JP3239473B2 - 水系エマルジョンの製造方法及び感圧性接着剤 - Google Patents

水系エマルジョンの製造方法及び感圧性接着剤

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水系エマルジョンの製
造方法及び感圧性接着剤に関するものである。更に詳し
くは、本発明は、高固形分の水系エマルジョンの製造方
法及び該水系エマルジョンを用いた感圧性接着剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】水系エマルジョンであって、65〜75
重量%程度の固形分を有する、いわゆる高固形分水系エ
マルジョンは、その特徴を生かして、広範な分野への適
用が期待されている。たとえば、高固形分水系エマルジ
ョンからなる感圧性接着剤は、乾燥速度が速いため生産
性が高く、基材である紙の品質の劣化を防ぐことがで
き、また同種の低固形分エマルジョンに比べて初期接着
性に優れるといった特徴を有している。
【0003】ところで、高固形分水系エマルジョンの製
造にあたっては、その本質的特徴上、重合反応時に重合
反応液の粘度が上昇し、均一で高品質なエマルジョンが
得られ難く、著しい場合には重合反応の続行が不可能に
なるといった問題や、重合反応時に重合槽内の壁や攪拌
機などにスケールが付着し、作業効率が低下するといっ
た問題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、従来の技術の欠点を解
消し、高品質の高固形分水系エマルジョンの製造方法で
あって、スケールが重合槽内の壁や攪拌機などに付着す
るといった不都合を伴わず、低粘度で作業効率に優れる
高固形分水系エマルジョンの製造方法及び該水系エマル
ジョンを用いた感圧性接着剤であって、耐水曲面接着力
及び低温接着力に優れた感圧性接着剤を提供する点に存
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明のうち、一の発明は、下記第一工程及び
第二工程を含む水系エマルジョンの製造方法に係るもの
である。 第一工程:アニオン系界面活性剤を含有する水溶液に重
合用モノマー成分を添加することにより重合用乳化液を
得る工程であって、下記(1)及び(2)の条件を満足
する工程 (1)アニオン系界面活性剤は、その一分子中に一つ以
上のスルホン酸基及び一つ以上のカルボン酸基を有する
ものであり、重合用乳化液中のアニオン系界面活性剤の
含有量は、全重合用モノマー成分100重量部あたり
1.5〜3.5重量部であること (2)アニオン系界面活性剤を含有する水溶液に重合用
モノマー成分を添加するにあたり、添加すべき全重合用
モノマー成分の混合物を3〜15部分に分割し、その一
部分を添加した後、攪拌を行うことにより乳化状態の液
を得、その後次の一部分を添加すること 第二工程:第一工程で得た重合用乳化液を重合反応に付
すことにより水系エマルジョンを得る工程であって、下
記(3)及び(4)の条件を満足する工程 (3)重合反応を、レドックス触媒の存在下、40〜6
5℃の温度範囲で大気圧下において行うこと (4)第一工程で得た重合用乳化液を重合反応混合液系
に供給するにあたり、重合用乳化液を重合反応混合液の
液中に供給すること
【0006】また、本発明のうち、他の発明は、上記の
方法により得られる水系エマルジョンを用いた感圧性接
着剤に係るものである。
【0007】以下、詳細に説明する。第一工程で用いら
れるアニオン系界面活性剤は、その一分子中に一つ以上
のスルホン酸基及び一つ以上のカルボン酸基を有するも
のである。かかるアニオン系界面活性剤を用いることに
より、低粘度で作業効率にすぐれた高固形分水系エマル
ジョンが得られる。ここで低粘度とは、25℃における
エマルジョンの粘度が、B型回転粘度計を用いた60r
pmの値で通常3000cps以下、好ましくは100
0cps以下のものをいう。なお、カルボン酸基とは、
カルボン酸基及びその塩が含まれる。
【0008】重合用乳化液中のアニオン系界面活性剤の
含有量は、全重合用モノマー成分100重量部あたり
1.5〜3.5重量部、好ましくは1.5〜2.5重量
部である。該使用量が過少な場合は良好な乳化状態の液
を得ることができない。一方該使用量が過多な場合は、
重合反応時の反応系の粘度が上昇し、十分な攪拌混合が
困難になり、よって均一で高品質のエマルジョンを得る
ことができず、著しい場合には重合反応の続行が不可能
になる場合があり、更に得られた水系エマルジョンを感
圧性接着剤として用いた場合には、耐水性及び塗工時の
作業性に劣り、剥離後に感圧性接着剤の痕跡が残るとい
う問題を生じる。
【0009】第一工程においてアニオン系界面活性剤を
含有する水溶液に重合用モノマー成分を添加するにあた
り、添加すべき全重合用モノマー成分の混合物を3〜1
5部分、好ましくは5〜10部分に分割し、その一部分
を攪拌しながら添加することにより乳化状態の液を得、
その後次の一部分を添加するといった、逐次的操作を行
なうことが特に重要である。すなわち、本発明によるこ
となく、水、界面活性剤及び全重合用モノマー成分を同
時に添加混合したり、界面活性剤の水溶液に無攪拌下に
全重合用モノマー成分を添加したり、攪拌下においても
全重合用モノマー成分を一度に添加したり、添加時に十
分な乳化状態を確認することなく連続的又は間欠的に添
加した場合には、第一工程の最終段階において均一な重
合用乳化液を得ることができず、かかる重合用乳化液を
用いて第二工程の重合反応を実施した場合には、重合工
程において得られるエマルジョンの粒径、粘度、共重合
体の組成などの制御が困難になり、よって製品であるエ
マルジョンの品質も不均一なものとなる。更に著しい場
合には、重合中の攪拌が不可能になる程の高粘度のエマ
ルジョンとなる。ここで、十分な乳化状態を得るために
は、添加すべき重合用モノマー成分の各一部分を添加し
た後10〜30分程度十分に攪拌混合すればよい。ま
た、全重合用モノマー成分の混合物をあまり多数の小部
分に分割すると、重合に要する時間が長くなり、生産性
が低下する。なお、本発明において、重合用モノマー成
分とは、エマルジョン中の共重合体を構成するモノマー
成分をさす。
【0010】第二工程は、第一工程で得た重合用乳化液
を重合反応に付すことにより水系エマルジョンを得る工
程である。
【0011】重合反応は、レドックス触媒の存在下、4
0〜65℃、好ましくは45〜60℃の温度範囲で大気
圧下において行うことが必要である。レドックス触媒を
用いない方法、たとえば熱分解重合法による高温重合を
用いた場合には、重合反応混合物が重合槽内の壁や攪拌
機などに付着してスケールを生じ、この付着のために、
除熱効果の低下や製品収率の低下、剥離スケールの製品
への混入による品質の低下、スケールの除去、清掃に要
する労力の発生など、生産上の不都合を生じる。
【0012】レドックス触媒のうち、酸化系触媒として
は通常の乳化重合に用いられるものが使用でき、たとえ
ば過酸化水素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、tert−ブチルヒドロペルオキシ
ドなどをあげることができる。また、還元系触媒として
は、たとえばL,D−アスコルビン酸、亜硫酸塩、ロン
ガリット、硫酸第一鉄などを用いることができる。かか
る各触媒の使用量は、全重合用モノマー成分100重量
部に対して、酸化系触媒又は還元系触媒の各々の量とし
て、通常0.35〜1.0重量部である。また、還元系
触媒の使用量は、酸化系触媒の使用量1モルに対して、
0.5〜1.5モルの範囲が好ましい。
【0013】第二工程においては、第一工程で得た重合
用乳化液を重合反応混合液系に供給するにあたり、該重
合用乳化液を重合反応混合液の液中に供給することが必
要である。本発明によることなく、重合用乳化液を重合
反応混合液上の空中から滴下した場合には、粘着性のポ
リマー状のものが生成し、該ポリマー状のものが重合槽
内の壁や攪拌機等に付着し、作業性が低下し、熱分解重
合法による高温重合を用いた場合と同様の生産上の不都
合が生じる。
【0014】第二工程の重合反応の方法としては、たと
えば次の方法があげられる。重合反応温度に維持された
水を含有する重合槽の液中に、第一工程で得られた重合
用乳化液を供給する。この場合、重合用乳化液の全量を
一時に供給するのではなく、その一部、たとえば約5%
以下を供給し、レドックス触媒及び重合開始剤を添加し
て重合を開始させる。その後、残りの重合用乳化液を逐
次供給し、全重合用乳化液を供給して、重合反応を完結
させる。なお、重合用乳化液中の全重合用モノマー濃度
は、80〜90重量部%が好ましい。
【0015】本発明の実施にあたっては、前記の特定の
界面活性剤の他、公知の界面活性剤及び保護コロイド
を、全重合用モノマー成分100重量部に対し50重量
部以下の範囲で使用してもよい。非イオン系界面活性剤
としては、たとえばポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテルなどのポ
リオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレ
ンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル;エチレンオキサイドの付加量が10〜8
0重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロックコポリマーなどが例示される。アニオン系界面活
性剤としては、たとえばラウリル硫酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ、ジアルキルスルホコハ
ク酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエ
ーテル硫酸ナトリウムなどが例示される。保護コロイド
としては、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースなどの繊維系誘導体などが例示される。pH調
整剤としては、塩酸、リン酸、酢酸、コハク酸、炭酸な
どの酸及びその塩;アルカリ金属水酸化物、アンモニア
水、アミンなどの塩基が使用される。また、連鎖移動剤
としてのメルカプタン類などを使用してもよい。
【0016】本発明の方法は、たとえば重合用モノマー
成分として、少くとも(メタ)アクリル酸エステル及び
(メタ)アクリル酸を含有する場合、又は重合用モノマ
ー成分として、少くとも酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸エステル及び(メタ)アクリル酸を含有する場合に最
適に使用できる。本発明によると、酢酸ビニル3〜37
重量%、アクリル酸−2−エチルヘキシル55〜96重
量%及びアクリル酸1〜8重量%からなり、ガラス転移
温度が−40〜−65℃である共重合体を主成分とし、
固形分が65〜75重量%の水系エマルジョンを得るこ
とができる。かかる水系エマルジョンは感圧性接着剤と
して使用できる。なお、このエマルジョンを感圧性接着
剤として使用する段階において、本発明の特徴を損なわ
ない範囲において、消泡剤、粘度調整剤、充填剤などを
加えてもよい。本発明の感圧性接着剤は、乾燥速度が速
いため基材である紙の品質を劣化することがないこと、
低温接着力及び耐水曲面接着力に優れること、低粘度で
あるためシード重合といった製法などにも適用し易く、
更に製造工程及び塗工工程における作業性に優れること
といった特徴を有している。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明する。評価
方法は、次のとおりである。 (1)固形分(重量%) 水系エマルジョン1gをアルミボードの上にとり、10
5℃で2時間乾燥させた後の樹脂分(固形分)を、用い
た水系エマルジョンに対する重量%で示した。 (2)粘度(cps) 水系エマルジョンの粘度をB型回転粘度計を用い、25
℃、60rpmにて測定した。 (3)ガラス転移温度(Tg:℃) 水系エマルジョンの数gをガラス棒を用いてフィルム上
に薄く延ばし、60℃、30分間以上乾燥したものを1
0〜15mg精秤採取してアルミニウム箔製のセルに入
れ、熱分析システム(たとえば、セイコー電子工業社製
SSC5000 熱分析システム)を用いて10℃/
minの昇温速度で−100℃〜100℃の範囲で測定
した。
【0018】(4)付着状況 重合反応後の重合槽について、重合槽の壁面及び攪拌羽
根への付着物の状況を目視観察し、以下の基準により評
価した。 ◎:水を流すだけで付着物が落ちる ○:たわしで軽く擦れば付着物が落ちる △:金ブラシなどで軽く擦ると付着物が落ちる ×:金ブラシなどで長時間擦らないと付着物が落ちない (5)重合用乳化液の乳化状態 第一工程で得られた重合用乳化液の乳化状態を目視観察
し、乳化状態が良好なものを○、不良なものを×とし
た。
【0019】(6)低温接着力 得られた水系エマルジョンを厚さ110μの離型紙上
に、粘着剤塗布厚が25μになるように自動塗工装置を
用いて均一に塗布し、80℃の温風で5分間乾燥し、次
に55g/m2 の粘着シート用上質紙に転写して感圧接
着シートを得た。この感圧接着シートについて下記の方
法により評価を行なった。−30℃の恒温室に2時間放
置したポリエチレン(PE)板に、−30℃雰囲気下で
JIS Z−238の方法に従って試験片を圧着し、更
に−30℃で30分間放置した後、−30℃の条件下で
180°角の方向に300mm/分の速度で剥離した時
の強度(単位g/25mm)をテンシロン引張試験機に
よって測定し、以下の基準によりその性能を評価した。 剥離強度150g以上の場合 低温接着力 ○ 〃 150g未満50g以上の場合 △ 〃 50g未満の場合 ×
【0020】(7)耐水曲面接着力 低温接着力の評価用に調製したのと同じ感圧接着シート
について、次のとおり実施した。直径1cmのポリエチ
レン製丸棒に1.0cm×2.5cmの感圧接着シート
の試験片を貼合し、この丸棒を25℃の水に浸漬し、2
4時間後の試験片の密着度を観察し、下記の基準により
評価した。 外観異常なしの場合 ○ 先端部が浮き状態の場合 △ 完全に剥がれている場合 ×
【0021】 実施例1 (第一工程) 攪拌機付の容器に、イオン交換水133.3g、アニオ
ン系界面活性剤としてポリオキシエチレン(4)2−エ
チルヘキシルエーテルスルホサクシネートジナトリウム
塩(1分子中に1個のスルホン酸基及び1個のカルボン
酸基を有する。)20gを投入し、攪拌混合することに
より界面活性剤を含有する水溶液を調製した。また、別
の容器に、酢酸ビニル120g、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル850g、アクリル酸30gを投入して混合
し、重合用モノマー混合物を調製した。この重合用モノ
マー混合物を10部分に分割し、その一部分を前記の界
面活性剤を含有する水溶液に攪拌しながら添加し、10
分程度十分に混合攪拌し、乳化状態の液を得た。更に、
重合用モノマー混合物の他の一部分を添加して混合する
操作を繰り返し、最終的にすべての重合用モノマーを含
有する均一な重合用乳化液を得た。
【0022】(第二工程)温度計、攪拌機、窒素導入管
及び還流冷却器を備えた2lのガラス製重合槽に、イオ
ン交換水161.5gを仕込み、50℃に昇温し、窒素
置換を行なった後、還元系助触媒である0.2重量%の
硫酸第一鉄塩8gを添加した。かくして得られた水溶液
に、前記の重合用乳化液を6時間かけて添加し、更に酸
化系触媒である10重量%の過硫酸アンモニウム水溶液
76g及び還元系触媒である6.76重量%のロンガリ
ット水溶液76gを6.5時間かけて添加し、その後5
0℃で1時間熟成させ、水系エマルジョンを得た。な
お、重合用乳化液は、重合槽中の液中供給した。結果を
表1に示した。
【0023】実施例2〜5及び比較例1〜6 表1〜3の条件としたこと以外は、実施例1と同様に行
なった。結果を表1〜3に示した。
【0024】結果から次のことがわかる。本発明による
すべての実施例は、すべての評価項目において満足すべ
き結果を示している。一方、本発明の条件のいずれかを
欠く比較例は、次の点で不満足な結果を示している。重
合用乳化液の供給を重合液上の空中から行なった比較例
1は付着状況に劣る。重合を高温熱分解法で行なった比
較例2は付着状況に劣る。アニオン系界面活性剤の量が
過多である比較例3は付着状況、耐水曲面接着力及び低
温接着力に劣り、かつ重合液の粘度が高い。アニオン系
界面活性剤の量が過少である比較例4は乳化液の乳化状
態が悪く、重合中にゲル化が生じた。重合用乳化液の調
製時に、重合用モノマーを一括添加した比較例5は乳化
液の乳化状態が悪く、重合中にゲル化が生じた。本発明
によらないアニオン系界面活性剤を用いた比較例6は重
合中にゲル化が生じた。
【0025】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 施 例 1 2 3 4 5 モノマー組成 WT比 *1 VAC/2EHA/AA 15/82/3 4/92/4 30/67/5 15/82/3 15/82/3 A 系界面活性剤 *2 種類 A1 A1 A1 A1 A1 量 2.0 2.0 2.0 1.5 2.5 乳化液調製法 *3 分割 分割 分割 分割 分割 重合法 *4 R R R R R 重合温度 ℃ 50 50 60 50 50 重合用乳化液 *5 液中 液中 液中 液中 液中 の供給方法 乳化液の状態 ○ ○ ○ ○ ○ 固形分WT% 69.1 69.3 69.2 65.2 65.5 Tg ℃ -62 -65 -52 -61 -62 粘度 CPS 190 360 220 200 620 付着状況 羽根 ○ ○ ○ ○ ○ 壁 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐水曲面接着力 ○ ○ △ ○ ○ 低温接着力 ○ ○ △ ○ ○ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0026】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比 較 例 1 2 3 4 5 モノマー組成 WT比 *1 VAC/2EHA/AA 15/82/3 15/82/3 15/82/3 15/82/3 15/82/3 A 系界面活性剤 *2 種類 A1 A1 A1 A1 A1 量 2.0 2.0 5.0 1.0 2.0 乳化液調製法 *3 分割 分割 分割 分割 一括 重合法 *4 R T R R R 重合温度 ℃ 50 80 50 50 50 重合用乳化液 *5 液上 液中 液中 液中 液中 の供給方法 乳化液の状態 ○ ○ ○ × × 固形分WT% 68.4 69.1 67.9 Tg ℃ -59 -64 -60 重 重 粘度 CPS 560 360 5690 合 合 付着状況 中 中 羽根 × × △ ゲ ゲ 壁 ○ × ○ ル ル 耐水曲面接着力 ○ ○ × 化 化 低温接着力 ○ ○ △ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0027】
【表3】
【0028】*1 モノマー組成 VAC:酢酸ビニル 2EHA:アクリル酸−2−エチルヘキシル AA:アクリル酸 *2 A系界面活性剤:アニオン系界面活性剤 A1:ポリオキシエチレン(4)2−エチルヘキシルエ
ーテルスルホサクシネートジナトリウム塩(本発明によ
るもの) A2:ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(本発明によ
らないもの) 量:全重合用モノマー成分100重量部あたりの重量部 *3 乳化液調製法 分割:本発明による方法 一括:本発明によらない方法 *4 重合法 R:レドックス触媒による方法(本発明によるもの) T:高温熱分解法(本発明によらないもの) *5 重合用乳化液の供給方法 液中:本発明による方法 液上:本発明によらない方法
【0029】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、高
品質の高固形分水系エマルジョンの製造方法であって、
スケールが重合槽内の壁や攪拌機などに付着するといっ
た不都合を伴わず、低粘度で作業効率に優れる高固形分
水系エマルジョンの製造方法及び該水系エマルジョンを
用いた感圧性接着剤であって、耐水曲面接着力及び低温
接着力に優れた感圧性接着剤を提供することができた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記第一工程及び第二工程を含む水系エマ
    ルジョンの製造方法。 第一工程:アニオン系界面活性剤を含有する水溶液に重
    合用モノマー成分を添加することにより重合用乳化液を
    得る工程であって、下記(1)及び(2)の条件を満足
    する工程 (1)アニオン系界面活性剤は、その一分子中に一つ以
    上のスルホン酸基及び一つ以上のカルボン酸基を有する
    ものであり、重合用乳化液中のアニオン系界面活性剤の
    含有量は、全重合用モノマー成分100重量部あたり
    1.5〜3.5重量部であること (2)アニオン系界面活性剤を含有する水溶液に重合用
    モノマー成分を添加するにあたり、添加すべき全重合用
    モノマー成分の混合物を3〜15部分に分割し、その一
    部分を添加した後、攪拌を行うことにより乳化状態の液
    を得、その後次の一部分を添加すること 第二工程:第一工程で得た重合用乳化液を重合反応に付
    すことにより水系エマルジョンを得る工程であって、下
    記(3)及び(4)の条件を満足する工程 (3)重合反応を、レドックス触媒の存在下、40〜6
    5℃の温度範囲で大気圧下において行うこと (4)第一工程で得た重合用乳化液を重合反応混合液系
    に供給するにあたり、重合用乳化液を重合反応混合液の
    液中に供給すること
  2. 【請求項2】重合用モノマー成分として、少なくとも
    (メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸を
    含有する請求項1記載の方法。
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