モータ端子電圧Vwは、図2
(b)に示すように、これにステータ巻線7a,7bの
中性点Nの電圧、即ち、振幅がVd/2のモータ端子電
圧Vuに位相同期したパルス電圧が重畳されたものとな
る。
【0033】そこで、これらモータ端子電圧Vu,V
v,Vwを夫々ロータ磁極位置検出回路2に供給する
と、これらが夫々比較器8a,8b,8cでVd/2の
値の基準電圧と比較されることにより、図2(c)に示
すように、駆動信号U+に位相同期したパルス状の磁極
位置検出信号Uと、“0”のレベルの磁極位置検出信号
Vと、通電区間(2)の前半の期間T1で駆動信号U+
に位相同期したパルス状の波形となり、その後半の期間
T2でレベルが“0”の磁極位置検出信号Wとが得られ
る。これら駆動部1に供給される。
【0034】次に、図3により、通電期間(2)でのこ
れら磁極位置検出信号U,V,Wからのロータ3の磁極
位置検出について説明する。
【0035】同図において、通電区間(2)において
も、その前半の期間T1が期間Taと期間Tbとからな
り、後半の期間T2は期間Tcで表わしている。この期
間Taは、先の通電区間(1)の場合と同様、スパイク
電圧が発生する通電区間(2)での駆動信号U+の最初
の1周期の期間である。
【0036】ここで、駆動信号U+と磁極位置検出信号
Wとの関係をみると、期間Tbでは、駆動信号U+が
“1”のとき、磁極位置検出信号Wも“1”であり、期
間Tcでは、駆動信号U+が“1”のとき、磁極位置検
出信号Wは“0”である。従って、駆動信号U+の
“1”の時点毎に磁極位置検出信号Wのレベルを検出
し、このレベルが“1”から“0”に反転するとき、通
電区間(2)の中点、即ち、ロータ3の磁極が、例え
ば、ステータ巻線7aに対して特定な位置に達したこと
が判明する。このようにして、ロータとステータ巻線と
の間の相対的位置関係を検出することができる。
【0037】そこで、例えば、通電区間(2)の開始時
点から駆動信号U+のパルス数をアップカウントし、上
記の検出レベルが“1”から“0”に反転すると、ダウ
ンカウントに変更し、そのカウント値が元にプリセット
値となった時点を通電区間(2)から通電区間(3)へ
の切替え時点とすることができる。
【0038】以下同様にして、通電区間(3),
(4),(5),(6)と無通電相のステース巻線での
誘起電圧を利用することにより、ロータ3の磁極の位置
を検出することができて、通電区間の切替え時点を検出
することができる。そして、通電区間(1)〜(6)が
繰り返する。
【0039】この場合、図2(a),(c)から明らか
なように、通電区間の中点は、通電区間(3)では、磁
極位置検出信号Vの検出レベルが“0”から“1”に反
転することにより、通電区間(4)では、磁極位置検出
信号Uの検出レベルが“1”から“0”に反転すること
により、通電区間(5)では、磁極位置検出信号Wの検
出レベルが“0”から“1”に反転することにより、通
電区間(6)では、磁極位置検出信号Vの検出レベルが
“1”から“0”に反転することにより、……夫々検出
することができる。
【0040】以上の磁極検出方法では、1つおきの通電
区間(1),(3),(5)で誘起電圧を含む磁極位置検出信号
U,V,Wとチョッピングする駆動信号V−,W−,U
−との波形の関係が等しく、次の通電区間への切替え時
点を決めるかかる駆動信号による磁極位置検出信号の検
出レベルの変化がいずれも“0”から“1”に変化した
時点とするものであり(即ち、同じ“0”→“1”のパ
ターン変化であり)、ものであり、また、他の1つ置き
の通電区間(2),(4),(6)で誘起電圧を含む磁極位置検
出信号W,U,Vとチョッピングする駆動信号U+,V
+,W+との波形の関係が等しく、次の通電区間への切
替え時点を決めるかかる駆動信号による磁極位置検出信
号の検出レベルの変化がいずれも“1”から“0”に変
化した時点とするもの(即ち、同じ“1”→“0”のパ
ターン変化)であった。
【0041】これに対し、磁極位置検出信号U,V,W
の全てを用いることにより、6個の通電区間(1)〜
(6)毎に異なるパターンとなるようにし、これによ
り、次の通電区間が通電区間(1)〜(6)のうちのい
ずれであるかを一意的に決まるようにすることもでき
る。
【0042】即ち、図3において、いま、通電区間
(1)をみると、期間Tbでは、駆動信号V−の“1”
の時点で磁極位置検出信号Uは“0”、磁極検出信号V
は“0”、磁極位置検出信号Wは“1”である。ここ
で、駆動信号V−の“1”の時点での磁極位置検出信号
U,V,Wのレベルからなるパターンを(U,V,W)
とすると、このときのパターンは(0,0,1)とな
る。通電区間(1)の期間Tcのパターンは、同様にし
て、図3から(1,0,1)となる。従って、(0,
0,1)→(1,0,1)のパターン変化を検出するこ
とにより、次の通電区間への切替え時点を検出すること
ができる。
【0043】以下同様にして、通電区間(1)〜(6)
でのパターン変化は、次の表1のようになる。
【0044】
【表1】
【0045】図1において、駆動部1は、通電区間
(1)〜(6)毎に、夫々に固有の上記パターンとその
変化順序を示す情報が格納されており、ロータ磁極位置
検出回路2から供給される磁極位置検出信号U,V,W
のレベルを上記のようにして検出し、それら検出レベル
のパターン(U,V,W)から現在の通電区間が(1)
〜(6)のいずれであるかを確認するとともに、次の通
電区間がいずれであるかを決定し、上記のパターン変化
を検出すると、この時点から計測した上記の時点で決定
した次の通電区間に切り替える。
【0046】このように、夫々の通電区間で3相の磁極
位置検出信号U,V,Wの検出レベルのパターン(U,
V,W)を用いると、先に説明した各通電区間で磁極位
置検出信号U,V,Wのうちの1相の検出レベルを用い
る場合に比べ、耐ノイズ性に優れる。
【0047】なお、上記の例では、図2及び図3におい
て、各通電区間とも、T1=T2としてが、これに限る
ものではなく、T2=α・T1(但し、0<α<1)と
してもよい。即ち、T2<T1とすることにより、上記
説明の場合よりも次の通電区間への切替えタイミングを
早めるものであり、このようにすると、モータ効率が向
上する場合もある。
【0048】ところで、上記のように磁極位置の正確な
検出を行なうためには、図1において、インバータ11
に流れる還流電流の影響を考慮する必要がある。次の通
電区間に移るときの通電相を切替え直後の一定期間で
は、インバータ11を構成する還流ダイオード5a〜5
fのいずれかに還流電流が流れ、この還流電流が流れる
還流ダイオードは導通状態になる。
【0049】そして、上アームの還流ダイオード5a,
5b,5cに還流電流が流れる場合には、その還流電流
が流れる経路でのモータ端子電圧Vu,Vv,Vwに直
流電源電圧Vdにほぼ等しい振幅のスパイク電圧が現れ
る。図2(b)において、モータ端子電圧Vuでの通電
区間(1)の開始部のハッチングして示す電圧Vdの部
分、モータ端子電圧Vvでの通電区間(3)の開始部の
ハッチングして示す電圧Vdの部分、モータ端子電圧V
wでの通電区間(5)の開始部のハッチングして示す電
圧Vdの部分が夫々このスパイク電圧である。また、下
アームの還流ダイオード5d,5e,5fに還流電流が
流れる場合には、その流電流が流れる経路でのモータ端
子電圧Vu.Vv,Vwに0にほぼ等しい振幅のスパイ
ク電圧が現れる。図2(b)において、モータ端子電圧
Vwでの通電区間(2)の開始部のハッチングして示す
電圧0の部分、モータ端子電圧Vuでの通電区間(4)
の開始部のハッチングして示す電圧0の部分、モータ端
子電圧Vvでの通電区間(6)の開始部のハッチングし
て示す電圧0の部分が夫々このスパイク電圧である。
【0050】なお、図3では、通電区間(1)におい
て、磁極位置検出信号Uでの期間Taにおける前半部分
が“1”であるのは、図2(b)における通電区間
(1)でのモータ端子電圧Vuに生じたスパイク電圧に
よるものであり、また、通電区間(2)において、磁極
位置検出信号Wでの期間Taにおける前半部分が“1”
であるのは、図2(b)における通電区間(2)でのモ
ータ端子電圧Vwに生じたスパイク電圧によるものであ
る。
【0051】このようなスパイク電圧は、磁極位置検出
信号U,V,Wにおいて、図3から明らかなように、通
電区間の最初の期間Taでのレベルを同じ通電区間での
後半の期間Tcと同じレベルにする。このために、各通
電区間において、期間Tcでの磁極位置検出信号のレベ
ルを検出して次の通電区間への切替えタイミングを決定
しようとすると、スパイク電圧によって通電区間の最初
にこのレベルが現われることになるので、この切り替わ
った通電区間の開始時点が磁極の検出位置と誤判定し、
この結果、この時点から次の通電区間の切替え時点を決
めてしまうことになり、磁極の位置検出精度が低下して
しまう。このことは、上記のように、3個の磁極位置検
出信号U,V,Wの検出レベルによるパターン(U,
V,W)を用いて同様の磁極位置を検出する方法につい
ても同様であり、例えば、図3に示すように、各通電区
間において、期間Taでのパターンと期間Tcでのパタ
ーンは等しくなる。従って、この場合でも、期間Tcで
のパターンに変化する時点を検出しようとすると、通電
区間の開始時点をこの時点と誤判定してしまうことにな
る。
【0052】次に、かかるスパイク電圧に影響されない
磁極位置検出及び通電区間の変更動作について説明す
る。
【0053】図4は、一例として、図3における通電区
間(1)の一部の期間での駆動信号V−と磁極位置検出
信号Uとの波形を示すものであって、同図(a)は通電
区間の開始部分(図3での期間Ta)での磁極位置検出
信号が上記のスパイク電圧によって影響を受けた部分
を、また、同図(b)は図3での期間Tbの一部を夫々
示している。ここで、インバータ11での半導体スイッ
チング素子の動作などにより、駆動信号V−に対して磁
極位置検出信号Uに遅れが生ずるが、この遅れ時間をt
1としている。
【0054】駆動部1はチョッピングする駆動信号V−
の立上りエッジと立下りエッジとを検出し、立上りエッ
ジを検出すると、処理1を、また、立下りエッジを検出
すると、処理2を夫々割込み実行する。この処理1は、
図5(a)に示すように、処理3の割込みを許可するも
のであり(ステップ1)、また、処理3は、図5(b)
に示すように、この処理3の割込みを禁止するものであ
る。(ステップ2)。
【0055】上記処理3は、図4に示すように、磁極位
置検出信号Uのレベルを検出し、これに基づいて磁極位
置の検出や次の通電区間への移行タイミングを設定する
処理であり、処理1が行なわれると、一定時間T毎に割
込み実行し、処理2が行なわれると、この処理3が禁止
される。図示する「処理3#」は実行禁止された処理3
を示すものである。このようにして、駆動信号V−の
“1”の期間内で磁極位置検出信号Uのレベル検出など
が行なわれることになる。なお、処理3としては、常に
一定の周期Tで設定されるようにしてもよいが、処理1
があってから一定周期Tで行なわれるようにしてもよ
く、このようにすると、磁極位置検出信号Uの遅れ時間
t1を避けて処理3を行なうことができ、レベル検出精
度がより向上する。
【0056】次に、図5(c)により、処理3について
説明する。なお、ここでは、駆動部1がダウンカウンタ
を備えており、通電区間の中点である磁極位置検出時点
で次の通電区間の切換え時点を決める値t2がプリセッ
トされ、それ以降ダウンカウントして、カウント値が0
になったときを通電区間の切換え時点とするものとす
る。
【0057】いま、処理1が実行されて処理3の割込み
が許可された状態にあるとして、この処理1の実行時点
から時間Tが経過すると、図5(c)に示す処理3が割
込み実行する。この処理3では、まず、上記のダウンカ
ウンタのカウント値Aが0以外かどうか判定される(ス
テップ3)。いま、新たな通電区間に移行した直後とす
ると、上記のように、このカウント値は0であるので、
処理3が許可中であることを判定した後(ステップ
6)、磁極位置検出信号Uの“0”を検出したかどうか
判定する(ステップ8)。このときには、図4(a)に
示したように、通電区間(1)において、その開始での
駆動信号V−の最初の“1”部分では、スパイク電圧に
よって磁極位置検出信号Uは“1”であり、このステッ
プ8では、「no」と判定される。この判定により、処
理3は終了する。
【0058】以下、同様にして、処理3が時間Tが経過
する毎に割込み実行され、スパイク電圧による部分が経
過して駆動信号V−の立下りエッジが検出され、処理2
(図5(b))が割込み実行されると、駆動信号V−の
次の立上りエッジが検出されて処理1が割込み実行され
るまで、処理3が禁止される。
【0059】次に、処理1が割込み実行されて処理3が
行なわれ、このとき、駆動信号V−の“1”に対して、
図5(b)に示すように、磁極位置検出信号Uは“0”
であり、ステップ3,6と進んでステップ8で「ye
s」と判定され、ステップ9に進むが、このとき、磁極
位置検出信号Uは“0”であって“1”ではないので、
「no」と判定される。これにより、処理3が終了す
る。
【0060】その後、割込み許可された処理3では、ス
テップ3,6,8,9と実行が繰り返されるが、図3で
の通電区間(1)の期間Tbから期間Tcに移ると、駆
動信号V−が“1”のときの磁極位置検出信号Uのレベ
ルが“1”になるので、このときの処理3では、ステッ
プ3,6,8と進んでステップ9で「yes」と判定さ
れる。つまり、このステップ9の判定は、ステップ8で
駆動信号V−が“1”のときの磁極位置検出信号Uのレ
ベルが“0”と判定された後に“1”となったとき、
「yes」と判定されるものである。従って、図4
(a)で示したように、スパイク電圧によって通電区間
の最初に駆動信号V−が“1”のときの磁極位置検出信
号Uのレベルが“1”であっても、ステップ9に進むこ
とができない。即ち、図4(a)の状態は、磁極位置検
出信号Uのレベル検出の対象外となる。
【0061】ステップ9で「yes」と判定されると、
この時点は通電区間(1)の中点、即ち、図3に示す通
電区間(1)での期間Tb,Tcの境であり、この時点
で、ステップ10におり、上記のダウンカウンタに値t
2をプリセットする。この時点までこのダウンカウンタ
のカウント値Aは0に保持されている。また、このプリ
セット値t2は、この通電区間(1)の中点から次の通
電区間(2)に切り替えるまでの時間内(即ち、図3で
の期間Tc)での駆動信号V−のパルス数、または、こ
のパルス数に応じて値である。
【0062】以上のように、ダウンカウンタに値t2が
プリセットされると、このダウンカウンタは動作を開始
される。即ち、処理1によって処理3の割込みが許可さ
れ(図5(a))、処理3を実行すると、図5(c)に
おいて、まず、ダウンカウンタのカウント値Aが0以外
かどうか判定されるが、この場合、このカウント値Aは
プリセット値t2であるから、0ではなく、ステップ4
でこのダウンカウンタを1だけダウンカウントされる。
そして、このカウント値が0かどうか判定し(ステップ
5)、0でなければ、処理3を終了する。
【0063】このようにして、処理3の割込みが許可さ
れる毎にダウンカウンタは順次1ずつダウンカウント
し、このカウント値Aが0となると(ステップ5)、そ
の時点を次の通電区間への切替え時点とする。
【0064】そこで、次の通電区間(2)に移るが、こ
れまで説明して通電区間(1)と同じ動作が行なわれ、
ステップ10に進むまでダウンカウンタのカウント値A
は0に保持される。このため、磁極位置検出信号でのス
パイク電圧による影響部分はレベル判定で無視されるこ
とになり、磁極位置検出や通電区間の切替えタイミング
検出のスパイク電圧による影響を除くことができる。
【0065】なお、上記の方法では、ステップ4によ
り、割込み許可された処理3を実行する毎にダウンカウ
ンタは1ずつダウンカウントするものであるが、駆動信
号V−のデューティ比が制御されて磁極位置検出信号U
のデューティ比が変化すると、駆動信号V−の“1”期
間や磁極位置検出信号Uの“0”期間での割込み許可さ
れる処理3の回数が異なるし、また、モータ12の回転
数に応じてこれら磁極位置検出信号Uの周期が変化して
駆動信号V−の周期も変化し、この場合も、駆動信号V
−の“1”期間や磁極位置検出信号Uの“0”期間での
割込み許可される処理3の回数が異なると、ダウンカウ
ンタのダウンカウント数も異なってくる。
【0066】これに対処して、通電区間の切替え時点を
精度よく検出できるようにするために、ダウンカウンタ
にプリセットする上記の値t2としては、駆動信号V−
のデューティ比やモータ12の回転数に応じた値とす
る。
【0067】また、上記では、このプリセット値t2と
しては、通電区間の時間長(図3では、T1+T2)の
1/2の時間を計測する値としてもよいが、上記のよう
に、T2=α・T1(0<α<1)の時間を計測する値
としてもよい。この場合、係数αは上記のデューティ比
や直流ブラシレスモータ12の回転数などに応じて異な
るものである。
【0068】さらに、また、図5(c)に示す処理3で
は、磁極位置検出信号Uのレベルのみを検出するように
したものであるが、上記のように、磁極位置検出信号
U,V,Wの検出レベルによるパターン(U,V,W)
を用いるようにしてもよい。この場合には、ステップ8
では、「U=0は検出済みか」の代わりに「(0,0,
1)は検出済みか」とし、ステップ9では、「U=1検
出か」の代わりに「(1,0,1)検出か」とすればよ
い。
【0069】さらにまた、上記では、磁極位置検出信号
Uのレベルが“1”となるまでは、ダウンカウンタを停
止させてカウント値Aを0に保持し、そのレベルが
“1”となる通電期間の中点でダウンカウンタに値t2
をプリセットし、ダウンカウンタをダウンカウントする
ようにしたが、アップダウンカウンタを用い、通電期間
の開始時点から処理3を実行する毎に1ずつアップカウ
ントするようにし、その通電区間の中点が検出される
と、処理3を実行する毎にずつダウンカウントするよう
にして、予め設定されたプリセット値(例えば、0)に
達すると、その時点を次の通電区間の切替え時点とする
ようにしてもよい。この方法によると、チョッピングの
デューティ比や直流ブラシレスモータ12の回転数が変
化しても、通電区間全体に亘って、駆動信号V−の
“1”の期間での割込み許可される処理3の回数は同じ
であるから、期間T1でのかかる処理3の回数と期間T
2でのかかる処理3の回数は等しく、上記のようなデュ
ーティ比や回転数による処理3の回数の変化を考慮する
必要がない。また、この場合においても、次の通電区間
への移行タイミングを早めてモータ効率を高めることが
できる場合には、上記プリセット値に達する前の所定の
値までダウンカウントしたとき、次の通電区間への切替
え時点とすることもできる。これは、上記のT2=α・
T1とするものであり、上記のように、係数αは上記の
デューティ比や回転数に応じて変更されるものである。
【0070】以上のように、この実施形態では、各通電
区間の開始部で誘起電圧にスパイク電圧が重畳されて
も、上記従来技術のようなフィルタを用いることなし
に、ロータ3の磁極位置を精度良く検出することができ
て、次の通電区間の切替え時点を精度良く検出すること
ができるものであって、直流ブラシレスモータ12を広
範囲の回転数で運転する場合、或いは広範囲の負荷条件
で運転する場合でも、安定した効率の良好な状態で運転
することが可能である。
【0071】図6は本発明による直流ブラシレスモータ
駆動装置の他の実施形態を示すブロック図であって、1
3a,13bは中性点電圧の検出抵抗であり、図1に対
応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略す
る。
【0072】図1に示した実施形態では、ロータ磁極位
置検出回路2での比較器8a,8b,8cに供給する基
準電圧として、直流電源電圧Vdから得るようにしたも
のであったが、図6においては、直流ブラシレスモータ
12のステータ巻線7a,7b,7cの中性点Nの電圧
を検出抵抗13a,13bによって検出し、これを上記
の基準電圧とするものである。この基準電圧も、チョッ
ピングする駆動信号の“1”の期間では、直流電源電圧
Vdの1/2の振幅となる。
【0073】以上のようにして、図6に示す実施形態
も、図1に示した実施形態と同様の動作を行なうもので
あって、この実施形態と同様の効果が得られる。
【0074】以上説明した実施形態は、ルームエアコン
(室内用空気調和機)の圧縮機モータとして利用するこ
とができ、エアコンの運転状態の安定化が促進される
し、また、フィルタを不要とするなどして部品点数を低
減してコストの低減を図ることができる。
【0075】なお、以上の説明において、比較器8a〜
8cの基準電圧を直流電源電圧Vdの1/2としたが、
必ずしもこれに限るものではない。例えば、この基準電
圧をVd/2よりも低くすることにより、次の通電区間
への切替えタイミングを早めることもできる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による直流
直流ブラシレスモータ駆動装置によれば、通電しない相
のステータ巻線に生ずる誘起電圧と基準電圧との比較結
果を利用してロータの磁極位置を検出し、その検出結果
から次の通電区間の切替えタイミングを検出するに際
し、該通電しない相のステータ巻線に、通電区間の切替
え直後、スパイク状の電圧が発生しても、フィルタを用
いてこのスパイク状の電圧を除去するという処理を不要
として、上記磁極位置の検出精度や通電区間の切替えタ
イミングの検出精度を高めることができるものであっ
て、かかるフィルタの周波数特性や時定数設定の限界な
どによるロータとステータ巻線との間の相対的位置の推
定精度への影響を防止でき、直流直流ブラシレスモータ
を広範囲の回転数で運転する場合や広範囲の負荷条件で
運転する場合でも、安定した効率の良好な状態で直流ブ
ラシレスモータを運転駆動することができる。
【0077】また、本発明によるルームエアコンによれ
ば、以上のような効果を奏する本発明による直流ブラシ
レスモータ駆動装置を用いて直流ブラシレスモータから
なる圧縮機電動機の運転を行なうので、効率の良い運転
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直流ブラシレスモータ駆動装置の
一実施形態を示すブロック図である。
【図2】各通電区間での図1における各部の信号,電圧
の波形を示すタイミング図である。
【図3】図2の通電区間(1),(2)での駆動信号と
磁極位置検出信号とのタイミング関係を示す図である。
【図4】図1に示した実施形態での駆動信号のレベルを
基準とした磁極位置検出信号のレベル検出方法を示す図
である。
【図5】図1に示した実施形態の磁極位置,通電区間の
切替えタイミングの検出動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】本発明による直流ブラシレスモータ駆動装置の
他の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】 1 駆動部 2 ロータ磁極位置検出回路 3 ロータ 4a,4b 検出抵抗 5a〜5f 還流ダイオード 6a〜6f 半導体スイッチング素子 7a〜7c ステータ巻線 8a〜8c 比較器 9a〜9c プルアップ抵抗 10a〜10f 検出抵抗 11 インバータ 12 直流ブラシレスモータ 13a,13b 検出抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠崎 弘 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 加藤 浩二 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 能登原 保夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 川端 幸雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H560 AA02 BB04 BB12 DA13 DA19 DB20 EA02 EB01 EC04 FF14 FF28 GG04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々に還流ダイオードが逆並列接続され
    た6個の半導体スイッチング素子が3相ブリッジ接続さ
    れてなるインバータと、該半導体スイッチング素子のオ
    ン,オフ駆動する駆動信号を生成する駆動部とを備え、
    中性点非接地の星形結線されたステータ巻線と磁石から
    なるロータとを有する直流ブラシレスモータの各相の駆
    動電流を生成するようにした直流ブラシレスモータ駆動
    装置であって、 夫々の該ステータ巻線に生じる速度起電力を検出して所
    定レベルの基準電圧と比較し、各相の磁極位置検出信号
    を形成するロータ磁極位置検出回路を設け、 該駆動部が該磁極位置検出信号から該インバータの該各
    半導体スイッチング素子の駆動信号を生成し、 該駆動部が、該ステータ巻線のいずれか2相に通電して
    いる期間に、該ロータ磁極位置検出回路から得られる該
    磁極位置検出信号を参照して該各半導体スイッチング素
    子のスイッチングタイミングを検出し、該ロータを回転
    させるための該駆動信号を生成することを特徴とする直
    流ブラシレスモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記基準電圧は、前記インバータの直流電源電圧から生
    成され、該直流電源電圧の1/2の値の電圧であること
    を特徴とする直流ブラシレスモータ駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記基準電圧は、前記ステータ巻線の中性点の電圧であ
    ることを特徴とする直流ブラシレスモータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、 参照する前記磁極位置検出信号は、通電していない1つ
    の相の前記ステータ巻線の端子電圧を前記ロータ磁極位
    置検出回路で前記基準電圧と比較して得られる磁極位置
    検出信号であることを特徴とする直流ブラシレスモータ
    駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,または4において、 前記駆動部は、前記還流ダイオードに還流電流が流れて
    いる期間、前記磁極位置検出信号を参照しないことを特
    徴とする直流ブラシレスモータ駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2に記載の直流ブラシレスモ
    ータ駆動装置において、 前記駆動部は、前記ステータ巻線のいずれか2相に通電
    した期間、通電しない1相の前記ステータ巻線の端子電
    圧を前記ロータ磁極位置検出回路で前記基準電圧と比較
    して得られる前記磁極位置検出信号を参照し、前記直流
    ブラシレスモータが転流した時刻からこの磁極位置検出
    信号が変化するまでの期間を計測し、該計測期間から次
    の通電期間への切替え時点を求めることを特徴とする直
    流ブラシレスモータ駆動装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つに記載の直
    流ブラシレスモータ駆動装置を圧縮機用電動機とするこ
    とを特徴とするルームエアコン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014079035A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Hitachi Appliances Inc モータ制御装置、およびそれを用いた冷凍機器
CN114895092A (zh) * 2022-03-30 2022-08-12 广东电网有限责任公司广州供电局 柔性直流背靠背系统的直流电压测点切换方法和系统

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