JP3242056B2 - クロムめっき用不溶性電極 - Google Patents
クロムめっき用不溶性電極Info
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Description
ール(クロムめっきの一種、以下「TFS」という)や
通常のクロムめっき等の電気めっきに陽極として使用す
る不溶性電極に関する。
用する従来の不溶性電極50は、図4に示すように、強
度を有する芯材となる鉄板51の周囲を鉛合金52によ
って被覆して構成されていた。そして、この不溶性電極
50の製造にあっては、鉛ホモゲン加工と称される鉄板
の上に溶着させた鉛合金を所定の厚みまで盛り上げてい
くか、あるいは鋳型の中に所定の鉄板51を固定し、周
囲に鉛合金52を流し込み、十分に冷却させた後に、表
面の機械加工を行い、次に、電極面を除く部分をFRP
からなる耐蝕性ライニング層53によって被覆してい
た。
1はクロムめっきの電解液であるフッ化物添加クロム酸
液中では腐食が非常に大きいので、前述のように鉄板5
1の周囲を鉛又は鉛合金で全周鋳くるんで、更に非電極
面には耐蝕性ライニング層53を形成しているが、鉛合
金52や耐蝕性ライニング層53に液を浸透させるピン
ホール等の欠陥がないように厳重な品質管理が必要とな
るという問題があった。また、放電面の鉛が消耗し、鉄
が露出するような事態になれば、鉄が瞬時に溶出して電
解液を汚染するので、実際は相当量の鉛合金を表面に残
しながら、電極寿命とし、廃棄処分又は放電側鉛合金の
リライニング処理をして再生している。また、その製造
方法においても、複雑な工程を経て製造するので、極め
て手間であるという問題があった。本発明はかかる事情
に鑑みてなされたもので、製造が比較的容易で、しかも
長期の寿命を有するクロムめっき用不溶性電極を提供す
ることを目的とする。
記載のクロムめっき用不溶性電極は、チタン、タンタ
ル、ニオブ、又はこれらの合金からなって硫酸に対して
耐蝕性を有する基板と、該基板の表面側に接合された鉛
合金からなる電極活性層とを有し、前記鉛合金として、
錫を1〜10%含有する鉛−錫合金を使用し、しかも、
前記基板の裏面及び側周囲を含む露出面には、酸に溶解
せず絶縁性を維持できる合成樹脂からなるライニング層
が形成されている。ここで、鉛合金として鉛−錫合金を
使用する場合、錫の含有率が10%を超えると錫の偏析
が生じやすく、1%未満では強度を向上するという効果
が少なくなる。
性電極は、チタン、タンタル、ニオブ、又はこれらの合
金からなって硫酸に対して耐蝕性を有する基板と、該基
板の表面側に接合された鉛合金からなる電極活性層とを
有し、前記鉛合金として、銀を0.5〜5%含有する銀
−鉛合金を使用し、しかも、前記基板の裏面及び側周囲
を含む露出面には、酸に溶解せず絶縁性を維持できる合
成樹脂からなるライニング層が形成されている。ここ
で、鉛合金として鉛−銀合金を使用する場合、銀の含有
率が5%を超えると銀の偏析が生じ易くなると共に高価
になり、0.5%未満では銀を加えて合金化して強度を
向上するという効果が少なくなる。また、前記合成樹脂
のラインニグ層には、塩化ビニール樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹
脂、アクリル樹脂、ゴム、又は不飽和ポリエステルをマ
トリックスとしたFRPからなるライニング層を含む。
溶性電極は、請求項1又は2記載のクロムめっき用不溶
性電極において、前記基板の厚みは6〜22mm(より
好ましくは、12〜20mm)、前記電極活性層の厚み
は2〜20mm(より好ましくは、10〜18mm)、
前記ライニング層の厚みは0.5〜10mmとなってい
る。ここで、前記基板の厚みを6mm未満にすると基板
に歪みが生じ易く、22mmを超えると無駄であり経済
的コストがかかる。また、電極活性層の厚みを2mm未
満とすると耐蝕性が悪くなって電極の寿命が短くなり、
20mmを超えると無駄であり経済的コストがかかる。
そして、ライニング層の厚みが0.5mm未満となると
薄くなって強度的に問題があり、10mmを超えると無
駄であって経済的コストがかかる。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係るクロムめっき用不溶性電極の平断面である。図
1に示すように本発明の一実施の形態に係るクロムめっ
き用不溶性電極10は、基板11と、その表面に接合さ
れた電極活性層12と、基板11の裏面側を含む露出面
をライニングするライニング層13とを有している。以
下、これらについて、詳しく説明する。
されにくいチタン(又はチタン合金、タンタル、ニオブ
又はこれらの合金)からなっている。基板11の厚みや
電極の広さにもよるが、例えば100cm×200cm
で厚みが6〜22mm程度となって十分な強度を有して
いる。また、前記電極活性層12は、95%鉛5%錫又
は99%鉛1%銀等の鉛合金からなって、その厚みが2
〜20mm程度となっている。この鉛合金の接合は、例
えば、特開昭63−303686号公報記載のように、
基板11の周囲に所定高さの堰を作り、硝沸酸によって
洗浄した後、チャンバー内に水平状態で配置し、真空状
態にて基板11の上に所定重量の鉛合金を置いて加熱
し、鉛合金のみを溶かして基板11の表面に電極活性層
12を形成することによって行われている。この後、周
囲を機械加工して一定の寸法に形成した後、基板11の
裏面及びその周囲に厚みが約0.5〜10mmの合成樹
脂からなる絶縁性のライニング層13を形成する。
は、チタンは耐蝕性が劣り使用できないというのが、従
来の一般的な考え方であったが、実際には、チタンを陽
極として通電すると、瞬時にチタンの表面に酸化膜が形
成されて、電圧が上昇し通電が困難となり、この状態で
は耐蝕性を保っていることになる。従って、一定の電流
密度以下の電極に使用する場合には、基板11の裏面側
に合成樹脂のライニング層13を形成する必要がなく、
この場合も本発明は適用される。ところが、電流密度が
30A/dm2 を超えると、基板11の裏側から放電
し、徐々にチタンが溶出する。そこで、前述のように、
基板11の裏面側に絶縁性のライニング層13を形成す
る必要がある。ここで、ライニング層13としては、単
に基板11の裏面側及び側面の絶縁を行うのみであるか
ら、強度を有するFRPである必要はなく、酸に溶解せ
ずしかも絶縁性を維持できる合成樹脂であればよい。こ
の合成樹脂としては、例えば、塩化ビニール樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステルをマトリ
ックスとしたFRPがあり、更にゴムライニングであっ
てもよい。
一成分の液を使用し、この電解液の温度を60℃に保持
して、チタン板を1年間浸漬した。結果は、チタン板の
腐食量は0.35mm/年で極めて小さく、腐食性はあ
るが、現実には無視できる程度の腐食量であった。従っ
て、非通電状態では、表1に示すめっき液に浸漬するこ
とについては問題がないことが確認された。なお、チタ
ン板の代わりに鉄板を使用する場合には、同一状態で4
5mm/年であった。
板14に0.5mm厚の鉛合金15を接合し、チタン板
14の金属露出面を塩化ビニール16によっコーティン
グした不溶性電極17を用意し、これを表1に示すめっ
き液の電解槽18に入れて、この不溶性電極17を陽極
とし、ステンレス板19を陰極として通電した。電流密
度を50A/dm2 で通電すると、半月後には0.5m
m厚の鉛合金15が無くなりチタン板14が露出し、電
解電圧が上昇したため中止した。このとき、チタン板1
4の表面には腐食は無かった。このことから、鉛合金1
5の一部が無くなってチタン板14が露出しても、不溶
性電極として使用可能であることが分かった。また、電
流密度を100A/dm2 で実験を行ったが、鉛合金の
消耗する期間が短くなるだけで、チタン板14に弊害の
ある溶解や腐食は無かった。なお、ここで、チタン板1
4の代わりに鉄板を使用すると、同一条件で50A/d
m2 通電すると75(mm/年)の速度の腐食があり、
100A/dm2 で通電すると、2400(mm/年)
の速度の腐食があった。
極活性層として鉛合金を用いた場合について説明した
が、過酸化鉛、白金、白金族系酸化物を使用する場合
も、本発明は適用される。また、基板としては、チタン
を使用する他、タンタル、ニオブ若しくはこれらの合金
(チタン合金を含む)を使用する場合も本発明は適用さ
れる。
めっき用不溶性電極は、基板が酸に侵されにくいチタ
ン、タンタル、ニオブ又はこれらの合金を使用している
ので、仮に表面の電極活性層にピンホール等の欠陥があ
っても、支障無くクロムめっき用不溶性電極として使用
でき、これによって製造の品質管理が容易となる。ま
た、従来のクロムめっき用不溶性電極においては、表面
の電極活性層が薄くなると、使用を中断していたが、本
発明に係るクロムめっき用不溶性電極においては、仮に
部分的に表面の電極活性層が無くなっても、電解液を汚
染する等の障害がないので、電極活性層が消耗するまで
電極として使用でき、結果として長期の寿命を有するク
ロムめっき用不溶性電極となる。そして、基板にチタン
板のように酸化膜が形成される金属を使用した場合に
は、電極活性層が無くなると、電解電圧が上昇するの
で、不溶性電極の引上げの時期を管理できる。また、基
板の裏面側を含む露出面は、酸に溶解せず絶縁性を維持
できる合成樹脂からなるライニング層が形成されている
ので、大電流を流す場合の基板の保護が図られる。そし
て、請求項3記載のクロムめっき用不溶性電極において
は、基板の厚みは6〜22mm、電極活性層の厚みは2
〜20mm、ライニング層の厚みは0.5〜10mmで
あるので、十分に強度を有し、十分な期間使用できるク
ロムめっき用不溶性電極を提供できる。
溶性電極の断面図である。
性電極の説明図であり、(A)はその側断面図、(B)
は正面図である。
図である。
電極活性層、13:ライニング層、14:チタン板、1
5:鉛合金(電極活性層)、16:塩化ビニール(ライ
ニング層)、17:不溶性電極、18:電解槽、19:
ステンレス板
Claims (3)
- 【請求項1】 チタン、タンタル、ニオブ、又はこれら
の合金からなって硫酸に対して耐蝕性を有する基板と、
該基板の表面側に接合された鉛合金からなる電極活性層
とを有し、前記鉛合金として、錫を1〜10%含有する
鉛−錫合金を使用し、しかも、前記基板の裏面及び側周
囲を含む露出面には、酸に溶解せず絶縁性を維持できる
合成樹脂からなるライニング層が形成されていることを
特徴とするクロムめっき用不溶性電極。 - 【請求項2】 チタン、タンタル、ニオブ、又はこれら
の合金からなって硫酸に対して耐蝕性を有する基板と、
該基板の表面側に接合された鉛合金からなる電極活性層
とを有し、前記鉛合金として、銀を0.5〜5%含有す
る銀−鉛合金を使用し、しかも、前記基板の裏面及び側
周囲を含む露出面には、酸に溶解せず絶縁性を維持でき
る合成樹脂からなるライニング層が形成されていること
を特徴とするクロムめっき用不溶性電極。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のクロムめっき用不
溶性電極において、前記基板の厚みは6〜22mm、前
記電極活性層の厚みは2〜20mm、前記ライニング層
の厚みは0.5〜10mmであることを特徴とするクロ
ムめっき用不溶性電極。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP36260197A JP3242056B2 (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | クロムめっき用不溶性電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36260197A JP3242056B2 (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | クロムめっき用不溶性電極 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11172493A JPH11172493A (ja) | 1999-06-29 |
JP3242056B2 true JP3242056B2 (ja) | 2001-12-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36260197A Expired - Fee Related JP3242056B2 (ja) | 1997-12-11 | 1997-12-11 | クロムめっき用不溶性電極 |
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JP4672881B2 (ja) * | 2001-02-27 | 2011-04-20 | 株式会社Spf | 電極及び電極ユニット |
KR101415680B1 (ko) * | 2012-08-09 | 2014-07-04 | (주)포인텍 | 전해도금장치용 차폐박스 및 전해도금장치용 전극판 |
CN106521610B (zh) * | 2016-12-22 | 2018-07-13 | 西安博岳环保科技有限公司 | 一种六价铬电镀用组合钛阳极及其制备方法 |
-
1997
- 1997-12-11 JP JP36260197A patent/JP3242056B2/ja not_active Expired - Fee Related
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