JPH07327781A

JPH07327781A - 敷物

Info

Publication number: JPH07327781A
Application number: JP6147092A
Authority: JP
Inventors: Yukio Morishita; 行雄森下
Original assignee: Morishita Chemical Industry Co Ltd
Current assignee: Morishita Chemical Industry Co Ltd
Priority date: 1994-06-06
Filing date: 1994-06-06
Publication date: 1995-12-19

Abstract

(57)【要約】【目的】衛生的に保持し、床擦れを防止し、取扱いの
操作性を向上させ、悪臭の発生を防止して不快感を解消
する。【構成】ラッセル網地１により袋体２を形成する。袋
体２に合成樹脂製の中空パイプ状チップ３を充填する。
袋体２の表裏をミシン糸４により所望ブロックに縫着
し、中空パイプ状チップ３の移動を規制する。ラッセル
網地１と中空パイプ状チップ３のいずれか一方、若しく
は両方に抗菌性、防かび性、消臭性を付与することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、敷物、特に、寝具用に
適する敷物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の敷物は、布製の袋体に綿、化繊
綿、わら、パンヤなどが充填されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の敷物では、通気性に劣り、特に、いわゆる寝たきり
老人や長期療養者などが継続的に使用すると、湿気を帯
び、使用者に不快感を与えるばかりでなく、非衛生的で
ある。また、使用者の体が広い面積で敷物に当たるた
め、床擦れを生じやすく、逆に使用者を傷めることにな
る。

【０００４】また、特に、寝たきり老人の場合には、排
泄物等により雑菌が発生したり、かびが発生したりして
非衛生的になりやすいばかりでなく、悪臭が発生し、使
用者本人はもとより看護人等にとっても不快感に悩まさ
れることになる。

【０００５】本発明は、上記のような従来の問題を解決
するものであり、通気性を良くし、洗濯も可能にして衛
生的に保持することができ、しかも、床擦れ防止に寄与
して長期使用者の体を傷めないようにすることができ、
また、取扱いの操作性を向上させることができるように
した敷物を提供することを目的とし、また、上記目的に
加え、雑菌やかびの発生を防止するとともに、悪臭の発
生を防止して良好な衛生状態に保持することができると
ともに、不快感を解消することができるようにした敷物
を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的手段は、網地により形成された袋体に
合成樹脂製の中空パイプ状チップが充填され、上記袋体
の表裏が所望ブロックに縫着されて上記中空パイプ状チ
ップの移動が規制されたものである。

【０００７】そして、上記技術的手段において、網地を
２００〜７００デニールの高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系樹脂のモノフィラメント
により形成し、また、網地にラッセル網地を用いるのが
好ましい。

【０００８】また、網地を２〜２０ｍｍの角目に形成
し、中空パイプ状チップを直径３ｍｍ〜２０ｍｍ、長さ
５ｍｍ〜３０ｍｍの間で選択するのが好ましい。

【０００９】また、中空パイプ状チップに抗菌性、防か
び性、消臭性を付与することができ、中空パイプ状チッ
プに抗菌性、防かび性、消臭性を付与するには、中空パ
イプ状チップの成型後に抗菌剤、防かび剤、消臭剤を付
着させてもよいが、中空パイプ状チップの成型時に抗菌
剤、防かび剤、消臭剤を混入するのが好ましい。また、
網地に抗菌性、防かび性、消臭性を付与することがで
き、網地に抗菌剤、防かび性、消臭性を付与するには、
モノフィラメントの成型後に抗菌剤、防かび剤、消臭剤
を付着させてもよいが、モノフィラメント成型時に抗菌
剤、防かび剤、消臭剤を混入するのが好ましい。

【００１０】

【作用】上記のように構成された本発明によれば、袋体
が網地により形成され、袋体に合成樹脂製の中空パイプ
状チップが充填されているので、良好な通気性を得るこ
とができ、洗濯も可能となる。しかも、使用者の体が点
接触状態に近いので、床擦れ防止に寄与することができ
る。また、袋体の表裏を所望ブロックに縫着することに
より、中空パイプ状チップの移動を規制して全体にほぼ
均一に分布させることができる。

【００１１】また、中空パイプ状チップに抗菌性、防か
び性、消臭性を付与することにより、使用者の排泄物等
による雑菌やかびの発生を防止するとともに、悪臭の発
生を防止することができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図１は本発明の一実施例における敷
物を示す全体の一部切欠概略平面図、図２は図１の一部
拡大断面図、図３は同敷物に用いる中空パイプ状チップ
を示す拡大斜視図である。

【００１３】図１および図２に示すように、繊度が２０
０〜７００デニールの高密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂のモノフィラメントによ
り２ｍｍ〜２０ｍｍの角目のラッセル網地１が編まれ、
このラッセル網地１が二つ折りされ、連続していない三
辺が縫着されて袋体２が形成されている。この袋体２
は、例えば、寝具用として適するように幅が約７０ｃ
ｍ、長さが約２００ｃｍ、若しくは幅が約２００ｃｍ、
長さが約２００ｃｍに形成され、内部に図３に示す合成
樹脂製の中空パイプ状チップ３が多数充填されている。
各中空パイプ状チップ３はポリエチレン、ポルプロピレ
ン等のポリオレフィン系樹脂により成型され、成型時に
銀系無機化合物、シリコン第４級アンモニウム塩のよう
な抗菌剤や防かび剤が０．５〜７％混入されるととも
に、天然物である緑茶から抽出されたフラボノイド系化
合物、鉄−オクタカルボキシフタロシアニンのような消
臭剤が０．５〜７％混入され、抗菌性、防かび性、消臭
性が付与されている。ラッセル網地１もモノフィラメン
ト成型時に中空パイプ状チップ３と同様にして抗菌剤、
防かび剤、消臭剤が混入され、抗菌性、防かび性、消臭
性が付与されている。

【００１４】袋体２の表裏がミシン糸４により所望間隔
で格子状に縦横に縫着されて中空パイプ状チップ３が袋
体２内で移動するのを規制され、袋体２内の全体に中空
パイプ状チップ３がほぼ均一に分布するようになってい
る。

【００１５】上記のように本実施例の敷物５は、袋体２
と、この袋体２内に充填された中空パイプ状チップ３と
から構成されているので、良好な通気性を得ることがで
き、洗濯も可能となり、衛生的である。そして、敷物５
上に使用者が寝た際、使用者の体が点接触に近い状態で
接触することになるので、床擦れ防止に寄与することが
できる。また、袋体２の表裏をミシン糸４により縦横に
縫着して中空パイプ状チップ３の移動を規制し、しか
も、袋体２の中空パイプ状チップ３が引っかかりやすい
ラッセル網地１を用いているので、中空パイプ状チップ
３を全体にほぼ均一に分布させ、取扱いの際の操作性を
向上させることができる。また、中空パイプ状チップ３
は勿論のこと、ラッセル網地１にも抗菌性、防かび性、
消臭性を付与しているので、長期使用者の排泄物等によ
る雑菌やかびの発生を防止して良好な衛生状態を保持す
ることができるとともに、悪臭の発生を防止して不快感
を少なく抑えることができる。そして、上記のようにラ
ッセル網地１のフィラメント、中空パイプ状チップ３の
成型時に抗菌剤、防かび剤、消臭剤を混入することによ
り、それらの効果を長期間にわたって発揮することがで
きる。

【００１６】次に、本発明の試験例について説明する。
ポリエチレンである三菱化成（株）製のノバテックＥＴ
ＯＩＯＭ（商品名）１００部に対し、銀系無機化合物を
配合した防菌（防かび）剤マスターバッチである石塚硝
子（株）製のイオンピュアー（商品名）１０部と、緑茶
から抽出したフラボノイド化合物を配合した消臭剤マス
ターバッチである白井松新薬（株）製のＦＳ（商品名）
１０部を配合し、内径８ｍｍ、外径１０ｍｍの中空パイ
プを押出成型した。この中空パイプを長さ１５ｍｍに切
断して中空パイプ状チップ３を製作した。また、上記配
合で２８０デニールのモノフィラメントを成型し、この
モノフィラメントにより５ｍｍの角目のラッセル網地１
を製作し、このラッセル網地１により製作した袋体２に
上記中空パイプ状チップ３を充填した。一方、比較例と
して防菌（防かび）剤と消臭剤を添加しないで上記と同
様の大きさの中空パイプ状チップを製作した。また、防
菌（防かび）剤と消臭剤を添加していないラッセル網地
で製作した袋体に上記防菌（防かび）剤と消臭剤を添加
していない中空パイプ状チップを充填した。

【００１７】そして、上記本発明実施例と比較例の一部
を温度３５℃の培養室で培養した大腸菌とブドウ状球菌
の中に入れて抗菌性を測定した結果は表１のとおりであ
った。

【００１８】

【表１】

【００１９】上記表１から明らかなように本発明実施例
は６時間以内に減菌効果を発揮したが、比較例では勿
論、減菌効果を発揮することはできなかった。また、本
発明実施例に用いた銀系無機化成物を配合した石塚硝子
（株）製のイオンピュアー（商品名）は、揮発せず、毒
性も極めて少なく、しかも、水にほとんど溶解すること
なく、抗菌性の効果を長期間にわたって持続することが
できることもわかった。

【００２０】また、上記本発明実施例と比較例の一部を
用い、湿度９０％、温度３０℃の培養室で卵白、白菜の
汁を塗布し、７日〜１４日の培養期間放置してかびの発
生状況を観察した結果は表２のとおりであった。

【００２１】

【表２】

【００２２】上記表２から明らかなように銀系無機化合
物を添加した本発明実施例では１４日間放置してもかび
の発生はなかったが、無添加の比較例では７日で黒こう
じかびが発生し、本発明実施例によれば、かびの発生を
遅らせることができることがわかった。

【００２３】また、上記本発明実施例と比較例の中空パ
イプ状チップを袋体の一部に２０個ずつ収めて３５０ｍ
ｌの密閉容器に入れ、一定量の悪臭物であるアンモニ
ア、トリメチルアミンを加えて密閉し、３〜２４時間放
置した後、残量する悪臭を検知管、またはガスクロマト
グラフィーにより測定した結果は表３、表４のとおりで
あった。

【００２４】

【表３】

【００２５】

【表４】

【００２６】上記表３から明らかなようにフラボノイド
化合物を添加した本発明実施例は無添加の比較例に比べ
て顕著な消臭効果を得ることができた。

【００２７】なお、上記実施例では中空パイプ状チップ
３を袋体２に封入するように説明したが、袋体２をスラ
イドファスナーにより開閉可能とし、中空パイプ状チッ
プ３を交換することも可能である。また、袋体２の表裏
は格子状に限らず、菱形等の所望の形状でブロック化す
ることができる。また、袋体２をラッセル網地１により
形成すれば中空パイプ状チップ３が引っかかりやすくし
て移動しにくくすることができるが、袋体２の表裏の縫
着により中空パイプ状チップ３の移動を規制するように
しているので、これ以外の網地を用いることもできる。
更に、中空パイプ状チップ３は丸パイプ形に限らず、角
パイプ形でもよい。このほか、本発明は、その基本的技
術思想を逸脱しない範囲で種々設計変更することができ
る。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、袋
体が網地により形成され、袋体に合成樹脂製の中空パイ
プ状チップが充填されているので、良好な通気性を得る
ことができ、洗濯も可能となる。したがって、衛生的に
保持することができる。しかも、使用者の体が点接触状
態に近いので、床擦れ防止に寄与することができ、した
がって、長期使用者の体を傷めないようにすることがで
きる。また、袋体の表裏を所望ブロックに縫着すること
により、中空パイプ状チップの移動を規制して全体にほ
ぼ均一に分布させることができる。したがって、取扱い
の操作性を向上させることができる。

【００２９】また、網地を２００〜７００デニールの高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂のモノフィラメントにより形成することにより、
低コストで十分な強度を得ることができる。

【００３０】また、網地にラッセル網地を用いることに
より、中空パイプ状チップを引っかかりやすくして、更
に効果的に中空パイプ状チップの移動を規制することが
できる。

【００３１】また、網地を２〜２０ｍｍの角目に形成
し、中空パイプ状チップを直径３ｍｍ〜２０ｍｍ、長さ
５ｍｍ〜３０ｍｍの間で選択することにより、体に違和
感を与えないようにすることができる。

【００３２】また、中空パイプ状チップと網地のいずれ
か一方、若しくは両方に抗菌性、防かび性、消臭性を付
与することにより、使用者の排泄物等による雑菌やかび
の発生を防止するとともに、悪臭の発生を防止すること
ができ、したがって、良好な衛生状態に保持することが
できるとともに、不快感を解消することができる。

【００３３】また、中空パイプ状チップや網地のモノフ
ィラメントに、成型時において抗菌剤、防かび剤、消臭
剤を混入して抗菌性、防かび性、消臭性を付与すること
により、揮発性が少なく、それらの効果を長期間にわた
って持続することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における敷物を示す一部切欠
概略平面図である。

【図２】同敷物を示す一部拡大断面図である。

【図３】同敷物に用いる中空パイプ状チップを示す拡大
斜視図である。

【符号の説明】

１ラッセル網地２袋体３中空パイプ状チップ４ミシン糸５敷物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】網地により形成された袋体に合成樹脂製
の中空パイプ状チップが充填され、上記袋体の表裏が所
望ブロックに縫着されて上記中空パイプ状チップの移動
が規制された敷物。
【請求項２】網地が２００〜７００デニールのポリオ
レフィン系樹脂のモノフィラメントにより形成された請
求項１記載の敷物。
【請求項３】網地がラッセル網地である請求項１また
は２記載の網地。
【請求項４】網地が２〜２０ｍｍの角目に形成され、
中空パイプ状チップが直径３ｍｍ〜２０ｍｍ、長さ５ｍ
ｍ〜３０ｍｍの間で選択される請求項１ないし３のいず
れかに記載の敷物。
【請求項５】中空パイプ状チップが抗菌性、防かび
性、消臭性を付与された請求項１ないし４のいずれかに
記載の敷物。
【請求項６】中空パイプ状チップが、成型時における
抗菌剤、防かび剤、消臭剤の混入により抗菌性、防かび
性、消臭性を付与された請求項５記載の敷物。
【請求項７】網地が抗菌性、防かび性、消臭性を付与
された請求項１ないし６のいずれかに記載の敷物。
【請求項８】網地が、モノフィラメント成型時におけ
る抗菌剤、防かび剤、消臭剤の混入により抗菌性、防か
び性、消臭性を付与された請求項７記載の敷物。