JP3238544B2 - 非調質熱間鍛造部品の製造方法 - Google Patents

非調質熱間鍛造部品の製造方法

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JP3238544B2
JP3238544B2 JP22553393A JP22553393A JP3238544B2 JP 3238544 B2 JP3238544 B2 JP 3238544B2 JP 22553393 A JP22553393 A JP 22553393A JP 22553393 A JP22553393 A JP 22553393A JP 3238544 B2 JP3238544 B2 JP 3238544B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として複雑形状の機
械部品の製造に際して、800〜1000℃の温度域で
熱間鍛造したままで、鍛造後に焼入れ焼戻し等の調質処
理を施さなくとも、引張強度70〜90kgf/mm
2 、20℃での衝撃値4kgf−m/cm2 以上で、優
れた疲労強度、切削性を同時に有する非調質熱間鍛造部
品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工程省略、製造コストの低減の観点から
自動車を始めとする機械構造用部品に対して非調質鋼の
適用が普及している。
【0003】これらの非調質鋼は主に高い引張強度(あ
るいは硬さ)と降伏強度および靭性を有することを主眼
に開発が行われてきた。そこで例えば特開昭62−20
5245号公報などに見られるように、析出強化の代表
的元素であるVを使った非調質鋼が提案されてきた。と
ころがこの様な高強度高靭性の非調質鋼の機械部品への
適用に際して、強度の増加に伴う切削性の劣化が大きな
障害になっている。
【0004】複雑形状の機械部品では優れた切削性が必
要である。一方、機械部品として最も重要な材質特性は
疲労強度である。疲労強度は、一般に引張強度に依存す
るとされ、引張強度を高くすれば高くなる。しかし引張
強度を上げることによって切削性は極端に劣化し、複雑
形状の機械部品では引張強度70〜90kgf/mm2
でも、通常の生産能率では生産ができなくなってしま
う。そこで切削性を劣化させずに疲労強度を向上させる
非調質鋼の具現化が切望された。
【0005】これには疲労強度と引張強度の比すなわち
耐久比を向上させることが有効な手段である。そこで例
えば特開平4−176842号公報などに見られるよう
に、ベイナイト主体の金属組織とし組織中の高炭素島状
マルテンサイトおよび残留オーステナイトを低減する方
法などが提案されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような開
発努力にもかかわらず、耐久比はせいぜい0.55程度
であり、切削性も極めて不良である従来型のベイナイト
非調質鋼の高々2倍程度にしか改善されない。
【0007】本発明は、主として複雑形状の機械部品の
製造に際して、従来の非調質鋼では実現が困難であっ
た、引張強度70〜90kgf/mm2 、20℃での衝
撃値4kgf−m/cm2 以上で、優れた耐久比、切削
性を有する非調質熱間鍛造部品の製造方法を提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはまずパーラ
イト組織に着目しこれが金属組織中に適当量存在すると
切削性が極めて良くなることを見いだした。しかし一般
に、高温変態組織であるパーライト組織率が高くなると
耐久比および靭性が劣化する。
【0009】そこで切削性が極めて良くなるパーライト
混合組織鋼に対して耐久比を高くする方策を検討した。
その結果、TiNおよびMnS−V(CN)複合析出
物によって鍛造加熱時のオーステナイト結晶粒を微細化
する、800〜1000℃の温度において鍛造を施し
加工再結晶によりオーステナイト結晶粒を微細化する、
冷却過程で上記のMnS−V(CN)複合析出物を核
発生サイトとしてオーステナイト粒の粒内からフェライ
トを微細析出させる、ついで析出したフェライトおよ
びパーライト中のフェライトマトリックス地にさらにV
炭化物またはV炭窒化物を極めて微細に析出させマトリ
ックスを析出強化させる、以上の低温で熱間加工と析
出物を活用した手法により、組織全体が極めて微細でか
つ析出強化されたフェライト・パーライト組織が得ら
れ、この様な鋼において疲労亀裂の進展は軟質なフェラ
イト結晶粒から硬質なパーライト結晶粒へ移行するまた
はその逆の過程でいずれも進展速度の低下をもたらし耐
久比が向上することを見いだした。さらにまた、このよ
うな軟質なフェライト相と硬質なパーライト相が共存す
る2相組織とすることにより被削性も向上することを見
いだした。また、通常、高耐久比化を図ると靭性が低下
する傾向を示すが、800〜1000℃の温度域での
鍛造により微細フェライト・パーライト組織を実現す
ることにより、高耐久比と靭性の両立が可能であること
を見いだした。
【0010】本発明者らはこのような知見に基づいて、
パーライトを含有する非調質鋼材の化学成分、鍛造条件
および金属組織の設計を行い、それらの疲労強度、引張
強度、靭性および切削性を実験評価して本発明を発明す
るに至った。
【0011】すなわち本発明の第1発明は、重量比にし
てC:0.10〜0.35%、Si:0.005〜1.
50%、Mn:0.40〜1.30%、S:0.01〜
0.10%、Al:0.0005〜0.05%、Ti:
0.003〜0.05%、N:0.0030〜0.02
00%、V:0.20〜0.70%を含有し、残部はF
eならびに不純物元素からなる組成の鋼材に、800〜
1000℃の温度において鍛造を施し、室温まで冷却し
て得られた部材が、金属組織におけるパーライト組織の
組織率fが含有炭素量C(%)に対して1.05C+
0.3≧f≧1.05C−0.1であり、引張強度70
〜90kgf/mm2 、20℃での衝撃値4kgf−m
/cm2 以上を有してなることを特徴とする非調質熱間
鍛造部品の製造方法であり、第2発明はパーライト組織
率の調整のため第1発明鋼の成分にさらにCr:0.0
5〜1.00%、Mo:0.05〜0.50%の1種ま
たは2種を含有させたものであり、第3発明は切削性の
さらなる向上のため、第1発明鋼又は第2発明鋼の成分
にさらにPb:0.05〜0.30%、Ca:0.00
05〜0.0050%の1種または2種を含有させたも
のである。
【0012】次に本発明の鋼材の化学成分、鍛造温度お
よび熱間鍛造を施し室温まで冷却した後の金属組織の限
定理由について以下に説明する。
【0013】C:パーライト組織率を調整しひいては最
終製品の引張強度を増加させる重要な元素で、0.10
%未満では低引張強度となり、逆に0.35%超過では
高引張強度となりすぎ靭性が低下するので0.10〜
0.35%とする。
【0014】Si:脱酸およびベイナイトの析出を抑え
パーライト組織率を調整する元素で、0.005%未満
ではその効果は小さく、1.50%超過では耐久比、切
削性のいずれも低下するので、0.005〜1.50%
とする。
【0015】Mn:パーライト量の増加と変態温度の低
下をもたらすとともにMnSとなることによりフェライ
トの析出サイトである複合析出物の基盤となる元素で、
0.40%未満ではその効果が小さく、1.30%超過
では強度が高くなり、靭性、切削性のいずれも低下する
ので0.40〜1.30%とする。
【0016】S:MnSとなることによりフェライトの
析出サイトである複合析出物の基盤となりかつ被削性を
向上させる元素で、0.01%未満ではその効果が小さ
く、0.10%超過では耐久比と衝撃値が低下するので
0.01〜0.10%とする。
【0017】Al:脱酸効果をもつ元素で、0.000
5%未満ではその効果が小さく、0.050%超過では
硬質介在物を形成し耐久比、靭性、切削性のいずれも低
下するので0.0005〜0.050%とする。
【0018】Ti:γ中でTiNを形成し、γ粒を微細
化するために添加するが、0.003%未満ではその効
果が小さく、0.050%超過では粗大硬質介在物の形
成を促し耐久比、靭性、切削性のいずれも低下するので
0.003〜0.050%とする。
【0019】N:TiおよびVと窒化物あるいは炭窒化
物を形成する元素で、0.0030%未満ではその効果
が小さい。一方、Nを過剰添加すると、熱間鍛造加熱時
に多量のVNを形成し、固溶Vが低減するため、フェラ
イト変態時にVCによる析出強化を図ることができず、
耐久比、衝撃値、切削性のいずれも低下する。この現象
はN:0.0200%超過で特に顕著になる。以上の理
由で、N:0.0030〜0.0200%とする。
【0020】V:MnSおよびTiNと複合析出物を形
成するとともにパーライト中のフェライトを析出強化す
る元素で、0.20%未満ではその効果が小さく、0.
70%超過では耐久比、衝撃値、切削性のいずれも低下
するので、0.20〜0.70%とする。なお、Vの析
出強化効果を有効に活用するためには、0.30〜0.
60%程度が望ましい。
【0021】以上が本願第1発明の鋼の化学成分の限定
理由である。
【0022】次に本願第2発明においては、パーライト
組織率の調整のため、第1発明鋼の成分にさらにCr、
Moの1種または2種を含有させる。これらの化学成分
の限定理由について以下に述べる。
【0023】Cr:Mnとほぼ同様に、パーライト量の
増加と変態温度の低下をもたらす元素で、0.05%未
満ではその効果が小さく、1.00%超過ではベイナイ
トが発生して耐久比、切削性のいずれも低下するので
0.05〜1.00%とする。Mo:Mn、Crとほぼ
同様の効果をもつ元素で、0.05%未満ではその効果
が小さく、0.50%超過ではベイナイトが発生して耐
久比、切削性のいずれも低下するので、0.05〜0.
50%とする。
【0024】本願第3発明においては、切削性のさらな
る向上のため、第1発明鋼または第2発明鋼の成分にさ
らにPb、Caの1種または2種を含有させる。これら
の化学成分の限定理由について以下に述べる。
【0025】Pb:切削性を向上せしめる元素で、0.
05%未満ではその効果が小さく、0.30%超過では
その効果は飽和し耐久比が低下するので、0.05〜
0.30%とする。
【0026】Ca:Pbとほぼ同様な効果をもつ元素
で、0.0005%未満ではその効果は小さく0.00
50%超過ではその効果は飽和し耐久比が低下するの
で、0.0005〜0.0050%とする。
【0027】次に、本発明において、鍛造温度を限定し
た理由について述べる。
【0028】まず、鍛造温度の下限を800℃以上とし
たのは、この800℃未満の温度では鍛造負荷が顕著に
増大し、成型が困難になるためである。また、鍛造温度
の上限を1000℃以下としたのは、1000℃超の鍛
造温度では加工再結晶によるオーステナイト結晶粒の微
細化効果が不十分なためであり、更に鋼材表面の脱炭も
激しくなり、鍛造後の機械部品の疲労強度が大幅に低下
するためである。
【0029】次に本願発明の鋼において熱間鍛造後室温
まで冷却した際の金属組織の限定理由について述べる。
【0030】先に述べたように、パーライトが適当量存
在することが切削性の向上をもたらす。パーライト組織
率は鋼のC含有量と焼入れ性およびオーステナイト域か
らの冷却速度で制御できる。パーライトによる被削性向
上効果を得るためには、その組織率fが含有炭素量C
(%)に対して(1.05C−0.1)以上が必要であ
り、一方(1.05C+0.3)超過となると切削性が
劣化するとともに耐久比も不良となるので、パーライト
組織率fを含有炭素量C(%)に対して(1.05C−
0.1)以上(1.05C+0.3)以下とした。この
ようなパーライト組織を含む金属組織を達成できれば、
熱間鍛造後の冷却方法は特に指定しないが、設備や製造
コストの点からは自然放冷が当然望ましい。なお、パー
ライト組織率fは腐食した試験片を光学顕微鏡等で観察
しその面積率を測定することによって求める。
【0031】以下に、本発明の効果を実施例により、さ
らに具体的に示す。
【0032】
【実施例】以下に挙げる第1表乃至第4表に実施例及び
比較例を示す。
【0033】(1)鋼材化学成分の影響 第1表に示す化学成分の鋼を高周波炉にて溶解し150
kgの鋼塊とし、これから鍛造用材料を切り出し、一旦
950℃加熱放冷で焼準した後、900〜1050℃に
加熱して850〜1000℃の温度で熱間鍛造を行い、
その後、放冷した。なお、No.37は機械構造用鋼の
代表的鋼種であるJIS−S45C規格鋼であり、これ
については熱間圧延で製造した丸棒を950℃加熱放冷
で焼準した後、875℃に加熱後油冷槽で焼入れを行
い、続いて570℃に加熱し水冷を行って焼戻しを行
い、試験材とした。
【0034】この材料の中央部よりJIS4号引張試験
片、JIS1号回転曲げ試験片、JIS3号衝撃試験片
を採取し、引張試験回転曲げ疲労試験および20℃でシ
ャルピー衝撃試験を行った。同材料から光学顕微鏡観察
試験片を採取し5%ナイタールで腐食して200倍で観
察しパーライト組織率を求めた。さらに同材料より切削
試験片を採取し、SKH9製10mmφストレートシャ
ンクドリルを用いて30mm深さのブラインドホールを
穿孔し、ドリルが寿命破壊するまでの総穿孔距離を測定
した。測定した結果は従来鋼であるNo.37鋼の総穿
孔距離を1.00としてそれとの相対比で評価した。な
お、切削速度は50m/min、送り速度は0.35m
m/rev、切削油3L/minの条件とした。
【0035】第2表に各供試材のパーライト組織率およ
び性能評価結果を示す。
【0036】まず調質鋼であるNo.37の耐久比0.
46・切削性1.0に対し、本発明例であるNo.1〜
16はいずれも耐久比は0.57以上でありまた切削性
もNo.37の2.5倍から5.5倍良好である。
【0037】比較例のNo.17はC量が低いため引張
強度が低い。比較例のNo.18はC量が高すぎるた
め、引張強度は高くなるが本発明例に比べ衝撃値が低
い。
【0038】比較例のNo.19はSi量が低いため脱
酸程度が低く耐久比は本発明例に比べ低い。比較例のN
o.20はSi量が高いため、耐久比は本発明例に比べ
低く切削性も不良である。
【0039】比較例のNo.21はMn量が低いため引
張強度が低い。比較例のNo.22はMn量が高いた
め、引張強度は高くなるが本発明例に比べ衝撃値が低
く、切削性も不良である。
【0040】比較例のNo.23はS量が低いため複合
介在物の析出が少なく、耐久比と衝撃値が本発明例に比
べ低く、またMnSの切削性向上効果を得られないので
切削性も不良である。比較例のNo.24はS量が高い
ためMnSの析出が過多となり、耐久比と衝撃値が本発
明例に比べ低い。
【0041】比較例のNo.25はAl量が低いため脱
酸程度および結晶粒微細化効果が小さく、耐久比と衝撃
値が本発明例に比べ低い。比較例のNo.26はAl量
が高いため硬質介在物が形成され、耐久比と衝撃値は本
発明例に比べ低く切削性も不良である。
【0042】比較例のNo.27はTi量が低いため複
合析出物の析出が少なく、耐久比が本発明例に比べ低
い。比較例のNo.28はTi量が高いため硬質介在物
が形成され、耐久比と衝撃値は本発明例に比べ低く切削
性も不良である。
【0043】比較例のNo.29はN量が低いため複合
析出物の析出が少なく、耐久比が衝撃値が本発明例に比
べ低い。比較例のNo.30はN量が高いため粗大VN
の析出とそれにともなうフェライト変態時の析出強化代
の減少のため、耐久比と衝撃値は本発明例に比べ低く切
削性も不良である。
【0044】比較例のNo.31はV量が低いため複合
析出物の析出が少なくかつマトリックスフェライトを析
出強化する効果が小さいので、引張強度が低くまた耐久
比が本発明例に比べ低い。比較例のNo.32はV量が
高いため、引張強度が高くまた耐久比と衝撃値は本発明
例に比べ低く切削性も不良である。
【0045】比較例のNo.33はCr量が高いためベ
イナイトが発生し本発明のパーライト組織率の条件が満
足できず、耐久比は本発明に比べ低く切削性も不良であ
る。
【0046】比較例のNo.34もMo量が高いためベ
イナイトが発生し本発明のパーライト組織率の条件が満
足できず、耐久比は本発明に比べ低く切削性も不良であ
る。
【0047】比較例のNo.35はPb量が高いため、
切削性は良好なるも耐久比が不良である。
【0048】比較例のNo.36もCa量が高いため、
切削性は良好なるも耐久比が不良である。
【0049】 (2)熱鍛後の冷却方法によるパーライト組織率変化の
影響 第1表のNo.12に示す、本発明の化学成分の条件を
満足する鋼を、150kgの鋼塊から鍛造用材料を切り
出し、一旦950℃加熱放冷で焼準した後、900〜1
050℃に加熱して850〜1000℃の温度で熱間鍛
造を行い、その後第3表に示す方法で冷却した。なお、
第1表のNo.37に示した機械構造用鋼の代表的鋼種
であるJIS−S45C規格鋼を調質した材料も比較と
して用いた。この材料の中央部より実施例(1)と同様
の方法で、引張強度、疲労強度、切削性、衝撃値および
パーライト組織率を求めた。第4表に各供試材のパーラ
イト組織率および性能評価結果を示す。
【0050】No.40、41および42は、本発明の
パーライト組織率の条件である組織率fが含有炭素量C
(%)に対して1.05C−0.1以上1.05C+
0.3以下を満足する、本発明の例であり、いずれも耐
久比は0.57以上を確保しまた切削性も現行調質鋼で
あるNo.45の2.8倍からほぼ4.5倍と良好であ
る。
【0051】No.38および39は冷却速度は小さく
する、またはフェライトの析出温度で保定処理をしたも
ので、その組織は大部分がフェライトまたはフェライト
+球状セメンタイトであってパーライト組織率が小さ
い。そのため引張強度自体が低いが、フェライト+パー
ライト2相組織化による効果が消失し、強度が低く、耐
久比も0.50以下と低い。
【0052】No.44は冷却速度を高めることにより
ベイナイトまたはマルテンサイト等を主とするの低温変
態組織としたものであり、引張強度は高くなるものの耐
久比は極めて低く、また切削性も不良で工具寿命は極め
て小さい。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明鋼はパーライト
組織率を調整することにより切削性を確保し、さらに8
00〜1000℃の温度において鍛造を施し、MnS、
Ti窒化物およびV窒化物から形成される複合析出物を
使ったフェライト+パーライト2相での金属組織の微細
化とV炭化物(または炭窒化物)によるフェライトおよ
びパーライト中のフェライトマトリックスの強化を同時
に行うことにより切削性を損なわずに耐久比すなわち疲
労特性を向上させ、且つ靭性を確保することが可能とな
り、主として複雑形状の機械部品の製造に際して、従来
の非調質鋼では実現が困難であった、引張強度70〜9
0kgf/mm2 、20℃での衝撃値4kgf−m/c
2 以上で、優れた耐久比、切削性を有する非調質熱間
鍛造部品の製造方法を提供することが可能となり、産業
上極めて効果の大きいものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−176055(JP,A) 特開 昭63−199848(JP,A) 特開 平5−186848(JP,A) 特開 平1−198450(JP,A) 特開 昭61−166920(JP,A) 特開 平7−62488(JP,A) 特開 平5−279790(JP,A) S.Engineer et.a l.”A Review of the Development and A pplication of Micr oalloyed Medium−Ca rbon Steels”Fundam entals of Microall oying Forging Stee ls(1986)P.19−37 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00 C22C 38/00 - 38/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比にして C :0.10〜0.35% Si:0.005〜1.50% Mn:0.40〜1.30% S :0.01〜0.10% Al:0.0005〜0.050% Ti:0.003〜0.050% N :0.0030〜0.0200% V :0.20〜0.70%を含有し 残部はFeならびに不純物元素からなる組成の鋼材に、
    800〜1000℃の温度において鍛造を施し、室温ま
    で冷却して得られた部材が、金属組織におけるパーライ
    ト組織の組織率fが含有炭素量C(%)に対して 1.05C+0.3≧f≧1.05C−0.1であり、 引張強度70〜90kgf/mm2 、20℃での衝撃値
    4kgf−m/cm2 以上を有してなることを特徴とす
    る非調質熱間鍛造部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 成分がさらに Cr:0.05〜1.00% Mo:0.05〜0.50%の1種または2種を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の非調質熱間鍛造部品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 成分がさらに Pb:0.05〜0.30% Ca:0.0005〜0.0050%の1種または2種
    を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の非調質熱間鍛造部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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S.Engineer et.al."A Review of the Development and Application of Microalloyed Medium−Carbon Steels"Fundamentals of Microalloying Forging Steels(1986)P.19−37

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JPH0776723A (ja) 1995-03-20

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