JP3242074U - 作業支援スーツ - Google Patents

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竹喜 井口
陽平 里
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Abstract

【課題】効率的なパワーアシスト機能を実現するとともに、着用者の体力や作業内容等に応じてアシスト力の調整もできるようにした作業支援スーツを提供すること。【解決手段】作業支援スーツ1は、着用者の両腕を通して装着される上装着部10と、着用者の両大腿部をそれぞれ外側から巻き付けるようにして装着される下装着部20と、上装着部10及び下装着部20間に張力を作用させる牽引部30とを備える。牽引部30は、上接続部材32及び下接続部材33に掛け渡される外側弾性帯311と、上端側が上接続部材32に接続し、下端側にバックルリング314が設けられた内側弾性帯312とを有する。バックルリング314は、外側弾性帯311を挿通させた状態で、下接続部材33に係脱可能とされる。バックルリング314を下接続部材33から係脱することで、牽引部30全体の張力を簡単に調整することができる。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば荷役作業や介護作業等をする際の動作を支援して着用者の身体的負担を軽減するための作業支援スーツに関する。
従来、作業者の身体の姿勢を矯正し、また荷物の持ち運び等の作業をする際の屈曲動作を支援するための作業支援スーツが開発されている(例えば特許文献1及び2参照)。この作業支援スーツは、作業者の背中に装着される背中部装着部と、作業者の背中部上部から臀部に渡って前記背中部装着部に密着し、曲げ方向において弾性を有する背骨部材とを備えている。
特開2018-11693号公報 特許第6412621号公報
従来の作業支援スーツでは、背骨部材の曲げ方向における弾性復帰力により着用者の上半身を起こす方向への動作(前屈動作)をアシストすることができる。しかし、例えば足を踏ん張って荷物を上げ下ろしするような体幹を使う重い動作には、十分なパワー(「アシスト力」ともいう。)を提供することができないという課題があった。また、着用者の体力や作業内容等に応じて必要とされるパワーは異なってくるが、従来の動力を使わないパッシブ型の作業支援スーツでは、そのようなアシスト力の調整ができなかった。
本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、人間工学を考慮した効率的なパワーアシスト機能を実現するとともに、着用者の体力や作業内容等に応じてアシスト力の調整もできるようにした簡素な構成の作業支援スーツを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本考案は、着用者の背中に当てられ該着用者の両腕を通して装着される上装着部と、前記着用者の臀部に当てられ該着用者の両大腿部をそれぞれ外側から巻き付けるようにして装着される下装着部と、前記上装着部及び前記下装着部間に介装され前記着用者の背中側で該上装着部及び該下装着部間に張力を作用させて牽引する牽引部とを備える作業支援スーツであって、前記牽引部が、前記上装着部と前記下装着部とに連結され、互いに重ねられた少なくとも2枚の弾性帯を有している作業支援スーツである。
作業支援スーツは、前記牽引部が、前記上装着部に接続される上接続部材と、前記下装着部に接続される下接続部材とを有し、前記下接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる下係止部が一体的に形成され、前記少なくとも2枚の弾性帯が、前記上接続部材及び前記下接続部材に掛け渡されて接続する外側弾性帯と、上端側が前記上接続部材に接続し、下端側に下バックルリングが設けられた内側弾性帯とを含み、前記下バックルリングが、前記外側弾性帯の下端側を挿通させた状態で、前記下係止部に係脱可能とされていることが好ましい。
また、作業支援スーツは、前記牽引部が、前記上装着部に接続される上接続部材と、前記下装着部に接続される下接続部材とを有し、前記上接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる上係止部が一体的に形成され、前記少なくとも2枚の弾性帯が、前記上接続部材及び前記下接続部材に掛け渡されて接続する外側弾性帯と、下端側が前記下接続部材に接続し、上端側に上バックルリングが設けられた内側弾性帯とを含み、前記上バックルリングが、前記外側弾性帯の上端側を挿通させた状態で、前記上係止部に係脱可能とされているものでもよい。
また、作業支援スーツは、前記牽引部が、前記上装着部に接続される上接続部材と、前記下装着部に接続される下接続部材とを有し、前記上接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる上係止部が一体的に形成され、前記下接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる下係止部が一体的に形成され、前記少なくとも2枚の弾性帯が、前記上接続部材及び前記下接続部材に掛け渡されて接続する外側弾性帯と、上端側に上バックルリングが設けられ、下端側に下バックルリングが設けられた内側弾性帯とを含み、前記上バックルリングが、前記外側弾性帯の上端側を挿通させた状態で、前記上係止部に係脱可能とされ、前記下バックルリングが、前記外側弾性帯の下端側を挿通させた状態で、前記下係止部に係脱可能とされているものでもよい。
また、作業支援スーツは、前記外側弾性帯の弾性係数のほうが、前記内側弾性帯の弾性係数よりも大きいことが好ましい。
また、作業支援スーツは、前記下装着部に、前記牽引部の下接続部材と接続するための接続部が複数設けられていることが好ましい。
また、作業支援スーツは、前記上装着部に、前記牽引部の上接続部材と接続するための接続部が複数設けられているものでもよい。
本考案によれば、着用者に対し、効率的なパワーアシスト機能を実現することができる。また、着用者の体力や作業内容等に応じてアシスト力の調整も可能となる。
本考案の一実施形態による作業支援スーツの斜視図である。 実施例1による牽引部の正面図及び側面図である。 実施例1による牽引部の張力を増大させた状態にある正面図及び側面図である。 実施例1による牽引部の上接続部材を示す正面図、側面図及び底面図である。 実施例1による牽引部の下接続部材を示す平面図、正面図及び側面図である。 下バックルリングを例示する正面図、側面図及び底面図である。 実施例2による牽引部の正面図及び側面図である。 実施例2による牽引部の張力を増大させた状態にある正面図及び側面図である。 実施例2による牽引部の上接続部材を示す正面図、側面図及び底面図である。 実施例2による牽引部の下接続部材を示す平面図、正面図及び側面図である。 実施例3による牽引部の正面図及び側面図である。 実施例3による牽引部の張力を増大させた状態にある正面図及び側面図である。 実施例3による牽引部の上接続部材を示す正面図、側面図及び底面図である。 実施例3による牽引部の下接続部材を示す平面図、正面図及び側面図である。 作業支援スーツの使用状態を例示する図である。 下装着部の正面図である。
以下、本考案に係る作業支援スーツの好適な実施形態を、図面を参照して説明する。ここで、図1は、本考案の一実施形態による作業支援スーツ1の斜視図である。なお、本明細書において、作業支援スーツを身体に装着する者を「着用者」と称する。また、図1において、作業支援スーツ1の図面に表れている側を「正面側」とし、図面に表れていない反対側を着用者の背中に当てられる「背面側」として説明する。
作業支援スーツ1は、上装着部10と、下装着部20と、上装着部10及び下装着部20の間に介装される牽引部30とを備えて構成されている。上装着部10及び下装着部20は、例えば、ウレタンフォーム等の柔らかい発泡材を中敷きにて非伸縮性の生地を布張りして形成される。
上装着部10は、着用者の背中に当てられる中央部11と、中央部11の右側上下位置に繋がって無端の環状部をなす右肩ハーネス部12と、中央部11の左側上下位置に繋がって環状部をなす左肩ハーネス部13とを、それぞれ一体に有している。上装着部10は、右肩ハーネス部12と中央部11とで形成される環状部に着用者の右腕が通され、左肩ハーネス部13と中央部11とで形成される環状部に着用者の左腕が通されて着用者に装着される。中央部11、右肩ハーネス部12及び左肩ハーネス部13は、着用者の肩や胸にかかる圧力をできるだけ分散させるため、それぞれ幅広にかつクッション性を高めて形成されることが好ましい。
胸ストラップ14は非伸縮性を有する紐状部材からなり、その一端が環部14Aとなっており、その他端にはプラグバックル141が設けられている。胸ストラップ14は、その環部14Aに右肩ハーネス部12が通されて取り付けられている。これにより、胸ストラップ14は、右肩ハーネス部12に沿って上下に移動自在となっている。
左側の胸ストラップ15も同様に非伸縮性を有する紐状部材からなり、その一端の環部15Aに左肩ハーネス部13が通されて移動自在に取り付けられている。胸ストラップ15の他端にはソケットバックル151が設けられ、着用者の胸の前の位置で、右側の胸ストラップ14のプラグバックル141とワンタッチで着脱可能とされている。胸ストラップ14及び/又は胸ストラップ15に長さを調整可能なアジャスターを設けてもよい。アジャスターで胸ストラップ14及び/又は胸ストラップ15を短く締め付けることで、胸から肩回りのフィット感を高め、アシスト力を効率よく体幹に作用させることができる。
下装着部20は、中央部21と、中央部21の右斜め下に延びる右腿当て部22と、中央部21の左斜め下に延びる左腿当て部23と、中央部21の右下に延びる右尻巻付け部26と、中央部21の左下に延びる左尻巻付け部28とを、それぞれ一体に有している。右腿当て部22には腿ベルト24の一端が縫合され、左腿当て部23には腿ベルト25の一端が縫合されている。右尻巻付け部26にはハーネス27の一端が縫合されている。また、左尻巻付け部28にもハーネス29の一端が縫合されている。ハーネス27、29の他端には、バックルリング271、291がそれぞれ設けられている。
着用者への装着時には、中央部21の右下部付近であって右腿当て部22及び右尻巻付け部26が分岐する腹側部分に、着用者の右臀部が当てられる。また、中央部21の左下部付近であって左腿当て部23及び左尻巻付け部28が分岐する腹側部分に、着用者の左臀部が当てられる。
そして、右腿当て部22を着用者の右腿に外側から巻き付けるように当て、右尻巻付け部26を着用者の股下から右腿の内側に巻き付ける。腿ベルト24をハーネス27のバックルリング271に任意の長さ位置に留めることで、右腿当て部22及び右尻巻付け部26が着用者の右太腿を拘束するように装着される。同様に、左腿当て部23を着用者の左腿に外側から巻き付けるように当て、左尻巻付け部28を股下から左腿に内側に巻き付けた状態で、腿ベルト25をハーネス29のバックルリング291に留めることで、左腿当て部23及び左尻巻付け部28が着用者の左太腿に装着される。
本実施形態の作業支援スーツ1は、上装着部10及び下装着部20間に介装され、着用者の背中側で上装着部10及び下装着部20間に張力Tを作用させて牽引する牽引部30を備えている。牽引部30は、作業支援スーツ1の上装着部10に接続される上接続部材32と、下装着部20に接続される下接続部材33と、互いに重ねられた少なくとも2枚の弾性帯311、312とを有している。弾性帯311、312は、上接続部材32を介して上装着部10に連結され、下接続部材33を介して下装着部20に連結される。
ここで、「1枚の弾性帯」という場合には、文字通り単層の帯体の他、環状ではあるが全体としてはフラットな態様の帯体や、環状の帯体の内側を張り合わせて2層にしたものも「1枚の弾性帯」に含まれるものと解釈される。以下説明される実施例1~3の外側弾性帯311及び内側弾性帯312は、どちらも巻回された帯体ではあるが、それぞれが折り返し部である上端及び下端を有するフラットな「1枚の弾性帯」として説明されている。
なお、上接続部材32及び下接続部材33は、それぞれ、例えば機械加工、プレス加工又はダイカスト法等で形成される金属製の部材である。また、より軽量化するため、上接続部材32及び下接続部材33を硬質プラスチックで射出成形してもよい。また、外側弾性帯311及び内側弾性帯312の生地には、それぞれ少なくとも長手方向に伸縮性を有するように、例えばエラストマー繊維樹脂が織り込まれている。
(実施例1)
図2~6を参照して、本考案の実施例1による牽引部30の構成を説明する。図2は、実施例1による牽引部30の正面図及び側面図である。図3は、図2の牽引部30の張力を増大させた状態にある正面図及び側面図である。
図4には上接続部材32の詳細が示される。上接続部材32は、平坦部321と、牽引方向Tに対し直交する方向に四角環状に立ち上がる上係止部322とを一体的に有している。平坦部321には、上装着部10の中央部11のボルト孔(図示せず)に固定接続するため、ノブボルト34のボルト部が通される貫通孔323が形成されている。また、平坦部321の端には、四角形の細孔を有する環状端部324が形成されている。
図5には下接続部材33の詳細が示される。下接続部材33は、平坦部331と、牽引方向Tに対し直交する方向に四角環状に立ち上がる下係止部332とを一体的に有している。平坦部331には、下装着部20の接続プレート210の何れかのボルト孔211(接続部;図16参照)に固定接続するため、ノブボルト35のボルト部が通される貫通孔333が形成されている。
外側弾性帯311は、上接続部材32及び下接続部材33に掛け渡されて接続している。具体的に、外側弾性帯311は、その上端側が上接続部材32の上係止部322に巻回して接続している。また、外側弾性帯311は、その下端側が、内側弾性帯312の下端側に設けられている下バックルリング314(例えば図6参照)に外側から挿通した状態で、下接続部材33の下係止部332に巻回して接続している。
内側弾性帯312は、その上端側が上接続部材32の環状端部324に巻回して接続し、その下端側が下バックルリング314に巻回して接続している。そして、下バックルリング314は、外側弾性帯311の下端側を外側から挿通させた状態で、下接続部材33の下係止部332に係脱可能とされている。
図2に示したように、下バックルリング314を下係止部332から外した場合には、牽引部30の全体の弾性係数(K)は、外側弾性帯311の弾性係数(K1)となる(K=K1)。また、図3に示したように、下バックルリング314を下係止部332に係止させた場合には、牽引部30の全体の弾性係数(K)は、外側弾性帯311の弾性係数(K1)と、内側弾性帯312の弾性係数(K2)の合計となる(K=K1+K2)。すなわち、下バックルリング314を下係止部332から係脱させることで、牽引部30の伸び量に対する張力Tを簡単に変更することができる。これにより、着用者の体力や作業内容等に応じて、牽引部30の張力Tやアシスト力を最適に調整することができる。
また、外側弾性帯311の弾性係数(K1)を、内側弾性帯312の弾性係数(K2)よりも大きく設定すること(K1>K2)が好ましい。これにより、調整可能な張力Tの範囲を狭めてアシスト力の微調整を行うこともできる。
(実施例2)
次に、図7~10を参照して、本考案の実施例2による牽引部30の構成を説明する。図7は、実施例2による牽引部30の正面図及び側面図である。図8は、図7の牽引部30の張力を増大させた状態にある正面図及び側面図である。
図9には上接続部材32の詳細が示される。上接続部材32は、平坦部321と、牽引方向Tに対し直交する方向に四角環状に立ち上がる上係止部322とを一体的に有している。平坦部321には、上装着部10の中央部11のボルト孔(図示せず)に固定接続するため、ノブボルト34のボルト部が通される貫通孔323が形成されている。
図10には下接続部材33の詳細が示される。下接続部材33は、平坦部331と、牽引方向Tに対し直交する方向に四角環状に立ち上がる下係止部332とを一体的に有している。平坦部331には、下装着部20の接続プレート210の何れかのボルト孔211(接続部;図16参照)に固定接続するため、ノブボルト35のボルト部が通される貫通孔333が形成されている。また、平坦部331の端には、四角形の細孔を有する環状端部334が形成されている。
外側弾性帯311は、上接続部材32及び下接続部材33に掛け渡されて接続している。具体的に、外側弾性帯311は、その上端側が、内側弾性帯312の上端側に設けられている上バックルリング313に外側から挿通した状態で、上接続部材32の上係止部322に巻回して接続している。また、外側弾性帯311は、その下端側が下接続部材33の下係止部332に巻回して接続している。
内側弾性帯312は、その上端側が上バックルリング313に巻回して接続し、その下端側が下接続部材33の環状端部334に巻回して接続している。そして、上バックルリング313は、外側弾性帯311の上端側を外側から挿通させた状態で、上接続部材32の上係止部322に係脱可能とされている。
図7に示したように、上バックルリング313を上係止部322から外した場合には、牽引部30の全体の弾性係数(K)は、外側弾性帯311の弾性係数(K1)となる(K=K1)。また、図8に示したように、上バックルリング313を上係止部322に係止させた場合には、牽引部30の全体の弾性係数(K)は、外側弾性帯311の弾性係数(K1)と、内側弾性帯312の弾性係数(K2)の合計となる(K=K1+K2)。すなわち、上バックルリング313を上係止部322から係脱させることで、牽引部30の伸び量に対する張力Tを簡単に変更することができる。これにより、着用者の体力や作業内容等に応じて、牽引部30の張力Tやアシスト力を最適に調整することができる。
また、外側弾性帯311の弾性係数(K1)を、内側弾性帯312の弾性係数(K2)よりも大きく設定すること(K1>K2)が好ましい。これにより、調整可能な張力Tの範囲を狭めてアシスト力の微調整を行うこともできる。
(実施例3)
次に、図11~14を参照して、本考案の実施例3による牽引部30の構成を説明する。図11は、実施例3による牽引部30の正面図及び側面図である。図12は、図11の牽引部30の張力を増大させた状態にある正面図及び側面図である。
図13には上接続部材32の詳細が示される。上接続部材32は、平坦部321と、牽引方向Tに対し直交する方向に四角環状に立ち上がる上係止部322とを一体的に有している。平坦部321には、上装着部10の中央部11のボルト孔(図示せず)に固定接続するため、ノブボルト34のボルト部が通される貫通孔323が形成されている。
図14には下接続部材33の詳細が示される。下接続部材33は、平坦部331と、牽引方向Tに対し直交する方向に四角環状に立ち上がる下係止部332とを一体的に有している。平坦部331には、下装着部20の接続プレート210の何れかのボルト孔211(接続部;図16参照)に固定接続するため、ノブボルト35のボルト部が通される貫通孔333が形成されている。
外側弾性帯311は、上接続部材32及び下接続部材33に掛け渡されて接続している。具体的に、外側弾性帯311は、その上端側が、内側弾性帯312の上端側に設けられている上バックルリング313に外側から挿通した状態で、上接続部材32の上係止部322に巻回して接続している。また、外側弾性帯311は、その下端側が、内側弾性帯312の下端側に設けられている下バックルリング314に外側から挿通した状態で、下接続部材33の下係止部332に巻回して接続している。
内側弾性帯312は、その上端側が上バックルリング313に巻回して接続し、その下端側が下バックルリング314に巻回して接続している。そして、上バックルリング313は、外側弾性帯311の上端側を外側から挿通させた状態で、上接続部材32の上係止部322に係脱可能とされている。また、下バックルリング314も、外側弾性帯311の下端側を外側から挿通させた状態で、下接続部材33の下係止部332に係脱可能とされている。
図11に示したように、上バックルリング313を上係止部322から外した場合、及び/又は、下バックルリング314を下係止部332から外した場合には、牽引部30の全体の弾性係数(K)は、外側弾性帯311の弾性係数(K1)となる(K=K1)。また、図12に示したように、上バックルリング313を上係止部322に係止させ、かつ、下バックルリング314を下係止部332にも係止させた場合には、牽引部30の全体の弾性係数(K)は、外側弾性帯311の弾性係数(K1)と、内側弾性帯312の弾性係数(K2)の合計となる(K=K1+K2)。すなわち、上バックルリング313又は下バックルリング314を係脱させることで、牽引部30の伸び量に対する張力Tを簡単に変更することができる。これにより、着用者の体力や作業内容等に応じて、牽引部30の張力Tやアシスト力を最適に調整することができる。
また、外側弾性帯311の弾性係数(K1)を、内側弾性帯312の弾性係数(K2)よりも大きく設定すること(K1>K2)が好ましい。これにより、調整可能な張力Tの範囲を狭めてアシスト力の微調整を行うこともできる。
以上説明した作業支援スーツ1によれば、例えば図15に示すように、牽引部30によって着用者の両肩から臀部にかけて張力Tを作用させることができる。特に左右の腿当て部22、23と巻付け部26、28とが着用者の両太腿を拘束するように装着されるので、着用者が例えば腰を屈めて荷物Wを持ち上げる際に、牽引部30の張力Tを主成分とするアシスト力Sを、左右の腿当て部22、23を支点にして両太腿の前面に作用させることができる。したがって、例えば足を踏ん張って荷物Wを上げ下ろしするような体幹を使う動作において、効率的にパワーをアシストすることができる。
また、牽引部30のバックルリング313、314を係脱させることで、簡単に張力Tを調整することができる。これにより、着用者の体力や作業内容等に応じて、牽引部30からのアシスト力T、Sを最適に調整することができる。また、かかる有益な機能を有する牽引部30を簡素な構成で実現することができる。
また、例えば図16に示すように、下装着部20の中央部21の接続プレート210に、牽引部30の下接続部材33を固定接続させるための接続部であるボルト孔211、211、・・・を複数位置に配列して設けてもよい。牽引部30を固定するためのノブボルト35を、接続プレート210の何れかのボルト孔211に螺合させて接続することで、作業支援スーツ1のサイズ(具体的には牽引部30を介した上装着部10と下装着部20との間隔距離)を着用者の身長に合わせて簡単に調整することができる。また、図示はしないが、そのようなボルト孔(接続部)の配列を上装着部10の中央部11に設けてもよい。この態様によっても、作業支援スーツ1のサイズを調整でき、着用者の身長に簡単にフィットさせることができる。
1 作業支援スーツ
10 上装着部
11 中央部
12 右肩ハーネス部
13 左方ハーネス部
14、15 胸ストラップ
20 下装着部
21 中央部
22 右腿当て部
23 左腿当て部
24、25 腿ベルト
26 右尻巻付け部
27 ハーネス
28 左尻巻付け部
29 ハーネス
30 牽引部
32 上接続部材
33 下接続部材
34、35 ノブボルト
210 接続プレート
211 ボルト孔
311 外側弾性帯
312 内側弾性帯
313 上バックルリング
314 下バックルリング
321 平坦部
322 上係止部
323 貫通孔
324 環状端部
331 平坦部
332 上係止部
333 貫通孔
334 環状端部

Claims (7)

  1. 着用者の背中に当てられ該着用者の両腕を通して装着される上装着部と、前記着用者の臀部に当てられ該着用者の両大腿部をそれぞれ外側から巻き付けるようにして装着される下装着部と、前記上装着部及び前記下装着部間に介装され前記着用者の背中側で該上装着部及び該下装着部間に張力を作用させて牽引する牽引部とを備える作業支援スーツであって、
    前記牽引部が、前記上装着部と前記下装着部とに連結され、互いに重ねられた少なくとも2枚の弾性帯を有している作業支援スーツ。
  2. 前記牽引部が、前記上装着部に接続される上接続部材と、前記下装着部に接続される下接続部材とを有し、
    前記下接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる下係止部が一体的に形成され、
    前記少なくとも2枚の弾性帯が、
    前記上接続部材及び前記下接続部材に掛け渡されて接続する外側弾性帯と、
    上端側が前記上接続部材に接続し、下端側に下バックルリングが設けられた内側弾性帯とを含み、
    前記下バックルリングが、前記外側弾性帯の下端側を挿通させた状態で、前記下係止部に係脱可能とされている、請求項1に記載の作業支援スーツ。
  3. 前記牽引部が、前記上装着部に接続される上接続部材と、前記下装着部に接続される下接続部材とを有し、
    前記上接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる上係止部が一体的に形成され、
    前記少なくとも2枚の弾性帯が、
    前記上接続部材及び前記下接続部材に掛け渡されて接続する外側弾性帯と、
    下端側が前記下接続部材に接続し、上端側に上バックルリングが設けられた内側弾性帯とを含み、
    前記上バックルリングが、前記外側弾性帯の上端側を挿通させた状態で、前記上係止部に係脱可能とされている、請求項1に記載の作業支援スーツ。
  4. 前記牽引部が、前記上装着部に接続される上接続部材と、前記下装着部に接続される下接続部材とを有し、
    前記上接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる上係止部が一体的に形成され、
    前記下接続部材には、牽引方向に対し直交する方向に立ち上がる下係止部が一体的に形成され、
    前記少なくとも2枚の弾性帯が、
    前記上接続部材及び前記下接続部材に掛け渡されて接続する外側弾性帯と、
    上端側に上バックルリングが設けられ、下端側に下バックルリングが設けられた内側弾性帯とを含み、
    前記上バックルリングが、前記外側弾性帯の上端側を挿通させた状態で、前記上係止部に係脱可能とされ、前記下バックルリングが、前記外側弾性帯の下端側を挿通させた状態で、前記下係止部に係脱可能とされている、請求項1に記載の作業支援スーツ。
  5. 前記外側弾性帯の弾性係数のほうが、前記内側弾性帯の弾性係数よりも大きい、請求項2~4の何れか1項に記載の作業支援スーツ。
  6. 前記下装着部に、前記牽引部の下接続部材と接続するための接続部が複数設けられている、請求項1~5の何れか1項に記載の作業支援スーツ。
  7. 前記上装着部に、前記牽引部の上接続部材と接続するための接続部が複数設けられている、請求項1~5の何れか1項に記載の作業支援スーツ。
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