JP3241776B2 - 感熱転写記録用色素、感熱転写記録用インキ組成物、及び転写シート - Google Patents

感熱転写記録用色素、感熱転写記録用インキ組成物、及び転写シート

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JP3241776B2
JP3241776B2 JP34502391A JP34502391A JP3241776B2 JP 3241776 B2 JP3241776 B2 JP 3241776B2 JP 34502391 A JP34502391 A JP 34502391A JP 34502391 A JP34502391 A JP 34502391A JP 3241776 B2 JP3241776 B2 JP 3241776B2
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啓輔 詫摩
良平 滝口
博 江口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華熱転写記録方式に
よるカラーハードコピー等に使用される感熱転写記録用
色素(以下、昇華色素と略記する)、感熱転写記録用イ
ンキ組成物、及び転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】昇華色素を用いた熱転写記録方式は、厚
さが数ミクロンの薄いコンデンサー紙、またはPETフ
ィルムにインキ化した昇華性のある色素を塗布した転写
シートを用い、これを感熱ヘッドで選択的に加熱し被記
録剤である記録紙に転写する熱転写プリント方式のひと
つであり、現在種々の画像情報をイメージ記録(ハード
コピー)する手段として使用されてきている。
【0003】ここで用いる昇華色素は、特徴として色が
豊富で混色性に優れ、染着力が強く安定性が比較的高い
ことが要求される。上記記録方式は昇華する色素の量が
熱エネルギーに依存し、染着後の色素濃度をアナログ的
に制御できるという点で、他の印画方式にはない大きな
特質を有する。
【0004】マゼンタ色系の従来の昇華色素において、
高い昇華速度と転写後の画像安定性を兼ね備えたものは
極めて少なく、昇華色素として最適条件を満たした色素
の出現が期待されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意検討した結果、一般的に感熱転
写記録用色素において、転写時の昇華速度は、同色素分
子間の相互作用、色素分子とインキ用バインダー樹脂と
の相互作用に関しているという知見が得られた。
【0006】すなわち、昇華色素のインキ溶媒に対する
溶解度が良く、又融点も低いものがよく、 さらにイン
キ用バインダー樹脂との相互作用が転写シート製作後の
保存安定性を損ねない程度に小さいものが最も良好な色
素であることが明らかとなり、後述する一般式(1)で
示される化合物が優れたマゼンタ系の感熱転写記録用色
素となりうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】従って、本発明の目的は、高い昇華速度、
転写後の画像安定性を兼ね備えた感熱転写記録用色素、
感熱転写記録用インク組成物、及び転写シートを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は下記一般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】[式中、R1は、アルキルスルホニル基、
アルキルアミノカルボニル基、ハロゲン原子を示し、R
2〜R3は、水素原子、C1〜C4のアルキル基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、シアノ基を示し、R4はハロゲン
原子又はシアノ基を示し、R5、R6は水素原子、C1
4のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル
アミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルス
ルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、ハロゲン原子を
示し、R7、R8は水素原子、置換あるいは非置換のアル
キル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基を示
す。但し、R4がハロゲン原子である場合、R1はハロゲ
ン原子であり、R4がシアノ基である場合、R1はアルキ
ルスルホニル基又はアルキルアミノカルボニル基である
が、R 1 、R 4 が塩素原子であり、R 2 、R 3 が共に水素原
子であり、R 5 又はR 6 のいずれか一方がアゾ基に対して
2位置換したメチルカルボニルアミノ基であり、他方が
水素原子であり、R 7 及びR 8 が共にエチル基である場合
を除く。]で示される感熱転写記録用色素とするもの
で、更に上記昇華色素、バインダー樹脂並びに有機溶剤
及び/又は水を含有してなる転写シート用インキ組成
物、及び基材シート及び該基材シートの一面に形成され
た色素担持層からなり、該色素担持層に含有される色素
が上記色素である転写シートを含むものである。
【0011】本発明の一般式(I)で示される昇華色素
は、上記の諸条件を備え、比較的良好な昇華速度が得ら
れるものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明に係る昇華色素は上記一般式(1)
で示される化合物であるが、一般式(1)中、R1は、
メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルス
ルホニル等の炭素数1〜4のアルキルスルホニル基、メ
チルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−
プロピルアミノカルボニル、iso−プロピルアミノカ
ルボニル、n−ブチルアミノカルボニル、iso−ブチ
ルアミノカルボニル、sec−ブチルアミノカルボニ
ル、tert−ブチルアミノカルボニル、ジメチルアミ
ノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ−n−プ
ロピルアミノカルボニル、ジ−n−ブチルアミノカルボ
ニル等のアルキルアミノカルボニル基、フッ素、塩素、
臭素等のハロゲン原子を示す。
【0014】また、一般式(1)中、R2 、R3はそれ
ぞれ同一または独立に、水素原子、メチル、エチル、n
−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭素数
1〜4のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポ
キシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−
ヘキシルオキシ等の炭素数1〜6のアルコキシ基、フッ
素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基等を示す。
【0015】R4はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原
又はシアノ基等を示す。但し、 4 がハロゲン原子で
ある場合、R 1 はハロゲン原子であり、R 4 がシアノ基で
ある場合、R 1 はアルキルスルホニル基又はアルキルア
ミノカルボニル基である
【0016】また、一般式(1)中、R5 、R6 はそれ
ぞれ同一または独立に、水素原子、メチル、エチル、n
−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の炭素数
1〜4のアルキル基、メトキシ、エトキシ、n−プロポ
キシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−
ヘキシルオキシ等の炭素数1〜6のアルコキシ基、メチ
ルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プ
ロピルカルボニルアミノ、iso−プロピルカルボニル
アミノ、n−ブチルカルボニルアミノ等の炭素数1〜4
のアルキルカルボニルアミノ基、メトキシカルボニルア
ミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカル
ボニルアミノ、iso−プロポキシカルボニルアミノ、
n−ブトキシカルボニルアミノ等の炭素数1〜4のアル
コキシカルボニルアミノ基、ホルミルアミノ基、メチル
スルホニルアミノ、エチルスルホニルアミニノ、n−プ
ロピルスルホニルアミノ、iso−プロピルスルホニル
アミノ、n−ブチルスルホニルアミノ、等の炭素数1〜
4のアルキルスルホニルアミノ基、フッ素、塩素、臭素
等のハロゲン原子等を示す。
【0017】また、一般式(1)中、R7 、R8 はそれ
ぞれ同一または独立に、水素原子、メチル、エチル、n
−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、n−ヘキシル,n−ヘプチル、n−オクチル等の
炭素数1〜8のアルキル基、アリル、2−ブテニル、3
−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル等の炭素数3〜
6のアルケニル基、ベンジル、フェネチル等の炭素数7
〜10のアラルキル基、フェニル、p−トリル、m−ト
リル,o−トリル、p−クロロフェニル、m−クロロフ
ェニル、o−クロロフェニル等の炭素数6〜10のアリ
ール基等を示す。また以下に示す置換基をもつ置換アル
キルもR7 、R8 となりうる。そのような置換基として
は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i
so−プロポキシ、n−ブトキシ,iso−ブトキシ、
sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ヘキシル
オキシ炭素数1〜6のアルコキシ基、メトキシメトキ
シ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプ
ロポキシ、エトキシプロポキシ、プロポキシプロポキシ
等の炭素数1〜6のアルコキシアルコキシ基、フェノキ
シ、p−メチルフェノキシ、m−メチルフェノキシ、o
−メチルフェノキシ、p−クロロフェノキシ、m−メチ
ルフェノキシ、o−メチルフェノキシ等の炭素数6〜1
2のアリールオキシ基、チオフェノキシ、p−メチルチ
オフェノキシ、m−メチルチオフェノキシ、o−メチル
チオフェノキシ等の炭素数6〜12のチオアリールオキ
シ基、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミ
ノ、n−プロピルカルボニルアミノ、iso−プロピル
カルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ等の炭
素数1〜4のアルキルカルボニルアミノ基、メトキシカ
ルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロ
ポキシカルボニルアミノ、iso−プロポキシカルボニ
ルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ等の炭素数1
〜4のアルコキシカルボニルアミノ基、ホルムアミノ
基、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピ
ルカルボニル、iso−プロピルカルボニル、n−ブチ
ルカルボニル等の炭素数1〜4のアルキルカルボニル
基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プ
ロポキシカルボニル、iso−プロポキシカルボニル、
n−ブトキシカルボニル等の炭素数1〜4のアルコキシ
カルボニル基、メチルカルボキシ、エチルカルボキシ、
n−プロピルカルボキシ、iso−プロピルカルボキ
シ、n−ブチルカルボキシ等の炭素数1〜4のアルキル
カルボキシ基、メトキシカルボキシ、エトキシカルボキ
シ、n−プロポキシカルボキシ、iso−プロポキシカ
ルボキシ、n−ブトキシカルボキシ等の炭素数1〜4の
アルコキシカルボキシ基、メトキシカルボニルメトキ
シ、エトキシカルボニルエトキシ、n−プロポキシカル
ボニルメトキシ、iso−プロポキシカルボニルメトキ
シ、n−ブトキシカルボニルメトキシ等の炭素数1〜4
のアルコキシカルボニルアルコキシ基、フッ素、塩素、
臭素等のハロゲン原子、シアノ基等を挙げることができ
る。
【0018】本発明に係る一般式(1)で示される昇華
色素は常法により、例えば、下記反応式で示される置換
アニリン類をジアゾカップリングした後、アゾ基のオル
ト位の臭素をシアノ化することによって得ることができ
る。
【0019】
【化3】
【0020】本発明においては上記のような方法で製造
した色素を用いて感熱転写記録用インキ組成物を製造
し、インキの形態で供給することも可能である。
【0021】本発明の昇華色素を用いて感熱転写記録用
インキ組成物を製造する方法としては、色素を適当な樹
脂、溶剤等と混合し、該記録用インキ組成物とすればよ
い。この場合の感熱転写記録用インキ組成物中の色素の
量は通常2〜5重量%である。
【0022】また、熱転写方法としては、上記のように
して得られたインキ組成物を適当な基材シート上に塗布
して転写シートを作成し、該シートを被記録材と重ね、
次いでシートの背面から感熱記録ヘッドで加熱及び加圧
する方法を例示でき、そのようにすればシート上の色素
が被記録材上に転写される。
【0023】本発明の転写シートは以上の如き特定の色
素を使用することを特徴とし、それ以外の構成は従来公
知の転写シートの構成と同様でよい。
【0024】前記の色素を含む本発明の転写シートに使
用する基材シートしては、従来公知の、ある程度の耐熱
性と強度を有するものであればいずれのものでもよく、
例えば、0.5乃至50μm、好ましくは3乃至10μ
m程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ア
ラミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロ
ファン等であり、特に好ましいものはポリエステルフィ
ルムである。
【0025】上記の如き基材シートの表面に設ける色素
担持層は、前記一般式(1)で表される色素を任意のバ
インダー樹脂で担持させた層である。
【0026】前記の色素を担持する為のバインダー樹脂
としては、従来公知のものがいずれも使用でき、好まし
いものを例示すれば、エチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セル
ロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビ
ニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂等が挙げら
れ、これらの中で特にポリビニルブチラール及びポリビ
ニルアセタールが、耐熱性、色素の移行性等の点から好
ましいものである。
【0027】本発明の転写シートの色素担持層は、基本
的には上記の材料で形成するが、その他必要に応じて従
来公知の各種の添加剤をも包含し得るものである。
【0028】この様な色素担持層は、好ましくは適当な
溶剤中に前記の色素、バインダー樹脂その他の任意成分
を加えて各成分を溶解又は分散させて担持層形成用イン
キ組成物を調製し、これを上記の基材シート上に塗布及
び乾燥させて形成する。
【0029】この様にして形成する担持層は、0.2乃
至5.0μm好ましくは0.4乃至2.0μm程度の厚
さであり、又、担持層中の前記の色素は担持層の重量の
5乃至70重量%、好ましくは10乃至60重量%の量
で存在するのが好適である。上記の如き本発明の転写シ
ートは、そのままで熱転写用として十分に有用である
が、更にその色素担持層表面に粘着防止層、即ち離型層
を設けてもよく、この様な層を設けることにより、熱転
写時における転写シートと被記録材の粘着を防止し、更
に高い熱転写温度を使用し、一層優れた濃度の画像を形
成することができる。
【0030】この離型層としては、単に粘着防止性の無
機粉末を付着させたのみのものでも相当の効果を示す。
更に、例えば、シリコーンポリマー、アクリルポリマ
ー、フッ素化ポリマーの如き離型性に優れた樹脂で0.
01乃至5μm、好ましくは0.05乃至2μmの離型
層を設けることによって形成することができる。
【0031】尚、上記の如き無機粉体或いは離型性ポリ
マーは色素担持層中に包含させても十分な効果を奏する
ものである。
【0032】更に、この様な転写シートの裏面に、サー
マルヘッドの熱による悪影響を防止する為に耐熱層を設
けてもよい。
【0033】以上の如き転写シートを用いて、画像を形
成する為に使用する被記録材は、その記録面が前記の色
素に対して色素受容性を有するものであればいかなるも
のでもよく、又、色素受容性を有しない紙、金属、ガラ
ス、合成樹脂等である場合には、その少なくとも一方の
表面に色素受容層を形成すればよい。
【0034】上記の如き本発明の転写シート及び上記の
如き被記録材を使用して熱転写を行う際に使用する熱エ
ネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれも
使用できる。例えば、サーマルプリンター(例えば、
(株)日立製、ビデオプリンター「VY−100」)等
の記録装置を用いて、記録時間をコントロールすること
により、5乃至100mJ/mm3 程度の熱エネルギー
を付与でき、これによって所期の目的を十分に達成する
ことができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で示されるマゼン
タ系昇華色素は熱転写時間、感熱ヘッドに与えるエネル
ギーを変えることにより、色素の昇華転写量を制御する
ことができるので、階調記録が容易であり、フルカラー
記録に適している。
【0036】更に、熱、光、湿気、薬品などに対して安
定であるため、転写記録中に熱分解することなく、得ら
れた記録の保存性も優れている。
【0037】又、本発明の色素は有機溶剤に対する溶解
性、及び水に対する分散性が良好であるため、均一に溶
解あるいは分解した高濃度のインキを調製することが容
易であり、その結果色濃度の良好な記録を得ることがで
き、実用上価値ある色素である。
【0038】
【実施例】以下、実施例にて本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部は重量部を示す。%は重量%を示す。
なお、以下の実施例1は参考例である。
【0039】実施例1 常法により、次式(A)で示される化合物を合成した。
【0040】
【化4】
【0041】更に、上記式(A)の化合物を用いて、下
記にてインキ組成物の調製、転写シート、被記録材を作
製して転写記録を行った。
【0042】該化合物のクロロホルム中における吸収極
大波長(λmax)は525nmであった。
【0043】(1)インキ組成物の調製方法 上記式(A)の色素 3部 ポリブチラール樹脂 4.5部 メチルエチルケトン 46.25部 トルエン 46.25部 上記組成の色素混合物をガラスビーズを使用し、ペイン
トコンディショナーで約30分間混合処理することによ
り該インキを調製した。
【0044】(2)転写シートの作製方法 グラビア校正機(版深30μm)を用い、背面に耐熱処
理を施した9μm厚のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、上記インキを乾燥塗布量が1.0g/m2 にな
るように塗布、乾燥した。
【0045】(3)被記録材の作製 ポリエステル樹脂 0.8部 (「Vylon 103」、 東洋紡製;Tg=47℃) EVA系高分子可塑剤 0.2部 (「エルバイロ 741p」 三井ポリケミカル製;Tg
=−37℃) アミノ変性シリコーン 0.04部 (「KF−857」 信越化学工業製) エポキシ変性シリコーン 0.04部 (「KF−103」 信越化学工業製) メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサン (重量比4:4:2) 9.0部
【0046】以上を混合し、塗工液を調製し、合成紙
(王子油化製、「ユポFPG#150」)にバーコータ
(RK Print Coat Instruments
社製造、No.1)を用いて乾燥時4.5g/m2 にな
る割合で塗布し、100℃で15分間乾燥した。
【0047】(4)転写記録 上記転写シートと上記被記録材とを、それぞれのインキ
塗布面と塗工液塗布面とを対向させて重ね合わせ、熱転
写シートの裏面から感熱ヘッド印加電圧10V、印字時
間4.0ミリ秒の条件で記録を行い、色濃度2.00の
マゼンタ色の記録を得た。
【0048】なお、色濃度は米国マクベス社製造デンシ
トメーターRD−514型(フィルター:ラッテンN
o.58)を用いて測定した。
【0049】色濃度は下記式により計算した。
【0050】色濃度=1og10(Io/I) Io=標準白色反射板からの反射光の強さ I=試験物体からの反射光の強さ
【0051】また、得られた記録の耐光性試験をキセノ
ンフェードメーター(スガ試験機株式会社製造)を用い
てブラックパネル温度63±2℃で実施したが、40時
間の照射でほとんど変色せず、高温及び高湿下の画像の
安定性にも優れていた。
【0052】また、堅牢度は得られた記録画像を50℃
の雰囲気中に48時間放置した後、画像の鮮明さおよび
表面を白紙で摩擦した際の着色により判定したところ、
画像の鮮明さは変化せず、また、白紙も着色せず記録画
像の堅牢度は良好であった。
【0053】実施例2〜13 実施例1と同様の方法に従って表1に示すマゼンタ系色
素を製造し、同様にインキの調製、転写シートの作製、
被記録材の作製、および転写記録を行い、表1に示す各
々の記録を得た。
【0054】これらの記録について全て実施例1と同様
の方法により耐光性試験を行ったところ、該記録は殆ど
変化せず、高温及び高湿下の画像の安定性にも優れてい
た。
【0055】また、実施例1と同様に堅牢度試験を行っ
たが、画像の鮮明さは変化せず、また白紙も着色せず、
記録画像の堅牢度は良好であった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】耐光性、堅牢度各々の判定結果は良好なも
のについては○、不良なものについては×で示した。
【0060】比較例1〜4 表2に示す化合物について実施例1と同様にインキの調
製、転写シートの作製、被記録材の作製、および転写記
録を行った。また、実施例1と同様に耐光性試験、堅牢
度試験を行った。結果を併せて表2に示す。判定結果は
表1と同様に示した。
【0061】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越田 均 兵庫県西宮市甲子園口北町12−5−510 (72)発明者 詫摩 啓輔 福岡県大牟田市平原町300 (72)発明者 滝口 良平 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 江口 博 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 加福 公明 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−175295(JP,A) 特開 平1−200989(JP,A) 特開 昭61−227092(JP,A) 特開 平7−52565(JP,A) 特開 平5−185752(JP,A) 特開 平5−212978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1は、アルキルスルホニル基、アルキルアミ
    ノカルボニル基、ハロゲン原子を示し、R2〜R3は、水
    素原子、C1〜C4のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
    ン原子、シアノ基を示し、R4はハロゲン原子又はシア
    ノ基を示し、R5、R6は水素原子、C1〜C4のアルキル
    基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アル
    コキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ
    基、ホルミルアミノ基、ハロゲン原子を示し、R7、R8
    は水素原子、置換あるいは非置換のアルキル基、アラル
    キル基、アルケニル基、アリール基を示す。但し、R4
    がハロゲン原子である場合、R1はハロゲン原子であ
    り、R4がシアノ基である場合、R1はアルキルスルホニ
    ル基又はアルキルアミノカルボニル基であるが、R 1
    4 が塩素原子であり、R 2 、R 3 が共に水素原子であ
    り、R 5 又はR 6 のいずれか一方がアゾ基に対して2位置
    換したメチルカルボニルアミノ基であり、他方が水素原
    子であり、R 7 及びR 8 が共にエチル基である場合を除
    。]で示される感熱転写記録用色素。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(1)で示され
    る感熱転写記録用色素、バインダー樹脂並びに有機溶剤
    及び/又は水を含有してなることを特徴とする感熱転写
    記録用インキ組成物。
  3. 【請求項3】 基材シート及び該基材シートの一面に形
    成された色素担持層からなり、該色素担持層に含有され
    る色素が請求項1に記載の色素であることを特徴とする
    転写シート。
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