JP3238673B2 - 予備剪断型弾性支承装置の据え付け方法 - Google Patents

予備剪断型弾性支承装置の据え付け方法

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JP3238673B2
JP3238673B2 JP10753099A JP10753099A JP3238673B2 JP 3238673 B2 JP3238673 B2 JP 3238673B2 JP 10753099 A JP10753099 A JP 10753099A JP 10753099 A JP10753099 A JP 10753099A JP 3238673 B2 JP3238673 B2 JP 3238673B2
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克彦 板倉
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義彦 寺本
幸美 佐藤
準治 加藤
惣一郎 清水
等 山下
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国土交通省中部地方整備局長
日本技術開発株式会社
東京フアブリック工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、橋脚または橋台等
の下部構造物と桁等の上部構造物との間に配設される
備剪断型弾性支承装置の据え付け方法に関し、特に橋軸
方向からの作業空間が十分とることができる側からの予
備剪断変形の開放作業を容易にした予備剪断型弾性支承
装置の据え付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の橋梁技術のめざましい進歩に伴
い、振動・騒音の減少、走行性の向上に有効な多径間連
続桁橋が多く設計され、橋梁規模が年々大型化してい
る。この傾向に伴い地震時慣性力をゴム支承による水平
剛性を利用して、上部構造物の慣性力を各橋脚に分配す
ることにより、橋脚断面形状の均等化や橋梁全体のバラ
ンスを考慮した設計が可能となった。
【0003】この際ゴム支承装置は、通常時(中立時)
に水平方向に関して無荷重状態時における直立状態であ
ることが、前記慣性力に対応する上での有効性を発揮す
る上で前提となる条件といえる。
【0004】コンクリート橋に分散型ゴム部材を用いた
場合、プレストレス、クリープ、乾燥、温度等による桁
の収縮が生じる。特に長大橋の場合、これらによる桁の
不静定力(収縮力)が非常に大きくなるので、ゴム支承
でこの長期変形を吸収するためには非常に大きなゴム厚
が必要となる。
【0005】このような場合には予めゴム層に強制的に
剪断変形を与えておき、前記上部工の収縮変形方向と逆
方向に剪断変形を与えて設置すれば、ゴム厚を薄くする
ことができる。またこの予備剪断変形を付与することに
よって、適切な剪断ばね定数を得ることができ、ゴム支
承を積層ゴム支承にみられるようにゴム層と鋼板を交互
に積層させることにより、荷重支持・回転吸収機能、水
平弾性機能、復元機能を向上させた構成とするものであ
る。
【0006】しかし、一般に、コンクリート桁等の架設
後に、支承装置に付属する予備剪断変形保持部材を弾性
支承装置から取り外す場合に、橋軸直角方向の両側に配
置された保持部材およびこれを固定するボルト等の保持
手段を橋軸直角方向から作業員が取り外していた。
【0007】例えば図11ないし図14に示す例では、
弾性支承装置1の橋軸方向に対して直角方向の側面両側
のサイドブロック21を前記弾性支承装置1の鋼製下沓
22上に六角ボルト22aで固定し、予め算出されてい
る不静定量(収縮変形量)に見合う量だけ、工場で弾性
支承装置に剪断変形を与え、鋼製上沓28の突出部28
aにボルト27で固定した楔プレート23a、及び楔プ
レート23bとそれらにとりつけられたブラケット25
a、25b間をボルト26で繋いでこれを締めることに
より固定し、ゴム層1aの変形を保持する為に橋軸方向
前面側を固定プレート24で固定して、桁の架設後にこ
れらの固定プレート24、楔プレート23a、23b、
及びサイドブロック21を取り外していた。
【0008】しかし箱桁あるいは版桁31等において
は、橋軸方向に直角な方向に作業空間を十分とることが
難しいという問題がある。特に楔プレート23a,23
bの取り外しは支承の側面側から強い力で打ち込んで、
楔プレート23a,23bを取り外すようになるので、
前記のように突出部28aを有する鋼製上沓28の平面
の形状を特殊なものに加工しなくてはならない等の制約
があると共に,上部工の形状にも制約を受けることにな
り、また一つの橋脚または橋台32上に複数の弾性支承
装置1を設置し、その弾性支承装置1間にアンカーバー
33が設置される場合は、箱桁あるいは版桁31等の上
部工部からコンクリートの打ち下ろし部34が設けられ
るので、さらに作業空間が狭隘になり、作業が困難にな
る恐れがあるという問題があった。
【0009】更に、サイドブロック21を橋軸直角方向
の鋼製下沓22上の両側部に設置しなければならず、そ
のスペースを余分に前記鋼製下沓22及びこれを支持す
るベースプレート30に取らせなくてはならず、これら
の部材が大型化し、コスト高にならざるを得なかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、橋軸直角
方向に十分な作業空間がとることが出来ないような箱桁
あるいは版桁31等を支承する弾性支承装置1において
も、橋軸方向の十分広い作業空間を利用して、簡単に予
備剪断変形を開放して据え付けることができる予備剪断
型弾性支承装置の据え付け方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題を有利に解決
するために、請求項1の予備剪断型弾性支承装置の据え
付け方法においては、ゴムのような弾性層を介して鋼製
上沓および鋼製下沓が一体に固定された橋梁用弾性支承
装置における前記弾性層に予備剪断変形を付与した後、
前記弾性支承装置の上部にコンクリート製桁を設け、そ
の後弾性層の予備剪断変形を解放する予備剪断型弾性支
承装置の据え付け方法において、橋梁用弾性支承装置に
おける鋼製下沓の橋軸方向の一端側にサイドブロックが
配置されて固定用ボルトにより着脱自在に取り付けら
れ、前記サイドブロックに橋軸方向に貫通するように雌
ねじ孔が設けられ、その雌ねじ孔に上沓押圧保持用ボル
トが螺合され、工場における予備剪断変形付与装置によ
り鋼製上沓が押圧されて、鋼製上沓と鋼製下沓が橋軸方
向に相対的に変位されて弾性層に予備剪断変形が付与さ
れ、かつ鋼製上沓に係合する前記上沓押圧保持用ボルト
と、前記鋼製上沓と前記鋼製下沓の橋軸直角方向の両側
面に、前記鋼製上沓と前記鋼製下沓とに渡って配設さ
れ、かつボルトにより着脱自在な固定用プレートとを用
いて前記予備剪断変形を保持した状態で、予備剪断型弾
性支承装置の上部に上部構造物を設け、その後前記固定
用ボルト、前記サイドブロックおよび前記固定用プレー
トを橋軸方向の広い作業空間側から取り外して予備剪断
変形を解放するようにしたことを特徴とする。
【0012】また請求項2の発明においては、請求項1
記載の予備剪断型弾性支承装置の据え付け方法におい
て、サイドブロックを弾性支承装置の鋼製下沓における
橋軸方向の一端側に固定し、前記サイドブロックの上部
に全ねじボルトからなる上沓押圧保持用ボルトを螺合さ
せると共に前記全ねじボルトからなる上沓押圧保持用ボ
ルトの先端部で前記弾性支承装置の鋼製上沓を押圧保持
してゴムのような弾性層に所要量の剪断変形を与えた状
態を保持することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次にこの発明の第1実施形態を図
を参照しながら説明する。まず図4には上部構造物31
と下部構造物32との間に設置する予備剪断型弾性支承
装置1の橋軸直角方向からの外観図とその内部構成が示
されており、図5には前記予備剪断型弾性支承装置1の
橋軸方向からの外観図とその内部構成図が示されてい
る。また図7には上部及び下部に取付用鋼板を埋設する
と共に中間部に複数の補強用鋼板を埋設したゴム状弾性
体からなる弾性体1aの上部にボルトにより固定される
鋼製上沓3の平面図が、図8には鋼製上沓3の上部に配
置されて固定され、かつアンカーバー9の下部が溶接ま
たは螺合により固定され、上部構造物を支持すると共に
これに埋め込み固定されるソールプレート5の底面図が
示されている。
【0014】 さらに図9には、上面に前記弾性体1aの
下部を載置すると共にボルトにより固定される鋼製下沓
2の平面図が、図10には上面に鋼製下沓2の下部が載
置されて固定され、かつ下部構造物に埋設されたアンカ
ーバー9a等の上部が螺合または溶接により固定される
ベースプレート4の平面図が示されている。
【0015】 図4及び図5に示すように、下部構造物3
2に埋設されたアンカーバー9aの上端部を固定すると
共に下部構造物からの力の伝達を前記弾性体1aに行う
目的でベースプレート4が下部構造物32に固定されて
いる。そして、ベースプレート4に当接して鋼製下沓2
が載置されてボルト35等により固定され、その上部に
前記弾性体1aが配設されると共に、この弾性体1a内
の下部に埋め込み固定された金属板における複数の雌ね
じ孔に螺合された複数のボルト36により前記鋼製下沓
2と一体化されて設けられている。
【0016】 また上部構造物31にはアンカーバー9が
埋設固定されており、このアンカーバー9の下端部を溶
接またはボルトにより固定したソールプレート5が固定
され、さらにこの下面に鋼製上沓3の上面が当接されて
ボルト37により固定されている。そして鋼製上沓3の
下方向に前記弾性体1a内の上部に埋め込み固定された
鋼板等の金属板1bにおける複数の雌ねじ孔に螺合され
た複数のボルト39により前記鋼製上沓3が一体化され
て設けられている。
【0017】 またベースプレート4と鋼製下沓2との間
は鋼製下沓2に設けられた穴(透孔)2aと、ベースプ
レート4の上面に設けられた盲穴(円形凹部)4aおよ
び弾性体内の下部に埋め込み固定された鋼板等の金属板
1cに設けられた円形凹部1dに渡って嵌合する横断面
が円形断面の剪断キー6bで強固に横移動不能に一体化
されている。更に、ソールプレート5と鋼製上沓3もソ
ールプレート5に設けられた盲穴(円形凹部)5aと鋼
製上沓3に設けられた穴(透孔)3aおよび弾性体内の
下部に埋め込み固定された金属板に設けられた円形凹部
1eに渡って嵌合する横断面が円形断面の剪断キー6a
で強固に横移動不能に一体化されている。
【0018】 前記弾性体1aは、荷重支持・回転吸収機
能、水平弾性機能、復元機能を備えており、ゴム層に複
数の鋼板を埋め込むように交互に積層されて一体成形さ
れて適宜のバネ定数に設定されている。また、弾性体1
aはボルトによる固定に加えて、上記の剪断キー6b,
6aによりベースプレート4と鋼製下沓2と横方向に移
動不能に一体化され、またソールプレート5と鋼製上沓
3とが横方向に移動不能に一体化されている。
【0019】 また図3a,図4に示すように、鋼製下沓
2の上面における橋軸方向の一端側(前面側)にサイド
ブロック10をボルト40により着脱自在に鋼製下沓2
に取り付け、前記サイドブロック10の上部に橋軸直角
方向に間隔をおいて、橋軸方向に貫通するように設けら
れた複数の雌ねじ孔10aに各全ねじボルトからなる上
沓押圧保持用ボルト12を螺合させ、その各全ねじボル
トからなる上沓押圧保持用ボルト12における先端部を
直接または支圧プレート12a等を介して、前記鋼製上
沓3およびソールプレート5における橋軸方向の一端部
(前面端部)に当接させる。なお、鋼製サイドブロック
10の下面には、鋼製下沓2の上面に設けられた凹部2
bに嵌設されて、鋼製サイドブロック10と鋼製下沓2
とを横方向に移動不能に一体化するため、橋軸直角方向
に間隔をおいて複数の下部凸部10bが設けられてい
る。
【0020】 そして図1,図2に示すように鋼製上沓3
と一体化したソールプレート5を上部構造物31の収縮
方向とは逆方向に弾性体1aを剪断変形させるように橋
軸方向に弾性体1aを剪断変形させることにより、前記
鋼製上沓3と一体化した弾性体1aに対して予め算出さ
れている不静定量(桁の収縮量)に当たる予備剪断変形
を与える。なお、この操作はベースプレート4、鋼製下
沓2及びソールプレート5,鋼製上沓3と一体化されて
いる弾性体1aであるため、工場等において試験機等の
予備剪断変形付与装置等により行うと高い精度で予備剪
断変形を付与することができ、この状態を保持するた
め、鋼製上沓を鋼製上沓5に上沓押圧保持用ボルト12
の先端部をを直接または支圧プレート12a等を介して
係合させる。
【0021】 またこの実施形態においては、工場等にお
いて試験機等の予備剪断変形付与装置等により予備剪断
変形を付与し、予備剪断変形した所定の形状を保持する
ために、鋼製上沓3と鋼製下沓2の橋軸直角方向の両側
面の中間部に、橋軸方向に間隔をおいて複数の雌ねじ孔
3b,2bが設けられ、鋼製上沓3と鋼製下沓2とに渡
って複数(図示の場合は、片側2枚づつ)の固定用プレ
ート13が配設され、前記各固定用プレート13におけ
る上部の長孔13cの上端部に当接するように挿通され
ると共に鋼製上沓3の前記雌ねじ孔3bに螺合されたボ
ルト13aおよび各固定用プレート13における下部の
透孔に挿通されると共に鋼製下沓2における雌ねじ孔2
bに螺合されたボルト13bにより連結されている。
【0022】 橋脚または橋台における弾性支承装置1上
に桁等の上部構造物31を架設または築造後に、ボルト
13aおよびボルト13bを橋脚または橋台における橋
軸方向の前端側または後端側あるいはその両側(橋脚の
場合)における橋軸方向の広い作業スペースA側に適宜
配設される足場(図示を省略した)を利用して取り外し
て固定プレート13を取り外し、かつ前記足場を利用し
て全ねじボルトからなる上沓押圧保持用ボルト12を取
り外し、適宜前記足場を利用してサイドブロック10を
取り外して、弾性層1の強制的な予備剪断変形状態を開
放した後、最後に上下の鋼製沓3,2に加工した各雌ね
じ孔3b,2bを合成ゴムあるいは合成樹脂等のシール
材(図示を省略した)を充填して防錆処理を行う(図3
b参照)。なお、上部構造物31を築造または架設する
とその荷重により予備剪断変形した弾性層1aの傾斜し
た傾斜角が増すようになるので、全ねじボルトからなる
上沓押圧保持用ボルト12を取り外しやすくなると共
に、各ボルト13aも長孔13c内の上端部から中間レ
ベルに下降するので、ボルト13aも取り外しやすくな
る。
【0023】 このように橋脚または橋台における橋軸方
向の前端側または後端側あるいはその両側に必要に応じ
適宜配設される足場(図示を省略した)を利用して、す
なわち橋軸方向の広い作業スペースAを利用することが
できるので、橋軸直角方向の狭隘な部分に比較的大きな
部品である複数のサイドブロック21を配置し、これを
取り外す従来の場合に比べて、取り外し作業が飛躍的に
容易になり、しかも作業員に無理な体勢を強いる恐れが
ない。
【0024】 上記のようにサイドブロック10の取り付
けから弾性体1aへの予備剪断変形を与える操作および
固定プレート13の取り付けは工場で行った予備剪断型
弾性支承装置1を搬送して橋脚または橋台に据え付け固
定した後、予備剪断型弾性支承装置1の上部に上部構造
物31を築造または架設し、その後固定プレート13,
全ねじボルトからなる上沓押圧保持用ボルト12,サイ
ドブロック10のそれぞれの取り外し作業を行う。この
場合、特にサイドブロック10を橋軸方向の前面側また
は後面側の一端側に設けたことにより、橋脚間または橋
脚と橋台間の広い作業空間Aに必要に応じ適宜設置され
る足場を利用して簡単に行えるものである。
【0025】 本実施形態では弾性体1aへの予備剪断変
形をサイドブロック10を鋼製下沓2上に取り付けて、
これに螺合する複数の全ねじボルト12の押圧保持力ま
たは工場における試験機等の予備剪断変形付与装置によ
っておこなったが、手段はこれに限定されるものでな
く、例えば1本の全ねじボルト12による押圧保持力を
利用してもよい。また複数の全ねじボルトからなる上沓
押圧保持用ボルト12の先端部を支圧プレート12aを
介して、鋼製上沓3を押圧するようにしているが、支圧
プレート12aを省略してもよい。
【0026】 前記実施形態においては、鋼製下沓2とベ
ースプレート4が分離した状態のものをボルト35およ
び剪断キー6bにより一体化しているが、本発明を実施
する場合、ベースプレート4を省略して鋼製下沓2のみ
としてもよく、また前記実施形態においては、鋼製上沓
3とソールプレート5が分離した状態のものをボルト3
7および剪断キー6aにより一体化しているが、ソール
プレート5を省略して鋼製上沓3のみとしてもよい。
【0027】
【発明の効果】この発明の請求項1の予備剪断型弾性支
承装置の据え付け方法によれば、橋軸方向の橋脚間また
は橋脚と橋台間の広い作業空間を有効利用して、必要に
応じ適宜足場を設置して、橋軸方向の橋脚間または橋脚
と橋台間の広い作業空間側から作業員が無理な体勢を強
いられることなく容易にサイドブロックおよびこれを固
定する固定用ボルトを取り外すことができ、また上沓押
圧保持用ボルトの伸長寸法を調整する必要が生じた場合
には、容易に橋軸方向の広い作業空間側から作業員が無
理な体勢を強いられることなく調整して、弾性層の予備
剪断変形量を調整することができる。また鋼製下沓の橋
軸方向の一端側にサイドブロックを配置するようにした
ので、サイドブロック10を設置する箇所が一か所でし
かない為に鋼製下沓2及びベースプレート4の平面形状
が小さくなり、予備剪断型弾性支承装置を小型にするこ
とができる。また工場において試験機等の予備剪断変形
付与装置により予備剪断変形を付与する場合には、上沓
押圧保持用ボルトを保持用ボルトとして使用することが
でき、上沓押圧保持用ボルトの負担を小さくできる。
【0028】 また請求項2の発明においては、請求項1
の効果に加えてさらに、サイドブロック10の上部に全
ねじボルトが螺合されているので、全ねじボルトのほぼ
全長を調整範囲とすることができ、そのため上部構造物
に生じるクリープ、乾燥収縮及び弾性収縮等の収縮量に
対応した予備剪断変形量の調整管理が容易となる。
【0029】 なお、予備剪断型弾性支承装置において、
ゴムのような弾性層を介して鋼製上沓および鋼製下沓が
一体に固定された橋梁用弾性支承装置における鋼製下沓
の橋軸方向の一端側に、サイドブロックが配置されて固
定用ボルトにより着脱自在に取り付けられ、前記サイド
ブロックに橋軸方向に貫通するように雌ねじ孔が設けら
れ、その雌ねじ孔に上沓押圧保持用ボルトが螺合され、
かつ鋼製上沓と鋼製下沓が橋軸方向に相対的に変位され
て弾性層に予備剪断変形が付与された状態で上沓押圧保
持用ボルトにより保持され、その変形した形状を保持す
るようにした場合には、 鋼製上沓と鋼製下沓に渡って固
定プレート13が配置されてボルトにより着脱自在に取
り付けられている、工場等において予備剪断変形した
状態の弾性支承装置を運搬する場合においても、その剪
断変形した形状を変化させることなく、精度良く据え付
けることができ、また予備剪断型弾性支承装置の構造も
簡単である。
【0030】 またサイドブロックおよび固定プレート1
3がボルトにより着脱自在に取り付けられている、こ
れらを橋軸方向の十分広い作業スペースを利用して容易
に取り外して弾性層の予備剪断変形を開放させるように
することができる。
【0031】 さらにまた、鋼製下沓とベースプレートの
橋軸方向の一端側の張り出し長さを前記鋼製上沓及びソ
ールプレートの張り出し長さより大きくとり、この張り
出し部上にサイドブロックを配置してボルトにより着脱
自在に鋼製下沓に取り付けた場合には、 従来のように橋
軸直角方向の両側に取り付ける場合に比べて、予備剪断
型弾性支承装置を小型にすることができると共に、サイ
ドブロックを橋軸方向の十分広い作業スペースを利用し
て容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る予備せん断型弾性
支承装置を下部構造物に固定した後、上部構造物を築造
した状態を橋軸直角方向から見た状態を示す一部縦断正
面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る予備せん断型弾性
支承装置を据え付けた図1の状態を橋軸方向から見た一
部縦断側面図である。
【図3】(a)は図1に示す弾性支承装置における上沓
押圧保持用ボルト付近を拡大して示す平面図である。
(b)は上沓押圧保持用ボルトおよび固定プレートを取
り外して予備剪断変形を開放するようにした状態を示す
一部縦断側面図である。
【図4】図1に示す弾性支承装置が中立状態の時の橋軸
直角方向から見た一部縦断側面図である。
【図5】図1に示す弾性支承装置を橋軸方向から見た一
部縦断側面図である。
【図6】図1に示す弾性支承装置に予備剪断弾性変形力
を付与するのに使用するサイドブロックを示す図であ
り、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、
(c)は底面図である。
【図7】図1に示す弾性支承装置における鋼製上沓の平
面図である。
【図8】図1に示す弾性支承装置におけるソールプレー
トの底面図である。
【図9】図1に示す弾性支承装置における鋼製下沓の平
面図である。
【図10】図1に示す弾性支承装置におけるベースプレ
ートの平面図である。
【図11】箱桁または版桁等の上部構造物を予備剪断型
弾性支承装置により支承するようにした場合における予
備剪断型弾性支承装置の配置例を示す一部縦断正面図で
ある。
【図12】従来の予備剪断型弾性支承装置を橋軸直角方
向から見た一部縦断側面図である。
【図13】従来の予備剪断型支承装置を橋軸方向から見
た一部縦断正面図である。
【図14】図13に示す従来の予備剪断型弾性支承装置
における予備剪断変形保持構造を示す平面図である。
【符号の説明】
1 弾性支承装置 1a 弾性体 2 鋼製下沓 2a 穴(透孔) 2b 雌ねじ孔 3 鋼製上沓 3a 穴(透孔) 3b 雌ねじ孔 4 ベースプレート 4a 盲孔(円形凹部) 5 ソールプレート 5a 盲孔(円形凹部) 6a 剪断キー 6b 剪断キー 7 六角穴付ボルト 8 六角ボルト 9 アンカーボルト(アンカーバー) 9a アンカーボルト(アンカーバー) 10 サイドブロック10a 雌ねじ孔 10b 下部凸部 11 ボルト 12 上沓押圧保持用ボルト(全ねじボルト)12a 支圧プレート 13 固定プレート 21 サイドブロック22 鋼製下沓 22a 六角ボルト 23a,b 楔プレート 24 固定プレート 25a,b プラケット 26 ボルト 28 鋼製上沓 28a 突出部 30 ベースプレート 31 箱桁または版桁(上部構造物) 32 橋台または橋脚(下部構造物)33 アンカーバー 34 コンクリートの打ち下ろし部 35,36,37,39,40 ボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板倉 克彦 静岡県静岡市南安倍2−8−1 建設省 静岡国道工事事務所内 (72)発明者 佐久間 幹 名古屋市中村区名駅南1−27−2 日本 生命笹島ビル 日本技術開発株式会社 名古屋支社内 (72)発明者 寺本 義彦 名古屋市中村区名駅南1−27−2 日本 生命笹島ビル 日本技術開発株式会社 名古屋支社内 (72)発明者 佐藤 幸美 名古屋市中村区名駅南1−27−2 日本 生命笹島ビル 日本技術開発株式会社 名古屋支社内 (72)発明者 加藤 準治 名古屋市中村区名駅南1−27−2 日本 生命笹島ビル 日本技術開発株式会社 名古屋支社内 (72)発明者 清水 惣一郎 東京都港区東新橋二丁目7番5号 (72)発明者 山下 等 愛知県名古屋市天白区植田東三丁目1301 サンピアII−202 (56)参考文献 特開 平10−280320(JP,A) 特開 平6−346629(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムのような弾性層を介して鋼製上沓お
    よび鋼製下沓が一体に固定された橋梁用弾性支承装置に
    おける前記弾性層に予備剪断変形を付与した後、前記弾
    性支承装置の上部にコンクリート製桁を設け、その後弾
    性層の予備剪断変形を解放する予備剪断型弾性支承装置
    の据え付け方法において、橋梁用弾性支承装置における
    鋼製下沓の橋軸方向の一端側にサイドブロックが配置さ
    れて固定用ボルトにより着脱自在に取り付けられ、前記
    サイドブロックに橋軸方向に貫通するように雌ねじ孔が
    設けられ、その雌ねじ孔に上沓押圧保持用ボルトが螺合
    され、工場における予備剪断変形付与装置により鋼製上
    沓が押圧されて、鋼製上沓と鋼製下沓が橋軸方向に相対
    的に変位されて弾性層に予備剪断変形が付与され、かつ
    鋼製上沓に係合する前記上沓押圧保持用ボルトと、前記
    鋼製上沓と前記鋼製下沓の橋軸直角方向の両側面に、前
    記鋼製上沓と前記鋼製下沓とに渡って配設され、かつボ
    ルトにより着脱自在な固定用プレートとを用いて前記予
    備剪断変形を保持した状態で、予備剪断型弾性支承装置
    の上部に上部構造物を設け、その後前記固定用ボルト、
    前記サイドブロックおよび前記固定用プレートを橋軸方
    向の広い作業空間側から取り外して予備剪断変形を解放
    するようにしたことを特徴とする予備剪断型弾性支承装
    置の据え付け方法。
  2. 【請求項2】 サイドブロックを弾性支承装置の鋼製下
    沓における橋軸方向の一端側に固定し、前記サイドブロ
    ックの上部に全ねじボルトからなる上沓押圧保持用ボル
    トを螺合させると共に、前記全ねじボルトからなる上沓
    押圧保持用ボルトの先端部で前記弾性支承装置の鋼製上
    沓を押圧保持してゴムのような弾性層に所要量の剪断変
    形を与えた状態を保持することを特徴とする請求項1記
    載の予備剪断型弾性支承装置の据え付け方法。
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