JPH08120500A - Cr3+含有めっき浴のイオン補給方法 - Google Patents

Cr3+含有めっき浴のイオン補給方法

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JPH08120500A
JPH08120500A JP6250386A JP25038694A JPH08120500A JP H08120500 A JPH08120500 A JP H08120500A JP 6250386 A JP6250386 A JP 6250386A JP 25038694 A JP25038694 A JP 25038694A JP H08120500 A JPH08120500 A JP H08120500A
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chromium
plating bath
anode
zinc
ions
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JP6250386A
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English (en)
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Tomokatsu Katagiri
桐 知 克 片
Kazuhiro Hasegawa
和 広 長谷川
Shuichi Asahina
秀 一 朝比奈
Takamasa Nakakouji
尚 匡 中小路
Kazuo Mochizuki
月 一 雄 望
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属クロムをカソードとして通電してめっき液
に溶解することによりCr3+イオンの補給を行う方法を
提供することを目的とする。 【構成】Cr3+イオンを含有する酸性めっき浴に、金属
クロムを溶解することによりCr3+イオンの補給を行う
に際し、酸性溶液中において、金属クロムをカソードと
して通電、金属クロム表面の不働態皮膜を除去し、溶解
活性とすることを特徴とするCr3+含有めっき浴のイオ
ン補給方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛−クロム(Zn−
Cr)合金めっきなどめっき金属中にクロム(Cr)を
含有する表面処理鋼板の電気めっきによる製造方法に関
し、さらに詳しくは連続的な操業を行うための金属イオ
ンの補給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛系電気めっき浴の金属イオン
の補給は、めっき浴中へのアニオンの蓄積を防ぐために
炭酸塩や可溶性の酸化物の溶解により行われていた。ま
た、亜鉛の場合、金属の溶解速度が比較的速いことか
ら、直接めっき浴と金属を接触溶解させる方法も用いら
れていた。
【0003】しかし、亜鉛−クロム系のめっき浴のよう
にCr3+イオンをイオン源とするめっき浴の場合、該イ
オンを補給するに適した可溶性の炭酸塩、酸化物は存在
しなかった。めっき層中へのクロムの電析量が少ない場
合には、硫酸塩や塩化物により補給を行った場合でも、
ドラグアウトによる対アニオンの持ち出しにより、バラ
ンスさせることは可能であるが、めっき中のCr含有量
が5%を超えるようなめっきを製造する場合には何らか
の手段を講じる必要があった。
【0004】特開平1−215997号公報には、Cr
6+化合物をめっき浴へ添加して、これを金属亜鉛と接触
させCr3+に還元することによりイオン補給を行う方法
が開示されている。しかし、浴中のCr6+はめっき品質
を著しく劣化させることがわかっており、未反応Cr6+
の流出などを考慮した場合必ずしも最良の方法とは言え
なかった。また、Cr6+化合物は特定化学物質に該当
し、その取り扱いには厳重な注意を要した。
【0005】また、金属クロムは常温、大気雰囲気にお
いて不働態となっており希酸や濃厚な酸、アルカリのい
ずれにもほとんど溶解しない。したがって亜鉛などで適
用されている金属溶解法は適用できない。アノード電解
による溶解も考えられるが、過不働態状態でのみ溶解可
能であり、このときに生成するイオンはCr6+であるた
め、適用することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】めっき層中のCr含有
率が5%を超える亜鉛クロム系の電気めっき鋼板を連続
製造するためには、品質面への影響を危惧することな
く、かつアニオンの蓄積が起こらないCr3+イオンの供
給方法を確立することが必要である。本発明は、酸性溶
液中において、金属クロムをカソードとして通電し、金
属クロム表面の不働態皮膜の一部もしくは全体を除去
し、溶解活性とした後に通電を停止し、めっき液に溶解
することによりCr3+イオンの補給を行う方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本願発明者ら
は、この点に注目して、金属クロムの表面を覆っている
不働態皮膜を除去することができれば、金属亜鉛と同様
に容易にめっき浴に溶解することができるものと考え、
不働態皮膜を除去する方法について鋭意検討を行った。
その結果、酸性溶液中で金属クロムをカソードとして
0.25c/dm2 以上通電することにより、金属クロ
ム表面の不働態皮膜を溶解活性な状態に変換することが
可能であることを見出した。さらに、本願発明者らは、
活性態に変換したクロムを不働態である別のクロムの塊
に接触させることで、表面に不働態皮膜を有するこのク
ロムの塊を活性態へと変換することが可能なことを見出
した。
【0008】すなわち、本発明は、Cr3+イオンを含有
する酸性めっき浴に、金属クロムを溶解することにより
Cr3+イオンの補給を行うに際し、酸性溶液中におい
て、金属クロムをカソードとして通電、金属クロム表面
の不働態皮膜を除去し、溶解活性とすることを特徴とす
るCr3+含有めっき浴のイオン補給方法である。また、
本発明は、カソード電解時の金属クロムに対する通電量
を0.25c/dm2 以上とすることを特徴とする。さ
らに、本発明は、アノードとしてPtまたはPt系合金
電極、酸化イリジウム電極、炭素電極を使用することを
特徴とする。さらにまた、本発明は、亜鉛系めっき浴へ
のイオン補給方法として適用するに際して、金属亜鉛を
アノードとして電解することを特徴とする。加えて、本
発明は、金属クロムの一部を電解還元により活性化した
後、電解液ごと溶解槽に移し、溶解しようとする金属ク
ロム全体を活性化することを特徴とする。
【0009】以下に、本発明の亜鉛−クロム系めっき浴
のCr3+イオンの補給方法を詳細に説明する。
【0010】本発明の方法は、酸性溶液中で金属クロム
をカソードとして通電してCr3+とし、このイオンをC
3+イオンを含有する酸性めっき浴に補給する。用いる
酸性溶液は、pH4.0以下のものであれば特に限定さ
れないが、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸またはこれら
の任意の混酸で、好ましくは、pH3.0以下の水溶液
である。もちろん、Cr3+イオンを補給される酸性めっ
き浴をこの場合に酸性溶液として用いてもよい。用いる
溶液の温度は、特に限定されないが、25〜70℃が好
ましい。
【0011】本発明の方法において、カソード電解に必
要なカソード電流密度は、用いる電解液の組成により変
化するが、概ね1mA/dm2 〜10A/dm2 程度が
適当である。1mA/dm2 未満では処理時間が250
秒を超えて長くなり、10A/dm2 を超えると水素発
生により局部的にpHが上昇し、再不働態化を併発する
恐れがある。より好ましくは、10〜100mA/dm
2 である。カソード電解時の金属クロムに対する通電量
は、0.25c/dm2 以上であることが好ましく、
0.25c/dm2 未満の通電量では電解後の自発的な
溶解が困難である。
【0012】また、前述のように電解により除去すべき
不働態皮膜はあくまでも部分的であり、カソード全体に
均一な電流を流す必要はないことから、小片状や粒状な
どカソード面積が明瞭でない場合あるいは極間距離にば
らつきがある場合には、アノード面積またはアノードと
対向するクロム充填層断面積により電流密度を求め、カ
ソード電流密度として代用することも可能である。ただ
し極端な電流集中を避けるためには、アノードに対向す
る充填層表面はできる限り平坦となるよう充填すること
が望ましい。さらに平均極間距離は、極間のばらつきに
比較し大きい程好ましい。
【0013】カソード電解時のアノードには、不溶性ア
ノード、可溶性アノードのいずれを使用しても差し支え
ない。ただし、不溶性アノードの場合、浴中Cr3+の酸
化速度が小さい、PtあるいはPt系合金電極、酸化イ
リジウム電極、炭素電極などの使用が特に好ましい。ま
た、可溶性アノードでは、浴成分と共通の材質、例えば
亜鉛系めっき浴の場合、亜鉛電極の使用が好ましい。不
溶性アノードの材質を上述のように限定する理由は、例
えばPb系合金電極を使用した場合、Cr3+の電解酸化
速度が速く、生成するCr6+によってめっき品質の劣化
を招く恐れがあることによる。また、可溶性アノードで
は、浴成分と異なる材質を使用した場合、溶出した電極
成分がめっき品質に影響を及ぼす恐れがあるためであ
る。
【0014】カソードとなるクロムへの給電部としては
PtあるいはPt系合金、C、Cuなどの使用する浴へ
の給電部の溶解による損耗の少ない材質とすることが望
ましい。また、アノード−カソード給電部間にクロムを
介さない電流が直接流れることを防ぐために、例えば、
アノードを電解槽上部に配置した場合、カソード側給電
部は電解槽底部にするなどアノードから離れた位置とす
ることが望ましい。
【0015】カソード電解による不働態クロムの活性化
は、溶解槽に投入するクロム全体に対して行っても良い
が、上述のように活性態に変換したクロムには不働態ク
ロムを活性態に変換する能力があり、反応は連鎖的に進
行することを勘案した場合、一部のクロムに対してのみ
行うほうが溶解槽の設備の小型化が可能であり有利であ
る。具体的には、溶解槽とは別に不働態クロムの活性化
操作のための小型反応槽で少量のクロムに対して上述の
ようなカソード電解を行い、活性化したクロムを反応液
ごと溶解槽に移すという方法が妥当である。
【0016】活性化後のクロムを溶解する設備として
は、特に限定されるものではないが、攪拌式や流動槽式
などの型式が適用できる。局部的なpH上昇を防止する
観点から、強攪拌が可能な装置が望ましく、金属亜鉛を
溶解することができる設備であれば適用して差し支えな
い。
【0017】本発明の方法を適用してCr3+イオンを補
給するめっき浴は、特に制限されず、Cr3+イオンを必
須成分とする電気めっき浴である。例えば、亜鉛−クロ
ムめっき浴、亜鉛−クロム−シリカめっき浴、亜鉛−ク
ロム−鉄族金属(ニッケル・コバルト・鉄)めっき浴、
亜鉛−コバルト−クロム−アルミナめっき浴などが挙げ
られる。
【0018】また、必要に応じて;シリカ、チタニア、
アルミナなどの酸化物微粒子;カテコールなどの酸化防
止剤;アセチレングリコール、ポリアミン、ポリエチレ
ングリコールなどの有機添加剤;ホウ酸などのpH緩衝
剤など、この種のめっき浴に一般的に配合されるものを
含んでいてもよい。これらめっき浴は、浴組成にもよる
がpH≦4.0の酸性浴であることが好ましく、特に、
金属クロムの溶解速度を適正な範囲とすることができる
点で、pH≦3.0であることが望ましい。
【0019】
【作用】ところで、クロムやニッケル、コバルト、鉄な
どの鉄族金属元素は、不働態と呼ばれる異常に高い耐食
性を示す状態を取りやすいことが知られている。特に、
金属クロムは大気中においても容易に酸化皮膜を形成
し、酸やアルカリに対してそれらの濃度に関係なく高い
耐食性を示すことが知られている。この性質を利用した
のがステンレス鋼であり、表面処理分野でもクロムめっ
きなどに利用されている。よって、このような高い耐食
性を有した金属クロムをめっき浴に溶解しようとしても
ほとんど溶解しない。
【0020】しかし、平衡論的にはクロム溶解反応の標
準電極電位は、Cr3+/Cr0 =−0.74Vで金属亜
鉛の溶解反応のZn2+/Zn0 =−0.76Vと比較し
ても溶解反応の活性は高いといえる。本願発明者らは、
この点に注目して、金属クロムの表面を覆っている不働
態皮膜を除去することができれば、金属亜鉛と同様に容
易にめっき浴に溶解することができるものと考え、不働
態皮膜を除去する方法について鋭意検討を行った。
【0021】その結果、金属クロムをカソードとして
0.25c/dm2 以上通電することにより、不働態皮
膜を溶解活性な状態に変換することが可能であることを
見いだした。通常、アノード電解によりクロムや鉄表面
に不働態皮膜を形成するためには、1.0c/dm2
度の電気量が必要であるとされている。このデータを考
慮すると電解還元により不働態皮膜を完全に除去するた
めには、1.0c/dm2 程度の電気量が必要であるこ
とがわかる。しかし、本願発明者らは、0.25c/d
2 以上の通電により、不働態皮膜中のクロムが溶解活
性となることを見いだした。これは、クロムを溶解活性
とするために不働態皮膜を完全に除去する必要はなく、
皮膜の一部が除去されて、部分的にでも活性な金属面を
露出させることで、全体を溶解活性にできることを示し
ていると考えられる。
【0022】さらに、本願発明者らは、活性態に変換し
たクロムを不働態である別のクロムの塊に接触させるこ
とで、不働態であるこのクロムの塊を活性態へと変換す
ることが可能なことを見出した。このことは、溶解不活
性なクロムが部分的にでも活性化されると、その後は不
活性なクロムと接触するごとに、連鎖反応的に不活性な
クロムを活性化させる反応が進行することを示してい
る。すなわち、酸化されていない表面を露出させたクロ
ムは、あくまでもクロムの活性化反応を開始するための
起爆剤的な役割を担っているのであって、電解により活
性化すべきクロムの量は溶解槽に充填する全量ではな
く、そのごく一部でよいことを示している。
【0023】クロムなどの表面を覆っている不働態皮膜
がどのような構造の物質であるかについては、必ずしも
明らかになっている訳ではないが、活性態との外見上の
差違がないことから、厚さ10nm以下の極薄い酸化物
層であると考えられている。見方を変えると、最外層表
面の不働態皮膜を除けば、それ以外の内部はすべて未酸
化の活性な金属であるということがいえる。すなわち、
クロムの溶解反応を妨害しクロムを不働態としているの
は、このような最外層表層の薄い酸化物皮膜であり、短
時間のカソード電解により容易に除去できるものと考え
られる。
【0024】この他の一般的に知られているクロムの不
働態皮膜の特徴として、酸やアルカリにともに難溶で電
子伝導性であることなどがあり、この酸化物層は、Cr
2 3 ないしはこれに似た構造を持った酸化物であるも
のと推測される。酸化皮膜がCr2 3 であるものと仮
定すると、本願発明の方法による不働態皮膜を破壊する
機構は、次のように説明することができる。
【0025】例えば、カソード電解によりクロム表面
の酸化皮膜の一部が還元されて、露出した未酸化金属面
のアノード溶解が起こる。アノード溶解により発生し
た電子がクロム表面を覆っている酸化皮膜Cr2 3
一部が還元され、Cr2+イオンとなって液相に溶解す
る。酸化膜が除去されてむき出しとなった金属クロム
がアノード溶解する。さらに、金属クロムのアノード
溶解により発生した電子が、の酸化皮膜の還元を促進
し、酸化皮膜の除去が自発的に進行する。また、活性態
に変換されたクロムが不働態のクロムに接触した場合、
活性態クロムのアノード溶解により発生した電子の一部
が移動して、〜の反応が進行し、不働態クロムの活
性化が連鎖的に進行するものと考えられる。
【0026】クロムについて調べられている電位−pH
平衡図を基にさらに考察を進めると、Cr2 3 の還元
反応は次式[1]で表すことが可能である。 Cr2 3 +6H+ +2e- → 2Cr2++3H2 O・・・・式[1] このときの電極電位は次式[2]のように表される。 E0 = 0.289−0.177 pH−0.0591 log[Cr2+] ・・・・式[2] 浴のpHがpH≦1.63かつ[Cr2+]≦1.0mo
l/Lであれば、E0≧0となり、平衡論的には自発的
に進行しうる反応であることがわかる。
【0027】また、不働態皮膜がCr2 3 であると仮
定すると、皮膜の形成反応は次式[3]で表すことが可
能で、 Cr3++3H2 O → Cr2 3 +6H+ ・・・・式[3] さらに皮膜を形成するpHとCr3+濃度の関係は次式
[4]で示すことができる。 pH= 3.93 − (1/3) ・ log[Cr3+] ・・・・式[4]
【0028】上式より浴のpHが、pH≦3.74のと
きCr3+≦3.5mol/Lであれば、一度活性態とな
ったクロムの再不働態化は起こらないことがわかる。さ
らに通常、亜鉛−クロム系電気めっきはそのほとんどが
浴のpH≦3.0、Cr3+≦3.0mol/Lで行われ
ることから、攪拌を充分に行うことにより、再不働態化
をすることなく連続的に溶解することが可能である。ま
た、液流停止などにより再不働態化が起こった場合にお
いても、再度通電することにより活性化が可能であり、
なんら問題とはならない。
【0029】
【実施例】以下に、実施例および比較例により本発明を
具体的に説明するが、本発明は何等これらの実施例に限
定されるものではない。 (比較例1)1N硫酸に金属クロム(純度99.99
%、10〜20mmフレーク状)を投入し、室温で24
時間、クロム自体は流動することがない程度の緩やかな
攪拌を行った後に水洗し乾燥し、重量変化を測定したが
全く溶解していなかった。
【0030】(比較例2)0.1N硫酸中、金属クロム
(純度99.9%、厚さ2mm板状)をカソード、Pt
電極をアノードとして電流密度25mA/dm2 ×5
秒、すなわち0.125c/dm2 通電した後、室温で
24時間緩やかに攪拌した後、溶解残渣を水洗し乾燥
し、重量変化を測定したが全く溶解していなかった。
【0031】(実施例1)0.1N硫酸中、金属クロム
(純度99.9%、厚さ2mm板状)をカソード、Pt
電極をアノードとして電流密度25mA/dm2 ×10
秒、すなわち0.25c/dm2 通電した後、室温で2
4時間緩やかに攪拌した後、溶解残渣を水洗し乾燥し、
重量変化を測定したところ、投入したクロムの重量1k
gあたり483g溶解していることがわかった。
【0032】(実施例2)0.1N硫酸中、金属クロム
(純度99.9%、厚さ2mm板状)をカソード、Ir
2 電極をアノードとして電流密度50mA/dm2 ×
5秒、すなわち0.25c/dm2 通電した後、室温で
24時間緩やかに攪拌した後、溶解残渣を水洗し乾燥
し、重量変化を測定したところ、投入したクロムの重量
1kgあたり466g溶解していることがわかった。
【0033】(実施例3)0.1N硫酸を満たした直径
300mmの円筒型流動溶解槽に金属クロム(純度9
9.99%、10〜20mmフレーク状)を充填した
後、溶解槽上部より挿入したPt電極をアノードとして
1A/dm2 ×10秒、すなわち10c/dm 2 通電
し、その後アノードを抜いて、液温50℃で8時間、空
塔速度0.3m/秒で0.1N硫酸を送り込み、流動攪
拌した後、溶解残渣を水洗し乾燥し、重量変化を測定し
たところ、投入したクロムの重量1kgあたり167g
溶解していることがわかった。
【0034】(実施例4)金属クロムを充填した円筒型
流動溶解槽(直径300mm)に、亜鉛−クロムめっき
浴[硫酸亜鉛1.0M、硫酸クロム0.3M、硫酸ナト
リウム0.3M、アセチレングリコール(分子量1,1
00)1.0g/L、pH=1.5]を満たした状態
で、Pt電極をアノードとして10A/dm2 ×5秒、
すなわち50c/dm2 通電し、浴温50℃の亜鉛−ク
ロムめっき浴を空塔速度0.3m/secで送り込み、
連続溶解を行った。5時間運転後の溶解残渣を水洗し乾
燥後重量減少を測定したところ、クロムの充填量1kg
あたりの溶解量は94.4gであった。重量測定後のク
ロムを再度充填槽に充填し、カソード電解無しに1時間
通液し重量変化を測定したが、全く溶解していなかっ
た。同じクロムを再充填し、10A/dm2 ×5秒のカ
ソード電解後、1時間通液したところ充填量1kgあた
り18.1g溶解していた。
【0035】(実施例5)亜鉛−クロム−ニッケルめっ
き浴[硫酸亜鉛1.0M、硫酸クロム0.25M、硫酸
ニッケル0.25M、硫酸ナトリウム0.2M、ポリエ
チレングリコール(分子量1500)1.0g/L、ほ
う酸5.0g/L、pH=1.2]中、流動槽充填量の
1重量%に相当する金属クロムをカソードとして、10
0mA/dm2 ×5秒、すなわち0.5c/dm2 通電
し、活性化した金属クロムを空気に触れないように注意
して浴ごと流動槽に移し、浴温50℃の亜鉛−クロム−
ニッケルめっき浴を空塔速度0.3m/secで送り込
み、連続溶解を行った。5時間運転後の溶解残渣を水洗
し乾燥後重量減少を測定したところ、クロムの充填量1
kgあたりの溶解量は81.3gであった。
【0036】(実施例6)亜鉛−クロム−コバルトめっ
き浴[硫酸亜鉛1.0M、硫酸クロム0.40M、硫酸
コバルト0.10M、硫酸ナトリウム0.2M、アセチ
レングリコール(分子量1100)1.0g/L、pH
=1.2]中、流動槽充填量の1重量%に相当する金属
クロムをカソードとして 100mA/dm2 ×5秒、す
なわち0.5c/dm2 通電し、活性化した金属クロム
を空気に触れないように注意して浴ごと流動槽に移し、
浴温50℃の亜鉛−クロム−コバルトめっき浴を空塔速
度0.3m/secで送り込み、連続溶解を行った。5
時間運転後の溶解残渣を水洗し乾燥後、重量減少を測定
したところ、クロムの充填量1kgあたりの溶解量は8
2.4gであった。
【0037】(実施例7)0.01N硫酸中、流動槽充
填量の1重量%に相当する金属クロムをカソードとして
1A/dm2 ×1秒、すなわち1c/dm2 通電し、活
性化した金属クロムを空気に触れないように注意して浴
ごと流動槽に移し、浴温50℃の亜鉛−クロム−アルミ
ナめっき浴[硫酸亜鉛1.2M、硫酸クロム0.20
M、硫酸ナトリウム0.2M、アルミナゾル5.0g/
L、pH=2.2]を空塔速度0.3m/secで送り
込み、連続溶解を行った。5時間運転後の溶解残渣を水
洗し乾燥後重量減少を測定したところ、クロムの充填量
1kgあたりの溶解量は51.5gであった。
【0038】(実施例8)0.01N硫酸中、金属クロ
ム(純度99.9%、2mm厚板状)をカソード、Pt
電極をアノードとし、電流密度と通電時間を変化させて
通電し、溶解活性に変化が生じるか否かを調べた。結果
を図1に示す。
【0039】図1に示すように、通電量が0.25c/
dm2 以上になると、不働態クロムが活性化されて溶解
することが明らかになった。
【0040】
【発明の効果】本発明の亜鉛−クロム系めっき浴のCr
3+イオン補給方法によれば、金属クロム表面に形成され
ている不働態皮膜をカソード電解して除去することによ
り、金属クロムのめっき浴中への活性溶解が可能とな
り、Cr3+イオンの補給源として金属クロムを適用する
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸性溶液中における通電量と、金属クロム表
面の溶解活性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝比奈 秀 一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 中小路 尚 匡 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Cr3+イオンを含有する酸性めっき浴に、
    金属クロムを溶解することによりCr3+イオンの補給を
    行うに際し、酸性溶液中において、金属クロムをカソー
    ドとして通電、金属クロム表面の不働態皮膜を除去し、
    溶解活性とすることを特徴とするCr3+含有めっき浴の
    イオン補給方法。
  2. 【請求項2】カソード電解時の金属クロムに対する通電
    量を0.25c/dm2 以上とすることを特徴とする請
    求項1記載のCr3+含有めっき浴のイオン補給方法。
  3. 【請求項3】アノードとしてPtまたはPt系合金電
    極、酸化イリジウム電極、炭素電極を使用することを特
    徴とする請求項1記載のCr3+含有めっき浴のイオン補
    給方法。
  4. 【請求項4】亜鉛系めっき浴へのイオン補給方法として
    適用するに際して、金属亜鉛をアノードとして電解する
    ことを特徴とする、請求項1記載のCr3+含有めっき浴
    のイオン補給方法。
  5. 【請求項5】金属クロムの一部を電解還元により活性化
    した後、電解液ごと溶解槽に移し、溶解しようとする金
    属クロム全体を活性化することを特徴とする請求項1記
    載のCr3+含有めっき浴のイオン補給方法。
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