JP3240534B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

Info

Publication number
JP3240534B2
JP3240534B2 JP13212793A JP13212793A JP3240534B2 JP 3240534 B2 JP3240534 B2 JP 3240534B2 JP 13212793 A JP13212793 A JP 13212793A JP 13212793 A JP13212793 A JP 13212793A JP 3240534 B2 JP3240534 B2 JP 3240534B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
image
dye
compound
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13212793A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0651474A (ja
Inventor
美彦 須田
信行 滝山
敦 朝武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP13212793A priority Critical patent/JP3240534B2/ja
Publication of JPH0651474A publication Critical patent/JPH0651474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3240534B2 publication Critical patent/JP3240534B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料もしくは
熱現像感光材料に関する。又本発明は感熱記録材料もし
くは熱現像感光材料を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【発明の背景】従来から、可視画像を得る方法として、
インクジェット、電子写真、感熱記録、ハロゲン化銀感
光材料等種々のものが知られている。
【0003】これらのうち感熱記録材料は、操作や保守
が容易であること、装置の小型化、低コスト化が可能な
こと、更にランニングコストが安いこと等の利点を有し
ている。特に、支持体上に染料又は顔料をバインダー中
に分散されてなる層を有する熱転写リボンを記録紙と重
ね合わせ、熱転写リボンの裏面から画像情報に応じた熱
をサーマルヘッドにより与え、画像を記録する感熱転写
方式は、画質とコストを両立し得る記録材料として、近
年盛んに研究開発がなされている。最近はレーザービー
ムにより像様に熱を与える方式も研究されている。これ
は例えば写真工業別冊「イメージングPart2」−最新の
ハードコピープリンター技術−P.63〜113(1988年 7月2
0日写真工業出版社発行)に記載されているが、未だ画
像の諸特性には満足できない点も多く、さらなる改良が
望まれている。
【0004】一方、ハロゲン化銀写真感光材料は画質の
点で他の画像記録材料より優れているが、その処理に現
像液等の液体を用いなければならないという操作上の問
題点を含んでいた。このような問題点を解決するものと
して、露光後加熱現像処理を行なって画像を形成するい
わゆる熱現像方式が開発されている。そのような熱現像
方式の詳細は、例えば日本写真学会第17回シンポジウム
−熱現像型銀塩記録システムを考える−(1987年 5月)
要旨集に記載されている。これらの熱現像方法において
は、支持体上に感光性ハロゲン化銀、バインダーおよび
還元剤を含む熱現像感光材料に像様露光を施した後、加
熱及び、必要に応じて加圧処理を施すことにより、銀も
しくは色素画像が形成される。特にいわゆる転写型熱現
像記録材料においては、形成された色素画像を受像材料
に転写することにより、さらに鮮明な色素画像を得るこ
とができる。熱現像感光材料はハロゲン化銀感光材料特
有の高い画質を有しているが、従来の液処理タイプの感
光材料のレベルには達しておらず、更なる改良が望まれ
ており、又ポジ型の熱現像感光材料の開発が切望されて
いる。
【0005】1,3‐イオウ‐窒素化合物は、銀イオンの
作用により開裂反応を起こすことが知られており、この
反応を利用して像様に試薬を放出する写真処理に使用す
ることが試みられている。例えば特公昭557576号には、
1,3‐イオウ‐窒素化合物が銀イオンの像様分布に従っ
て開裂し、写真的に有用な物質(以下PUGという)を
放出させる技術が記載されており、いわゆるインスタン
ト写真材料への適用が示されている。写真的に有用な物
質としては、具体的には画像を形成する色素及びその中
間体、かぶり防止剤、ゼラチン硬膜剤などがあげられ
る。一方、銀イオンはハロゲン化銀溶媒の作用により可
溶性銀錯体の形として供給される、特に未露光領域に対
応して銀イオンの像様分布が形成される。
【0006】特開昭59-180548号には、1,3-イオウ-窒素
化合物を熱現像感光材料の色素供与物質として利用し、
好ましくは塩基の存在下で加熱して可動性色素を画像状
に形成する方法が開示されている。しかるに実施例にお
いては、熱現像によって生成した画像色素を水の存在下
で受像材料に転写して画像を得ることのみが示されてい
た。しかも塩基又は塩基プレカーサーを感光材料に含有
させた場合、保存中に一部可動性色素の形成が起こり、
カブリが増加するなどして得られる画像の品質が劣化す
るという問題があった。
【0007】又塩基又は塩基プレカーサーを含有する熱
現像感光材料は確かに銀現像を促進させることにより目
的とする色素画像のカブリを下げることができるが、同
時に最高濃度をも低下させ易いという欠点があった。
【0008】特に親水性バインダーを用いた記録材料に
おいては、通常硬膜度を高めるために一定温度において
一定期間保存した後使用される。この保存は通常25℃以
上50℃以下、好ましくは30℃以上45℃以下の温度で、ま
た12時間以上1カ月以内、好ましくは1日以上2週間以
内の期間行われる。
【0009】前記1,3-イオウ-窒素化合物及び塩基又は
塩基プレカーサーを含有する感光材料においてはこのよ
うな硬膜度を高めるための保存中においても可動性色素
の形成反応が起こり、カブリが増加するなどして著しく
画質が劣化し易かった。
【0010】
【発明の目的】上記のような問題に対し、本発明の目的
は、 (1) 銀イオンと1,3-イオウ-窒素化合物の化学反応
を利用した新規感熱記録材料もしくは新規熱現像感光材
料を提供すること (2) 画質、特に画質のディスクリミネーションの改
良された感熱記録材料もしくは熱現像感光材料を提供す
ること (3) 新規なポジ型の熱現像感光材料を提供すること (4) 長期保存による画質の劣化の少ない感熱記録材
料もしくは熱現像感光材料を提供すること
【0011】
【発明の構成】本発明の上記目的は、支持体上に少なく
とも銀イオン又は可溶性銀錯体の存在下で開裂反応を起
こし得る1,3-イオウ-窒素化合物、有機銀塩及び熱溶剤
を塗布してなる記録材料を実質的に水と塩基を含まない
状態で像様に加熱して画像を形成することを特徴とする
画像形成方法又は上記の1,3-イオウ-窒素化合物、有機
銀塩、熱溶剤及びハロゲン化銀、還元剤を塗布してなる
記録材料を像様露光後又は像様露光と同時に、実質的に
水と塩基を含まない状態で加熱して画像を形成すること
を特徴とする画像形成方法により達成される。
【0012】以下、本発明について具体的に説明する。
【0013】本発明の1,3-イオウ-窒素化合物としては
下記一般式(1)で表される化合物が好ましく用いられ
る。
【0014】
【化1】
【0015】式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原
子、脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す。R3は水
素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基又はアシル基を
表す。
【0016】Zは環を形成するのに必要な非金属原子群
を表し、環上に置換基を有していても良い。ZはS-C-N
と共に縮合環を形成してもよい。
【0017】R1、R2、R3及びZで形成される環上の
置換基の少なくとも1つは一般式(1)の化合物が加熱
下で金属イオン又は可溶性銀錯体と反応することに伴っ
て放出される写真的に有用な基(PUG)もしくはその
前駆体である。
【0018】R1及びR2のいずれか一方は水素原子でな
いことが好ましく、R3は水素原子でないことが好まし
い。
【0019】一般式(1)の化合物において、置換基を
選択し、有機銀塩とともに加熱することにより、目的に
応じた化合物を放出させることが可能である。また一般
式(1)で表される化合物においては置換基により化合
物の不動化(耐拡散性)、溶解性を調節することが可能
である。
【0020】代表的な置換基としては、上記一般式
(1)で例示したものの他カルボキシ、スルホ、ニト
ロ、ヒドロキシ、ハロゲン例えばクロロ及びブロモ、シ
アノ及び脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式を含む炭
化水素基を含む。この基は、エチレン系、又はアセチレ
ン系基を有し、かつ炭素鎖は、S,O,N,SO,NH 等のよ
うなヘテロ原子又はヘテロ原子基によって中断してもよ
い。またこの基は置換基例えばフェニルアルキル、アル
キルエーテル、アリールエーテル、カルバルコキシ、カ
ルボキシ、ヒドロキシ、スルホ、ハロゲン、シアノ、ニ
トロ及びアルキルアミノを含んでもよい。
【0021】その他適当な基の例は置換及び未置換アル
キル基、例えばメチル、エチル、オクチル、ドデシル;
置換及び未置換シクロアルキル基、例えばシクロヘキシ
ル、シクロペンチル、シクロオクチル;置換及び未置換
アルケニル基、例えばビニル、アリル、ブテニル、デセ
ニル、オクタジエニル、ヘキサトリエニル、置換及び未
置換シクロアルケニル基、例えばシクロペンテニル、シ
クロヘプテニル、シクロヘキサジエニル;置換及び未置
換アルキニル基、例えばエチニル、ヘキシニル、オクチ
ニル;置換及び未置換アリール基、例えばフェニル、ト
ルイル、ベンジル及びナフチル、置換及び未置換複素環
式基、例えば4−、5−、又6−員環を有しかつO,N,
S を含有するもの及びこれから誘導された組合せ物、例
えばピロール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾー
ル、イミダゾール、ピリミジン、ピペリジン、ピペラジ
ン、チオフェン、ピロリジン、アゼチジンである。
【0022】画像記録材料に用いる場合の特に好ましい
1,3-イオウ-窒素化合物は、SとN原子が環に含まれて
いる特定の環状イオウ-窒素化合物:特にチアゾリジン
とベンゾチアゾリジンである。これらの化合物は、有機
銀の存在下で加熱することにより所望の速度で開裂を受
けてPUG、特に色素を放出する。
【0023】これらの化合物は、アルカリ性から酸性の
いずれの条件下でも使用できるが、中性〜酸性の範囲で
用いることが好ましい。
【0024】本発明の1,3-イオウ-窒素化合物におい
て、写真的有用基(PUG)またはその前駆体は、イオ
ウ及び窒素原子に結合した炭素原子上に置換されること
が好ましい。すなわち一般式(1)の化合物において
は、R1,R2の一方または両方がPUGであることが好
ましい。PUGとしては色素、現像抑制剤、現像促進
剤、カブラセ剤、現像剤、硬膜剤、カプラー調色剤、増
白剤などがあげられる。
【0025】本発明において、PUGとして好ましく用
いられるものは、色素、現像抑制剤、現像促進剤であ
り、色素が、特に好ましい。
【0026】一般式(1)の化合物において、R1また
はR2として置換した色素部分が転写性色素である場合
には、R3及び環Z上で置換された単数または複数の基
は、一般式(1)で表される化合物を実質上不動化させ
るものであり、バラスト基であることが好ましい。
【0027】有効なバラスト基としては、一般的にすく
なくとも8個の炭素原子を有するものであり、より好ま
しくは8〜40個の炭素原子を有する置換又は非置換のア
ルキル基である。
【0028】ここでバラスト基がポリマー残基であって
も構わない。この場合には一般式(1)で表される化合
物の平均分子量が10,000以上であることが好ましい。
【0029】一般式(1)で表される化合物のうち、好
ましい化合物はチアゾリジン誘導体又はベンゾチアゾリ
ジン誘導体に属するものであり、チアゾリジン誘導体が
特に好ましい。
【0030】一般式(1)の化合物から放出される拡散
性色素としては、従来当業者に知られている色素のいず
れをも使用することができる。例えば、アゾ、アゾメチ
ン、インドアニリン、オキソノール、シアニン、チアゾ
ール、アントラキノン、ジトリフェニルメタン及びトリ
ジフェニルメタン色素等を使用することができる。色素
の代わりに色素前駆体を放出させることも可能である。
【0031】色素前駆体とは、放出された後、他の分子
やイオン等と反応するか、あるいは熱等の作用によって
色素分子を生成する化合物である。
【0032】以下に色素を放出する本発明の化合物を示
すが、本発明はこれらによって限定されない。
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】本発明の記録材料に含有される有機銀塩と
しては、公知の有機銀塩を用いることができる。
【0060】即ち有機銀塩として、例えば特公昭43-492
1号、特開昭49-52626号、同52-141222号、同53-36224
号、及び同53-37610号等ならびに米国特許3,330,633
号、同第3,794,496号、同4,105,451号等に記載されてい
るような長鎖の脂肪族カルボン酸の銀塩やヘテロ環を有
するカルボン酸の銀塩例えばラウリン酸銀、ミリスチン
酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキドン酸
銀、ベヘン酸銀、α-(1-フェニルテトラゾールチオ)
酢酸銀など、芳香族カルボン酸銀、例えば安息香酸銀、
フタル酸銀など、特公昭44-26582号、同45-12700号、同
45-18416号、同45-22185号、特開昭52-137321号、特開
昭58-118638号、同58-118639号、米国特許4,123,274号
等に記載されているイミノ基を有する化合物の銀塩があ
る。
【0061】イミノ基を有する銀塩としては、例えばベ
ンゾトリアゾール銀が挙げられる。このベンゾトリアゾ
ール銀は置換されていても非置換であってもよい。置換
ベンゾトリアゾール銀の代表的な例としては、例えば、
アルキル置換ベンゾトリアゾール銀、アルキルアミドベ
ンゾトリアゾール銀、アルキルスルファモイルベンゾト
リアゾール銀、ハロゲン置換ベンゾトリアゾール類の銀
塩、アルコキシベンゾトリアゾール銀、5-ニトロベンゾ
トリアゾール銀、5-アミノベンゾトリアゾール銀、4-ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール銀、5-カルボキシベンゾー
ル銀、4-スルホベンゾトリアゾール銀、5-スルホベンゾ
トリアゾール銀等を挙げることができる。 その他のイ
ミノ基を有する銀塩としては、例えば、イミダゾール
銀、ベンズイミダゾール銀、2-メチルベンズイミダゾー
ル銀、6-ニトロベンズイミダゾール銀、ピラゾール銀、
ウラゾール銀、1,2,4-トリアゾール銀、1H-テトラゾー
ル銀、3-アミノ-5-ベンジルチオ-1,2,4-トリアゾール
銀、サッカリン銀、フタラジノン銀、フタルイミド銀な
ど、その他メルカプト化合物の銀塩、例えば2-メルカプ
トベンズオキサゾール銀、メルカプトオキサジアゾール
銀、2-メルカプトベンゾチアゾール銀、2-メルカプトベ
ンズイミダゾール銀、3-メルカプト-4-フェニル-1,2,4-
トリアゾール銀、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾー
ル銀、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザイン
デン銀及び5-メチル-7-ヒドロキシ-1,2,2,4,6-ペンタザ
インデン銀などを挙げることができる。
【0062】又、特開昭60-211454号に記載されている
高温下で脱炭酸するカルボン酸銀塩、特開昭61-226744
号、同61-231542号に記載されているアセチレンからの
誘導体の銀塩などを挙げることができる。
【0063】その他特開昭52-31728号に記載されている
様な安定度定数4.5〜10.0の銀錯化合物、米国特許4,16
8,980号に記載されている様なイミダゾリンチオンの銀
塩等が用いられる。
【0064】以上の有機銀塩のうちでもイミノ基を有す
る化合物の銀塩が好ましく、特にベンゾトリアゾール誘
導体の銀塩、より好ましくはベンゾトリアゾール、5-メ
チルベンゾトリアゾール及びその誘導体、スルホベンゾ
トリアゾール、N-アルキルスルファモイドベンズトリア
ゾールの銀塩が好ましい。
【0065】その他本発明の記録材料に含有される有機
銀塩としては、公知の有機銀塩を用いることができる。
【0066】上記有機銀塩は、単独でも2種以上併用し
て用いることもでき、これらの調製はゼラチンのごとき
親水性コロイド水溶液中で調製し、可溶性塩類を除去し
てそのままの形で使用することも、また有機銀塩を単離
して機械的に固体微粒子に紛砕・分散して使用すること
もできる。有機銀塩の使用量は記録材料1m2当り0.01g
〜20g,好ましくは0.1〜5gの範囲であることが好まし
い。
【0067】本発明の記録材料には加熱時におこる1,3-
イオウ-窒素化合物と有機銀塩の反応の促進や生成する
色素の転写の促進、その他の目的で、熱溶剤(熱溶融性
物質)を含有する。熱溶剤は加熱時に液状化し、画像形
成を促進する作用を有する化合物であり、常温では固体
状態であることが好ましく、好ましい融点は70〜170℃
である。また、本発明の熱溶剤として、好ましい特性は
以下のとおりである。
【0068】・常温で白色、溶融時無色透明である ・加熱時の揮散性が小さい程よい 本発明で用いることのできる熱溶剤としては、例えば米
国特許3,347,675号、同3,438,776号、同3,666,477号、
同3,667,959号、RD17643号、特開昭51-19525号、同53
-24829号、同53-60223号、同58-118640号、同58-198038
号、同59-68730号、同59-84236号、同59-229556号、同6
0-14241号、同60-191251号、同60-232547号、同61-5264
3号、同62-42153号、同62-44737号、同62-78554号、同6
2-136645号、同62-139545号、同63-53548号、同63-1614
46号、特開平1-224751号、同1-227150号、同2-863号、
同2-120739号、同2-123354号等の各公報に記載された化
合物が挙げられる。
【0069】上記熱溶剤のうち、好ましくはi/o値が
0.5以上4以下のものが用いられる。ここで言うi/o
値は、化合物の有機性、無機性を表す尺度であり、具体
的には、化学の領域Vol.11, No. P719〜P725(1957)(南
江堂出版)に記載されている方法に従って求めることが
できる。
【0070】本発明において用いられる熱溶剤としてさ
らに好ましい化合物としては、下記一般式(2)で表さ
れるものである。
【0071】
【化28】
【0072】式中、hydは、π値が−0.9〜−1.9であ
る基を表す(π値は、疎水性を示すパラメーターであり
「化学の領域」増刊122号の「薬物の構造活性相関」
(南江堂)p96〜p103に記載されている)。
【0073】hydの好ましい例としては−NHCOCH3
−CH2OH,−NHSO2CH3,−CONHCH3,−NHCONH2,−CON
H2,−NHCSNH2,−SO2CH3,−CH2CONH2,−SO2NH2,−O
CONH2,−OCH2CONH2,−N(SO2CH3)2等を挙げることがで
きる。
【0074】また、一般式(2)のR4〜R8は、hyd
に合わせて、化合物のi/oが、0.5以上4以下になる様
に選ぶことができる。R4〜R8の例としては、水素原
子、あるいは各々の置換基を有してもよいアルキル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコ
キシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子等が
挙げられる。
【0075】上記一般式(2)で表される化合物のう
ち、特に好ましくは、常温で固体であり、水に難溶性の
熱溶剤である。
【0076】以下に本発明に用いることができる熱溶剤
の具体例をそのi/o値とともに示す。但し、当然のこ
とであるが、これに限定されるものではない。
【0077】
【化29】
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】本発明において用いられる熱溶剤として最
も好ましい化合物は、そのi/oが0.8以上3以下であ
り、かつ常温で固体で水難溶性の化合物であり具体的に
は、上記具体例のうちTS−10,TS−11,TS−12,
TS−13,TS−14である。
【0081】これらの熱溶剤は複数の層から成る記録材
料に含有させる場合、任意の構成層に含有させればよ
い。本発明の熱溶剤は通常好ましくは、記録材料を構成
する全バインダー量の10重量%〜500重量%、より好ま
しくは20重量%〜250重量%の間で添加される。本発明
の熱溶剤は、ボールミル、サンドミル等を用いる方法に
より水性コロイド媒体中に微粒子状に粉砕し、懸濁液と
して添加されるのが好ましい。
【0082】上記本発明の熱溶剤は、2種以上併用して
使用することもできる。
【0083】本発明の記録材料は、1,3-イオウ-窒素化
合物、有機銀塩及び熱溶剤からなる組成物をバインダー
とともに、支持体上に塗布することによって具体化され
る。
【0084】本発明の記録材料を感熱記録材料として使
用する場合には、上記塗布物をサーマルヘッドあるいは
集光されたレーザービーム等によって加熱することによ
って加熱された部分で前記(A)式で表される如き1,3-
イオウ-窒素化合物と銀イオンの反応をおこさせること
により、所望の化合物を生成することができる。
【0085】加熱を像様に行なうことにより、像様に所
望の化合物を生成させることができる。例えば置換基に
色素あるいは色素中間体となり得る基を導入すれば像様
に色素を分布させて生成することができる。すなわち、
色素画像を形成することができ、感熱画像形成材料とし
て応用できる。
【0086】本発明の1,3‐イオウ‐窒素化合物を耐拡
散性の色素とし、有機銀塩との反応による生成物を拡散
性の色素とすることにより、本発明の記録材料を感熱転
写記録材料として具体化することができる。
【0087】本発明に係る感熱転写記録材料は、本発明
の組成物を含有する感熱転写層を支持体上に設けてな
る。前記感熱転写層における1,3-イオウ-窒素化合物の
含有量は、支持体1m2当り0.05〜10gが好ましい。
【0088】前記感熱転写層は、本発明の1,3-イオウ-
窒素化合物の一種又は二種以上をバインダーと共に溶剤
中に溶解することによって、或は溶解中に微粒子状に分
散させることによって感熱転写層形成用インク液を調製
し、該インクを支持体上に塗布して適宜に乾燥すること
により形成することができる。感熱転写層の厚さは乾燥
膜厚で0.1〜10μmが好ましい。
【0089】前記バインダーとしてはアクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセタール、ニトロセルロース、エチル
セルロース等の溶剤可溶性ポリマーが好ましい。これら
のバインダーは、一種又は二種以上を有機溶媒に溶解し
て用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用しても
よい。
【0090】バインダーの使用量としては、支持体1m2
当り0.1〜20gが好ましい。前記有機溶媒としては、アル
コール類(例えばエタノール、プロパノール)、セルソ
ルブ類(例えばメチルセルソルブ)、芳香族類(例えば
トルエン、キシレン)、エステル類(例えば酢酸エステ
ル)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケト
ン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキ
サン)等が挙げられる。前記支持体としては、寸法安定
性がよく、記録の際感熱ヘッド等の加熱に耐えるもので
あればよいが、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄
葉紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ
カーボネートのような耐熱性のプラスチックフィルムが
好ましく用いられる。支持体の厚さは、2〜30μmが好
ましく、また支持体にはバインダーとの接着性の改良や
色素の支持体への転写、染着を防止する目的で選択され
たポリマーからなる下引き層を有することが好ましい。
更に支持体の裏面(感熱転写層と反対側)には、ヘッド
が支持体に粘着するのを防止する目的でスリッピング層
を有してもよい。
【0091】本発明に係る感熱転写記録材料をフルカラ
ー画像記録が可能な感熱転写材料に適用するには、マゼ
ンタ画像を形成する拡散性色素を含有するマゼンタ感熱
転写層、シアン画像を形成することができる熱拡散性色
素を含有するシアン感熱転写層、イエロー画像を形成す
ることができる熱拡散性色素を含有するイエロー感熱転
写層の合計3層を支持体上の同一表面上に順次繰り返し
て塗設することが好ましい。また、必要に応じて他に黒
色画像形成物質を含む感熱転写層の合計4層が同一表面
に順次に繰り返して塗設されていても良い。
【0092】一方、本発明の記録材料は、1,3‐イオウ
‐窒素化合物、有機銀塩及び熱溶剤からなる組成物に、
さらに感光性物質を加えバインダーとともに支持体上に
塗布することによって感光、感熱性記録材料として具体
化される。かかる材料においては、画像記録は光によっ
てなされ、均一に加熱することによって画像が形成され
る。このような材料を熱現像感光材料と称する。
【0093】以下、本発明に係る熱現像感光材料につい
て説明する。
【0094】本発明に係る熱現像感光材料においては、
感光性物質として感光性ハロゲン化銀が用いられる。
【0095】前述した有機銀塩は、加熱下で後述する還
元剤によって還元される。この反応は、露光されたハロ
ゲン化銀微粒子上に形成されたいわゆる潜像によって促
進される。すなわち上記熱現像感光材料において露光部
では有機銀塩の還元反応がおこる。この反応と並行して
おこる1,3‐イオウ‐窒素化合物と有機銀塩の反応は露
光部において抑制される。
【0096】従って未露光部において1,3‐イオウ‐窒
素化合物と有機銀塩の反応を選択的におこさせることが
できる。すなわち所望の化合物を逆像様に生成させるこ
とができるわけである。
【0097】この原理は、例えばポジ型の画像形成に応
用することができる。
【0098】例えば転写型の熱現像感光材料として本発
明を具体化する場合、1,3-イオウ-窒素化合物の置換基
に色素あるいは色素中間体となり得る基を導入し、更に
耐拡散性とし、有機銀塩との反応後、拡散性の色素又は
色素中間体が生成するようにしておけば、未露光部にお
いて色素が転写する。すなわちポジ型の画像を形成する
ことができる。
【0099】逆像様に放出される化合物は色素に限らず
任意のPUG、例えば現像抑制剤、カブラセ剤、現像
薬、硬膜剤、現像促進剤、蛍光増白剤等とすることによ
り、形成される画像を制御することができる。
【0100】本発明の熱現像感光材料に用いられるバイ
ンダーとしては、例えば、特開平2-863号公報10頁右上
欄14行目から左下欄10行目に記載されたバインダーを好
ましい組み合わせを含めて用いることができる。特に好
ましいバインダーはゼラチン、ポリビニルピラゾリドン
及びこれらの併用である。
【0101】その他熱現像感光材料を構成するハロゲン
化銀還元剤、色素供与物質及び添加剤、支持体、受像部
材、露光現像等については何れも公知のもの或いは方法
を使用する事が出来る。これらについては例えば本出願
人等による特願平1‐256079号第14頁〜第47頁、特願平
2-158931号第13頁〜第41頁に記載されている。
【0102】本発明の熱現像感光材料に用いられる、感
光性ハロゲン化銀としては従来公知のものを使用するこ
とができ、例えば、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀を用いることができる。
【0103】本発明の熱現像感光材料に用いられる還元
剤は、現像機構や色素形成乃至放出機構により熱現像感
光材料用として従来公知のものの中から適切なものを選
択して使用される。ここで言う還元剤には、熱現像時に
還元剤を放出する還元剤プレカーサーも含まれる。
【0104】本発明の熱現像感光材料は白黒又はカラー
感光材料として用いられ、カラー感光材料として用いる
場合には色素供与物質が用いられる。
【0105】前述の如く本発明に係る1,3‐イオウ-窒素
化合物を色素供与物質として用いることはもちろん可能
であるが、これと他の色素供与物質を併用することもで
きる。また1,3‐イオウ-窒素化合物は色素以外の写真有
用化合物を放出するように設計し、他の色素供与物質に
よってカラー画像を形成してもよい。
【0106】このような色素供与物質としては、例えば
特開昭62‐44737号、同62‐129852号、同62‐169158
号、特願平1‐200859号に記載されている拡散性の色素
を形成するカプラー、例えば特開昭61‐88254号記載の
ロイコ色素、あるいは例えば、米国特許4,235,957号に
記載の熱現像色素漂白法に用いられる、アゾ色素等が挙
げられる。好ましくは拡散性色素を形成又は放出する色
素供与物質が用いられ、特に好ましくはカップリング反
応により拡散性色素を形成する化合物が挙げられる。
【0107】本発明の熱現像感光材料には、上記以外
に、必要に応じて、各種添加剤を添加することが出来
る。
【0108】本発明の熱現像感光材料は、(a)1,3‐
イオウ-窒素化合物、(b)有機銀塩、(c)還元剤、
(d)感光性ハロゲン化銀を含有する。カラー感光材料
とする場合には更に(e)色素供与物質を含有するがこ
れは(a)あるいは(c)とかねていてもよい。これら
は単一の写真構成層中に含まれていてもよく、又2層以
上からなる層に分割して添加されることもできる。具体
的には、(a),(b),(d)の成分を一つの層に添加
し、(c)をこれに隣接する層に添加したり、あるい
は、(b),(c),(d)を単一の層に添加し、
(a)を他層に添加することもできる。
【0109】又、実質的に同一の感色性を有する感光性
層は2つ以上の感光性層から構成されることもでき、そ
れぞれ低感度層及び高感度層とすることもできる。
【0110】本発明の熱現像感光材料をフルカラー記録
材料として用いる場合には、通常感色性の異なる3つの
感光性層を有し、各感光性層では熱現像により、それぞ
れ色相の異なる色素が形成又は放出される。この場合、
一般的には、青感光性層(B)にイエロー色素(Y)
が、緑感光性層(G)にはマゼンタ色素(M)が、又、
赤感光性層(R)にはシアン色素(C)が組み合わされ
るが、本発明はこれに限定されず、いかなる組合せも可
能である。具体的には、(B−C)−(G−M)−(R
−Y)、(赤外感光性−C)−(G−Y)−(R−M)
等の組合せも可能である。
【0111】各層の層構成は任意であり、支持体側から
順に、R−G−B、G−R−B、R−G−赤外、G−R
−赤外、等の層配置が可能である。
【0112】本発明の熱現像感光材料には、感光性層の
他に下引き層、中間層、保護層、フィルター層、バッキ
ング層、剥離層等の非感光性層を任意に設けることがで
きる。 本発明の熱現像感光材料を色素転写方式とする
場合、好ましくは受像部材が用いられる。受像部材は、
支持体上とこの上に設けられた色素受容能を有する受像
層とから構成されるが、支持体自身が色素受容能のある
受像層を兼ねることもできる。
【0113】本発明の熱現像感光材料は、RD(リサー
チ・ディスクロージャー)15108号、特開昭57-198458
号、同57-207250号、同61-80148号等に記載されている
ような感光層と受像層が予め、同一支持体上に積層され
たいわゆるモノシート型熱現像感光材料であることもで
きる。
【0114】本発明の受像部材に公知の各種添加剤を添
加することが出来る。そのような添加剤としては、例え
ば、汚染防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、画像安定
剤、現像促進剤、カブリ防止剤、pH調節剤(酸及び酸プ
レカーサー等)、熱溶剤、有機フッ素化合物、油滴、界
面活性剤、硬膜剤、マット剤、カビ防止剤及び各種金属
イオン等が挙げられる。
【0115】本発明の熱現像感光材料は、感光材料の感
色性に適した公知の露光手段に依って露光されることが
出来る。
【0116】用いることの出来る露光光源としては、ダ
ングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、
水銀灯、CRT光源、FO−CRT光源、発光ダイオー
ド、レーザー光源(例えばガスレーザー、色素レーザ
ー、YAGレーザー、半導体レーザー等)等を単独ある
いは複数組合わせて用いることが出来る。又、半導体レ
ーザーとSHG素子(第2高調波発生素子)とを組み合
わせた光源も用いることが出来る。その他、電子線、X
線、γ線、α線等によって励起された蛍光体から放出さ
れる光に依っても露光されることが出来る。
【0117】本発明の熱現像感光材料を熱現像する際に
は、公知の加熱手段を適用することが出来、例えば、加
熱されたヒートブロックや面ヒータに接触させたり、熱
ローラや熱ドラムに接触させる方式、高温に維持された
雰囲気中を通過させる方式、高周波加熱方式を用いる方
式、あるいは、感光材料又は受像部材の裏面にカーボン
ブラック層の様な発熱導電性物質を設け、通電すること
により生ずるジュール熱を利用する方式などを適用する
ことが出来る。
【0118】本発明に係わる記録材料(感熱記録材料も
しくは、熱現像感光材料)を用いた画像形成を行なうた
めの加熱は、実質的に水と塩基の存在しない状態で行な
われる。
【0119】以下、本発明の特徴を1,3-イオウ-窒素化合
物を色素供与物質として含有する転写型熱現像感光材料
を例として説明する。すなわち、加熱に際して、水や塩
基が外部から添加されることはなく、また、記録材料自
体が塩基および/または塩基プレカーサーを含むことは
ない。記録材料もしくは受像材料にゼラチン等の親水性
バインダーを用いた場合、雰囲気と平衡状態の関係で微
量の水が保持されるが、それも本発明で言う「実質的に
水を含まない状態」の範囲である。
【0120】1.3-イオウ窒素化合物を含有する記録材料
が塩基もしくは塩基プレカーサーを含む場合、記録材料
の長期保存あるいは、高温または高湿状態で保存したと
きに、1.3-イオウ窒素化合物の開製反応が進行し、画質
の劣化を招く。特に1,3-イオウ窒素化合物が色素を放出
する場合には、カブリが増加するという問題が生じる。
また、加熱中に塩基もしくは塩基プレカーサーが存在
すると、像様に反応を制御することが困難となり、やは
り画質の劣化を招く。例えば1,3-イオウ窒素化合物が色
素を放出する場合には、銀現像が塩基により促進される
結果、カブリは著しく低下するが、最高濃度の低下も著
しい。
【0121】従来、1,3-イオウ窒素化合物は塩基の存在
下で使用されることが知られているが、本発明において
は、高温で反応が行なわれかつ熱溶剤の存在によっ
て反応が促進されることのために塩基の存在は不要とな
りむしろ、カブリ/最高濃度の関係が大巾に改善され
る。
【0122】本発明の上記の効果は、熱現像による画像
色素の生成及び画像色素の受像材料への転写の両過程が
実質的に水の非存在下で行われるときに特に顕著に表れ
る。本発明においては、受像材料の受像層として疎水性ポ
リマーを用いることが好ましい。 疎水性ポリマーとして
はポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リアクリレート、ポリスチレンが好ましく、ポリ塩化ビニ
ルが特に好ましい。本発明に係わる記録材料に親水性バ
インダーを用いた場合には、記録層の膜面pHが25℃で
8.0以下になるようにすることが好ましく、7.0以下にす
ることがさらに好ましい。記録層の膜面pHは画像形成に
係る加熱の前後を通じて上記の範囲に維持されることが
好ましい。
【0123】ここで言う記録層の膜面pHとは、記録層の
表面に少量の純水を滴下し、その箇所を平面pH電極を当
てて容易に測定することができる。ここで使用する純水
は、それ自身のpHが5〜8であり、かつ、電気伝導度が
25℃において、1μS/cm以下のイオン交換水または蒸
留水である。感光層表面に滴下する少量の上記純水はマ
イクロシリンジにより約10μlを滴下し、そこの箇所に
平面電極を接触させることで測定することができる。
【0124】実施例−1 (有機銀塩乳剤の調製)50℃において、特開昭57‐9252
3号、同57‐92524号明細書に示される混合撹拌機を用い
て、ゼラチンのアミノ基の90%以上がフェニルカルバモ
イル基により置換された変性ゼラチン300g、イオン交
換水2400ml、ベンゾトリアゾール9.18g、28%アンモニ
ア水51mlを溶解させた水溶液(OA−1)に、ベンゾ
トリアゾール250g、28%のアンモニア水169mlを含有し
ている1420mlの水溶液(OB−2)と、硝酸銀360gと2
8%アンモニア水336mlを含有している1420mlの水溶液
(OC−1)を、同時混合法により等流量で添加した。
混合中のpHは9.3、又混合中のpAgは11に制御した。添加
終了後、ゼラチンのアミノ基の90%以上がフェニルカル
バモイル基により置換された変性ゼラチン60gを20%水
溶液にして添加し、次いで56%酢酸でpHを5.5に調整
し、沈降させ溶存する過剰の可溶性塩類を除去した。
【0125】更にイオン交換水4800mlを加え、10%水酸
化カリウム水溶液でpHを6.0にして5分間分散させた
後、上述の変性ゼラチン30gを20%水溶液にして添加
し、次いで3.5N硫酸でpHを4.5に調整して沈降させ溶存
する過剰の可溶性塩類を除去した。その後pHを6.0に合
わせ下記化合物ST−1を0.45g添加したのち、イオン
交換水で総量2520mlに仕上げ、50℃で30分間分散するこ
とにより有機銀塩乳剤を調製した。
【0126】
【化32】
【0127】(熱溶剤分散液の調製−1)下記熱溶剤T
S-12の25gを、0.04gの界面活性剤−1(アルカノー
ルXC、デュポン社製)を含有する0.5%ポリビニルピ
ロリドン水溶液100ml中にアルミナボールミルで分散
し、120mlとした。
【0128】
【化33】
【0129】(1,3‐イオウ‐窒素化合物分散液の調製
−1)本発明の化合物(37)12gを0.01gの界面活性剤
−1(アルカノールXC、デュポン社製)を含有する1.
5%ポリビニルアルコール水溶液100ml中にアルミナボー
ルミルで分散し、120mlとした。
【0130】(記録材料−1の作製)上記調製した有機
銀塩分散物、熱溶剤分散液及び1,3‐イオウ‐窒素化合
物分散液を使用して以下に示す記録材料を作製した。
【0131】 ゼラチン 3.6 g/m2 本発明の化合物(37) 1.3 g/m2 ベンゾトリアゾール銀 0.68g/m2(銀換算) 熱溶剤TS−12 6.0 g/m2 ポリビニルアルコール 0.13g/m 支持体ラテックス下塗りを施した厚さ100μmの透明
ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。
【0132】(記録材料−2の作製)記録材料−1のベ
ンゾトリアゾール銀を除いた以外は同様にして記録材料
−2を作製した。
【0133】(評価)得られた記録材料−1,2を60秒
間,120℃の金属熱板に接触させて加熱を行なった。加
熱した記録材料をジメチルホルムアミドとH2Oを10:1
の割合で混合した溶媒を用いて抽出を行い、薄層クロマ
トグラフィー(展開溶媒はCHCl3:MeOH=8:2を使用
した)で評価した。ベンゾトリアゾール銀を含有する記
録材料−1では、本発明の化合物(37)から放出された
拡散性色素が得られたのに対して記録材料−2では、本
発明の化合物(37)は未反応のままであった。従って本
発明の記録材料とサーマルヘッド等の加熱手段を用いる
ことにより、感熱記録材料及び感熱記録材料による画像
形成法を提供することが可能である。
【0134】実施例−2 実施例−1で用いた本発明の化合物(37)を本発明の化
合物(38)に換えた以外は実施例−1と同様にして記録
材料−1(b)及びベンゾトリアゾール銀を除いた以外
は記録材料−1(b)と同様の記録材料−2(b)を作
製した。
【0135】実施例−1と同様に加熱後抽出を行い、薄
層クロマトグラフィー(展開溶媒はヘキサン:酢酸エチ
ル=1:2を使用した)で評価したところ実施例−1と
同様の結果が得られた。
【0136】更に記録材料−1(b)及び−2(b)を
120℃,60秒間加熱後o‐ジアニシジン(1%)−酢酸溶
液を均一に噴霧したところ記録材料−1(b)はオレン
ジ色に発色したのに対して記録材料−2(b)は発色し
なかった。すなわち本発明の化合物(38)はベンゾトリ
アゾール銀の存在下で加熱することにより、チアゾリジ
ン環が開製し、拡散性アルデヒド化合物が生成したもの
と考えられる。
【0137】実施例−3 実施例−1で用いた熱溶剤TS-12を下記の表1に示す熱
溶剤に換えた以外は実施例−1と同様にして記録材料−
3〜19を作成した。
【0138】得られた記録材料−1〜19を45秒間,120
℃の金属熱板に接触させて加熱後、実施例−1で用いた
のと同じ溶媒を用いて抽出、薄層クロマトグラフィーで
評価した。
【0139】得られた結果を表1に示す。この表中にお
ける反応度とは、薄層クロマトグラフィー上の本発明の
化合物と銀イオンとの反応によって生成した拡散性色素
とのスポットの大きさ及び濃さで判断した。反応度と対
応する薄層クロマトグラフィー上のスポットの関係を以
下に示す。
【0140】 反応度〈本発明の化合物又は対応する拡散性色素のスポットの様子〉 5 本発明の化合物のスポットは消え、拡散性色素のみである 4 本発明の化合物のスポットが薄く残る、拡散性色素がほとんどである 3 本発明の化合物と拡散性色素が半分くらいである 2 本発明の化合物がほとんどであり、拡散性色素はわずかである 1 本発明の化合物のスポットのみである。拡散性色素の生成はみられない
【0141】
【表1】
【0142】実施例−4 実施例−1で調製した有機銀塩分散物、熱溶剤分散液及
び1,3‐イオウ‐窒素化合物分散液、更に、チオ硫酸ナ
トリウムで化学増感した平均粒径0.25μmの沃臭化銀単
分散乳剤及び下記還元剤−1を用いて記録材料−20を作
成した。以下に1m2あたりの付量を示す。
【0143】 ゼラチン 3.6g 本発明の化合物(37) 1.3g ベンゾトリアゾール銀 0.68g(銀換算) 熱溶剤TS−12 6.0g ポリビニルアルコール 0.13g 沃臭化銀 0.45g(銀換算) 還元剤−1 1.02g 支持体 ラテックス下塗りを施した厚さ100μmの透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム 本発明の化合物(37)の代わりに本発明の化合物(38)
に代えた以外は同様にして記録材料−20(b)を作成し
た。記録材料−20(a),20(b)をタングステンランプを
光源によって露光した。露光及び未露光の記録材料−20
(a),20(b)に対して実施例1,2と同様に加熱後、抽
出、薄層クロマトグラフィーで評価を行った。露光した
ものはあきらかに未露光のものに比べて本発明の化合物
(37)及び(38)に対応する拡散性化合物の生成は少な
かった。
【0144】従って本発明を熱現像感光材料として具体
化することが可能であることが示された。
【0145】
【化34】
【0146】実施例−5 (1,3-イオウ-窒素化合物分散液の調製−2) 本発明に係る1,3-イオウ-窒素化合物(下記に示す種
類、量)及びトリクレジルホスフェート180mgを酢酸エ
チル1.2mlに溶解し、前記界面活性剤-1を32mg、ゼラチ
ン150mgを含む水溶液6.5mlと混合して超音波ホモジナイ
ザーで乳化分散した後、酢酸エチルを留去し、さらにイ
オン交換水を加えて、全量を10gに調製することによ
り、下記のように各1,3-イオウ-窒素化合物の分散液を
調製した。
【0147】 化合物 添加量(mg) (41) 672 (42) 318 (45) 112 (47) 360 (58) 491 (65) 716 (還元剤分散液の調製) ジメゾン(1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン)
5.0g 前記界面活性剤−1の5重量%水溶液5.0ml、イオン交
換水40mlをアルミナボールミルで分散することにより、
ジメゾン分散液を得た。
【0148】ジメゾンをジメゾン-S(4-ヒドロキシメチ
ル-4-メチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン)に代えるこ
と以外は全く同様にしてジメゾン-S分散液を得た。
【0149】(熱現像感光材料の作成) 上記で調製した分散液、及び、実施例−1で調製した有
機銀乳剤(ベンゾトリアゾール銀)熱溶剤分散液(TS-1
2)さらに沃臭化銀乳剤(沃化銀含有率2mol%)を用い
て熱現像感光材料101及び102を作成した。
【0150】下引層を塗設した厚さ180μmのPET支持
体上に乳剤層を塗布したのち乾燥した。乳剤層における
各化合物の塗布量を下記に示す。
【0151】 ゼラチン 3.0g/m2 ポリビニルピロリドン 0.02g/m2 熱溶剤 TS-12 1.5g/m2 1,3-イオウ-窒素化合物 表2に記載の種類、量 ジメゾン 2.0mmol/m2 沃臭化銀 2.0mmol/m2 ベンゾトリアゾール銀 1.0mmol/m2 1,2,4-トリアゾール 24mmol/m2 グリオキザール 0.06g/m2 乳剤層の塗布に際しては、塗布助剤として少量の前記界
面活性剤−1及び少量のZonyl FSN(デュポン社製)を
添加した。
【0152】(受像材料の作成) 150g/m2写真用バライタ紙支持体上にポリ塩化ビニルを
12g/m2塗布し、受像材料を作成した。
【0153】(写真性能の評価) キセノンフラッシュランプを用いて熱現像感光材料No.1
01,102に部分的に10-3秒の露光を与えた後、それぞれを
受像材料と重ね合わせ、120℃の金属ヒートプレ−トに
接続させて2kg/cm2の圧力をかけながら60秒間均一に加
熱した。
【0154】冷却後、感光材料と受像材料をひきはがす
と受像材料上にはポジ型の黄色画像が得られた。
【0155】この画像の反射濃度を反射濃度計PDA-65
(コニカ(株)製)を用いて測定したところ表2に示す如
き結果が得られた。
【0156】
【表2】
【0157】実施例−6 実施例−1で調製した有機銀乳剤(ベンゾトリアゾール
銀)及び、熱溶剤分散液(TS-12)、実施例−5で調製
した1,3-イオウ窒素化合物分散液及び、還元剤分散液、
さらに沃臭化銀乳剤(沃化銀含有率2mol%)を用いて
2層構成の熱現像感光材料No.201〜207を作成した。
【0158】下引き層を塗設した厚さ180μmのPET支
持体上に第1層を塗布したのち乾燥し更にその上に第2
層を塗布して乾燥した。
【0159】第1層及び第2層における各化合物の塗布
量を下記に示す。
【0160】第1層及び第2層の塗布に際しては、塗布
助剤として少量の前記界面活性剤−1、及び少量のZony
l FSN(デュポン社製)を添加した。
【0161】 第1層 ゼラチン 2.0g/m2 熱溶剤 TS-12 表3に記載の量 ポリビニルピロリドン 0.02g/m2 1,3-イオウ-窒素化合物 表3に記載の種類、量 第2層 ゼラチン 3.0g/m2 ポリビニルピロリドン 0.02g/m2 熱溶剤TS-12 1.5g/m2 還元剤 表3に記載の種類、量 沃臭化銀 表3に記載の量 ベンゾトリアゾール銀 表3に記載の量 1,2,4-トリアゾール 24mmol/m2 グリオキザール 0.1g/m2 熱現像感光材料No.201〜207に対し、実施例−5と同様
の露光及び加熱処理を施した。但し、加熱条件は表−3
に記載したように変更した。
【0162】
【表3】
【0163】冷却後、感光材料と受像材料をひきはがす
と、受像材料上にはポジ型のイエローまたはマゼンタの
画像が得られた。
【0164】
【発明の効果】本発明により、有機銀塩と1,3-イオウ-
窒素化合物の高温での化学反応を利用した、新規感熱記
録材料及び新規熱現像感光材料を提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 8/40 505 G03C 8/40 503 B41M 5/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも銀イオン又は可溶性
    銀錯体の存在下で開裂反応を起こし得る1,3−イオウ
    −窒素化合物、有機銀塩及びi/o値が0.5以上4以
    下である熱溶剤を塗布してなる記録材料を実質的に水と
    塩基を含まない状態で像様に加熱して画像を形成するこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の1,3−イオウ−窒素化合
    物、有機銀塩、i/o値が0.5以上4以下である熱溶
    剤及びハロゲン化銀、還元剤を塗布してなる記録材料を
    像様露光後又は像様露光と同時に、実質的に水と塩基を
    含まない状態で加熱して画像を形成することを特徴とす
    る画像形成方法。
JP13212793A 1992-06-05 1993-06-02 画像形成方法 Expired - Fee Related JP3240534B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13212793A JP3240534B2 (ja) 1992-06-05 1993-06-02 画像形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-145849 1992-06-05
JP14584992 1992-06-05
JP13212793A JP3240534B2 (ja) 1992-06-05 1993-06-02 画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0651474A JPH0651474A (ja) 1994-02-25
JP3240534B2 true JP3240534B2 (ja) 2001-12-17

Family

ID=26466766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13212793A Expired - Fee Related JP3240534B2 (ja) 1992-06-05 1993-06-02 画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3240534B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2149871C1 (ru) * 1993-11-24 2000-05-27 Дзе Дюпон Мерк Фармасьютикал Компани Изоксазолины и изоксазолы, способ подавления агрегации тромбоцитов, фармацевтическая композиция, подавляющая агрегацию тромбоцитов
JP4799133B2 (ja) 2005-11-08 2011-10-26 オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 モータ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0651474A (ja) 1994-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0573048B1 (en) A method of image formation
JPS63250646A (ja) 画像形成方法
JP2004503818A (ja) フェノール系熱溶媒を含むカラーフォトサーモグラフィー要素
JPH0687153B2 (ja) ハロゲン化銀感光材料および熱現像感光材料
JP3240534B2 (ja) 画像形成方法
US4729936A (en) Image forming process including a heating step
JPH0469777B2 (ja)
EP0665465A2 (en) Thermally developable photosensitive element
EP0123904B2 (en) Heat developable photographic material
JPS60198540A (ja) 熱現像カラ−感光材料
US5658705A (en) Image-recording materials with 1,3-sulfur-nitrogen dye releasers
JPH1184609A (ja) 画像形成方法
JPH0413704B2 (ja)
US6974662B2 (en) Thermal base precursors
US5667933A (en) Image-recording element
JP2561827B2 (ja) 熱カブリの改良された熱現像感光要素
JPH0469775B2 (ja)
JPS6153638A (ja) 熱現像感光材料
JP2945478B2 (ja) 画像記録用材料
JPH0555024B2 (ja)
JPH0587819B2 (ja)
JP2003140304A (ja) カラーフォトサーモグラフィ画像形成要素
JPH0659382A (ja) 画像形成方法
JPH0682950A (ja) 画像形成方法
JPH06186715A (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees