JP2012152126A - 植生浮島における水生植物の根茎保護方法及びこれに用いる植生浮島 - Google Patents
植生浮島における水生植物の根茎保護方法及びこれに用いる植生浮島 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】植生基盤に植栽された水生植物の根茎を食害生物の食害から保護して、植生浮島の水質改善効果を高めることである。
【解決手段】抽水植物21が植栽される植生基盤12とフロート13とを備えて閉鎖性水域14に浮かべられる植生浮島11において、植生基盤12を繊維質構造体や多孔質構造体等の三次元網目構造体で構成する。植生基盤12の底面にフレーム32によりネット籠として構成された保護ネット31を取り付け、植生基盤12を貫通して当該植生基盤12の底面から下方に向けて伸長する抽水植物21の根茎21bを、この保護ネット31により覆って食害生物22の食害から保護する。これにより、抽水植物21の根茎21bの発達が促進され、根茎21bからのアレロパシー物質の放出量が増加して植生浮島11の水質改善効果が高められる。
【選択図】図1
【解決手段】抽水植物21が植栽される植生基盤12とフロート13とを備えて閉鎖性水域14に浮かべられる植生浮島11において、植生基盤12を繊維質構造体や多孔質構造体等の三次元網目構造体で構成する。植生基盤12の底面にフレーム32によりネット籠として構成された保護ネット31を取り付け、植生基盤12を貫通して当該植生基盤12の底面から下方に向けて伸長する抽水植物21の根茎21bを、この保護ネット31により覆って食害生物22の食害から保護する。これにより、抽水植物21の根茎21bの発達が促進され、根茎21bからのアレロパシー物質の放出量が増加して植生浮島11の水質改善効果が高められる。
【選択図】図1
Description
本発明は、植生浮島の植生基盤に植栽された水生植物の根茎を、コイ、ブルーギル、アメリカザリガニ、ミドリガメ、ソウギョ等の食害動物(水生生物)による食害から保護して、植生浮島の水質改善機能を向上させる技術に関する。
公園やゴルフ場内の湖沼や池、貯水池、農業用ため池、ダム湖等の閉鎖性水域の景観を変更、演出し、また、植物プランクトンの増殖等による水質汚濁を抑制するために、従来から、閉鎖性水域に植生浮島を設けることが提案されている。
植生浮島は人工浮島とも呼ばれるものであり、水生植物が植栽される植生基盤(植栽基盤)と植生基盤に取り付けられるフロートとを有している。植生基盤に植栽される水生植物としてはフサモ、イトモ、エビモ等の沈水植物やハナショウブ、カキツバタ等の抽水植物などが用いられる。植生基盤に沈水植物が植栽される場合には、沈水植物の茎葉や根の全てが水中に配置されるように植生基盤はフロートに吊り下げられた状態で水中に設置され、植生基盤に抽水植物が植栽される場合には、抽水植物の根茎が水中に配置されるとともに葉が水面上に突出するように植生基盤はフロートに支持された状態で水面近くの水深の浅い水中又は水面に設置される。
沈水植物の茎葉や抽水植物の根茎からは水中に向けてアレロパシー(Allelopathy)物質(アレロケミカル)が放出される。このアレロパシー物質は植物プランクトンに対してアレロパシー効果を生じ、これにより植物プランクトンの増殖が抑制される。すなわち、植生浮島は植生基盤に植栽された水生植物が水中にアレロパシー物質を放出することにより水質改善機能(水質浄化機能)を生じることになる。また、アレロパシー効果の他にも、抽水植物の根茎が水中に発達すると、植物プランクトンを捕食する動物プランクトンや根茎表面の微生物膜が増加し、また、水中の懸濁物質が根茎に付着して沈降が促進されて、植生浮島の水質改善機能がさらに高められるという効果がある。
一方、植生基盤に植栽された水生植物が、コイ、ブルーギル、アメリカザリガニ、ミドリガメ、ソウギョ等の食害生物による食害を受け、その生育が悪化すると、水生植物が水中に放出するアレロパシー物質の量が減少して、植生浮島の水質改善機能が低下することになる。したがって、植生浮島の水質改善機能を維持するためには、水生植物をその水域に生息する食害生物の食害から保護する必要がある。
例えば特許文献1には、水生植物が植栽される植生基盤(底面)の上方を網状、格子状の水生動物侵入防止部材で囲うことにより、植生基盤よりも上方に伸びた水生植物を水生動物の食害から保護するようにした技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、水生植物が植栽される植生基盤(底面)よりも上方を網状、格子状の水生動物侵入防止部材で囲うようにしているので、水生植物の植生基盤よりも下方に発達した水生植物の根茎を保護することができないという問題があった。
特に、植生基盤に抽水植物を植栽した場合には、その根茎は植生基盤内に発達するとともに植生基盤の底面から下方に向けて水中に大きく伸長することになるが、当該水中に発達した根茎は水生動物侵入防止部材に囲まれることなく水中に露出することになる。そのため、ブルーギル等の捕食圧の強い食害魚類等が生息する水域においては、抽水植物の水中に伸長した根茎は、食害生物による食害を受けて水中に発達できなくなる。植生基盤内に発達した根茎は食害による影響は少ないが、基盤内の根茎だけでは、そこから放出されたアレロパシー物質は効率良く水と接触することができずに水中に放出されにくく、また、植生基盤内の微生物の作用によりアレロパシー物質が分解されてしまい、十分なアレロパシー物質の放出量を得ることができない。
このように、抽水植物の根茎が食害生物の食害を受けて減少すると、抽水植物の根茎が放出するアレロパシー物質の放出量が減少し、植生浮島の水質改善効果が低減することになる。また、根茎の発達が妨げられることにより抽水植物自体の生育が悪化するので、さらに根茎からのアレロパシー物質の放出量が減少することになる。
本発明の目的は、植生基盤に植栽された水生植物の根茎を食害生物の食害から保護して、植生浮島の水質改善効果を高めることにある。
本発明の植生浮島における水生植物の根茎保護方法は、水生植物が植栽された植生基盤と該植生基盤に設けられたフロートとを備えた植生浮島における水生植物の根茎保護方法であって、前記植生基盤を繊維質構造体・多孔質構造体等の三次元網目構造体で構成し、前記植生基盤の下方に、前記植生基盤の底面から下方に伸長した前記水生植物の根茎を覆って食害生物の食害から前記水生植物の根茎を保護する保護ネットを設置したことを特徴とする。
本発明の植生浮島における水生植物の根茎保護方法は、前記保護ネットがフレームにより支持されて籠状に形成されていることを特徴とする。
本発明の植生浮島における水生植物の根茎保護方法は、前記保護ネットの網目の寸法が4mm〜20mmの範囲内であることを特徴とする。
本発明の植生浮島における水生植物の根茎保護方法は、前記植生基盤の底面から前記保護ネットの底部までの距離が0.4m〜0.9mの範囲内であることを特徴とする。
本発明の植生浮島は、湖沼等の閉鎖性水域に浮かべられて前記閉鎖性水域の水質を改善する植生浮島であって、繊維質構造体・多孔質構造体等の三次元網目構造体で構成される植生基盤と、前記植生基盤に植栽される水生植物と、前記植生基盤に設けられるフロートと、前記植生基盤の下方に設置され、前記植生基盤の底面から下方に伸長した前記水生植物の根茎を覆って食害生物の食害から前記水生植物の根茎を保護する保護ネットと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、植生基盤の底面から下方に向けて水中に伸長した水生植物の根茎を保護ネットにより覆って食害生物の食害から保護するようにしたので、水生植物の根茎を水中に十分に発達させることができる。したがって、水生植物の根茎からアレロパシー物質を効率良く放出させて、植物プランクトンの増殖抑制効果つまり植生浮島の水質改善効果を高めることができる。
また、水生植物の根茎を水中に発達させることができるので、植物プランクトンを捕食する動物プランクトンや根茎表面の微生物膜を増加させるとともに水中の懸濁物質を根茎に付着させて沈降を促進させることにより、この植生浮島の水質改善機能をさらに高めることができる。
さらに、根茎を保護することにより、植生基盤に植栽された水生植物の生育を保護することもできる。
本発明は、水生植物が植栽される植生基盤を備えた植生浮島において、植生基盤の下方に保護ネットを設置し、この保護ネットにより植生基盤の底面から下方に向けて伸長する水生植物の根茎を覆ってコイ、ブルーギル、アメリカザリガニ、ミドリガメ、ソウギョ等の食害生物の食害から保護し、もって植生浮島の水質改善機能を向上させるようにした植生浮島における水生植物の根茎保護方法である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態である植生浮島11は植生基盤12とフロート13とを備えており、水質改善のために、公園やゴルフ場内の湖沼や池、貯水池、農業用ため池、ダム湖等の閉鎖性水域14に浮かべられる。
植生基盤12は、例えばポリエチレンや塩化ビニル等の繊維により形成された合成繊維マット、ヤシ繊維等により形成された天然繊維マット等の繊維質構造体(繊維マット)や、軽量多孔質コンクリートやスポンジ等の多孔質構造体など、内部に三次元の網目状の隙間(空間)を備えた三次元網目構造体により、所定の厚みを有する矩形の板状に形成されている。植生基盤12の外周部にはアングルやFRP(fiber reinforced plastics)等により形成されたフレーム15が取り付けられ、このフレーム15により植生基盤12の形状が保持されている。
フロート13は断面円形且つ中空の棒状に形成されており、植生基盤12に対応して必要な浮力が得られる数量(図1中は2本のみ記載)が配置されている。フロート13は閉鎖性水域14の水面に浮かべられ、植生基盤12はフレーム15に接続されたフラットバーやロープ等の吊り下げ部材16によりフロート13に吊り下げられて、閉鎖性水域14の水面に近い所定深度の水中又は水面に設置されている。
なお、フロート13としては中空のものに限らず、発泡スチロール等により形成された中実のものを用いるようにしてもよい。また、フロート13は、吊り下げ部材16により植生基盤12を吊り下げる構造に限らず、植生基盤12の内部又は外部にフロート13を設け、あるいは植生基盤12のフレーム15に、直接、フロート13を取り付けるなど、フロート13により植生基盤12を閉鎖性水域14の所定深度に配置することができる構造であれば他の構造を採用してもよい。
植生基盤12の上面には水生植物である抽水植物21が植栽されている。この抽水植物21は植生基盤12上で生育し、抽水植物21の生育に伴い、その茎葉21aは植生基盤12の上面から上方に向けて伸びて水上に発達する。一方、抽水植物21の根茎21bは、三次元網目構造体で構成された植生基盤12の内部に発達するとともに、植生基盤12を貫通して植生基盤12の底面から下方に伸長して水中に発達する。
抽水植物21の根茎21bが水中で発達すると、その根茎21bから水中に向けてアレロパシー(allelopathy)物質(アレロケミカル)が放出される。水中に放出されたアレロパシー物質は植物プランクトンに対するアレロパシー効果を生じ、このアレロパシー効果により、植生浮島11は植物プランクトンの増殖を抑制して水質改善機能(水質浄化機能)を生じることになる。また、抽水植物21の根茎21bが水中に発達すると、植物プランクトンを捕食する動物プランクトンや根茎表面の微生物膜が増加し、また、水中の懸濁物質が根茎21bに付着して沈降が促進されて、植生浮島11の水質改善機能がさらに高められる。
なお、本実施の形態においては、植生浮島11として断面円形のフロート13にフレーム15を備えた植生基盤12を吊り下げた構造のものを用いているが、これに限らず、フレーム15の有無、フロート13の形状等に拘わらず、三次元網目構造体に形成された植生基盤12にフロート13を設け、この植生基盤12に植栽された抽水植物21の根茎21bが植生基盤12の底面から下方に向けて水中に発達することができる構造のものであればよい。
植生基盤12の下方には、植生基盤12に植栽された抽水植物21の根茎21bを食害生物22による食害から保護するために、保護ネット31が設置されている。
図2に示すように、保護ネット31は12本の棒状部材32aを立方体形状に組んだフレーム32に貼り付けられ、当該フレーム32の4つの側面側開口部と底面側開口部とを覆っている。フレーム32の上面側は保護ネット31が設けられずに開口しており、これにより、保護ネット31はフレーム32に支持されて籠状に形成されている。つまり、図示する場合では、保護ネット31はネット籠として構成されている。
なお、棒状部材32aは、塩化ビニル、アルミニウム合金、鋼材等により形成された中空パイプや中実の棒材等により形成されている。
保護ネット31の開口部つまりフレーム32の開口部側は、植生基盤12の底面に対応した形状、寸法に形成されている。保護ネット31はその開口部側のフレーム32を植生基盤12のフレーム15に隙間が生じないように当接させ、この状態でインシュロックや番線等の締結部材(不図示)を用いて植生基盤12のフレーム15に固定されている。これにより、保護ネット31は、上方側の開口部が植生基盤12により閉塞された状態となって植生基盤12の底面に取り付けられ、植生基盤12の下方に設置される。
なお、植生基盤12にフレーム15が設けられない場合には、保護ネット31をフレーム32において、直接、植生基盤12に固定すればよい。
本実施の形態においては、植生基盤12の下方に設置された保護ネット31のその開口部からの深さ、つまり植生基盤12の底面に取り付けられた状態における当該底面から保護ネット31の底面(底部、つまり植生基盤12の底面から下方に一番離れた部分)までの距離Lは、L=0.4m〜0.9mの範囲に設定されている。
植生基盤12の底面から保護ネット31の底面(底部)までの距離Lを設定するにあたり、食害生物22がいない条件の大型水槽内に植生浮島11と同様の条件で植生基盤12に抽水植物21を植栽し、その根茎21bの発達状況を調査した。その結果、図3に示すように、植生基盤12に植栽された抽水植物21の根茎21bは、植生基盤12の底面から下方に向けて0.4m以内の範囲でその密度が高くなり、また、多くの抽水植物21において、根茎21bは植生基盤12の底面から下方に向けて0.9mまでの範囲で発達することが解った。この結果から、水中に発達した抽水植物21の根茎21bを保護するためには、植生基盤12の底面から保護ネット31の底面(底部)までの距離LをL=0.4m〜0.9mの範囲に設定する必要があると判断した。
植生基盤12の底面から保護ネット31の底面(底部)までの距離LをL=0.4m〜0.9mの範囲に設定することにより、保護ネット31の大きさを最小限の大きさにしつつ、植生基盤12の底面から下方に向けて発達する抽水植物21の根茎21bの大部分を保護ネット31の内部に収容させて、根茎21bの大部分を保護ネット31により食害生物22の食害から保護することができる。
保護ネット31の網目の寸法(メッシュ、目合)Wは、W=4mm〜20mmの範囲に設定されている。保護ネット31の網目の寸法Wを4mm以下にすると、水中の懸濁物等が保護ネット31の網目に目詰まり、保護ネット31の内側つまり保護ネット31に収容された根茎21b付近の水の流れが著しく悪化するおそれがある。また、保護ネット31の網目の寸法Wが4mmであれば、ブルーギルの稚魚をはじめ、大部分の食害生物22の保護ネット31の内側への侵入を防止することができる。一方、保護ネット31の網目の寸法Wが20mmまでであれば、保護ネット31の内側に侵入できるブルーギル等の食害生物22も小型であるので、根茎21bが受ける食害の影響が許容できる程度に小さくなる。これらの点を考慮し、本実施の形態においては、保護ネット31の網目の寸法WをW=4mm〜20mmの範囲に設定するようにしている。
このような保護ネット31を植生基盤12の下方に設置することにより、植生基盤12の下方の所定の領域が保護ネット31により区画されるので、植生基盤12に植栽された抽水植物21が生育し、その根茎21bが植生基盤12の底面から下方に向けて水中に発達しても、保護ネット31により根茎21bを覆って、食害生物22による食害から根茎21bを保護することができる。つまり、保護ネット31により、抽水植物21の根茎21bに大きな食害を与えるような大型の食害生物22が抽水植物21の根茎21bが発達する植生基盤12の下方の領域に侵入することが防止されるので、抽水植物21の根茎21bを食害生物22による食害から保護することができるのである。
このように、本発明では、植生基盤12の下方に保護ネット31を設置し、植生基盤12の底面から下方に向けて水中に伸長した抽水植物21の根茎21bを保護ネット31により覆うようにしたので、抽水植物21の根茎21bを食害生物22の食害から保護して、その根茎21bを水中に十分に発達させることができる。抽水植物21の根茎21bを保護して水中に十分に発達させることができるので、植生基盤12に植栽した抽水植物21の生育を保護することもできる。
また、本発明では、保護ネット31により抽水植物21の根茎21bを食害生物22の食害から保護して水中に十分に発達させることができるので、抽水植物21の根茎21bからアレロパシー物質を効率良く放出させ、植物プランクトンの増殖抑制効果等を高めて、植生浮島11の水質改善効果を高めることができる。
さらに、抽水植物21の根茎21bを水中に十分に発達させることにより、植物プランクトンを捕食する動物プランクトンや根茎表面の微生物膜を増加させるとともに、水中の懸濁物質を根茎21bに付着させて沈降を促進させて、この植生浮島11の水質改善機能をさらに高めることができる。
図4(a)、(b)はそれぞれ図2に示す保護ネットの変形例を示す斜視図である。
図2に示す場合では、保護ネット31は立方体形状に形成されたフレーム32により上面側が開口した箱形のネット籠として構成され、その開口部において植生基盤12の底面に固定される構造となっている。
これに対して、図4(a)に示す保護ネット41にはフレーム32が設けられていない。この場合、保護ネット41はフレーム32に支持されることなく、その上面側の開口部において、直接、植生基盤12に取り付けられる。このように、図4(a)に示す保護ネット41にはフレーム32が設けられないので、植生基盤12に保護ネット41を取り付ける前後において、当該保護ネット41を小さく折り畳むことができる。したがって、図4(a)に示す保護ネット41は、図2に示すようにフレーム32を用いてネット籠に構成された保護ネット31に比べて、その運搬や設置作業が容易である。
図4(b)に示す保護ネット51には、その上面側つまり開口部側の縁部分と底面側の縁部分とにのみ4つの棒状部材52aを矩形に組んだフレーム52を設けるようにしている。これらの棒状部材52aは、フレーム32の棒状部材32aと同様に、塩化ビニル、アルミニウム合金、鋼材等により形成された中空パイプや中実の棒材等により形成される。
この場合、各フレーム52の間には高さ方向のフレームは設けられないので、植生基盤12に取り付けられる前後において、保護ネット51を高さ方向に畳むことができる。したがって、図4(b)に示す保護ネット51も、図2に示すネット籠に構成された保護ネット31に比べて運搬や設置作業が容易である。
なお、図4に示す場合においても、植生基盤12の底面から保護ネット51の底部までの距離Lや保護ネット51の網目の寸法Wは、図2に示す保護ネット31の場合と同様に設定される。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、植生基盤12に植栽する水生植物として抽水植物21を用いるようにしているが、これに限らず、その根茎が三次元網目構造体により形成された植生基盤12の内部を貫通し、その底面から下方に向けて水中に発展するものであれば、植生基盤12に植栽する水生植物として沈水植物や浮水植物を用いるようにしてもよい。
また、前記実施の形態においては、保護ネット31、41,51は4つの側面部分と1つの底面部分とを備えた形状にされているが、これに限らず、植生基盤12の下方に設置されて抽水植物21の根茎21bを覆うことができる形状であれば、例えば半球面形状など、他の形状であってもよい。
11 植生浮島
12 植生基盤
13 フロート
14 閉鎖性水域
15 フレーム
16 吊り下げ部材
21 抽水植物(水生植物)
21a 茎葉
21b 根茎
22 食害生物
31 保護ネット
32 フレーム
32a 棒状部材
41,51 保護ネット
52 フレーム
52a 棒状部材
L 距離
W 網目の寸法
12 植生基盤
13 フロート
14 閉鎖性水域
15 フレーム
16 吊り下げ部材
21 抽水植物(水生植物)
21a 茎葉
21b 根茎
22 食害生物
31 保護ネット
32 フレーム
32a 棒状部材
41,51 保護ネット
52 フレーム
52a 棒状部材
L 距離
W 網目の寸法
Claims (5)
- 水生植物が植栽された植生基盤と該植生基盤に設けられたフロートとを備えた植生浮島における水生植物の根茎保護方法であって、
前記植生基盤を繊維質構造体・多孔質構造体等の三次元網目構造体で構成し、
前記植生基盤の下方に、前記植生基盤の底面から下方に伸長した前記水生植物の根茎を覆って食害生物の食害から前記水生植物の根茎を保護する保護ネットを設置したことを特徴とする植生浮島における水生植物の根茎保護方法。 - 請求項1記載の植生浮島における水生植物の根茎保護方法において、前記保護ネットがフレームにより支持されて籠状に形成されていることを特徴とする植生浮島における水生植物の根茎保護方法。
- 請求項1または2記載の植生浮島における水生植物の根茎保護方法において、前記保護ネットの網目の寸法が4mm〜20mmの範囲内であることを特徴とする植生浮島における水生植物の根茎保護方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の植生浮島における水生植物の根茎保護方法において、前記植生基盤の底面から前記保護ネットの底部までの距離が0.4m〜0.9mの範囲内であることを特徴とする植生浮島における水生植物の根茎保護方法。
- 湖沼等の閉鎖性水域に浮かべられて前記閉鎖性水域の水質を改善する植生浮島であって、
繊維質構造体・多孔質構造体等の三次元網目構造体で構成される植生基盤と、
前記植生基盤に植栽される水生植物と、
前記植生基盤に設けられるフロートと、
前記植生基盤の下方に設置され、前記植生基盤の底面から下方に伸長した前記水生植物の根茎を覆って食害生物の食害から前記水生植物の根茎を保護する保護ネットと、を有することを特徴とする植生浮島。
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