JP2001119984A - ブラシレスモータの制御装置 - Google Patents

ブラシレスモータの制御装置

Info

Publication number
JP2001119984A
JP2001119984A JP29967699A JP29967699A JP2001119984A JP 2001119984 A JP2001119984 A JP 2001119984A JP 29967699 A JP29967699 A JP 29967699A JP 29967699 A JP29967699 A JP 29967699A JP 2001119984 A JP2001119984 A JP 2001119984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
output
timing
brushless motor
stator winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP29967699A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyoshi Nagase
徳美 永瀬
Yoichi Shukuri
陽一 宿里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP29967699A priority Critical patent/JP2001119984A/ja
Publication of JP2001119984A publication Critical patent/JP2001119984A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PWM制御中であっても確実にゼロクロス検
知を行い、ゼロクロス毎にレベルが変化するロータ位置
信号を生成することでロータの位置の認識に要する処理
を単純化し、安定な運転を行うことを目的とする。 【解決手段】 本発明は、各固定子巻線の通電切換えを
行う駆動制御回路と、PWM制御信号を出力するPWM
キャリア発生手段と、電流相に対応した駆動パターン及
びPWM制御信号に従い通電の制御を行う駆動パターン
発生手段と、基準電圧と固定子巻線の端子電圧とを比較
し比較信号を出力する比較手段と、PWM制御信号がオ
ンである期間内にラッチ解除信号を出力するイネーブル
信号発生手段と、ラッチ解除信号が出力されている間は
比較信号を、ラッチ解除信号の出力されてない間はその
直前にラッチ解除信号が出力されていたときの比較信号
をロータ位置信号として出力するラッチ手段とを備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサレス駆動に
おけるロータの磁極一検出及び転流制御を含むブラシレ
スモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、一般のブラシレスモータは、
スイッチング素子等から構成された出力回路により直流
電源をチョッピングすることによりステータ内の複数相
の固定子巻線に順次通電(転流)し、これによりステー
タ内に回転磁界を発生させ、ステータ内に配設されたせ
永久磁石からなるロータを回転させるようにした構成と
されている。この際、出力回路に与える制御信号は、ロ
ータの回転状態に同期させた適切なタイミングで切り換
わる信号とする必要がある。そのため、ホール素子等の
位置センサを設けてロータの回転位置の検出を行い、検
出されたロータの回転位置に基づき、出力回路の適切な
切換タイミングを得ていた。
【0003】しかし、近年、ホール素子等の位置センサ
を用いることなくロータの回転位置を検出し、出力回路
の適切な切換タイミングを得る構成としたセンサレス駆
動のブラシレスモータが研究・開発されている。
【0004】以下、センサレス駆動のブラシレスモータ
におけるロータの回転位置の検出原理について、図面を
用いて説明する。
【0005】図9(a)はPWM制御されていない場合
におけるブラシレスモータの一の固定子巻線の端子電圧
波形を示す図であり、図9(b)は図9(a)の端子電
圧波形と基準電圧とを比較して得られるコンパレータ出
力波形を示す図である。
【0006】図9において、201は固定子巻線の端子
電圧波形、202は基準電圧、203は端子電圧波形2
01と基準電圧202とを比較するコンパレータの出力
である位相信号、204はゼロクロス点である。
【0007】ロータの回転に伴い、各固定子巻線には誘
起電圧が発生する。この誘起電圧が、あらかじめ設定さ
れた基準電圧と一致する点(ゼロクロス点)を検出する
ことにより、ロータの回転位置を検出することができ
る。
【0008】この際、端子電圧波形201には、転流毎
にその直後に逆起電圧(サージ電圧)が発生する。従っ
て、位相信号203にもこのサージ電圧の影響が現れ
る。しかし、サージ電圧は比較的短時間のパルスである
ため、一般には時定数を有する回路で除去する方法や転
流直後の一定時間を動作しない期間に設定しその間は一
信号を参照しないこととする方法等により、サージ電圧
の影響を除去することが可能であり、その結果、ゼロク
ロス点で信号レベルが切り換わる位相検出信号を得るこ
とができる。
【0009】上述したように、ブラシレスモータの制御
信号として、各相の固定子巻線への通電期間中は連続的
に電圧を印加するような制御信号により制御を行う場合
には、固定子巻線の端子電圧を連続的に検出することで
ロータの回転位置を検出することができるが、PWM制
御方式等の場合、各相の固定子巻線への通電期間中に制
御信号のオンオフが行われるため、固定子巻線の端子電
圧を連続的に検出しただけではロータの回転位置を検出
することはできない。すなわち、各相の固定子巻線に対
して、通電期間中を通じて速い周期でオンオフを繰り返
すPWM制御信号を与える場合には、固定子巻線の端子
電圧も基準電圧を何度も横切るように断続的にしか検出
することができず、従って、固定子巻線の端子電圧をそ
のまま基準電圧と比較しただけでは、誘起電圧のゼロク
ロス点を検出することはできない。
【0010】そこで、このようなPWM制御方式等のよ
うに断続的な制御信号が固定子巻線に与えられるような
場合でも、固定子巻線に発生する誘起電圧のゼロクロス
点を検出できるようにするため、PWM制御信号がオフ
となる期間中(つまり、固定子巻線の誘起電圧が検出不
能となる期間中)は、固定子巻線の端子電圧と基準電圧
との比較演算された信号の検出は行わないようにするこ
とにより誘起電圧のゼロクロス点を抽出する方法が考え
られている。
【0011】以下、この方法について図面を用いて詳細
に説明する。
【0012】図10(a)はPWM制御されている場合
におけるブラシレスモータの一の固定子巻線の端子電圧
波形を示す図であり、図10(b)はイネーブル信号の
波形を示す図であり、図10(c)は位相信号の波形を
示す図であり、図11(a)は図10(a)の固定子巻
線の端子電圧波形の拡大図であり、図11(b)は固定
子巻線に印加する電圧を制御するPWM制御信号の波形
を示す図であり、図11(c)は図10(b)のイネー
ブル信号の波形の拡大図である。
【0013】図10及び図11において、240はPW
M制御時における固定子巻線の端子電圧、240−1は
サージ電圧、241は基準電圧、242はPWM制御の
オンオフと同期してオンオフを繰り返すイネーブル信
号、243はPWM制御時の端子電圧240と基準電圧
241とを比較するコンパレータの出力をイネーブル信
号242によりマスクをかけて検出した信号である位相
信号、244は固定子巻線に発生する誘起電圧のゼロク
ロス点、245はPWM制御信号である。
【0014】この場合、誘起電圧のゼロクロス点を検出
する方法として、例えば、PWM制御信号245に基づ
き、上述の固定子巻線の誘起電圧の検出可能な期間の
み、固定子巻線の端子電圧の検出を許可するイネーブル
信号242を生成し、このイネーブル信号242に基づ
き、固定子巻線の端子電圧の検出動作を実施する方法が
考えられる。
【0015】実際には、図11に示したように、PWM
制御信号245がオンとなってから固定子巻線の端子電
圧240が検出されるまでに遅れ時間tONがあるととも
に、PWM制御信号245がオフとなってから固定子巻
線の端子電圧240が検出されなくなるまでに遅れ時間
OFFがある。従って、イネーブル信号242は、固定
子巻線の端子電圧240が確実に検出できる期間を設定
するために、図11に示すように、PWM制御信号24
5がオンとなってから時間tONよりもわずかに長い時間
1だけ遅らせて立ち上げ、PWM制御信号245がオ
フとなってから時間tOFFよりもわずかに短い時間t2
け遅らせて立ち下げることにより、固定子巻線の端子電
圧240の出力のある期間よりもわずかに狭い期間を設
定するとよい。
【0016】従来のPWM制御下のブラシレスモータの
制御装置としては、特開平5−91790号公報(以
下、イ号公報と呼ぶ。)に「制御信号の制御の下に断続
的な駆動電圧を固定子巻線に供給する出力回路を備えた
ブラシレスモータにおいて、前記固定子巻線の端子電圧
をイネーブル信号生成手段からのイネーブル信号の出力
期間中に基準電圧と比較することにより回転子の回転位
置を検出する位置検出手段を備え、前記イネーブル信号
生成手段は、前記制御信号を受けるとその立ち上がり時
間を遅らせると共に立ち下がり時間を遅らせることによ
り前記イネーブル信号を生成する時定数回路を含んで構
成されていることを特徴とするブラシレスモータ」が開
示されている。
【0017】図12はイ号公報に開示のブラシレスモー
タの制御装置のイネーブル信号生成手段を表す図であ
る。
【0018】図12において、216はイネーブル信号
生成手段、217,218,223,229はNAND
回路、219,224は時定数回路、220はNPN型
のトランジスタ、221,225はコンデンサ、22
2,226は抵抗、227はダイオード、228は直流
電源端子である。
【0019】イネーブル信号生成手段216の入力端子
Aは、NAND回路217の2つの入力端子に共通に接
続され、そのNAND回路217の出力端子はNAND
回路218の2つの入力端子に共通に接続されている。
【0020】時定数回路としての立ち上がり遅延回路2
19は、トランジスタ220,コンデンサ221及び抵
抗222から構成されるもので、トランジスタ220の
ベースはNAND回路217の出力端子に接続され、エ
ミッタはアース去れ、コレクタはNAND回路223の
一方の入力端子に接続されると共に抵抗222を介して
NAND回路218の出力端子に接続されている。
【0021】コンデンサ221はトランジスタ220の
エミッタ・コレクタ間に接続されている。NAND回路
223の他方の入力端子はNAND回路218の出力端
子に接続されている。
【0022】時定数回路としての立ち下がり遅延回路2
24は、コンデンサ225,抵抗226及びダイオード
227により構成されるもので、コンデンサ225の一
方の端子はNAND回路218の出力端子に接続され、
他方の端子は抵抗226及び図示極性のダイオード22
7の並列回路を介して直流電源端子228に接続されて
いる。
【0023】また、コンデンサ225の他方の端子はN
AND回路229の一方の入力端子に接続され、そのN
AND回路229の他方の入力端子はNAND回路22
3の出力端子に接続されている。NAND回路229の
出力端子はイネーブル信号生成手段216の出力端子B
に接続されている。
【0024】以上のように構成された回路により、図1
1に示したように、イネーブル信号242の立ち上がり
タイミングを、PWM制御信号245の立ち上がりタイ
ミングよりも時間t1だけ遅らせることができる。ま
た、この遅れ時間t1は、立ち上がり遅延回路219の
コンデンサ221と抵抗222とにより決まる時定数を
変化させることで、所望の時間に設定することができ
る。
【0025】また、イネーブル信号242の立ち下がり
タイミングも、PWM制御信号245の立ち下がりタイ
ミングに対して遅れ時間t2だけ遅らせることができ
る。尚、この遅れ時間t2はコンデンサ225及び抵抗
226による時定数を変化させることにより所望の時間
に設定することができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブラシレスモータの制御装置では、以下のような問
題点を有していた。
【0027】(1)ゼロクロス点を検出するには、イネ
ーブル信号に従って固定子巻線の端子電圧と基準電圧と
を比較するコンパレータの出力信号をチェックし、いつ
変化するのかを連続的に監視することが必要である。特
に、マイコンを使用し、イネーブル信号を割り込み信号
とした場合、イネーブル信号がオンの期間中に固定子巻
線の誘起電圧と基準電圧との比較結果であるゼロクロス
点を持つことになるため、イネーブル信号がオンである
期間中は、常時コンパレータの出力信号を監視する必要
があり、マイコンを有効に活用することができないとい
う課題を有していた。
【0028】(2)特に、ブラシレスモータの高速回転
運転をするような場合、ゼロクロス点検出の処理時間が
長くなると適正な転流タイミングに対して遅れを生じる
という不具合が発生する場合がある。
【0029】(3)固定子巻線の端子電圧には、PWM
制御信号がオンとなった直後に、減衰しながら消滅する
ハンチングノイズが誘起される。負荷の変動する場合や
出力調整を行うような場合においては、ハンチングノイ
ズの発生期間も変化する。このような場合、従来のイネ
ーブル信号発生方法においては、コンデンサと抵抗によ
る時定数回路の構成で立ち上がり及び立ち下がりの遅れ
時間の設定を行っているので、負荷の変動するような場
合や出力調整を行うような場合には対応できなくなる場
合がある。
【0030】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、PWM制御下で固定子巻線の誘起電圧と基準電圧を
比較し、簡単な構成によって固定子巻線の誘起電圧のゼ
ロクロス点を検出できるとともに、適正な転流制御を行
うために都合のよいゼロクロス点でのみ切り換わる信号
を生成することができ、更に、負荷の変動するような場
合や出力調整を行うような場合でもPWM制御信号がオ
ンになった直後に発生するハンチングノイズの影響を受
けることなく確実にゼロクロス点を検出することの可能
なブラシレスモータの制御装置を提供することを目的と
する。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のブラシレスモータの制御装置は、多相結線さ
れた複数相の固定子巻線と、固定子巻線の磁界により回
転駆動されるロータと、を備えたブラシレスモータを制
御するブラシレスモータの制御装置において、各固定子
巻線に流す電流の通電の切り換えを行う駆動制御回路
と、各固定子巻線への給電量をオン/オフのデューティ
比により制御するためのPWM制御信号を出力するPW
Mキャリア発生手段と、ロータの位置に応じ各固定子巻
線に流す電流の電流相に対応した駆動制御回路の通電の
切り換えを指示する駆動パターンを生成し、駆動パター
ンに従い駆動制御回路の通電の切り換えを行わせるとと
もにPWM制御信号のオン/オフに従い駆動制御回路の
通電のオン/オフを行わせる制御を行う駆動パターン発
生手段と、各固定子巻線に印加される電圧の中性点であ
る基準電圧と固定子巻線の端子電圧とを比較しその大小
を2値で表す比較信号を出力する比較手段と、PWM制
御信号がオンである期間内にラッチ解除信号を出力する
イネーブル信号発生手段と、ラッチ解除信号が出力され
ている間は比較信号をロータ位置信号として出力し、ラ
ッチ解除信号の出力されてない間はその直前にラッチ解
除信号が出力されていたときの比較信号をロータ位置信
号として出力するラッチ手段と、ロータ位置信号の切り
換わるタイミングに同期させて駆動パターン発生手段が
発生する駆動パターンを切り換えさせる制御を行う転流
制御手段と、を備えた構成を有する。
【0032】この構成により、PWM制御下で固定子巻
線の誘起電圧と基準電圧を比較し、簡単な構成によって
固定子巻線の誘起電圧のゼロクロス点を検出できるとと
もに、適正な転流制御を行うために都合のよいゼロクロ
ス点でのみ切り換わる信号を生成することができ、更
に、負荷の変動するような場合や出力調整を行うような
場合でもPWM制御信号がオンになった直後に発生する
ハンチングノイズの影響を受けることなく確実にゼロク
ロス点を検出することの可能なブラシレスモータの制御
装置を提供することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】上記目的を達成するために本発明
の請求項1に記載のブラシレスモータの制御装置は、多
相結線された複数相の固定子巻線と、固定子巻線の磁界
により回転駆動されるロータと、を備えたブラシレスモ
ータを制御するブラシレスモータの制御装置において、
各固定子巻線に流す電流の通電の切り換えを行う駆動制
御回路と、各固定子巻線への給電量をオン/オフのデュ
ーティ比により制御するためのPWM制御信号を出力す
るPWMキャリア発生手段と、ロータの位置に応じ各固
定子巻線に流す電流の電流相に対応した駆動制御回路の
通電の切り換えを指示する駆動パターンを生成し、駆動
パターンに従い駆動制御回路の通電の切り換えを行わせ
るとともにPWM制御信号のオン/オフに従い駆動制御
回路の通電のオン/オフを行わせる制御を行う駆動パタ
ーン発生手段と、各固定子巻線に印加される電圧の中性
点である基準電圧と固定子巻線の端子電圧とを比較しそ
の大小を2値で表す比較信号を出力する比較手段と、P
WM制御信号がオンである期間内にラッチ解除信号を出
力するイネーブル信号発生手段と、ラッチ解除信号が出
力されている間は比較信号をロータ位置信号として出力
し、ラッチ解除信号の出力されてない間はその直前にラ
ッチ解除信号が出力されていたときの比較信号をロータ
位置信号として出力するラッチ手段と、ロータ位置信号
の切り換わるタイミングに同期させて駆動パターン発生
手段が発生する駆動パターンを切り換えさせる制御を行
う転流制御手段と、を備えた構成としたものである。
【0034】この構成により、以下のような作用が得ら
れる。
【0035】(1)PWMキャリア発生手段は、駆動パ
ターン発生手段に対し、PWM制御信号を出力する。駆
動パターン発生手段は、駆動制御回路の通電の切り換え
を指示する駆動パターンを生成し、その駆動パターンに
従い駆動制御回路の通電の切り換えを行わせる。この
際、同時に、PWM制御信号のオン/オフに従って、駆
動制御回路の通電のオン/オフも行わせる。これにより
各固定子巻線のうち通電された固定子巻線からPWM制
御された磁界が発生し、ロータが駆動される。固定子巻
線に流す電流の電流相を適切なタイミングで切り換える
ことにより、固定子巻線で回転磁界を発生させロータを
回転させることができる。各固定子巻線のうち通電され
ていない固定子巻線には、PWM制御信号がオンの期間
中にロータの回転による逆起電圧が発生する。比較手段
は、固定子巻線に印加される電圧の中性点である基準電
圧と固定子巻線の端子電圧とを比較しその大小を2値で
表す比較信号を出力する。固定子巻線に通電されている
ときには、その固定子巻線の端子電圧は基準電圧より高
い状態又は低い状態を維持し、固定子巻線に通電されて
いないとき(以下、このような固定子巻線を「解放相に
ある固定子巻線」と呼ぶ。)には、その固定子巻線の端
子電圧はPWM制御によるオン/オフ信号が重畳した逆
起電圧が現れる。逆起電圧は駆動パターンの切り換えが
行われた時点から、ローターが所定の電気角だけ回転し
た時点(例えば、3相ブラシレスモータの場合、ロータ
の電気角で30度の時点)で基準電圧を横切る(以下、
この逆起電圧が基準電圧を横切る点を「ゼロクロス点」
と呼ぶ)。イネーブル信号発生手段は、PWM制御信号
がオンである期間内にラッチ解除信号を出力する。ラッ
チ手段は、ラッチ解除信号が出力されている間は比較信
号をロータ位置信号として出力し、ラッチ解除信号の出
力されてない間はその直前にラッチ解除信号が出力され
ていたときの比較信号をロータ位置信号として出力す
る。これにより、ロータ位置信号からはPWM制御によ
るオン/オフ信号が除かれ、ゼロクロス点(ゼロクロス
点でラッチ解除信号が出力されていない場合には、それ
以後に最初にラッチ解除信号が出力された時点)にのみ
切り換わる信号となる。これにより、ロータの位置が検
出される。転流制御手段は、ロータ位置信号により検出
するロータの位置に同期させて駆動パターン発生手段が
発生する駆動パターンを切り換えさせる制御を行う。
【0036】(2)PWM制御下で固定子巻線の誘起電
圧と基準電圧を比較することができるため、簡単な構成
によって固定子巻線の誘起電圧のゼロクロス点を検出で
きるとともに、適正な転流制御を行うために都合のよい
ゼロクロス点でのみ切り換わるロータ位置信号を生成す
ることができ、適正なタイミングで固定子巻線へ通電す
る電流相の切換を行うことができる。
【0037】(3)ラッチ解除信号をPWM制御信号が
オンとなった時点よりも遅延させることで、負荷の変動
するような場合や出力調整を行うような場合でもPWM
制御信号がオンになった直後に発生するハンチングノイ
ズの影響を受けることなく確実にゼロクロス点を検出す
ることができるため、適正なタイミングで固定子巻線へ
通電する電流相の切換を行うことができる。
【0038】ここで、「基準電圧」とは、各固定子巻線
に印加される電圧の中性点であるが、固定子巻線に印加
する電源電圧を抵抗分圧して生成される中性点や、各固
定子巻線の多相結線された点の電圧などが使用される。
【0039】ブラシレスモータは、3相,5相,7相等
の複数相の固定子巻線を1点で結線したものが用いられ
る。
【0040】なお、転流制御手段は、過去のロータ位置
信号の切り換わり間隔に基づき、ロータ位置信号が切り
換わった時点から、次に駆動パターンを切り換える際の
タイミングを決定する。
【0041】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のブラシレスモータの制御装置であって、比較手段は、
各固定子巻線のうちの何れか一の端子電圧と基準電圧と
を比較しその大小を2値で表す比較信号を用いてロータ
位置信号を出力する構成としたものである。
【0042】この構成により、適正な転流制御を行うた
めに都合のよいゼロクロス点でのみ切り換わるロータ位
置信号を生成することができ、適正なタイミングで固定
子巻線へ通電する電流相の切換を行うことができるとい
う作用が得られる。
【0043】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のブラシレスモータの制御装置であって、比較手段及び
ラッチ手段は各固定巻線のそれぞれに対応して固定子巻
線の数と同数設けられており、転流制御手段は、各ラッ
チ手段の出力するロータ位置信号の何れかが切り換わる
タイミングに同期させて駆動パターン発生手段が発生す
る駆動パターンを切り換えさせる制御を行う構成とした
ものである。
【0044】この構成により、以下のような作用が得ら
れる。
【0045】(1)各固定巻線のそれぞれに対応して所
定の電気角だけ位相のずれた固定巻線と同数のロータ位
置信号が生成されるため、これら各ロータ位置信号のす
べてを参照して電流相の切換を行うことができ、各固定
子巻線で検出されるゼロクロス点のすべてをロータの位
置検出の情報として活用することが可能となり、適正な
タイミングで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行う
ことができる。
【0046】(2)各固定巻線のそれぞれに対応して所
定の電気角だけ位相のずれた、固定巻線と同数のロータ
位置信号が生成されるため、従来から使用されているホ
ールセンサ等の、ロータ位置検出センサを用いて各固定
子巻線の通電の切り換え制御を行うタイプの汎用のドラ
イブICを使用することが可能となる。
【0047】尚、この場合、例えば、固定子巻線を3相
結線したブラシレスモータに適用する場合、各ロータ位
置信号としては、ロータが電気角で180度回転するご
とに切り換わる信号となり、各々のロータ位置信号は6
0度ずつ位相のずれた信号となる。
【0048】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
のブラシレスモータの制御装置であって、各固定子巻線
のうちの通電されていないものの端子電圧を選択的に出
力する解放相合成手段を備え、比較手段は、解放相合成
手段により選択的に出力される固定子巻線の端子電圧と
基準電圧とを比較し、その大小を2値で表す比較信号を
出力する構成としたものである。
【0049】この構成により、以下のような作用が得ら
れる。
【0050】(1)各固定巻線のそれぞれに対応して所
定の電気角だけ位相のずれた固定巻線と同数のロータ位
置信号が生成されるため、これら各ロータ位置信号を参
照して電流相の切換を行うことができ、各固定子巻線で
検出されるゼロクロス点のすべてをロータの位置検出の
情報として活用することが可能となり、適正なタイミン
グで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うことがで
きる。
【0051】(2)1つの比較手段及び1つのラッチ手
段により、各固定子巻線で検出されるゼロクロス点のす
べてを検出することが可能となり、装置の構成をコンパ
クトにすることが可能となる。
【0052】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
の何れか一に記載のブラシレスモータの制御装置であっ
て、イネーブル信号発生手段は、PWM制御信号がオン
となるタイミングから所定の時間遅延させラッチ解除信
号の出力を開始する構成としたものである。
【0053】この構成により、ラッチ解除信号をPWM
制御信号がオンとなった時点よりも遅延させ出力するこ
とで、負荷の変動するような場合や出力調整を行うよう
な場合でもPWM制御信号がオンになった直後に発生す
るハンチングノイズの影響を受けることなく確実にゼロ
クロス点を検出することができるため、適正なタイミン
グで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うことがで
きるという作用が得られる。
【0054】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
の何れか一に記載のブラシレスモータの制御装置であっ
て、イネーブル信号発生手段は、駆動制御回路の駆動パ
ターンを切り換え時から所定の時間ラッチ解除信号を出
力しない構成としたものである。
【0055】この構成により、固定子巻線の通電の電流
相を切り換えたときに発生する逆起電圧によるサージパ
ルスの影響をロータ位置信号から除去することができ、
適正なタイミングで固定子巻線へ通電する電流相の切換
を行うことができるという作用が得られる。
【0056】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至4
の何れか一に記載のブラシレスモータの制御装置であっ
て、イネーブル信号発生手段は、PWM制御信号がオン
となるタイミングから所定の時間遅延してPWM制御信
号がオンである期間内に抽出タイミング信号を出力する
抽出タイミング発生手段と、駆動制御回路の駆動パター
ンを切り換え時から所定の時間だけパルスを出力する逆
起タイミング除去手段と、逆起タイミング除去手段がパ
ルスを出力していないときに抽出タイミング信号をラッ
チ解除信号として出力する構成としたものである。
【0057】この構成により、以下のような作用が得ら
れる。
【0058】(1)ラッチ解除信号をPWM制御信号が
オンとなった時点よりも遅延させ出力されるため、負荷
の変動するような場合や出力調整を行うような場合でも
PWM制御信号がオンになった直後に発生するハンチン
グノイズの影響を受けることなく確実にゼロクロス点を
検出することができるため、適正なタイミングで固定子
巻線へ通電する電流相の切換を行うことができる。
【0059】(2)駆動パターンを切り換え時から所定
の時間遅延してラッチ解除信号が出力されるため、固定
子巻線の通電の電流相を切り換えたときに発生する逆起
電圧によるサージパルスの影響をロータ位置信号から除
去することができ、適正なタイミングで固定子巻線へ通
電する電流相の切換を行うことができる。
【0060】以下に本発明の一実施の形態について、図
面を参照しながら説明する。
【0061】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1のブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0062】図1において、1はブラシレスモータのス
テータ、2は永久磁石等で構成されるブラシレスモータ
のロータ、3,4,5はステータ1内に回転磁界を発生
させロータ2に回転力を与えるU相,V相,W相の固定
子巻線である。固定子巻線3,4,5は一端が共通接点
Oで三相結線されたスター型結線とされている。
【0063】6は固定子巻線3,4,5に印加する電圧
を供給する直流電源ユニット、7は直流電源ユニット6
の直流電源、8は直流電源7の正負両端子間に接続され
たコンデンサである。尚、直流電源7としては、商用電
源からトランスを用いて電圧レベルを変換し整流するも
のや、トランス以外の整流素子により整流するもの、ス
イッチング制御により整流するもの等や電池など、直流
低電圧を発生するものであれば、どのようなものであっ
てもよい。
【0064】9は駆動制御回路、Tr1〜Tr3はPN
P型トランジスタからなるアップサイドコミュテータ素
子、Tr4〜Tr6はNPN型トランジスタからなるダ
ウンサイドコミュテータ素子、D1〜D6は定電圧ダイ
オードからなるフリーホイーリングダイオードである。
アップサイドコミュテータ素子Tr1〜Tr3のエミッ
タ側は直流電源7の正極端子に接続され、ダウンサイド
コミュテータ素子Tr4〜Tr6のエミッタ側は直流電
源7の負極端子に接続され、アップサイドコミュテータ
素子Tr1とダウンサイドコミュテータ素子Tr4,ア
ップサイドコミュテータ素子Tr2とダウンサイドコミ
ュテータ素子Tr5,アップサイドコミュテータ素子T
r3とダウンサイドコミュテータ素子Tr6とのコレク
タ側端子はそれぞれ、共通接点OU,OV,OWにおい
て結線されている。また、アップサイドコミュテータ素
子Tr1〜Tr3及びダウンサイドコミュテータ素子T
r4〜Tr6のエミッタ−コレクタ端子間には、各トラ
ンジスタに或る一定値以上の電圧が加わらないようにす
るための、フリーホイーリングダイオードD1〜D6が
接続されている。また、共通接点OU,OV,OWは、
固定子巻線3,4,5の共通接点Oと反対側の端子U,
V,Wに各々接続されている。
【0065】11は中性点電圧設定手段、12,13は
抵抗である。抵抗12,13の一端は共通接点ONにお
いて結線され、他端は直流電源7の正極端子,負極端子
に各々接続されており、中性点電圧設定手段11は、直
流電源7の電圧の中性点(以下、「基準電圧」と呼
ぶ。)を抵抗12,13からなる分圧回路により生成す
る。尚、中性点電圧設定手段11の構成としては、固定
子巻線3,4,5の中性点を生成しそれを基準電圧とす
る構成としてもよい。
【0066】19は固定子巻線3,4,5のうちの解放
相にあるものの端子電圧を取り出す解放相合成手段、2
0は増幅器、21,22,23はNPN型のトランジス
タである。トランジスタ21,22,23のコレクタ端
子は、各々固定子巻線3,4,5の端子U,V,Wに抵
抗R1,R2,R3を介して接続され、そのエミッタ端
子は接地され、そのベース端子は増幅器20に接続され
ている。尚、導通状態において抵抗の小さくなる素子で
あれば、トランジスタ21,22,23の代わりに、フ
ォトカプラ,FET,スイッチングIC,リレー等を使
用してもかまわない。
【0067】25は比較手段であるコンパレータ、D
7,D8,D9はダイオード、C1はコンデンサ、R4
は抵抗である。コンパレータ25のマイナス側の入力端
子は接点ONに接続されており、プラス側の入力端子は
ダイオードD7,D8,D9のカソード端子と共通接続
されている。また、ダイオードD7,D8,D9のアノ
ード端子は抵抗R1,R2,R3を介して各々固定子巻
線3,4,5の端子U,V,Wに接続されている。
【0068】31は使用者の設定や他の上位システムか
らの指令を受けてブラシレスモータの回転数や出力を調
節する出力制御指令信号を出力する運転制御手段であ
る。
【0069】32は入力されるロータ位置信号(後述)
を受けて次の転流のタイミングを発生するための転流指
令信号を出力する転流制御手段である。具体的には、転
流制御手段32は、ロータ位置信号がゼロクロス点と同
じタイミングで入力されると、ロータ2の電気角で30
度又は90度に相当する経過時間を決定し、上記ロータ
2の位置信号及びゼロクロス点が同時に入力された時点
から電気角30度又は90度に相当する経過時間が経過
した時点を転流タイミングとして転流指令信号を出力す
る。尚、この際同時に、解放相合成手段19の増幅器2
0に対して、解放相として選択された相を示す信号であ
る解放相選択信号を出力する。
【0070】33はPWM制御信号を出力するPWMキ
ャリア発生手段である。PWMキャリア発生手段33
は、内部で一定周波数の発信を行い、三角波を発生さ
せ、その三角波形と運転制御手段31から入力される出
力制御指令信号の波形とを比較演算し、その出力制御指
令信号のレベルに対応したPWM信号をPWM制御信号
として出力する。
【0071】34は転流制御手段32から入力される転
流指令信号を受けて駆動制御回路9の駆動パターンの切
り換えの制御を行う駆動パターン発生手段である。駆動
パターン発生手段34の内部には、予め駆動パターンが
準備されており、転流指令信号を受けて、順次そのパタ
ーンを変更していくことにより、アップサイドコミュテ
ータ素子Tr1〜Tr3及びダウンサイドコミュテータ
素子Tr4〜Tr6のスイッチングを行い、駆動パター
ンの切り換えを行う。また、駆動パターン発生手段34
は、駆動制御回路9の相切り換えを行うと同時に、PW
Mキャリア発生手段33から入力されるPWM制御信号
を駆動パターンに重畳させる。これにより、固定子巻線
3,4,5に流される電流がPWM制御される。
【0072】35はPWM制御中における逆起電圧発生
波形の影響を受けることなく解放相の誘起電圧波形を抽
出するための抽出タイミング信号を生成する抽出タイミ
ング発生手段である。抽出タイミング発生手段35は、
PWMキャリア発生手段33からPWMキャリア信号
(後述)を受け取り、それに基づき抽出タイミング信号
を生成する。
【0073】36は転流制御手段32の出力する転流指
令信号を受け逆起タイミング除去信号を生成し出力する
逆起タイミング除去手段、36aはワンショットパルス
発生器、36bは反転増幅器である。ワンショットパル
ス発生器36aは、転流制御手段32より転流指令信号
が入力されると、ワンショットパルスを出力し、反転増
幅器36bはワンショットパルス発生器36aの発生す
るワンショットパルスの出力信号レベルを反転し、逆起
タイミング除去信号として出力する。
【0074】37は抽出タイミング発生手段35から入
力される抽出タイミング信号と逆起タイミング除去手段
36から入力される逆起タイミング除去信号を合成しラ
ッチ解除信号として出力するタイミング合成手段、38
はラッチ手段である。ラッチ手段38は、タイミング合
成手段37から入力されるラッチ解除信号をイネーブル
信号として受け取り、コンパレータ25の出力信号をラ
ッチ制御してロータ位置信号として転流制御手段32に
出力する。
【0075】図2はPWMキャリア発生手段の回路構成
を表すブロック図である。
【0076】図2において、33はPWMキャリア発生
手段、33aはPWMキャリア発生手段33の基本波形
である矩形波状のPWMキャリア信号を発生し出力する
発信部、33bは発信部33bの出力するキャリア信号
を積分し三角波を出力する積分器、33cは運転制御手
段31から入力される出力制御指令信号と積分器33b
の出力信号とを比較しPWM制御信号として出力するコ
ンパレータである。コンパレータ33cは、出力制御指
令信号の信号レベルが積分器33bの出力信号の信号レ
ベルよりも高いときPWM制御信号をハイレベルとして
出力する。尚、発信部33aの出力するPWMキャリア
信号は、図1の抽出タイミング発生手段35にも出力さ
れる。
【0077】図3は抽出タイミング発生手段の回路構成
を表すブロック図である。
【0078】図3において、35は抽出タイミング発生
手段、35a,35bは第1及び第2のタイマ、35c
は反転増幅器、35dはAND演算素子である。第1及
び第2のタイマ35a,35bは、PWMキャリア発生
手段33から入力されるPWMキャリア信号がハイレベ
ルになった時点からそれぞれT1,T2時間経過後にハ
イレベルになるような信号を出力する。反転増幅器35
cは、第2のタイマ35bの出力信号レベルを反転して
出力する。また、AND演算素子35dは、第1のタイ
マ35a及び反転増幅器35cの出力の論理積演算を行
いその結果を抽出タイミング信号としてタイミング合成
手段37に出力する。
【0079】以上のように構成された本実施の形態1の
ブラシレスモータの制御装置について、以下その動作を
説明する。
【0080】図4乃至図6は実施の形態1のブラシレス
モータの制御装置の各部の信号波形を示す図である。
【0081】図4において、40は転流タイミング、4
1はU相の固定子巻線3の端子電圧、42はV相の固定
子巻線4の端子電圧、43はW相の固定子巻線5の端子
電圧、51は解放相合成手段19のトランジスタ21の
駆動パターン、52は解放相合成手段19のトランジス
タ22の駆動パターン、53は解放相合成手段19のト
ランジスタ23の駆動パターン、54はコンパレータ2
5の入力信号の波形、55はコンパレータ25の出力信
号を表す。
【0082】図5において、40は転流タイミング、5
5はコンパレータ25の出力信号、56はワンショット
パルス発生器36aの出力するワンショットパルス信
号、57は逆起タイミング除去手段36の出力する逆起
タイミング除去信号、58はPWMキャリア発生手段3
3から出力されるPWMキャリア信号、59は抽出タイ
ミング発生手段35の出力する抽出タイミング信号、6
0はタイミング合成手段37の出力するラッチ解除信
号、61はラッチ手段38の出力するロータ位置信号を
表す。
【0083】また、図6において、58はPWMキャリ
ア発生手段33の発信部33aから出力されるPWMキ
ャリア信号、72はPWMキャリア発生手段33の積分
器33bから出力される三角波、73は運転制御手段3
1からPWMキャリア発生手段33に入力される出力制
御指令信号、74はPWMキャリア発生手段33のコン
パレータ33cから出力されるPWM制御信号、76,
77はPWM制御信号74がオンの時間帯,オフの時間
帯、78はU相又はV相若しくはW相のうちの何れか解
放相にある相(以下、単に「解放相」と呼ぶ。)の固定
子巻線の端子電圧、79はPWMのオフの時間帯77に
解放相に発生する逆起電圧エリア、80はPWM制御信
号74がオフからオンになった直後に発生するハンチン
グノイズ発生エリア、81は抽出タイミング発生手段3
5の第1のタイマ35aの出力、82は抽出タイミング
発生手段35の第2のタイマ35bの出力、59は抽出
タイミング発生手段35のAND演算素子35dの出力
する抽出タイミング信号を表す。
【0084】PWM制御によりブラシレスモータが駆動
されている期間中、転流制御手段32は、駆動パターン
発生手段34に対して転流指令信号を出力し、駆動パタ
ーン発生手段34は転流制御手段32から入力される転
流指令信号を受けて駆動制御回路9の駆動パターンの切
り換えの制御を行う。駆動パターンは、予め駆動パター
ン発生手段34の内部に準備されており、駆動パターン
発生手段34は、転流指令信号を受けて、順次そのパタ
ーンを変更していくことにより、駆動パターンの切り換
えを行う。また、駆動パターン発生手段34は、駆動制
御回路9の相切り換えを行うと同時に、PWMキャリア
発生手段33から入力されるPWM制御信号を駆動パタ
ーンに重畳させる。これにより、固定子巻線3,4,5
に流される電流がPWM制御される。
【0085】ここで、PWMキャリア発生手段33にお
いて、コンパレータ33cは、積分器33bから入力さ
れる三角波72と運転制御手段31から入力される出力
制御指令信号73とを比較し(図2,図6(b)参
照)、出力制御指令信号73の信号レベルが三角波72
の信号レベルよりも高いときに、PWM制御信号74を
ハイレベルとする(図6(c)参照)。即ち、出力制御
指令信号73の信号レベルが高いほど、PWM制御信号
74のハイレベルの時間的出力割合(デューティー比)
が大きくなる。もし、出力制御指令信号73が三角波7
2の最大値を超えると、100%ハイレベルの信号とな
る。駆動パターン発生手段34は、このPWM制御信号
74を駆動信号に重畳することにより、ブラシレスモー
タの出力をPWM制御し、可変とすることが可能とな
る。
【0086】尚、本実施の形態1では出力制御指令信号
73がアナログ信号である場合について記載している
が、出力制御指令信号がパルス変調信号である場合はア
ナログ化回路を設けることにより対応することができ
る。
【0087】駆動パターン発生手段34による固定子巻
線3,4,5への通電切り換え制御により、固定子巻線
3,4,5の端子U,V,Wには、図4(a),
(b),(c)に示したような端子電圧41,42,4
3が発生する。
【0088】このとき、同時に、転流制御手段32は、
解放相合成手段19に対し、U,V,W相のうち解放相
にある相を表す解放相選択信号を出力する。解放相合成
手段19は、解放相選択信号に従って、トランジスタ2
1,22,23のうち、解放相にある相の固定子巻線
3,4,5の端子U,V,Wに接続されているものを非
導通状態とし、それ以外を導通状態とするような切り換
えを行う(図4(a)〜(d)参照)。
【0089】トランジスタ22とトランジスタ23とが
導通状態とされ、トランジスタ21のみが非導通状態と
されている場合、V相及びW相のダイオードD8,D9
のアノード端子は低抵抗でグランドに接続されることに
なるので、ダイオードD8,D9のアノード端子の端子
電圧は低下する。従って、コンパレータ25には、U相
の固定子巻線3の端子Uの端子電圧のみが入力されるこ
ととなる。
【0090】同様にして、トランジスタ21とトランジ
スタ23とが導通状態とされ、トランジスタ22のみが
非導通状態とされている場合、V相の固定子巻線4の端
子Vの端子電圧のみがコンパレータ25に選択的に入力
され、トランジスタ21とトランジスタ22とが導通状
態とされ、トランジスタ23のみが非導通状態とされて
いる場合、W相の固定子巻線5の端子Wの端子電圧のみ
がコンパレータ25に選択的に入力される。
【0091】その結果、コンパレータ25の入力端子に
は、常時、解放相にある固定子巻線の端子電圧のみが、
入力される(図4(e)参照)。
【0092】コンパレータ25は、入力信号の波形54
と中性点電圧設定手段11の出力する基準電圧とを比較
し、その結果を出力する(図4(f)参照)。この結
果、コンパレータ25の出力には全てのゼロクロス点の
情報が含まれることとなる。
【0093】更に、転流制御手段32は、駆動パターン
発生手段34に転流指令信号を出力すると同時に、ワン
ショットパルス発生器36aに対しても転流指令信号を
出力する。ワンショットパルス発生器36aは、転流点
40において、転流制御手段32から転流指令信号が入
力されると、ワンショットパルス56を発生する(図5
(a)参照)。反転増幅器36bは、ワンショットパル
ス56を反転し逆起タイミング信号57としてタイミン
グ合成手段37に出力する(図5(b)参照)。即ち、
逆起タイミング信号57は、転流点40直後のサージパ
ルスが発生している期間は、ローレベルで、サージパル
スがなくなった後、ハイレベルとなる信号であり、この
信号を用いることで、転流直後に発生するサージパルス
の影響を除去することができる。
【0094】ゼロクロス点情報(即ち、ロータ2の位置
の情報)を含む信号は、PWM制御信号74がオンの時
間帯76に、解放相の固定子巻線の端子電圧として誘起
されるが(図4(a)〜(c),図6(d)参照)、こ
の信号からゼロクロス点を検出する際には、ハンチング
ノイズ発生エリア80を避ける必要がある(図6(d)
参照)。また、前述のように、PWM制御信号74がオ
ンの時間帯76は(図6(b)〜(d)参照)、出力制
御指令信号73の信号レベルにより変化し、特に、ブラ
シレスモータの出力を小さくして運転する場合には、P
WM制御信号74のオフの時間帯77が割合的に増加し
(デューティー比が減少し)、PWM制御信号74のオ
ンの時間帯76が狭く少なくなる。(但し、一般的に
は、ブラシレスモータを安定駆動するために、デューテ
ィー比の下限値が設定されており、例えば、1〜10%
のデューティー比の下限値が設定される。)センサレス
によりゼロクロス点を検出する場合には、デューティー
比の下限値においても誘起電圧をタイミング良く抽出す
ることが重要である。
【0095】そこで、本実施の形態1のブラシレスモー
タの制御装置ではPWMキャリア信号58の立ち上がり
のタイミングを利用している。PWMキャリア信号58
の立ち上がりのタイミングは、ブラシレスモータのPW
M制御運転時にデューティー比が下限値に設定されてい
る場合においても、必ずオンの時間帯となる(図6
(a)〜(c)参照)。
【0096】PWMキャリア発生手段33からPWMキ
ャリア信号58が入力されると、抽出タイミング発生手
段35の第1,第2のタイマ35a,35bは、PWM
キャリア信号58の立ち上がりのタイミングから計時を
開始し、各々、時間T1,T2(T2>T1)が経過し
た時点でタイムアップしてハイレベルを出力する。ま
た、PWMキャリア信号58の立ち下がりとともにリセ
ットされその出力をローレベルとする(図6(e),
(f)参照)。反転増幅器35cは第2のタイマー35
bの出力82を反転し、AND演算素子35dは、この
反転されたタイマー35bの出力と第1のタイマ35a
の出力とのAND演算を行うことにより、抽出タイミン
グ信号59を生成する(図6(g)参照)。従って、こ
の時間T1,T2を、デューティー比が下限値の場合に
おいても誘起電圧を抽出できる時間帯となるように設定
しておくことで、適正な抽出タイミング信号59を得る
ことができる。尚、抽出タイミング信号59のオンの時
間幅は、10ナノ秒〜1ミリ秒程度の短い時間でよい。
【0097】このようにして、PWMキャリア信号58
の立ち上がりよりもわずかな時間だけ遅れて立ち上がる
抽出タイミング59が得られ、この抽出タイミング信号
59のハイレベルとなる期間中にゼロクロス点の検出を
行えば、ハンチングノイズ発生エリア80を避けてゼロ
クロス点の抽出を行うことができる。
【0098】タイミング合成手段37には、抽出タイミ
ング発生手段35の出力する抽出タイミング信号59と
逆起タイミング除去手段36の出力する逆起タイミング
除去信号57とが入力され、タイミング合成手段37は
これらの信号を論理積演算した信号であるラッチ解除信
号60をラッチ手段38に出力する(図5(e)参
照)。
【0099】一方、ラッチ手段38には、全てのゼロク
ロス情報を含む信号であるコンパレータ25の出力信号
55が入力されており、ラッチ手段38は、ラッチ解除
信号60がハイレベルの時のみ、コンパレータ25の出
力信号55を取り込んでラッチする。即ち、ラッチ手段
38は、ラッチ解除信号60がローレベルの時間帯で
は、その直前にラッチ解除信号60がハイレベルとなっ
た時間帯の最後(即ち、ラッチ解除信号60がハイレベ
ルからローレベルになった瞬間)におけるコンパレータ
25の出力信号55の信号レベルをラッチして、そのレ
ベルを維持してロータ位置信号61として転流制御手段
32に出力する(図5(g)参照)。
【0100】転流制御手段32は、ロータ位置信号61
がハイレベルからローレベル又はローレベルからハイレ
ベルに切り換わった点をゼロクロス点のタイミングと判
断し、このタイミングから、ロータ2の電気角で30度
又は90度に相当する経過時間を決定し、上記ロータ2
の位置信号及びゼロクロス点が同時に入力された時点か
ら電気角30度又は90度に相当する経過時間が経過し
た時点を転流タイミングとして転流指令信号を出力す
る。
【0101】尚、ロータ2の電気角で30度又は90度
に相当する経過時間は、過去にロータ位置信号61がハ
イレベルからローレベル又はローレベルからハイレベル
に切り換わった点の間隔から推定することができる。
【0102】(実施の形態2)図7は本発明の実施の形
態2のブラシレスモータの制御装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【0103】図7において、1はステータ、2はロー
タ、3,4,5は固定子巻線、6は直流電源ユニット、
7は直流電源、8はコンデンサ、9は駆動制御回路、T
r1〜Tr3はアップサイドコミュテータ素子、Tr4
〜Tr6はダウンサイドコミュテータ素子、D1〜D6
はフリーホイーリングダイオード、11は中性点電圧設
定手段、12,13,R1,R2,R3は抵抗、31は
運転制御手段、32は転流制御手段、33はPWMキャ
リア発生手段、34は駆動パターン発生手段、35は抽
出タイミング発生手段、36は逆起タイミング除去手
段、36aはワンショットパルス発生器、36bは反転
増幅器、37はタイミング合成手段であり、これらは実
施の形態1と同様のものであるので、同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0104】25u,25v,25wは比較手段である
コンパレータ、R5,R6,R7,R8,R9,R10
は抵抗、C2,C3,C4はコンデンサである。
【0105】抵抗R5,R6,R7は、それぞれ、抵抗
R1,R2,R3とグランドとの間に接続されている。
コンパレータ25u,25v,25wのマイナス側の入
力端子は接点ONに接続されており、プラス側の入力端
子は、それぞれ、抵抗R1,R5の共通接続点,抵抗R
2,R6の共通接続点,抵抗R3,R7の共通接続点に
接続されている。
【0106】38u,38v,38wはラッチ手段であ
る。ラッチ手段38u,38v,38wは、タイミング
合成手段37から入力されるラッチ解除信号をイネーブ
ル信号として受け取り、それぞれ、コンパレータ25
u,25v,25wの出力信号をラッチ制御してロータ
位置信号として転流制御手段32に出力する。
【0107】以上のように構成された本実施の形態2の
ブラシレスモータの制御装置について、以下その動作を
説明する。
【0108】図8は実施の形態2のブラシレスモータの
制御装置の各部の信号波形を示す図である。
【0109】尚、U相の固定子巻線3の端子電圧41、
V相の固定子巻線4の端子電圧42、W相の固定子巻線
5の端子電圧43、ワンショットパルス発生器36aの
出力するワンショットパルス信号56、逆起タイミング
除去手段36の出力する逆起タイミング除去信号57、
PWMキャリア発生手段33から出力されるPWMキャ
リア信号58、抽出タイミング発生手段35の出力する
抽出タイミング信号59、タイミング合成手段37の出
力するラッチ解除信号60の各信号に関しては図4乃至
図6と同様である。
【0110】図8において、40は転流タイミング、4
1はU相の固定子巻線3の端子電圧、42はV相の固定
子巻線4の端子電圧、43はW相の固定子巻線5の端子
電圧、55uはコンパレータ25uの出力信号、55v
はコンパレータ25vの出力信号、55wはコンパレー
タ25wの出力信号、60はタイミング合成手段37の
出力するラッチ解除信号、61uはラッチ手段38uの
出力するU相ロータ位置信号、61vはラッチ手段38
vの出力するV相ロータ位置信号、61wはラッチ手段
38wの出力するW相ロータ位置信号を表す。
【0111】PWM制御によりブラシレスモータが駆動
されている期間中、転流制御手段32は、駆動パターン
発生手段34に対して転流指令信号を出力し、PWMキ
ャリア発生手段33は、駆動パターン発生手段34に対
してPWM制御信号を出力する。駆動パターン発生手段
34は転流制御手段32から入力される転流指令信号を
受けて駆動制御回路9の駆動パターンの切り換えの制御
を行うとともに、PWM制御信号を駆動信号に重畳する
ことにより、ブラシレスモータの出力のPWM制御を行
う。
【0112】駆動パターン発生手段34による固定子巻
線3,4,5への通電切り換え制御により、固定子巻線
3,4,5の端子U,V,Wには、図8(a),
(b),(c)に示したような端子電圧41,42,4
3が発生する。これにより、抵抗R1と抵抗R5,抵抗
R2と抵抗R6,抵抗R3と抵抗R7の共通接続点には
端子電圧41,42,43と同形の電圧波形が発生す
る。この電圧波形が、コンパレータ25u,25v,2
5wに入力される。
【0113】コンパレータ25u,25v,25wは、
入力信号の波形と中性点電圧設定手段11の出力する基
準電圧とを比較し、その結果を出力する(図8(d),
(e),(f)参照)。各コンパレータ25u,25
v,25wの出力55u,55v,55wは、ラッチ手
段38u,38v,38wに入力される。同時に、ラッ
チ手段38u,38v,38wには、タイミング合成手
段37よりラッチ解除信号60が入力される。尚、タイ
ミング合成手段のラッチ解除信号60を生成する動作に
ついては、実施の形態1と同様である。
【0114】ラッチ手段38u,38v,38wは、ラ
ッチ解除信号60がハイレベルの時のみ、コンパレータ
25u,25v,25wの出力信号55u,55v,5
5wを取り込んでラッチする。即ち、ラッチ手段38
u,38v,38wは、ラッチ解除信号60がローレベ
ルの時間帯では、その直前にラッチ解除信号60がハイ
レベルとなった時間帯の最後(即ち、ラッチ解除信号6
0がハイレベルからローレベルになった瞬間)における
コンパレータ25u,25v,25wの出力信号55
u,55v,55wの信号レベルをラッチして、そのレ
ベルを維持してロータ位置信号61u,61v,61w
として転流制御手段32に出力する(図8(g)〜
(j)参照)。
【0115】転流制御手段32は、ロータ位置信号61
u,61v,61wの何れかがハイレベルからローレベ
ル又はローレベルからハイレベルに切り換わった点をゼ
ロクロス点のタイミングと判断し、このタイミングか
ら、ロータ2の電気角で30度又は90度に相当する経
過時間を決定し、上記ロータ2の位置信号及びゼロクロ
ス点が同時に入力された時点から電気角30度又は90
度に相当する経過時間が経過した時点を転流タイミング
として転流指令信号を出力する。
【0116】尚、本実施の形態においては、各々の相の
固定子巻線3,4,5に対しコンパレータ25u,25
w,25v及びラッチ手段38u、38v、38wを設
けたが、ブラシレスモータの負荷変動が小さい場合に
は、コンパレータ及びラッチ手段は、固定子巻線3,
4,5の何れか一つに対して備える構成としても良い。
【0117】
【発明の効果】以上のように本発明のブラシレスモータ
の制御装置によれば、以下のような有利な効果が得られ
る。
【0118】請求項1に記載の発明によれば、 (1)PWM制御下で固定子巻線の誘起電圧と基準電圧
を比較することができるため、簡単な構成によって固定
子巻線の誘起電圧のゼロクロス点を検出できるととも
に、適正な転流制御を行うために都合のよいゼロクロス
点でのみ切り換わるロータ位置信号を生成することがで
き、適正なタイミングで固定子巻線へ通電する電流相の
切換を行うことが可能なブラシレスモータの制御装置を
提供することができる。
【0119】(2)ラッチ解除信号をPWM制御信号が
オンとなった時点よりも遅延させることで、負荷の変動
するような場合や出力調整を行うような場合でもPWM
制御信号がオンになった直後に発生するハンチングノイ
ズの影響を受けることなく確実にゼロクロス点を検出す
ることができるため、適正なタイミングで固定子巻線へ
通電する電流相の切換を行うことが可能なブラシレスモ
ータの制御装置を提供することができる。
【0120】請求項2に記載の発明によれば、適正な転
流制御を行うために都合のよいゼロクロス点でのみ切り
換わるロータ位置信号を生成することができ、適正なタ
イミングで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うこ
とが可能なブラシレスモータの制御装置を提供すること
ができる。
【0121】請求項3に記載の発明によれば、 (1)解放相にある固定子巻線に発生する誘起電圧が基
準電圧を横切るタイミングのすべてをロータの位置検出
の情報として活用することが可能となり、適正なタイミ
ングで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うことが
可能なブラシレスモータの制御装置を提供することがで
きる。
【0122】(2)各固定巻線のそれぞれに対応して所
定の電気角だけ位相のずれた固定巻線と同数のロータ位
置信号が生成されるため、従来から使用されているホー
ルセンサ等のロータ位置検出センサを用いて各固定子巻
線の通電の切り換え制御を行うタイプの汎用のドライブ
ICを使用することが可能なブラシレスモータの制御装
置を提供することができる。
【0123】請求項4に記載の発明によれば、 (1)解放相にある固定子巻線に発生する誘起電圧が基
準電圧を横切るタイミングのすべてをロータの位置検出
の情報として活用することが可能となり、適正なタイミ
ングで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うことが
可能なブラシレスモータの制御装置を提供することがで
きる。
【0124】(2)1つの比較手段及び1つのラッチ手
段により、解放相にある固定子巻線に発生する誘起電圧
が基準電圧を横切るタイミングのすべてを検出すること
が可能となり、装置の構成をコンパクトにすることが可
能なブラシレスモータの制御装置を提供することができ
る。
【0125】請求項5に記載の発明によれば、負荷の変
動するような場合や出力調整を行うような場合でもPW
M制御信号がオンになった直後に発生するハンチングノ
イズの影響を受けることなく確実にゼロクロス点を検出
することができるため、適正なタイミングで固定子巻線
へ通電する電流相の切換を行うことが可能なブラシレス
モータの制御装置を提供することができる。
【0126】請求項6に記載の発明によれば、固定子巻
線の通電の電流相を切り換えたときに発生する逆起電圧
によるサージパルスの影響をロータ位置信号から除去す
ることができ、適正なタイミングで固定子巻線へ通電す
る電流相の切換を行うことができる。
【0127】請求項7に記載の発明によれば、 (1)負荷の変動するような場合や出力調整を行うよう
な場合でもPWM制御信号がオンになった直後に発生す
るハンチングノイズの影響を受けることなく確実にゼロ
クロス点を検出することができるため、適正なタイミン
グで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うことが可
能なブラシレスモータの制御装置を提供することができ
る。
【0128】(2)固定子巻線の通電の電流相を切り換
えたときに発生する逆起電圧によるサージパルスの影響
をロータ位置信号から除去することができ、適正なタイ
ミングで固定子巻線へ通電する電流相の切換を行うこと
が可能なブラシレスモータの制御装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のブラシレスモータの制
御装置の構成を示すブロック図
【図2】PWMキャリア発生手段の回路構成を表すブロ
ック図
【図3】抽出タイミング発生手段の回路構成を表すブロ
ック図
【図4】実施の形態1のブラシレスモータの制御装置の
各部の信号波形を示す図
【図5】実施の形態1のブラシレスモータの制御装置の
各部の信号波形を示す図
【図6】実施の形態1のブラシレスモータの制御装置の
各部の信号波形を示す図
【図7】本発明の実施の形態2のブラシレスモータの制
御装置の構成を示すブロック図
【図8】実施の形態2のブラシレスモータの制御装置の
各部の信号波形を示す図
【図9】(a)PWM制御されていない場合におけるブ
ラシレスモータの一の固定子巻線の端子電圧波形を示す
図 (b)図9(a)の端子電圧波形と基準電圧とを比較し
て得られるコンパレータ出力波形を示す図
【図10】(a)PWM制御されている場合におけるブ
ラシレスモータの一の固定子巻線の端子電圧波形を示す
図 (b)イネーブル信号の波形を示す図 (c)位相信号の波形を示す図
【図11】(a)図10(a)の固定子巻線の端子電圧
波形の拡大図 (b)固定子巻線に印加する電圧を制御するPWM制御
信号の波形を示す図 (c)図11(b)のイネーブル信号の波形の拡大図
【図12】イ号公報に開示のブラシレスモータの制御装
置のイネーブル信号生成手段を表す図
【符号の説明】
1 ステータ 2 ロータ 3,4,5 固定子巻線 6 直流電源ユニット 7 直流電源 8 コンデンサ 9 駆動制御回路 11 中性点電圧設定手段 12,13 抵抗 19 解放相合成手段 20 増幅器 21,22,23 トランジスタ 25 コンパレータ 31 運転制御手段 32 転流制御手段 33 PWMキャリア発生手段 33a 発信部 33b 積分器 33c コンパレータ 34 駆動パターン発生手段 35 抽出タイミング発生手段 35a 第1のタイマ 35b 第2のタイマ 35c 反転増幅器 35d AND演算素子 36 逆起タイミング除去手段 36a ワンショットパルス発生器 36b 反転増幅器 37 タイミング合成手段 38 ラッチ手段 201 端子電圧波形 202 基準電圧 203 位相信号 204 ゼロクロス点 216 イネーブル信号生成手段 217,218,223,229 NAND回路 219 立ち上がり遅延回路 220 トランジスタ 221,225 コンデンサ 222,226 抵抗 224 立ち下がり遅延回路 227 ダイオード 228 直流電源端子 240 端子電圧 241 基準電圧 242 イネーブル信号 243 位相信号 244 ゼロクロス点 C1 コンデンサ D1,D2,D3,D4,D5,D6 フリーホイーリ
ングダイオード D7,D8,D9 ダイオード R1,R2,R3,R4 抵抗 Tr1,Tr2,Tr3 アップサイドコミュテータ素
子 Tr4,Tr5,Tr6 ダウンサイドコミュテータ素
フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 BB04 BB07 BB12 DA13 DA19 DC02 EB01 EC10 SS01 TT03 TT06 TT07 TT10 UA02 XA12 XA15 XB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相結線された複数相の固定子巻線と、前
    記固定子巻線の磁界により回転駆動されるロータと、を
    備えたブラシレスモータを制御するブラシレスモータの
    制御装置において、前記各固定子巻線に流す電流の通電
    の切り換えを行う駆動制御回路と、前記各固定子巻線へ
    の給電量をオン/オフのデューティ比により制御するた
    めのPWM制御信号を出力するPWMキャリア発生手段
    と、前記ロータの位置に応じ前記各固定子巻線に流す電
    流の電流相に対応した前記駆動制御回路の通電の切り換
    えを指示する駆動パターンを生成し、前記駆動パターン
    に従い前記駆動制御回路の通電の切り換えを行わせると
    ともに前記PWM制御信号のオン/オフに従い前記駆動
    制御回路の通電のオン/オフを行わせる制御を行う駆動
    パターン発生手段と、前記各固定子巻線に印加される電
    圧の中性点である基準電圧と前記固定子巻線の端子電圧
    とを比較しその大小を2値で表す比較信号を出力する比
    較手段と、前記PWM制御信号がオンである期間内にラ
    ッチ解除信号を出力するイネーブル信号発生手段と、前
    記ラッチ解除信号が出力されている間は前記比較信号を
    ロータ位置信号として出力し、前記ラッチ解除信号の出
    力されてない間はその直前に前記ラッチ解除信号が出力
    されていたときの前記比較信号をロータ位置信号として
    出力するラッチ手段と、前記ロータ位置信号の切り換わ
    るタイミングに同期させて前記駆動パターン発生手段が
    発生する前記駆動パターンを切り換えさせる制御を行う
    転流制御手段と、を備えたことを特徴とするブラシレス
    モータの制御装置。
  2. 【請求項2】前記比較手段は、前記各固定子巻線のうち
    の何れか一の端子電圧と基準電圧とを比較しその大小を
    2値で表す比較信号を用いてロータ位置信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記比較手段及び前記ラッチ手段は前記各
    固定巻線のそれぞれに対応して前記固定子巻線の数と同
    数設けられており、前記転流制御手段は、前記各ラッチ
    手段の出力する前記ロータ位置信号の何れかが切り換わ
    るタイミングに同期させて前記駆動パターン発生手段が
    発生する前記駆動パターンを切り換えさせる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの
    制御装置。
  4. 【請求項4】前記各固定子巻線のうちの通電されていな
    いものの端子電圧を選択的に出力する解放相合成手段を
    備え、前記比較手段は、前記解放相合成手段により選択
    的に出力される前記固定子巻線の端子電圧と基準電圧と
    を比較し、その大小を2値で表す比較信号を出力するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの制
    御装置。
  5. 【請求項5】前記イネーブル信号発生手段は、前記PW
    M制御信号がオンとなるタイミングから所定の時間遅延
    させラッチ解除信号の出力を開始することを特徴とする
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載のブ
    ラシレスモータの制御装置。
  6. 【請求項6】前記イネーブル信号発生手段は、前記駆動
    制御回路の前記駆動パターンを切り換え時から所定の時
    間ラッチ解除信号を出力しないことを特徴とする請求項
    1乃至5の何れか一に記載のブラシレスモータの制御装
    置。
  7. 【請求項7】前記イネーブル信号発生手段は、前記PW
    M制御信号がオンとなるタイミングから所定の時間遅延
    して前記PWM制御信号がオンである期間内に抽出タイ
    ミング信号を出力する抽出タイミング発生手段と、前記
    駆動制御回路の前記駆動パターンを切り換え時から所定
    の時間だけパルスを出力する逆起タイミング除去手段
    と、前記逆起タイミング除去手段がパルスを出力してい
    ないときに前記抽出タイミング信号を前記ラッチ解除信
    号として出力することを特徴とする請求項1乃至4の何
    れか一に記載のブラシレスモータの制御装置。
JP29967699A 1999-10-21 1999-10-21 ブラシレスモータの制御装置 Withdrawn JP2001119984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29967699A JP2001119984A (ja) 1999-10-21 1999-10-21 ブラシレスモータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29967699A JP2001119984A (ja) 1999-10-21 1999-10-21 ブラシレスモータの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001119984A true JP2001119984A (ja) 2001-04-27

Family

ID=17875634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29967699A Withdrawn JP2001119984A (ja) 1999-10-21 1999-10-21 ブラシレスモータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001119984A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710564B2 (en) 2001-08-29 2004-03-23 Sanden Corporation Methods and apparatus for controlling brushless motors
CN100433534C (zh) * 2005-10-12 2008-11-12 圆创科技股份有限公司 不需使用遮蔽程序的无感测器马达控制电路
CN103023395A (zh) * 2011-09-20 2013-04-03 日立汽车系统株式会社 无刷电机的驱动装置
KR101388774B1 (ko) 2012-07-24 2014-04-23 삼성전기주식회사 모터 제어 회로, 모터 구동 장치 및 모터 구동 방법
JP2015053858A (ja) * 2014-12-16 2015-03-19 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブラシレスモータの駆動装置
JP2016167981A (ja) * 2016-06-23 2016-09-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブラシレスモータの駆動装置
CN116722768A (zh) * 2023-05-30 2023-09-08 武汉芯必达微电子有限公司 基于芯片窗口功能实现bldc电机换相的方法及装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6710564B2 (en) 2001-08-29 2004-03-23 Sanden Corporation Methods and apparatus for controlling brushless motors
DE10238773B4 (de) * 2001-08-29 2012-03-08 Sanden Corp. Verfahren und Vorrichtung zur Steuerung bürstenloser Motoren
CN100433534C (zh) * 2005-10-12 2008-11-12 圆创科技股份有限公司 不需使用遮蔽程序的无感测器马达控制电路
CN103023395A (zh) * 2011-09-20 2013-04-03 日立汽车系统株式会社 无刷电机的驱动装置
JP2013066343A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Hitachi Automotive Systems Ltd ブラシレスモータの駆動装置
US9013128B2 (en) 2011-09-20 2015-04-21 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Brushless motor drive device
KR101388774B1 (ko) 2012-07-24 2014-04-23 삼성전기주식회사 모터 제어 회로, 모터 구동 장치 및 모터 구동 방법
JP2015053858A (ja) * 2014-12-16 2015-03-19 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブラシレスモータの駆動装置
JP2016167981A (ja) * 2016-06-23 2016-09-15 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブラシレスモータの駆動装置
CN116722768A (zh) * 2023-05-30 2023-09-08 武汉芯必达微电子有限公司 基于芯片窗口功能实现bldc电机换相的方法及装置
CN116722768B (zh) * 2023-05-30 2024-02-02 武汉芯必达微电子有限公司 基于芯片窗口功能实现bldc电机换相的方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100288770B1 (ko) 센서리스 3상 비엘디시 모터의 정류 회로
JP2000316294A (ja) 直流ブラシレスモータ駆動装置及びこれを用いた空気調和機
JP2006296194A (ja) モータ周波数でのパルス幅変調による速度制御を利用したセンサレスおよびブラシレス直流モータ駆動
JPH07337080A (ja) 空気調和機
JP2002119081A (ja) ブラシレスモータ駆動回路
CN109347372B (zh) 基于电流感测的换向控制
JP2005065491A (ja) フリーホイールしているモータの回転決定
JP2000236684A (ja) モータ駆動回路
JP2001119984A (ja) ブラシレスモータの制御装置
JP2002223580A (ja) インバータ装置
JP2000287479A (ja) ブラシレスモータの制御装置
JPH1028395A (ja) Dcブラシレスモータの位置検出装置
JP2001204192A (ja) ブラシレスモータの制御装置及びそれを用いた自吸式ポンプ
CN112400274B (zh) 控制无刷永磁电机的方法
JP3244853B2 (ja) 直流ブラシレスモータの駆動制御装置
KR100308005B1 (ko) 센서가 없는 비엘디씨(bldc) 모터의 위치감지장치
JP2000253691A (ja) ブラシレスモータの制御装置及び制御方法
JP2002125388A (ja) モータドライバ
JP2000270587A (ja) 冷却サイクルの運転制御装置
John et al. Position sensorless control of BLDC motor based on back EMF difference estimation method
JP2008245377A (ja) モータ駆動回路
JPH11168896A (ja) ブラシレスモータの駆動制御装置及び冷凍サイクル装置
JP4136368B2 (ja) Dcブラシレスモータの並列駆動回路
JPH0888994A (ja) 空気調和機
JP2000014187A (ja) 直流ブラシレスモータ駆動装置とこれを用いたルームエアコン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060822

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20060913

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070730