JP3935336B2 - 幼稚仔放流礁 - Google Patents

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  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工的に孵化又は育成した水生生物の幼稚仔(例えば稚魚又は稚貝)を放流するための人工魚礁に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、「獲る漁業」から「育てる漁業」への流れがあり、養殖に至らないまでも、卵又は孵化直後の水生生物の幼稚仔を一定期間育成して放流することが各地で見られるようになっている。一般には、陸上で育成した幼稚仔は、海上又は海中でそのまま放つ、まさに放流する態様で海に戻している。放流直後は当然幼稚仔は固まっているが、幼稚仔自身の移動や海流によって次第に散り散りばらばらになる(離散する)のが常であり、放流した海域で幼稚仔が成長することが少なかった。これでは、漁業としての採算性が低くなり、幼稚仔を育成し、放流することの利点が認められない、ということにもなりかねない。
【0003】
成長した魚又は貝の定着を目的とした人工魚礁がよく知られているが、これらは成長した魚又は貝の出入りを想定しているため、仮に幼稚仔を放流してもほとんど定着作用をもたらさない。このように、現在のところ、幼稚仔の放流に対する離散対策作用をもたらす技術的解決手段が見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
放流時の離散対策を講じるには、単純に幼稚仔が離散しないように留め置く通水性の袋に収納した状態で放流することが考えられるが、これでは成長に従って出入りできなくなり、放流による「育てる漁業」の目的を達成し得ない。また、幼稚仔自身の移動による離散は、成長に伴う生息環境の模索が原因であり、単純に放流時の離散のみを考えればよいわけではない。そこで、定着性を狙った幼稚仔の放流を実現するため、放流時の離散対策作用をもたらす放流用具及び放流施設を開発することとして検討した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
検討の結果開発したものが、人工的に孵化又は育成した水生生物の幼稚仔を放流するための人工魚礁であって、位置固定を図る載置ベースと、この載置ベースに取り付けて魚礁作用を発揮する魚巣ベースと、幼稚仔又は水生生物の出入りが可能で前記魚巣ベースに嵌合する放流ベースとからなる幼稚仔放流礁である。幼稚仔の放流を担う放流ベースを、魚礁作用のある魚巣ベースで囲むことにより、放流後魚巣ベースへの定着を図るわけである。載置ベースは、前記魚巣ベース及び放流ベースを海流等の外的負荷から直接的に保護する役割のほか、海流等の外的負荷による移動を防止するアンカーの役割を有する。
【0006】
本発明における載置ベースは、(1)構造フレーム内に比重の大きな不定形塊状物を乱雑に充填してなり、この不定形塊状物と魚巣ベース又は放流ベースとの隙間や不定形塊状物相互間に幼稚仔又は水生生物が出入り可能な隙間を多数形成する、又は(2)構造フレーム内に比重の大きな定形塊状物を積層してなり、この定形塊状物と魚巣ベース又は放流ベースとの隙間や定形塊状物相互間に幼稚仔又は水生生物が出入り可能な隙間を多数形成して構成する。構造フレームは、位置固定を図る不定形又は定形塊状物(重量物)を収納できれば、材質、形状を問わず、どのように構成してもよい。一般には、鋼製アングル材を組み合わせた枠体となる。塊状物は、例えば建造物の解体後に排出されるコンクリート屑(不定形塊状物)や、新製のコンクリートブロック(定形塊状物)でもよい。環境との親和性を考慮した場合は自然の岩隗が好ましいが、波浪等による影響を受けずに構造的な安定性を求める場合はコンクリートブロックが好ましい。岩塊は、幼稚仔のみならず成長した水生生物の出入り可能な隙間が形成できる。また、コンクリートブロックを用いた場合は、コンクリートブロック自身に隙間(開孔)を一体に設けることができるほか、積層する各段のブロックの間隔を開けると隙間を形成できる。魚巣ベースは、構造フレーム内に塊状物と共に収納するか、構造フレームと一体となるように固着する。放流ベースは前記魚巣ベースに嵌合するので、魚巣ベースが載置ベースと一体になれば、位置固定可能となる。
【0007】
魚巣ベースは、幼稚仔を含む水生生物の生息環境を提供する魚礁であり、(a)通水性ネット筒に貝殻を充填した集魚ケースを多数配列して一体にして構成する、(b)枠体に通水性ネットを張り巡らした籠体に貝殻を充填して構成する、又は(c)前記構成を魚礁ブロック(単位)として前記魚礁ブロックを複数個組み合わせて構成する。複数の集魚ケースは、各集魚ケースを連結して相互の位置関係を拘束するフレーム等に配列する。具体的には、鋼製アングル材を組み合わせた枠体に多数の集魚ケースを収納する態様となる。放流ベースは、魚巣ベース自身に設けた嵌合部位又は魚礁ブロックを組み合わせて形成した嵌合部位に嵌め込む。嵌合する放流ベースの数は問わない。集魚ケースに関しては、本発明者が先に提案している特許第1840418号、特許第1943699号、特許第2695735号や特開平07-236385号等に詳しい。
【0008】
本発明の中核をなす放流ベースは、(a)通水性ネット筒に貝殻を充填した集魚ケースを多数配列して一体にして構成する、(b)枠体に通水性ネットを張り巡らした籠体に貝殻を充填して構成する、又は(c)前記構成を放流ブロック(単位)として前記放流ブロックを複数個組み合わせて構成する。構造的には魚巣ベースと変わりなく、複数の集魚ケースは、各集魚ケースを連結して相互の位置関係を拘束するフレーム等に配列する。魚巣ベースとの相違点は、魚巣ベースが載置ベースと一体になって基本的には分離不能にする(ボルト止め等により交換可能にするのは構わない)のに対し、放流ベースは魚巣ベースの嵌合部位に嵌め込み、必要によって魚巣ベース又は載置ベースに係合したりして位置固定を図る点にある。これにより、幼稚仔の放流後、放流ベースは引き上げて再度放流用に持ち帰ることができ、基本的に幼稚仔放流礁までの幼稚仔の運搬を担う「通い箱」のように利用することができる。
【0009】
幼稚仔は、通水性ネットを通じて貝殻の隙間へ出入り自在である。また、当然に貝殻の隙間は外部に対して暗くなっており、幼稚仔は前記暗部へ向かっていく性質がある。これにより、幼稚仔が育成している陸上の水槽等に放流ベースを沈めると、幼稚仔は自ら放流ベースへ侵入していく。一定時間経過後、放流ベースには大量の幼稚仔が潜り込んだ状態となり、この放流ベースを水槽内で密閉ケース(稚魚の場合)又は通水性ケース(稚貝の場合)に収納して幼稚仔の離散を防ぎながら、移動用の船の水槽へ移す。密閉ケースの場合、そのまま船上に載せてもよい。こうして幼稚仔の離散状態を防いだ状態で所定海域にまで運んだ放流ベースは、船上からクレーン又はダイバーの手により沈設した幼稚仔放流礁にまで運び、魚巣ベースに嵌合すれば、放流が完了する。幼稚仔は、載置ベース又は魚巣ベースに囲まれた比較的静穏な放流ベースに留まって成長するが、成長するに従って活動範囲を魚巣ベース周辺から幼稚仔放流礁周辺へと拡げ、そのまま幼稚仔放流礁全体を人工魚礁として定着する。この段階に至れば、放流ベースを回収することができ、次の放流に利用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を構成する幼稚仔放流礁の設置態様の一例を表す斜視図、図2は同幼稚仔放流礁に対する放流ベース1の着脱関係を表す図1相当斜視図、図3は同幼稚仔放流礁の載置ベース2及び魚巣ベース3の取付関係を表す図1相当斜視図、図4は同幼稚仔放流礁に保護ベース4を追加装着した状態を表す図1相当斜視図、図5は放流ベース1の一例を表す斜視図、図6は放流ベース1の別例を表す図5相当斜視図、図7は魚巣ベース3又は放流ベース1に配列収納する集魚ケース5の構造を表す一部破断斜視図、図8は本例の幼稚仔放流礁の利用態様を説明するフローチャート図である。本例の幼稚仔放流礁は、図1に見られるように、載置ベース2上に取り付けた4基の魚礁ブロック6からなる魚巣ベース3内の魚礁ブロック6相互が形成する嵌合部位7に1基の放流ベース1を嵌合する態様のものである。
【0011】
載置ベース2は、図1〜図3に見られるように、鋼製アングル材8,9を組み合わせて構成した構造フレーム10内に略均一の大きさの岩隗11を乱雑に充填した構成である(図3では岩隗を省略)。構造強度はアングル材8による大枠で得ており、上下面及び側面の補助アングル材9は岩隗11の逸脱を防止する役割を担っている。このほか、上面の補助アングル材9は放流ベース1の載置面を兼ねている。設置する海底の状態により、相当な重量物となる載置ベース2が沈降する虞れがあるため、必要により沈降防止板12を有する脚13を設けてもよい(図3参照)。
【0012】
魚巣ベース3は、4基の同形魚礁ブロック6を組み合わせて嵌合部位7を構成している。魚礁ブロック6は、図3に見られるように、通水性ネット筒(網目図示略)14に貝殻15(図示略、図7参照)を充填した集魚ケース5を多数配列した魚礁本体16と、この魚礁本体16から載置ベース2に充填する岩隗11の隙間をぬって海底に立設する延設脚部17を一体に設けており、本例では載置ベース2と独立して沈設可能になっている。しかし、前記延設脚部17が岩隗11に挟まれて保持されるため、設置後は載置ベース2と一体になる。魚礁本体16に配列、収納する集魚ケース5の大きさ、個数は自由であり、後述するように横並びであってもよい(図6参照)。
【0013】
放流ベース1は、魚礁ブロック6から延設脚部17を取り除いた構造と略同一である。このように、魚巣ベース3を構成する魚礁ブロック6と放流ベース1とは、構造的に相似である(必ずしも同じである必要はない)。異なる点は、魚巣ベース3は載置ベース2と共に沈設した後は引き上げることはないが、放流ベース1は放流後、幼稚仔が十分に育成した時点で引き上げ、再度幼稚仔の放流に利用する点にある。図1及び図2から明らかなように、放流ベース1は魚巣ベース3によって直接海流の影響を受けないように保護されているが、幼稚仔放流礁全体の保護をよりよく図るには、例えば図4に見られるように載置ベース側面に保護ベース4を添設するとよい。この保護ベース4は、アンカーの働きもあり、アングル材8からなる枠体に岩隗11を乱雑に充填している。
【0014】
放流ベース1の構造の子細は、図5に詳しい。載置ベース2同様に、アングル材8で枠体を構成し、縦向きに5×3の配列で並べた集魚ケース5を一体に保持している。既述したように、集魚ケース5の配列、大きさは自由であるので、図6のように集魚ケース5を並べることもできる。この集魚ケース5の構造は、図7に見られるように、通水性ネット筒14両端を蓋18,18で塞ぐようにして、この通水性ネット筒14内に貝殻(帆立貝、あこや貝、牡蠣ほか)15を充填したもので、本例ではスペーサ19を介しながら一対の貝殻15をワイヤ20で束ねるようにしている。スペーサ19を用いるのは十分な隙間を形成するためであり、必須要素ではない。また、各貝殻15をワイヤ20で束ねることにより外的負荷による貝殻15の相互分離を防いでいる。
【0015】
このような幼稚仔放流礁は、図8に見られる手順で利用する。まず、陸上で孵化又は育成した幼稚仔が生息する水槽21に放流ベース1を沈め、一定時間放置しておく。幼稚仔には暗部に向かって進む特性があり、相対的に水槽21内部より暗い放流ベース1内へ幼稚仔が自ら侵入していく。こうして十分な幼稚仔を含ませた放流ベース1を密閉ケース29又は通水性ケースに収納した状態で引き上げ、幼稚仔が離散しない状態(前記密閉ケース29に収納したまま又は船上の水槽に浸す)を保って船22等の搬送手段により載置ベース2及び魚巣ベース3を沈設した海域まで運び、ダイバー又はクレーン等により魚巣ベース3内の嵌合部位7に放流ベース1を嵌め込めば、放流が完了する。嵌合直前まで放流ベース1を密閉ケース29に収納したままにすると、幼稚仔の離散が最小限に抑制できる利点がある。
【0016】
載置ベース2の岩隗は、重量物として海流等により載置ベース2が移動することを防止するのはもちろんであるが、自然物として幼稚仔放流礁が環境調和性を発揮するのに寄与する。加えて、本発明の幼稚仔放流礁には、幼稚仔の育成に必要な餌料生物の培養や隠れ家を提供する魚礁作用を発揮する魚巣ベース3があり、載置ベース2及び魚巣ベース3を長く沈設していると海藻等の繁殖も期待でき、極めて幼稚仔が成長するのに好ましい生息環境を構築できる。放流ベース1は、こうした好ましい生息環境の真ん中に嵌め込むことになる。放流当初は、放流ベース1周囲の魚巣ベース3が幼稚仔の離散を防止し、幼稚仔の成長に従って、魚巣ベース3を中心とする幼稚仔放流礁全体が魚礁として機能し、幼稚仔の定着性を実現する。
【0017】
幼稚仔が十分に成長すれば、魚礁ブロック6と同様な構造を有する放流ベース1は、魚巣ベース3と一体となって魚礁作用を発揮するので、そのまま放置しておいても構わない(魚巣ベース3及び放流ベース1が同構成のため)。しかし、本発明では、図8に示すように、次回の放流のために放流ベース1のみを引き上げて船22等の搬送手段で回収し、再び陸上の幼稚仔の孵化又は育成の水槽に沈めて新しい幼稚仔を含ませ、次回の放流に利用することができる。複数の幼稚仔放流礁があり、各幼稚仔放流礁の魚巣ベース3における嵌合部位7に嵌め込めるのなら、放流ベース1は別の幼稚仔放流礁に利用してもよい。
【0018】
本発明の幼稚仔放流礁は、機能的な構成として載置ベース2、魚巣ベース3及び放流ベース1を備えていれば、個々の形状、大きさ、そして組み付け態様は自由に決定できる。図9は4基の魚礁ブロック6を載置ベース2内に収納する別例の幼稚仔放流礁における各ベースの組み付け関係を表した斜視図であり、図 10は定形塊状物としてコンクリートブロックを載置ベース2内に積層した幼稚仔放流礁の斜視図である。説明の便宜上、図9では載置ベース2中の岩隗を省略している。
【0019】
載置ベース2中に充填する岩隗は、互いに隙間が大きく形成されるため、幼稚仔のみならず、成長した後の魚、貝又は以前から幼稚仔放流礁を設置した海域に住む水生生物の出入りが自由である。このため、魚巣ベース3、特に魚礁作用を発揮する集魚ケース5が載置ベース2中に埋没するように取り付けても構わない。これから、例えば図9に見られるような幼稚仔放流礁を構成できる。放流ベース1を魚巣ベース3が保護し、更に魚巣ベース3を載置ベース(具体的には充填する岩隗)が保護するので、かなり海流の速い海域にあっても利用可能な幼稚仔放流礁となる。
【0020】
図9に例示する幼稚仔放流礁では、図1以下例示の幼稚仔放流礁同様、放流ベース1の四方を魚巣ベース3を構成する各魚礁ブロック6が囲むので、嵌合部位7が載置ベース2上面から突出していてもよい。
【0021】
幼稚仔放流礁を敷設する海域によっては波浪が強かったり、水中の海流が速くて、載置ベースに充填した不定形塊状物(岩塊)が崩れたり、欠損する虞れがある。このような場合には、図10に見られるように、定形塊状物として有孔コンクリートブロック30を載置ベース2内に積層するとよい。各有孔コンクリートブロック30は、直方体形状で積層時の安定性がよく、周囲を構造フレーム10に囲まれているので、海流の衝突によっても崩れたり、欠損する虞れはない。より好ましくは、無孔コンクリートブロック31を用いたり、載置ベース2内に整数倍のコンクリートブロック30,31が収まらない場合の余剰空間へ補助ブロック32,33を詰め、各コンクリートブロック30,31の横ずれを防止するとよい。本例のように、有孔コンクリートブロックは、表面積が大きく、角部が多く形成されているので、海藻が付着しやすく、幼稚仔の放流、定着にとって良好な魚礁を構築できる利点もある。この有孔コンクリートブロック30の孔は、魚又は貝が、幼稚仔放流礁内外の出入りにも利用できる。この魚又は貝の出入りを積極的に補助するには、隣り合うコンクリートブロック30,31のいずれかを省略する、又は少しずらして並べて、隙間34を設けるとよい。このように、コンクリートブロックの積層態様は自由である。
【0022】
【発明の効果】
本発明により、「育てる漁業」における最重要事とも言える幼稚仔の定着を実現し、従来幼稚仔の放流に見られた問題を解決する。幼稚仔放流礁は、構造的に幼稚仔を離散させずに放流することができる上、放流後、幼稚仔の成長に必要な隠れ家や餌場としての魚巣ベースを備えているため、極めて効果的に幼稚仔の定着を図ることができる。また、成長後も、魚巣ベースが魚礁作用を発揮するため、幼稚仔放流礁を中心に魚又は貝が生息することが期待できる。とりわけ、岩隗を充填した載置ベースを用いた場合、環境親和性が高まり、海藻の繁殖も期待できるため、幼稚仔の放流から成長に至る良好な総合環境の提供ができることになる。このように、幼稚仔放流礁は単なる幼稚仔の放流、定着に留まらず、総じて「育てる漁業」に貢献する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成する幼稚仔放流礁の設置態様の一例を表す斜視図である。
【図2】幼稚仔放流礁に対する放流ベースの着脱関係を表した図1相当斜視図である。
【図3】幼稚仔放流礁の載置ベース及び魚巣ベースの取付関係を表す図1相当斜視図である。
【図4】幼稚仔放流礁に保護ベースを追加装着した状態を表す図1相当斜視図である。
【図5】放流ベースの一例を表す斜視図である。
【図6】放流ベースの別例を表す図5相当斜視図である。
【図7】魚巣ベース又は放流ベースに配列収納する集魚ケースの構造を表す一部破断斜視図である。
【図8】本例の幼稚仔放流礁の利用態様を説明するフローチャート図である。
【図9】4基の魚礁ブロックを載置ベース内に収納する別例の幼稚仔放流礁における各ベースの組み付け関係を表した斜視図である。
【図10】定形塊状物としてコンクリートブロックを載置ベース内に積層した幼稚仔放流礁の斜視図である。
【符号の説明】
1 放流ベース
2 載置ベース
3 魚巣ベース
4 保護ベース
5 集魚ケース
6 魚礁ブロック
7 嵌合部位
10 構造フレーム
11 岩隗

Claims (3)

  1. 人工的に孵化又は育成した水生生物の幼稚仔を放流するための人工魚礁であって、位置固定を図る載置ベースと、該載置ベースに取り付けて魚礁作用を発揮する魚巣ベースと、幼稚仔の放流を担う放流ベースとからなる幼稚仔放流礁において、魚巣ベースは魚礁ブロックにより構成され、前記魚礁ブロックに囲まれた放流ベースの嵌合部位を形成し、幼稚仔の出入りが可能な放流ベースは前記嵌合部位に着脱自在としてなり、魚巣ベースを構成する魚礁ブロック及び放流ベースは通水性ネット筒に貝殻を充填した集魚ケースを枠体に多数収納して構成されてなり、嵌合部位に嵌め込まれた放流ベースと魚巣ベースとが一体となって魚礁作用を発揮することを特徴とする幼稚仔放流礁。
  2. 載置ベースは、構造フレーム内に比重の大きな不定形塊状物を乱雑に充填してなり、該不定形塊状物と魚巣ベース又は放流ベースとの隙間や不定形塊状物相互間に幼稚仔又は水生生物が出入り可能な隙間を多数形成してなる請求項1記載の幼稚仔放流礁。
  3. 載置ベースは、構造フレーム内に比重の大きな定形塊状物を積層してなり、該定形塊状物と魚巣ベース又は放流ベースとの隙間や定形塊状物相互間に幼稚仔又は水生生物が出入り可能な隙間を多数形成してなる請求項1記載の幼稚仔放流礁。
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