JP3335231B2 - インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ - Google Patents

インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ

Info

Publication number
JP3335231B2
JP3335231B2 JP27205593A JP27205593A JP3335231B2 JP 3335231 B2 JP3335231 B2 JP 3335231B2 JP 27205593 A JP27205593 A JP 27205593A JP 27205593 A JP27205593 A JP 27205593A JP 3335231 B2 JP3335231 B2 JP 3335231B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
commutation
time
voltage
winding
inverter device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27205593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07123777A (ja
Inventor
一信 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP27205593A priority Critical patent/JP3335231B2/ja
Publication of JPH07123777A publication Critical patent/JPH07123777A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3335231B2 publication Critical patent/JP3335231B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2600/00Control issues
    • F25B2600/02Compressor control
    • F25B2600/021Inverters therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/70Efficient control or regulation technologies, e.g. for control of refrigerant flow, motor or heating

Landscapes

  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレスモータのよ
うな、複数の巻線を有するモータの各巻線をロータの所
定の回転位置に対応する転流タイミングで順次通電する
ためのスイッチング回路を有するインバータ装置および
そのインバータ装置により制御されるエアコンディショ
ナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコンディショナや冷蔵庫にお
いて、コンプレッサの能力可変や電力消費量の節約のた
めに、直流モータの一種であるブラシレスモータを採用
し、これをインバータ装置によって駆動することが行わ
れている。ブラシレスモータの場合、通常、巻線の通電
相を決定するためにロータの回転位置信号を必要とする
が、エアコンディショナや冷蔵庫のコンプレッサのよう
にモータが冷媒に晒される等、モータの使用環境によっ
ては位置検出センサーを配置することが困難な場合があ
る。このため、本願発明者等は、モータの巻線の誘起電
圧を検出しこれを電気的に処理することにより回転位置
信号を得る技術を開発し、これを特願昭62ー1626
54号として出願した。
【0003】以下、その出願の発明がパルス幅変調(以
下、単にPWMと称する)方式で実施される場合を例に
し、これを従来技術として図21〜図23を参照しなが
ら説明する。
【0004】図21に示されたインバータ装置におい
て、交流電源1に接続される直流電源回路2は、全波整
流回路3、リアクトル4aおよび平滑用コンデンサ4b
からなり、この直流電源回路2の正側直流電源線5と負
側直流電源線6との間にはスイッチング回路としてスイ
ッチング素子例えばスイッチング用トランジスタ7〜1
2からなる三相ブリッジ回路13が接続され、その出力
端子14u,14v,14wにブラシレスモータ15の
各巻線15u,15v,15wの端子が接続される。
【0005】上記三相ブリッジ回路13において、正側
直流電源線5と出力端子14u,14v,14wとの間
に接続された3個のトランジスタ7,9,11は正側ス
イッチング素子に対応し、負側直流電源線6と出力端子
14u,14v,14wとの間に接続された3個のトラ
ンジスタ8,10,12は負側スイッチング素子に対応
している。これら各トランジスタ7〜12が所定の順序
でオンオフ制御されると、ブラシレスモータ15はその
各巻線15u〜15wが120度(電気角、以下同様)
の位相差をもって順次繰り返し通電されることにより回
転駆動される。この場合、一つのトランジスタは120
度オン、240度オフのオンオフ周期で制御され且つオ
ン期間では、図22に示すPWM信号P1 によってデュ
ーティの制御がなされるので、ブラシレスモータ15の
各巻線15u〜15wの端子電圧Vu,Vv,Vwは図
22に示す波形になる。
【0006】図23はPWM制御を伴わない場合の巻線
15uの端子電圧Vuおよび電流Iuの波形を示す。こ
の波形において、約60度(期間Ta )の区間に渡る傾
斜部分は巻線15uの誘起電圧、細長い正負パルスは三
相ブリッジ回路13の各トランジスタ7〜12と並列に
接続されたダイオードD1 〜D6 によるパルス電圧、ま
た、V0 は直流電源線5、6間に接続された抵抗分圧回
路16によって形成された基準電圧である。ここで、基
準電圧V0 は三相ブリッジ回路13の直流電源回路2の
電圧の2分の1に設定されている。この図23から、転
流タイミングは誘起電圧と基準電圧V0 とがクロスする
時点(以下、単にゼロクロス時点と称する)から約30
度遅れていることが理解される。
【0007】前記端子電圧Vu,Vv,Vwは位置検出
手段としての位置信号回路17に設けられたコンパレー
タ18〜20によって前記基準電圧V0 と比較されるこ
とにより、ブラシレスモータ15が有するロータの位置
情報として図22に示すような端子電圧Vu〜Vwの1
80度区間認識用の基本波信号Vu´,Vv´,Vw´
に変換される。更にこれら基本波信号Vu´,Vv´,
Vw´が通電信号形成手段としての波形合成回路21に
与えられ、ここでPWM信号P1 との照合により正パル
ス成分のみの時間幅180度の連続方形波からなり且つ
互に120度の位相差を有する認識波形信号Ua,V
a,Waに変換される。この認識波形信号Ua,Va,
Waの開始点(立上り時点)および終了点(立下り時
点)はゼロクロス時点に一致している。
【0008】更にこの波形合成回路21内では、これに
保有された第1および第2のタイマー機能のうち、第1
のタイマー機能によって前記3つの認識波形信号Ua,
Va,Waから時間幅Tbが各々60度をもつ6個の第
1の位相区分パターンX1 〜X6 を形成し、更に第2の
タイマー機能によって第1の各位相区分パターンX1〜
X6 の終点を起点とする時間幅が各々30度をもつ6個
の第2の位相区分パターンY1 〜Y6 を形成する。そし
て、波形合成回路21は、最終的に上記のような第2の
位相区分Y1 〜Y6 信号から図22に示す通電信号U
p,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを合成する。
【0009】ここで、通電信号Up,Un,Vp,V
n,Wp,Wnの開始点は、第2の位相区分パターンY
1 〜Y6 の終点に一致しているので、ゼロクロス時点か
ら30度遅れた時点となり、従って、これら通電信号U
p,Un,Vp,Vn,Wp,Wnの位相パターンは、
三相ブリッジ回路13のトランジスタ7〜12に要求さ
れた転流タイミングパターンに一致することとなる。
【0010】一方、速度検出手段としての速度判定回路
22は、波形合成回路21からブラシレスモータ15の
回転速度検出信号として与えられた通電信号Wnと速度
指令信号Scとから速度偏差を判定し、その速度偏差に
対応したデューティ信号Sdを出力してこれをパルス幅
変調回路23に与える。このパルス幅変調回路23はP
WM信号P1 のデューティをデューティ信号Sdの大き
さに応じるように制御する。このようにデューティが制
御されたPWM信号P1 は駆動手段を構成するゲート回
路24の各ゲート部25,27,29によって前記通電
信号Up,Vp,Wp,と合成例えば論理積をとられな
がら三相ブリッジ回路13の正側トランジスタ7,9,
11のベースにベース制御信号として供給されてこれら
がPWM信号P1 のオンオフモードでオンオフ制御され
る。また、負側トランジスタ8,10,12のベースに
は前記通電信号Un,Vn,Wnのみがゲート部26,
28,30を介して供給されてPWMモードを伴わない
オンオフ制御がなされる。この結果、トランジスタ7〜
12が通電信号Up〜Wnにより図22に示すパターン
でオンオフ制御されることによってブラシレスモータ1
5が駆動を継続すると共に図22に示されるPWM信号
P1 によるデューティ制御によってその速度制御がなさ
れる。
【0011】ここで、PWM信号P1 のオンモードとは
そのパルス信号のハイレベルおよびロウレベルのうち、
トランジスタをオンさせるレベル(図22ではハイレベ
ルに設定)のモードをいい、オフモードとはトランジス
タをオフさせるレベル(同ロウレベルに設定)のモード
をいう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなインバー
タ装置によって制御されるブラシレスモータを例えば冷
蔵庫やエアコンディショナ等のロータリーコンプレッサ
の駆動用モータとして使用した場合、圧縮作用に伴い負
荷トルクがロータの1回転周期で図24に示すように変
動する。すると、ロータの回転速度が負荷トルクの増加
に伴って減少し、逆に負荷トルクの減少に伴って増加す
るというように変動し、この速度変動によりコンプレッ
サが振動して騒音を発したり、機械部品の劣化や損傷の
原因となったりする。
【0013】また、上述のようなコンプレッサの振動
は、特に慣性による速度変動吸収作用を期待できない低
速回転時に生じ易いため、騒音を嫌う家庭用の冷蔵庫や
エアコンディショナの場合には、このような低速回転域
を避けて能力可変を行わねばならず、能力可変範囲が狭
くなる。
【0014】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、モータの負荷トルクの変動を検出する
ことができ、負荷トルク変動が大きい場合(ロータの速
度変動が大きい場合)には、運転を停止させる等、負荷
トルク変動に容易に対処でき、また負荷トルクの変動が
ある場合には、その変動に対応してモータの巻線への印
加電圧を変化させることにより、回転速度変動を生じな
いようにすることができるインバータ装置を提供するに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のインバータ装置
は、モータが有する複数相の巻線に順次通電するため
の、並列にダイオードを有する複数のスイッチング素子
からなるスイッチング回路と、前記モータが有するロー
タの位置情報を得る位置検出手段と、前記位置情報に基
づいて所定の転流タイミングに対応した通電信号を得る
通電信号形成手段と、前記通電信号に基づいて前記スイ
ッチング素子を駆動する駆動手段とを具備したものにお
いて、前記スイッチング素子の転流時に、前記巻線の蓄
積エネルギーの放出による前記ダイオードの通電時間を
検出し、この検出時間をスイッチング素子の転流時間と
する転流時間検出手段と、この転流時間検出手段により
検出された転流時間から負荷トルク変動情報を得るトル
ク変動検出手段とを設けたことを特徴とするものであ
る。
【0016】また、本発明のインバータ装置は、モータ
が有する複数相の巻線に順次通電するために、正側直流
電源線と巻線の端子との間に接続された並列にダイオー
ドを有する複数の正側スイッチング素子および負側直流
電源線と巻線の端子との間に接続された並列にダイオー
ドを有する複数の負側スイッチング素子からなるスイッ
チング回路と、パルス幅変調信号を得るパルス幅変調回
路と、前記モータが有するロータの位置情報を得る位置
検出手段と、前記通電信号およびパルス幅変調信号に基
づいて前記スイッチング素子を駆動する駆動手段とを具
備したものにおいて、前記正側スイッチング素子および
負側スイッチング素子のうち、前記パルス幅変調信号に
よってオンオフ制御する側のスイッチング素子を選択す
るために前記通電信号の切り替わり毎に変化する選択信
号を得る選択信号形成手段と、前記スイッチング素子の
転流時に、前記巻線の蓄積エネルギーの放出による前記
ダイオードの通電状態を該巻線の端子電圧と基準電圧と
の比較により検出し、この通電検出時間をスイッチング
素子の転流時間とする転流時間検出手段と、この転流時
間検出手段により検出された転流時間から負荷トルク変
動情報を得るトルク変動検出手段とを設け、前記駆動手
段は前記選択信号に基づき前記正側スイッチング素子間
で転流が行われたときには前記負側スイッチング素子を
パルス幅変調信号のオンオフモードに従いオンオフ制御
すると共に、負側スイッチング素子間で転流が行われた
ときには正側スイッチング素子をパルス幅変調信号のオ
ンオフモードに従いオンオフ制御するように構成されて
いることを特徴とするものである。
【0017】上記のインバータ装置において、周期的に
変化する負荷トルクの1周期に対応するロータの回転位
置範囲を、少なくとも1回の転流タイミングを含んだ複
数の電圧パターン区に区分し、トルク変動検出手段が得
た負荷トルク変動情報に基づいて各電圧パターン区にお
ける巻線への印加電圧を制御する電圧制御手段を設ける
ことができる。
【0018】また、本発明のエアコンディショナは、コ
ンプレッサ、室外側熱交換器、減圧装置、室内側熱交換
器を冷媒通路により接続したヒートポンプを備え、前記
コンプレッサのモータを上述のようなインバータ装置に
よって制御することを特徴とするものである。
【0019】
【作用】ロータが一定の速度で回転しているとき、モー
タの負荷トルクが大きくなると、巻線電流が増大し、該
巻線の蓄積エネルギーが増加する。このため、スイッチ
ング素子の転流時において、巻線に蓄積されたエネルギ
ーの放出に要する時間が長くなる。このとき、巻線の蓄
積エネルギーの放出により流れる電流はダイオードを通
って巻線に還流するので、ダイオードの通電時間と負荷
トルクとは一定の関係を有することとなる。
【0020】従って、本発明のインバータ装置によれ
ば、転流時のダイオードの通電時間すなわち転流時間を
検出し、この転流時間から負荷トルクの変動を検出する
ので、負荷トルクの変動が大きい場合にはモータの運転
を停止する等、負荷トルク変動に適切に対処することが
できる。
【0021】また、本発明のインバータ装置によれば、
スイッチング素子をパルス幅変調信号によりオンオフ制
御する場合、そのパルス幅変調信号によりオンオフ制御
されるスイッチング素子が場合場合に応じて正側スイッ
チング素子と負側スイッチング素子との間で切り替えら
れるため、ダイオードの通電状態を巻線の端子電圧と基
準電圧との比較により検出する構成としても、巻線の端
子電圧の変化がダイオードの通電終了時点と同期して現
れるようになるので、その通電時間を正確に検出でき
る。
【0022】そして、本発明のインバータ装置によれ
ば、負荷トルクの変動に応じて巻線に印加する電圧を変
えることができるので、負荷トルクが変動してもロータ
の回転速度に変動を生ずることがない。
【0023】従って、上述のようなインバータ装置によ
りコンプレッサのモータが制御される本発明のエアコン
ディショナでは、コンプレッサの圧縮作用により、モー
タの負荷トルクが周期的に変動しても、コンプレッサの
振動を小さく抑えることができ、低騒音運転を行うこと
ができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明をエアコンディショナに適用し
た一実施例につき図1〜図16を参照しながら説明する
が、図21と同一部分に同一符号を付して異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0025】図3には、コンプレッサのモータとしてブ
ラシレスモータを採用したエアコンディショナが示され
ている。同図において、ヒートポンプ31のコンプレッ
サ32は、圧縮部33とブラシレスモータ15を同一の
鉄製密閉容器34内に収容して構成され、ブラシレスモ
ータ15のロータシャフトが圧縮部33に連結されてい
る。コンプレッサ32、四方弁35、室内側熱交換器3
6、減圧装置37、室外側熱交換器38は冷媒通路たる
パイプにより閉ループとなるように接続されている。な
お、この実施例では、ブラシレスモータ15のロータが
有する界磁用永久磁石は4極のものとする。
【0026】暖房時には、四方弁35は実線で示す状態
にあり、コンプレッサ32の圧縮部33で圧縮された高
温冷媒は、四方弁35から室内側熱交換器36に供給さ
れて凝縮し、その後、減圧装置37で減圧され、低温と
なって室外側熱交換器38に流れ、ここで蒸発してコン
プレッサ32へと戻る。
【0027】冷房時には、四方弁35は破線で示す状態
に切り替えられる。このため、コンプレッサ32の圧縮
部33で圧縮された高温冷媒は、四方弁35から室外側
熱交換器38に供給されて凝縮し、その後、減圧装置3
7で減圧され、低温となって室内側熱交換器36に流
れ、ここで蒸発してコンプレッサ32へと戻る。
【0028】そして、室内側、室外側の各熱交換器3
6,38にはそれぞれファン39,40から風が送られ
るようになっていて、その送風により各熱交換器39,
40と室内空気、室外空気の熱交換が効率良く行われる
ように構成されている。
【0029】このようなエアコンディショナのブラシレ
スモータ15は図1に示すインバータ装置により制御さ
れる。このインバータ装置のマイクロコンピュータ41
は通電手段形成手段として機能し、図21に示された従
来のインバータ装置の波形合成回路21と同等の通電信
号形成機能を有する他、選択信号形成手段としても機能
し、図2に示すように、通電信号Up,Un,Vp,V
n,Wp,Wnの切替わり時に変化、すなわちハイ
(H)・ロウ(L)のレベル関係が反転する選択信号S
pを形成するようになっている。
【0030】選択信号Spは正側トランジスタ7,9,
11間で転流が生じた場合には、そのときにオン期間に
ある負側トランジスタをPWM信号P1 のオンオフモー
ドに従いオンオフ制御すると共に、負側トランジスタ
8,10,12間で転流が生じた場合には、そのときに
オン期間にある正側トランジスタをPWM信号P1 のオ
ンオフモードに従いオンオフ制御するためのもので、正
側トランジスタ7,9,11間で転流が生ずる場合に
は、ロウレベルからハイレベルに反転し、負側トランジ
スタ8,10,12間で転流が生ずる場合には、ハイレ
ベルからロウレベルに反転する。
【0031】そして、選択信号Spは、図1に示すよう
に、正側トランジスタ7,9,11に対応するオア回路
42に与えられると共に、ノット回路43により反転さ
れて負側トランジスタ8,10,12に対応するオア回
路44に与えられ、それら両オア回路42,44により
PWM信号P1 と論理和をとられながら各ゲート部25
〜30に与えられる。また、通電信号Up,Un,V
p,Vn,Wp,Wnは各ゲート部25〜30に与えら
れ、ここでオア回路42,44の出力信号と論理積をと
られながら三相ブリッジ回路13の各トランジスタ7〜
12のベースにベース制御信号として与えられる。
【0032】ここで、選択信号Spがロウレベルにある
ときには、オア回路42はPWM信号P1 と同一モード
でハイレベルおよびロウレベルの両信号を繰り返し出力
し、オア回路44は常時ハイレベル信号を出力するか
ら、正側トランジスタ7,9,11はPWM信号P1 お
よび通電信号Up,Vp,Wpによりオンオフ制御さ
れ、負側トランジスタ8,10,12は通電信号Un,
Vn,Wnによりオンオフ制御されることとなる。
【0033】選択信号Spがハイレベルにあるときに
は、オア回路42,44は上述とは逆の出力状態となる
から、正側トランジスタ7,9,11は通電信号Up,
Vp,Wpによりオンオフ制御され、負側トランジスタ
8,10,12はPWM信号P1 および通電信号Un,
Vn,Wnによりオンオフ制御されることとなる。この
ようにして正側トランジスタ7,9,11および負側ト
ランジスタ8,10,12が交互にPWM信号P1 のオ
ンオフモードによってオンオフ制御される結果、端子電
圧Vu,Vv,Vw、および基本波信号Vu´,Vv
´,Vw´は図2に示す波形となる。
【0034】また、前記マイクロコンピュータ41はス
イッチング用トランジスタ7〜12の転流時にその転流
時間を検出し、その転流時間からブラシレスモータ15
の負荷トルクの変動情報を得るように構成されている。
この実施例では、その転流時間をスイッチング用トラン
ジスタ7〜12と並列接続されているダイオードD1〜
D6 の通電時間を計測することにより検出するように構
成されている。このように、ダイオードD1 〜D6 の通
電時間を計測することにより転流時間を検出でき、その
転流時間の変化から負荷トルクの変動を検出できる理由
は次の通りである。
【0035】すなわち、ブラシレスモータ15が一定速
度で回転しているとき、負荷トルクが変動してロータの
回転速度が変化すると、巻線15u,15v,15wに
流れる電流が変化し、その蓄積エネルギーが変化する。
このため、スイッチング用トランジスタ7〜12の転流
時において、巻線15u,15v,15wに蓄積された
エネルギーの放出に要する時間(転流時間)が変化す
る。このとき、巻線15u,15v,15wの蓄積エネ
ルギーの放出により流れる電流はダイオードD1〜D6
を通って巻線に還流するので、ダイオードD1 〜D6 の
通電時間を検出することによりスイッチング用トランジ
スタ7〜12の転流時間を検出することができると共
に、その転流時間と負荷トルクとは一定の関係を有する
こととなるので、転流時間の変化により負荷トルクの変
動を検出できるものである。
【0036】ちなみに、図4〜図7にブラシレスモータ
15の回転速度、巻線15u,15v,15wへの印加
電圧、ダイオードD1 〜D6 の通電時間(転流時間)、
負荷トルクの関係を実験により求めた結果を示す。な
お、印加電圧は直流電源回路2の出力電圧とPWM信号
P1 のデューティとの積である。この図4〜図7から
も、転流時間と負荷トルクとは一定の関係を有すること
が理解される。また、図4〜図7から、負荷トルクの増
減に応じて巻線15u,15v,15wへの印加電圧を
増減すれば、ブラシレスモータ15の回転速度を一定に
維持できることも理解される。
【0037】この実施例では、ダイオードD1 〜D6 が
通電中にあることの認識は巻線15u,15v,15w
の端子電圧Vu,Vv,Vwと基準電圧V0 との比較に
より行うようにしている。ここで、ダイオードD1 〜D
6 が通電中にあることを、巻線15u,15v,15w
の端子電圧Vu,Vv,Vwと基準電圧V0 との比較結
果である基本波信号Vu´,Vv´,Vw´によって認
識できる理由を説明する。
【0038】ダイオードD1 〜D6 が通電中にある場合
の基本波信号Vu´,Vv´,Vw´のレベルは、転流
するトランジスタによって異なる。図11〜図13は負
側トランジスタ8,10,12のいずれかがオン期間に
あるとき、正側トランジスタ7,9,11のうち2つの
トランジスタ間で転流が行われる場合(図2の第2の位
相区分パターンY1 ,Y3 ,Y5 の終了時点)の一例と
して、第2の位相区分パターンY3 の終了時点での転
流、すなわち負側トランジスタ12がオン期間にあると
き、正側トランジスタ7のオン期間が終了(オフ期間が
開始)し、正側トランジスタ9のオン期間が開始される
場合を例に取って示しており、図11は転流前、図12
は転流中、図13は転流後を示す。
【0039】図11の転流前(トランジスタ7がPWM
信号P1 によりオンオフ制御され、トランジスタ12は
オン状態のまま)、PWM信号P1 によるトランジスタ
7のオン時には、矢印A1 で示すように、正側直流電源
線5→トランジスタ7→巻線15u→巻線15w→トラ
ンジスタ12→負側直流電源線6の経路で電流が流れ
る。PWM信号P1 によるトランジスタ7のオフ時に
は、矢印A2 で示すように、巻線15u,15wの蓄積
エネルギーの放出による電流が巻線15u→巻線15w
→トランジスタ12→負側直流電源線6→ダイオードD
2 →巻線15uの経路で流れる。
【0040】トランジスタ7がオフ期間に入り、トラン
ジスタ9がオン期間に入ることにより転流が開始される
と(トランジスタ12がPWM信号P1 によりオンオフ
制御され、トランジスタ9はオン状態のまま)、PWM
信号P1 によるトランジスタ12のオン時には、直流電
源回路2の電圧印加により、図12(a)に矢印A3で
示すように、正側直流電源線5→トランジスタ9→巻線
15v→巻線15w→トランジスタ12→負側直流電源
線6の経路で新たな電流が流れ始めると共に、巻線15
uの蓄積エネルギーの放出による電流が図11の矢印A
2 で示す経路と同じ経路で流れる。PWM信号P1 によ
るトランジスタ12のオフ時には、図12(b)に矢印
A4 で示すように、巻線15v,15wの蓄積エネルギ
ーの放出による電流が巻線15v→巻線15w→ダイオ
ードD5 →正側直流電源線5→トランジスタ9→巻線1
5vの経路で流れると共に、矢印A5 で示すように、巻
線15uの蓄積エネルギーの放出による電流が巻線15
u→巻線15w→ダイオードD5 →正側直流電源線5→
平滑用コンデンサ4b→ダイオードD2 →巻線15uの
経路で流れる。そして、矢印A5 で示す経路を流れる電
流は巻線15uの蓄積エネルギーの放出により次第に減
少し、その電流がゼロとなったところで転流が終了す
る。
【0041】転流後は、PWM信号P1 によるトランジ
スタ12のオン時には、図12(a)に矢印A3 で示す
経路と同じ経路で電流が流れ、PWM信号P1 によるト
ランジスタ12のオフ時には、図12(b)に矢印A4
で示す経路と同じ経路で電流が流れる。
【0042】このような転流時期におけるPWM信号P
1 、端子電圧Vuおよび基本波信号Vu´を図14に示
す。なお、図14において、tsは転流開始時、teは
転流終了時を示し、同図(a)はPWM信号P1 がハイ
レベル状態(トランジスタ12のオン)にあるときに転
流が終了した場合、(b)はPWM信号P1 がロウレベ
ル状態(トランジスタ12のオフ)にあるときに転流が
終了した場合を示す。tsからteまでの転流中、巻線
15uの端子電圧Vuは、ダイオード12のオン・オフ
いずれの状態でもダイオードD2 が導通している(図1
2の矢印A2 、A5 参照)ことにより負側直流電源線6
の電位のまま維持される。そして、トランジスタ9がオ
ンのままにあることにより、PWM信号P1 がハイレベ
ル状態にあるとき転流が終了すると、端子電圧Vuには
誘起電圧が現れ、PWM信号P1がロウレベル状態にあ
るとき転流が終了すると、端子電圧Vuには正側直流電
源線5の電圧が現れる。
【0043】しかし、転流に要する時間は短く、転流は
誘起電圧が基準電圧V0 を越えている間に終了するか
ら、端子電圧Vuと基準電圧V0 との比較結果である基
本波信号Vu´は、PWM信号P1 のレベルとは関係な
く、転流が終了するとハイレベルに変化する。従って、
転流開始時ts(通電信号Up,Vpの切り替え時点)
から基本波信号Vu´がロウレベルにある間を転流中の
期間と認識でき、その期間の時間を計測することによ
り、転流時間を検出することができるものである。以上
は第2の位相区分パターンY3 の終了時点での転流につ
き説明したが、第2の位相区分パターンY1 およびY5
の終了時点での転流中にあることの認識は同様にして転
流開始時点から基本波信号Vw´およびVv´がロウレ
ベルにある間を転流期間と認識でき、その期間の時間計
測により転流時間を検出できるものである。
【0044】一方、図15および図16は正側トランジ
スタ7,9,11のいずれかがオン期間にあるとき、負
側トランジスタ8,10,12のうち2つのトランジス
タ間で転流が行われる場合(図2の第2の位相区分パタ
ーンY2 ,Y4 ,Y6 )の一例として、第2の位相区分
パターンY4 の終了時点での転流、すなわち正側トラン
ジスタ9がオン期間にあるとき、負側トランジスタ12
のオン期間が終了(オフ期間が開始)し負側トランジス
タ8のオン期間が開始される場合を例に取って示してお
り、転流前の状態は図13と同一の状態であるから図示
を省略し、図15に転流中、図16に転流後の状態を示
す。
【0045】転流前は図13に示すように、PWM信号
P1 によるトランジスタ12のオン時には、矢印A3 の
経路で電流が流れ、PWM信号P1 によるトランジスタ
12のオフ時には、矢印A4 の経路で電流が流れる。
【0046】トランジスタ12がオフ期間に入り、トラ
ンジスタ8がオン期間に入ることにより転流が開始され
ると(トランジスタ9がPWM信号P1 によりオンオフ
制御され、トランジスタ8はオン状態のまま)、PWM
信号P1 によるトランジスタ9のオン時には、直流電源
回路2の電圧印加により、図15(a)に矢印A6 で示
すように、正側直流電源線5→トランジスタ9→巻線1
5v→巻線15u→トランジスタ8→負側直流電源線6
の経路で新たな電流が流れ始めると共に、巻線15wの
蓄積エネルギーの放出による電流が図13の矢印A4 で
示す経路と同じ経路で流れる。
【0047】PWM信号P1 によるトランジスタ9のオ
フ時には、図15(b)に矢印A7で示すように、巻線
15v,15uの蓄積エネルギーの放出による電流が巻
線15v→巻線15u→トランジスタ8→負側直流電源
線6→ダイオードD4 →巻線15vの経路で流れると共
に、矢印A8 で示すように、巻線15wの蓄積エネルギ
ーの放出による電流が巻線15w→ダイオードD5 →正
側直流電源線5→平滑用コンデンサ4b→負側直流電源
線6→ダイオードD4 →巻線15v→巻線15wの経路
で流れる。そして、矢印A8 で示す経路を流れる電流は
巻線15wの蓄積エネルギーの放出により次第に減少
し、その電流がゼロとなったところで転流が終了する。
転流後は、PWM信号P1 によるトランジスタ9のオン
時には、図15(a)に矢印A6 で示す経路と同じ経路
で電流が流れ、PWM信号P1 によるトランジスタ9の
オフ時には、図15(b)に矢印A7 で示す経路と同じ
経路で電流が流れる。
【0048】このような転流時期において、転流中、巻
線15wの端子電圧Vuは、トランジスタ9のオン・オ
フいずれの状態でもダイオードD5 が導通している(図
15の矢印A4 、A8 参照)ことにより、トランジスタ
9のオンオフ状態に関係なく正側直流電源線5の電位の
まま維持される。そして、トランジスタ8がオンのまま
にあることにより、PWM信号P1 がハイレベル状態に
あるとき転流が終了すると、端子電圧Vuには誘起電圧
が現れ、PWM信号P1 がロウレベル状態にあるとき転
流が終了すると、端子電圧Vuには負側直流電源線6の
電圧が現れることとなる。
【0049】しかし、転流に要する時間は短く、転流は
誘起電圧が基準電圧V0 を下回っている間に終了するか
ら、端子電圧Vuと基準電圧V0 との比較結果である基
本波信号Vu´は転流中ハイレベルを維持し、転流が終
了するとロウレベルに変化する。従って、転流開始時
(通電信号Up,Vpの切り替え時点)から基本波信号
Vu´がハイレベルにある間が転流中の期間であると認
識でき、その期間の時間を計測することにより、転流時
間を検出することができるものである。以上は第2の位
相区分パターンY4 の終了時点での転流につき説明した
が、第2の位相区分パターンY2 およびY6 の終了時点
での転流中にあることの認識は同様にして転流開始時点
から基本波信号Vv´およびVu´がハイレベルにある
間を転流期間と認識でき、その期間の時間計測により転
流時間を検出できるものである。
【0050】以上のことから、第2の位相区分パターン
Y1 〜Y6 の終了時点の転流中における基本波信号Vu
´,Vv´,Vw´のハイ(H)、ロウ(L)のレベル
は次の表1のようになる。
【0051】
【表1】
【0052】そして、各第2の位相区分パターンY1 〜
Y6 での転流を終了した時点では、各基本波信号Vu
´,Vv´,Vw´は表1の状態から反転するので、各
第1の位相区分パターンX1 〜X6 内で転流を終了した
時点での各基本波信号Vu´,Vv´,Vw´のハイ、
ロウのレベル関係は次の表2のようになる。
【0053】
【表2】
【0054】さて、マイクロコンピュータ41は、ブラ
シレスモータ15の各巻線15u,15v,15wの誘
起電圧を含む端子電圧Vu,Vv,Vwと基準電圧V0
とがクロスする時点(ゼロクロス時点)を検出し、その
時点から30度遅れた時点を転流タイミングする。そし
て、ゼロクロス時点を検出するとき、転流時にダイオー
ドD1 〜D6 に電流が流れることによるパルス電圧が基
準電圧V0 とクロスする時点をゼロクロス時点と誤認識
することを防止するために、マイクロコンピュータ41
は転流終了検出手段として機能し、上記表2の各信号の
レベル関係によって転流が終了したと検出した時点から
各第1の位相区分パターンX1 〜X6 の開始時点までを
特定期間Tiと認識し、この特定期間Ti内においてコ
ンパレータ18〜20からの基本波信号Vu´,Vv
´,Vw´をゼロクロス時点の検出ために入力する。
【0055】マイクロコンピュータ41によるゼロクロ
ス時点の認識は、基本波信号Vu´,Vv´,Vw´お
よびPWM信号P1 と位置検出用比較データとの比較に
より行われる。位置検出用比較データは、次の表3に示
すように、第1の位相区分パターンX1 〜X6 毎に、基
本波信号Vu´,Vv´,Vw´およびPWM信号P1
のハイ(H)、ロウ(L)のレベルモードとして構成さ
れている。
【0056】
【表3】
【0057】なお、表3のレベル関係は前記表2のレベ
ル関係と共に各第1の位相区分パターンX1 〜X6 と関
連付けてマイクロコンピュータ41が有するメモリに記
憶されている。
【0058】また、マイクロコンピュータ41は、上述
のようにして計測される転流時間から負荷トルクの変動
情報を得るトルク変動検出手段としても機能する。この
実施例では、マイクロコンピュータ41はブラシレスモ
ータ15の回転位置に関連付けたトルク変動情報を得
る。具体的には、前記コンプレッサ32はブラシレスモ
ータ15の1回転当たり1回の圧縮作用を呈するので、
ブラシレスモータ15の負荷トルクは1回転を1周期と
して周期的に変動する。一方、本実施例のブラシレスモ
ータ15は3相4極のモータであるので、その1回転は
第1の位相区分パターンX1 〜X6 の2周期分に相当す
る。そこで、ブラシレスモータ15の1回転を各第1の
位相区分パターンX1 〜X6 に一致する12区に区分
し、各区に存する転流時の転流時間をそのままトルク変
動情報とするようにしている。
【0059】この場合、マイクロコンピュータ41は上
記12区すなわち2周期分の各第1の位相区分パターン
X1 〜X6 について過去4回転の転流時間Ta〜Tdを
テーブル化してメモリに記憶するようにしている。そし
て、2周期分の各第1の位相区分パターンX1 〜X6 毎
に4回転分の転流時間ta〜tdの平均時間T1 〜T1
2、および平均転流時間T1 〜T12の平均である総平均
転流時間Tave を求め、それらも転流時間テーブルに記
憶するようにしている。この転流時間テーブルを概念的
に表すと次の表4のようになる。
【0060】
【表4】
【0061】更に、マイクロコンピュータ41は、その
負荷トルクの変動にもかかわらずブラシレスモータ15
の回転速度が変動しないようにするために、PWM回路
23と協働して、各区において巻線15u,15v,1
5wに印加する電圧(PWM信号P1 のデューティ)を
大小変えるように機能、すなわち電圧制御手段として機
能するようになっている。具体的には、マイクロコンピ
ュータ41は、周期的に変動するブラシレスモータ15
の負荷トルクの1周期分すなわちロータの1回転を2周
期分の各第1の位相区分パターンX1 〜X6 に一致する
12の電圧パターン区Vp1 〜Vp12に区分し、各電圧
パターン区Vp1 〜Vp12毎に巻線15u,15v,1
5wに印加する電圧を転流時間テーブルに基づいて決定
する。そして、決定した電圧を電圧テーブルとしてメモ
リに記憶し、各電圧パターン区Vp1 〜Vp12毎に記憶
した電圧に応じたデューティ信号Sd をPWM回路23
に与え、各電圧パターン区Vp1 〜Vp12毎に負荷トル
クの大きさに応じた電圧が巻線15u,15v,15w
に印加されるようにしている。なお、上記電圧テーブル
を概念的に表すと、次の表5のようになる。
【0062】
【表5】
【0063】そして、このような電圧制御機能をブラシ
レスモータ15が所定の低速回転状態で且つその回転速
度が所定の変動範囲内にあるときにのみ果たすようにす
るために、マイクロコンピュータ41は、ブラシレスモ
ータ15のロータの回転速度を判定する機能、およびロ
ータの回転速度が所定の変動範囲内にあることを検出す
る安定状態検出手段としての機能を有している。すなわ
ち、マイクロコンピュータ41は、第1のタイマー機能
(第1のタイマー手段)により計測した第1の位相区分
パターンX1 〜X6 の所要時間を過去12パターン分
(ロータの1回転分)記憶しており、その12パターン
の合計時間から単位時間当たりの回転数N(回転速度)
を判定する。そして、マイクロコンピュータ41は、外
部から与えられる速度指令信号Scから指令回転数Nc
を求め、指令回転数Ncと実際の回転数Nとの差(Nc
−N)が所定値以内のとき、安定状態にあると判定する
ようになっている。
【0064】次に上記構成の作用を図8および図9に示
すフローチャートに従って説明する。図8に示すルーチ
ンにおいて、今、第1の位相区分パターンX1 〜X6 の
うち、或る区数の第1の位相区分パターンの特定期間T
iに入ったとすると、マイクロコンピュータ41は、ス
テップS1で、現在進行中の区数の第1の位相区分パタ
ーンの位置検出用比較データ(表3参照)をロードし、
特定期間Tiにおいて入力される基本波信号Vu´,V
v´,Vw´およびPWM信号P1 のハイ・ロウの状態
を比較データと比較する(ステップS2)。そして、誘
起電圧と基準電圧V0 とがクロスすると、基本波信号V
u´,Vv´,Vw´およびPWM信号P1 のハイ・ロ
ウのレベル状態が比較データと一致するので(ステップ
S2で「YES」)、次の区数の第1の位相区分パター
ンの開始となり、終了した第1の位相区分パターンの所
要時間Tb(第1のタイマー機能の計測時間)をロード
すると共に、開始された第1の位相区分パターンの所要
時間を計測するために第1のタイマー機能を再スタート
させる(ステップS3)。
【0065】ここで明らかなように、第1のタイマー機
能は各区数の第1の位相区分パターンの開始と共にタイ
ムカウントを開始し、その第1の位相区分パターンの終
了(次の区数の第1の位相区分パターンの開始)と共に
タイムカウントを終了することを繰り返す。従って、第
1のタイマー機能はゼロクロス時点から次のゼロクロス
時点までの時間(60度相当時間)をカウントすること
となる。
【0066】そして、次のステップS4で、第2の位相
区分パターンの時間(第2のタイマー機能が計測すべき
時間Y1 〜Y6 )をTb/2の式により演算し(演算手
段)、第2のタイマー機能(第2のタイマー手段)をス
タートさせる。これによって、転流タイミングがゼロク
ロス時点から30度遅れた時点に設定されたこととな
る。
【0067】次に、マイクロコンピュータ41は、図示
しないメモリに記憶した第1の位相区分パターンの区数
をインクリメントし(ステップS5)、新たに開始され
た第1の位相区分パターンの区数に設定すると共に、図
示しないメモリに記憶された電圧パターン区をインクリ
メントし(ステップS6)、新たに開始された電圧パタ
ーン区の区数に設定する。そして、次に電圧テーブルか
ら新たに設定された電圧パターン区の電圧データを読み
込み、その電圧データに応じたデューティ信号Sdをパ
ルス幅変調回路23に与える(ステップS7)。
【0068】そして、第2のタイマー機能が(Tb/
2)のカウントを終了すると(ステップS8で「YE
S」)、この終了時点が転流タイミングとなるから、次
のステップS9で通電信号を切替える。次いで、マイク
ロコンピュータ41は、転流時間を計測するために、第
3のタイマー機能をスタートさせると共に(ステップS
10)、転流終了時点を検出するために現在の第1の位
相区分パターン内の転流終了検出用比較データ(表2参
照)をロードし(ステップS11)、基本波信号Vu
´,Vv´,Vw´のハイ・ロウのレベル状態を比較デ
ータと比較する(ステップS12)。
【0069】転流が終了すると、基本波信号Vu´,V
v´,Vw´およびPWM信号P1のハイ・ロウのレベ
ル状態が比較データと一致するので(ステップS12で
「YES」)、マイクロコンピュータ41はこの時点で
転流終了を検出し、第3のタイマー機能が計測した時
間、すなわち転流時間tx(xは現在の第1の位相区分
パターンの区数)をロードすると共に(ステップS1
3)、その転流時間txを転流時間テーブルに書き込
む。そして、転流終了の検出により特定期間Tiに入っ
たことを認識するから、ステップS5でインクリメント
された現在区数の第1の位相区分パターンの位置検出用
データをロードするステップS1に戻り、以後上述した
動作を繰り返す。
【0070】さて、図9は前記ステップS7でデューテ
ィ信号Sdの作成のために用いる電圧データの作成ルー
チンを示す。このルーチンは図8に示すルーチンに対し
て割り込みルーチンとされ、例えばブラシレスモータ1
5のロータの1回転毎に1回実行される。同ルーチンが
実行されると、マイクロコンピュータ41は、まずステ
ップSAで速度指令信号Scを読み込んで指令回転数N
cを求めると共に(ステップSA)、ロータの回転数N
を検出する(ステップSB)。次に、マイクロコンピュ
ータ41は、次の(1)式により巻線15u,15v,
15wへの印加電圧の平均値Vave を求める(ステップ
SC)。 Vave =V´ave +A(Nc−N)……(1) ただし、Aは定数である。また、V´ave は過去1回転
の平均電圧である。この後、マイクロコンピュータ41
は、(Nc−N)が所定の範囲内にあるか否か、すなわ
ちブラシレスモータ15のロータの回転速度変動が少な
く安定回転状態にあるか否かを判断し(ステップS
D)、このステップSDで「YES(安定状態)」と判
断したならば、所定の回転速度以下かを判断し(ステッ
プSE)、更にこのステップSEで「YES(所定の回
転速度以下)」と判断したならば、次に転流時間テーブ
ルが作成済みか否かを判断する(ステップSF)。
【0071】そして、上記ステップSFで「YES(転
流時間テーブル作成済み)」ならば、その転流時間テー
ブルから各第1の位相区分パターンX1 〜X6 ,X1 〜
X6の平均転流時間Tx(x=1,2,…,12)を読
み込み、各電圧パタン区Vp1 〜Vp12の電圧Vx(x
=1,2…12)を次の(2)式により求めて電圧テー
ブルに書き込み、リターンとなる。 Vx=Vave ×(B×Tx/Tave )……(2) ただし、Bは定数である。
【0072】一方、前記ステップSD〜ステップSFで
「NO」と判断したならば、ステップSHに移行し、こ
こで各電圧パタン区Vp1 〜Vp12の電圧VxをVave
に定めて電圧テーブルに書き込み、リターンとなる。
【0073】このようにして電圧テーブルが作成される
と、図8のステップS7で電圧テーブルから読み込んだ
電圧Vxに基づいて前述のようにしてデューティ信号S
dが形成される。
【0074】ここで、ステップSDおよびステップSE
で「NO」と判断した場合、各電圧パタン区Vp1 〜V
p12の電圧VxをVave に定める理由は、ブラシレスモ
ータ15のロータの回転速度が大きく変動する加減速状
態にあるときには、負荷トルクの変動パターンを正確に
検出できず、またブラシレスモータ15が高速回転して
いるときには、負荷トルクが変動しても、慣性により負
荷トルク変動を吸収できるから、回転速度の変動も少な
く、このような場合には、回転速度変動をなくすための
電圧制御をする必要性が特にないからである。
【0075】図10は以上説明した作用を示す図であ
り、負荷トルクが大きい回転位置では、転流時間が長い
ため、電圧テーブルには高い電圧が書き込まれるように
なり、逆に負荷トルクが小さい回転位置では、転流時間
が短いため、電圧テーブルには低い電圧が書き込まれる
ようになる。従って、巻線15u,15v,15wに
は、負荷トルクの大小に応じた電圧が印加されることと
なり、負荷トルクに変動があっても、ロータは一定の速
度で回転する。なお、図10では、2周期分の第1の位
相区分パターンX1 〜X6 の最初の第1の位相区分パタ
ーンX1 の開始点がコンプレッサ32の圧縮行程の開始
点に一致するものとして示した。
【0076】このように本実施例によれば、2周期分の
各第1の位相区分パターンX1 〜X6 内で生ずる転流時
の転流時間txを検出し、その転流時間txにより得た
負荷トルク変動情報に基づいて、すなわち各第1の位相
区分パターンX1 〜X6 毎に負荷トルクの大小に応じた
電圧を巻線15u,15v,15wに印加する構成であ
るので、負荷トルクに変動があっても、ロータの回転速
度に変動を生じないようにすることができ、エアコンデ
ィショナを低騒音で運転できる。
【0077】また、本実施例では、転流時間Txを、ダ
イオードD1 〜D6 の通電時間を計測することにより検
出する構成とし、ダイオードD1 〜D6 が通電状態にあ
ることを、巻線15u,15v,15wの端子電圧V
u,Vv,Vwと基準電圧V0との比較により検出する
ようにしたので、転流時間txを計測するための構成が
簡単となる。
【0078】そして、このようにダイオードD1 〜D6
が通電状態にあることを、巻線15u,15v,15w
の端子電圧Vu,Vv,Vwと基準電圧V0 との比較に
より検出する場合、本実施例では、選択信号Spにより
正側のトランジスタ7,9,11間で転流が行われると
きには負側のトランジスタ8,10,12をPWM信号
P1 のオンオフモードに従いオンオフ制御すると共に、
負側のトランジスタ8,10,12間で転流が行われる
ときには正側のトランジスタ7,9,11をPWM信号
P1 のオンオフモードに従いオンオフ制御するように構
成したので、PWM制御により巻線15u,15v,1
5wの電圧制御を行っても、基本波信号Vu´,Vv
´,Vw´のレベル変化が実際の転流終了時点と同期し
て現れるようになり、この結果、ダイオードD1 〜D6
の通電終了時点を正確に検出でき、転流時間Txを正確
に計測できる。
【0079】しかしながら、図21に示す従来のインバ
ータ装置のように常に正側のトランジスタ7,9,10
がPWM信号P1 によりオンオフ制御される構成のもの
では、負側トランジスタ8,10,12のいずれかが通
電期間にあるとき、正側トランジスタ7,9,11のう
ち2つのトランジスタ間で転流が行われる場合(図21
の第2の位相区分パターンY1 ,Y3 ,Y5 の終点)、
基本波信号Vu´,Vv´,Vw´のレベル変化が実際
の転流終了時点と一致せず、転流終了時点の検出、ひい
ては転流時間を正確に計測できない場合が生ずる。
【0080】このことを図18〜図20により説明す
る。すなわち、図18および図19は負側トランジスタ
8,10,12のいずれかが通電期間にあるとき、正側
トランジスタ7,9,11のうち2つのトランジスタ間
で転流が行われる場合(図21の第2の位相区分パター
ンY1 ,Y3 ,Y5 の終点)の一例として、第2の位相
区分パターンY3 の終点での転流(図11〜図13の場
合と同じ)を例にとって転流中および転流後の電流経路
を示す。なお、転流前の電流経路は図11と同一である
ので省略した。
【0081】転流中、PWM信号P1 によるトランジス
タ9のオン時には、図18(a)に矢印B1 で示すよう
に、正側直流電源線5→トランジスタ9→巻線15v→
巻線15w→トランジスタ12→負側直流電源線6の経
路で新たな電流が流れ始めると共に、巻線15uの蓄積
エネルギーの放出による電流が矢印B2 で示すように、
巻線15u→巻線15w→トランジスタ12→負側直流
電源線6→ダイオードD2 →巻線15uの経路で流れる
(図12(a)と同じ)。PWM信号P1 によるトラン
ジスタ12のオフ時には、(b)に矢印B3 で示すよう
に、巻線15v,15wの蓄積エネルギーの放出による
電流が巻線15v→巻線15w→トランジスタ12→負
側直流電源線6→ダイオードD4 →巻線15vの経路で
流れると共に、巻線15uの蓄積エネルギーの放出によ
る電流が上記矢印B2 と同一の経路で流れる。そして、
矢印B2 で示す経路を流れる電流は巻線15uの蓄積エ
ネルギーの放出により次第に減少し、その電流がゼロと
なったところで転流が終了する。
【0082】転流後は、図19に示すように、PWM信
号P1 によるトランジスタ12のオン時には、上記矢印
B1 で示す経路と同じ経路で電流が流れ、PWM信号P
1 によるトランジスタ12のオフ時には、上記矢印B3
で示す経路と同じ経路で電流が流れる。
【0083】このような転流時期におけるPWM信号P
1 、端子電圧Vuおよび基本波信号Vu´を図20に示
す。同図において、(a)はPWM信号P1 のハイレベ
ル中に転流が終了した場合、(b)はPWM信号P1 の
ロウレベル中に転流が終了した場合であり、また図中、
tsは転流タイミング(転流開始時点)、teは実際の
転流終了時点を示す。上記図18からも明らかなよう
に、転流中はPWM信号P1 によるトランジスタ9のオ
ンオフとは関係なく常にダイオードD2 が導通状態にあ
るから、端子電圧Vuは負側直流電源線6の電位とな
り、基本波信号Vu´はロウレベル状態を維持する。
【0084】そして、PWM信号P1 のハイレベル期間
(トランジスタ9オン)に転流が終了すると(図20
(a)の場合)、図19に矢印B1 で示す電流が流れて
いるから、転流終了と同時に端子電圧Vuは巻線15u
の誘起電圧となって基準電圧V0 以上に立ち上がるの
で、基本波信号Vu´はロウレベルからハイレベルに転
ずる。従って、計測された転流時間Tcは実際の転流時
間と一致する。しかし、PWM信号P1 のロウレベル期
間(トランジスタ9オフ)に転流が終了すると(図20
の(b)の場合)、図19に矢印B3 で示す電流が流れ
ダイオードD4 が導通状態にあるので、転流が終了して
も端子電圧Vuは負側直流電源線6の電位のままとな
り、PWM信号P1 がハイレベルに転じて初めて基準電
圧V0 以上に立ち上がることとなる。このため、計測さ
れた転流時間Tcは実際の転流時間との間に差を生ずる
こととなる。このようなことは第2の位相区分パターン
Y1 ,Y5 でも同様に生ずる。
【0085】しかるに、本実施例によれば、転流された
正側トランジスタ9はオン状態のままに維持され、負側
トランジスタ12がPWM信号P1 によりオンオフ制御
されるので、図14に示したように、転流終了時点で端
子電圧Vuは常にロウレベルからハイレベルに立ち上が
るようになり、転流終了時点を正確に検出でき、ひいて
は転流時間txを正確に計測できるものである。
【0086】また、本実施例では、各第1の位相区分パ
ターンX1 〜X6 の所要時間Tbを第1のタイマー機能
により計測し、この計測時間に基づいてゼロクロス時点
から転流タイミングまでの時間を演算し、そしてこの演
算された時間を第2のタイマー機能により計測した時点
を転流タイミングと決定する構成としたので、ゼロクロ
ス時点から転流タイミングまでの時間がロータの回転速
度によって異なるという事情があっても、転流タイミン
グの決定をコンピュータプログラムにより簡単に行うこ
とができる。
【0087】図17は巻線15u,15v,15wの印
加電圧決定方式の他の実施例を示す。すなわち、マイク
ロコンピュータ41のメモリには、図17に示すような
複数の電圧パターンが記憶されている。そして、マイク
ロコンピュータ41は転流時間テーブルから電圧パター
ン区Vp1 〜Vp12の平均転流時間T1 〜T12の最長時
間と最短時間との差を求め、メモリに記憶した複数の電
圧パターンからその時間差に応じた1パターンを選択
し、平均転流時間の最長の電圧パターン区を電圧パター
ンの最大電圧部分に一致させるようにして電圧テーブル
を作成する。このように構成しても上記一実施例と同様
の効果を得ることができる。
【0088】なお、上記実施例では、転流時間により巻
線に印加する電圧を決定して回転変動が生じないように
制御する構成としたが、これは転流時間の最長時間と最
短時間との差が所定範囲を越えた場合、異常が生じたと
してブラシレスモータの運転を停止する構成としても良
い。
【0089】また、上記実施例では、ブラシレスモータ
15の1回転を12の電圧パターン区に区分したが、1
台のブラシレスモータ15により2台の圧縮部33を駆
動する場合には、負荷トルクの変動はロータの半回転を
1周期として周期的に生ずるから、電圧パターン区は第
1の位相区分パターンX1 〜X6 を1周期として設定す
れば良い。
【0090】その他、本発明は上記し且つ図面に示す実
施例に限定されるものではなく、例えばエアコンディシ
ョナのコンプレッサのモータを制御するインバータ装置
に限られるものではなく、モータ制御用のインバータ装
置に広く適用できる等、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更して実施できるものである。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインバータ
装置によれば、スイッチング素子の転流時間からモータ
の負荷トルクの変動情報を得ることができるので、例え
ば負荷トルクの変動が大き過ぎる場合、異常として運転
を停止させる等、負荷トルク変動に適切に対処すること
ができる。
【0092】また、本発明のインバータ装置では、ダイ
オードが通電状態にあることを巻線の端子電圧と基準電
圧との比較により検出する場合、正側スイッチング素子
間で転流が行われるときには負側スイッチング素子をパ
ルス幅変調信号のオンオフモードに従いオンオフ制御す
ると共に、負側スイッチング素子間で転流が行われると
きには正側スイッチング素子をパルス幅変調信号のオン
オフモードに従いオンオフ制御する構成としたことによ
り、ダイオードの通電終了(転流終了)を正確に検出で
き、この結果、転流時間を正確に検出できる。
【0093】更に本発明のインバータ装置では、ロータ
の回転位置に関連付けられた負荷トルク変動情報によ
り、負荷トルクに応じた大きさの電圧を巻線に印加する
構成であるので、負荷トルク変動があってもモータの回
転速度に変動を生じないようにすることができ、低振動
低騒音運転が可能となる。
【0094】また、本発明のエアコンディショナでは、
上述のようなインバータ装置によりコンプレッサのモー
タを制御するので、コンプレッサの圧縮作用により、モ
ータの負荷トルクが変動しても、コンプレッサの振動を
小さく抑えることができ、低騒音運転を行うことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図
【図2】各部の波形図
【図3】エアコンディショナのヒートポンプの概略構成
【図4】回転数一定の場合の負荷トルクと転流時間との
関係を示す特性図
【図5】回転数一定の場合の負荷トルクと巻線印加電圧
との関係を示す特性図
【図6】巻線印加電圧一定の場合の負荷トルクと転流時
間との関係を示す特性図
【図7】巻線印加電圧一定の場合の負荷トルクと回転数
との関係を示す特性図
【図8】制御内容を示すフローチャート
【図9】巻線印加電圧を決定するためのフローチャート
【図10】作用説明図
【図11】転流開始前の電流経路を示す回路図
【図12】転流中の電流経路を示す回路図
【図13】転流終了後の電流経路を示す回路図
【図14】転流時の基本波信号を巻線電圧とPWM信号
との関係で示す波形図
【図15】図11とは異なる状態での転流中の電流経路
を示す回路図
【図16】図13相当図
【図17】本発明の他の実施例を示す電圧パターン図
【図18】本発明と比較するための図12相当図
【図19】図13相当図
【図20】図14相当図
【図21】従来のインバータ装置を示す図1相当図
【図22】図2相当図
【図23】ブラシレスモータの一つの巻線の端子電圧と
電流の波形図
【図24】コンプレッサを駆動する場合の負荷トルクの
変動パターン図
【符号の説明】
5は正側直流電源線、6は負側直流電源線、7,9,1
1は正側スイッチング用トランジスタ(正側スイッチン
グ素子)8,10,12は負側スイッチング用トランジ
スタ(負側スイッチング素子)、13は三相ブリッジ回
路(スイッチング回路)、15はブラシレスモータ、1
5u,15v,15wは巻線、17は位置信号回路(位
置検出手段)、23はパルス幅変調回路(電圧制御手
段)、24はゲート回路(駆動手段)、31はヒートポ
ンプ、32はコンプレッサ、36は室内側熱交換器、3
7は減圧装置、38は室外側熱交換器、41はマイクロ
コンピュータ(通電信号形成手段、選択信号形成手段、
転流時間検出手段、トルク変動検出手段、電圧制御手
段、演算手段、安定状態検出手段)である。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータが有する複数相の巻線に順次通電
    するための、並列にダイオードを有する複数のスイッチ
    ング素子からなるスイッチング回路と、 前記モータが有するロータの位置情報を得る位置検出手
    段と、 前記位置情報に基づいて所定の転流タイミングに対応し
    た通電信号を得る通電信号形成手段と、 前記通電信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動す
    る駆動手段とを具備したインバータ装置において、 前記スイッチング素子の転流時に、前記巻線の蓄積エネ
    ルギーの放出による前記ダイオードの通電時間を検出
    し、この検出時間をスイッチング素子の転流時間とする
    転流時間検出手段と、 この転流時間検出手段により検出された転流時間から負
    荷トルク変動情報を得るトルク変動検出手段とを設けた
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 転流時間検出手段は、ダイオードの通電
    状態を、巻線の端子電圧と基準電圧との比較により検出
    する構成であることを特徴とする請求項1記載のインバ
    ータ装置。
  3. 【請求項3】 モータが有する複数相の巻線に順次通電
    するために、正側直流電源線と巻線の端子との間に接続
    された並列にダイオードを有する複数の正側スイッチン
    グ素子および負側直流電源線と巻線の端子との間に接続
    された並列にダイオードを有する複数の負側スイッチン
    グ素子からなるスイッチング回路と、 パルス幅変調信号を得るパルス幅変調回路と、 前記モータが有するロータの位置情報を得る位置検出手
    段と、 前記通電信号およびパルス幅変調信号に基づいて前記ス
    イッチング素子を駆動する駆動手段とを具備したインバ
    ータ装置において、 前記正側スイッチング素子および負側スイッチング素子
    のうち、前記パルス幅変調信号によってオンオフ制御す
    る側のスイッチング素子を選択するために前記通電信号
    の切り替わり毎に変化する選択信号を得る選択信号形成
    手段と、 前記スイッチング素子の転流時に、前記巻線の蓄積エネ
    ルギーの放出による前記ダイオードの通電状態を該巻線
    の端子電圧と基準電圧との比較により検出し、この通電
    検出時間をスイッチング素子の転流時間とする転流時間
    検出手段と、 この転流時間検出手段により検出された転流時間から負
    荷トルク変動情報を得るトルク変動検出手段とを設け、 前記駆動手段は前記選択信号に基づき前記正側スイッチ
    ング素子間で転流が行われたときには前記負側スイッチ
    ング素子をパルス幅変調信号のオンオフモードに従いオ
    ンオフ制御すると共に、負側スイッチング素子間で転流
    が行われたときには正側スイッチング素子をパルス幅変
    調信号のオンオフモードに従いオンオフ制御するように
    構成されていることを特徴とするインバータ装置。
  4. 【請求項4】 トルク変動検出手段は、転流時間検出手
    段により検出された転流時間と位置情報とからロータの
    回転位置に関連付けた負荷トルク変動情報を得ることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインバ
    ータ装置。
  5. 【請求項5】 周期的に変化する負荷トルクの1周期に
    対応するロータの回転位置範囲を、少なくとも1回の転
    流タイミングを含んだ複数の電圧パターン区に区分し、
    トルク変動検出手段が得た負荷トルク変動情報に基づい
    て各電圧パターン区における巻線への印加電圧を制御す
    る電圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項4記載
    のインバータ装置。
  6. 【請求項6】 電圧制御手段は、周期的に変化する負荷
    トルクの少なくとも1周期中の転流時間の平均値に対す
    る各電圧パターン区の転流時間の割合に基づいて、各電
    圧パターン区における巻線への印加電圧を決定すること
    を特徴とする請求項5記載のインバータ装置。
  7. 【請求項7】 電圧制御手段は、転流時間の最長値と最
    短値とに基づいて、予め記憶された複数の電圧変化パタ
    ーンからいずれかの電圧変化パターンを選択し、その選
    択した電圧変化パターンにより各電圧パターン区の電圧
    を決定することを特徴とする請求項5記載のインバータ
    装置。
  8. 【請求項8】 電圧制御手段は、モータが所定の回転速
    度以下のときのみ、トルク変動情報に基づいて各電圧パ
    ターン区における巻線への印加電圧を制御することを特
    徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のインバー
    タ装置。
  9. 【請求項9】 モータの回転速度が所定の変動範囲にあ
    ることを検出する安定状態検出手段を有し、 電圧制御手段は前記安定状態検出手段によりモータの回
    転速度が所定の変動範囲内にあることが検出されたとき
    のみ、トルク変動情報に基づいて各電圧パターン区にお
    ける巻線への印加電圧を制御することを特徴とする請求
    項5ないし8のいずれかに記載のインバータ装置。
  10. 【請求項10】 位置検出手段は、巻線の端子電圧が基
    準電圧とクロスする時点を位置情報として通電信号形成
    手段に与え、 通電信号形成手段は、巻線の端子電圧が基準電圧とクロ
    スする時点から次のクロス時点までの時間の長さをカウ
    ントする第1のタイマー手段と、この第1のタイマー手
    段のカウント時間に基づいて巻線の端子電圧が基準電圧
    とクロスした時点から転流タイミングまでの時間を演算
    する演算手段と、巻線の端子電圧が基準電圧とクロスし
    た時点からタイムカウントを開始する第2のタイマー手
    段とを備え、第2のタイマー手段が演算手段により演算
    された時間のカウントを終了した時点を転流タイミング
    とする構成であることを特徴とする請求項1ないし9の
    いずれかに記載のインバータ装置。
  11. 【請求項11】 ダイオードの通電終了時点を検出する
    転流終了検出手段を有し、通信信号形成手段は転流終了
    検出手段によりダイオードの通電終了が検出された時点
    以後に位置検出手段から位置情報を得る構成であること
    を特徴とする請求項10に記載のインバータ装置。
  12. 【請求項12】 コンプレッサ、室外側熱交換器、減圧
    装置、室内側熱交換器を冷媒通路により接続したヒート
    ポンプを備え、 前記コンプレッサのモータを請求項1ないし11のいず
    れかに記載のインバータ装置によって制御することを特
    徴とするエアコンディショナ。
JP27205593A 1993-10-29 1993-10-29 インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ Expired - Fee Related JP3335231B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27205593A JP3335231B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27205593A JP3335231B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07123777A JPH07123777A (ja) 1995-05-12
JP3335231B2 true JP3335231B2 (ja) 2002-10-15

Family

ID=17508482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27205593A Expired - Fee Related JP3335231B2 (ja) 1993-10-29 1993-10-29 インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3335231B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07123777A (ja) 1995-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0122095B1 (ko) 인버터장치 및 그 인버터장치에 의해 제어되는 에어컨디셔너
US5486743A (en) Inverter and air conditioner controlled by the same
JP4642441B2 (ja) 負荷の下で動作するモータの効率を最適化する方法及び装置
EP1111766A1 (en) Controller for pwm/pam motor, air conditioner, and method of motor control
JPH1075597A (ja) ブラシレスdcファンモータの駆動装置
JPH07312895A (ja) インバータ装置及びエアコンディショナ
JP2000014183A (ja) ファンモータ駆動装置
JPH11187690A (ja) インバータ装置及びブラシレスファンモータ
JP3698051B2 (ja) モータ駆動装置
JP3335231B2 (ja) インバータ装置およびそのインバータ装置により制御されるエアコンディショナ
JP3481405B2 (ja) インバータ装置
JP2003111483A (ja) モータ制御装置および制御方法
JP3584602B2 (ja) 冷凍冷蔵庫の制御装置
JPH06284782A (ja) モータ制御回路
JP3337769B2 (ja) インバータ装置
JPH07337081A (ja) インバータ装置およびエアコンディショナ
JP2003204691A (ja) モータの制御装置、冷凍空調装置、モータの制御方法
JPH05288412A (ja) 空気調和機用圧縮機の駆動装置
WO2018055820A1 (ja) モータ制御装置及びヒートポンプ式冷凍サイクル装置
JPH06265244A (ja) 空気調和機
JPH10150793A (ja) モータ制御装置、冷凍・空調装置
JPS614492A (ja) 電動機のトルク制御装置
JPH06165569A (ja) インバータ装置
JPH0698583A (ja) インバータ装置
JP3243028B2 (ja) ブラシレスモータの制御装置及びブラシレスモータ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070802

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090802

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees