JP2561827B2 - 熱カブリの改良された熱現像感光要素 - Google Patents

熱カブリの改良された熱現像感光要素

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JP2561827B2 JP1279887A JP1279887A JP2561827B2 JP 2561827 B2 JP2561827 B2 JP 2561827B2 JP 1279887 A JP1279887 A JP 1279887A JP 1279887 A JP1279887 A JP 1279887A JP 2561827 B2 JP2561827 B2 JP 2561827B2
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    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱現像によって画像を形成せしめる熱現像感
光要素に関し、更に詳しくは熱現像のカブリを抑制する
新規な抑制剤を含有する熱現像感光要素に関する。
[発明の背景] 現像工程を熱による乾式処理で行うことにより、簡易
で迅速に画像を得る感光材料(熱現像感光要素)は公知
であり、その熱現像感光要素及び画像形成方法は例えば
特公昭43−4921号、同43−4924号公報、写真工学の基礎
(1979年コロナ社刊行)の553頁〜555頁、およびリサー
チ・ディスクロージャー誌1978年6月号9頁〜15頁(RD
−17029)等に記載されている。
また近年各種の色素供与物質を用いてカラー画像を得
る熱現像カラー感光要素の開発が試みられている。これ
らの中で熱現像により拡散性の色素を放出又は形成させ
た後、色素を転写させることによりカラー画像を得る方
式は画像の安定性や鮮明性及び処理の簡易性や迅速性等
の点で優れている。この転写方式の熱現像カラー感光要
素及び画像形成方法は例えば特開昭59−12431号、同59
−159159号、同59−181345号、同59−229556号、同60−
2950号、同61−52643号、同61−61158号、同61−61157
号、同59−180550号、同61−132952号、同61−139842
号、米国特許第4,595,652号、同第4,590,154号及び同第
4,584,267号等に記載されている。
しかしながら、これらの先行技術には、充分な最高濃
度(Dmax)を得ようとするとカブリ(Dmin)が大きくな
るという欠点がある。また、カブリを抑制するために、
従来から公知のコンベンショナルな感光材料において使
用されている抑制剤を使用しても、抑制効果を示さず、
かえってカブリを増加させるか、或いはDmaxや感度を同
時に低下させるなどの欠点があり熱現像感光要素に用い
ることのできる抑制剤の開発が切望されている。
[発明の目的] 本発明の目的は、上述の熱現像感光要素が有する問題
点を解決することである。
即ち、本発明の目的は、新規な抑制剤を含有する熱現
像感光要素を提供することにある。
本発明の他の目的は、高濃度でかつカブリのない画像
を得ることができる熱現像感光要素を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は、改良された保存性を有する熱現
像感光要素を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者等は熱現像カブリの防止に関し鋭意研究の結
果、新規な抑制剤により上記熱カブリが著しく改良され
ることを見い出し本発明をなすに至った。即ち、本発明
の上記目的は、支持体上に感光性ハロゲン化銀を含む層
を有する熱現像感光要素に、下記一般式[I]で示され
る化合物の少なくとも1つを含有させることにより達成
される。
一般式[I] 式中、Z1およびZ2は各々5員または6員の複素環を形
成するに必要な非金属原子群を表し、Y1およびY2は各
々、水素原子又は置換基を表す。
[発明の具体的構成] 以下、本発明をより具体的に説明する。
本発明において用いられる前記一般式[I]で示され
る化合物において、Z1およびZ2で形成される5〜6員の
複素環は同じでも異なっていてもよく、更にベンゼン環
やナフタレン環と縮合してもよい。複素環としては、具
体的にピリジン、キノリン、イソキノリン、イミダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、チアゾール、ベンゾチアゾー
ル、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、オキサジアゾ
ール、チアジアゾール、トリアゾール、トリアジン、ピ
リミジン、テトラゾール等が挙げられる。
Y1およびY2で表される置換基は、具体的にはハロゲン
原子(例えば塩基、臭素、沃素原子等)、アルキル基
(例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、
sec−ペンチル、オクチル、ドデシル等の各基)、アル
コキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、ヘプチルオキ
シ、デシルオキシ等の各基)、アリール基(例えばフェ
ニル基、ナフチル基等)、アリールオキシ基(例えばフ
ェノキシ基、フェネチルオキシ基等)、複素環基、シア
ノ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ
基およびその塩、スルホ基およびその塩などを挙げるこ
とができる。またアルキル基、アルコキシ基、アリール
基およびアリールオキシ基は更に置換されてもよい。ま
たY1とY2が互いに縮合して炭化水素環を形成してもよ
い。
これら置換基の中でも、親水性を有する基、例えばヒ
ドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基およびその塩、ス
ルホ基およびその塩などを含有するのが特に好ましい。
次に、本発明に用いられる具体的化合物例を示すが、
本発明はこれらに限定されない。
例示化合物 これらの化合物は、バイルシュタイン・ハンドブーフ
・デア・オーガニッシェン・ヘミー(Beilsteins Handb
uch der Organischen Chemie)、ケミカル・ベリヒテ
(Chem.Ber.)アンナーレン・デア・ヘミー(Ann.Che
m.)、ケミカル・アブストラクツ(Chem.Abstr.)、ジ
ャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイァ
ティ(J.Am.Chem.Soc.)、モナッシェフテ・ヒュール・
ヘミー(Monatsch.Chem)、ジュルナール・デァ・ルッ
シシェン・フィジカリッシューヘミッシェン・ゲゼルシ
ャフト(Journal der Russischen Physikalisch−Chemi
schen Gesellschaft)等の抄録誌、報文誌に数多く報告
されており、これらに記載された方法により容易に合成
することができる。
本発明の化合物は熱現像感光要素の構成層のいずれに
添加してもよく、また複数層に添加することもできる。
構成層としては、具体的に感光性ハロゲン化銀を含む感
光性層または有機銀塩を含む層に添加するのが一般的で
あるが、中間層、分離層、フィルター層、ハレーション
防止層、保護層、下塗り層などの非感光性層に含有させ
てもよい。
本発明の熱カブリ防止剤の添加量は限定的でなく、該
化合物の種類、使用形態(単独使用または併用)、用い
られるハロゲン化銀および有機銀塩の種類・量・混合比
率、あるいは熱現像感光要素の層構成などに応じて決定
すればよいが、概して感光性ハロゲン化銀1モル当り10
-6〜10-1モルが好ましく、より好ましいのは10-5〜10-2
モルである。また、本発明の効果を妨げない範囲におい
て公知のカブリ抑制剤を使用することもできる。
ハロゲン化銀を含む層に添加する場合の添加時期は、
前記感光性層に用いられる感光性ハロゲン化銀粒子の物
理熟成後の沈澱生成以後から該ハロゲン化銀粒子を含む
乳剤の塗布が行われるまでの間が好ましい。
添加方法としては、通常薬品の添加法が任意に適用で
きる。例えばメタノール、エタノール、ジメチルホルム
アミドまたはアルカリ水溶液などに溶解し前記構成層に
添加することができる。また、酢酸エチル、シクロヘキ
サン等の有機溶媒に溶解できる場合は、乳化物としてか
ら添加することもできる。
本発明の熱現像感光要素は感光性ハロゲン化銀を含有
する。
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀としては、塩
化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀等が挙げられる。該感光性ハロゲン化銀
は、写真技術分野のシングルジェット法やダブルジェッ
ト法等の任意の方法で調製することができる。好ましい
実施態様によれば、シェルを持つハロゲン化銀粒子を有
するハロゲン化銀乳剤を用いることができる。
さらに、粒子のハロゲン組成が、表面と内部で異なっ
た多重構造から成る、例えばコア/シェル型ハロゲン化
銀粒子のシェルのハロゲン組成がステップ状に変化し
た、あるいは連続的に変化したハロゲン化銀粒子を有す
るハロゲン化銀乳剤を用いることができる。また、その
形状は、立方体、球形、8面体、12面体、14面体等の明
確に晶癖を有するものでも、そうでないものでも用いる
ことができる。この種のハロゲン化銀としては、特願昭
60−215948号に記載されている。
また、例えば特開昭58−111933号、同58−111934号、
同58−108526号、リサーチ・ディスクロージャー22534
号に記載されているような、2つの平行する結晶面を有
し、かつ、これらの結晶面は各々この粒子の他の単結晶
よりも面積が大きい粒子であって、そのアスペクト比す
なわち、粒子の直径対厚みの比が5:1以上の平板状ハロ
ゲン化銀粒子から成るハロゲン化銀乳剤を用いることも
できる。
さらに、本発明には表面が予めカブラされていない内
部潜像型ハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤
を用いることができる。表面が予めカブラされていない
内部潜像型ハロゲン化銀については、例えば米国特許第
2,592,250号、同第3,206,313号、同第3,317,322号、同
第3,511,662号、同第3,447,927号、同第3,761,266号、
同第3,703,584号、同第3,736,140号等に記載されている
如く、ハロゲン化銀粒子の表面の感度よりも粒子内部の
感度の方が高いハロゲン化銀である。また、米国特許第
3,271,157号、同第3,447,927号および同第3,531,291号
に記載されている多価金属イオンを内蔵しているハロゲ
ン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤、または米国特許
第3,761,276号に記載されているドープ剤を含有するハ
ロゲン化銀粒子の粒子表面を弱く化学増感したハロゲン
化銀乳剤、または特開昭50−8524号および同50−38525
号等に記載されている積層構造を有する粒子からなるハ
ロゲン化銀乳剤、その他特開昭52−156614号および特開
昭55−127549号に記載されているハロゲン化銀乳剤など
である。
該感光性ハロゲン化銀乳剤は、写真技術分野の任意の
方法で化学的に増感しても良い。
上記感光性乳剤中のハロゲン化銀は、粗粒子であって
も微粒子であっても良いが、好ましい粒子サイズは、そ
の径が約0.001μm〜約1.5μmであり、さらに好ましく
は約0.01μm〜約0.5μmである。
本発明において、他の感光性ハロゲン化銀の調製法と
して、感光性銀塩形成成分を後述する有機銀塩と共存さ
せ、有機銀塩の一部に感光性ハロゲン化銀を形成させる
こともできる。
これら感光性ハロゲン化銀および感光性銀塩形成成分
は、種々の方法において組合せて使用でき、使用量は、
一層当り支持体1m2に対して、0.001g〜50gであること
が好ましく、より好ましくは、0.1g〜10gである。
本発明に用いられる代表的な分光増感色素としては、
例えばシアニン、メロシアニン、コンプレックス(3核
又は4核の)シアニン、ホロポーラーシアニン、スチリ
ル、ヘミシアニン、オキソノール等が挙げられる。
これら増感色素の添加量は感光性ハロゲン化銀または
ハロゲン化銀形成成分1モル当り1×10-4モル〜1モル
である。更に好ましくは、1×10-4モル〜1×10-1モル
である。
本発明の熱現像感光要素においては、必要に応じて感
度の上昇や現像性の向上を目的として各種の有機銀塩を
用いることができる。
本発明の熱現像感光要素に用いられる有機銀塩として
は、特公昭43−4921号、特開昭49−52626号、同52−141
222号、同53−36224号および同53−37610号等の各公報
ならびに米国特許第3,330,633号、同第3,794,496号、同
第4,105,451号等の各明細書中に記載されているような
長鎖の脂肪族カルボン酸の銀塩やヘテロ環を有するカル
ボン酸の銀塩、例えばラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、
パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキドン酸銀、ベ
ヘン酸銀、α−(1−フェニルテトラゾールチオ)酢酸
銀など、芳香族カルボン酸銀、例えば安息香酸銀、フタ
ル酸銀など、特公昭44−26582号、同45−12700号、同45
−18416号、同45−22185号、特開昭52−137321号、特開
昭58−118638号、同58−118639号、米国特許第4,123,27
4号等の各公報に記載されているイミノ基の銀塩があ
る。
その他特開昭52−31728号に記載されている様な安定
度定数4.5−10.0の銀錯化合物、米国特許第4,168,980号
明細書に記載されている様なイミダゾリンチオンの銀塩
等が用いられる。
以上の有機銀塩のうちでもイミノ基の銀塩が好まし
く、特にベンゾトリアゾール誘導体の銀塩、より好まし
くは5−メチルベンゾトリアゾールおよびその誘導体、
スルホベンゾトリアゾールおよびその誘導体、N−アル
キルスルファモイルベンゾトリアゾールおよびその誘導
体が好ましい。
本発明に用いられる有機銀塩は、単独でも或いは2種
以上併用して用いてもよい。また、適当なバインダー中
で銀塩を調製し、単離せずにそのまま使用に供してもよ
いし、単離したものを適当な手段によりバインダー中に
分散して使用に供してもよい。分散の方法としては、ボ
ールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル等を挙
げることができるが、これに制限されることはない。
また、有機銀塩の調製法は、一般的には水または有機
溶媒に硝酸銀および原料有機化合物を溶解して混合する
方法であるが、必要に応じてバインダーを添加したり、
水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加して有機化合物
の溶解を促進したり、またアンモニア性硝酸銀溶液を用
いたりすることも有効である。
該有機銀塩の使用量は、通常感光性ハロゲン化銀1モ
ル当り0.01モル〜500モルが好ましく、より好ましくは
0.1〜100モルである。さらに好ましくは0.3〜30モルで
ある。
本発明の熱現像感光要素に用いられる還元剤は、熱現
像感光材料の分野で通常用いられるものを用いることが
できる。
本発明の熱現像感光要素において用いられている色素
供与物質が例えば、特開昭57−186744号、同58−79247
号、同58−149046号、同58−149047号、同59−124339
号、同59−181345号、同60−2950号等に開示されている
様な還元剤の酸化体とカップリングする事によって、拡
散性の色素を放出あるいは、形成する色素供与物質であ
る場合は、本発明に用いられる還元剤としては、例えば
米国特許第3,531,286号、同第3,761,270号、同第3,764,
328号各明細書、またRD No.12146号、同No.15108、同N
o.15127および特開昭56−27132号公報に記載のp−フェ
ニレンジアミン系およびp−アミノフェノール系現像主
薬、フォスフォロアミドフェノール系、スルホンアミド
フェノール系現像主薬、スルホンアミドアニリン系現像
主薬、またヒドラゾン系発色現像主薬等を用いる事がで
きる。また、米国特許第3,342,599号、同第3,719,492
号、特開昭53−135628号、同57−79035号等に記載され
ている発色現像主薬プレカーサー等も有利に用いること
ができる。
特に好ましい還元剤としては、特開昭56−146133号及
び特願昭61−71683号に記載のN−(P−N,N−ジアルキ
ル)フェニルスルファミン酸塩が挙げられる。
前記還元剤は2種以上同時に用いてもよい。また、黒
白現像主薬を現像性をあげる等の目的で併用する事も可
能である。
また、本発明において用いられる色素供与物質が、特
開昭57−179840号、同58−58543号、同59−152440号、
同59−154445号等に示されるような酸化により色素を放
出する化合物、酸化されることにより色素放出能力を失
う化合物、還元されることにより色素を放出する化合物
等の場合(あるいは単純に銀画像のみを得る場合)に
は、以下に述べるような現像主薬を用いることもでき
る。
例えば、フェノール類、スルホンアミドフェノール
類、またはポリヒドロキシベンゼン類、ナフトール類、
ヒドロキシビナフチル類およびメチレンビスナフトール
類、メチレンビスフェノール類、アスコルビン酸類、3
−ピラゾリドン類、ピラゾロン類、ヒドラゾン類および
パラフェニレンジアミン類が挙げられる。
これら前記の現像主薬も又単独、或いは2種以上組合
せて用いることができる。
本発明の熱現像感光要素に用いられる前記の還元剤に
使用量は、使用される感光性ハロゲン化銀の種類、有機
酸銀塩の種類およびその他の添加剤の種類などに依存す
るが、通常は感光性ハロゲン化銀1モルに対して0.01〜
1500モルの範囲であり、好ましくは0.1〜200モルであ
る。
前記本発明の化合物を含有する熱現像感光要素は、銀
のみの画像を形成する白黒型熱現像感光要素においても
有効であるが、カラータイプにおいても効果的である。
本発明の熱現像感光要素がカラータイプである場合、
色素供与物質が用いられる。
本発明の色素供与物質としては、例えば特願昭60−18
5186号、特願昭60−271117号、特願昭61−11563号に記
載されている非拡散性の色素を形成する色素供与物質で
も良いが、好ましくは拡散性の色素を形成又は放出する
拡散型色素供与物質であり、特にカップリング反応によ
り拡散性の色素を形成する化合物が好ましい。
以下、本発明に用いることのできる色素供与物質につ
いて説明する。色素供与物質としては、感光性ハロゲン
化銀及び/又は必要に応じて用いられる有機銀塩の還元
反応に関与し、その反応の関数として拡散性の色素を形
成または放出できるものであれば良く、その反応形態に
応じて、正の関数に作用するネガ型の色素供与物質(す
なわち、ネガ型のハロゲン化銀を用いた場合にネガの色
素画像を形成する)と負の関数に作用するポジ型の色素
供与物質(すなわち、ネガ型のハロゲン化銀を用いた場
合にポジの色素画像を形成する)に分類できる。ネガ型
の色素供与物質はさらに以下のように分類される。
各々の色素供与物質についてさらに説明する。
還元性色素放出化合物としては、例えば一般式(2)
で示される化合物が挙げられる。
一般式(2) Car−NHSO2−Dye 式中Carは、感光性ハロゲン化銀及び/又は必要に応
じて用いられる有機銀塩の還元に際し、酸化され色素を
放出する還元性の基質(所謂キャリアー)であり、Dye
は拡散性の色素残基である。
上記の還元性色素放出化合物の具体例としては、特開
昭57−179840号、同58−116537号、同59−60434号、同5
9−65839号、同59−71046号、同59−87450号、同59−88
730号、同59−123837号、同59−165054号、同59−16505
5号各明細書等に記載されている。
別の還元性色素放出化合物としては例えば一般式
(3)で示される化合物が挙げられる。
一般式(3) 式中、A1、A2は各々水素原子、ヒドロキシ基又はアミ
ノ基を示し、Dyeは一般式(2)で示されたDyeと同義で
ある。上の化合物の具体例は特開昭59−124329号公報に
示されている。
カップリング色素放出型化合物としては、一般式
(4)で示される化合物が挙げられる。
一般式(4) Cp1n1Dye 式中、Cp1は還元剤の酸化体と反応して拡散性の色素
を放出することができる有機基(いわゆるカプラー残
基)であり、Jは2価の結合基であり、還元剤の酸化体
との反応によりCp1とJとの結合が開裂する。n1は0又
は1を表し、Dyeは一般式(2)で定義されたものと同
義である。またCp1はカップリング色素放出型化合物を
非拡散性にする為に各種のバラスト基で置換されている
ことが好ましく、バラスト基としては用いられる感光材
料の形態に応じて炭素原子数8個以上(より好ましくは
12個以上)の有機基、又はスルホ基、カルボキシ基等の
親水性基、或いは8個以上(より好ましくは12個以上)
の炭素原子とスルホ基、カルボキシ基等の親水性基を共
に有する基である。別の特に好ましいバラスト基として
はポリマー鎖を挙げることができる。
上記の一般式(4)で示される化合物の具体例として
は、特開昭57−186744号、同57−122596号、同57−1606
98号、同59−174834号、同57−224883号、同59−159159
号、同59−231540号各明細書に記載されている。
カップリング色素形成型化合物としては、一般式
(5)で示される化合物が挙げられる。
一般式(5) Cp2FB) 式中、Cp2は還元剤の酸化体と反応(カップリング反
応)して拡散性の色素を形成することができる有機基
(いわゆるカプラー残基)であり、Fは二価の結合基を
表し、Bはバラスト基を表す。
Cp2で表されるカプラー残基としては形成される色素
の拡散性の為にその分子量が700以下が好ましく、より
好ましくは500以下である。
また、バラスト基は一般式(4)で定義されたバラス
ト基と同じバラスト基が好ましく、特に8個以上(より
好ましくは12個以上)の炭素原子とスルホ基、カルボキ
シ基等の親水性基を共に有する基が好ましく、さらにポ
リマー鎖がより好ましい。
このポリマー鎖を有するカップリング色素形成型化合
物としては、一般式(6)で表される単量体から誘導さ
れる繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
一般式(6) Cp2FYlZL) 式中、Cp2、Fは一般式(5)で定義されたものと同
義であり、Yはアルキレン基、アリーレン基又はアラル
キレン基を表し、lは0または1を表し、Zは2価の有
機基を表し、Lはエチレン性不飽和基又はエチレン性不
飽和基を有する基を表す。
一般式(5)及び(6)で表されるカップリング色素
形成型化合物の具体例としては、特開昭59−124339号、
同59−181345号、同60−2950号、特願昭59−179657号、
同59−181604号、同59−182506号、同59−182507号の各
明細書等に記載されており、例えば以下の化合物が挙げ
られる。
例示色素供与物質 ポリマー 上述の一般式(4)、(5)及び(6)において、Cp
1又はCp2で定義されるカプラー残基について更に詳述す
ると、下記一般式で表わされる基が好ましい。
式中、R7、R8、R9及びR10はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール
スルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、ア
シルオキシ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、ウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、カルボキシ基、スルホ基又は複基環残基を表わし、
これらはさらに水酸基、カルボキシ基、スルホ基、アル
コキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、イミド基、ハロゲン
原子等で置換されていてもよい。
これらの置換基はCp1及びCp2の目的に応じて選択さ
れ、前述の如くCp1においては置換基の一つはバラスト
基であることが好ましく、Cp2においては形成される色
素の拡散性を高めるために分子量が700以下、より好ま
しくは500以下になるよう置換基が選択されることが好
ましい。
ポジ型の色素供与物質としては、例えば下記一般式
(17)で表わされる酸化性色素放出化合物がある。
一般式(17) 式中、W1はキノン環(この環上に置換基を有していて
も良い)を形成するのに必要な原子の集まりを表わし、
R11はアルキル基又は水素原子を表わし、Eは (式中R12はアルキル基又は水素原子を表わし、R13は酸
素原子又は を表わす。)又は−SO2−を表わし、rは0又は1を表
わし、Dyeは一般式(2)で定義されたものと同義であ
る。この化合物の具体例は特開昭59−166954号、同59−
154445号等の明細書に記載されている。
別のポジ型色素供与物質としては、下記一般式(18)
で表わされる化合物で代表される酸化されると色素放出
能力を失う化合物がある。
一般式(18) 式中W2はベンゼン環(環上に置換基を有していても良
い)を形成するのに必要な原子の集まりを表わし、
R11、r、E、Dyeは一般式(17)で定義されたものと同
義である。この化合物の具体例は特開昭59−124327号、
同59−152440号等の明細書に記載されている。
さらに別のポジ型色素供与物質としては、下記一般式
(19)で表わされる化合物が挙げられる。
一般式(19) 上式において、W2、R11、Dyeは一般式(18)において
定義されたものと同義である。この化合物の具体例は特
開昭59−154445号等に記載されている。
上述の一般式(2)、(3)、(4)、(17)、(1
8)及び(19)においてDyeで表わされる拡散性色素の残
基についてさらに詳述する。拡散性色素の残基として
は、色素の拡散性の為に分子量が800以下、より好まし
くは600以下であることが好ましく、アゾ色素、アゾメ
チン色素、アントラキノン色素、ナフトキノン色素、ス
チリル色素、ニトロ色素、キノリン色素、カルボニル色
素、フタロシアニン色素等の残基が挙げられる。これら
の色素残基は、熱現像時或いは転写時に複色可能な一時
短波化された形でもよい。また、これらの色素残基は画
像の耐光性を上げる目的で、例えば特開昭59−48765
号、同59−124337号に記載されているキレート可能な色
素残基も好ましい一形態である。
これらの色素供与物質は単独で用いてもよいし、2つ
以上用いてもよい。その使用量は限定的でなく、色素供
与物質の種類、単用かまたは2種以上の併用使用か、或
いは本発明の感光要素の写真構成層が単層かまたは2種
以上の重層か等に応じて決定すればよいが、例えばその
使用量は1m2当たり0.005g〜50g、好ましくは0.1g〜10g
用いることができる。
本発明に用いる色素供与物質を熱現像感光要素の写真
構成層に含有せしめる方法は任意であり、例えば低沸点
溶媒(メタノール、エタノール、酢酸エチル等)または
高沸点溶媒(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、トリクレジルホスフェート等)に溶解した後、超音
波分散するか、あるいはアルカリ水溶液(例えば、水酸
化ナトリウム10%水溶液等)に溶解した後、鉱酸(例え
ば、塩酸または硝酸等)にて中和して用いるか、あるい
は適当なポリマーの水溶液(例えば、ゼラチン、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルピロリドン等)と共にボー
ルミルを用いて分散させた後、使用することができる。
本発明の熱現像感光要素に用いられるバインダーとし
ては、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチル
セルロース、ポリメチルメタクリレート、セルロースア
セテートブチレート、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン等の合成高分子、ゼラチン、フタル化ゼラ
チン等のゼラチン誘導体、セルロース誘導体、タンパク
質、デンプン、アラビアゴム等の合成或いは天然の高分
子物質を1又は2以上組合せて用いることができる。特
に、ゼラチンまたはその誘導体とポリビニルピロリド
ン、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーとを併用
することは好ましく、より好ましくは特開昭59−229556
号に記載のゼラチンとポリビニルピロリドン(ビニルピ
ロリドンと他のモノマーとの共重合体も含む)との混合
バインダーである。
バインダーの使用量は、通常支持体1m2当たり0.05g
〜50gであり、好ましくは0.1g〜10gである。
また、バインダーは、色素供与物質1gに対して0.1〜1
0g用いることが好ましく、より好ましくは0.25〜4gであ
る。
本発明の熱現像感光要素、さらに該感光要素が転写型
で受像要素を用いる場合、熱現像感光要素および/また
は受像要素には、各種の熱溶剤が添加されることが好ま
しい。本発明に用いられる熱溶剤とは、熱現像および/
または熱転写を促進する化合物である。これらの化合物
については、例えば米国特許第3,347,675号、同第3,66
7,959号、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643(XI
I)、特開昭59−229556、同59−68730号、同59−84236
号、同60−191251号、同60−232547号、同60−14241
号、同61−52643号、特願昭60−218768号、同60−18196
5号、同60−184637号等、米国特許第3,438,776号、同3,
666,477号、同3,667,959号、特開昭51−19525号、同53
−24829号、同53−60223号、同58−118640号、同58−19
8038号に記載されているような極性を有する有機化合物
が挙げられ、本発明に特に有用なものとしては、例えば
尿素誘導体(例えば、ジメチルウレア、ジエチルウレ
ア、フェニルウレア等)、アミド誘導体(例えば、アセ
トアミド、ベンズアミド、p−トルアミド、p−ブトキ
シベンズアミド等)、スルホンアミド誘導体(例えばベ
ンゼンスルホンアミド、α−トルエンスルホンアミド
等)、多価アルコール類(例えば、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジ
オール、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン
等)、又はポリエチレングリコール類が挙げられる。
上記熱溶剤において、以下に述べる水不溶性固体熱溶
剤がさらに好ましく用いられる。
水不溶性固体熱溶剤とは、常温では固体であるが、高
温(60℃以上、好ましくは100℃以上、特に好ましくは1
30℃以上250℃以下)では液状になる化合物であり、無
機性/有機性の比(“有機概念図”甲田善生、三共出版
(株)、1984)が0.5〜3.0、好ましくは0.7〜2.5、特に
好ましくは1.0〜2.0の範囲にある化合物である。
上記水不溶性熱溶剤の具体例としては、例えば特願昭
60−278331号、同60−280824号に記載されている。
熱溶剤を添加する層としては、感光性ハロゲン化銀乳
剤層、中間層、保護層、受像要素の受像層等それぞれの
効果が得られるよう添加されて用いられる。
熱溶剤の添加量は通常バインダー量の10重量%〜500
重量%、好ましくは30重量%〜200重量%である。
本発明の熱現像感光要素には、上記各成分以外に必要
に応じ各種添加剤、例えば色調剤、現像促進剤、無機或
いは有機の塩基または塩基プレカーサー、ハレーション
防止染料、蛍光増白剤、硬膜剤、帯電防止剤、可塑剤、
延展剤、マット剤、界面活性剤、退色防止剤等を用いる
ことができる。
本発明の熱現像感光要素には、基本的には一つの熱現
像感光性層中に(1)感光性ハロゲン化銀、(2)還元
剤、(3)色素供与物質、(4)バインダーを含有し、
さらに必要に応じて(5)有機銀塩を含有することが好
ましい。しかし、これらは必ずしも単一の写真構成層中
に含有させる必要はなく、例えば、熱現像感光性層を2
層に分け、前記(1)、(2)、(4)、(5)の成分
を一方側の熱現像感光性層に含有させ、この感光性層に
隣接する他方側の層に色素供与物質(3)を含有せしめ
る等、相互に反応可能な状態であれば2以上の構成層に
分けて含有せしめてもよい。
また、熱現像感光性層を高感度層と低感度層、高濃度
層と低濃度層等の2層またはそれ以上に分割して設けて
もよい。
本発明の熱現像感光要素は、支持体上に1または2以
上の熱現像感光性層を有する。カラーの場合には、一般
に感色性の異なる3つの熱現像感光性層を有し、各感光
層では、熱現像によってそれぞれ色相の異なる色素が形
成または放出される。通常、青感光性層ではイエロー色
素、緑感光性層ではマゼンタ色素、赤感光性層ではシア
ン色素が組み合わされるが、これに限らない。また、近
赤外感光性層を組み合わせることも可能である。
各層の構成は目的に応じて任意に選択でき、例えば、
支持体上に順次、赤感光性層、緑感光性層、青感光性層
とする構成、逆に支持体上に順次、青感光性層、緑感光
性層、赤感光性層とする構成、あるいは支持体上に順
次、緑感光性層、赤感光性層、青感光性層とする構成等
がある。
本発明の熱現像感光要素は、前記熱現像感光性層の他
に、下塗り層、中間層、保護層、フィルター層、バッキ
ング層、剥離層等の非感光性層を設けることができる。
前記熱現像感光性層およびこれらの非感光性層を支持体
上に塗布するには、一般のハロゲン化銀感光材料を塗布
調製するのに用いられるものと同様の方法が適用でき
る。
本発明の熱現像感光要素は像様露光後通常80℃〜200
℃、好ましくは100℃〜170℃の温度範囲で、1秒間〜18
0℃間、好ましくは1.5秒間〜120秒間加熱するだけで現
像される。拡散性色素の受像層への転写は熱現像時に受
像部材を感光材料の感光面と受像層を密着させる事によ
り熱現像と同時に行ってもよく、又、熱現像後に受像部
材と密着し加熱したり、又、水を供給した後に密着しさ
らに必要ならば加熱したりする事によって転写してもよ
い。また、露光前に70℃〜180℃の温度範囲で予備加熱
を施してもよい。又、特開昭60−143338号、特願昭60−
3644号に記載されているように相互の密着性を高めるた
め感光材料及び受像部材を熱現像転写の直前に80℃〜25
0℃の温度でそれぞれ予備加熱してもよい。
本発明による熱現像感光要素には、種々の露光手段を
用いることができる。
加熱手段は、通常の熱現像感光要素に適用し得る方法
がすべて利用でき、例えば加熱されたブロックないしプ
レートに接触させたり、熱ローラーや熱ドラムに接触さ
せたり、高温の雰囲気中を通過させたり、あるいは高周
波加熱を用いたり、さらには、本発明の感光要素の裏面
もしくは熱転写用受像要素の裏面にカーボンブラック等
の導電性物質を含有する導電性層を設け、通電によって
生ずるジュール熱を利用することもできる。加熱パター
ンは特に制限されることはなく、あらかじめ予熱(プレ
ヒート)した後、再度加熱する方法をはじめ、高温で短
時間、あるいは低温で長時間、連続的に上昇、下降ある
いは繰りかえし、さらには不連続加熱も可能ではある
が、簡便なパターンが好ましい。また露光と加熱が同時
に進行する方式であってもよい。
本発明の熱現像感光要素には保護層を設けることが好
ましい。
保護層には、写真分野で使用される各種の添加剤を用
いることができる。該添加剤としては、各種マット剤、
コロイダルシリカ、スベリ剤、有機フルオロ化合物(特
に、フッ素系界面活性剤)、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、高沸点有機溶媒、酸化防止剤、ハイドロキノン誘導
体、ポリマーラテックス、界面活性剤(高分子界面活性
剤を含む)、硬膜剤(高分子硬膜剤を含む)、有機銀塩
粒子、非感光性ハロゲン化銀粒子等が挙げられる。
これらの添加剤については、リサーチ・ディスクロー
ジャー誌Vol.170,1978年6月No.17029号、特願昭60−27
6615号公報に記載されている。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1 〈感光性ハロゲン化銀粒子の調製〉 特開昭57−92523号、同57−92524号明細書に示された
混合攪拌機を用いて、オセインゼラチン20gを蒸留水100
0mlとアンモニアに溶解したA液と沃化カリウム11.62g
および臭化カリウム130.9gを含有する水溶液500mlのB
液と、硝酸銀1モルおよびアンモニアを含有する水溶液
500mlのC液とを40℃にてpAg及びpHを一定に保ちつつ添
加し、さらにB液とC液の添加速度を制御することで、
沃化銀含有量7モル%、正6面体で平均粒径0.19μmの
コア粒子を調製し、次に同じ方法で沃化銀含有量1モル
%、厚さ0.05μmのシェルを被覆して、正6面体で平均
粒子が0.24μmのコア/シェル型沃臭化銀粒子を調製し
た。(単分散性は8%であった。)水洗、脱塩後の収量
は700mlであった。
〈感光性ハロゲン化銀乳剤の調製〉 上記で得られたハロゲン化銀粒子のゼラチン分散液を
下記構造の増感色素(a)および4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンの存在下にチオ硫
酸ナトリウムによる硫黄増感を施し下記組成の緑感光性
ハロゲン化銀乳剤を調製した。
〈有機銀塩分散液の調製〉 5−メチルベンゾトリアゾールと硝酸銀とを、水−メ
タノール混合溶媒中で反応させて得られた5−メチルベ
ンゾトリアゾール銀28.8gと、ポリビニルピロリドン16.
0gを含む水溶液150mlをアルミナボールミルで分散し、p
H5.5にして5−メチルベンゾトリアゾール銀分散液200m
lを調製した。
〈マゼンタ色素供与物質分散液(1)の調製〉 例示色素供与物質(PM−4)46.9gと2,5−ジ−t−オ
クチルハイドロキノン2.5gを酢酸エチル200mlに溶解
し、アルカノールXC(デュポン社製)5重量%水溶液12
4mlおよびフェニルカルバモイル化ゼラチン(ルスロー
社製、タイプ17819PC)30.5gを含む水溶液720mlと混合
して超音波ホモジナイザーで分散した後、酢酸エチルを
留去し、pHを5.5にして795mlのマゼンタ色素供与物質分
散液(1)を調製した。
〈還元剤溶液の調製〉 下記還元剤(R−1)23.3g、ポリビニルピロリドン
(分子量30,000)14.6g及び下記弗素系界面活性剤0.50g
を水に溶解し、pH5.5として還元剤溶液250mlを調製し
た。
〈熱溶剤分散液の調製〉 p−トルアミド430gおよびポリビニルピロリドン(K
−90)の1.0重量%水溶液1410mlをボールミルで分散し
て熱溶剤分散液を得た。
〈熱現像感光要素(1)の作成〉 前記のように調製した感光性ハロゲン化銀分散液6.0m
l、有機銀塩分散液4.2ml、色素供与物質分散液26.5ml、
還元剤溶液4.2ml、熱溶剤分散液14.8gおよびフェニルカ
ルバモイル化ゼラチンとゼラチンを混合し10%水溶液と
したもの7.6mlを混合し、更に硬膜剤としてテトラ(ビ
ニルスルホニルメチル)メタン−タウリン反応物(1:1
重量比)をフェニルカルバモイル化ゼラチン1%水溶液
に溶解してテトラ(ビニルスルホニルメチル)メタンが
3重量%になるようにしたものを2.50ml混合し、10%ク
エン酸水溶液でpH5.5に調製したのち、下引が施された
厚さ180μmの写真用ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に銀量が1.31g/m2となるように熱現像感光性層を
塗布し、更にその上に前記フェニルカルバモイル化ゼラ
チン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンおよびp−トル
アミドの混合物からなる保護層を設けた。
次に表−1に示すように本発明の化合物および比較の
化合物を熱現像感光性層に添加した以外は熱現像感光要
素(1)と全く同様にして熱現像感光要素(2)〜(1
0)を作製した。なお、本発明の熱カブリ防止剤および
比較化合物は0.1%メタノール溶液として添加した。
〈受像要素(1)の作製〉 写真用バライタ紙にポリカーボネート(帝人化成製L
−1250、分子量25,000)の塩化エチレン溶液をポリカー
ボネートが15.0g/m2となるよう塗布して受像要素(1)
を作成した。
前記の熱現像感光要素(1)〜(10)のそれぞれにス
テップウェッジを通して露光を与え、受像要素(1)と
重ね合わせて熱現像機(ディベロッパーモジュール27
7、3M社製)にて150℃で1分間の熱現像を行ったのち、
熱現像感光要素と受像要素を速かに引き剥がした。受像
要素のポリカーボネート表面にステップウェッジのマゼ
ンタ色ネガ像が得られた。
また、熱現像感光要素を50℃相対温度80%の高温・高
湿下に30時間放置した強制劣化試料についても同様の露
光、熱現像処理を行った。
得られた各マゼンタ多色ネガ像の緑色反射濃度を濃度
計(PDA−65、小西六写真工業製)を用いて測定し、最
小濃度(カブリ)、最大濃度および放置による減感率を
求めた。ここで減感率は下式により求めた。
減感率(%)= (1−放置後の感度/放置前の感度)×100 表−1の結果から、本発明の熱現像感光要素(5〜1
0)は本発明の化合物を含有しないもの(1)および公
知のカブリ防止剤を含有するもの(2〜4)に比べて、
熱現像カブリが改善され、また高温・高湿下に保存した
ときの最小濃度(カブリ)、最大濃度および感度の変化
が小さく保存性も著しく改良されていることが判る。
実施例2 〈感光性ハロゲン化銀乳剤の調製〉 実施例1で用いたのと同じ感光性ハロゲン化銀粒子を
用いて、実施例1と同様にして、青、緑および赤感光性
に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を調製した。ただ
し、緑感光性乳剤は実施例1そのままであり、青感光性
および赤感光性乳剤には、それぞれ下記構造の青色分光
増感色素(b)および赤色分光増感色素(c)を用い
た。
〈イエロー色素供与物質分散液(1)およびシアン色素
供与物質分散液(1)の調製〉 例示色素供与物質(PM−4)46.9gに代えて、それぞ
れ例示色素供与物質(PM−1)23.3gおよび例示色素供
与物質(PM−5)45.9gを添加した以外は実施例1にお
ける〈マゼンタ色素供与物質分散液(1)の調製〉と全
く同様にして、イエロー色素供与物質分散液(1)およ
びシアン色素供与物質分散液(1)を調製した。
〈色濁り防止剤分散液(1)の調製〉 下記色濁り防止剤(SC−1)25.0gを酢酸エチル80ml
に溶解し、アルカノールXC(デュポン社製)5重量%水
溶液50mlおよびゼラチン12.0gを含む水溶液560mlと混合
して超音波ホモジナイザーで分散し、酢酸エチルを留去
して色濁り防止剤分散液(1)を調製した。
〈イエローフィルター色素分散液(1)の調製〉 下記構造のイエローフィルター色素20.0gを酢酸エチ
ル120mlに溶解し、アルカノールXC5重量%水溶液および
ェニルカルバモイル化ゼラチン9.0g/lを含む水溶液250m
lと混合して超音波ホモジナイザーで分散し、酢酸エチ
ルを留去してイエローフィルター色素分散液(1)300m
lを調製した。
これらの各乳剤、各分散液を用いて表−2に示すよう
に重層構成の熱現像感光要素(11)〜(20)を作成し
た。この際、表−3に示すように本発明の熱カブリ防止
剤および比較化合物を添加した。
得られた熱現像感光要素(11)〜(20)それぞれに、
ステップウェッジを通して2000CMSの露光を与え、受像
要素(1)と重ね合わせ実施例1と同様の処理を行い受
像要素のポリカーボネート表面にフルカラーの転写像を
得た。各転写色像の青色(B)、緑色(G)、赤色
(R)反射濃度を測定し最小濃度(カブリ)および最大
濃度を求めた。結果を表−4に示す。
表−4の結果から明らかなように、本発明を多層式カ
ラー熱現像感光要素に適用した場合も、本発明の化合物
を含有しないもの、または比較化合物のみを含有するも
のに比べて熱カブリが顕著に改善される。
実施例3 下記色素供与物質(DR−1)30.0gをジメチルラウラ
ミド30.0gおよび酢酸エチル90.0mlに溶解し、アカルノ
ールXC5重量%水溶液100mlおよびゼラチン36.0gを含む
水溶液800mlと混合して超音波ホモジナイザーで分解し
た後、酢酸エチルを留去し水を加えて900mlのイエロー
色素供与物質分散液(2)を調製した。
また、下記色素供与物質(DR−2)および下記色素供
与物質(DR−3)についても同様の処方にて、それぞれ
マゼンタ色素供与物質分散液(2)およびシアン色素供
与物質分散液(2)を調製した。
さらに、下記色濁り防止剤(SC−2)30.0g、トリク
レジルホスフェート15.0g、酢酸エチル90mlに溶解し、
アルカノールXC5重量%水溶液50mlおよびゼラチン20.0g
を含む水溶液560mlと混合して、超音波ホモジナイザー
で分解し、酢酸エチルを留去して、色濁り防止剤分散液
(2)600mlを調製した。
DR−1 DR−2 DR−3 これらと実施例2で用いたのと同じハロゲン化銀乳剤
および5−メチルベンゾトリアゾール銀分散液を用い
て、表−5に示す重層構成の熱現像感光要素(21)〜
(29)を作成した。また、この時表−6に示す化合物を
含有せしめた。
次いで厚さ200μmのポリエチレンでコートした紙支
持体上に下記の層を順次塗布することにより、受像要素
(2)を作成した。
(1)ポリアクリル酸(7.0g/m2)からなる中和層。
(2)酢酸セルロース(4.0g/m2)からなるタイミング
層。
(3)スチレンとN−ベンジル−N,N−ジメチル−N−
(3−マレイミドプロピル)アンモニウムクロリドの1:
1の共重合体(3.0g/m2)および酸処理ゼラチン(3.0g/m
2)からなる層。
(4)尿素(4.0g/m2)およびポリビニルアルコール
(ケン化度98%)(3.0g/m2)からなる層。
ただし、各層とも、これらの他に少量の界面活性剤、
硬膜剤を含有する。
前記熱現像感光要素(21)〜(29)に対し、ステップ
ウェッジを通して4,000CMSの露光を与え、前記受像要素
(2)と合わせてから熱現像機にて140℃1分間の熱現
像を行った後、感光要素と受像要素とを速やかに引き剥
がした。各試料について受像要素上に得られた転写色素
画像のB、G、R反射濃度を実施例2と同様に濃度計で
測定、最小濃度および最大濃度を求めた。結果を表−7
に示す。
表−7の結果から、本発明の熱現像感光要素は、色素
供与物質として現像主薬の酸化体とレドックス反応を起
こして拡散性色素を放出する化合物を用いた場合にも、
高濃度でかつ熱カブリが低いという優れた性能を有する
ことが判る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に感光性ハロゲン化銀を含有する
    層を有する熱現像感光要素において、下記一般式[I]
    で表される化合物の少なくとも1つを含有することを特
    徴とする熱現像感光要素。 一般式[I] [式中、Z1およびZ2は各々5員または6員の複素環を形
    成するに必要な非金属原子群を表し、Y1およびY2は各
    々、水素原子又は置換基を表す。]
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