JP3241008U - トラック - Google Patents

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Abstract

【課題】荷台から下げたアオリに前輪による傷が付くことを防止することができ、トラックの走行に支障を生じることのないアオリ保護装置を備えたトラックを提供すること。【解決手段】荷台から下げたアオリが荷台下の前輪を覆蓋する構造を有するトラックであって、前輪の前方及び/又は後方に装着されるアオリ保護装置20を備え、アオリ保護装置が、緩衝部材7Aとこの緩衝部材を移動させる緩衝部材移動手段7Bとを備え、緩衝部材は、下ろされたアオリにおいて生じるところの車輪に向かう圧力を吸収する柔軟部材を備え、緩衝部材移動手段は、アオリを下すときに、柔軟部材を、車幅の内側から車幅の外側に移動させることにより前輪の前方及び/又は後方に位置させ、アオリを上げるときに、柔軟部材を車幅の内側に移動させる。【選択図】図4

Description

この考案はトラックに関し、特にアオリ保護装置を備えたトラックに関し、さらに詳しくは、アオリを荷台から下ろした状態で例えばフォークリフトで荷台に積荷を上げ下ろしする作業中に意図的に又は意図せずにアオリをフォークリフトで押圧することによりアオリの表面に前輪のディスクホイールの跡形などの傷をつけないようにアオリを保護するアオリ保護装置を備えたトラックに関する。
従来、大型トラック前2軸車のアオリを荷台から下げて、フォークリフトを利用して積荷作業及び荷卸し作業をする場合に、フォークリフトがアオリを強く押圧するようにアオリに接触すると、車輪に装着されたディスクホイールやボルトの跡形がアオリの表面に付くことがある。
このアオリ押圧による跡形の形成を防止する機械、器具、装置、その他のものとして、今までのところ以下のような提案がある。
特許文献1に記載の発明は「弾性変形可能な発泡体で環状盤に形成され、且つその盤厚みがトラックの車輪を構成するディスク面から突出する複数のボルトの各ボルト軸長さよりも大きく設定され、さらに該環状盤には、各ボルトの対応位置に、盤面たる表面から裏面に貫通する通孔が形成されて、前記各ボルトに螺着するナット又はボルトキャップが前記各通孔にそれぞれ挿入することにより該車輪に保持され、アオリを回動させて下げたときに、該アオリが該環状盤の盤面に当たることを特徴とするトラック用アオリ保護具」である。この発明につき、特許文献5では、「発泡体でボルト、ナットが入る穴のある半ドーナツ状又はドーナツ状で凹み傷を防止する緩衝材であって、ボルト、ナットに合わせてアオリを上げた形態で装着する事になるので屈む必要があるし、雨天時の発泡体に付く汚れとアオリの汚れにより生じる擦り傷は明示されていない。」との指摘がある(特許文献5の段落番号0004参照)。この特許文献1に記載の発明は、前記ディスク面に特定形状乃至構造を有する環状盤を装着することにより、アオリに傷が付くことを防止している。
特許文献2には「アオリを架装した車両のホイールを固定しているボルトナットに装着する前記アオリの保護具であって、一端面に前記ボルトナットの挿入口を形成した円筒状胴部の他端側にドーム状先端部を有し、弾性変形する素材からなるキャップ状本体を備え、該キャップ状本体の内部には、前記挿入口から前記ドーム状先端部に向かって大・中・小の三段の前記ボルトナットの挿入部が形成され、前記大の挿入部は前記ナットを軸方向に嵌め込む断面六角形のナット嵌合部とし、前記小の挿入部は前記ナットから突出する前記ボルトの先端部を軸方向に嵌め込む断面円形のボルト嵌合部とし、前記中の挿入部は前記ボルトの先端部の周囲に空洞を形成する中間空洞部として、前記アオリが前記ドーム状先端部に接触したとき前記ドーム状先端部が偏平方向に弾性変形することを特徴としたホイール固定用ボルトナット装着型アオリ保護具。」が開示されている。要するに特許文献2に記載の発明は、ホイールに突出するボルトにキャップ状本体をかぶせることにより、アオリに傷が付かないようにしている。この「ホイール固定用ボルトナット装着型アオリ保護具」につき、特許文献5で、「ボルトナットに装着する筒状のシリコン製で凹み傷を防止するとあるが貫通孔を設けてアオリに接触した時変形して対応することとあるがアオリに付く汚れにより貫通孔がどの様になるかそしてブレーキ熱で水分が付着した時湯気が出る位特に夏場は高温となるがどうなるのか、アオリに付く汚れによる擦り傷には対応策を明示されていない。」との指摘がある(特許文献5の段落番号0004参照)。
特許文献3には「運転室の後方に荷台を備える車両において、荷台の側面を開いた状態の煽りと車軸のアクスルハブとの間に介在して煽りとアクスルハブとの接触を防止する保護板、この保護板を荷台の側面の煽りが閉じるとこれに伴って荷台の床下の格納状態に引き上げる一方で荷台の側面の煽りが開くとこれに伴って煽りとアクスルハブとの間に介入させるように動作する連動機構、を備えることを特徴とする車両の煽り保護装置。」が開示されている。要するに、この特許文献3に記載の発明は、アクスルハブ24と煽り22との間に保護板25を介在させることにより、アオリに傷のつくことを防止するという技術的思想に基づく。この「煽り保護装置」につき、特許文献5で、「保護板をアオリの開閉に伴いワイヤーで連動させて荷台下に収納した所からアオリと車軸のアクスルハブとの間に吊持する保護装置とあり、保護板は自重で撓みを抑えるとあるが、フォークリフトにより保護板がアクスルハブに押し付けられた時の荷台の重量の変化による上下動よるワイヤーの撓み、そして使用した後で荷台下に収納される場合繰り返し使用時の汚れはどうなるのか、アオリに付く汚れによる擦り傷には対応を明示されていない。」との指摘がある(引用文献2の[0004])。
特許文献4には「大型トラックの前輪2軸車及びセミトレーラーのアオリを下げた時、アオリとタイヤのボルト、ナット等との間に挟み込む様に位置を安定させて、脱着可能にした固定具を有する事を特徴とする緩衝具。」が開示されている。要するに、この特許文献4に記載の発明は、タイヤのボルト及びナット等とアオリとの間に緩衝具を介在させることによりアオリにボルトやナットによる傷付きを防止することを技術的思想としている。この緩衝具につき、特許文献5では、「緩衝材にコの字形に滑り止めを設けてアオリ上面に被せる様に使用する上部固定具やアオリ上面で輪状の回転部で反転させて共に下部の固定具として吸着性、磁力性で使用するとなっており、緩衝材は折り曲げ、衝撃に強い材質と衝撃を吸収しやすい材質とで使用するとあるが緩衝材の材質は具体的にどの様な物質か明示していない。下部の固定具として吸着性についてはアオリの汚れに対してどうなるか、磁力性の固定具はアオリを下げた時不自然である。荷台の上下動が生じる擦り傷には対応を明示していない。」との指摘がなされている(特許文献5の[0004]参照)。
特許文献5には、「大型トラック前2軸車の第二軸線上のアオリ前面に位置することが可能な平面重層体の緩衝材であって、アオリとの間が隙間空間になる様に緩衝材上部に着脱可能な固定具を有する事を特徴とする新大型トラックアオリ保護緩衝具」が開示されている。特許文献5に記載の発明は、大型トラック前2軸車の第二軸線上のアオリ前面とホイールのボルト、ナットとの間に「新大型トラックアオリ保護緩衝具」を介装させることにより、ボルト、ナットによる傷がアオリ表面に付くことを防止するという技術的思想を基にしている。またこの特許文献5においてアオリ保護装置に関連する装置を紹介する文献として紹介された特開2013―032808号公報にはアオリ保護装置に関連する発明が開示されていない。
特許文献6における特許出願人及び発明者は本願実用新案登録出願人及び考案者と同一である。特許文献6に係る発明は、「荷台から下げたアオリが荷台下の前輪を覆蓋する構造を有するトラックにおいて、前記前輪の前方及び/ 又は後方であって、前記荷台の下方に位置する支柱に装着されたアオリ保護装置を備え、前記アオリ保護装置が、シャーシの中心軸線方向に直交する水平な幅方向に直交する平面内にある軸芯を中心にして回転可能な回転軸と、この回転軸に取り付けられるとともに、平坦面及びこの平坦面とは反対側に凸状に形成された緩衝部材を備えた回動体とを備え、前記回動体を回転させて前記平坦面を車幅の外側に向く垂直面にしたときに、前記平坦面がそのトラックの車幅を超えないように設定され、かつ、前記平坦面を車幅の内側に向く垂直面にしたときに、前記平坦面に直交する方向における前記緩衝部材の先端部の位置が、前記直交する方向において、前記車幅よりも外側となるように設定されてなることを特徴とするトラック。」である。
なお、特許文献6の審査の過程で引用された文献として特許文献7及び特許文献8がある。
特許文献7に記載された発明は、煽り22の表面に傷が付くことを防止するために、アクスルハブ24と煽り22との間に保護板25を介装することを技術的思想としている。
特許文献8に記載された考案は、荷箱2(荷台)の下方に設けられたサイドスカートすなわち垂下壁に固定的に設置されたあおり受6により、側あおり(あおり)3に傷のつくことを防止しようとするものである。
実用新案登録第3150180号公報 特開2018-135055号公報 特開2006-044556号公報 特開2009-1253号公報 特開2019-182419号公報 特許第7043154号公報 特開2006-44556号公報 公開実用平成2-121484号公報
この考案の課題は、荷台から下げたアオリが荷台下に位置する前輪を覆蓋する構造を有するトラックにおけるそのアオリに前記前輪による傷が付くことを防止することができるとともに、アオリ保護装置の装着によってもトラックの走行に支障を生じることのないアオリ保護装置を有するトラックを提供することである。
さらに言うと、この考案の課題は、荷台下にある前輪のホイールディスクに装着する緩衝部材等を不要とし、したがってホイールディスクに緩衝部材等を装着する操作や作業をする必要がなく、トラックの走行に支障を生じさせることなくアオリに前記前輪による傷が付くことを防止することができるアオリ保護装置を有するトラックを提供することである。
この考案は、ホイールディスクとアオリとの間にアオリ保護装置を介装させることなく、アオリに傷が付かないようにすることのできるアオリ保護装置を有するトラックを提供することを課題とする。
また、この考案の課題は、特許文献6に記載されたあおり保護装置とは異なる簡単な機構を有するあおり保護装置を備えてなるトラックを提供することである。
前記課題を解決するためのこの考案の手段は、
(1)荷台から下げたアオリが荷台下の前輪を覆蓋する構造を有するトラックであって、
前記前輪の前方及び/又は後方に装着されるアオリ保護装置を備え、
前記アオリ保護装置が、緩衝部材とこの緩衝部材を移動させる緩衝部材移動手段とを備え、
前記緩衝部材は、下ろされたアオリにおいて生じるところの前記車輪に向かう圧力を吸収する柔軟部材を備え、
前記緩衝部材移動手段は、アオリを下すときに、前記柔軟部材を、車幅の内側から前記車幅の外側に移動させることにより前記前輪の前方及び/又は後方に位置させ、アオリを上げるときに、柔軟部材を車幅の内側に移動させることを特徴とするトラックであり、
(2) 前記緩衝部材移動手段は、前記柔軟部材を支持するとともに車幅の外側と車幅の内側とに前記柔軟部材を移動可能に配置された支持部と、この支持部を移動させる移動機構とを備えてなる前記(1)に記載のトラックであり、
(3) 前記移動機構が、前記支持部に設けられたラックと前記ラックに歯合するピニオンとからなる前記(2)に記載のトラックであり、
(4) 前記移動機構が、前記支持部を移動させるジャッキである前記(2)に記載のトラックであり、
(5) 前記支持部が、時計方向又は反時計方向に柔軟部材を移動可能にする履帯(りたい)であり、前記移動機構が、前記履帯を巻回する駆動輪及び従動輪を備える前記(2)に記載のトラックである。
荷台の運転席部分寄りに配置される車軸の両端に装着された車輪はタイヤとディスクホイールとで形成され、そのタイヤの側面から一部が突出するようにディスクホイールがタイヤに装着されている。したがって、アオリを不用意に下げたときや、荷台からアオリを下げた場合にフォークリフトなどによる外力でアオリを押圧したときに、この考案におけるアオリ保護装置が装備されていないと、前記ディスクホイールやこれに装着されたボルトによる傷や跡形がアオリの表面に付く恐れがある。
しかしながら、この考案におけるアオリ保護装置が装備されていると、前記傷や跡形がアオリの表面に形成されることが防止される。しかも、トラックの走行時には、トラックの車幅を超えてアオリ保護装置が取り付けられていないので、アオリ保護装置を装着したトラックは安全に走行することができる。
この考案におけるアオリ保護装置は、アオリを荷台から下げるときに一々荷台の下部に装着乃至設置する必要がなく、また、大型トラックの荷台下部にこのアオリ保護装置を装着乃至設置してしまった後においては、このアオリ保護装置を終始装着乃至設置したままにしておけるので、従来のように荷台からアオリを下げた場合に積荷の上げ下げの作業をする度ごとに車輪のディスクホイールに緩衝部材を装着したり、これを取り外したりするなどの煩雑な作業をなくすることができる。このアオリ保護装置を装着したトラックが走行するときに、アオリ保護装置が、特にアオリ保護装置における緩衝部材が幅方向に突出していないので、トラック走行時にアオリ保護装置がトラック外部の何かに接触して事故を起こすことがなく、トラックを安全に走行させることができる。
また、このアオリ保護装置はトラックに装備されているので積荷の上げ下ろしの操作毎にこのアオリ保護装置をトラックに一々装着するという煩雑さがない。
また、この考案におけるアオリ保護装置は、アオリを上げているときには、緩衝部材移動手段により、柔軟部材を備えた緩衝部材を、車幅の範囲内に移動させているので、このアオリ保護装置を装備するトラックの走行に支障をきたすことがなく、また、トラックの停車時にアオリを下したときには緩衝部材移動手段によりこの緩衝部材を車幅の外側に移動させているので、アオリに車輪のディスクホイールによる傷や跡形をつけることがない。
この考案は、セミトレーラ(又は、セミトレーラー)と称されるトラックにも適用することができる。
図1は、この考案の一例であるアオリ保護装置を設置したトラックの側面を示す側面図である。 図2は、この考案の一例であるアオリ保護装置をサイドガードに取り付けた状態を示す正面図である。 図3は、この考案の一例であるアオリ保護装置を装着する低床4軸車の平面を示す説明図である。 図4は、この考案の他の例であるアオリ保護装置を示す原理的説明図である。 図5は、この考案のその他の一例であるアオリ保護装置を示す原理的説明図である。 図6は、この考案のその他の一例であるアオリ保護装置におけるジャッキの回動部分を示す原理的説明図である。 図7は、この考案の更にその他の一例であるアオリ保護装置を示す原理的説明図である。
この考案におけるアオリ保護装置は、荷台から下げたアオリが荷台の下方に装備されている前輪を覆蓋する構造を有するトラックにおける前記前輪の前方及び/又は後方であって、前記荷台の下方に垂下するととともに、シャーシに支持される支柱に装着される。
トラックは、通常、運転席部分と運転席部分の後方に配置される荷台とを備える。
大型トラックには、前2軸タイプ3軸車及び低床4軸車などがある。
前2軸タイプ3軸車は、運転席部分の下方に配置される一本の車軸の両端に装着される車輪と、荷台下の前部つまり荷台における運転席に近い下方に配置される一本の車軸(一軸)の両端に装着される車輪及び荷台の後部における下方に配置される一本の車軸(一軸)の両端に装着される車輪とを備える。このような構造のトラックは車軸が3本であり、トラックを横から観察するとトラックの中央よりも前側に二本の車軸を備えるので、前2軸タイプであり、しかも車軸が3軸であるから「前2軸タイプ3軸車」と称される。この前2軸タイプ3軸車の荷台下における前部に配置される車輪の側面に装着されたホイールディスクは車輪の側面から突出している。したがって、アオリを下したときにこのホイールディスクがアオリに接触する可能性がある。故に、ホイールディスクによる傷付きを防止するために例えばこの前2軸タイプ3軸車はこの考案のアオリ保護装置を装備する対象車となる。
低床4軸車は、運転席部分の下方に配置される車軸の両端に装着される車輪と、荷台の前部における下方に配置される一本の車軸(これを一軸と称することがある。)の両端に装着される車輪、及び荷台の後部の下方に互いに隣接する一対の車軸(これを二軸と称することがある。)の両端にそれぞれ装着される車輪と、を備える。このような構造のトラックは車軸が4本であるから「低床4軸車」と称される。
この考案に係るアオリ保護装置は、荷台にアオリが装着されており、前2軸タイプ3軸車及び低床4軸車などの、荷台の下方であって、荷台の運転席部分寄りに配置される車軸の両端に装着された車輪を備える大型トラックに適用、装着することができる。
図1に示されるように、アオリ保護装置7は、例えば低床4軸車1の大型トラックに設けることができる。
この低床4軸車1は、運転席2の下方に配置される一本の車軸の両端に装着される車輪3と、荷台4の前部における下方に配置される一本の車軸(一軸)の両端に装着される車輪5及び荷台4の後部における下方に配置される一対の隣接する車軸(二軸)の両端に装着される車輪6A,6Bとを備える。
なお、この考案において「荷台の前部」は、車両の荷台を水平面に投影した場合に、車両のシャーシにおける中心軸線方向に直交する水平線であって運転席側に近い荷台投影境界線(荷台の輪郭と認識される線)と車両のシャーシにおける中心軸線方向に直交する水平線であって運転席から遠い荷台投影境界線とが形成されるときに、その二つの荷台投影境界線で挟まれる水平な荷台投影面内において、運転席側に近い荷台投影境界線に近接する領域を意味する。「荷台の後部」は、前記荷台投影面内において、運転席側から遠い荷台投影境界線に近接する領域を意味する。
アオリ保護装置7は、図1に示されるように、サイドガード8と組み合わせて低床4軸車1に装着される。図1には、この低床4軸車1の右側面、すなわち運転席2に対面したときに右側と認識されるトラックの右側面が表示されているが、アオリ保護装置7はこの低床4軸車1の左側面にも設けられる。
なお、図1において、9a及び9bはアオリであり、この低床4軸車1においては、荷台4の側部(シャーシの中心軸線方向に沿う側部)に2枚のアオリ9a及び9bが一列に設置されている。換言すると、荷台4の右側部及び左側部それぞれにアオリ9a及びアオリ9bがその端部を当接するようにして一列に配置されている。10はアオリ9a及びアオリ9bを荷台から下方に下げるための蝶番である。
図1に示されるように、この低床4軸車1に設けられたサイドガード8は、荷台4の下部であって荷台4における前部の車輪5(前部車輪5と称することがある。)と荷台4の下部であって荷台4における後部の車輪6A(後部前車輪6Aと称することがある。)との間に設けられる。つまり、このサイドガード8は荷台4の下方に位置する前輪5の後方に配置されている。
なお、この低床4軸車1においては、後部の車輪は車輪6Aと車輪6Bとを備え、前部の車輪5に近いほうの車輪を後部前車輪6Aと称し、前部の車輪5に遠いほうの車輪を後部後車輪6Bと称することがある。
図2に示されるように、アオリ保護装置7を組み込む前のサイドガード8は、シャーシ(図示せず)に結合されて荷台4の側部の下方に縦方向に配置される縦支持部材8Aと、この縦支持部材8Aと同様にしてシャーシに結合されて荷台4の側部の下方にこの縦支持部材8Aに対して並行に配設された他の縦支持部材8Bとを有し、この一対の縦支持部材8Aと縦支持部材8Bとにかけ渡された上部横桟部材8Cと、この上部横桟部材8Cの下方に並行に配設された下部横桟部材8Dと、この上部横桟部材8C及び下部横桟部材8Dの間に位置するように縦支持部材8Aと他の縦支持部材8Bとに掛け渡された中央横桟部材8Eとを備える。
この実施例においては、図2に示されるように、アオリ保護装置7は、サイドガード8に組み込まれている。つまり、このアオリ保護装置7は、サイドガード8を利用して低床4軸車1に組み込まれている。
このアオリ装置7は、上部横残部材8Cと中央横残部材8Eとの間に、緩衝部材7Aが位置するように、配置されている。なお、図1及び図2には、緩衝部材移動手段は緩衝部材7Aの背後にあるので図示されていない。
この緩衝部材7Aが車輪5(前輪)の後方に配置されることは従来のアオリ保護装置と区別される事項であって、車輪5とアオリ9aとの間に緩衝部材を介在させることによりアオリ9aに傷が付くことを防止する従来の方式又は構造とは全く相違する。
この緩衝部材7Aは、図3に示されるように、低床4軸車1の幅(車幅)において低床4軸車1のシャーシの中心軸線に直交する水平な幅方向において前記中心軸線から124.5(2490÷2)cmの範囲内に配置される。
このアオリ保護装置7は、その緩衝部材7Aが、車輪(前部車輪)5におけるホイールの上端(タイヤ接地面から最も高い位置)及び下端(タイヤ接地面から最も低い位置)をそれぞれ並行移動した上端仮想線と下端仮想線との範囲内に設置されるように設計されることが好ましい。
なお、図3において、11で示すのは、低床4軸車1におけるシャーシの中心軸線方向における中心軸線を示し、3Xで示すのは運転席の下部に配置される車輪3を支持する車軸の中心線を示し、5Xで示すのは荷台4の下部であってその前部に装着される前部車輪5を支持する車軸の中心線であり、6AXで示すのは荷台4の下部であって後部前車輪6Aを支持する車軸の中心線であり、6BXで示すのは荷台4の下部であって後部後車輪6Bを支持する車軸の中心線であり、Wで示されるのは車幅であり、この低床4軸車にあっては2490mmである。
この実施例におけるアオリ保護装置7は、低床4軸車における取り付け位置が重要である。この実施例に係るアオリ保護装置7は、トラックに法的に規制された最大横幅の範囲内に装着される。すなわち、このアオリ保護装置7は、緩衝部材7Aの外側面、すなわち緩衝部材7Aの端面がトラックの側面外側に向かうように位置するときに、その緩衝部材7Aの端面が、トラックに法的に規制された最大横幅つまり車幅の範囲内にあり、緩衝部材7Aがその機能を発揮するときには、緩衝部材7Aがトラックに法的に規制された最大横幅つまり車幅の範囲外にあるように、トラックに設置される。トラックの車幅(横幅と認識することもできる。)は、「道路運送法車両の保安基準の細目を定める告示[2020.12.25]」の第84条第2項第2号により「幅については、自動車の最も側方にある部分(大型特殊自動車又は小型特殊自動車以外の自動車に備えられる回転するタイヤ、ディスクホイール及びこれに付随して回転する部分並びに方向指示器のうち自動車の両側面に備えるもの(第137条第3項第4号により中央部に備えるものを除く。第100条第4項第10号において同じ。)を除く。)を基準面に投影した場合において、車両中心線と直交する直線に平行な方向の距離」と定義される。この自動車の幅(つまり横幅)は、「道路運送車両の保安基準[2019.11.15]」の第2条第1項に「自動車は、告示で定める方法により測定した場合において、・・・、幅2.5m、・・を超えてはならない」と規定されている。個々の自動車には、個々の自動車について発行された「車検証」があり、その車検証にその自動車の「幅」(つまり横幅)が明記されている。この考案に係るアオリ保護装置は車検証に記載された幅つまりは車幅を超えないように設置される。この実施例においては、例えば低床4軸車1の車幅は2.49mであるから、アオリ保護装置はその緩衝部材7Aがこの車幅を超えないように設置される。
図1に示されるようにアオリ9a,9bを荷台4の下に下げずに上に上げている状態である低床4軸車1では、その右側、つまり、低床4軸車1の運転席に向かって右側)に設けられたアオリ保護装置7は、図3に示されるように、その緩衝部材7Aが低床4軸車1の幅(車幅)において低床4軸車1のシャーシの中心軸線に直交する水平な幅方向において前記中心軸線から124.5(2490÷2)cmの範囲内、つまり車幅の範囲内にあり、通常はその板状体7Fの平坦面7Hは低床4軸車1の中心軸線から水平面内で124.5cmとなるように配置される。なお、このアオリ保護装置7は、緩衝部材7A、車輪(前部車輪)5におけるホイールの上端(タイヤ接地面から最も高い位置)及び下端(タイヤ接地面から最も低い位置)をそれぞれ並行移動した上端仮想線と下端仮想線との範囲内に設置されるように設置される。
この考案の一実施例をさらに説明する。
例えば、アオリ保護装置20は、図4に示されるように、緩衝部材7Aと緩衝部材移動手段7Bとで構成される。
図4に示されるアオリ保護装置20における緩衝部材7Aは、基台例えば板状体7Cの一方の面に所定の形状及び容積を有して形成される。緩衝部材7Aの形状は、アオリ9a,9bに加えられた圧力を吸収してアオリ9a,9bが前輪5のホイールに接触することがないように機能する限り様々の形状を採用することができ、例えば立方体、直方体、断面円形の円柱体を縦割りにした形体、アオリに向かって凸の断面三角形の三角柱体などを挙げることができる。緩衝部材の容積は、アオリがこの緩衝部材7Aに当接している場合に、アオリが例えばフォークリフトから大きな押圧力を受けたときに、その押圧力を吸収して緩衝部材それ自体が変形し、その結果としてアオリが大型トラックの車輪に装着されたホイールに当接することができないようにすることのできる十分な容積に決定される。
この緩衝部材7Aは、この緩衝部材7Aに加わる圧力及び衝撃を吸収し、分散することのできる弾性変形可能な素材で形成することができ、例えば硬質ゴム、樹脂発泡体、シリコーンゴム、硬質樹脂、軟質樹脂等で形成することができる。
また、この緩衝部材移動手段7Bは、図4に示されるように、緩衝部材7Aの前後進を以下のように実現している。つまり、緩衝部材移動手段7Bは、車幅ABにおける幅方向12に並行な方向に緩衝部材7Aを前後進させることができ、幅方向12に沿って車幅ABよりもさらに外側に位置することができるように緩衝部材7Aを配置させることができ、しかも、車幅ABにおける幅方向12に並行な方向に緩衝部材7Aを後進させて緩衝部材7Aが車幅ABの外側にはみ出さない位置にこの緩衝部材7Aを配置させることができるように、構成されている。
図4に示されるアオリ保護装置20における緩衝部材移動手段7Bは、ラック14とピニオン15とを備えて形成される。ラック14の一端には、緩衝部材7Aを支持する板状体7Cが配置される。ピニオン15の回転軸芯に結合された駆動手段(図示せず)例えばモータを駆動すると、ピニオン15が回転し、このピニオン15に歯合するラック14が併進移動し、その結果として緩衝部材7Gが車幅ABよりも外側に位置し、また車幅ABの範囲内に位置するようになっている。このラック14とピニオン15はこの考案における移動機構を形成する。なお、駆動手段をオン・オフするスイッチは、運転席2の適宜の位置に配置してもよく、また、アオリ保護装置20の近くの適宜の位置に配置してもよい。
次にこの考案の一実施例であるアオリ保護装置7の作用について説明する。
初期状態として、低床4軸車1の荷台4には貨物が積載されていなくて、アオリ9a,9bが荷台4の側面に立ち上げられているとする。また、フォークリフト(図示せず。)が低床4軸車1から離れた位置に駐車しているものとする。また、この低床4軸車1に装備されているアオリ保護装置20にあっては、初期状態として、緩衝部材7Aの先端部又は外端部が車幅に対して外側に向いているものとする。この低床4軸車1における法定の車幅、つまり車検証に記載された車幅は2490mmである。そうすると、低床4軸車1の運転席に向かって左側に装備されたアオリ保護装置7における緩衝部材7Aの先端部(外端部)から、低床4軸車1の右側に装備されたアオリ保護装置7における緩衝部材7Aの先端部(外端部)までの距離は2490mmとなっている。
フォークリフトでこの低床4軸車1の荷台4に、この荷台4の運転席に向かって右側から貨物を積載する作業は以下の通りである。
先ず、低床4軸車1における右側のアオリ保護装置7における緩衝部材移動手段7Bを駆動することにより緩衝部材7Aを前進させて、緩衝部材7Aが車幅に対して外側に突出するように配置する。
次いで、蝶番10を中心にしてアオリ9a,9bを回動させることにより、アオリ9a,9bを荷台4の端部で立ち上がった状態から荷台4の端部で下げられた状態にする。アオリ9a,9bを下げたときに、アオリ9a,9b外側が緩衝部材7Aに当接することがあるが、緩衝部材7Aによりアオリ9a,9bの外側が凹んだり傷ついたりすることがない。
アオリ9a,9bが下げられた状態で、フォークリフト等によりフォークに積載した貨物を荷台4に積み込む動作を、例えば以下のようにして行う。
荷物を上面に積載してあるパレットが、低床4軸車1から離れた場所に設置してあるとする。そこで、フォークリフトのフォークを、前記パレットの挿入穴に、挿入する。挿入穴にフォークを挿入してあるパレットを地面から少し浮かせた状態で、フォークリフトを低床4軸車1の荷台4の側面、例えば右側側面の近くに移動させる。低床4軸車1の荷台4近くにフォークリフトを駐車させた状態で、フォークリフトのマストに沿ってフォークを上昇させる。フォークに支持されたパレットの下面が、低床4軸車1の荷台4の上面よりも高い位置になっていることを確認してから、フォークリフトを低床4軸車1の側面に向かってさらに前進させ、荷台4から下げられているアオリ9a,9bの直前でフォークリフトを停止させるとともに、フォークにより持ち上げられているパレットを荷台4の上面の上方に位置させる。次いで、フォークリフトを駐車させたまま、パレットが荷台4の上面に載置されるようにフォークを下降させ、パレットを荷台4の上面に載置する。
人手により、あるいはウインチを使うことなどにより、荷台4の上面に置かれたパレットの上にある荷物を、荷台4のしかるべきところに、移動し、配置する。
次いで、フォークを上昇させて、荷物を取り除いたパレットを荷台4の上面から上に持ち上げる。フォークリフトを後退させて、他の荷物を集積してある場所に移動する。この移動に際してフォークリフトのフォークを下降させておいてもよい。
以上の動作において、積荷を積載したパレットを荷台4の高さよりも高い位置に保持したままにして、フォークに保持されたパレットが荷台4の外から荷台4の上面にパレットを移動させるときに、フォークリフトは荷台4の側面方向から荷台4に向けて前進し過ぎてフォークリフトのマストが荷台4のアオリ9a,9bに衝突することがある。フォークリフトの前進によりアオリ9a,9bに低床4軸車1の側方からアオリ9a,9bに力が加わっても、アオリ9a,9bにはアオリ保護装置7における緩衝部材7Aが当接しているので、アオリ9a,9bが、車輪のディスクホイールの凸状部分やボルトの頭に、押し付けられることがない。したがって、アオリ9a,9bの表面にディスクホイール等による傷が付くことが防止される。
低床4軸車1の荷台4に所定の荷物ないし貨物を搭載し終わると、低床4軸車1の側面に下げていたアオリ9a,9bを立ち上げる。
その後、アオリ保護装置7における緩衝部材移動手段7Bを駆動することにより、具体的にはピニオン15の回転軸芯に結合された駆動手段(図示せず。例えばモータと回転運動伝達手段と要すれば減速手段との組み合わせなど。)を駆動することにより、ピニオン15を回転させ、このピニオン15の回転によりラック14を後退させ、緩衝部材7Aの外端部が車幅の内側に位置するところで、ピニオン15の回転を停止する。その結果、緩衝部材7Aの外端部が車幅の内側に位置しているので、このトラック1は緩衝部材7Aによる走行障害がなく、安全なトラック走行が実現される。
以上、この考案の一実施例について説明したが、この考案は前記実施例に限定されるものではなく、この考案の範囲において様々の変形例がある。
変形例として例えば、緩衝部材7Aを車幅の内側から車幅の外側に移動させる移動の軌跡がカーブを描くように緩衝部材移動手段を構成してもよい。
この考案におけるアオリ保護装置は、図1及び図2を用いて既に説明したように、サイドガード8と組み合わせて低床4軸車1などの大型トラックに装備されることができる。つまり、サイドガード8を形成する隣接する二本の横桟部材例えば上部横桟部材8Cと中央横桟部材8Eとの間にアオリ保護装置7における緩衝部材7Aを配置することのできる十分な空間があるときにはその二本の横桟部材8C,8Eの上下間に、また、サイドガード8を形成するところの隣接する上部横桟部材8C及び中央横桟部材8Eの間に緩衝部材7Aを配置することのできる十分な空間がないときには、中央横桟部材8Eを除去することにより緩衝部材7Aを配置することのできる空間を確保してその空間内にアオリ保護装置7、特に緩衝部材7Aを設置することができる。
出荷後の大型トラックに、後付けでこのアオリ保護装置7を装着することができ、また、新車である大型トラックにおける実装品としてこのアオリ保護装置7を装着することもできる。
前記実施例に係るアオリ保護装置7は、低床4軸車1の荷台4下にある前部車輪5の後方に配置されているが、この考案では、アオリ保護装置7は前記前部車輪5の前方に配置されていてもよく、また、前記前部車輪5の前方及び後方の二か所に配置されていてもよい。また、いうまでもないが、このアオリ保護装置7は、通常、大型トラックの運転席に向かって右側と左側との両方に装備されていてもよく、また場合によっては前記右側と左側とのいずれかだけに装備されていてもよい。
この考案におけるアオリ保護装置は、このアオリ保護装置を装備するトラックが走行するときには緩衝部材がそのトラックの車幅の範囲内に配置され、駐車するトラックの荷台に貨物の積み下ろし作業をするときには緩衝部材がそのトラックの車幅の範囲を超えて車幅の外側に位置するように緩衝部材の位置を変更することができる限り、前記実施例の態様に限定されない。
この考案におけるアオリ保護装置の他の具体例として、図5に示すアオリ保護装置17Bは、緩衝部材7Aと緩衝部材移動手段であるジャッキ17Cとを備える。このジャッキ17Cはパンタグラフ型ジャッキである。
図5及び図6に示されるように、このジャッキ17Cは、座板30に一方端が枢着された一対の下側アーム31,31と、押上げ板32に一方端が枢着された一対の上側アーム33,33と、操作側の連結メタル34に被嵌されたストッパー35と、連結メタル34の支承孔34aに挿通されると共に、作動側の連結メタル35のめねじ孔35aに螺合されるねじ棒36からなり、しかもこのねじ棒36は、前記ストッパー35が被嵌された状態で、前記支承孔34aに挿通されることによる、このねじ棒36のリンク機構内側部位に形成された係合周段部37への前記ストッパーの係止爪の係止により、回転自在かつ軸線方向移動不能に組付けられている。
このねじ棒36は、このねじ棒36を回転させる駆動手段例えばモータ39の回転軸と結合している。モータ39の駆動は、例えばトラックの運転席に設けられたオン・オフのスイッチ、あるいはトラックの側面部の適宜の位置に設けられるオン・オフのスイッチで行うことができる。
座板30は、トラックのシャーシに直接に取り付けられた部材、又はシャーシに直接に取り付けられた部材の適宜位置にさらに取り付けられた固定的部材に取り付けられる。要するに、この座板30は、このパンタグラフ型ジャッキを固定的に設置することができる限り、適宜の固定位置に固定される。
この考案における支持部である押上板32に設置される緩衝部材7Aは、図4に示すアオリ保護装置20に採用される緩衝部材7Aと同様の素材又は材質を以って形成することができる。また、この緩衝部材7Aをトラック1の右側面から見た形状は適宜に決定することができる。
また、この緩衝部材移動手段は、図5に示されるように、緩衝部材7Aの前後進を以下のように設計している。つまり、緩衝部材移動手段は、車幅ABにおける幅方向12に並行な方向に緩衝部材7Aを前後進させることができ、幅方向12に沿って車幅ABよりもさらに外側に位置することができるように緩衝部材7Aを配置させることができ、しかも、車幅ABにおける幅方向12に並行な方向に緩衝部材7Aを後進させて緩衝部材7Aが車幅ABの外側にはみ出さない位置にこの緩衝部材7Aを配置させることができるように、構成されている。
なお、前記緩衝部材移動手段は緩衝部材を前後進させることができる限り、前記パンタグラフ型ジャッキに限らず、他のねじジャッキなどの機械式ジャッキ、油圧ジャッキなどの液体作動式ジャッキ、エアージャッキなどの空気作動式ジャッキを利用して形成することもできる。
図7に、この考案の更に別の変形例を示す。
図7に示されるアオリ保護装置40は、緩衝部材7Aと、この緩衝部材7Aを車幅の内側から前記車幅の外側に移動させることのできる緩衝部材移動手段41とを有する。なお、この図7において車幅はA点からB点までの幅を言う。
緩衝部材7Aは、柔軟な部材例えば硬質ゴム、樹脂発泡体、シリコーンゴム、硬質樹脂、軟質樹脂等で形成される。この緩衝部材7Aの形状は、アオリの圧力を受け止めることができる限り様々の形状を採用することができる。柔軟部材の形状として、直方体、立方体、三角錐、円柱体、円筒体などを挙げることができる。また、この緩衝部材7Aの個数には特に制限がない。図7に示される緩衝部材7Aは7個である。
この緩衝部材移動手段41は、緩衝部材7Aを配置する支持部42と、この支持部42を駆動する駆動輪43及び従動輪44を有する移動機構45とを備えてなる。
支持部42は、駆動輪43と従動輪44に駆け渡された履帯である。この履帯としては、クローラ、トラックベルト、キャタピラーなどを挙げることができる。図7に示される履帯はゴム製のベルトで形成される。駆動輪43は動力伝達部材(図示せず。)を介して駆動源例えばモータ(図示せず)により回動可能乃至回転可能になっている。
この緩衝部材移動手段41においては、駆動輪43の回転軸及び従動輪44の回転軸が共に垂直であり、かつ互いに平行になるように駆動輪43と従動輪44とが配設される。
また、駆動輪43及び従動輪44に巻回された、支持部42である履帯としてのベルトの外側表面が、車幅ABの範囲内(換言すると、内側)にあり、しかも履帯の表面に配置された緩衝部材7Aが、その履帯(支持部42)からの最大長さが車幅ABの外側に位置するように、駆動輪43と従動輪44とが配設される。
なお、図7において、45は駆動輪43と従動輪44とを配設するためのフレームであり、46はそのフレームに設けられて駆動輪43と及び従動輪44の回転軸を懸架する支持板である。
図7に示されるアオリ保護装置40は次のように作用する。
このトラックの走行時には、駆動輪43を駆動することにより、履帯であり、具体的にはベルトである支持部42に設置された緩衝部材7Aを、車幅ABの内側に移動させておく。つまり、緩衝部材7Aは車幅ABの外側に突出していない状態にしておく。したがって、このアオリ保護装置40を有するトラックは、走行時に車幅ABの外側に緩衝部材7Aが突出していないので、安全走行をすることができる。
駐車しているこのトラックの荷台4に荷物の上げ下ろしをするとき、駆動輪43を駆動して、支持部42を回動させることにより車幅ABの範囲内にあった緩衝部材7Aを車幅ABの外側に移動させる。次いで、アオリ9a、9bを下ろす。単にアオリ9a、9bを下しただけでは、アオリ9a、9bの表側の面が緩衝部材7Aに接触しているか、間隔を設けて対面しているかの状態になっている。
次いで、フォークリフトを利用してこのトラックの荷台にある荷物の下ろし作業、あるいはトラックの荷台に荷物を積み上げる作業をするときにアオリに圧力がかかってアオリが車幅の内側に向けて移動することがあった場合、アオリの表面に緩衝部材7Aが接触する一方、アオリの表面に車輪のディスクホイールの凸状部分やボルトの頭に、押し付けられることがない。したがって、アオリの表面に傷が付くことがない。
図7に示されるアオリ保護装置40は、駆動輪43と及び従動輪44それぞれの回転軸が、トラックの幅方向とシャーシの中心軸線方向とを含む平面に対して直交する方向になるように、駆動輪43と及び従動輪44を配設しているが、変形例として、駆動輪43と及び従動輪44それぞれの回転軸が、トラックの幅方向とシャーシの中心軸線方向とを含む平面に対して平行となる方向になるように、駆動輪43と及び従動輪44を配設してもよい。
また、緩衝部材7Aを支持部42に結合する態様は、支持部42を設置する緩衝部材7Aが駆動輪43及び従動輪44の曲面を移動するときに緩衝部材7Aが支持部42から分離離脱することがなく、支持部材42の移動に追随して緩衝部材7Aが支持部材42に結合されている限り様々の結合方法を採用することができる。
例えば、緩衝部材7Aが四角い底面形状を有しているときには、緩衝部材7Aの底面と支持部材42例えば履帯、ベルトの表面とが一点の結合部材例えば接着材、ねじなどで結合することができる。
以上この考案について詳述したが、この考案に係るアオリ保護装置は前記実施例に限定されることがなく、この考案の範囲内で様々の変形が存在する。
この考案は、大型トラックの荷台に積載物を積み、あるいは積載物を下す作業をするためにアオリを荷台の下に下ろしたときに、アオリに不用意な力が加わったとしても車輪やホイールの傷痕が付くことを防止することのできるアオリ防止装置として利用することができる。
1 低床4軸車
2 運転席
3 車輪
3X 車軸の中心線
4 荷台
5 車輪(前部車輪)
5X 車軸の中心線
6A 車輪(後部前車輪)
6B 車輪(後部後車輪)
6AX 車軸の中心線
6BX 車軸の中心線
7 アオリ保護装置
7A 緩衝部材
7B 前後進駆動手段
7C ジャッキ
8 サイドガード
8A 縦支持部材
8B 縦支持部材
8C 上部横桟部材
8D 下部横桟部材
8E 中央横残部材
9a,9b アオリ
10 蝶番
11 シャーシの長手方向における中心線
12 トラックの幅方向
13 軸芯方向
14 ラック
15 ピニオン
17B アオリ保護装置
17C ジャッキ
20 アオリ保護装置
30 座板
31 下側アーム
32 押上板
33 上側アーム
34 連結メタル
34a 支承孔
35 ストッパー
35a めねじ孔
36 ねじ棒
37 係合周段部
38 係止爪
40 アオリ保護装置
41 緩衝部材移動手段
42 支持部
43 駆動輪
44 従動輪
45 フレーム
46 支持板
AB 車幅
A 車幅の一端
B 車幅の他端

Claims (5)

  1. 荷台から下げたアオリが荷台下の前輪を覆蓋する構造を有するトラックであって、
    前記前輪の前方及び/又は後方に装着されるアオリ保護装置を備え、
    前記アオリ保護装置が、緩衝部材とこの緩衝部材を移動させる緩衝部材移動手段とを備え、
    前記緩衝部材は、下ろされたアオリにおいて生じるところの前記車輪に向かう圧力を吸収する柔軟部材を備え、
    前記緩衝部材移動手段は、アオリを下すときに、前記柔軟部材を、車幅の内側から前記車幅の外側に移動させ、アオリを上げるときに、柔軟部材を車幅の内側に移動させることを特徴とするトラック。
  2. 前記緩衝部材移動手段は、前記柔軟部材を支持するとともに車幅の外側と車幅の内側とに柔軟部材を移動可能に配置された支持部と、この支持部を移動させる移動機構とを備えてなる前記請求項1に記載のトラック。
  3. 前記移動機構が、前記支持部に設けられたラックと前記ラックに歯合するピニオンとからなる前記請求項2に記載のトラック。
  4. 前記移動機構が、前記支持部を移動させるジャッキである前記請求項2に記載のトラック。
  5. 前記支持部が、時計方向又は反時計方向に柔軟部材を移動可能にする履帯であり、前記移動機構が、前記履帯を巻回する駆動輪及び従動輪を備える前記請求項2に記載のトラック。
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