JP3239355B2 - 餌料培養礁を備えた人工魚礁 - Google Patents

餌料培養礁を備えた人工魚礁

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JP3239355B2
JP3239355B2 JP03779998A JP3779998A JP3239355B2 JP 3239355 B2 JP3239355 B2 JP 3239355B2 JP 03779998 A JP03779998 A JP 03779998A JP 3779998 A JP3779998 A JP 3779998A JP 3239355 B2 JP3239355 B2 JP 3239355B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多毛類,小型甲殻
類等の微小動物を増殖させ、これらの微小動物を餌料と
する魚を蝟集して継続的に滞留させることを目的とした
餌料培養礁及び餌料培養礁を備えた人工魚礁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内湾浅海の砂浜海底では光合成
により顕花植物のアマモ,コアマモなどが生長し、これ
が繁茂してアマモ場を形成する。このようなアマモ類が
密生した藻場には、ウニ,サザエ,アワビ等の海洋生物
が付着し、また、海藻類が作り出す複雑な空間に多毛
類,小型甲殻類等の微小動物が棲息し、さらには、これ
らの微小動物を餌料とする種々の魚が蝟集する。特に、
藻場には、前述した多毛類,小型甲殻類等を餌料とする
例えばクロダイ,アイナメ,スズキ,メバル等の有用魚
類の稚魚,未成魚等が蝟集することから、有用魚類の稚
魚等の育成場として重要な機能を有している。ところ
で、前述したように、アマモなどは、光合成により生長
することから、成育に適した水深には限度があり、比較
的水深の浅い沿岸の浅海域でしかアマモが密生した藻場
が発達しない。このため、深い水深帯では有用魚類等の
稚魚等の育成場ができにくい環境にある。このような深
い水深帯において有用魚類の稚魚の育成を人工的に造成
するには、まず、餌料となる多毛類,小型甲殻類等の微
小動物が繁殖可能な環境を作り出す必要があり、近年、
餌料となる多毛類,小型甲殻類等を繁殖させるための人
工魚礁が種々開発されている。例えば、特開平6−14
1727号、特公平6−77493号、特開平7−23
6385号公報等には、網体にカキ等の貝殻を充填し、
貝殻の隙間に多毛類,小型甲殻類等を繁殖させる人工魚
礁用集魚ケースが提案されている。しかし、これらの集
魚ケースは、単に網体に多数の貝殻を充填するものであ
り、潮流が速い海域や波浪の大きな海域では、網体の内
部に充填したカキ殻が相互にぶつかり合って壊れやす
く、壊れたカキ殻の破片が網体から流失しまい、長期間
に渡って多毛類,小型甲殻類等の繁殖機能を維持できな
いという問題がある。
【0003】また、特公平5−48092号公報等で
は、カキ殻等を充填した集魚ケースをスチール製枠組か
らなる魚礁枠体の上面側に取り付け、餌料増殖させる集
魚ケースとこの集魚ケースに蝟集する魚類の魚巣機能を
兼ね備えた人工魚礁も提案されているが、前述したよう
に潮流が速い海域や波浪の大きな海域においては、スチ
ール製枠組からなる鉄骨構造の魚礁枠体では、重量的に
軽いことから、波浪エネルギーによって転倒する危険が
あり、このような人工魚礁の転倒によって強度的に弱い
網体が破壊され、早期に餌料の繁殖機能を失うことにな
る。
【0004】本発明は上記課題に基いてなされたもので
あり、有用魚類の餌料を増殖させて効果的に魚を蝟集す
ることができるとともに、貝殻の流失を防止して長期に
渡って有用魚類の餌料となる多毛類,小型甲殻類等を増
殖させることができる餌料培養礁を備えた人工魚礁を提
供することを目的とする。また、本発明は、潮流,波浪
に対して転倒することなく、魚礁ブロックを海底に安定
的に設置することができる餌料培養礁を備えた人工魚礁
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の餌料培養
礁を備えた人工魚礁は、内部に空間部を有する人工魚礁
と、貝殻群をモルタルにより相互に一体化して内部に多
数の空洞部を備えた多孔質状の餌料培養層とを具備し、
前記人工魚礁は、コンクリート製の魚礁ブロックと、こ
の魚礁ブロックの上面側に固定される鉄骨構造の魚礁枠
体とで構成され、その魚礁枠体の上面側に前記餌料培養
層を収納する網体からなる複数の網籠を配列し、前記魚
礁枠体の上面側に前記網籠の位置決めをする複数の収容
枠を設け、これら収枠を放射状に配列し、その各
枠を相互に連結して一体化するとともに、少なくとも各
枠の中央部に前記空間部と連通する開口部を設け、
かつ、前記魚礁ブロックの中央部に円筒型ブロックを設
け、この円筒型ブロックの内部に人工魚礁の全重量を調
整するコンクリートを充填したものである。
【0006】上記のように構成される餌料培養礁を備え
た人工魚礁は、餌料培養層で増殖した餌料により餌料培
養層の周囲に小魚類が蝟集し、さらに餌料培養層に蝟集
する小魚類を餌料とする底棲型魚類が魚礁ブロックと魚
礁枠体に形成される空間部に継続的に滞留し、人工魚礁
の空間部が魚類の育成域として機能する。また、人工魚
礁を藻が成育しにくい深い水深帯に沈設しても、餌料培
養礁が魚礁ブロックと魚礁枠体によって嵩上げされ、餌
料培養層を藻の成育に適した水深帯に保持することがで
きるため、餌料培養層に藻が着生し、有用魚類の稚魚な
どが繁殖する藻場として機能する。さらに、コンクリー
ト製の魚礁ブロックと鋼材から成る魚礁枠体といった異
種材料を組み合わせることによって、波浪エネルギーに
対抗できる重量を確保できるとともに、下部側に位置す
る魚礁ブロックにより人工魚礁の重心が安定し、潮流が
速い海域あるいは波浪の大きな海域でも人工魚礁が転倒
することなく長期に渡って安定状態で設置でき、人工魚
礁の転倒による網籠の破壊も防止できる。また、網籠の
内部に収納した貝殻をモルタルで一体化することによ
り、潮流,波浪による貝殻の流失を防ぐことができ、長
期に渡って堅牢で、餌料培養層としての機構を維持でき
る。特に、前記魚礁枠体の上面側に前記網籠の位置決め
する複数の収容枠を設け、これら収容枠を相互に連結し
て一体化するとともに、少なくとも各収容枠の内側に前
記空間部と連通する開口部を設けることにより、人工魚
礁への網籠の組み付けが容易である。また、餌料培養礁
に蝟集する魚類が開口部を通って人工魚礁の空間部内外
を回遊することができ、人工魚礁の魚巣機能も高まる。
さらに、前記魚礁ブロックの中央部に円筒型ブロックを
設け、この円筒型ブロックの内部に人工魚礁の全重量を
調整するコンクリートを充填しているので、円筒型ブロ
ックに充填するコンクリートの量を調整することで人工
魚礁を沈設する海域における潮流の速さや波浪の大きさ
に応じて人工魚礁全体の全重量が調整可能となる。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明の第1実施例について
詳細に説明する。図1から図3は本発明の第1実施例に
よる餌料培養礁を備えた人工魚礁を示しており、本実施
例ではコンクリート製の魚礁ブロック30と鉄骨構造の魚
礁枠体40とからなる人工魚礁50に餌料培養礁1を取り付
けるものである。本実施例における魚礁ブロック30は、
図1に示すように、中央部に円筒型ブロック31を配し、
その円筒型ブロック31の外周面に互いに直交するように
倒コ字型に形成された四本の支持脚32を放射状に連設し
て円筒型ブロック31の周縁部に支持脚32を十字型に配
し、これら支持脚32を矩形枠状に形成された天板ブロッ
ク33により一体化している。そして、天板ブロック33の
上面側には前記魚礁枠体40をアンカーボルト40Aによっ
て固定する。魚礁枠体40は鋼材からなる四本の支持脚41
と、これら支持脚41を相互に一体化する矩形枠状の天端
部42とを備え、魚礁枠体40の剛性を高めるために支持脚
41と天端部42とを傾斜した補強用鉄骨43で連結した構造
となっている。また、魚礁ブロック30の中央部に配置さ
れる前記円筒型ブロック31は空洞状に形成され、この円
筒型ブロック31の内部にコンクリート45を充填すること
により、人工魚礁50の全重量を調整するようにしてい
る。
【0008】また、前記魚礁枠体40の天端部42の上面側
には前記餌料培養礁1を取り付けるための収容枠46が固
定されており、この収容枠46の内部に網体5で構成した
網籠47を収納する。この網籠47の内部には、モルタルに
よって一体化した多数のカキの貝殻からなる餌料培養層
を(図示せず)収納する。なお、前記収容枠46は、前記
天端部42の一辺中央部にそれぞれ固定され、その計四つ
の収容枠46が天端部42に固定され、さらに、その各収容
枠46の内部に四つの網籠47が収容されている。すなわ
ち、本実施例においては、一体化したカキの貝殻(図示
せず)を収納した四つの網籠47を収容枠46に組み付けて
ユニット化し、その収容枠46を集合させて餌料を繁殖さ
せる餌料培養礁1を構成している。また、前記天端部42
に固定される四つの収容枠46は、その各収容枠46の内側
両角部を互いに接合する形で十字型に連結され、このよ
うに一体化した各収容枠46は、さらに、天端部42に固定
した収容枠46の隣接角部と前記支持脚41とを補強用鉄骨
48によって一体的に連結している。そして、このよう
に、各収容枠46を十字型に連結することにより、各収容
枠46の中央部が抜かれた開口部51が形成され、さらに、
前記天端部42の周縁四隅に位置して天端部42と各収容枠
46で囲まれた正方形の開口部52が形成される。これら各
開口部51,52が魚礁ブロック30及び魚礁枠体40の内側に
形成される空間部60と連通する。なお、一体化したカキ
の貝殻(図示せず)を収納する網籠47は、深さが500
mmで、幅と長さが750mmに設定され、上面が開口
することなく網蓋53で塞ぐものである。また、各収容枠
46に収容される四つの網籠47は、各収容枠46の四隅に固
定され、各収容枠46の内側には各網籠47を位置決めする
仕切り枠55が設けてある。なお、図中、符号61は魚礁ブ
ロック30を沈設する際、ワイヤーロープ62を掛け止めす
るためのフックであり、前記各支持脚32の上面側に固定
されている。
【0009】以上のように構成される本実施例は、多数
のカキの貝殻を網籠47に収納して網蓋52で塞いだ後、モ
ルタルで一体化するか、あるいは予めモルタルで一体化
したカキの貝殻を網籠47に収納した後、網籠47を網蓋52
で塞ぐ。そして、魚礁枠体40に取り付けた収容枠46に網
籠47をそれぞれ固定することにより、内部に多数の空洞
部を有する多孔質状の餌料培養層が人工魚礁50の上方に
形成される。図4に示すようにこの餌料培養層15の表面
には複雑な隆起部20が形成され、さらに、各貝殻16間の
隙間に多数に空洞部21が形成され、これらの空洞部21に
よって多孔質状の餌料培養層15が形成される。この場
合、各貝殻16間の空洞部21は、配列、形状、大きさ等に
規則性はないため、前記多孔質状の餌料培養層15の内部
は、複雑に入り組んだ迷路状となっている。また、人工
魚礁50を沈設する前に予め人工魚礁50を設置する海域の
潮流の速さ、波浪の大きさに応じて円筒型ブロック31に
コンクリート45を充填することによって、人工魚礁50の
重量を調整する。そして、収容枠46間に形成する開口部
51にワイヤーロープ61を通して支持脚32に取り付けたフ
ック61にワイヤーロープ62を引っ掛けて人工魚礁50を吊
り上げ、所定の海域に人工魚礁50を沈設する。こうして
魚礁ブロック30,魚礁枠体40に餌料培養礁1を取り付け
た人工魚礁50を海底に沈設することにより、多毛類,小
型甲殻類等を餌料培養層15で増殖させ、これを餌料とす
る有用魚類の稚魚などが餌料培養礁1の周囲に蝟集す
る。また、本実施例では四つの網籠47を収容した収容枠
46を十字型に連結して複数の網籠47を集合させて餌料培
養礁1による餌料培養層を構成するものであるから、餌
料培養礁1の周囲により多く魚類が蝟集し、さらに、こ
れらの小魚を餌料とする主に海底付近に棲息する底棲大
型魚類が蝟集する。こうした餌料培養礁1の周囲に蝟集
する種々の魚類が人工魚礁50の内側に形成される空間部
60に継続的に滞留し、空間部60が魚類の育成域として機
能する。また、本実施例においては、餌料培養礁1を収
納する収容枠46が、天端部42の開口部分を閉塞する形で
配置するのではなく、十字型に連結することにより、収
容枠46の内側及び天端部42の四隅に空間部60と連通する
開口部51,52が形成され、この各開口部51,52を通って
魚類が遊泳し、人工魚礁50の魚礁効果を高めることがで
きる。
【0010】また、餌料培養層たる餌料培養礁1は魚礁
ブロック30の支持脚32及び魚礁枠体40の支持脚41によっ
て嵩上げされ、魚礁ブロック30を藻類の成育しにくい深
い水深帯に沈設したとしても、支持脚32及び支持脚41に
よって支持される餌料培養層を藻の成育に適した水深帯
に保持することができる。このため、餌料培養層に藻が
着生し、藻場を造成することができ、有用魚類の稚魚な
どの繁殖環境を広げることができる。
【0011】また、人工魚礁50はコンクリート製の魚礁
ブロック30と鋼材から成る魚礁枠体40といった異種材料
を組み合わせて構成され、波浪エネルギーに対抗できる
重量を確保できるとともに、下部側に位置するコンクリ
ート製の魚礁ブロック30により人工魚礁50の重心が安定
し、潮流が速い海域あるいは波浪の大きな海域に魚礁ブ
ロック30を沈設しても魚礁ブロック30が移動したり、あ
るいは転倒することなく長期に渡って安定状態で設置で
きる。また、網籠47の内部に収納した貝殻をモルタルで
一体化することにより、潮流,波浪による貝殻の流失を
防ぐことができるとともに、前述したように魚礁ブロッ
ク30の転倒によって網籠47が破損することもないため、
長期に渡って堅牢な構造であり、餌料培養層15としての
機構を維持できる。さらに、円筒型ブロック31に充填す
るコンクリート45の量によって魚礁ブロック30を設置す
る海域、地域の潮流,波浪に応じて人工魚礁40全体の重
量を簡単に調整することができる。
【0012】図5及び図6は、本発明の第2実施例を示
し、前記第1実施例を同一機能を有する部分には同一符
号を付し、重複する部分の説明を省略して異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0013】本実施例では十字型に連結した収容枠46の
上方側にさらに収容枠65を配置して人工魚礁40に上下二
段の餌料培養層15を積層状態で配置させている。なお、
上部に位置する収容枠65は、各収容枠46の交点部となる
開口部51の周縁角部から立設した支持枠66に固定されて
いる。すなわち、上部の収容枠65は、下段の各収容枠46
と間隔をおいて各収容枠46の内側に形成する開口部51を
閉塞するように固定され、十字型に連結された各収容枠
46と、この各収容枠46の上方側に位置する収容枠65とが
重なり合うことなく、段差状に配置される。したがっ
て、本実施例において、収容枠65を増やすことによっ
て、より効率的に餌料を増殖させて魚類の蝟集効果を高
めることができる。しかも、十字型に連結された各収容
枠46と上方側に位置する収容枠65との間には支持枠66に
よる空間部67が形成され、人工魚礁40の空間部60のみな
らず上下の支持枠46,66との間にも魚類の育成域として
空間部67を形成することができる。
【0014】以上、本発明の実施例について詳述した
が、本発明は前記各実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、各実施例においる収納籠や網籠の材質、形状、
外形寸法等などの基本的構造は適宜選定すればよい。ま
た、収納籠に充填する貝殻としてカキを例示したが、カ
キに限らず、サザエやホタテなどの各種の貝殻を用いて
もよい。さらに必ずしも単一の貝の殻を充填するのでは
なく、複数種の貝殻を収納籠に充填し、これを一体化し
てもよい。また、第1実施例において人工魚礁に取り付
ける四つ収容枠を十字型に連結した例を示したが、三つ
の収容枠を放射状に連結したあるいは六つの収容枠を放
射状に連結し、これら収容枠の内側に三角形あるいは六
角形の開口部を形成してもよく、収容枠の個数及び配置
あるいは、この収容枠に収納する網籠の個数及び配置な
ども前記実施例に限定されるものではない。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の餌料培養礁を備えた人工
魚礁は、内部に空間部を有する人工魚礁と、貝殻群をモ
ルタルにより相互に一体化して内部に多数の空洞部を備
えた多孔質状の餌料培養層とを具備し、前記人工魚礁
は、コンクリート製の魚礁ブロックと、この魚礁ブロッ
クの上面側に固定される鉄骨構造の魚礁枠体とで構成さ
れ、その魚礁枠体の上面側に前記餌料培養層を収納する
網体からなる複数の網籠を配列し、前記魚礁枠体の上面
側に前記網籠の位置決めをする複数の収容枠を設け、こ
れら収枠を放射状に配列し、その各枠を相互に連
結して一体化するとともに、少なくとも各収枠の中央
に前記空間部と連通する開口部を設け、かつ、前記魚
礁ブロックの中央部に円筒型ブロックを設け、この円筒
型ブロックの内部に人工魚礁の全重量を調整するコンク
リートを充填したものであるので、複数の網籠を集合さ
せることにより、餌料培養層で増殖した多毛類,小型甲
殻類等を餌料とする小魚類が餌料培養層の周囲に蝟集
し、さらに、餌料培養層に蝟集する小魚類を餌料とする
底棲型魚類が人工魚礁に蝟集し、魚類を蝟集,増殖させ
ることができる。また、コンクリート製の魚礁ブロック
と鋼材から成る魚礁枠といった異種材料を組み合わせる
ことによって、波浪エネルギーに対抗できる重量を確保
でき、人工魚礁の転倒を防いで長期に渡って餌料培養層
の機能を維持できる。特に、前記魚礁枠体の上面側に前
記網籠の位置決めする複数の収容枠を設け、これら収容
枠を放射状に配列し、その各枠を相互に連結して一
体化するとともに、少なくとも各収枠の中央部に前記
空間部と連通する開口部を設けているので、多数の網籠
の組み付けが容易である。また、餌料培養礁に蝟集する
魚類は、収容枠の開口部を通って人工魚礁の空間部内外
を回遊することができ、人工魚礁の魚巣機能も高まる。
しかも、前記魚礁ブロックの中央部に円筒型ブロックを
設け、この円筒型ブロックの内部に人工魚礁の全重量を
調整するコンクリートを充填したものであるから、人工
魚礁の重量を沈設する海域における潮流の早さや波浪の
大きさに応じて簡単に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す餌料培養礁を備えた
人工魚礁の斜視図である。
【図2】同上餌料培養礁を備えた人工魚礁の一部を切り
欠いた正面図である。
【図3】同上餌料培養礁を備えた人工魚礁の平面図であ
る。
【図4】餌料培養層の一部を拡大した正面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す餌料培養礁を備えた
人工魚礁の斜視図である。
【図6】同上餌料培養礁を備えた人工魚礁の一部を切り
欠いた正面図である。
【符号の説明】
1 餌料培養礁 30 魚礁ブロック 31 円筒型ブロック 40 魚礁枠体 46,65 収容枠 47 網籠 50 人工魚礁 51,52 開口部 60,67 空間部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷山 正樹 神奈川県横浜市神奈川区反町1−11−2 −506 (56)参考文献 特開 平9−215459(JP,A) 特開 平7−236385(JP,A) 特開 平8−80139(JP,A) 特開 平8−154527(JP,A) 登録実用新案3031263(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 61/00 311 - 321

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に空間部を有する人工魚礁と、貝殻
    群をモルタルにより相互に一体化して内部に多数の空洞
    部を備えた多孔質状の餌料培養層とを具備し、前記人工
    魚礁は、コンクリート製の魚礁ブロックと、この魚礁ブ
    ロックの上面側に固定される鉄骨構造の魚礁枠体とで構
    成され、その魚礁枠体の上面側に前記餌料培養層を収納
    する網体からなる複数の網籠を配列し、前記魚礁枠体の
    上面側に前記網籠の位置決めをする複数の収容枠を設
    け、これら収枠を放射状に配列し、その各枠を相
    互に連結して一体化するとともに、少なくとも各収
    中央部に前記空間部と連通する開口部を設け、かつ、
    前記魚礁ブロックの中央部に円筒型ブロックを設け、こ
    の円筒型ブロックの内部に人工魚礁の全重量を調整する
    コンクリートを充填したことを特徴とする餌料培養礁を
    備えた人工魚礁。
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