JP3241046U - 融雪マット - Google Patents

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Abstract

【課題】設置面からの熱の漏洩を防止することができる融雪マットを提供する。【解決手段】融雪マット1は矩形状に形成され、発熱を行う面状発熱体2と、電力を供給する電極3と、断熱を行う発泡性断熱材4と、合成樹脂製のカバー5とを備える。面状発熱体2は、ポリエステルフィルム上面に導電性の発熱体を塗布し、その上から合成樹脂製のシートを積層している。電極3は、銅等の導電性部材を用いている。電極3の端部には、圧着端子6によって導線7が接続され、外部の電力に接続される。発泡性断熱材4は、微細紙粉を35~50質量%と、デンプンを50~65質量%含む紙ペレットと、合成樹脂のペレットである樹脂ペレットと、発泡用に水を用いて発泡体としている。この発泡性断熱材4により、面状発熱体2で発する熱が床側に漏れにくくなるため、省電力で有効な融雪ができる。【選択図】図1

Description

本考案は、玄関先や通路、或いは屋根の上などにおいて融雪を行うマットに関する。
降雪地帯においては、玄関先や通路、或いは屋根に積雪が生じた場合、その除去作業が必要になる。玄関先や通路等においては、除雪用のスコップ等を用いて雪を移動させる必要がある。また、屋根の上の積雪は、作業員が屋根の上に上って雪下ろしをする等の処置が必要となる。
降雪地帯において、特に積雪量が多い地方においては、大規模施設等において、床や屋根に融雪用のヒーターを設置することが行われている。このような設備がある施設では、除雪や雪下ろし等を行う必要はない。一方で、一般家庭や小規模な施設等においては、このようなヒーターの設置は、費用の面で難しいことが多い。
特許第3997179号公報
特許文献1には、ポリエステルフィルムの上面にニッケルインヂウム酸化化合物を添加した塗料を塗布し、その面にポリエステルフィルムを積層被覆し、両端に電極を圧着接合し電極部に電源を接続した発熱体、及びこの発熱体の上面及び下面をゴム部材で被覆した融雪マットが開示されている。
特許文献1の発熱体及び融雪マットは、工事等を必要とせず、電源を準備すれば必要な箇所に設置することができるため、一般家庭や小規模な施設においても手軽に設置することができる。
しかしながら、特許文献1の発熱体及び融雪マットは、玄関先等に設置した場合、表面側は融雪が行われるが、裏面側は、玄関先等の床面から熱が逃げてしまうため、エネルギー効率に問題がある。
本考案は、上記課題を解決するために、設置面からの熱の漏洩を防止することができる融雪マットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本考案の融雪マットは、可撓性を有する面状発熱体と、
前記面状発熱体に電力を供給する一対の電極と、前記面状発熱体の一方の面に設けられた板状の発泡性断熱材と、前記面状発熱体、前記電極、及び前記発泡性断熱材を覆う合成樹脂製カバーとを備え、前記面状発熱体が矩形状に形成され、前記電極が線状に形成され、矩形状の前記面状発熱体の対向する一対の側辺に設置されていることを特徴とする。
本考案の融雪マットは、面状発熱体の一方の面に板状の発泡性断熱材が設けられているため、この発泡性断熱材が設けられている面を設置面とすることで、設置面からの熱の漏洩を防止することができる。また、面状発熱体を矩形状に形成し、対向する一対の側辺に線状の電極を設けているため、面状発熱体のほぼ全面から発熱を行うことができる。
本考案の融雪マットにおいては、前記発泡性断熱材が、樹脂成分に対して50質量%以上の天然成分を含んだ原料から形成されていることが好ましい。発泡性断熱材がこのような原料から形成されていることにより、樹脂成分のみの発泡体に比べて断熱性能を向上させることができる。また、融雪マットにおける樹脂成分を減少させることができ、環境負荷の低減を図ることができる。
本考案の融雪マットによれば、設置面からの熱の漏洩を防止することができると共に、環境負荷の低減が可能な融雪マットを提供することができる。
本考案の実施形態の一例である融雪マットの構成を示す説明図。 融雪マットを建物の玄関先に設置した状態を示す説明図。 融雪マットを屋根に設置した状態を示す説明図。
次に、本考案の実施形態の一例である融雪マット1について、図1乃至図3を参照して説明する。本実施形態の融雪マット1は、図1に示すように、矩形状に形成されており、発熱を行う面状発熱体2と、面状発熱体2に電力を供給する電極3と、断熱を行う発泡性断熱材4と、これらの部材を覆う合成樹脂製のカバー5とを備えている。
面状発熱体2は、特許文献1に記載の発熱体を使用している。具体的には、ポリエステルフィルム上面に導電性の高いニッケルインジウム酸化化合物を添加した塗料をスプレー塗布し、その上から合成樹脂製のシートを積層したものとなっている。
この面状発熱体2は、可撓性を有しており、厚さが薄く、重量も軽量であるため、融雪マット1としての重量を軽量化することができる。また、面状発熱体2は、外部からの曲げにも強く、破損しにくいという特徴がある。特に、融雪マット1は、面状発熱体2の裏面に発泡性断熱材4が装着されているため、この発泡性断熱材4が補強材となり、さらに曲げに強い構成となっている。
電極3は、銅等の導電性部材を用いて線状に形成されている。この電極3は、面状発熱体2の導電性部分に接触するように取り付けられている。電極3の端部には、圧着端子6によって導線7が接続され、外部の電力(図示省略)に接続される。
面状発熱体2は、表面の導電性を有する部分に電流を印加すると、電流が流れる箇所の温度が上昇するようになっている。本実施形態では、面状発熱体2を矩形状に形成し、矩形状の面状発熱体2の対抗する一対の側辺に対向するように電極3を設けている。このため、一対の電極3に挟まれた面状発熱体2のほぼ全体が発熱するように形成されている。
発泡性断熱材4は、板状に形成された発泡体であり、株式会社環境経営総合研究所製の製品名「アースリパブリック(登録商標)」を用いている。具体的には、特許第4594445号公報に記載のとおり、原料として、微細紙粉を35~50質量%と、デンプンを50~65質量%含む紙ペレットと、合成樹脂のペレットである樹脂ペレットとを用いて、発泡用に水を用いて発泡体としている。
樹脂ペレットは、再生樹脂ペレット及び発泡樹脂ペレットを含み、所望の発泡率となるように両ペレットを混合している。本実施形態の融雪マット1に用いられる発泡性断熱材4は、このように樹脂成分に対して、紙及びデンプンを含む天然成分の割合が50質量%以上となるように形成されている。
従って、発泡性断熱材4は、は容器包装リサイクル法におけるリサイクル対象の成分とはならず、一般廃棄物として焼却処分することが可能である。また、発泡性断熱材4の燃焼カロリーを計算したところ、約5900cal/gであった。このように、発泡性断熱材4は燃焼カロリーが低いため、焼却処理する場合であっても焼却炉を傷めるおそれがない。
カバー5は合成樹脂製であり、材質としてはPVC(ポリ塩化ビニル)やEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)等を用いることができる。図1においては、内部構造が視認できるようにカバー5を透明なものとしているが、設置場所に応じてカラーコーディネートができるよう、着色することが可能である。
本実施形態の融雪マット1は、図1においては平面視でほぼ正方形となるように形成されている。この融雪マット1の寸法は、設置される場所に応じて形状及び寸法を任意に変更することができる。
本実施形態の融雪マット1は、上記のような構成であるため、厚さが薄く、軽量で、電源を準備すれば任意の場所に設置することができる。例えば、図2に示すように、建物8の玄関先等に設置する場合、複数の融雪マット1を並べて設置することにより、所望の領域で融雪を行うことができる。
また、本実施形態の融雪マット1は、寸法も自由に決定することができる。例えば、図3に示すように、家屋9の屋根10に設置する場合、融雪マット1の長さを屋根10の長さに合わせて設計し、屋根10の上に複数の融雪マット1を設置して融雪を行うことができる。その際、屋根10に対して融雪マット1を着脱自在とすることにより、融雪が必要な時期にのみ屋根10に融雪マット1を設置し、融雪が不要な時期には融雪マット1を取り外すようにすることもできる。
なお、面状発熱体2の温度を制御する構成として、サーモスタット等を用いるようにしてもよい。また、面状発熱体2としてPTCヒーターを用いてもよい。また、面状発熱体2及び発泡性断熱材4は、上記実施形態では矩形状に形成しているが、形状は設置場所に応じて任意の形状とすることができる。
また、面状発熱体2及び電極3は、フィルム基板上に発熱層及び電極層を印刷することにより形成してもよい。その際、圧着端子6に代えて、フィルム基板用のコネクタを用いるようにしてもよい。
1…融雪マット
2…面状発熱体
3…電極
4…発泡性断熱材
5…カバー
6…圧着端子
7…導線
8…建物
9…家屋
10…屋根

Claims (2)

  1. 可撓性を有する面状発熱体と、
    前記面状発熱体に電力を供給する一対の電極と、
    前記面状発熱体の一方の面に設けられた板状の発泡性断熱材と、
    前記面状発熱体、前記電極、及び前記発泡性断熱材を覆う合成樹脂製カバーとを備え、
    前記面状発熱体が矩形状に形成され、
    前記電極が線状に形成され、矩形状の前記面状発熱体の対向する一対の側辺に設置されていることを特徴とする融雪マット。
  2. 請求項1に記載の融雪マットであって、
    前記発泡性断熱材が、樹脂成分に対して50質量%以上の天然成分を含んだ原料から形成されてなることを特徴とする融雪マット。
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