JP2009261924A - 敷体 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭の持つ調湿効果をより一層効果的に利用して汗ばむ夏場には人の体から出る汗や水蒸気を効率よく吸収し、乾燥する冬場には湿度をより効率的に補うことにより年間を通して常に使用者に快適さを提供できる敷体を提供すること。
【解決手段】第一面状体3及び第二面状体4を上下に重合して構成される本体7に炭を主原料とする充填材2を充填して成る敷体1であって、前記第一面状体3及び前記第二面状体4は表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合が裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合に比し高いものであり、前記第一面状体3は前記表面3aが外側に、前記第二面状体4は前記表面4aが内側に位置するように両者は重合されている敷体。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば炭を主原料とする充填材を充填して成る敷体に関するものである。
従来から、炭は、秀れた調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果などの健康に良い各種効果を発揮することが知られており、これらの効果を利用した炭含有商品は、健康グッズ、消臭剤、寝具、更にシックハウス対策を目的とした建材等に広く実用化され利用されている。
特に、誰もが一日の中でも多くの時間使用する枕等の寝具関連市場においては、より快適に使用できて長期間清潔な状態を保てる商品が常に望まれており、例えば、文献1に示す、炭の秀れた効果を利用することで防虫性、調湿性、通気性等を有する枕とする技術など、寝具に関する炭を用いた技術は多く開示されている。
特開平2002−262978号公報
しかしながら、上記文献1の枕は、身体から出る汗が枕の表材となる面状体を介して内部の充填材に吸収されるが、この吸収された汗は、面状体を介して頭部方向に戻ることもあり、使用者が不快に感じることが往々にしてある。即ち、例えば夏場には、頭部と面状体の間に汗が溜まってべた付き、大変不快となる。
本発明は、調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果など炭の有する秀れた効果に加え、夏場の暑い季節においても、汗が身体側に戻り難い敷体を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
第一面状体3及び第二面状体4を上下に重合して構成される本体7に炭を主原料とする充填材2を充填して成る敷体1であって、前記第一面状体3及び前記第二面状体4は表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合が裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合に比し高いものであり、前記第一面状体3は前記表面3aが外側に、前記第二面状体4は前記表面4aが内側に位置するように両者は重合されていることを特徴とする敷体に係るものである。
また、請求項1記載の敷体において、前記炭は籾殻炭を含むものであることを特徴とする敷体に係るものである。
また、請求項1記載の敷体において、前記炭は籾殻炭を含む複数種の炭で構成されることを特徴とする敷体に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の敷体において、前記充填材2に桐を含有せしめたことを特徴とする敷体に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の敷体において、前記第一面状体3及び第二面状体4間には弾性材5が架設されていることを特徴とする敷体に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の敷体において、前記充填材2が内部で移動することを防止する留部6が設けられていることを特徴とする敷体に係るものである。
また、第一面状体3及び第二面状体4を上下に重合して構成される本体7に木を主原料とする充填材2を充填して成る敷体1であって、前記第一面状体3及び前記第二面状体4は表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合が裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合に比し高いものであり、前記第一面状体3は前記表面3aが外側に、前記第二面状体4は前記表面4aが内側に位置するように両者は重合されていることを特徴とする敷体に係るものである。
また、請求項7記載の敷体において、前記木は桐であることを特徴とする敷体に係るものである。
本発明は、上述のように構成したから、例えば調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果など炭の有する秀れた効果に加え、炭の持つ調湿効果をより一層効果的に利用して、汗ばむ夏場には人の身体から出る汗(水分)を効率よく吸収し、乾燥する冬場には湿度(水分)をより効率的に補うことができる、従来に無い作用効果を発揮する画期的な敷体となる。
実施例1の使用状態を説明する断面図である。 実施例1の使用状態を説明する断面図である。 実施例1の製造工程図である。 実施例1の使用説明図である。 実施例1に係る要部を説明する斜視図である。 実施例2の断面図である。 実施例3の斜視図である。 実施例4の断面図である。 実施例5の断面図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明に係る敷体1は、内部に充填する充填材として炭を主原料とする充填材2を使用したから、例えば、調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果などの炭が有する様々な効果が得られる。
また、本発明を構成する本体7は、第一面状体3及び第二面状体4を上下に重合して構成され、また、前記第一面状体3及び前記第二面状体4は表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合が裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合に比し高いものであり、更に、前記第一面状体3は前記表面3aが外側に、前記第二面状体4は前記表面4aが内側に位置するように両者は重合されている。
この構成から、例えば多量の汗をかき易い夏場には、図1に示すように、敷体1の第一面状体3の表面3a(外側)が身体側に配されるように使用すると、第一面状体3は表面3a(外側)から裏面3b(内側)への通水度合が裏面3b(内側)から表面3a(外側)への通水度合に比し高いから、身体から発散される汗(水分)は第一面状体3の表面3a(外側)を介して充填材2に確実に吸収され、使用時に快適さが発揮される。
また、この充填材2に吸収された水分は、周囲の気温や温度の変化により、第一面状体3の裏面3b(内側)から表面3a(外側)へ逃げようとしても、第一面状体3の通水度合は前記のとおりであるから、結局、前記水分は、身体と反対側に配された(例えば床と接している)第二面状体4の表面4a(内側)から裏面4b(外側)へ逃げ(第二面状体4は表裏の関係が第一面状体3と逆)、よって、水分は第二面状体4から敷体1の外部へ逃げることとなる。
従って、身体側に配された第一面状体3側からは水分が逃げず、身体と第一面状体3の間に汗が溜まってべた付いたりせず、一層快適に使用でき、快適さが長期間維持される敷体1となる。
また、この敷体1は、例えば湿度の少ない冬場においては、図2に示すように、夏場とは逆の向き、即ち、第二面状体4が身体側に配されるように使用すると、例えば充填材2に吸水して蓄えられていた水分及び身体と反対側(例えば床と接している側)に配される第一面状体3を通過した水分が、体温により暖められたり、湿度が低下したりすることにより充填材2から放出される際は、第一面状体3及び第二面状体4が前記通水度合のため、結局、前記水分は、身体側に配された第二面状体4の表面4a(内側)から裏面4b(外側)へ逃げ、よって、水分は第二面状体4から敷体1の外部へ逃げることとなる。
従って、第二面状体4側と接する身体の部位の湿度を効率的に上げることができるから、肌の乾燥が防止でき、肌の潤いを保つことができる。
よって、本発明に係る敷体1は、単に、例えば調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果など炭の有する秀れた効果を有するだけでなく、汗ばむ夏場には人の身体から出る汗(水分)を効率よく吸収し、乾燥する冬場には湿度(水分)をより効率的に補うことができる、従来に無い作用効果を発揮する画期的な敷体となる。
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
実施例1は、第一面状体3及び第二面状体4を上下に重合して構成される本体7に炭を主原料とする充填材2を充填して成る敷体1であって、前記第一面状体3及び前記第二面状体4は表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合が裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合に比し高いものであり、前記第一面状体3は前記表面3aが外側に、前記第二面状体4は前記表面4aが内側に位置するように両者は重合されているものである。
以下、実施例1に係る構成各部について詳細な説明をする。
第一面状体3及び第二面状体4は、同一構造のものであり、表裏に貫通する極小径の貫通孔を無数に有する基材の表面3a、3bに適宜な水分吸着加工が施され、裏面3b、4bに適宜な撥水加工が施されたものである。
従って、第一面状体3及び第二面状体4の表面3a、4aには水分が吸着され、この吸着された水分は毛細管現象により裏面3b、4bに移動して裏面3b、4bで蒸発し、また裏面3b、4bで蒸発する水分が表面3a、4aに付着した水分を吸い上げるので、水分を効率的に一方方向に移動させることが可能となり、一方、裏面3b、4bは撥水加工されているため、裏面3b、4bには水分が付着しづらく、裏面3b、4bから表面3a、4aへの毛細管現象による水分の通過はおこりにくく、よって、第一面状体3及び第二面状体4は、表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合が裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合より高いこととなる。
尚、第一面状体3及び第二面状体4の表面3a、4bには、凹凸加工が施されており、表面積を増やすことにより、水分がより吸着し易い構造とされている。
第一面状体3及び第二面状体4は、表面3a、4aから裏面3b、4bのみ通水可能であり、裏面3b、4bから表面3a、4aへは通水不能なものが最も望ましいが、表面3a、4aから裏面3b、4bへの通水度合と、裏面3b、4bから表面3a、4aへの通水度合に少しでも差があれば、本発明の効果は得られる。
また、第一面状体3及び第二面状体4は、ホルムアルデヒド等の有害物質を含まないもので構成する。
前述した第一面状体3と第二面状体4を用いて敷体1を構成する場合には、図3に図示したように第一面状体3と第二面状体4を上下に配して重合し、続いて、この重合する第一面状体3と第二面状体4の周縁同士を一部を残して接合して袋体7(本体7)を設け、この袋体7の接合していない部分(開口部7’)から後述する充填材2を充填し、続いて、袋体7の開口部7’を閉塞して敷体1とする。
尚、実施例1では、第一面状体3と第二面状体4の端部同士を直接連設することで重合状態としているが、第一面状体3と第二面状体4の端部同士の間に連結部材などを介在して連設することで重合状態とするようにしても良い。
また、実施例1では敷体1を枕として構成したがこれに限られるものではなく、例えば後述する敷体、その他、背がけマット、抱き枕、背当て枕、座布団、敷布団、掛け布団、折りたたみ式ベッド等としてもよく、介護用マット、介護用枕とし、介護現場で使用してもよい。特に、本発明の本体7(第一面状体3及び第二面状体4)による効果に加え、充填材2としての炭の様々な効果が得られる実施例1に係る敷体1は、介護用として最適の敷体となる。
また、実施例1では、充填材2として炭を採用している。
具体的には、この炭は籾殻を低温(120〜400℃)で焼成することによって得た籾殻炭であり、焼成後の組成は、質量比で炭素が20%以下、二酸化珪素が略75%である。
籾殻炭は、遠赤外線効果を発揮するとされる二酸化珪素を多く含む(定量分析結果では、重量比で備長炭の365倍である)から、他の炭と比べて、使用時においてより暖かく、また、冷え性の改善、酸化防止効果(老化防止効果)、美容効果(腎臓、肝臓の機能向上)においても高い効果が期待できる。
従って、実施例1に係る敷体1は、石油・石炭等の化石燃料や電気などのエネルギー資源を必要とする装置などを用いずとも、身体の活性エネルギーや自然環境がもたらす力で身体を温めることができてコスト安であり、ひいては、前述した資源の使用を低減することができ、地球温暖化の防止にも貢献できるなど、環境にも優しいものとなる。
また、実施例1は、籾殻炭(炭)を原料とする充填材2を使用したから、遠赤外線効果の他にも、調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気清浄効果、などの炭が有する種々の効果が得られる。
詳述すると、炭は微細孔構造を有する多孔質無定形炭素であり、微細な孔を無数に有していることにより炭粒子の内部表面積が極めて大きいことが知れている。しかも炭の表面は臭い成分などの分子を吸着する力が強い為、睡眠中に身体から放出される臭い成分(有機系の成分、硫化水素、アンモニア等)を確実に吸着することができ、しかもこの効果は長期間続くので秀れた消臭効果が長く持続される。
また、水分を構成する水分子は炭の表面に吸着するだけでなく、炭表面に吸着した水分子に次の水分子が吸着し、炭が有する細孔容積に略等しい体積まで吸着され得るので、非常に高い除湿効果を有する。また、この細孔内に多量に蓄えられた水分は炭周辺の湿度が下がると、若しくは、周囲の温度が上がると炭から放出されるから、高い保湿効果を有することとなる。
また、炭は、カビ菌などの人体に有害な菌を殺菌するバチルス属をふやし、大腸菌や緑膿菌も低周波数の音波によって死滅させる。しかし同時に、肺炎を引き起こすデジオネラ属や食中毒菌のセレウス菌も増やす欠点も有る。
これら炭に微生物(善玉菌・悪玉菌)が増殖するためには、炭が常に空気と水分とを得られる環境下にあることを要し、太陽の赤外線のような光のような波動が炭に当たると、炭が音波を発信し、その音波を好む細菌が増殖して微生物が増殖する。これは、太陽の波動を音波に変換して、この音波で細菌同士が交信し抑制する。つまり、微生物は炭が発振する音波で増殖し、ゆえに炭粒子は自由に動ける環境下に有る事が重要である。従って、充填材2と第一面状体3と第二面状体4で構成する敷体1により、微生物(善玉菌)が増殖され得ることになる。
尚、実施例1においては、炭として籾殻炭のみを使用したが、前記炭は籾殻炭を含む複数種の炭で構成しても良い。籾殻炭はほのかに特有の香りを有するので、例えば備長炭などの他の炭と混合することにより、籾殻炭特有の香りを軽減し、より快適な敷体となる。また、完全には炭化していない籾殻や、銀杏の葉など、他の自然素材の炭化物を混合させても良い。炭(籾殻炭)を充填した敷布団は、体臭を取り、血行を促進する他、強制されない自身の自然体の温かさが猛暑時や大寒時にも体温の温かさとして最適に調整される。
また、袋体7内に充填する充填材2(炭など)は、人体にとって有害となり得る接着剤などを用いて接合したりしない。
また、本実施例では、前述したように充填材2として籾殻炭(炭)を原料とする充填材2を採用しているが、この炭を主原料とした充填材2に木(例えば桐の鋸の切り屑や粉状・粒状にしたもの)を混ぜても良く、或いは、木(例えば桐の鋸の切り屑や粉状・粒状にしたもの)を原料として充填材2としても良い。
即ち、桐は、カビやダニを繁殖させず(清潔である。)、湿気を良く吸い乾燥時に放出する(秀れた耐湿性を有する。)、冷暖房の効率が良い(秀れた断熱性を有する。)、その他の効果(軽い、耐乾性、復元力があるなど)を発揮するものとして古来より家具として貴重材料とされてきている。従来から役に立たない物として焼却処分されてきた特に桐の鋸屑を使用すれば経済的で環境的にも良い。
この桐の秀れた性質は、他の木材と異なる桐の特徴にあり、樹木は成長過程より糖を生成し、木の幹に養分を与えて木材となるが、一方、桐は草と同じ成長過程で生長し(草は根に養分を蓄え個の養分で生長する)、根に養分を貯蔵する「草科」として生長するから桐は15年〜20年で伐採が出来るほど生育が早い。また、桐に含まれるタンニンによりカビやダニが繁殖せず、キノコも生育されず、従来、桐の鋸屑は焼却処分するしか使い道がなかったものであるが、本実施例に係る充填材2として使用することで、例えば掛け布団などに活用すると、清潔、耐湿性、断熱性、軽い、耐火性(水が吸収され易い)などの特徴が生かされることになる。桐の鋸屑を充填した掛け布団は、軽くて最適な暖かさに調整される。また、手入れする際には、陰干しでもカビやダニは繁殖せず、年間通じて敷いたままでの使用が可能となる。
尚、木としては桐に限らず、本実施例の特性(前述した第一面状体3と第二面状体4から成る本体7の特性)を発揮せしめるもの(例えば調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気清浄効果などの効用を有する木)であれば適宜採用し得るものである。
以下、実施例1の具体的な使用例を図4に基づいて説明する。
実施例1の枕を、図4(a)に示すように通常の頭部用枕9及び背当て枕10として使用した場合、肩甲骨が下がり、胸が広がるので、背筋を伸ばす効果も得られ、図4(b)に示すように頭部用枕9及び腰部用枕11として使用した場合、炭の遠赤外線効果により腰を温めながら腰を伸ばせ、腰にかかる負担を軽減させると共に腰痛を改善でき、図4(c)に示すように頭部用枕9及び足部用枕15として使用した場合、膝の予防のストレッチに用いることもでき、図4(d)に示すように足部用枕15として使用した場合、足先に血液が溜まることを防ぐと共に炭の遠赤外線効果により足先を低温火傷の恐れが無い穏やかな温度で暖めることができる。尚、図5は、腰部用枕11を図示したものである。
実施例1は、上述したように構成したから、調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果などの炭が有する様々な効果が得られる。
また、例えば多量の汗をかき易い夏場には、図1に示すように、敷体1の第一面状体3の表面3a(外側)が身体側に配されるように使用すると、第一面状体3は表面3a(外側)から裏面3b(内側)への通水度合が裏面3b(内側)から表面3a(外側)への通水度合に比し高いから、身体から発散される汗(水分)は第一面状体3の表面3a(外側)を介して充填材2に確実に吸収され、使用時に快適さが発揮される。
また、この充填材2に吸収された水分は、周囲の気温や温度の変化により、第一面状体3の裏面3b(内側)から表面3a(外側)へ逃げようとしても、第一面状体3の通水度合は前記のとおりであるから、結局、前記水分は、身体と反対側に配された(床と接している)第二面状体4の表面4a(内側)から裏面4b(外側)へ逃げ(第二面状体4は表裏の関係が第一面状体3と逆)、よって、水分は第二面状体4から敷体1の外部へ逃げることとなる。
従って、身体側に配された第一面状体3側からは水分が逃げず、身体と第一面状体3の間に汗が溜まってべた付いたりせず、一層快適に使用でき、快適さが長期間維持される敷体1となる。
また、この敷体1は、例えば湿度の少ない冬場においては、図2に示すように、夏場とは逆の向き、即ち、第二面状体4が身体側に配されるように使用すると、例えば充填材2に吸水して蓄えられていた水分及び身体と反対側(例えば床と接している側)に配される第一面状体3を通過した水分が、体温により暖められたり、湿度が低下したりすることにより充填材2から放出される際は、第一面状体3及び第二面状体4が前記通水度合のため、結局、前記水分は、身体側に配された第二面状体4の表面4a(内側)から裏面4b(外側)へ逃げ、よって、水分は第二面状体4から敷体1の外部へ逃げることとなる。
従って、第二面状体4側と接する身体の部位の湿度を効率的に上げることができるから、肌の乾燥が防止でき、肌の潤いを保つことができる。
よって、実施例1は、単に、調湿効果、脱臭効果、害虫予防効果、空気浄化効果、遠赤外線効果など炭の有する秀れた効果を有するだけでなく、汗ばむ夏場には人の身体から出る汗(水分)を効率よく吸収し、乾燥する冬場には湿度(水分)をより効率的に補うことができる、従来に無い作用効果を発揮する画期的な敷体となる。
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
実施例2は、図6に示すように、敷体1を構成する第一面状体3及び第二面状体4間には弾性材5を架設したものである。
具体的には、弾性材5はポリウレタンフォームとし、このポリウレタンフォームと面状体3との接着力を良好にするために弾性材5の形状は方形とし、この弾性材5を第一面状体3及び第二面状体4間にアクリル系粘着剤12を用い粘設し、敷体1の膨れ防止及び形崩れ防止を実現すると共に、通常使用時に自然に発生する負荷を利用して炭を主原料とした充填材2を自然に動かすことを可能にした。
即ち、例えば、水分を多量に吸着すると炭を主原料とする充填材2(籾殻炭)は互いに吸着して塊になり易くなるが、弾性材5を設けることにより、この弾性材5が寝返りなどによる負荷時に押し潰され、また、負荷から開放されると元の形状に戻るため、敷体1内の充填材2も弾性材5の動きに伴い動かされ、従って、塊になった前記充填材2は揉みほぐされて細かくなり、この細かくなった充填材2は敷体1内の空気に触れ易くなるので、前記充填材2が効率良く働き、より秀れた調湿効果を発揮することとなる。
また、本発明者は、人体を当てて揉みほぐすように炭を動かすことにより敷体1自体が暖まることを実験により確認しており、上記構成により、高い遠赤外線効果も得られるといえる。
尚、前記弾性材5は、ウレタンや低反発素材などの一定の弾性力を有する素材であればよい。また、実施例2ではアクリル系粘着剤12を使用したが、これに限られるものではなく、人体に影響が無いものであれば良い。
その余は実施例1と同様である。
本発明の具体的実施例3について図面に基づいて説明する。
実施例3は図7に示すように、敷体1をマットとして構成した場合である。
具体的には、前述した敷体1と同様の構成で形状を柱状とした柱状体8を複数用い、この柱状体8の側面同士を連設することにより一体のマットとしている。
即ち、マットなどの大型の敷体1においては、敷体1内で充填材2の移動が起こり易く、炭を主原料とした充填材2が均等に分散している状態を保ちにくいから、敷体1を上下若しくは左右方向に立てた場合には、この敷体1を立てた状態で上部に位置する部分に空間が生じ、平坦性が保たれない恐れがあった。この点、実施例3においては、同形状の柱状体8を複数連設した構成としたから、充填材2の移動は同形状の柱状体8の間部でしか行われず、よって、平坦性が保たれ長期間、型崩れしない実用性に秀れたマットとなる。
また、実施例3では、上記のようにしたから、連設部を利用して巻回し易くなり、よって、携帯に便利なマットとなる。
その余は実施例1と同様である。
本発明の具体的な実施例4について説明する。
実施例4は、図8に図示したように本発明を薄広型の敷体1に適用した例で、前記充填材2が前記敷体1内部で移動することを防止する留部6が設けられている。
具体的には、敷体1に充填材2を充填して開口部7’を閉止した後、第一面状体3及び第二面状体4同士を部分的に縫合する。この縫合は、実施例4の場合、点縫いとしたが、クロス縫いなどどのような方法でもよい。
その余は、実施例1と同様である。
本発明の具体的な実施例5について説明する。
実施例5は、図9に示すように、本発明の炭を繊維状の炭素繊維13として、本発明を薄いマットに適用した例である。
具体的には、本発明の炭を、例えば籾殻炭などの粒状物に比し敷体1内部で動き難い炭素繊維13とし、更に、糸14により第一面状体3及び第二面状体4の対向位置を留め合わせながら縫合し、敷体1内部で炭素繊維13が極めて移動し難い構成とし、薄いマットとしている。
従って、それだけ炭が出す音波・超音波で細菌を増やす事が容易となり、温熱効果が高くなる。
その余は、実施例1と同様である。
但し、本発明は、前述した実施例1〜5に限られるものではなく、充填材2の種類、弾性材5の有無及び種類、敷体1内での充填材2の移動防止方法など、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本発明は、例えば枕や座布団や敷布団や掛け布団などの敷体に適用した場合に有用である。
1 敷体
2 充填材
3 第一面状体
3a 表面
3b 裏面
4 第二面状体
4a 表面
4b 裏面
5 弾性材
6 留部
7 本体

Claims (8)

  1. 第一面状体及び第二面状体を上下に重合して構成される本体に炭を主原料とする充填材を充填して成る敷体であって、前記第一面状体及び前記第二面状体は表面から裏面への通水度合が裏面から表面への通水度合に比し高いものであり、前記第一面状体は前記表面が外側に、前記第二面状体は前記表面が内側に位置するように両者は重合されていることを特徴とする敷体。
  2. 請求項1記載の敷体において、前記炭は籾殻炭を含むものであることを特徴とする敷体。
  3. 請求項1記載の敷体において、前記炭は籾殻炭を含む複数種の炭で構成されることを特徴とする敷体。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の敷体において、前記充填材に桐を含有せしめたことを特徴とする敷体。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の敷体において、前記第一面状体及び第二面状体間には弾性材が架設されていることを特徴とする敷体。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の敷体において、前記充填材が内部で移動することを防止する留部が設けられていることを特徴とする敷体。
  7. 第一面状体及び第二面状体を上下に重合して構成される本体に木を主原料とする充填材を充填して成る敷体であって、前記第一面状体及び前記第二面状体は表面から裏面への通水度合が裏面から表面への通水度合に比し高いものであり、前記第一面状体は前記表面が外側に、前記第二面状体は前記表面が内側に位置するように両者は重合されていることを特徴とする敷体。
  8. 請求項7記載の敷体において、前記木は桐であることを特徴とする敷体。
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