JP3242135B2 - 口紅下地用油性化粧料 - Google Patents

口紅下地用油性化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、口紅を塗布する前に唇
に塗布し、口紅本来の美しい発色を損うことなく口紅中
の染料の唇への染着を防止できる口紅下地用油性化粧料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、口紅には、鮮やかな発色や化
粧もちをよくするために、油溶性染料やレーキ顔料がし
ばしば配合されており、特に近年では、市販されている
口紅の大半にこれらが配合されている。
【0003】しかし、油溶性染料やレーキ顔料を配合し
た口紅は、鮮やかな発色、化粧もちの良さなどの特長を
有するが、その反面、唇表面の蛋白質と染料が反応して
染着が起こり、一度染着すると容易には落ちないことが
知られている。従って、他の口紅に塗りかえるため、あ
るいは化粧おとしのために口紅を拭い落しても、唇上に
着色が長時間残るという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、発色が鮮やか
でありながら、染着のない口紅が望まれているが、斯か
る条件を具備した口紅を得ることは困難であった。従っ
て、本発明は、染料を配合したどのような口紅を塗布し
たときでも美しく発色し、しかも口紅中の染料が唇に染
着しないような口紅下地用化粧料を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者は鋭意研究を行った結果、有機変性粘土鉱物を配
合した油性化粧料を予め唇上に塗布し、これに重ねて口
紅を塗布すれば、口紅本来の美しい発色を損うことな
く、口紅中の染料が唇に染着することを防止できること
を見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、有機変性粘土鉱物を
0.5〜40重量%含有することを特徴とする固型状な
いしペースト状の口紅下地用油性化粧料を提供するもの
である。
【0007】本発明において使用される有機変性粘土鉱
物は、モンモリロナイト、ラポナイト、ヘクトライト等
の天然又は合成の水膨潤性粘土鉱物に有機極性化合物や
カチオン活性剤を化学的に結合させたものであって、市
場において、例えばベントン27、ベントン38(共に
NLインダストリー社製)等として入手できる。
【0008】本発明において、有機変性粘土鉱物は、口
紅中の染料と化学的に反応して染料を発色させることに
より、口紅の美しい発色を促し、かつ染料が唇表面と反
応して染着するのを防止する効果を奏するものである。
【0009】これまでにも、特公昭59−23286号
公報には、特定の油溶性染料を有機溶剤を利用して油中
に溶解し、これに有機変性粘土鉱物を添加分散させて染
着性を有さない着色剤を得る方法が報告されているが、
染着性を防止する目的で有機変性粘土鉱物を口紅処方中
に配合しようとしても、顔料を多く配合した口紅では加
熱溶解時の粘度が高くなりすぎて、容器に充填するのが
困難であると共に、感触的にも重く、のびのなめらかな
使用感のよいものは得られず、染着防止効果も十分では
なかった。
【0010】本発明の口紅下地用油性化粧料は、例えば
油剤と有機変性粘土鉱物とを、常法によって固型状ない
しペースト状に調製することによって得られる。
【0011】上記の油剤としては、一般に油性化粧料に
用いられるものであればいずれでもよく、例えば流動パ
ラフィン、セレシンワックス、パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス等の炭化水素;カルナウバ
ロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ゲイロウ、ラノリ
ン等のロウ;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸
イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエス
テル;オリーブ油、ヒマシ油、モクロウ、トリイソステ
アリン酸グリセリル等のトリグリセライド;ショ糖脂肪
酸エステル等の糖エステル等が挙げられる。
【0012】本発明の口紅下地用油性化粧料における上
記有機変性粘土鉱物の配合量は、全組成中の0.5〜4
0重量%がよく、0.5重量%未満では染着防止効果が
十分に得られず、40重量%を超えると使用性、感触面
で好ましくない。
【0013】本発明の口紅下地用油性化粧料には、必要
に応じ、乳化剤及び水系成分等を加えてW/O型の乳化
型化粧料とすることができ、また香料、美容成分、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、各種粉体
等を添加することもできる。
【0014】
【発明の効果】本発明の口紅下地用油性化粧料を、口紅
を塗布する前に唇に塗布しておけば、口紅本来の発色を
損うことなく口紅中の染料の唇への染着を防止でき、し
かも油性化粧料なのでエモリエント効果が高く、口紅と
のなじみも良く、化粧もちも良好となる。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。
【0016】実施例1 (処方) (重量%) 1.セレシンワックス 18.0 2.ミリスチン酸オクチルドデシル 40.0 3.トリイソステアリン酸グリセリル 33.8 4.ベントン38 8.0 5.香料 0.2 上記1〜5を80℃に加温溶解し、冷却固化して棒状の
油性化粧料を得た。
【0017】実施例2 (処方) (重量%) 1.セレシンワックス 10.0 2.ミリスチン酸オクチルドデシル 40.0 3.トリイソステアリン酸グリセリル 32.8 4.ベントン27 12.0 5.ショ糖脂肪酸エステル 5.0 6.香料 0.2 上記1〜6を80℃に加温溶解し、金皿に流し込み冷却
固化して油性化粧料を得た。
【0018】比較例1 (処方) (重量%) 1.セレシンワックス 15.0 2.ミリスチン酸オクチルドデシル 40.0 3.トリイソステアリン酸グリセリル 44.8 4.香料 0.2 上記1〜4を80℃に加温溶解し、冷却固化して油性化
粧料を得た。
【0019】試験例1 実施例1、2及び比較例1の油性化粧料を唇上に塗布
し、その上に下記の処方の口紅を塗布して評価を行っ
た。尚、比較例2として口紅のみを塗布した場合、及び
比較例3として該口紅処方90%にベントン38を10
%添加して得られた口紅のみを塗布した場合も併せて評
価した。その結果は表1のとおりである。
【0020】 口紅の処方: (重量部) 1.マイクロクリスタリン末 15.0 2.グリセリン脂肪酸エステル 30.0 3.ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 10.0 4.ペンタエリトリットロジン酸エステル 5.0 5.ジカプリン酸プロピレングリコール 25.0 6.赤色218号 0.5 7.赤色226号 1.0 8.黄色4号 0.5 9.雲母チタン 3.0 上記1〜5を加温溶解後、6〜9を加え混練して口紅を
得た。
【0021】評価基準: ◎:非常に良い ○:良い △:やや悪い ×:悪い
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果から明らかな如く、本発明に係
る実施例1及び2の油性化粧料を用いた場合には、口紅
の発色が鮮やかでありながら、口紅中の染料の唇への染
着防止効果に優れ、また仕上りのつやもよく、にじみも
ないものであった。これに対して有機変性粘土鉱物を含
有しない比較例1を用いた場合には、発色が悪く、染着
防止効果もなく、口紅のみを塗布した比較例2よりも劣
っていた。また、有機変性粘土鉱物を口紅処方中に配合
した比較例3の油性化粧料を用いた場合は、口紅の発色
は鮮やかであったが染着防止効果が十分でなく、仕上り
のつやが悪いという欠点があった。
【0024】実施例3 (処方) (重量%) 1.トリオクタン酸グリセリル 50 2.ジカプリン酸プロピレングリコール 10 3.ベントン38 40 上記1〜3を加温溶解して均一に分散する。得られた油
性化粧料はペースト状であり、口紅を塗布する前に唇に
塗布したところ、口紅の発色が鮮やかでありながら、口
紅中の染料の唇への染着防止効果に優れたものであっ
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機変性粘土鉱物を0.5〜40重量%
    含有することを特徴とする固型状ないしペースト状の口
    紅下地用油性化粧料。
JP34510991A 1991-12-26 1991-12-26 口紅下地用油性化粧料 Expired - Fee Related JP3242135B2 (ja)

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KR100436441B1 (ko) * 2001-10-11 2004-06-16 한국화장품주식회사 지속성 립스틱 조성물
JP4709705B2 (ja) * 2006-07-26 2011-06-22 花王株式会社 口唇用油性化粧料

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