JP3241240U - クッション体 - Google Patents

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清古 杜
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山東玉泰美莱家居用品有限公司
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Abstract

【課題】背中の汗や蒸れがなく、常に冷感を維持できるクッション体を提供する。【解決手段】クッション体は、高通気性を有するクッション1と、そのクッションの表面に設けられた相変化物質入り冷感ジェルとを有する。クッション1の表面に、相変化物質を封入したマイクロカプセル3を含有した冷感ジェル層2が形成される。クッション1はポリウレタンフォームから構成され、ポリウレタンフォームは、規則正しい空隙を有する連続気泡の発泡体からなる。クッション1に身体が接触すると、冷感ジェル層2が温められて相変化物質が溶解し、体温が吸熱され、冷感が得られる。通気性を有するクッション1の高い熱伝導と拡散により、冷感ジェルの温度上昇が抑制され、長時間にわたって身体の表面を26~28℃の一定温度に保つことができる。【選択図】図4

Description

本考案は、マットレスやカーペット、敷パッド、枕、ごろ寝マット、さらには各種電化製品にも使用される冷感および高通気性を有するクッション体に関するものである。
従来のクッション体は、水分を吸収しやすく、通気性が悪いという欠点があった。そのため、夏場は蒸れやすく、クッション体に接触する人体に汗をかくこともある。使用中に人体の熱により、汗をかいた場合、クッション体にカビを発生させることがある。ここで、特許文献1に記載のように、夏にクッション体を使用するときに冷感を感じることができるようにした相変化物質を含有する冷感生地を有するクッション体が市場に出回るようになった。この冷感生地は、クッション体の表生地として使用されている。
特許第6804070号公報
上記のクッション体を使用すると、最初に身体が表生地に触れたときに冷たさを感じる。身体が表生地に接触しない状態になると、相変化物質が冷却して凝固するので、吸熱反応を生じさせることが可能となり、再び冷感を感じるようになる。しかし、長時間、身体が表生地に触れたままであると、相変化物質が溶解してしまい、冷感が消失してしまう。すると、クッション体が通気性を有しないため、冷感値が大きく低下して、背中が蒸れるようになる。
本考案は、上記に鑑み、背中の汗や蒸れがなく、常に冷感を維持できるクッション体の提供を目的とする。
本考案のクッション体は、高通気性を有するクッションと、そのクッションの表面に設けられた相変化物質入り冷感ジェルとを有し、冷感ジェルの存在にも拘わらず、通気性を損なわず、かつ繰り返し洗濯可能である。前記クッションはポリウレタンフォームから構成され、該ポリウレタンフォームは、規則正しい空隙を有する連続気泡の発泡体からなる。
クッションに身体が接触すると、冷感ジェルが温められて相変化物質が溶解し、体温が吸熱され、冷感が得られる。通気性を有するクッションの高い熱伝導と拡散により、冷感ジェルの温度上昇が抑制され、長時間にわたって身体の表面を一定温度に保つことができる。
前記クッションの外側を覆う外装生地を備え、前記外装生地は消臭剤および防カビ剤を含有してもよい。また、前記クッションは消臭剤および防カビ剤を含有してもよい。
前記クッションの外側を覆う表生地と裏生地とからなる外装生地を備え、前記表生地は通気性を有する冷感生地から構成される。前記裏生地は滑り止めを有する。
本考案によると、クッションの表面の冷感ジェルの存在により、身体に常に冷感が得られるので、汗をかくことがなくなり、背中が蒸れることをなくすことができ、快適なクッション体の使用感を実現できる。
本考案の実施形態であるクッション体の斜視図 表生地および裏生地を備えたクッション体の分解斜視図 クッションの断面図 冷感ジェル層の拡大断面図 PCM28のDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す図
本考案に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1~4に示すように、本考案のクッション体は、高通気性を有するクッション1と、そのクッション1の表面に設けられた相変化物質入り冷感ジェルとから構成される。クッション1の表面に相変化物質を混合したジェルを積層することにより、相変化物質を含んだ通気性を有する冷感ジェル層2が形成される。
クッション1は、メッシュ状の軟質ポリウレタンフォームから形成され、ポリウレタンフォームは、多数の空隙を有する連続気泡の発泡体からなる。このような高通気性を有するクッション1は、吸水性および速乾性を有し、しかも空隙が互いに連通して、引張力を有するので、空隙が簡単に崩れることなく長時間使用でき、洗濯しても変形せず、繰り返し洗濯可能な耐久性も有する。ここで、クッション1の開口率は50~90%、好ましく70~90%とされ、一例として開口率は83%とされる。クッション1の弾性率は30~50%とされ、一例として48%とされる。これらは使用する用途に応じて適宜選定することができる。
冷感ジェルは、ジェルに相変化物質を封入したマイクロカプセル3を混入したものである。ジェルとしては、キサンタンガム、寒天、ペクチン、マンナンなどが用いられる。相変化物質は、温度により液相と固相との間で変化する部材であり、いわゆるPCM(Phase Change Material)であり、冷却媒体である。相変化物質は、対象物からの熱を融解潜熱として吸収することによって、固相から液相に変化して対象物を冷却する。ここでは、相変化物質は、常温で凝固する。具体的には、相変化物質の凝固点は5℃~35℃に設定されている。好ましくは、相変化物質の凝固点は15℃~30℃に設定される。ここでは、相変化物質として、図5に示すような特性を有するPCM28が用いられる。
例えば、相変化物質としては、パラフィン又は脂肪族炭化水素(または、脂肪族飽和炭化水素)を含んでいる。パラフィン又は脂肪族炭化水素として、テトラデカン(C1430)、ヘキサデカン(C1634)、及びオクタデカン(C1838)の少なくとも1つを含んでいる。また、相変化物質は、テトラデカン(C1430)、ヘキサデカン(C1634)、及びオクタデカン(C1838)の全てを含んでいてもよい。さらに、相変化物質は、パラフィン又は脂肪族炭化水素に加えて、高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer)、水、アロマ又はグラファイト(Graphite)等をさらに含み得る。一例として、相変化物質は、パラフィン、脂肪族化合物、有機物及びミネラルを含み得る。
相変化物質は、個体又はエマルジョンの形態にされて、マイクロカプセル3に封入される。マイクロカプセル3の壁材としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂などが用いられる。特に、相変化物質の染み出し抑制効果が高く、ホルムアルデヒドなどの発生のないポリメタクリル酸メチル樹脂などのアクリル樹脂が用いられる。
そして、クッション1の表面の冷感ジェル層2は、冷感ジェルをクッション1の表面に塗布あるいは噴霧することにより形成される。すなわち、クッション1の表面に、ジェルとマイクロカプセル3を含有する混合液を塗布あるいは噴霧することにより、冷感ジェル層2が薄く形成される。図4に示すように、マイクロカプセル3がジェルを介してクッション1の空隙の壁面に担持されることにより、通気性を有する冷感ジェル層2がクッション1の表面に形成される。
表面に冷感ジェル層2が形成されたクッション1に身体が接触すると、冷感ジェルが温められて相変化物質が溶解し、体温が吸熱され、冷感が得られる。そして、通気性を有するクッション1の高い熱伝導と拡散により、冷感ジェルの温度上昇を効率よく抑制することができ、長時間にわたって身体の表面を26~28℃の一定温度に保つことができる。
図1,2に示すように、クッション体は、クッション1の外側を覆う外装生地を備えている。外装生地は、表生地5と裏生地6とから構成される。各生地5,6は、綿、絹などの天然繊維製あるいはナイロン、ポリエステルなどの化学繊維製の不織布又は織布からなる。クッション1を挟んだ表生地5および裏生地6の周縁には、ポリエステルなどの化学繊維によるヘム7が形成され、外装生地は袋状になり、この外装生地にクッション1が密閉される。
そして、外装生地は、消臭剤および防カビ剤を使ってもよい。あるいは消臭剤だけ使ってもよく、防カビ剤だけを使ってもよい。なお、外装生地としては、表生地5および裏生地6とされる、あるいは表生地5および裏生地6のいずれか1つとされる。金属化合物、天然抽出物、光触媒などの消臭剤を生地の内部に含ませたり、生地の繊維に付与したりする消臭加工を行うことにより、外装生地に消臭剤が含有される。同様に、外装生地に防カビ、防菌加工を行うことにより、外装生地に防カビ剤さらに防菌剤が含有される。
また、クッション1に消臭加工およびは防カビ、防菌加工のいずれか1つを行ってもよく、さらに両方を行ってもよい。このように、消臭、防カビ、防菌機能をクッション体に付与することにより、使用者に安全で清潔な製品を提供することができる。
ここで、外装生地を備えたクッション体では、最大熱吸収速度Q-MAX(ΔT=20℃)=0.349となり、冷感ジェルの存在しない外装生地を備えたクッション体では、Q-MAX(ΔT=20℃)=0.346であり、冷感ジェルの存在により冷感が得られることがわかる。そして、外装生地を備えたクッション体を洗濯しても、寸法変化はほとんどなく、何回でも洗濯可能である。しかも、冷感ジェル層2が形成されたクッション1や外装生地は通気性を有するので、乾きやすい。
また、表面に冷感ジェル層2を有するクッション体では、ホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)の放出量が少ない。すなわち、JISA1901に準拠した小形チャンバー法による試験結果では、ホルムアルデヒドのチャンバー内濃度は厚生労働省が定めた指針値(100μg/m3)を下回り、VOCは定量下限未満である。このように、冷感ジェル層2によって表面の温度上昇が抑えられることにより、ホルムアルデヒドの放出を抑制することができ、環境に優しいクッション材を提供することができる。
外装生地の他の形態として、表生地5は通気性を有する冷感生地から構成される。表生地5の片面又は両面に相変化物質又は吸水性樹脂などの冷感材料と有機バインダの混合物を塗布したり、噴霧したりした後、乾燥することにより、冷感材料が有機バインダによって繊維に結合して、通気性を有する冷感生地が生成される。このような表生地5では、直接身体に冷感材料が触れるので、冷感を効果的に得ることができる。
さらに、外装生地の他の形態として、裏生地6は滑り止め機能を有する。裏生地6の下面に塩化ビニル樹脂などの滑り止め剤を塗布や噴霧する滑り止め加工を行うことにより、裏生地6に滑り止め機能が付与される。
なお、本考案は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。クッション1を形成する軟質ポリウレタンフォームは、多角形の不規則な穴状構造であってもよく、穴同士は互いに連通して、クッション1は高通気性となる。また、クッション1は、上記のメッシュ状のポリウレタンフォームに限らず、三次元網状繊維構造体であってもよい。
上記のクッション体は、クッション1に限らず、マットレス、枕、シート、マット、カーペットなどの身体が触れる製品に適用される。このような製品として、家庭用だけでなく、自動車用、電化製品であってもよい。
1 クッション
2 冷感ジェル層
3 マイクロカプセル
5 表生地
6 裏生地

Claims (5)

  1. 高通気性を有するクッションと、そのクッションの表面に設けられた相変化物質入り冷感ジェルとを有し、冷感ジェルの存在にも拘わらず、通気性を損なわず、かつ繰り返し洗濯可能なクッション体。
  2. クッションはポリウレタンフォームから構成され、ポリウレタンフォームは、規則正しい空隙を有する連続気泡の発泡体からなる請求項1に記載のクッション体。
  3. クッションの外側を覆う外装生地を備え、外装生地とクッションのうちの少なくとも一方には消臭剤および防カビ剤から選ばれた少なくとも1つを含有する請求項1又は2に記載のクッション体。
  4. クッションの外側を覆う表生地と裏生地とからなる外装生地を備え、表生地は通気性を有する冷感生地から構成された請求項1又は2に記載のクッション体。
  5. クッションの外側を覆う表生地と裏生地とからなる外装生地を備え、表生地は通気性を有する冷感生地から構成され、裏生地は滑り止めを有する請求項1又は2に記載のクッション体。
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