JP3406403B2 - 強酸性水用電極 - Google Patents

強酸性水用電極

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JP3406403B2 JP24885594A JP24885594A JP3406403B2 JP 3406403 B2 JP3406403 B2 JP 3406403B2 JP 24885594 A JP24885594 A JP 24885594A JP 24885594 A JP24885594 A JP 24885594A JP 3406403 B2 JP3406403 B2 JP 3406403B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、希薄な食塩水を電気分
解して得られる殺菌効果を持つ強酸性水を生成するため
の電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強酸性水は殺菌効果をもつ水で、 100mg
/lから1000mg/l程度の濃度の希薄な食塩水を隔膜電気分
解して陽極液より得られる。特に水素イオン濃度が 3.0
以下でかつ酸化還元電位が1000mV以上であるものは、殺
菌効果に優れている。食品、医療、畜産等の分野では、
器具や設備の洗浄消毒、手指の殺菌等に利用されてい
る。強酸性水に用いる電極としては、チタニウムなどの
弁金属基材上に電極活性材料をバインダとともに焼成
し、酸化イリジウム単体や酸化イリジウムと金属白金な
どを電極活性物質とする焼き付け電極または、チタニウ
ムなどの弁金属基材上に白金メッキを施した電極が用い
られている。酸化イリジウムを含んだ焼き付け電極は、
食塩水を電解した際に、塩素発生効率が高いという優れ
た電解特性を示すので、強酸性水の生成に好ましいとさ
れている。しかし、製法が焼き付け法によるため、僅か
な製造条件の違いが電極の寿命に大きな差を与えてしま
う欠点がある。また、突然に電圧があがり電流が流れな
くなり寿命となるため、電極の交換時期を予測できない
欠点がある。強酸性水の電解では、市水と濃厚食塩水を
混合して電気分解する方法がとられている。市水中に
は、カルシウムやマグネシウムが含まれているため、強
酸性水製造装置の稼働につれて、電極上にはカルシウム
塩やマグネシウム塩が付着してくる。これらを除くため
に、電極極性を反転させる逆電解操作を行う。焼き付け
電極では、逆電解操作を行うと極端に電極寿命が短くな
る欠点がある。寿命を延ばすために、電極活性物質の塗
布と焼成を繰り返し行い数ミクロンの被覆を施し、電極
活性物質層を厚くする方法がとられているが、手間がか
かる。白金メッキによる電極は、電極の製造条件を焼き
付け電極に比べて安定して製造できる利点があり、寿命
において安定した特性を示し、電圧の上昇が緩やかにお
こるために、電極の交換時期を予め予測することが出来
る利点があり、さらに逆電解操作に丈夫である利点があ
る。しかし、焼き付け電極に比べて、希薄な食塩水中で
の塩素発生効率が劣る欠点があり、より多くの電流を隔
膜電気分解セルに投入する必要があるので、結果として
電極寿命が短くなってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩素
発生効率が高く事前に電極寿命の判定ができ、逆電解操
作に丈夫な、強酸性水用電極を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、チタニウム、
ニオブ、タンタルより選択される1種以上の金属を含む
電極基材上にイリジウムの電気めっきを施したことを特
徴とする強酸性水用電極である。さらに本発明はイリジ
ウム電気めっき後、熱処理が施されている強酸性水用電
極である。上記熱処理は 400℃乃至 800℃で行なうのが
好ましい。さらに他の本発明はイリジウムと基材の間に
白金被覆を有する強酸性水用電極である。なお、上記イ
リジウムめっきは 0.2乃至 5.0マイクロメートルである
ことが好ましい。本発明によれば、希薄な食塩水中でも
十分な塩素発生効率が得られ、電極の寿命点付近では、
電解電圧の上昇または、電解電流の低下が徐々に始まる
ため、電圧値や電流値の変化で事前に電極の寿命を判定
できる。また逆電解操作に丈夫であるので電極の寿命も
長くなる。
【0005】
【作用】チタニウム、ニオブ、タンタルなどの金属を基
材として電極とすることは、広く行われている。電極表
面の一部が剥落しても、これらの金属は速やかに酸化し
不導体皮膜を作り、電気が流れにくくなり基材を保護す
るからである。そして、剥落部に流れていた電流は剥落
を起こしていない触媒活性物質層に流れるようになる。
しかし、強酸性水の生成においては、電解質が少ないた
めに電解電圧が高くなる。また希薄ではあるが食塩が含
まれている。触媒活性物質の剥落の際には触媒活性物質
層にかかる電圧と不導体化した電極基材にかかる電圧の
差が小さくなり、電極基材に流れる電流も大きくなるの
で、基材に負荷がかかる。また、発生する塩素によりチ
タニウム、ニオブ、タンタルなどの基材金属の腐食が進
みやすい。
【0006】酸化イリジウムを含む焼き付け電極では、
バインダが含まれるので電気抵抗が高く、高電流密度条
件や高電圧条件下での電気分解はあまり好ましくない。
触媒活性物質の剥落の際には触媒活性物質層にかかる電
圧と不導体化した電極基材にかかる電圧の差がますます
小さくなり、電極基材の損傷がおこり易くなる。また損
傷は、触媒活性物質層と電極基材との間にも作用し、急
速に触媒活性物質層の剥離が進行する。以上の作用によ
り、酸化イリジウムを含んだ焼き付け電極は、突然に電
圧があがり電流が流れにくくなる現象がおこり寿命とな
り、場合によっては電極基材が腐食して穴があくことも
ある。極性の反転を伴う電解では、正電解中は、電極表
面は強酸の酸化雰囲気になるが、負電解では、アルカリ
性の還元雰囲気になる。焼き付け電極での、バインダは
通常アルミや珪素、すずなどのアルカリに弱い酸化物な
どが含まれているため、負電解において侵され易い。ま
た、酸化イリジウムも還元されて金属イリジウムになる
が、これらはバインダを介して塗布、焼成されているの
で、バインダ部分が抜けて剥落がおこりやすくなる。焼
き付け電極を極性反転電解で使用する場合は、これらの
作用により寿命は短くなる。
【0007】これらの問題に対して、本発明では、チタ
ニウム、ニオブ、タンタルより選択される1種以上の金
属を含む電極基材上にイリジウムの電気めっきを施した
ことを特徴とする強酸性水用電極を提供するものであ
る。電気分解に伴い電極表面のイリジウムは、陽極酸化
により酸化イリジウムに変化すると言える。正電解中
は、酸化イリジウムの作用により、希薄な食塩水中でも
高い塩素発生効率が得られる。使用に伴い基材の一部が
露出しても、電極表面の酸化イリジウムの下層は、金属
イリジウムで良好な導電性を有するので、電流は露出し
た基材の方には流れにくく、触媒活性物質であるイリジ
ウムめっきの付着している側に多く流れる。触媒活性物
質層にかかる電圧と不導体化した電極基材にかかる電圧
の差は、焼成電極に比べて大きいので、基材は保護され
る。イリジウムめっき部の消耗も電極の使用につれて進
み、その過程は電圧の上昇、または電流の低下として観
測される。しかしその速度は緩やかで、寿命が近いこと
を事前に知ることができる。そこで、予め電極の交換等
の保守を行い、トラブルを防止できる。
【0008】極性の反転を伴う電解では、負電解では、
表面の酸化イリジウムも還元されて金属イリジウム表面
となることが予測される。しかしバインダが含まれてお
らず、負電解におけるアルカリ性の還元雰囲気において
もイリジウムは侵されないので、逆電解操作にも丈夫で
触媒活性物質層の剥落がおこりにくい。
【0009】イリジウム層の形成は、電気めっきによ
る。イリジウムは加工性が悪く、チタニウム、ニオブ、
タンタルなどの電極基材に金属を張ることはほとんど不
可能に近く、張ることができても薄い皮膜をつくること
が難しいからである。またイリジウムは高価であるの
で、電極そのものをイリジウムで作ると多くの費用が掛
かる。電気めっき法であれば、容易に数ミクロンの被覆
をチタニウム、ニオブ、タンタルなどの電極基材上に形
成することができるからである。
【0010】イリジウムめっきを形成したのち、熱処理
をおこなうと、電極寿命は飛躍的に増大する。このよう
にして熱処理を施したものは、薄膜X線解析によると酸
化イリジウムのピークがわずかに検出される。白金めっ
きによる電極を熱処理した際の、寿命に対する効果は、
1.3倍程度であるが、本発明のイリジウムめっきにおい
ては、熱処理の効果は 2.5倍であった。金属イリジウム
の無垢板を同様の方法で熱処理しても酸化イリジウムの
ピークは殆ど検出されず、イリジウムめっき固有の現象
といえる。
【0011】熱処理温度は、大気または簡便な酸化雰囲
気で、概ね 400℃乃至 800℃の範囲で行う。 400℃未満
では、長寿命化にあまり効果がなく、大気で行った場合
800℃を超える温度では基材の酸化が激しく好ましくな
い。 800℃以上を超える温度で熱処理を施す場合は、基
材の損傷を防止するために、真空下、窒素雰囲気、アル
ゴン雰囲気で処理するのが良いが、設備費用やコストが
かかる。処理時間は、概ね数分から数時間程度である
が、長時間行う場合には低い温度で、短時間で行うため
には高い温度で良い。熱処理条件は、適宜選択すれば良
いが、大気中では、 450℃から 650℃の間で10分から60
分程度が良い。
【0012】基材とイリジウム層の中間に白金メッキ層
を設けると、イリジウムの回収が容易になるという効果
がある。使用済みのイリジウムを使用した電極から、イ
リジウムを回収するには塩酸塩素水にて溶解する方法が
ある。しかし、表面の僅かなイリジウムを回収する際
に、基材も溶解してしまうので、薬液を多く使用し、基
材を再利用することができない。中間に白金メッキ層を
設けると、王水により白金部分が溶解しイリジウムは
箔、及び微細な粉として基材より分離することができ
る。基材には、チタニウム、ニオブ、タンタルなどの金
属や合金を用いるので、王水には溶解しないので、少な
い薬液で回収することができ、基材も再利用することが
できる。分離されたイリジウム粉や箔、白金の溶液は、
前述の方法に比べれば、回収は容易である。
【0013】
【実施例1】幅10mm長さ 100mmのリードをもつ縦40mm×
横50mm×厚さ1mmのチタニウム板を電極基材として本発
明の電極を作成した際の実施例について示す。メッキの
前処理は、酸性脱脂液(日本エレクトロプレーティング
エンジニアーズ社製:イートレックス15)に30秒浸漬の
後、水洗し、アルカリ性脱脂液(日本エレクトロプレー
ティングエンジニアーズ社製:イートレックス11)に超
音波下で1分間浸漬し水洗した。さらにチタンの酸化皮
膜を除去するため、1%の硝酸を含む5%の酸性フッ化
アンモニウム溶液に1分間浸漬し、水洗、5%硫酸溶液
30秒浸漬をおこない、水洗した。前処理の後、浴温80
℃、電流密度0.15A/dm2 、攪拌条件下でイリジウムめっ
きを行った。イリジウムめっき浴は、ヘキサブロモイリ
ジウム(III) 酸ナトリウムとシュウ酸による浴(表面技
術 Vol.44,No.12,1993 )によっておこなっ
た。
【0014】
【実施例2】本実施例は、塩素の発生効率を測定した際
の試験の方法について示す。幅60mm、長さ 100mmの電極
を6枚使用し、極間3mmで5セルとしたバイポーラ型隔
膜電解槽に、2l/分の速度で陰極液流量と陽極液流量
比を4:1とし、20℃の塩化ナトリウム溶液(濃度1000
mg/l)を流した。隔膜には、プラスチックの枠に整流桟
の付いたものに、隔膜として中性紙を張ったものを使用
した。1セルあたり電流密度で 7.5A/dm2 の電流を印加
し、5分後に陽極側より流出する液中の有効塩素濃度を
測定する。
【0015】
【実施例3】実施例2に示した電極の寸法のもので、チ
タニウムの板にイリジウムの電気めっきを施したものに
ついて実施例1の手順にて6枚作成した。これを実施例
2の手順により試験した。この結果について表1に示
す。
【0016】
【従来例1】実施例2に示した電極の寸法のもので、チ
タニウムの板に酸化イリジウムを触媒活性物質成分とす
る焼成電極6枚を用意した。これを実施例2の手順によ
り試験した。この結果について表1に示す。
【0017】
【従来例2】実施例2に示した電極の寸法のもので、チ
タニウムの板に白金メッキした電極を6枚用意した。こ
れを実施例2の手順により試験した。この結果について
表1に示す。
【0018】
【比較例1】実施例2に示した電極の寸法のもので、白
金の無垢板よりなる電極を6枚用意した。これを実施例
2の手順により試験した。この結果について表1に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示すように、本発明による電極は、
有効塩素濃度が高いことから、塩素発生効率が高いこと
がわかる。また従来例の2及び比較例1に示した様に白
金めっき、白金では塩素発生効率が低いことがわかる。
【0021】
【実施例4】本実施例は、電極の寿命試験をした際の方
法について示す。横幅20mm、縦幅80mm、深さ 100mmの塩
化ビニル製の水槽に、下部より塩化ナトリウムの溶液を
送り込む入口を設け、深さ20mmのところより液がオーバ
ーフローする液排出口を設けた無隔膜電解セルにて寿命
試験を実施した。実施例1にて示した電極寸法である幅
10mm長さ 100mmのリードをもつ縦40mm×横50mm×厚さ1
mmの電極を陰極および陽極とし、極間距離3mmにてセル
の中央に配し、 7.5 A/dm2の電流密度で定電流電解を
し、かつ正電解を30秒間、負電解を30秒間とし、これを
1サイクルとした。塩化ナトリウム溶液は、室温にて濃
度1000mg/lのものを 200ml/分の速度で連続して試験セ
ルに送り込み、電解中の電圧を常時監視し、触媒活性物
質が消耗して電気が流れにくくなり電圧が上昇するの
で、電圧が上がって来たところを寿命と判断した。以下
に示す実施例及び従来例の場合、電解試験中では常に
7.5Vから 8.0Vの間で安定であったので 8.5Vを越え
たところを電圧上昇開始点とし、10.5V(30%上昇点)
を越えた所を電極寿命点と判断した。
【0022】
【実施例5】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 0.5マイクロメートル施し
たものを製作した。実施例4の試験方法に従い寿命試験
を行った結果を表2に示す。
【0023】
【実施例6】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 0.5マイクロメートル施し
たのち、電気炉にて大気で 600℃1時間熱処理を施した
ものを製作した。実施例4の方法に従い寿命試験を行っ
た結果を表2に示す。
【0024】
【実施例7】実施例1に示した工程で、チタニウムの板
にイリジウムの電気メッキを 1.0マイクロメートル施し
たのち、電気炉にて簡単な窒素雰囲気中で 700℃30分間
熱処理を施したものを製作した。実施例4の方法に従い
寿命試験を行った結果を表2に示す。
【0025】
【実施例8】実施例1に示した工程で、イリジウムメッ
キに先立ち、白金電気メッキを0.25マイクロメートル施
し、次いでイリジウムの電気メッキを0.25マイクロメー
トル施したものを製作した。実施例4の方法に従い寿命
試験を行った結果を表2に示す。
【0026】
【実施例9】実施例1に示した工程で、イリジウムメッ
キに先立ち、白金電気メッキを0.25マイクロメートル施
し、次いでイリジウムの電気メッキを0.25マイクロメー
トル施した後、電気炉にて大気で 600℃1時間熱処理を
施したものを製作した。実施例4の方法に従い寿命試験
を行った結果を表2に示す。
【0027】
【従来例3】実施例1に示した前処理工程の後、白金電
気メッキのみを 0.5マイクロメーター施し、次いで簡便
な窒素雰囲気で 550℃で1時間熱処理を施したものを製
作した。実施例4の方法に従い寿命試験を行った結果を
表2に示す。
【0028】
【従来例4】酸化イリジウムの焼き付け電極において、
触媒活性物質層の厚みが 0.8マイクロメーターであるも
のについて、実施例4の方法に従い寿命試験を行った結
果を表2に示す。
【0029】
【従来例5】酸化イリジウムの焼き付け電極において、
触媒活性物質層の厚みが 2.0マイクロメーターであるも
のでついて、実施例4の方法に従い寿命試験を行った結
果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】イリジウムの電気メッキの厚みが 0.5マイ
クロメートル(実施例5)と、焼き付け法により 0.8マ
イクロメートル被覆した酸化イリジウム電極(従来例
4)とでは、イリジウムの電気めっきによるもののほう
がやや寿命が長い。なぜならば、 0.8マイクロメートル
被覆した酸化イリジウム電極(従来例4)の厚みを 0.5
マイクロメートルに換算して寿命を計算すると約1400サ
イクルになるからである。イリジウムの電気メッキの厚
みが 0.5マイクロメートルであっても、熱処理を施すと
寿命が 2.5倍のびることが実施例6よりわかる。イリジ
ウムの下地に白金メッキを施したものも寿命が長くなる
ことが実施例8および実施例9よりわかる。従来例5に
示したように、焼き付け法による電極では、電圧が上昇
しはじめると、約 150サイクルで電極が寿命となる。本
発明では、実施例7にみられる様に、電圧が上昇しはじ
めてから、1500サイクルで電極が寿命となる。従来例3
に示す様に、白金メッキによる電極は寿命は長い、しか
し前述の従来例2に示したように、塩素の発生効率が劣
ることが判っている。また、従来例5を除き実施例5か
ら9、従来例3、4の塩素の発生効率には、大きな差は
みられなかった。
【0032】
【実施例10】実施例4で用いた方法により、塩化ナトリ
ウム溶液濃度のみを 250mg/lとして同様の方法で、実施
例1に示した工程で、チタニウムの板にイリジウムの電
気メッキを 0.5マイクロメートル施したものについて、
寿命試験を行った結果を表3に示す。
【0033】
【実施例11】実施例4で用いた方法により、塩化ナトリ
ウム溶液濃度のみを 250mg/lとして同様の方法で、実施
例1に示した工程で、チタニウムの板にイリジウムの電
気メッキを 0.5マイクロメートルの後、 300℃で1時間
大気中で熱処理したものについて、寿命試験を行った結
果を表3に示す。
【0034】
【従来例6】実施例4で用いた方法により、塩化ナトリ
ウム溶液濃度のみを 250mg/lとして同様の方法で、酸化
イリジウムの焼き付け電極において、触媒活性物質層の
厚みが 0.8マイクロメーターであるものについて、寿命
試験を行った結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】本発明による電極では、希薄塩化ナトリウ
ム溶液中の電気分解においても優れた寿命特性を示す。
従来の電極については、希薄電解により電圧が上昇した
ため寿命は、従来例4に比べて1割ほど短くなってしま
った。寿命試験中の塩素の発生効率は、実施例10、11、
従来例6とも大きな差はみられなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明による、酸性水用電極によれば、 (1)イリジウムの電気メッキによる電極の構成により、
酸性水電極の長寿命化と、メンテナンス上での利点を得
ることができる。 (2)極性反転電解の際の、電極の消耗を抑えられるの
で、本発明品を組み込んだ装置では、長期間の使用に耐
えうる。 (3)高価な貴金属を容易に回収することができ、基材も
再利用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニウム、ニオブ及びタンタルより選
    択される1種以上の金属を含む電極基材上にイリジウム
    の電気めっき被覆を有することを特徴とする極性反転電
    解用の強酸性水用電極。
  2. 【請求項2】 上記強酸性水用電極が、食塩水濃度 100m
    g/lから1000mg/lの範囲の電解液電解用電極である特許
    請求の範囲第1項に記載の強酸性水用電極。
  3. 【請求項3】 上記イリジウムの電気メッキ被覆後に熱
    処理が施されていることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項又は第2項に記載の強酸性水用電極。
  4. 【請求項4】 上記熱処理が、大気中または酸化雰囲気
    での加熱処理によるものであり、かつ熱処理の温度が 4
    00℃乃至 800℃の範囲である特許請求の範囲第3項に記
    載の強酸性水用電極。
  5. 【請求項5】 イリジウムと基材との中間層として白金
    被覆を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項か
    第4項のいずれかに記載の強酸性水用電極。
  6. 【請求項6】 上記イリジウムの電気めっきの厚みが 0.
    2乃至 5.0マイクロメートルである特許請求の範囲第1
    項から第5項のいずれかに記載の強酸性水用電極。
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