JP3238494B2 - 回転走査型磁気記録再生装置及び回転トランス装置の製造方法 - Google Patents

回転走査型磁気記録再生装置及び回転トランス装置の製造方法

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JP3238494B2 JP28354492A JP28354492A JP3238494B2 JP 3238494 B2 JP3238494 B2 JP 3238494B2 JP 28354492 A JP28354492 A JP 28354492A JP 28354492 A JP28354492 A JP 28354492A JP 3238494 B2 JP3238494 B2 JP 3238494B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTRなどの回転走
査型磁気記録再生装置に係り、特に回転ドラムに搭載さ
れた記録/再生回路の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】HDTV用などの高精細VTRや、現行
テレビジョン方式のディジタルVTR等の広帯域、高伝
送レートVTR(以下、これらを総称して広帯域・高伝
送レートVTRと呼ぶ)が開発され、実用化されてい
る。これらのVTRでは広帯域、高伝送レートを実現す
るため、以下のような工夫がされている。
【0003】(1)磁気ヘッドと記録回路の間に広帯
域、高伝送レート化の妨げとなる回転トランスを介在さ
せず、直接両者を接続することにより記録系の広帯域、
高伝送レート化を図る。
【0004】(2)磁気ヘッドとプリアンプとの共振周
波数を上げて、再生系の広帯域、高伝送レート化を図る
ため、再生信号の良好な信号対雑音比が得られるよう
に、回転ドラム上の磁気ヘッドの近傍に再生回路を搭載
し、回転ドラムに搭載した磁気ヘッドからの微小な再生
信号をレベルを大きくしてから回転ドラム外部へ伝送す
る。これは外来ノイズの低減にも効果がある。
【0005】(3)回転ドラム内外間の信号伝送のため
の回転トランスと、この回転トランスを駆動するドライ
バ回路および回転トランスからの信号を受けるレシーバ
回路を、外来ノイズの低減と広帯域化のために、スキャ
ナ(回転ドラム、固定ドラム等を含めてドラム系メカの
総称をいう)内部に、回転トランスに近接させて搭載す
る。
【0006】ところで、この種の広帯域・高伝送レート
VTRでは、テレビジョン学会誌のVR87−5に開示
されているように、通常再生と特殊再生用を加えて少な
くとも6個以上の磁気ヘッドを使用しなければならな
い。例えば、D−1フォーマット525ディジタルVT
Rを例にとると、16個の磁気ヘッドを使用している。
また、HDTV用ディジタルVTRの場合、記録、再生
用として各々8個、さらにフライングイレーズ用として
2個の合計18個もの磁気ヘッドを使用する。回転ドラ
ム内外の信号伝送には通常、回転トランスが使用され
る。回転トランスのチャネル数は、回転ドラムに搭載さ
れた磁気ヘッドの数だけ必要となる。
【0007】しかしながら、多数の磁気ヘッドに対応し
たチャネル数の回転トランスをスキャナに搭載すると共
に、磁気ヘッドの数と等しい数の記録回路と再生回路を
回転ドラムに搭載し、さらに回転トランスのチャネル数
と同数の回転トランスドライバ回路と回転トランスレシ
ーバ回路をスキャナ内に搭載すると、スキャナのメカニ
ズムが大きくかつ複雑になる。一方、回転トランスは広
帯域とチャネル間の低クロストークが要求され、小型化
にも限界がある。
【0008】そこで、発明者らは特願平1−12790
6と特願平1−127911において、回転トランスド
ライバ回路と回転トランスレシーバ回路の数および回転
トランスのチャネル数を削減することで、スキャナのメ
カニズムを小型化する方式を提案した。この方式による
と、記録回路または再生回路あるいは記録/再生回路を
n個ずつ回転トランスの同じ伝送チャネルに共通に接続
し、これらを順次選択的に能動/非能動状態に切替える
ことにより、回転トランスのチャネル数を磁気ヘッドと
記録回路または再生回路あるいは記録/再生回路の数の
1/nにすることが可能になる。さらに、回転トランス
のドライバ回路とレシーバ回路の数も、1/nにするこ
とができる。
【0009】例えば記録ヘッドと記録回路が8個、再生
ヘッドと再生回路が8個で、テープ上の実効記録エリア
角が180°の場合、記録回路および再生回路をそれぞ
れ2個ずつ回転トランスの同一の伝送チャネルに接続す
れば、回転トランスの伝送チャネルは記録系、再生系と
も4チャネルずつで良い。この結果、スキャナのメカニ
ズムが簡単になり、信頼性が向上すると同時に、システ
ムの小型・軽量化とコストダウンが図れるという大きな
特長がある。以下、この公知技術について説明する。
【0010】特願平1−127906で提案した回転ト
ランスは、例えば再生系について説明すると、回転トラ
ンスの回転側素子の一つの巻線溝に2回路の巻線を入
れ、これらの巻線に、180°対向している2つの再生
ヘッドに接続されている再生回路をそれぞれ接続し、他
方の固定ドラム側素子の一つの巻線溝に1回路の巻線を
入れて、回転トランスレシーバで受ける構成となってい
る。すなわち、2つの再生回路を回転トランスの同じ伝
送チャネルに接続している。この方式によって、回転ド
ラム内の再生回路どうしと回転トランスの接続配線を長
く引き回す必要がなくなり、回転トランスの巻線の引き
出しを180°対向した各々の再生回路に近接した箇所
で引き出すことにより、再生回路と回転トランスの接続
配線が簡単になるという特徴がある。
【0011】特願平1−127911に記載された方式
は、スキャナの固定側にLEDを複数個並べると共に、
これと対向し得る回転ドラム側の位置にフォトディテク
タをヘッドと同じ数だけ配置し、回転トランスの同一伝
送チャネルをn個の記録回路または再生回路あるいは記
録/再生回路で共用した回転ドラム搭載回路をフォトデ
ィテクタ出力により回転ドラムの180°回転毎にそれ
ぞれ順次、能動/非能動状態に切替えて回転トランスの
チャネル数を削減する方式である。以下、このような回
転ドラム搭載回路の能動/非能動状態の切替え方式を1
80°切替え方式という。この180°切替え方式によ
り、スキャナのメカニズムが簡単になると共に、信頼性
が向上し、小形・軽量化とコストダウンを図ることがで
きる。
【0012】図90(a)(b)を参照して、この18
0°切替え方式の概要を説明する。図90(a)はスキ
ャナ部の断面図、(b)は模式的な平面図である。1は
スキャナ(回転ドラムと固定ドラムの総称をいう)、2
は磁気テープ、3は回転ドラム、4は固定ドラムであ
る。この例では回転ドラム3側に記録回路および再生回
路(図示せず)の制御を行うフォトディテクタ5a,5
bおよび6a,6bをそれぞれ記録ヘッドR1,R2お
よび再生P1,P2の内側に位置して各ヘッドに対応さ
せて搭載する。固定ドラム4側には、テープ上の実効記
録エリア角(巻付け角に相当する)が180°の場合、
複数個の記録用LEDおよび再生用LEDをフォトディ
テクタと対向し得る位置に、それぞれ実効記録エリアに
わたって半弧状に配列する。以下、これら記録および再
生用の複数個のLEDをLED列と呼ぶ。
【0013】記録回路の制御は記録用LED列7に従っ
て、また再生回路の制御は再生用LED列8に従ってそ
れぞれ行い、記録用LED列7と再生用LED列8の制
御は記録再生制御回路9により行う。回転ドラム側のフ
ォトディテクタ5a,5bおよび6a,6bは、記録用
LED列7および再生用LED列8からの制御光を受け
て、記録回路および再生回路の能動/非能動状態の制御
を例えば記録回路および再生回路の電源入力のオン・オ
フにより行う。
【0014】すなわち、回転ドラム3は矢印の方向に回
転しているので、ヘッドR1に接続された記録回路はフ
ォトディテクタ5aの出力によって制御され、ヘッドR
1が記録用LED列7のある記録エリアを通過している
間は能動状態、ヘッドR1が記録用LED列7のないと
ころを通過している間は非能動状態になる。同様に、ヘ
ッドR2に接続された記録回路はフォトディテクタ5b
の出力により制御される。ヘッドP1に接続された再生
回路はフォトディテクタ6aの出力により制御され、ヘ
ッドP1が再生用LED列8のある記録エリアを通過し
ている間は能動状態、ヘッドP1が再生用LED列8の
ないところを通過している間は非能動状態になる。同様
に、ヘッドP2の再生回路はフォトディテクタ6bの出
力により制御される。
【0015】最近のディジタルVTRにおいては、オー
ディオ信号はPCM化され、ビデオトラックと同一線上
のオーディオトラックに記録されており、編集時にはP
CMオーディオ信号を頻繁に書き替えている。また、ビ
デオ信号もオーディオ信号ほど頻繁ではないが、部分書
き替えが必要である。従ってこの種のディジタルVTR
の機能として、部分書き替え機能は必要不可欠と言え
る。しかし、上記の180°切り替え方式に通常再生、
通常記録の機能に追加して、オーディオトラックのみ、
ビデオトラックのみの部分書替えを行うためには、通常
記録用および通常再生用LED列に加え、オーディオト
ラックの部分書替え記録用LED列と、ビデオの部分書
替え記録用LED列をその配列の径を通常記録用および
通常再生用LED列と異ならせて配列するか、あるいは
通常記録用LED列をオーディオのみ、ビデオのみのL
ED列に分割するなどの対策が必要となる。
【0016】図91にD2フォーマットVTRのフット
プリントを示し、図92に該フォーマットに対応させた
ドラム搭載回路制御LED列を通常記録用LED列につ
いてオーディオ用とビデオ用に分割した場合について示
す。なお、図92に示すD−2フォーマットVTRのフ
ットプリントは、テレビジョン学会誌技術解説(規則特
集)No.15、P.46からの引用である。図92にお
いて、回転ドラム搭載回路を制御するLED列は固定ド
ラム4に取付けられる。記録回路(図示していない)は
記録用LED列7a〜7eで制御され、再生回路(図示
していない)は再生用LED列8で制御される。通常記
録時は、記録用LED列7a〜7eを全て発光させる。
オーディオトラックのみの部分書替えを行う場合には、
D2フォーマットのオーディオトラックに対応するLE
D列7a,7b,7d,7eを発光させる。さらに、ビ
デオのみの記録トラックの部分書替えを行う場合は、記
録用LED列7cのみを発光させる。これらの記録用L
ED列7a〜7eおよび再生用LED列8は、LED列
制御回路10によって制御される。
【0017】この例に見られるように、オーディオトラ
ックのみ、ビデオトラックのみの部分書替えを行うに
は、記録用LED列7a〜7eをオーディオ用の記録用
LED列7a,7b,7d,7eとビデオ用の記録用L
ED列7cに分割することが必要となってその制御が複
雑となり、それに伴いLED列制御回路10の構成が複
雑になる。また、オーディオチャネルは通常4チャネル
が必要とされ、当然チャネル別に部分書替えが要求され
る。その場合、記録用LED列のオーディオ用エリアを
チャネル数分だけ増やさなくてはならず、その制御はさ
らに複雑になる。また、システム構成によっては、消去
機能を付加しなくてはならない場合があり、その場合に
は消去用LED列が必要となり、増々制御が複雑にな
る。さらに、比較的短く分割されたオーディオトラック
に対応する記録用LED列7a,7b,7d,7eを製
作することが困難であるばかりでなく、オーディオチャ
ネル間あるいはオーディオチャネルとビデオチャネル間
のギャップ部において、部分書替えするチャネルに隣接
するチャネルに記録制御のための光が漏れないようにす
ることが困難である。
【0018】一方、再生に関しては再生用LED列8を
コントロールするための信号、すなわち180°切替信
号を生成するための信号を回転ドラムの外部から供給し
なければならない。通常、再生回路はVTRの機能を考
えると、通常記録時は同時再生するならば能動状態、同
時再生しなければ非能動状態とされる。この場合、18
0°毎に再生回路を切替えて、回転トランスで回転ドラ
ム外部に再生信号を伝送してやれば良い。スチル再生、
スロー再生、早送り再生および早戻し再生などの特殊再
生時の場合も、再生信号は部分的に欠落したり、再生出
力が低下したりするが、180°毎に再生回路を切替え
る制御は全く変わらない。従って外部から制御信号を伝
送することなく180°切替信号が回転ドラム内部で生
成できることが望ましい。
【0019】さらに、上述したような180°切替え方
式では、スキャナの固定側に記録および再生用のLED
列が必要となり、場合によっては消去用のLED列も必
要となる。また、回転ドラム側には磁気ヘッドの数だけ
フォトディテクタが必要となる。前述したように広帯域
・高伝送レートVTRでは磁気ヘッドの数が非常に多く
なり、フォトディテクタやそれに付随する部品はさらに
増えるので、製造コストの上昇、スキャナの大型化、更
にはVTR装置全体の大型化を招く可能性がある。ま
た、個々のフォトディテクタは自己が制御する記録回路
および再生回路に接続された磁気ヘッドのヘッドギャッ
プと回転ドラムの回転中心とを結ぶ直線上に位置し、か
つ回転ドラムの回転中心からの距離が、制御されるべき
固定ドラム上のLED列と等しくなるように互いに精度
よく位置合わせがなされなければならない。このため、
スキャナの組み立てが複雑となり、回転ドラム搭載回路
のメンテナンスや製造コストの面でも不利となる。
【0020】一方、スリップリングや回転ドラムあるい
は光伝送を利用して180°切替えのための制御信号を
回転ドラムに伝送する方法も考えられる。しかし、スリ
ップリングで制御信号を伝送する方法は、磁気ヘッドの
チャネル数が増えた場合、スリップリングのチャネル数
も増えるため構成が複雑となり、またスリップリングは
寿命が短く、摺動ノイズが多いため、信号伝送の信頼性
に欠ける。回転トランスで制御信号を伝送する方法は、
磁気ヘッドのチャネルが増えた場合、1チャネルの回転
ドラムで多チャネルの磁気ヘッドに対応した記録再生回
路の制御信号を伝送することになるため、周辺回路が非
常に複雑となる。光伝送を用いる方法では、マルチビー
ムでの信号伝送が困難なので、回転中心から一本の光ビ
ームで多チャネルの磁気ヘッドに対応した記録再生回路
の制御信号を伝送することになるため、やはり周辺回路
が非常に複雑となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のドラム搭載回路制御方式では、記録トラックの部分書
き替えはドラム搭載回路を制御するLED列が増えて非
常に困難という問題がある。また、再生に関しては再生
用LEDをコントロールするための信号を回転ドラムの
外部から供給しなければならないという問題がある。さ
らに、記録/再生および消去回路の制御に共通の事項と
して多数のLED列と磁気ヘッドの数だけのフォトディ
テクタが必要となるため、製造コストの上昇、スキャナ
の大型化、VTR装置全体の大型化、スキャナの組み立
ての複雑化、回転ドラム搭載回路のメンテナンスなどの
問題があり、またスリップリングや回転ドラムあるいは
光伝送を利用して180°切替えのための制御信号を回
転ドラムに伝送する方法も、信号伝送の信頼性や、周辺
回路の複雑化などの点で大きな問題があった。
【0022】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、第1の目的はドラム搭載回路を制御するL
ED列を増やすことなく、あるいはLED列を用いるこ
となく、放送局などで必要とされる部分書き替えを含む
機能を持たせることができる回転走査型磁気記録再生装
置を提供することにある。
【0023】また、本発明の第2の目的は、ドラム搭載
回路を制御するLED列を使用することなく、回転ドラ
ム内部で再生回路の制御のための信号を生成することが
可能な回転走査型磁気記録再生装置を提供することにあ
る。
【0024】さらに、本発明の第3の目的は、ドラム搭
載回路を制御するLED列を使用することなく回転ドラ
ム内部で記録回路、再生回路および消去回路などのドラ
ム搭載回路を制御するための制御信号を生成することが
可能な回転走査型磁気記録再生装置を提供することにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は第1の目的を達
成するため、複数の記録ヘッドの各々が磁気テープに接
触している期間をそれぞれ検出する第1の検出手段を設
けると共に、複数の記録ヘッドにそれぞれ接続された記
録回路内に、該記録回路に回転ドラムの外部から伝送さ
れてくる記録すべき情報信号を検出する第2の検出手段
と、第1の検出手段により該記録回路に対応する記録ヘ
ッドが磁気テープに接触していると検出され、かつ第2
の検出手段により情報信号が検出された期間だけ該記録
回路の出力段を能動状態にする制御手段を設けたことを
特徴とする。
【0026】第1の検出手段は、具体的には例えば回転
ドラムに対向して配置された固定ドラムの回転ドラムに
対向する面上に設けられ、回転ドラムの回転方向に沿っ
て所定の角度範囲にわたり円環状に配列された複数列の
発光素子列と、回転ドラムの固定ドラムに対向する面上
の前記記録ヘッドの各々に対応する位置に設けられた複
数個の受光素子とを有し、該受光素子から記録ヘッドの
各々が磁気テープに接触している期間を示す信号を出力
する。
【0027】また、本発明は第1の目的を達成するた
め、複数の記録回路内に該記録回路に回転ドラムの外部
から伝送されてくる記録すべき情報信号に回転ドラムの
回転位置に応じて付加され、該情報信号とは異なる振幅
に振幅変調された振幅変調信号を検出する第1の検出手
段と、該記録回路に回転ドラムの外部から伝送されてく
る記録すべき情報信号を検出する第2の検出手段と、第
1の検出手段により所定振幅の前記振幅変調信号が検出
され、かつ第2の検出手段により情報信号が検出された
期間だけ該記録回路の出力段を能動状態にする制御手段
を設けたことを特徴とする。
【0028】また、本発明は第1の目的を達成するた
め、複数の記録回路内に該記録回路に回転ドラムの外部
から伝送されてくる記録すべき情報信号に付加されてい
る記録回路指定コードを検出する検出手段と、この検出
手段により検出された記録回路指定コードが該記録回路
に定められた固有のコードと一致した期間だけ該記録回
路の出力段を能動状態にする制御手段を設けたことを特
徴とする。
【0029】さらに、本発明は第1の目的を達成するた
め、複数の記録回路内に回転ドラムの外部から伝送され
てくる記録すべき情報信号に付加されているシンクブロ
ック内のシンクブロック番号あるいはセクタID内のト
ラック番号、セグメント番号およびフィールド番号のう
ちの少なくとも一つの番号を表わすコードを検出する検
出手段と、この検出手段により検出されたコードが各記
録回路に定められた固有のコードと一致した期間だけ該
記録回路の少なくとも出力段を能動状態にするように構
成される。
【0030】本発明は第2の目的を達成するため、回転
ドラム内に複数の再生ヘッドにそれぞれ接続された再生
回路を設けると共に、再生回路に再生ヘッドにより再生
された情報信号が検出された期間だけ該再生回路を能動
状態にする制御手段を設けることを特徴とする。
【0031】本発明は第3の目的を達成するため、情報
信号の記録、再生および消去を行う複数の磁気ヘッドの
それぞれに近接して、磁気テープと磁気ヘッドとが接触
しているか否かを検出するテープ−ヘッド接触検出手段
を設けると共に、磁気ヘッドにそれぞれ接続された記録
回路、再生回路および消去回路を含む複数のドラム搭載
回路のうち記録回路、再生回路および消去回路の少なく
とも一つ回路内に、テープ−ヘッド接触検出手段により
磁気テープと磁気ヘッドとが接触していると検出された
期間だけ該記録回路、再生回路および消去回路の少なく
とも一つ回路の少なくとも出力段を能動状態にする制御
手段を設けたことを特徴とする。
【0032】
【作用】このように記録回路の出力段の能動/非能動状
態の制御を行う制御手段を記録回路に付加したことによ
り、ドラム搭載回路の制御が非常に簡単になる。例えば
第1の検出手段として発光素子列と受光素子を用いる方
式においては、ドラム搭載回路を制御する発光素子列と
しては記録用発光素子列を用意するのみで、通常記録
と、ビデオトラックのみ、オーディオトラックのみの部
分書替えが可能になる。また、発光素子列の素子数が少
なくなることで、低消費電力化とコストダウンが図られ
る。
【0033】さらに、第1の検出手段で情報信号に付加
された振幅変調信号を検出し第2の検出手段で情報信号
を検出する方式や、記録回路指定コードあるいはシンク
ブロック番号あるいはセクタID内のトラック番号、セ
グメント番号およびフィールド番号のうちの少なくとも
一つの番号を表わすコードを検出する方式においては、
発光素子列を全く用いることなく、通常記録と、ビデオ
トラックのみ、オーディオトラックのみの部分書替えが
可能になると共に、LED列やフォトディテクタ、さら
にはスリップリングや回転ドラムあるいは光伝送等によ
る180°切替えのための制御信号の伝送も不要となる
ため、信頼性が向上し、周辺回路の複雑化も伴わない。
【0034】一方、再生回路の出力段を能動/非能動状
態にする回路を再生回路に付加すれば、ドラム搭載回路
の制御が非常に簡単になり、発光素子列が不要になるこ
とによって低消費電力化とコストダウンが図られる。
【0035】さらに、ドラム搭載回路のうちの記録回
路、再生回路および消去回路の少なくとも一つの回路に
設けられたテープ−ヘッド接触検出手段によって、磁気
テープと磁気ヘッドとが接触していると検出された期間
だけその回路の少なくとも出力段を能動状態にする構成
とすることにより、発光素子列を用いることなく回転ド
ラム内部で生成された制御信号のみで180°切替えな
どの制御が可能となり、そのための制御回路が簡単にな
る。これによりスキャナの組立、ドラム搭載回路のメン
テナンスが容易となり、コストダウン、スキャナの小型
化さらにはVTR装置全体の小型化が図られる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0037】図1は、本発明の一実施例における180
°切替え方式の回転ドラム搭載回路制御装置を内蔵した
スキャナ部の構成を模式的に示す図であり、(a)はヘ
ッドは位置を示す平面図、(b)は断面図、(c)はフ
ォトディテクタとLED列の配置を示す平面図である。
この実施例では、磁気テープ2の実効記録エリア角を1
80°にして、通常記録再生を行う場合について説明す
る。尚、消去回路については記録回路と全く同様である
ので、説明を簡単にするため省略する。
【0038】スキャナ1においては、磁気テープ2が回
転ドラム3の周面に情報信号の実効記録エリアが180
°になるように巻き付けられている。すなわち、回転ド
ラムに対するテープ2の巻付け角が180°となってい
る。また、回転ドラム3に対向して同軸的に固定ドラム
4が設けられている。回転ドラム3には磁気ヘッドとし
て、図1(b)に示されるように記録ヘッド11(R
1,R2)および再生ヘッド12(P1,P2)がそれ
ぞれ180°対向して設けられている。
【0039】さらに、この実施例では回転ドラム3側
に、記録ヘッドR1,R2および再生ヘッドP1,P2
のそれぞれ内側で、かつこれらのヘッドと半径方向の同
一直線上に位置して、記録用フォトディテクタ5(5
a,5b)および再生用フォトディテクタ6(6a,6
b)が搭載されている。一方、固定ドラム4側には、回
転ドラム3の回転に伴ってフォトディテクタ5,6と対
向し得る位置に、回転ドラム3の回転方向に沿って記録
用LED列7および再生用LED列8が実効記録エリア
分、この場合は180°の角度範囲にわたって、半円環
状に配置されている。これらのLED列7,8は、それ
ぞれ複数のLEDを半円環状に配列したものである。
【0040】回転ドラム3には、記録回路13a,13
bおよび再生回路14a,14bが搭載され、記録回路
13a,13bの能動/非能動状態の切替え制御は記録
用LED列7で、再生回路14a,14bの能動/制御
能動状態の切替え制御は再生用LED列8で、または後
述するキャリア検出結果に従ってそれぞれ行われる。さ
らに、記録用LED列7と再生用LED列8の制御は、
記録再生制御回路9で行われる。
【0041】記録回路13a,13bは、入力が回転ト
ランスの共通の回転側素子に接続され、回転ドラム外部
から入力される情報信号を増幅し、180°対向して配
置された記録ヘッドR1,R2をそれぞれ駆動する。
【0042】磁気テープ2上に記録された情報信号は、
180°対向して設けられた再生ヘッドP1,P2で再
生され、再生回路14a,14bで増幅された後、その
出力が共通の回転側素子に接続されている回転トランス
により、回転ドラム外部へ伝送される。
【0043】図2は、図1のスキャナ1内のより具体的
な構成を示す回路図である。磁気テープに記録されるべ
き情報信号(以下、記録RF信号という)は、回転トラ
ンスドライブ回路15で増幅され、回転トランス17a
を介して回転ドラム内部に伝送される。尚、回転トラン
スドライブ回路15に入力される記録RF信号は、記録
ヘッドR1,R2によって記録される情報信号を両方含
んでいる。
【0044】回転トランス17a,17bとしては、先
に説明した特願平1−127906で提案した回転トラ
ンスを使用している。すなわち、記録系においては、回
転トランス17aの固定側素子の一つの巻線溝に1回路
の巻線を入れ、記録RF信号を回転トランスドライブ回
路15で増幅して回転トランス17aを介して回転ドラ
ム内部に伝送する。回転トランス17aの回転側素子に
は一つの巻線溝に2回路の巻線を入れ、これらを記録回
路13a,13bにそれぞれ接続して、記録RF信号を
記録回路13a,13bで受信する。
【0045】再生系においては、回転トランス17bの
回転側素子の一つの巻線溝に2回路の巻線を入れ、これ
らを再生回路14a,14bにそれぞれ接続して、回転
トランス17bの固定側素子の一つの巻線溝に1回路の
巻線を入れ、回転トランスレシーバ回路16で再生ヘッ
ドP1,P2によって再生された情報信号(以下、再生
RF信号という)を受けるようにする。
【0046】図3に、記録/再生回路の切替え動作の一
連のタイムシーケンスを示す。記録回路13a,13b
は、図3(a)のR1切替え信号と図3(b)のR2切
替え信号によって180°毎にそれぞれ順次、能動状態
/非能動状態に切替えられ、入力される図3(c)のR
F信号を能動状態の時に記録ヘッドR1あるいはR2に
供給し、磁気テープに図3(d)(e)に示す記録電流
に対応するRF信号を記録する。
【0047】一方、再生ヘッドP1,P2により磁気テ
ープから再生されたRF信号は、再生回路14a,14
bで増幅され、回転トランス17bを介して回転ドラム
外へ伝送される。
【0048】再生回路14a,14bは図3(f)に示
すP1切替え信号と、(g)に示すP2切替え信号で1
80°毎にそれぞれ順次、能動状態/非能動状態に切替
えられ、能動状態の時に再生ヘッドP1あるいはP2か
ら再生される(h)のP1再生信号および(i)のP2
再生信号から、(j)の再生RF信号を回転トランス1
7bから回転ドラム外へ伝送する。回転トランス17b
から伝送された再生RF信号は、回転トランスレシーブ
回路16で受信され、後の回路に伝送される。この切替
え動作によって回転トランスレシーブ回路16から出力
される再生RF信号は、再生ヘッドP1,P2で再生さ
れるRF信号を両方含んでいる。
【0049】この実施例における回転ドラム搭載回路の
制御を簡単にする方式と、回転トランスのチャネル数を
削減するための回路方式について説明する。
【0050】再生回路14a,14bは、先願の特願平
1−127906で提案した回転トランスを使用したこ
とにより、能動状態の再生回路の周波数特性の劣化が起
こらないように、非能動状態のときは出力をハイインピ
ーダンス状態にしておく。図4に、このような再生回路
の具体例を示す。尚、この再生回路の出力は平衡出力に
なっているが、説明を簡単にするためにその片側のみを
示している。
【0051】通常、この種の再生回路は負荷に対して充
分な駆動能力を持たせるために、出力段はエミッタフォ
ロアあるいはダーリントンエミッタフォロアが使用され
る。図4では、エミッタフォロアQ1を使用している。
トランジスタQ2、ダイオードD1および抵抗Z1、Z
2は定電流回路を構成し、この定電流回路はエミッタフ
ォロアQ1に定電流を供給する。このエミッタフォロア
Q1の能動状態/非能動状態の切替えは、トランジスタ
Q3,Q4およびインバータIN1により行われる。切
替え信号がH(高)レベルの時には、トランジスタQ
3,Q4のベースはL(低)レベルになってQ3,Q4
はオフになり、エミッタフォロアQ1は動作し、再生R
F信号を出力する。切替え信号がLレベルの時には、Q
3、Q4のベースはHレベルになってQ3、Q4はオン
になり、エミッタフォロアQ1のベースはLレベルにな
ってエミッタフォロアQ1はオフ状態になり、その出力
はハイインピーダンス状態になる。
【0052】次に、記録回路13a,13bについて説
明する。記録回路13a,13bは記録RF信号の有無
を検出する機能、即ちキャリア検出機能を持っている。
図5は、このようなキャリア検出機能を持った記録回路
の具体例を示す図である。ここでは、記録回路13aに
ついて示しているが、記録回路13bも同一の構成であ
る。
【0053】図5において、回転トランス(図示してい
ない)から伝送されてきた記録RF信号は記録回路13
aの入力1と入力2に入力される。入力された記録RF
信号は2分岐され、一方は記録RF信号を電流増幅する
ためのエミッタフォロア21に、他方はディテクタアン
プ22に入力される。ディテクタアンプ22は、記録R
F信号を所定の信号振幅となるように増幅して次段のピ
ークディテクタ23に送る。ピークディテクタ23は入
力された記録RF信号のピークを検出して、そのピーク
値に対応した検出信号電圧を出力する。ピークディテク
タ23から出力された検出信号電圧はコンパレータ24
に入力される。コンパレータ24は、入力された検出信
号電圧が所定の閾値を越えた場合は、次段のアンドゲー
ト25にH(高)レベルの信号を出力する。
【0054】このように記録回路13aは、所定振幅レ
ベル以上の記録RF信号が入力された時は、ディテクタ
アンプ22、ピークディテクタ23およびコンパレータ
24で構成されるRFディテクタによって、アンドゲー
ト25にHレベルの信号を出力する。逆に、所定振幅レ
ベル以下の記録RF信号が入力された時は、RFディテ
クタはアンドゲート25にLレベルの信号を出力する。
アンドゲート25の他方の入力は記録回路イネーブル入
力であり、図1のフォトディテクタ5aから図示しない
ディテクタアンプおよび二値化回路を経て図3に示した
ような180°切替信号(R1切替信号)が入力され
る。
【0055】アンドゲート25の出力は、出力オフ回路
26を介してアンプ27に制御信号として供給される。
アンプ27は、エミッタフォロア21で電流増幅された
記録RF信号をさらに増幅して出力1と出力2に出力す
る。
【0056】図6および図7に、通常記録時およびイン
サート記録時の記録回路13a内外の各回路部の動作シ
ーケンスを示す。アンドゲート25のRFディテクタ側
入力(X)と記録回路イネーブル入力(Y)の両方がH
レベルになった時、アンドゲート25の出力(S)はH
レベルとなる。この時、出力オフ回路26により記録回
路13aの出力段のアンプ27が能動状態とされ、アン
プ27から磁気ヘッド(図示していない)に記録RF信
号に対応した記録電流が供給される。
【0057】逆に、アンドゲート25のRFディテクタ
側入力(X)と記録回路イネーブル入力(Y)のいずれ
か一方がLレベルになった時は、アンドゲート25の出
力(S)はLレベルとなるため、出力オフ回路26によ
りアンプ27がオフ、すなわち記録回路13aが非能動
状態とされる。これにより記録RF信号出力は停止さ
れ、アンプ27は磁気ヘッドに記録電流を流さない状態
となる。
【0058】この動作は、図7に動作シーケンスを示す
インサート記録時に、特にその効果が大である。すなわ
ち、インサート記録時では回転トランスが共通になって
いることから、記録回路13a,13bをそれぞれのR
1切替信号(Y)とRFディテクタ出力(X)の両信号
により、アンドゲート25および出力オフ回路26を通
してアンプ27のオン/オフをコントロールすることに
よって、記録RF信号を出力させる。このようにする
と、図7の動作シーケンス例から分かるように、インサ
ート記録したい部分にインサートすべき記録RF信号を
伝送するだけで、簡単に部分書替えが可能になる。
【0059】次に、記録回路13a,13bのアンプ部
の一実施例を説明する。図8は、図5におけるエミッタ
フォロワ21、出力オフ回路26およびアンプ27の部
分を詳細に示す回路図である。この回路は、差動アンプ
と中点タップ付きRFトランスおよび定電流回路を使用
して構成されている。
【0060】記録回路の入力に先願の特願平1−127
906で提案した回転トランスを使用したことにより周
波数特性の劣化が起こらないように、図8では入力段に
エミッタフォロアQ10,Q11を用いて入力インピー
ダンスを高くしている。通常のエミッタフォロアに代え
て、ダーリントンエミッタフォロアを用いてもよい。
尚、図8では簡単にするため入力回路のバイアスは図示
していない。エミッタフォロアQ10,Q11により電
流増幅されたRF信号は、トランジスタQ12,Q13
と抵抗Z7による差動アンプにより増幅される。この差
動アンプからRFトランスを介して、記録ヘッドR1に
RF記録電流が供給される。トランジスタQ14と抵抗
Z3、トランジスタQ15と抵抗Z4は、それぞれエミ
ッタフォロワQ10,Q11のエミッタに接続される定
電流回路、トランジスタQ16と抵抗Z5、トランジス
タQ17と抵抗Z6は、トランジスタQ12,Q13の
エミッタに接続される定電流回路をそれぞれ構成する。
抵抗Z1,Z2とダイオードD1は、これらの定電流回
路のための基準バイアス回路である。
【0061】トランジスタQ18は、そのベースにイン
バータIN10を介して切替信号が入力されることによ
り、切替信号がLレベルの時にオンとなって抵抗Z1,
Z2とダイオードD1からなる基準バイアス回路とトラ
ンジスタQ14〜Q17のベース電位を接地電位GND
に落として、ヘッドR1に記録電流が流れるのを禁止す
る。
【0062】すなわち、図8におけるアンプ(エミッタ
フォロワおよび差動アンプ)は、トランジスタQ18の
ベース電位がHレベルのとき非能動状態、Lレベルのと
き能動状態となる。切替信号は、インバータIN10で
反転されてからトランジスタQ18のベースに入力され
るため、結局、切替信号がHレベルでアンプは能動状態
となって、ヘッドR1にRF信号に対応した記録電流を
流し、逆に切替信号がLレベルでアンプは非能動状態と
なってヘッドR1に記録電流を流さない状態となり、図
5〜図7で説明した動作が実現される。
【0063】上記実施例では記録回路にRFディテクタ
を付加したが、消去回路にも同様のRFディテクタを付
加しても良い。この場合、消去を行うタイミングで消去
信号を消去回路に入力することで、消去回路の制御にL
ED列を使用する必要が無くなり、記録回路の場合と同
様の効果が得られる。
【0064】また、図5において切替え信号入力やRF
ディテクタの出力形態によっては、アンドゲート25の
部分に他の論理ゲートを使用しても良い。
【0065】ところで、図1における記録用LED列7
および再生用LED列8は、線発光素子として用いられ
ている。線発光を実現するためには、LED列からの光
がLEDの配列方向において途中で切れないように、実
効記録エリア分だけLEDを密に複数個配置しなければ
ならない。単品でモールドしたLEDを使用して、この
ように光を途中で切れること無く線発光を実現すること
は、実装ピッチと外径寸法、さらに実装精度等から非常
に困難である。従って、LEDにはベアチップを使用す
ることになる。
【0066】しかしながら、図9に示すようにLEDベ
アチップは+X,−X,+Y,−Y,Zの5つの方向に
光を出し、さらにその発光は図10に示す光強度分布
(一般的にランバート分布になると言われている)にな
っている。LEDベアチップから出る光のうち、使用し
たい光の方向はZ方向のみであるため、+X,−X,+
Y,−Y方向の光をもZ方向に集光することで、少ない
駆動電流で効率良く光強度むら(光量のリップル)の少
ない線状の制御光を出すようにすることが要求される。
【0067】また、LEDは一般に駆動電流が多いほ
ど、言い換えると発光量が多いほど寿命が短くなる。こ
のためVTRシステムの信頼性の面からも、LED列に
は長寿命化、すなわち高効率化と低消費電力化が要求さ
れる。
【0068】さらに、LEDベアチップは5つの方向に
光を出すため、図1において再生用LED列8から記録
用フォトディテクタ5a,5bへの光の漏れ込み(クロ
ストーク)、あるいは記録用LED列7から再生用フォ
トディテクタ6a,6bへの光のクロストークが問題に
なる。例えば、VTRが再生モードの時に再生用LED
列8から記録用フォトディテクタ5a,5bへの光のク
ロストークが生じると、そのクロストーク量が多い場
合、記録回路が誤動作してしまう。
【0069】このような事情を考慮して、本実施例では
図1に示したように、固定ドラム4の回転ドラム3に対
向する端面上に回転ドラム3の回転方向に沿って実効エ
リア分の長さにわたり半円環状の溝(または孔)を形成
し、この溝の内部にLED列7,8を配設して線状発光
素子としている。
【0070】以下、図11〜図20を参照してLED列
の種々の配設方法について、記録用LED列7を例にと
り説明する。
【0071】図11では、LED列7を構成する複数の
LEDベアチップをLED基板401上に実装し、図1
の記録再生制御回路9と接続されているLED基板40
1上の配線パターンにボンディングワイヤ402によっ
て接続している。そして、LED基板401を固定ドラ
ム4の回転ドラム3に対向する端面上に回転ドラム3の
回転方向に沿って形成された半円環状の溝403内に配
設している。このように構成することにより、LED列
7の発散している光を効率よくLED配列方向と直交方
向に集光して、細い光束の光円弧を形成することができ
る。従って、上述した記録用LED列7から再生用フォ
トディテクタ6a,6bへの光クロストークを少なくす
ることができる。
【0072】図12は、LED列7を構成する複数のL
EDベアチップを固定ドラム4の裏面に取り付けられた
LED基板401上に実装し、そのLEDベアチップを
固定ドラム4に貫通させた半円弧状の貫通孔404内に
配置した例であり、図11の構成と同一の効果が得られ
る。
【0073】図13は、図12の貫通孔404内に樹脂
405を充填した例である。この樹脂405は透明の材
質でもよいし、LEDの発光波長において透過率の大き
い材質でもよく、さらには光拡散剤を混入させた樹脂で
もよい。LED列により形成される線状発光にはLED
の数に対応した光量リップルが生じるが、樹脂405に
光拡散剤を混入してLEDからの光を拡散させることに
より、このような光量リップルが少なくなる。
【0074】図14は、図12の貫通孔404上を覆う
ように、LEDの発光波長において透過率の大きい樹脂
などの材料からなる光拡散シート406を固定ドラム4
の端面上に配置したものである。この光拡散シート40
6を設けることによって、図13の樹脂405に混入さ
せた光拡散剤と同様に、LED列の光量リップルを少な
くする効果が得られる。
【0075】図15は、貫通孔404の壁面をLEDの
発光方向に末広がりのテーパ状に形成して集光効率を上
げた例であり、図16は貫通孔404の壁面を発光方向
と逆方向に末広がりのテーパ状に形成して集光効率を上
げた例である。VTRシステムに応じて図15、図16
の構成を使い分ければよい。
【0076】図17は、図12の貫通孔404の上方に
LED列7の光をさらに効率よく集光し、実効記録エリ
ア分にわたり線状発光させるための図18に示すような
半円環状のシリンドリカルレンズ407を配置した例で
ある。このシリンドリカルレンズ407は、例えばアク
リル、ポリカーボネート、アモルファス・ポリオレフィ
ン、スチレン系、ウレタン系およびエポキシ系等の透光
性樹脂を射出成形することにより作られたものであり、
固定ドラム4の端面に嵌め込みあるいは接着により装着
される。
【0077】図19は、図17のシリンドリカルレンズ
407の一部を拡大して示したものであり、また図20
は従来知られている典型的なシリンドリカルレンズを示
す。図20に示す従来のシリンドリカルレンズのY方向
の曲率は0であるが、図19に示す本発明で使用する円
環状シリンドリカルレンズ407はY方向に曲率を持っ
た形状としている。従って、この円環状シリンドリカル
レンズ10により、発散しているLED列7,8の光を
効率良く集光し、焦点位置で光束が最も細くなるような
光円弧を形成することができる。LED列7,8に対向
するフォトディテクタ5,6は、この最も光束が細くな
るシリンドリカルレンズ407の焦点位置に置かれ、こ
の位置での光の有無を検出して、回転ドラム搭載回路で
ある記録回路および再生回路を制御する。この結果、従
来問題になっていた再生用LED列8から記録用フォト
ディテクタ5への光の漏れ込み(クロストーク)が少な
くなる。
【0078】なお、フォトディテクタ5,6は必ずしも
シリンドリカルレンズ407の焦点位置に置く必要はな
く、光のリップル量、フォトディテクタの検出領域とそ
の感度によって、焦点位置に対し多少ずらして配置して
も良い。
【0079】図11〜図17の例では、固定ドラム4自
体に溝403または貫通孔404を設け、これらに半円
環状LED列を配設したが、固定ドラム4とは別の部材
に半円環状LED列を配設し、それを固定ドラム4に固
定してもよい。
【0080】図21はその例であり、略円板状の支持部
材408に半円環状のLED列7を配設し、支持部材4
08をネジ409によって固定ドラム4に固定してい
る。支持部材408は例えばアルミニウムのように金属
あるいは比較的軽量の樹脂により作られる。
【0081】また、以上の例においてLED列の光を集
光するための溝403または貫通孔404の内壁面を光
反射性とすることにより、集光効率をさらに上げること
もできる。さらに、固定ドラム4の回転ドラム3に対向
する側の端面を艶消し黒色塗装などによって無反射面と
することにより、LED列からの光が回転ドラム3との
間で乱反射してフォトディテクタに入射するのを防止す
ることもできる。
【0082】ところで、LED列7,8を構成するLE
Dが寿命などにより故障して発光しなくなると、VTR
システムのシステムコントローラやオペレータに対して
その旨を即座に伝達し、交換などの対策を促すことが必
要となる。また、一方で多数のLEDベアチップを用い
てLED列を構成する関係上、1個、2個程度の少ない
数のLEDチップの故障に対しては所期の動作が続行さ
れることが望ましい。そこで、LEDの故障対策に関す
る実施例を図22〜図27により説明する。
【0083】図22は、LED列を構成する複数個のL
EDD1〜Dxを直列に接続し、さらに電流決定抵抗R
aおよび動作確認用可視光LEDDaを直列に接続した
ものである。この例によると、LEDD1〜Dxの一個
でも故障すると動作確認用可視光LEDDaが発光しな
くなることにより、故障が即時に分かるという利点があ
る。
【0084】図23は、複数個のLEDD1〜Dxを電
流決定抵抗R1〜〜Rxをそれぞれ介して並列に接続し
た例である。このようにすると1個ないし複数個のLE
Dが故障しても、他の正常なLEDは発光させることが
できる。
【0085】図24は、図23の並列接続したLEDD
1〜Dxの並列回路と直列に電流調整抵抗Rbおよび動
作確認用可視光LEDDaを接続したものである。この
ようにすると、例えばLEDD1〜Dxが1個でも故障
すると電流Idが増加してX点での電圧降下が増大し、
動作確認用可視光LEDDaは発光するだけの電圧が供
給されなくなって発光しなくなるので、LEDD1〜D
xのいずれかの故障を検知できる。この場合、電流調整
抵抗Rbの値を選択することにより、任意の個数のLE
Dの故障を検知することができる。
【0086】図25は、図24の抵抗Rbおよび動作確
認用可視光LEDDaに代えて電流監視回路400を設
けた例である。電流監視回路400はLEDD1〜Dx
の並列回路に流れる電流を監視するものであり、例えば
電流−磁界変換回路を使用することができる。この構成
によっても、任意の数のLEDの故障を検知することが
できる。
【0087】図26(a)は、複数個のLEDD1〜D
xを配列方向における4個置きに直列に接続した例であ
り、図26(b)は図26(a)を分かりやすく書き直
したものである。このようにして4個置きに直列接続さ
れたLEDの群をそれぞれ410〜413とし、これら
各群410〜413にそれぞれ直列に電流決定抵抗R1
0〜R13を接続する。
【0088】このようにすると、1個、2個といった比
較的少ない数のLEDが故障しても、問題なく所定の発
光量で線状発光を行うことができる。例えば、LED群
410の中の1個のLEDが故障した場合、LED群4
10は全てのLEDは消灯するが、他のLED群411
〜413は発光する。この結果、LED群410の各L
EDに対応した位置では発光量が減少するが、その発光
量が減少した分だけシステムコントローラ側で電源電圧
Vccを上げることで補償することができる。また、L
EDの駆動源に定電流回路を用いれば、LED群410
が消灯して電流が流れなくなった分だけ他のLED群に
流れる電流が増加し、発光量を増加させることができ
る。
【0089】なお、図1ではLED列として記録用LE
D列7および再生用LED列8の二列を半径方向の位置
を異ならせて配設したが、フォトディテクタ5,6の動
作できる受光量は同じなので、低消費電力化を図るため
に、各LED列の発光量をLEDの個数あるいはLED
に流す電流を異ならせるなどの手段により合わせること
が可能である。
【0090】図27(a)は、動作確認用可視光LED
に代えてフォトカップラ420を用い、フォトカップラ
420のLED421をLED列(LEDD1〜Dx)
に直列に接続し、フォトカップラ420のフォトディテ
クタ422によりLED列の以上を検出するようにした
例である。フォトカップラ420は図の例ではフォトデ
ィテクタ421にフォトトランジスタを用いているが、
フォトダイオードあるいはフォトIC等の他の受光素子
を用いてもよい。なお、抵抗R14はLEDD1〜Dx
に流す電流を決定する電流決定抵抗、また抵抗R15は
フォトディテクタ422のスイッチング時に出力がLレ
ベルとなるときにフォトディテクタ422に流れる電流
を決定する電流決定抵抗である。
【0091】図27(a)において、電源Vcc2の電
圧を5Vにしておけば、TTLロジックICまたはMO
SロジックICなどのディジタルICを使用しているV
TRの制御回路にフォトカップラ420の出力を直接入
力することが可能である。
【0092】図27(a)の動作を簡単に説明すると、
通常動作時はLEDD1〜Dxを正常に発光させる電流
が流れ、LEDし1〜Dxは発光している。このときフ
ォトカップラ420のLED421も発光しており、フ
ォトディテクタ422はオンとなるため、フォトディテ
クタ420の出力端であるY点はLレベルとなる。次
に、LEDD1〜Dxのいずれか一つがの断線故障する
と、LEDD1〜Dxを駆動する電流が流れなくなるた
め発光が止まり、フォトカップラ420のLED421
の発光も止まる。この結果、フォトカップラ420のフ
ォトディテクタ422がオフとなり、Y点はHレベルと
なる。従って、LEDD1〜DxはY点がLレベルのと
きは正常、Hレベルのときは故障と分かる。制御回路
は、このY点のレベルを判別して、オペレータにLED
の故障警告を行う。
【0093】図27(b)は、目視による点検作業が容
易なように、図27(a)におけるLEDD1〜Dx、
フォトカップラ420のLED421および抵抗R14
と直列に可視光LEDDaを接続したものである。
【0094】このように図22〜図27の実施例によれ
ば、LED列の保守が容易となり、また特に図26のよ
うなLEDの結線方法をとると、1個、2個といった比
較的少ない数のLEDが故障しても、問題なく所定の発
光量で線状発光を行うことができるという効果が期待で
きる。
【0095】次に、本発明によりVTRの記録/再生系
の回路構成が簡単かつ小型化になることを説明する。図
28は、本発明に基づく記録/再生系の回路例であり、
これと対比して図29に従来例による回路例を示した。
いずれも回転ドラムに対する磁気テープの巻付け角18
0°、回転ドラム上のヘッド数16で、ヘッドは2個ず
つ180°対向して配置される場合の例である。
【0096】図28(a)に示す記録系において、入力
される画像信号はA/D変換器101によりディジタル
化された後、8個のエンコーダ102に分配されて符号
化される。8分割された各信号は変調器103および回
転トランスドライバ104を順次介して、回転トランス
105の8チャネルの固定側素子に入力される。回転ト
ランス105の8個の回転側素子には、記録アンプ10
6をそれぞれ介して16個の記録ヘッド107が2個ず
つ接続されている。これに対して、従来技術の場合には
図29(a)に示されるように、16個のヘッドに対し
て16個の回転側素子を有する回転トランス、16個の
エンコーダ、変調器および回転ドライバを必要としてし
まう。
【0097】一方、図28(b)に示す再生系において
も、本発明の場合は16個の再生ヘッド122に対し、
回転トランス120の回転側素子および固定側素子は半
分の8個でよく、また後段の回転トランスレシーバ11
9、イコライザ118、AGC回路117および二値化
のためのコンパレータ116についても8個でよい。こ
れに対し、従来技術の場合には図29(b)に示される
ように、回転トランスレシーバ119、イコライザ11
8、AGC回路117およびコンパレータ116が各々
16個必要となる。更に、従来例の場合は、図示してい
ないが116〜118のブロックの間に180°対向の
ヘッドからの再生信号を混合する混合回路が必要とな
る。尚、データ識別回路113からD/A変換器108
までの構成は、図28(b)と図29(b)とで基本的
に違いはない。
【0098】図30に、記録回路13aの他の構成例を
示す。なお、記録回路13bについても同様の構成とす
る。この実施例では、記録用フォトディテクタ5(5
a)とその出力を増幅するディテクタアンプ501およ
びアンプ501の出力を二値化するためのコンパレータ
502を記録回路13aに含めて構成し、これらを一つ
のハイブリッドIC内に実装している。以下、このハイ
ブリッドICを記録回路ICという。
【0099】図31は、記録回路ICの実装例であり、
図30の記録回路13aを集積化したICベアチップ5
10をリードフレーム511に導電性接着剤で固定実装
し、ICベアチップ510のパッドからボンディングワ
イヤ512を介してリードフレーム511のリード部に
配線して、全体をトランスファモールドしてパッケージ
513を形成している。パッケージ513の樹脂材料は
透明でもよいが、特定の波長の光を透過する特殊な樹脂
を使用してもよく、フォトディテクタの最高感度波長の
光のみを透過する樹脂を用いてもよい。さらに、赤外光
のみを透過させ、外乱となる可視光をカットするような
樹脂材料を用いてもよい。この場合、制御光を発光する
LED列7のLEDもパッケージ513の樹脂材料の波
長透過特性に合わせる。
【0100】図32は、図31のパッケージ513上に
LEDからの制御光をICベアチップ510内のフォト
ディテクタ5に集光するためのレンズ514を形成した
ものである。
【0101】図33は、図32の記録回路ICをVTR
のスキャナに搭載した場合の実施例を示す断面図であ
る。スキャナ1は回転ドラム3と上固定ドラム4aおよ
び下固定ドラム4bからなり、回転ドラム3は軸受け5
21,522で支持された回転軸520に固定され、ド
ラムモータ523により回転駆動される。
【0102】記録RF信号は、回転トランス17の固定
側素子524から回転側素子525に伝送され、図32
に示した構成の記録回路IC526a,526bに入力
される。記録回路IC526a,526bは、回路基板
527にその端子が半田付けされて固定されている。記
録回路IC526aの出力端子はリード線528aの一
端に半田付けされ、リード線528aの他端は記録ヘッ
ドR1のヘッドベースに接着されているヘッド巻線の中
継基板529aに半田付けされ、さらに中継基板529
aを介して記録ヘッドR1に結線されている。記録回路
IC526bも同様である。
【0103】このように記録回路IC内にフォトディテ
クタ5とこれに付随するディテクタアンプ501および
コンパレータ502を組み込んだことにより、回転ドラ
ム3内の部品点数が大幅に減少し、回転ドラム3内の実
装密度が格段に向上するという利点がある。
【0104】また、再生回路、消去回路についても同様
にフォトディテクタおよびそれに付随する回路を同一ハ
イブリッドIC内に組み込むことができる。
【0105】フォトディテクタおよびそれに付随する回
路を含むハイブリッドICの実装形態は種々考えられる
が、例えば記録回路、再生回路および消去回路の各IC
を通常のプラスチックパッケージにモールドし、フォト
ディテクタをベアチップで構成してハイブリッドIC化
することも可能である。
【0106】一方、他の実装技術してハイブリッドIC
とモノリシックICの中間的ともいえるマルチチップパ
ッケージと呼ばれる回路集積技術(以下、これをMCP
方式という)がある。MCP方式については、例えば
「超LSI総合辞典」p797−P798、垂井康夫
著、サイエンスフォーラム発行に説明されている。
【0107】図34は、MCP方式を本発明に適用した
場合のパッケージ内部構造を概略的に示す断面図であ
る。この実装方式は従来のICパッケージにリードフレ
ームの工夫で複数のICまたはディスクリート素子、す
なわち異種半導体プロセスのベアチップなど、さらにキ
ャパシタ、抵抗などの受動素子もシリコンチップ化し、
リードフレーム上の配線基板上で相互配線した後、トラ
ンスファモールドで外装したものである。
【0108】この構造と製造方法について簡単に説明す
ると、まずICのリードフレーム600上に配線基板6
01を接着剤602で貼り付け、その上にベアチップの
記録回路等のIC603、フォトディテクタ604を導
電性接着剤605で固定実装する。これらを配線基板6
01上の配線パターン606を介してボンディングワイ
ヤ607により接続して回路を構成する。その後、トラ
ンスファモールド封止を行ってハイブリッドICパッケ
ージ608を形成する。なお、LEDからの光を集光す
るためのレンズ609もパッケージ608と一体成型し
てもよい。
【0109】このように記録回路とフォトディテクタお
よびそれに付随する回路を同一のハイブリッドICに実
装する方式は、他の方式のスキャナにも適用が可能であ
る。図35は、他の方式をスキャナに本発明を適用した
例であり、(a)は断面図、(b)は模式的な平面図で
ある。図1と相対応する部分に同一符号を付して説明す
ると、図示しない記録回路の制御は記録用LED7a,
7bおよび記録用フォトディテクタ5a,5bにより行
われる。なお、再生用、消去用のLEDおよびフォトデ
ィテクタは省略している。フォトディテクタ5a,5b
は一方の記録ヘッドR1の内側で、かつR1を通る半径
方向の同一直線上に位置して回転ドラム3に配置され、
LED7a,7bはフォトディテクタ5a,5bにそれ
ぞれ対向し得るように回転ドラム3の中心からの位置を
半径方向にずらせて固定ドラム4に配置される。
【0110】フォトディテクタ5a,5bの出力は、図
36に示すようにディテクタアンプ501a,501b
で増幅され、コンパレータ502a,502bで二値化
された後、RSフリップフロップ503のセット端子お
よびリセット端子にそれぞれ入力される。後述するよう
に、フォトディテクタ5a,5bおよびこれに付随する
図36に示す回路は、記録回路と同一IC内に実装され
る。
【0111】この実施例の動作を説明すると、まずLE
D7a,7bは制御回路9によって制御されて発光して
いるものとする。図35の状態ではフォトディテクタ5
aとLED7aが対向しているので、フォトディテクタ
5aからはHレベルの信号が出力される。従って、RS
フリップフロップ503のQ出力はHレベルとなる。次
に、回転ドラム3が矢印方向に回転すると、フォトディ
テクタ5aの出力はLレベルとなり、さらに回転ドラム
3が180°回転するとフォトディテクタ5bの出力が
Lレベルとなるため、RSフリップフロップ503のQ
出力はLレベルとなる。
【0112】以下、RSフリップフロップ503のQ出
力は回転ドラム3の180°回転毎に順次HレベルとL
レベルを交互に繰り返す。このRSフリップフロップ5
03のQ出力は、例えば図30のコンパレータ502の
出力に代えてANDゲート25に180°切替信号とし
て入力され、これがHレベルでかつ記録RF信号が検出
されたとき出力段のアンプ27を能動状態とし、それ以
外のときは非能動状態とする。図37に、この180°
切替え回路の一連のシーケンスを示す。
【0113】図38は、さらに別の方式をスキャナに本
発明を適用した例であり、(a)は断面図、(b)は模
式的な平面図である。図1と相対応する部分に同一符号
を付して説明すると、図示しない記録回路の制御は回転
ドラム3に記録ヘッドR1,R2の内側に位置して配置
された反射型フォトセンサ701a,701bにより行
われる。一方、固定ドラム4側は回転ドラム3に対向し
た面の半分(記録エリア側)をミラー等を配置して反射
面とし、残り半分(無記録エリア側)を反射型フォトセ
ンサ701a,701bで検知不可能な無反射面とす
る。
【0114】なお、反射型フォトセンサ701a,70
1bは、図39に示すようにLED702とフォトディ
テクタ(フォトトランジスタまたはフォトダイオード)
が一体になったものであり、例えば対向面に反射物のあ
る場合はHレベルを出力し、反射物がない場合にはLレ
ベルを出力する。
【0115】この実施例の動作を簡単に説明すると、記
録ヘッドR1に接続された図示しない記録回路は反射型
フォトセンサ701aによって制御され、回転ドラム3
の回転に伴い反射面のある記録エリア側を通過している
間は能動状態にあり、逆に無反射面側では非能動状態に
ある。同様に、記録ヘッドR2に接続された記録回路は
反射型フォトセンサ701bによって能動/非能動状態
が制御される。
【0116】次に、この実施例での記録回路および反射
型フォトセンサの実装例について説明する。図40に示
すように、記録回路および反射型フォトセンサを同一ハ
イブリッドICに搭載している。
【0117】すなわち、ICのリードフレーム800上
に配線基板801を接着剤802で貼り付け、その上に
ベアチップの記録回路等のIC803、LED804お
よびフォトディテクタ805を導電性接着剤806で固
定実装する。これらを配線基板801上の配線パターン
807を介してボンディングワイヤ808により接続し
て回路を構成する。その後、トランスファモールド封止
を行ってハイブリッドICパッケージ809を形成す
る。
【0118】このように図30〜図40に示した実施例
によれば、フォトディテクタおよびそれに付随する回路
を記録回路と共に同一ハイブリッドIC内に実装したこ
とにより、回転ドラム3の部品点数が大幅に減少し、回
転ドラム3の実装密度が格段に向上するという利点があ
る。この効果は、HDTV用ディジタルVTR等のよう
にヘッド数が多く、回転ドラム搭載回路の規模が大きい
VTRの場合、特に顕著である。
【0119】図41は、キャリア検出機能を有する記録
回路の他の構成例を示すブロック図である。この実施例
では、情報信号検出手段であるRFディテクタとして、
全波整流型RFディテクタ20を用いている。すなわ
ち、回転トランス(図示していない)から伝送されてき
た記録RF信号は記録回路13aの入力1と入力2に入
力される。入力された記録RF信号はアンプ21aで増
幅された後2分岐され、一方は全波整流型記録RFディ
テクタ20に、他方はアンプ21bを介してアンプ27
に入力される。全波整流型RFディテクタ20は全波整
流回路を用いて構成され、記録RF信号を検出すると、
次段のアンドゲート25に対してH(高)レベルの信号
を出力する。
【0120】なお、図41の記録回路13aのIC内に
図30の場合と同様にフォトディテクタおよびそれに付
随する回路を組み込んでもよい。
【0121】図42は、全波整流型RFディテクタ20
の構成例を示す図であり、全波整流回路28、ローパス
フィルタ29およびコンパレータ24により構成され
る。このRFディテクタ20の動作を図43の波形図を
参照して説明する。なお、ここでは説明を簡単にするた
め、RFディテクタ20に入力されるRF信号を正弦波
としている。
【0122】図43(a)に示すRF信号は、全波整流
回路28によって図43(b)のように全波整流される
ことにより、RF信号の基本周波数よりも低域の成分と
高域の成分とに変換される。全波整流回路28の出力
は、ローパスフィルタ29に入力され、高域の成分が除
去され低域の成分のみが抽出されることにより、図43
(c)に示す出力が得られる。このローパスフィルタ2
9の出力はコンパレータ24に入力され、二値化され
る。
【0123】図42に示す全波整流型RFディテクタ2
0は、図5に示した記録回路13中のディテクタアンプ
22、ピークディテクタ23およびコンパレータ24か
らなるRFディテクタに比較して、次のような利点があ
る。ピークディテクタ(ピークホールド回路)23を用
いる場合、ピークディテクタ23内のホールド用キャパ
シタとコンパレータ24の入力抵抗とによるピークホー
ルド時定数をRF信号中の最低周波数成分をピークホー
ルドするのに十分な値に選ぶ必要がある。この時定数が
十分大きくないと、ピークディテクタ23の出力にRF
信号に対応したリップルが直接現れ、コンパレータ24
から出力される二値信号出力も、このリップルに対応し
て変化する。このため、出力オフ回路26によりアンプ
27がRF信号の入力期間中でも、上記のリップルに対
応して能動/非能動状態に交互に切り換わってしまう可
能性がある。
【0124】コンパレータ24の入力抵抗は通常、バイ
ポーラプロセスではあまり大きくとれないので、ピーク
ホールド時定数を大きくするには、ピークディテクタ2
3内のホールド用キャパシタの容量を大きくする必要が
ある。このホールド用キャパシタをIC内に形成しよう
とすると、ICのチップサイズを増大させる結果とな
り、そうでなければ外付のキャパシタを必要として、い
ずれの場合も実装面積の面で不利である。
【0125】これに対し、図42のRFディテクタ20
では、全波整流回路28によりRF信号をその基本周波
数よりも低域の成分と高域の成分とに変換した後、ロー
パスフィルタ29によって高域の成分を除去してコンパ
レータ24に入力する構成となっている。このため、ロ
ーパスフィルタ29の遮断周波数はRF信号の基本周波
数より高くできるので、ローパスフィルタ29に用いる
キャパシタの容量をピークディテクタ23に用いるホー
ルド用キャパシタの容量より小さくすることが可能とな
り、このキャパシタをIC内に形成してもチップサイズ
を大きくすることがない。また、キャパシタ容量の減少
によって、充放電時間が短くなるため、RF信号の検出
スピードを速くすることができる。
【0126】HDTV用ディジタルVTRの場合、「放
送技術」1990、VOL.43、No.12、11月
臨時増刊号p.20〜p.26およびp.62〜p.6
6に記載されているように、磁気ヘッド1個当りの記録
レートは148.5Mbps である。記録変調方式として
は8−8変換ASE符号を使用することで低域成分をで
きるだけ抑えるようにしているが、低域成分が全く含ま
れないわけではない。従って、RFディテクタは低域か
ら148.5Mbps までの広帯域にわたるRF信号を検
出できなければならない。また、HDTV用ディジタル
VTRの場合、前述のように18個といった極めて多数
の磁気ヘッドを使用する関係で、回転ドラム上の回路の
実装エリアは相当の制約を受けるため、RFディテクタ
はIC化が絶対条件であり、しかもそのチップサイズは
極力小さいことが望まれる。上述のような構成の全波整
流型RFディテクタ20によれば、これらの要求を容易
に満たすことが可能である。
【0127】図44は、全波整流型RFディテクタ20
の他の構成例を示す図であり、全波整流回路が28a,
28bの二段構成となっている点が図42の例と異なっ
ている。図45は、図44のRFディテクタ20の動作
波形図である。図45(a)に示すRF信号は、まず1
段目の全波整流回路28aにより図45(b)のように
全波整流され、さらに2段目の全波整流回路28bによ
り図45(c)のように全波整流された後、ローパスフ
ィルタ29で図45(d)のように高域成分が除去され
る。
【0128】図45(b)(c)からも明らかなよう
に、2段目の全波整流回路28bの出力における高域の
成分は、1段目の全波整流回路28aの出力のそれより
高い周波数成分に変換されている。すなわち、このよう
に全波整流を2段階にわたって行うことにより、ローパ
スフィルタ29に用いるキャパシタの容量を全波整流回
路が1段の場合(図42)に比較して、さらに小さくす
ることができる。
【0129】図46は、全波整流型RFディテクタ20
の他の構成例を示す図であり、図44における2段の全
波整流回路28a,28bの間にハイパスフィルタ30
を挿入している。図47は、図44のRFディテクタ2
0の動作波形図である。図47(a)に示すRF信号
は、1段目の全波整流回路28aにより図47(b)の
ように全波整流された後、ハイパスフィルタ30を通し
て図47(b)のように高域成分のみが抽出される。ハ
イパスフィルタ30の出力は、さらに2段目の全波整流
回路28bにより図47(d)のように全波整流された
後、ローパスフィルタ29で図47(e)のように高域
成分が除去される。
【0130】ハイパスフィルタ30は、1段目の全波整
流回路28aの出力の直流成分をカットすることによ
り、2段目の全波整流回路28bによる全波整流の効果
を上げることができる。さらに、ハイパスフィルタ30
はRF信号(a)に対するローパスフィルタ29の出力
(e)の応答速度、特に立ち上がりの応答速度を速くす
る効果もある。なお、ハイパスフィルタ30に用いるキ
ャパシタは大きな容量を必要としないので、ICチップ
の小型化にほとんど支障はない。
【0131】図48は、全波整流型RFディテクタ20
の他の構成例を示す図であり、図42における全波整流
回路28の前段に、リミッタアンプ70を配置してい
る。図49は、図48のRFディテクタ20の動作波形
図である。図49(a)に示す正弦波のRF信号は、リ
ミッタアンプ70により振幅制限されることにより、図
49(b)のように立ち上がりおよび立ち下がりの急峻
な方形波に波形整形される。リミッタアンプ70の出力
は、全波整流回路28によって図49(c)のように全
波整流され、さらに図49(d)のようにローパスフィ
ルタ29により高域の成分が除去された後、コンパレー
タ24に入力され、二値化される。
【0132】図43(b)と図49(c)を比較して明
らかなように、全波整流回路28の出力に含まれるリッ
プルは、図48の場合の方が小さくなる。図42では全
波整流回路28の入力が正弦波であるのに対して、図4
8の場合は全波整流回路28の入力が方形波に変換され
ているためである。従って、図48の構成によれば、全
波整流回路28の出力に含まれるリップルを除去するた
めのローパスフィルタ29に用いるキャパシタの容量を
更に小さくすることができる。
【0133】図48の全波整流型RFディテクタ20の
構成は、正弦波のRF信号のみでなく、例えばNRZ信
号のような方形波のRF信号に対しても有効である。こ
のような方形波のRF信号は、回転トランスを通過する
際に直流成分が欠落することにより波形が鈍るが、リミ
ッタアンプ70で方形波に戻すことができる。
【0134】この効果を図50により説明する。図50
は、入力されるRF信号が方形波の場合の動作波形図で
ある。RF信号は20(a)に示されるようなNRZ信
号であり、回転トランスを通過すると図50(b)のよ
うな直流成分が欠落した信号となる。この図50(b)
のRF信号はリミッタアンプ70に入力され、図50
(c)のように方形波に整形される。以下、リミッタア
ンプ70の出力は全波整流回路28で図50(d)のよ
うに全波整流され、さらにローパスフィルタ29により
図50(e)のようにリップルが除去された後、コンパ
レータ24に入力される。
【0135】このように図48の構成によれば、RF信
号の波形の種類に関わらずRF信号を正しく検出するこ
とが可能である。
【0136】なお、図48におけるリミッタアンプ70
と全波整流回路28の位置を入れ替えても同様な効果が
得られることはいうまでもない。
【0137】図51は、全波整流型RFディテクタ20
の他の構成例を示す図である。この例では図48のRF
ディテクタ20における全波整流後の高域成分を除去す
る手段をローパスフィルタ29を用いずに実現してい
る。図51において、全波整流回路28の出力はまずコ
ンパレータ24に入力され、その後遅延回路71および
オアゲート72により処理される。図52は、図51の
RFディテクタ20の動作波形図である。
【0138】図52(a)のRF信号は、リミッタアン
プ70および全波整流回路28により、図48の場合と
同様に図52(b)(c)のように順次処理される。図
52(c)に示す全波整流回路28の出力は、コンパレ
ータ24により図52(d)のように二値化される。コ
ンパレータ24の出力は二分岐され、その一方は遅延回
路71に入力されて図52(e)のように遅延され、他
方はオアゲート72の一方の入力に与えられる。遅延回
路71の出力は、オアゲート72の他方の入力に与えら
れる。オアゲート72の出力として、図52(f)のよ
うなRF信号検出出力が得られる。
【0139】この図51の例によれば、ローパスフィル
タやハイパスフィルタが不要であるため、図52(a)
のRF信号に対する図52(f)のRF信号検出出力の
応答速度が非常に速くなり、またフィルタの要素である
キャパシタが不要となることで、IC化に一層有利とな
る。
【0140】次に、本発明の他の実施例に係る記録回路
について説明する。この実施例においては、記録すべき
情報信号にそれを記録する記録回路を指定するためのコ
ード(記録回路指定コードという)が付加されており、
記録回路13a,13bはこの記録回路指定コードの判
定機能を持っている。尚、記録回路指定コードは、回転
ドラムに搭載する回路数にもよるが、例えば簡単には2
ビットのバイナリ信号に変換され、記録情報信号に付加
される。回転ドラムに搭載する回路数が多くなった場合
は、記録回路指定コードを3ビット、4ビット等の多ビ
ットとしたり、変調した形で記録情報信号に付加しても
良い。図53は、このような機能を持つ記録回路の具体
例を示す図である。ここでは、記録回路13aについて
示しているが、記録回路13bも同一の構成である。
【0141】図53において、回転トランス(図示しな
い)から伝送されてきた記録RF信号は、記録回路13
aの入力1と入力2に与えられる。入力された記録RF
信号は2分岐され、一方は記録RF信号を電流増幅する
ためのエミッタフォロア31に、他方はコード検出アン
プ32に入力される。コード検出アンプ32は、記録R
F信号を所定の信号振幅となるように増幅して、次段の
コンパレータ33に送る。コンパレータ33は、入力さ
れた記録RF信号を適当な閾値と比較して二値化し、コ
ード識別回路34に送る。コード識別回路34は、記録
回路13aに定められた固有のコードを記憶保持してお
り、このコードとコンパレータ33からの二値化された
記録RF信号中の記録回路指定コードとを比較し、両コ
ードが一致したときに一致判定信号としてH(高)レベ
ルの信号を次段の出力オフ回路35に出力する。
【0142】このように記録回路13aは、記録回路1
3aが固有に持つコードと同じ記録回路指定コードが付
加された記録RF信号が入力された時は、コード検出ア
ンプ32、コンパレータ33およびコード識別回路34
からなるコード検出回路によって出力オフ回路35にH
レベルの信号を出力する。逆に、記録回路13aが固有
に持つコードと異なる記録回路指定コードが付加された
記録RF信号が入力された時は、コード検出回路は出力
オフ回路35にLレベルの信号を出力する。出力オフ回
路35の出力は、アンプ36に制御信号として供給され
る。アンプ36は、エミッタフォロア31で電流増幅さ
れた記録RF信号をさらに増幅して出力1と出力2に出
力する。
【0143】図54および図55に、通常記録時および
インサート記録時における図53の記録回路13a内外
の各回路部の動作シーケンスを示す。記録回路13aが
固有に持っているコードと同じ記録回路指定コードが記
録RF信号に付加されて記録回路13aに入力された
時、コード検出アンプ32、コンパレータ33およびコ
ード識別回路34からなるコード検出回路は出力オフ回
路35にHレベルの信号を出力する。この時、出力オフ
回路35によって記録回路13a出力段のアンプ36が
能動状態とされ、アンプ36から磁気ヘッド(図示して
いない)に記録RF信号に対応した記録電流が供給され
る。
【0144】逆に、記録回路13aが固有に持つコード
と異なる記録回路指定コードが記録RF信号に付加され
て入力された時、コード検出アンプ32、コンパレータ
33およびコード識別回路34からなるコード検出回路
は、出力オフ回路35にLレベルの信号を出力するた
め、図54に示すように出力オフ回路35によってアン
プ36が非能動状態とされる。これによって記録RF信
号出力は停止され、アンプ36は磁気ヘッドに記録電流
を流さない状態となる。
【0145】インサート記録時では、インサート記録す
べき記録情報信号に記録回路指定コードを付加して、記
録回路13a,13bに共通接続されている回転トラン
スを介して記録回路13a,13bに伝送することによ
り、記録RF信号を出力させる。従って、図55の例か
ら分かるように、インサート記録したい部分に記録回路
指定コードを付加してインサート記録したいRF信号を
伝送するだけで部分書替えが可能になる。
【0146】この実施例によっても、先の実施例と同様
の効果が得られ、VTRの記録/再生系の回路構成が簡
単かつ小型化になる。また、記録回路13a,13bの
アンプ部の構成は、図8に示したような構成でよい。
【0147】図56は、記録回路指定コードの判定機能
を持つ記録回路13aの他の構成例であり、コード検出
アンプ32、コンパレータ33およびコード識別回路3
4からなるコード検出回路の誤動作を防ぐために、記録
情報信号の有無を検出するキャリア検出回路37を付加
している。そして、この例ではアンドゲート38により
コード検出回路のコード識別回路34の出力とキャリア
検出回路37の出力の論理積をとり、このアンドゲート
38の出力で出力オフ回路35を制御することにより、
記録回路13aに固有の記録回路指定コードコードとキ
ャリアの両方を検出した時のみ、記録回路13aの出力
段のアンプ36を能動状態にさせる。
【0148】なお、別の構成としてアンドゲート35を
使用せず、キャリア検出回路37の出力でコード検出ア
ンプ32、コンパレータ33およびコード識別回路34
からなるコード検出回路を直接制御することによって、
コード検出回路の誤動作を防いでも良い。
【0149】また、上記実施例では記録回路にコード検
出回路を付加した回路について説明したが、消去回路に
も同様のコード検出回路を付加しても良い。この場合、
消去を行うタイミングで消去回路指定コードを付加した
消去信号を消去回路に入力することで、消去回路の制御
にLED列を使用する必要が無くなり、記録回路の場合
と同様の効果が得られる。
【0150】また、上記実施例では記録回路指定コード
を記録情報信号の先頭のみに付加したが、コード識別回
路の構成を簡単にするためと、記録情報信号の記録範囲
を明確にするために、記録回路指定コードを記録情報信
号の先頭と終端に付加することも可能である。これを拡
張して、記録回路指定コードと記録情報信号の先頭を示
すコードを記録情報信号の先頭に付加し、さらに記録情
報信号の終端を示すコードを記録情報信号の終端に付加
するようにしてもよい。
【0151】さらに、回転ドラム外部から内部に、記録
回路指定コードと記録情報信号を伝送する場合、前述の
ように通常は回転トランスを使用する。回転ドラムでは
低周波の伝送が困難なため、伝送効率の良い周波数に変
調あるいは変換して伝送することは、信号伝送の誤りを
防ぐことに大変有効である。
【0152】また、記録回路指定コードに、パリティ信
号や、コードの検出および同期を容易にするための同期
信号を付加しても良い。
【0153】さらに、記録回路指定コードと記録情報信
号の両方を再生するシステムにすれば、例えば通常再生
時に記録回路指定コードが再生されなければ、回路や磁
気ヘッドの故障が考えられるため、その旨をシステムコ
ントローラに通知してVTRオペレータに表示等により
知らせ、修理を促すことも可能である。
【0154】次に、再生回路14a,14bについて説
明する。再生回路14a,14bは再生ヘッドP1,P
2により再生された再生情報信号(再生RF信号とい
う)の有無を検出する、いわゆるキャリア検出機能を持
っている。図57は、このようなキャリア検出機能を持
つ再生回路の具体例を示す図である。ここでは、再生回
路14aについて示しているが、再生回路14bも同一
の構成である。
【0155】図57において、再生ヘッドP1で再生さ
れた再生RF信号は入力1と入力2に入力される。入力
された再生RF信号は微小な信号電圧であるため、まず
低雑音・ハイゲインアンプであるヘッドアンプ41で増
幅された後、二分岐され、一方はディテクタアンプ42
に入力される。ディテクタアンプ42は再生RF信号を
十分な信号振幅まで増幅し、次段のピークディテクタ4
3に送る。ピークディテクタ43は入力された再生RF
信号のピークを検出して、そのピーク値に対応した検出
信号電圧を出力する。ピークディテクタ43から出力さ
れた検出信号電圧はコンパレータ44に入力される。コ
ンパレータ44は、入力された検出信号電圧が所定の閾
値を越えた場合は、次段の出力オフ回路45にH(高)
レベルの信号を出力する。
【0156】このように再生回路14aは、所定振幅レ
ベル以上の再生RF信号が入力された時は、ディテクタ
アンプ42、ピークディテクタ43およびンパレータ4
4からなるRFディテクタによって出力オフ回路45に
Hレベルの信号を出力する。逆に、所定振幅レベル以下
の再生RF信号振幅が入力された時は、RFディテクタ
から出力オフ回路45にL(低)レベルの信号を出力す
る。出力オフ回路45の出力は、アンプ46に制御信号
として供給される。アンプ46は、ヘッドアンプ41で
電流増幅された再生RF信号をさらに増幅して出力1と
出力2に出力する。
【0157】図58に、本実施例の通常再生時における
再生回路14a内外の各回路部の動作シーケンスを示
す。コンパレータ44の出力がHレベルになった時、出
力オフ回路45によりアンプ46がオン、すなわち再生
回路13aが能動状態とされ、再生RF信号が出力され
る。アンプ46は回転トランス(図示していない)をド
ライブして、再生RF信号を回転ドラム外部に伝送す
る。
【0158】逆に、コンパレータ44の出力がLレベル
になった時は、出力オフ回路45により再生回路13a
がアンプ45が非能動状態とされる。これによって、再
生RF信号は回転ドラム外部に伝送されない。
【0159】図59は、キャリア検出機能を持つ再生回
路14aの他の構成例であり、早送り再生のような特殊
再生を考慮した構成となっている。図59について説明
する前に、図57に示した再生回路14において早送り
再生をした場合について、説明する。図58は、この場
合の一連のタイムシーケンスを示したものである。図5
7の再生回路14aにディテクタアンプ42、ピークデ
ィテクタ43およびンパレータ44からなるRFディテ
クタを付加したことにより、所定の振幅レベル以下の再
生RF信号は再生回路13aから出力されない。
【0160】通常、例えばディジタルVTRにおいて
は、再生RF信号のS/N(信号対雑音比)が所定値以
下(20dBp-p/rms=3×10-7、この値は誤り訂
正の実用限界といわれている。参考文献:「磁気記録技
術入門」横山克哉著)になるとディジタル信号の誤り率
が悪化する。このため、所定の振幅レベル、所定のS/
N以下の再生RF信号は使用されることなく切り捨てら
れる。従って、早送り再生、早戻し再生、スロー再生、
倍速再生および逆転再生等の特殊再生をした場合は、上
記のRFディテクタの検出レベルを所定のS/Nが得ら
れるレベルに設定しておけば、後段の回路で再生RF信
号を切り捨てる必要がなくなり、切り捨てるための回路
が不要になる。
【0161】しかし、システムによってはS/Nが所定
値以下の再生RF信号も必要な場合がある。例えば、誤
り率が悪化しても他の再生信号の参照データとしたり、
さらには再生RF信号のエンベロープで特殊再生時のテ
ープ走行サーボを施したりするため、全ての再生RF信
号を再生信号処理回路に伝送しなくてはならない場合が
ある。
【0162】図59は、このような場合に適した再生回
路13aの構成図であり、図57のRFディテクタを付
加した再生回路に、さらにRFディテクタの出力信号を
再生回路外部から制御する特殊再生切替信号の入力端子
と、この端子から入力される特殊再生切替信号によりR
Fディテクタの出力信号をマスクするオアゲート47を
付加している。
【0163】図60は、図59の再生回路の動作シーケ
ンスであり、VTRが早送り再生になっている状態を模
式的に示している。RFディテクタの動作は図57の再
生回路と同じである。RFディテクタの検出信号、すな
わちコンパレータ44の出力信号は図57の場合と同様
に出力されている。この検出信号(X)をオアゲート4
7において特殊再生切替信号入力(Y)でマスキングし
て、出力オフ回路45に伝達されないようにしている。
【0164】なお、図59の例では、RFディテクタの
検出信号をオアゲート47によりマスキングする構成と
したが、特殊再生切替信号入力(Y)によって直接コン
パレータ44、ピークディテクタ43あるいはディテク
タアンプ42を制御することで出力オフ回路45を介し
て再生回路14aの出力段のアンプ46を能動状態に制
御しても良い。
【0165】特殊再生切替信号入力(Y)は、RFディ
テクタを制御し、かつ180°毎に再生回路14aと1
4bを切替えなくてはならないが、従来例で説明したL
ED列を用いた方式を含む特願平1−127911で提
案した3方式をなんら方式および回路を変更することな
く適用できる。また、回転トランスを介して制御信号を
伝送しても良い。
【0166】一般に、磁気テープから磁気ヘッドにより
再生される情報信号は、テープの欠陥やゴミによるテー
プとヘッド間の瞬間的なスペーシングの増加によりドロ
ップアウトを生じることがある。このドロップアウトの
影響は、特に通常再生時に視覚上目立ち易く大きな問題
となる。
【0167】上述した図57の実施例によれば、特殊再
生時と同様に、RFディテクタによりドロップアウトが
生じたときの再生情報信号が入力されたことを検出して
再生回路13aから出力されないようにすることができ
る。この場合、短時間のドロップアウトに対しては出力
オフ回路45が応答しないように、例えばRFディテク
タの出力信号をリトリガブルマルチバイブレータ回路な
どでマスキングしてもよい。
【0168】なお、図57および図59の再生回路14
aでは、RFディテクタすなわち情報信号検出回路をデ
ィテクタアンプ42、ピークディテクタ43およびコン
パレータ44により構成したが、図41に示した記録回
路13aと同様に、図42〜図52で説明したような全
波整流型RFディテクタを用いてもよい。
【0169】次に、記録回路13a,13bのさらに別
の構成例を説明する。
【0170】一般に、ディジタルVTRでは記録情報信
号に記録フォーマット特有の各種の番号コード、すなわ
ちシンクブロック内のシンクブロック番号、セクタID
内のトラック番号、セグメント番号およびフィールド番
号等を表わすコードが付加される。従って、これらの番
号コードのうちの少なくとも一つを検出し、これと各記
録回路に定められている固有のコードとの一致/不一致
を判定し、その判定結果を用いることで、記録回路13
a,13bの能動/非能動の切替えを行うことができ
る。図62は、このような番号コード判定機能を持つ記
録回路の構成例を示す図である。ここでは、記録回路1
3aについて示しているが、記録回路13bも同一の構
成である。
【0171】図62において、回転トランス(図示して
いない)から伝送されてきた記録すべき情報信号(記録
RF信号)は、記録回路13aの入力1と入力2に入力
される。入力された記録RF信号は2分岐され、一方は
記録RF信号を電流増幅するためのエミッタフォロア5
1を介してアンプ52に入力される。アンプ52で所定
の信号振幅まで増幅されたRF信号は2分岐され、一方
はコンパレータ53に入力される。コンパレータ53は
入力された記録RF信号を適当な閾値と比較して二値化
し、記録タイミング調整用のメモリ54とコード検出回
路55に送る。アンプ52で増幅された記録RFの信号
の他方は、信号振幅検出回路56に送られる。信号振幅
検出回路56は例えばピークディテクタにより構成さ
れ、入力された記録RF信号の信号振幅を検出し、最終
段のアンプ57を該信号振幅に対応したゲインにコント
ロールする。アンプ57は、例えば通常のAGCアンプ
が使用される。
【0172】コード検出回路55は、記録回路13aに
定められた固有のコードを記憶保持しており、このコー
ドとコンパレータ53からの二値化された記録RF信号
に付加されている所定の番号コードとを比較し、両コー
ドが一致したときに一致判定信号をメモリ54に出力す
る。これによりメモリ54から出力された記録RF信号
は、信号振幅検出回路56により入力信号振幅に対応し
たゲインにコントロールされている最終段のアンプ57
を介して、記録ヘッドR1に出力される。
【0173】このように、記録回路13aが固有に持つ
コードと同じコードが記録RF信号に番号コードとして
付加されて入力された時、コード検出回路55はメモリ
54から記録RF信号を出力させ、これをアンプ57で
増幅して記録ヘッドR1に出力する。
【0174】逆に、記録回路13aが固有に持つコード
と異なるコードが記録RF信号に付加されて入力された
時は、コード検出回路55は記録RF信号を記録ヘッド
R1に出力させない。
【0175】図63および図64に、通常記録時および
インサート記録時における図62の記録回路13a内外
の各回路部の動作シーケンスを示す。
【0176】次に、図62におけるコード検出回路55
でのコード検出方法について、実際のディジタルVTR
の記録フォーマットを例に説明する。
【0177】図65〜図67は、NTSCコンポジット
信号のディジタル信号記録用フォーマットの一つであ
る、D−2フォーマットを説明するための図であり、平
成2年11月発行の雑誌「放送技術」11月臨時増刊
号、第43巻第12号からの引用である。図65はヘリ
カルトラックのデータ構造、図66はシンクブロックI
Dフォーマット、図67はシンクブロックID番号をそ
れぞれ示している。これらの図65〜図67に示すよう
に、ビデオ信号とオーディオ信号はディジタル信号に変
換された後、誤り訂正符号と各種識別信号が付加され
て、磁気テープに記録される。
【0178】本実施例では、図66中に示すトラック番
号、セグメント番号、フィールド番号等の番号コードを
図62におけるコード検出回路55で検出して、予め定
められた固有のコードとの一致/不一致判定信号により
記録回路13aの能動/非能動状態を制御する。但し、
これらの番号コードは図65〜図67に示すように記録
する信号の中にあるため、これらの番号コードを検出し
てから記録回路13aを能動状態として記録動作を開始
するのでは、記録タイミングが遅れてしまい、正しい記
録が行われない。そこで、本実施例では記録タイミング
調整のためのメモリ54を記録回路13aの中に組み込
むと共に、図21、図22の動作シーケンスに示すよう
に、回転トランスを介して伝送されてくる記録RF信号
を実際の記録タイミングより例えばドラム回転角で18
0°分タイミングを早めて記録回路13aに入力し、エ
ミッタフォロワ51、アンプ52およびコンパレータ5
3を経てメモリ54に一旦記憶させる。そして、コード
検出回路55で番号コードを検出した後に、記録ヘッド
の記録タイミングに合わせてメモリ54から記録RF信
号を出力させ、アンプ57を介して記録するようにして
いる。
【0179】なお、図62に示すようにコンパレータ5
3で記録RF信号を二値信号に一旦変換すると、回転ド
ラム外部から記録ヘッドに供給する記録電流の制御が困
難になる。そこで、図62では信号振幅検出回路56に
よって入力された記録RF信号の振幅に対応して最終段
のアンプ57のゲインを可変することで、回転ドラム外
部から記録電流の制御を行うようにしている。
【0180】図62に示した記録回路13aにおいて
は、コンパレータ53、アンプ54、コード検出回路5
5および信号振幅検出回路56が通常の記録回路の構成
に加わっている。しかし、これらの回路はIC化が可能
であるから、記録回路13aを回転ドラム内に実装する
ことは容易である。
【0181】なお、図62ではコード検出回路55の出
力でメモリ54の出力を制御することにより、記録回路
13aの能動/非能動の制御を行っているが、コード検
出回路55の出力で最終段のアンプ57の能動/非能動
の制御を行ってもよい。すなわち、記録RF信号がメモ
リ54から出力されるタイミング(記録ヘッドに記録電
流を供給するタイミング)でアンプ57を能動状態と
し、それ以外の時には非能動状態にする。このようにす
ることは、低消費電力化の点から有効である。
【0182】次に、図62を変形した実施例について図
68を参照して説明する。図62の実施例では、コード
検出回路55の検出に伴う記録タイミングの調整のため
にメモリ54を使用したが、図68の実施例ではアナロ
グ遅延素子としてディレイライン59を使用している。
【0183】この場合、記録RF信号に対しては記録回
路13aの入力から出力まで全てアナログ信号処理が可
能である。すなわち、この実施例ではアンプ52の出力
は二分岐され、一方はディレイライン59に入力され、
他方は二値化のためのコンパレータ53を介してコード
検出回路55に入力される。そして、コード検出回路5
5の出力は出力オフ回路58を介してアンプ57に制御
信号して供給される。このようにすると、記録RF信号
の経路ではディジタル信号処理が不要であるため、記録
電流は回転ドラム外部から直接コントロールが可能であ
り、図62の実施例における信号振幅検出回路56は不
要である。
【0184】なお、アナログディレイラインは、現在の
技術ではIC化が困難なので、ICの外付け部品とする
必要がある。しかし、半導体のアナログ遅延線として一
般に使用されているCCD(電荷結合素子)などの電荷
転送素子を図68のディレイライン59として使用すれ
ば、IC化が容易である。
【0185】次に、図62を変形したさらに別の実施例
について図69および図70を参照して説明する。この
実施例では記録RF信号の中のユーザビットに、記録ヘ
ッドに流すべき最適な記録電流値を指示するデータ(カ
レントコード)を挿入し、これを記録回路13a内で検
出して、記録電流のコントロールを行うようにしてい
る。このために、図62における信号振幅検出回路56
に代えてカレントコード検出回路60を設けている。
【0186】記録信号中のユーザビットについて簡単に
説明する。図70は、オーディオセクター内のデータ構
造を示す図であり、図65〜図67と同様に、平成2年
11月発行の雑誌「放送技術」11月臨時増刊号、第4
3巻第12号からの引用である。図中のAUX0〜AU
X3なる領域の中にユーザが自由にデータを記録可能な
ユーザービットのエリアがあり、本実施例ではこのエリ
アに上記のカレントをコードを入れるものとする。
【0187】なお、記録電流の最適値は磁気ヘッドのギ
ャップデプスによって変化するが、数時間の記録時間内
では最適値は変わらない。従って、一記録毎に記録デー
タの先頭部分のみにカレントコードを入れ、その値を一
記録内でホールドして、記録電流を一記録内で一定に保
つようにすることも可能である。そのような方式にする
と、記録データの先頭部分のみにカレントコードが入れ
るので、AUX0〜AUX3のユーザビットに他の任意
のデータを入れることができる。
【0188】次に、本発明におけるスキャナの他の基本
構成を図71に示し、この基本構成の具体的な回路図を
図72に示す。図1および図2の場合と同様に、磁気テ
ープ12は回転ドラムの周面に情報信号の実効記録エリ
アが180°になるように巻き付けられている。この例
では記録回路と再生回路を回転トランスに共通に接続し
ている。記録回路13aは回転トランス17aからの情
報信号を増幅して記録ヘッドR1を駆動する。
【0189】また、この例では記録ヘッドR1に180
°対向して再生ヘッドP1が配置されている。情報信号
は磁気テープ12から再生ヘッドP1で再生され、再生
回路14aで増幅された後、その出力に接続されている
回転トランス17aにより回転ドラム外部へ伝送され
る。
【0190】一方、記録回路13bは回転トランス17
bからの情報信号を増幅して記録ヘッドR2を駆動す
る。この記録ヘッドR2に180°対向して再生ヘッド
P2が配置され、この再生ヘッドP2で再生された情報
信号は記録回路14bの入力と共通接続された再生回路
14bで増幅される。回転トランス17bは、記録回路
13bへのRF信号伝送及び再生回路14bから回転ド
ラム外部へのRF信号の伝送に使用される。
【0191】図72に示されるように、磁気テープに記
録される情報信号(RF信号)は回転トランスドライブ
回路15aで増幅され、回転トランス17aで回転ドラ
ム内部に伝送される。記録回路13aは回転トランス1
7aとその入力が共通接続されている再生回路14a
は、後述するR1切替え信号で180°毎にそれぞれ順
次、能動状態/非能動状態に切替えられ、記録回路13
aが能動状態の時に記録ヘッドR1を駆動して磁気テー
プ12にRF信号を記録する。
【0192】次に、磁気テープ12からのRF信号の再
生について説明する。記録ヘッドP1により磁気テープ
12から再生されたRF信号は再生回路14aで増幅さ
れ、再生回路14aの出力と記録回路13aの入力が共
通接続されている回転トランス17aを駆動して、回転
ドラム外へ再生RF信号を伝送する。再生回路14aは
後述するP1切替え信号で180°毎にそれぞれ順次、
能動状態/非能動状態に切替えられ、能動状態の時に再
生ヘッドP1から再生されるRF信号を回転トランス1
7bから回転ドラム外へ伝送する。回転トランス17b
から伝送された再生RF信号は回転トランスレシーブ回
路16aで受信され、後の回路に伝送される。他方、回
転トランスドライブ回路15b、回転トランス17b、
記録回路13b、再生回路14b、回転トランスレシー
ブ回路16bの系も、その動作は上記と同様である。
【0193】なお、再生回路14a,14b、回転トラ
ンスレシーブ回路16a,16bの出力回路の形式は、
図7と同様の回路で良い。但し、回転トランスレシーブ
回路16a,16bの切替え回路は、図示していないが
回転ドラム内回路と同様の切替え方式を採用するか、あ
るいはドラムの回転制御を行うFG(周波数発電機)あ
るいはロータリーエンコーダ等を利用して切替え信号を
生成し、この切替え信号を用いて切り替えても良い。
【0194】図73に、この実施例における記録回路お
よび再生回路の切替え動作の一連のタイムシーケンスを
示す。RFディテクタ回路を含む記録回路の切替え動作
の一連のタイムシーケンスに関しては、前述の回路と同
様である。この場合は再生回路の出力で記録回路のRF
ディテクタがRF信号を検出した信号を出力するが、1
80°切替え信号がLレベルになっているので、この間
は記録回路は動作しない。
【0195】次に、回転ドラム内に搭載された記録回路
が能動/非能動のいずれかの状態に切り替わるよう制御
するための信号を振幅変調した後、磁気ヘッドによって
記録されるべき情報信号に付加して共に回転トランスで
伝送し、上記の振幅変調信号と記録RF信号との振幅の
違いを検出して得られる信号により、記録回路の能動/
非能動の切替を行うための切替制御機能を持った記録回
路の三つの実施例について説明する。
【0196】第1の実施例は、例えば図5の記録回路の
動作を示す図6のタイムチャートおよび図7に示した記
録RF信号のうち、磁気ヘッドR1によって記録すべき
信号(以下、R1記録信号と呼ぶ)と、磁気ヘッドR2
によって記録すべき信号(以下、R2記録信号と呼ぶ)
のそれぞれの先頭に、これらの記録信号より十分大きい
一定振幅に振幅変調された信号(以下、切替制御信号と
呼ぶ)を挿入した記録RF信号(以下、R1記録信号、
R2記録信号および切替制御信号を総称して、記録RF
信号と呼ぶ)から切替制御信号を検出する手段と、検出
された切替制御信号により切替制御を行う手段とを備え
た記録回路の一例である。
【0197】第2の実施例は、R1記録信号の先頭へ切
替制御信号を挿入し、R2記録信号の先頭へは切替制御
信号を挿入せずにその期間を無信号とした記録RF信号
から切替制御信号を検出する手段と、無信号期間を検出
する手段と、これらの手段によって検出された制御信号
により切替制御を行う手段とを備えた記録回路の一例で
ある。
【0198】第3の実施例は、R1記録信号の前後へ挿
入する第1の切替制御信号の振幅とR2記録信号の前後
へ挿入する第2の切替制御信号の振幅を異ならた記録R
F信号から第1の切替制御信号または第2の切替制御信
号のどちらか一方を検出する手段と、この手段によって
検出された制御信号により切替制御を行う手段とを備え
た記録回路の一例である。
【0199】この3つの実施例に示す記録回路は共に、
切替制御機能と同時にキャリア検出機能も持っており、
インサート記録に対応している。これらの実施例は、図
1および図2に示した構成の記録回路13a,13bの
ように、180°対向して配置された2つの記録回路の
能動/非能動状態を回転ドラムの回転角に応じて切り替
える方式のVTRにおいて特に有効である。また、これ
ら3つの実施例では記録回路について説明しているが、
消去回路においても有効である。
【0200】第1の実施例における記録回路の構成を図
74に示す。また、図75および図76に通常記録時お
よびインサート記録時における図74の記録回路の各部
の動作シーケンスを示す。この実施例において、記録R
F信号(a)は図75および図76に示すようにR1記
録信号、R2記録信号それぞれの先頭に挿入される切替
制御信号は記録信号の振幅より大きく、それぞれの振幅
は同じである。図74は、このような記録RF信号から
記録信号と切替制御信号の振幅の違いを検出する信号振
幅検出手段によって検出される切替制御信号を用いて制
御を行う記録回路13a,13bの一例を示している。
【0201】図74において、回転トランスから伝送さ
れてくる記録RF信号は、記録回路13a,13bの入
力1,入力2に与えられる。入力された記録RF信号は
3分岐され、エミッタホロワ81、キャリア検出回路8
2および信号振幅検出回路83に入力される。
【0202】キャリア検出回路82は、切替制御信号も
含め信号が入力されている期間中、ANDゲート88に
H(高)レベルの信号を送る。このキャリア検出回路8
2としては図5に示した記録回路に含まれるディテクタ
アンプ22、ピークディテクタ23、およびコンパレー
タ24によって構成されるRFディテクタ、または図1
2〜図22に示した全波整流型RFディテクタを用いる
ことができる。
【0203】信号振幅検出回路83は、記録信号の振幅
より所定の振幅レベル以上大きな信号を検出した期間だ
け出力をHレベルにし、これを切替制御信号としてイン
バータ84およびフリップフロップ86に送る。この信
号振幅検出回路83は、検出すべき信号振幅レベルを変
えることによってキャリア検出回路と同様の回路構成で
実現できる。
【0204】インバータ84は切替制御信号が検出され
信号振幅検出回路83の出力がHレベルの時、ANDゲ
ート88にL(低)レベルの信号を送る。このときAN
Dゲート88は出力オフ回路89にLレベルの信号を出
力するため、アンプ90は非能動状態になり、記録RF
信号に含まれる切替制御信号が記録電流として出力され
ることを防いでいる。
【0205】初期設定回路85は、電源投入直後のフリ
ップフロップ86のQ出力の状態をLレベルにリセット
するため、電源投入時のみフリップフロップ86のMR
(マスターリセット)入力にHレベルを送る回路であ
る。
【0206】フリップフロップ86は、この実施例にお
いてはマスターリセット入力付きT型フリップフロップ
であり、信号振幅検出回路83によって検出された切替
制御信号がT入力に送られてから、次の切替制御信号が
送られるまでの期間、Q出力の状態をHレベルまたはL
レベルに保持する。Q出力の状態は切替制御信号が入力
される度に反転する。
【0207】EX−OR(エクスクルーシブ)ゲート8
7は、本記録回路を磁気ヘッドR1を駆動するため13
aとして動作させるか、または磁気ヘッドR2を駆動す
るための13bとして動作させるかを切り替えるための
回路である。このEX−ORゲート87は、二つの入力
レベルが異なるとき出力をHレベルにし、二つの入力レ
ベルが一致するとき出力をLレベルにする。例えば一方
の入力をLレベルに固定した場合、もう一方の入力がL
レベルの時は出力がLレベルとなり、Hレベルの時は出
力がHレベルとなるから、入力の状態変化がそのまま出
力に現れる。また、一方の入力をHレベルに固定した場
合、もう一方の入力がLレベルの時は出力がHレベルと
なり、Hレベルの時は出力がLレベルとなるから、入力
の状態変化が反転して出力に現れる。
【0208】フリップフロップ86のQ出力をANDゲ
ート88に送る際、この動作を利用して出力状態をその
まま送るか、または反転して送るかを切替りえることに
よって、記録回路の動作を切り替えている。動作切替入
力がLレベルに固定されている場合、フリップフロップ
86のQ出力はそのまま送られ、Hレベルに固定されて
いる場合、反転して送られる。前者は記録回路が磁気ヘ
ッドR1を駆動するための13aとして動作し、また後
者は記録回路が磁気ヘッドR2を駆動するための13b
として動作する。これにより180°対向して配置され
た二つの同じ構成の記録回路が同時に動作しないよう
に、記録回路の動作を設定することができる。
【0209】ANDゲート88は、キャリア検出回路8
2、インバータ84、EX−ORゲート87から送られ
た信号が全てHレベルの時にHレベルの信号を出力オフ
回路89に送り、アンプ90を能動状態にする。
【0210】図75および図76を参照して、通常記録
時およびインサート記録時における図74の記録回路の
各部の動作シーケンスを説明する。
【0211】回転トランスから伝送された記録RF信号
(a)は記録回路13a,13bの入力1,入力2に与
えられる。記録RF信号(a)は3分岐され、エミッタ
ホロワ81、キャリア検出回路82および信号振幅検出
回路83に入力される。キャリア検出回路82の出力
(b)は切替制御信号も含め信号が入力されている期間
中Hレベルになる。信号振幅検出回路83の出力(c)
は切替制御信号が検出された期間だけHレベルになる。
信号振幅検出回路83の出力(c)はインバータ84に
より反転し信号振幅検出回路反転出力(c′)となるか
ら、切替制御信号が検出されている間ANDゲート88
の出力である切替信号(e1,e2)をLレベルにす
る。この期間、出力オフ回路89はアンプ90を非能動
状態にするので、記録RF信号に含まれる切替制御信号
が記録電流として出力されることはない。
【0212】フリップフロップ86のQ出力は、初期設
定回路によりLレベルにリセットされた状態から最初の
切替制御信号、すなわちR1記録信号の先頭にある切替
制御信号が検出されて信号振幅検出回路83の出力
(c)がHレベルになった時にHレベルに変化し、二番
目の切替制御信号すなわちR2記録信号の先頭にある切
替制御信号が検出されて再び信号振幅検出回路83の出
力(c)がHレベルになった時にLレベルに変化する。
以降も同様に、フリップフロップ86のQ出力は切替制
御信号が検出される度に出力を反転させる。
【0213】記録回路13aの場合、EX−ORゲート
87の出力(d1)はフリップフロップ86のQ出力が
そのまま現れるから、奇数番目の切替制御信号が検出さ
れた時にはHレベルになり、偶数番目の切替制御信号が
検出された時にはLレベルになる。切替信号(e1)は
ANDゲート88の入力が全てHレベルになった時、す
なわちキャリア検出回路82の出力(b)、信号振幅検
出回路反転出力(c′)、EX−ORゲート87の出力
(d1)の全てがHレベルになった時、Hレベルにな
る。出力オア回路89は、切替信号(e1)がHレベル
の時にアンプ90を能動状態にするので、R1記録電流
(f1)に示す通りR1記録信号に対応した記録電流が
出力され、R2記録信号に対応した記録電流は出力され
ない。
【0214】記録回路13bの場合、EX−ORゲート
87の出力(d2)はフリップフロップ86のQ出力が
反転して現れるから、奇数番目の切替制御信号が検出さ
れた時にはLレベルになり、偶数番目の切替制御信号が
検出された時にはHレベルになる。切替信号(e2)は
ANDゲート88の入力が全てHレベルになった時、す
なわちキャリア検出回路82の出力(b)、信号振幅検
出回路反転出力(c′)、EX−ORゲート87の出力
(d2)の全てがHレベルになった時、Hレベルにな
る。出力オア回路89は、切替信号(e2)がHレベル
の時アンプ90を能動状態にするので、R2記録電流
(f2)に示す通りR1記録信号に対応した記録電流が
出力されず、R2記録信号に対応した記録電流は出力さ
れる。
【0215】インサート記録時も同様に、R1記録信号
およびR2記録信号の先頭に付加された切替制御信号に
より記録回路13a,13bの切替を制御し、キャリア
検出回路によりインサート記録すべき信号だけを記録す
ることにより、部分書替えが可能になる。
【0216】この実施例によっても、先の実施例と同様
の効果が得られる。この実施例は、図60で示したLE
D列とフォトディテクタによる記録回路制御手段を用い
ることなく記録回路13a,13bの切替が可能であ
る。また、切替制御信号を伝送するために専用の回転ト
ランスやスリップリング等のチャンネルを設ける必要が
ないため、通常記録と、ビデオトラックだけの部分書替
え、オーディオトラックだけの部分書替えを可能にしな
がら、VTRの記録系の回路構成が簡単かつ小型化にな
る。
【0217】第2の実施例における記録回路の構成を図
77に示す。また、図78および図74に通常記録時お
よびインサート記録時における図77の記録回路の各部
の動作シーケンスを示す。
【0218】この実施例において、記録RF信号(a)
は図78および図79に示すようにR1記録信号の先頭
へ切替制御信号を挿入し、R2記録信号の先頭へは切替
制御信号挿入せず、R1記録信号とR2記録信号の間に
無信号期間を設けている。切替制御信号は第1の実施例
と同様の信号振幅検出手段により検出され、第1の切替
制御信号となる。記録RF信号の無信号期間はキャリア
検出手段により検出され、第2の切替制御信号となる。
本実施例は、この二つの切替制御信号を用いて切替制御
を行う記録回路の一例である。
【0219】この実施例において、図74に示した第1
の実施例と異なるのは、フリップフロップ86にRSフ
リップフロップを使い、信号振幅検出回路83からの第
1の切替制御信号とキャリア検出回路82の出力信号を
インバータ91によって反転させた第2の切替制御信号
によってフリップフロップ86を制御すること、および
この制御方式の採用により初期設定回路が不要になった
ことである。他の回路については図74に示した実施例
と同じであるため、説明を省略する。
【0220】図77において、記録RF信号が無信号状
態の時、キャリア検出回路82の出力はLレベルにな
り、第2の切替制御信号であるインバータ91の出力は
反転してHレベルになる。
【0221】フリップフロップ86のR入力にはインバ
ータ91からHレベルの信号が送られ、フリップフロッ
プ86のQ出力はリセットされてLレベルになる。フリ
ップフロップ86のQ出力の状態は、第1の切替制御信
号である信号振幅検出回路83の出力がHレベルにな
り、S入力に送られるまでの期間保持される。S入力に
Hレベルの信号が送られた時、フリップフロップ86の
Q出力の状態はHレベルにセットされる。フリップフロ
ップ86のQ出力の状態はキャリア検出回路82が無信
号状態を検出して、第2の切替制御信号であるインバー
タ91の出力をHレベルにし、R入力に送られるまでの
期間保持される。
【0222】フリップフロップ86のQ出力は、記録R
F信号が無信号の状態では常にLレベルにリセットされ
ているため、図74の第1の実施例に示した記録回路に
使われていた初期設定回路が不要になる。以下の回路動
作は、第1の実施例と同じである。
【0223】図78および図79を参照して、通常記録
時およびインサート記録時における図77の記録回路の
各部の動作シーケンスを説明する。
【0224】回転トランスから伝送された記録RF信号
(a)は記録回路13a,13bの入力1,入力2に与
えられる。記録RF信号(a)は3分岐され、エミッタ
ホロワ81、キャリア検出回路82および信号振幅検出
回路83に入力される。
【0225】キャリア検出回路82の出力(b)は、切
替制御信号も含め信号が入力されている期間中はHレベ
ルに、記録RF信号が送られる前後とR1記録信号とR
2記録信号の無信号期間はLレベルになる。このキャリ
ア検出回路82の出力(b)は、インバータ91によっ
て反転して、キャリア検出回路反転出力(b′)とな
る。
【0226】信号振幅検出回路83の出力(c)は、切
替制御信号が検出された期間だけHレベルになる。この
信号振幅検出回路83の回路出力(c)は、インバータ
84により反転して信号振幅検出回路反転出力(c′)
となるから、切替制御信号が検出されている間、AND
ゲート88の出力である切替信号(e1,e2)をLレ
ベルにする。この期間、出力オフ回路89はアンプ90
を非能動状態にするから、記録RF信号に含まれる切替
制御信号が記録電流として出力されることはない。
【0227】フリップフロップ86のQ出力は、記録R
F信号が送られずにリセットされた初期状態から最初の
切替制御信号、すなわちR1記録信号の先頭にある切替
制御信号が検出されて信号振幅検出回路83の出力
(c)がHレベルになった時にHレベルにセットされ、
R2記録信号の先頭にある無信号期間が検出されてキャ
リア検出回路反転出力(b′)がHレベルになった時
に、Lレベルにリセットされる。以降も同様に、フリッ
プフロップ86のQ出力は、信号振幅検出回路83の出
力(c)とキャリア検出回路反転出力(b′)によっ
て、セット/リセットを交互に繰り返し出力を反転す
る。
【0228】記録回路13aの場合、EX−ORゲート
87の出力(d1)はフリップフロップ86のQ出力が
そのまま現れるから、R1記録信号の先頭にある切替制
御信号が検出された時にはレベルになり、R2記録信号
の先頭にある無信号期間が検出された時にはLレベルに
なる。切替信号(e1)はANDゲート88の入力が全
てHレベルになった時すなわちキャリア検出回路82の
出力(b)、信号振幅検出回路反転出力(e′)および
EX−ORゲート87の出力(d1)の全てがHレベル
になった時、Hレベルになる。出力オフ回路89は、切
替信号(e1)がHレベルの時にアンプ90を能動状態
にするから、R1記録信号電流(f1)に示す通りR1
記録信号に対応した記録電流が出力され、R2記録信号
に対応した記録電流は出力されない。
【0229】記録回路13bの場合、EX−ORゲート
回路87の出力(d2)はフリップフロップ86のQ出
力が反転して現れるから、R1記録信号の先頭にある切
替制御信号が検出された時にはLレベルになり、R2記
録信号の先頭にある無信号期間が検出された時にはHレ
ベルになる。切替信号(e2)はANDゲート88の入
力が全てHレベルになった時、すなわちキャリア検出回
路82の出力(b)、信号振幅検出回路反転出力
(e′)およびEX−ORゲート87の出力(d2)の
全てがHレベルになった時、Hレベルになる。出力オフ
回路89は、切替信号(e2)がHレベルの時にアンプ
90を能動状態にするから、R2記録電流(f2)に示
す通りR1記録信号に対応した記録電流は出力されず、
R2記録信号に対応した記録電流が出力される。
【0230】インサート記録時も同様に、R1記録信号
の先頭に付加された第1の切替制御信号とR2記録信号
の先頭にある無信号期間を検出した第2の切替制御信号
により記録回路13a,13bの切替を制御し、キャリ
ア検出回路82によりインサート記録すべき信号だけを
記録することにより、部分書替えが可能になる。この実
施例によっても、先の実施例と同様の効果が得られる。
【0231】第3の実施例における記録回路の構成を図
50に示す。また、図51および図52に通常記録時お
よびインサート記録時における図50の記録回路の各部
の動作シーケンスを示す。
【0232】この実施例において、記録RF信号(a)
は図51および図52に示すようにR1記録信号の前後
へ挿入する第1の切替制御信号(以下、R1切替制御信
号と呼ぶ)の振幅はR2記録信号の前後へ挿入する第2
の切替制御信号(以下、R2切替制御信号と呼ぶ)の振
幅より大きくなっている。本実施例はR1切替制御信号
とR2切替制御信号の振幅の違いによっていずれか一方
の切替制御信号を検出し、例えば記録回路13aはR1
切替制御信号を検出して能動/非能動を切り替え、記録
回路13bはR2切替制御信号を検出して能動/非能動
を切り替える記録回路の一例である。
【0233】回転トランスから伝送される記録RF信号
は、記録回路13a,13bの入力1,入力2に与えら
れる。入力された記録RF信号は2分岐され、一方はエ
ミッタホロワ81に、もう一方は信号振幅検出回路83
に入力される。
【0234】本実施例における信号振幅検出回路83の
機能は第1,第2の実施例のものとは異なっており、記
録RF信号に含まれる記録信号、R1切替制御信号およ
びR2切替制御信号の振幅の違いを検出するために比較
基準の上限と下限を設定し、信号の振幅レベルがこの範
囲内に納まっている時にHレベルの信号を出力し、この
範囲を越える場合はLレベルの信号を出力する。例え
ば、図51の記録RF信号(a)の場合、R1切替制御
信号の振幅より大きい上限を設定し、R2切替制御信号
の振幅より大きい下限を設定すれば、R1切替制御信号
が検出される。また、R1切替制御信号の振幅より小さ
いR2切替制御信号の振幅より大きい上限を設定し、記
録信号の振幅より大きい下限を設定すれば、R2切替制
御信号が検出される。
【0235】検出レベル設定入力はある適当な電位に固
定されており、この電位を変えることによって、R1切
替制御信号とR2切替制御信号のどちらを検出するか設
定する。前者を検出する記録回路は13aとして動作
し、後者を検出する記録回路は13bとして動作する。
これにより180°対向して配置された二つの同じ構成
の記録回路が同時に動作することはなくなり、先の実施
例に使われていたEX−ORゲート87が不要になる。
【0236】また、本実施例において記録回路13aは
R1切替制御信号に挟まれたR1記録信号だけを記録
し、記録回路13bはR2切替制御信号に挟まれたR2
記録信号だけを記録するため、記録すべき信号だけを出
力させるためにキャリア検出回路を使って制御する必要
がない。
【0237】インバータ84、初期設定回路85および
フリップフロップ86は、第1の実施例に示した記録回
路と同じ構成であり、同様の機能を持つ。
【0238】ANDゲート88は第1および第2の実施
例と異なり、キャリア検出回路が無くなったために2入
力になっている。ANDゲート88は、インバータ8
4、フリップフロップ86から送られた信号が両者とも
Hレベルの時にHレベルの信号を出力オフ回路89に送
り、アンプ90を能動状態にする。
【0239】図51および図52を参照して、通常記録
時およびインサート記録における図50の記録回路の各
部の動作シーケンスを説明する。
【0240】回転トランスから伝送された記録RF信号
(a)は記録回路13a,13bの入力1,入力2に与
えられる。記録RF信号(a)は2分岐され、エミッタ
ホロワ81および信号振幅検出回路83に入力される。
【0241】記録回路13aの場合、信号振幅検出回路
83の出力(c1)はR1切替制御信号を検出した時に
Hレベルになる。この信号振幅検出回路83の出力(c
1)はインバータ84により反転して信号振幅検出回路
反転出力(e1′)となるから、R1切替制御信号が検
出されている間、ANDゲート88の出力である切替信
号(e1)をLレベルにする。この期間、出力オフ回路
89はアンプ90を非能動状態にするので、記録RF信
号に含まれる切替制御信号が記録電流として出力される
ことはない。
【0242】フリップフロップ86のQ出力(d1)は
既にLレベルにリセットされている状態からR1記録信
号の先頭にある切替制御信号が検出されると、Hレベル
になり、R1記録信号の終端にある切替制御信号が検出
されるlレベルになる。R2切替制御信号は検出されな
いので、Q出力に変化はない。以降も同様に、フリップ
フロップ86のQ出力はR1切替制御信号が検出される
度に反転する。
【0243】切替信号(e1)はANDゲート88の入
力が全てHレベルになった時、すなわち信号振幅検出回
路反転出力(e1′)、フリップフロップ86の出力
(d1)の全てのHレベルになった時、Hレベルにな
る。出力オフ回路89は、この切替信号(e1)がHレ
ベルの時にアンプ90を能動状態にするので、R1記録
電流(f1)に示す通りR1記録信号に対応した記録電
流が出力され、R2記録信号に対応した記録電流は出力
されない。
【0244】記録回路13bの場合、信号振幅検出回路
83の出力(c2)はR2切替制御信号を信号を検出し
た時にHレベルになる。信号振幅検出回路83の出力
(c2)はインバータ84により反転して信号振幅検出
回路反転出力(e2′)となるから、R2切替制御信号
が検出されている間、ANDゲート88の出力である切
替信号(e2)をLレベルにする。この期間、出力オフ
回路89はアンプ90を非能動状態にするので、記録R
F信号に含まれる切替制御信号が記録電流として出力さ
れることはない。
【0245】フリップフロップ86のQ出力(d2)
は、既にLレベルにリセットされている状態からR2記
録信号の先頭にある切替制御信号が検出されるとHレベ
ルになり、R2記録信号の終端にある切替制御信号が検
出されるLレベルになる。R1切替制御信号は検出され
ないので、Q出力に変化はない。以降も同様に、フリッ
プフロップ86のQ出力はR2切替制御信号が検出され
る度に反転する。
【0246】切替信号(e2)はANDゲート88の入
力が全てHレベルになった時、すなわち信号振幅検出回
路反転出力(e2’)、フリップフロップ86の出力
(d2)の全てがHレベルになった時、Hレベルにな
る。出力オフ回路89は、この切替信号(e2)がHレ
ベルの時にアンプ90を能動状態にするので、R2記録
電流(f2)に示す通りR1記録信号に対応した記録電
流は出力されず、R2記録信号に対応した記録電流が出
力される。
【0247】インサート記録時も同様に、記録回路13
a,13bそれぞれがインサート記録すべき記録信号の
前後に付加された切替制御信号により切替を制御し、そ
れぞれの切替制御信号に挟まれた信号だけを記録するこ
とにより、部分書替えが可能になる。この実施例によっ
ても、先の2つの実施例と同様の効果が得られる。
【0248】次に、第3の実施例における信号振幅検出
回路83の具体的な構成の一例について、図83の構成
図および図84の動作シーケンスにより説明する。
【0249】記録RF信号(a)は信号振幅検出回路8
3の入力された後、整流回路92、ローパスフィルタ9
3を通過して記録RF信号の振幅レベルが検出され、2
つのコンパレータ94,95に振幅レベル検出信号
(x)が送られる。
【0250】コンパレータ94は入力信号がスレッショ
ルド電圧V1より小さいときにHレベルの信号を出力
し、V1を越えるとLレベルを出力する。コンパレータ
95は入力信号がスレッショルド電圧V2より小さいと
きにLレベルの信号を出力し、V2を越えるとHレベル
を出力する。
【0251】ANDゲート96はコンパレータ94,9
5両方の出力がHレベルの時にHレベルの信号を出力
し、R1切替制御信号またはR2切替制御信号となる。
【0252】コンパレータ94,95のスレッショルド
電圧VT1、VT2は3つの抵抗Z1,Z2,Z3によって
分圧されて所定の電位に設定されている。検出レベル設
定入力に与える電位でスレッショルド電圧VT1、VT2
制御することによって、R1切替制御信号またはR2切
替制御信号のどちらか一方だけを選択して検出すること
が可能である。
【0253】図84の振幅レベル検出信号(x)に示し
たように、R1切替制御信号を検出する場合には、スレ
ッショルド電圧VT1をR1切替制御信号の振幅より大き
なV1に設定し、スレッショルド電圧VT2をR1切替制
御信号の振幅より小さい記録信号の振幅より大きなV2
に設定する。このとき記録回路は13aとして動作す
る。
【0254】また、R2切替制御信号を検出する場合、
スレッショルド電圧VT1をR1切替制御信号の振幅より
小さくR2切替制御信号の振幅より大きなV1’に設定
し、スレッショルド電圧VT2をR2切替制御信号の振幅
より小さく記録信号の振幅より大きなV2’に設定す
る。このとき記録回路13bとして動作する。
【0255】記録回路13aの場合、スレッショルド電
圧VT1はV1に設定されているからコンパレータ出力
(y1)は常にHレベルになり、スレッショルド電圧V
T2はV2に設定されているから、コンパレータ出力(z
1)はR1切替制御信号が入力されている期間だけHレ
ベルになる。
【0256】ANDゲート96の出力である信号振幅検
出回路出力(e1)は、コンパレータ出力(y1)、コ
ンパレータ出力(z1)の両方がHレベルの時にHレベ
ルになる。
【0257】記録回路13bの場合、スレッショルド電
圧VT1はV1’に設定されているから、コンパレータ出
力(y2)はR1切替制御信号が入力されている期間だ
けLレベルになり、スレッショルド電圧VT2はV2’に
設定されているから、コンパレータ出力(z2)はR1
切替制御信号とR2切替制御信号が入力されている期間
だけHレベルになる。
【0258】ANDゲート96の出力である信号振幅検
出回路出力(e2)は、コンパレータ出力(y2)、コ
ンパレータ出力(z2)の両方がHレベルの時にHレベ
ルになるから、R1切替制御信号が入力されている期間
はコンパレータ出力(y2)に従ってLレベルになり、
R2切替制御信号が入力されている期間だけHレベルに
なる。
【0259】この信号振幅検出回路は、図12に示した
RFディテクタを応用した回路であり、2つのコンパレ
ータ94,95によって、ある範囲内の振幅の信号だけ
を検出するようにしている。この信号振幅検出回路はR
Fディテクタの実施例で説明したのと同様の効果があ
る。
【0260】図74、図77および図80に示した実施
例の記録回路においては、記録信号より十分大きな振幅
の切替制御信号を付加しているが、記録信号と切替制御
信号の振幅の違いが検出できれば良いから、記録信号よ
り小さな振幅の切替制御信号を付加しても同様の制御が
可能である。
【0261】また、これらの実施例に使用したインバー
タ、ANDゲート、EX−ORゲート、フリップフロッ
プ等の論理回路については、結果的に同じ制御が可能で
あれば、他の種類の論理回路を使用しても良い。
【0262】また、図74および図77に示した実施例
の記録回路は初期設定回路を内蔵しているが、記録回路
に初期設定のための入力端子だけを設け、スリップリン
グを介して初期設定を行っても良い。この場合、複数の
記録回路を同時に初期設定すれば良いので、スリップリ
ングを1チャンネル増やすだけで良い。また、これらの
実施例の記録回路はIC化が可能であるから、回転ドラ
ム内に実装することは容易である。
【0263】次に、テープ−ヘッド接触検出手段を用い
てドラム搭載回路のうち記録回路、再生回路および消去
回路の少なくとも一つの回路の少なくとも出力段の能動
/非能動状態を制御する実施例について説明する。な
お、この実施例はテープ−ヘッド接触検出手段を用いて
制御を行う以外は、先の実施例と同様であるので、先の
実施例と相違する点のみ説明する。
【0264】図85は、同実施例におけるスキャナ内の
構成を示す回路図であり、記録ヘッドR1,R2および
再生ヘッドP1,P2のそれぞれに近接して、圧電素子
18a,18bおよび19a,19bが設けられ、これ
らが記録回路13a,13bおよび再生回路14a,1
4bにそれぞれ接続されている点が図2と異なってい
る。
【0265】圧電素子18aは、記録ヘッドR1が磁気
テープに接触している期間(記録エリア内を通過してい
る期間)を検出し、記録回路13aを制御する。すなわ
ち、記録ヘッドR1が記録エリア内を通過している期間
だけ記録回路13aの出力段を能動状態にし、それ以外
の期間は出力段を非能動状態にする圧電素子18bも同
様に記録回路13bを制御する。
【0266】圧電素子19aは、再生ヘッドP1が磁気
テープに接触している期間(記録エリア内を通過してい
る期間)を検出し、再生回路14aを制御する。すなわ
ち、再生ヘッドP1が記録エリア内を通過している期間
だけ再生回路14aの出力段を能動状態にし、それ以外
の期間は出力段を非能動状態にする。圧電素子19bも
同様に再生回路14bを制御する。
【0267】このようにして記録回路13a,13bお
よび再生回路14a,14bをそれぞれ180°毎に能
動/非能動状態を切替え、従来のLED列とフォトディ
テクタによる180°切替と全く変わらない制御が実現
できる。
【0268】次に、この実施例における磁気ヘッドと磁
気テープの接触期間を検出するための磁気ヘッドと圧電
素子によるヘッドアッセンブリの具体的な構造につい
て、2つの例を図86および図87を参照して説明す
る。
【0269】図86(a)はヘッドアッセンブリを上か
ら見た図であり、(b)は横から見た断面図である。こ
のヘッドアッセンブリは、図示しない回転ドラムに固定
するためのヘッドベース201と、実際に記録または再
生の機能を有するヘッドチップ203との間に圧電素子
202を挿入した構成となっており、これらは回転ドラ
ムの回転中心とヘッドチップ203を結ぶ直線上に配置
されている。
【0270】ヘッドベース201、圧電素子202およ
びヘッドチップ203で構成されるヘッドアッセンブリ
には、回転ドラムが回転することにより遠心力が働く。
ヘッドチップ203が回転ドラムに巻き付けられた図示
しない磁気テープに接触すると、ヘッドチップ203は
遠心力とは逆方向の力によって押し戻されるので、圧電
素子202に圧力が加わる。圧電素子202は、この圧
力を電気信号に変換して記録回路または再生回路の切替
信号を発生する。
【0271】図87(a)はヘッドアッセンブリを上か
ら見た図であり、(b)は正面(磁気テープと接触する
面)から見た図である。この例では、ヘッドチップ20
3と圧電素子202はヘッドアッセンブリの進行方向に
沿って並び、進行方向に対してヘッドチップ203が圧
電素子202より先行するように配置されている。ヘッ
ドベース201とヘッドチップ203とで圧電素子20
2を挟むため、ヘッドベース201の先端におけるヘッ
ドアッセンブリの進行方向とは逆の端に突起が設けられ
ている。
【0272】ヘッドアッセンブリには、回転ドラムの回
転により遠心力と共にヘッドアッセンブリの進行方向に
力が働く。ヘッドチップ203が磁気テープに接触する
と、ヘッドチップ203には摩擦力によってヘッドアッ
センブリの進行方向とは逆方向の力が加わり、圧電素子
202に圧力が加わる。圧電素子202は、この圧力を
電気信号に変換して記録回路または再生回路の切替信号
を発生する。このようにして、磁気ヘッドと磁気テープ
の接触を検出することができる。
【0273】図86および図87の例では、ヘッドベー
ス201とヘッドチップ203とで挟まれた圧電素子2
02に加わる圧力の変化により、磁気ヘッドと磁気テー
プの接触を検出したが、例えばヘッドベースとそれが固
定される回転ドラムとの間に圧電素子を挟み、上記の2
つの例と同様に磁気ヘッドと磁気テープの接触を検出し
ても良い。
【0274】次に、この実施例における記録回路13
a,13bについて図88を参照して説明する。この記
録回路13a,13bは、圧電素子18a,18bがそ
れぞれ発生するR1切替信号、R2切替信号によって出
力段を能動状態/非能動状態に切替え制御するための切
替機能を内蔵している。
【0275】図88において、回転トランスから伝送さ
れてくる記録RF信号は、記録回路13aの入力1,入
力2に与えられる。この記録RF信号はエミッタホロワ
301を通過して、アンプ305に入力される。
【0276】一方、圧電素子18aが発生するR1切替
信号は、記録回路13aの切替信号入力に与えられ、ア
ンプ302により増幅された後、コンパレータ303に
よって2値化される。コンパレータ303は記録ヘッド
R1が磁気テープと接触している期間中、出力オフ回路
304にHレベルの信号を送る。このとき、出力オフ回
路304はアンプ305を能動状態にして、記録RF信
号に対応した記録電流を記録ヘッドR1に供給する。記
録回路13bも同様に動作する。
【0277】なお、圧電素子によって発生する電気信号
の振幅レベルが十分大きければ、図88におけるアンプ
302を省いて、直接コンパレータ303で2値化を行
っても良い。
【0278】次に、この実施例における再生回路14
a,14bについて図89を参照して説明する。この再
生回路14a,14bは、圧電素子19a,19bが発
生するP1切替信号、P2切替信号によって出力段を能
動状態/非能動状態に切替え制御するための切替機能を
内蔵している。
【0279】再生ヘッドP1により再生されたRF信号
は、再生回路14aの入力1,入力2に与えられる。こ
の再生RF信号は、ヘッドアンプ306を通過して、ア
ンプ310に入力される。
【0280】一方、圧電素子19aが発生するP1切替
信号は再生回路14aの切替信号入力に与えられ、アン
プ307により増幅された後、コンパレータ308によ
って2値化される。コンパレータ308は再生ヘッドP
1が磁気テープと接触している期間中、出力オフ回路3
09にH(高)レベルの信号を送る。このとき出力オフ
回路309はアンプ310を能動状態にして、再生RF
信号を回転トランスによって回転ドラム外部へ伝送す
る。再生回路14bも同様に動作する。
【0281】なお、圧電素子によって発生する電気信号
の振幅レベルが十分大きければ、図89におけるアンプ
307を省いて、直接コンパレータ308で2値化を行
っても良い。
【0282】次に、図92〜図100を参照して本発明
で用いる回転トランス装置の製造方法の実施例について
説明する。回転トランスとして、HDTV用VTRなど
の広帯域・高伝送レートVTRにおいて特に問題となる
チャネル間のばらつきやクロストークを減らすため、磁
気コアがチャネル毎に磁気的に分離された同軸型回転ト
ランスが知られている。この同軸型回転トランスは、チ
ャネル毎に磁気的に分離された複数チャネルの磁気コア
と、この磁気コアに各チャネル毎に装着された巻線とか
らなる回転側素子および固定側素子を同軸的に配置して
構成され、かつ回転側素子および固定側素子の磁気コア
のうち内周側に巻線が装着される磁気コアは巻線溝を有
する第1のコアと巻線溝を有しない第2のコアとが交互
に軸方向に配設して構成されるものである。
【0283】本発明は、このような同軸型回転トランス
装置の製造に際して、前記第1のコアとして前記軸方向
と直交する面に前記巻線溝となる円環状の凹溝を有する
第1のコア材、前記第2のコアとして平板円環状の第2
のコア材をそれぞれ用意し、該円環状の凹溝内に前記巻
線を挿入した後、これら第1および第2のコア材をショ
ートリングを使用する場合はショートリングを含めて交
互に積層し、これら積層された第1および第2のコア材
の内周面を前記巻線が露出するまで研磨する工程を備え
ることを特徴とする。
【0284】図93は、本実施例における回転側素子お
よび固定側素子の磁気コアのうち内周側に巻線が装着さ
れた磁気コアとその巻線を示す断面図あり、上記研磨を
行う前の状態を示している。一方、図94は上記研磨を
行った後の断面図であり、この図94は同時に従来の製
造方法に基づいて作られた同軸型回転トランス装置にお
ける内周側に巻線が装着された磁気コアとその巻線を示
している。
【0285】図93および図94において、900はフ
ェライト等の軟磁性材料からなる中空の磁気コアであ
り、巻線溝902を有する第1のコア901と、巻線溝
を有しない第2のコア903をショートリング904を
介して軸方向に交互に配設して積層したものである。こ
のように磁気コア900が第1のコア901と第2のコ
ア903に分離しているのは、一般に困難である内側か
らの巻線の設置を容易に行うためである。ショートリン
グ904は、磁気コア900をチャネル毎に磁気的に分
離するためのものである。巻線溝902には、エナメル
線などの巻線905が設置されている。そして、磁気コ
ア900全体は、アルミニウム等の非磁性金属で作られ
た円筒状のハウジング906に収容されている。
【0286】なお、巻線905には実際には引き出し線
が設けられ、この引き出し線が磁気コア900やハウジ
ング906に設けられた引き出し線溝等を通して外部に
引き出されるが、図では省略した。
【0287】図95は本実施例の製造工程、図96は従
来の製造工程をそれぞれ示す斜視図である。従来では、
まず第1のコア901として図96(a)に示すような
巻線溝902となる段差910を有するコアを用意し、
この段差910の上に図96(b)に示すように巻線9
05を設置する。この場合、図96(c)に示すように
巻線905の一部905′が段差910上から内側に突
出してコア901から離脱してしまうことがある。これ
を防止するためには、巻線905を時間をかけて慎重に
巻いたり、特殊な治具を使用するか、あるいは形状が安
定した巻線、例えばエッチング等で加工された銅板リン
グを用いるなどの対策が必要であり、いずれにしても製
造コストが増大するという欠点がある。
【0288】これに対し、本発明では図93および図9
5(a)に示すように、第1のコア901として、最内
周部に肉厚部908を設けることで前記軸方向と直交す
る面に巻線溝902となる円環状の凹溝907を形成し
た第1のコア材を用意する。そして、この円環状の凹溝
907内に図93および図95(b)に示すように巻線
905を挿入する。この場合、巻線905は肉厚部90
8により規制されるため、図96(c)のように一部が
内側に飛び出してコア901から離脱することなく安定
に設置することができる。
【0289】一方、第2のコア903として図95
(a)(b)に示した第1のコア901となる第1のコ
ア材の内径と略同一内径の平板円環状の第2のコア材を
用意し、さらにこれと略同一内径のショートリングを用
意して、巻線905を円環状の凹溝907内に挿入した
後の第1のコア材と、第2のコア材およびショートリン
グを図93のように積層し、全体を円筒状のハウジング
906に収容する。この状態では第1のコア材の円環状
の溝907の開口が第2のコア材によって閉塞されるこ
とにより、第1のコア材と第2のコア材の間に円環状の
閉塞空間が形成され、この円環状の閉塞空間に巻線90
5が安定に保持されることになる。
【0290】次に、第1、第2のコア材およびショート
リングの内周面を旋盤等により、図93の破線の位置ま
で研磨する。こうして第1、第2のコア材およびショー
トリングの内周側を研磨した後の状態では、第1のコア
材の形状に注目すると図95(c)のように図95
(a)(b)の肉厚部908が削り取られることによ
り、上記閉塞空間の内周側は開放され、巻線905は露
出する。この結果、磁気コア900の全体形状は図94
に示すようになり、従来の製造方法で作られたのと同様
の構成の同軸型回転トランス装置を得ることができる。
【0291】このように本発明による回転トランス装置
の製造方法によれば、巻線の設置が容易となり、歩留ま
りの向上と、製造コストの低減を図ることができる。
【0292】なお、上記実施例では4チャネルの回転ト
ランス装置について示したが、チャネル数はこれに限定
されるものではない。また、上記実施例では一つの巻線
溝内に2回路の巻線を設置した例について示したが、さ
らに多回路の巻線を設置した回転トランス装置にも適用
が可能である。
【0293】次に、本発明におけるスキャナ部の実装方
式の実施例について図97〜図99により説明する。図
97は、スキャナ部における再生回路基板ユニットの構
造と製造工程を説明するための図である。まず、(a)
に示すように、再生回路基板1001上に再生回路IC
1002と抵抗1003、コンデンサ1004などの受
動素子のチップ部品を自動実装する。一方、これと並行
して(b)に示すように、フォトディテクタ基板100
5上にフォトディテクタベアチップ1006を取り付け
てボンディングワイヤ1007により基板1005上に
配線し、動作チェックの後、(c)に示すように透明樹
脂1008で封止したものを用意する。そして、(c)
のフォトディテクタ基板1005を(a)の再生回路基
板1001上に接着剤1009で固定することにより、
再生回路とフォトディテクタが一体にハイブリッドIC
化された再生回路基板ユニットが得られる。
【0294】なお、透明樹脂1008によるフォトディ
テクタベアチップ1006の封止はフォトディテクタ基
板1005を再生回路基板1001上に固定してから取
り付けてから行ってもよい。
【0295】図98は、再生回路基板ユニットの他の実
施例であり、図97のようにフォトディテクタ基板を用
いず、フォトディテクタベアチップ1006を直接再生
回路基板1001上に実装したものである。
【0296】図99においては、回転ドラム3の下部に
再生回路基板1001、上部に記録回路基板2001を
それぞれ搭載し、記録回路基板2001の下面に記録回
路13a,13bのICを実装し、再生回路基板100
1の下面に再生回路14a,14bのICを実装してい
る。そして、記録用フォトディテクタ5a,5bは記録
回路基板2001の上面に、また再生用フォトディテク
タ6a,6bは再生回路基板1001の下面にそれぞれ
実装している。フォトディテクタ5a,5b、6a,6
bは、図98と同様にフォトディテクタベアチップを透
明樹脂で封止したものである。
【0297】一方、回転ドラム3の上下に上部固定ドラ
ム4aと下部固定ドラム4bがそれぞれ配置され、これ
らの固定ドラム4a,4bに設けられたLED基板20
10,1010上に、記録用フォトディテクタ5a,5
bおよび再生用フォトディテクタ6a,6bと対向する
ように、記録用LED列7および再生用LED列8を配
設している。LED基板201,1010には図12と
同様に溝または貫通孔が設けられ、これらの溝または貫
通孔内にLED列7,8がそれぞれ設けられている。
【0298】ここで、従来では図99中に破線で示すよ
うに再生用フォトディテクタ(6a,6b)を記録回路
基板2001上に記録用フォトディテクタ5a,5bと
共に実装し、かつ上部固定ドラム4aに再生用LED列
(8)を再生用フォトディテクタ(6a,6b)と対向
するように実装していたため、記録回路基板2001上
の再生用フォトディテクタを再生回路基板1001上に
接続するために再生ヘッドと同数のフォトディテクタか
らの制御信号を伝送するリード線を必要とするため、ヘ
ッド数が増えるとスキャナの製造に要する手間とコスト
が増大する原因の一つとなっていた。
【0299】これに対し、図99の実施例のように再生
用フォトディテクタを再生回路基板1001上に移動さ
せ、これに伴い再生用LED列を下部固定ドラム4bに
移動させることにより、再生用フォトディテクタと再生
回路基板1001を接続するためのリード線の引き回し
が不要となり、製造上極めて好都合となる。
【0300】本発明は上述した実施例に限定されるもの
ではなく、次のように種々変形して実施することができ
る。
【0301】例えば上述の実施例では、回転ドラムタイ
プのVTRの場合について説明したが、ディスクタイプ
あるいは中ドラムタイプ等の他の磁気ヘッド搭載方式を
採用したVTRに本発明を適用することが可能である。
【0302】また、上述の実施例では1チャネルの回転
トランスと2チャネルの記録回路あるいは再生回路を切
替える場合について説明したが、さらに多チャネルの記
録回路あるいは再生回路あるいはその両方を行う回路を
切替える場合についても、同様に本発明を実施できる。
例えば記録ヘッドと記録回路が8チャネル、再生ヘッド
と再生回路が8チャネルで、実効記録エリア角が180
°の場合、回転トランスは8チャネルで良い。
【0303】また、上述の実施例ではドラム搭載回路の
制御方式として、LED列を用いる方式について説明し
たが、回転ドラムに搭載した記録回路、再生回路さらに
は消去回路を共通の制御方式に限定するものではない。
特願平1−127911で提案したドラム搭載回路の制
御方式の3方式を各々の回路により、異なる制御方式を
採用しても良い。例えば記録回路と消去回路はLED列
による制御方式、再生回路はホトリフレクタを使用する
方式というようにしても良い。
【0304】さらに、消去回路についても記録回路と同
様の能動/非能動の制御方式を採用することが可能であ
る。インサート編集時、消去回路は記録回路が動作する
時には必ず動作する。従って、テープフォーマットが許
すならば消去回路の制御は、例えば記録LED列を消去
LED列と兼用することが可能である。この場合、通常
記録時はフルイレーズヘッドを通常使用するが、この際
には消去RF信号を回転ドラム内の消去回路に伝送しな
い限り、前述のRFディテクタが動作しないので、消去
回路が能動状態になってしまうことはない。
【0305】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の記録回路を出力段の能動/非能動状態の制御を行う
制御手段を記録回路に付加したことにより、ドラム搭載
回路の制御が非常に簡単になる。
【0306】例えば複数の記録ヘッドの各々が磁気テー
プに接触している期間をそれぞれ検出するための第1の
検出手段として発光素子列と受光素子列を用い、かつ各
記録回路内に回転ドラムの外部から伝送されてくる記録
すべき情報信号を検出する第2の検出手段を設け、第1
の検出手段により該記録回路に対応する記録ヘッドが磁
気テープに接触していると検出され、かつ第2の検出手
段により情報信号が検出された期間だけ該記録回路の出
力段を能動状態にする構成とすれば、ドラム搭載回路を
制御する発光素子列としては記録用発光素子列を用意す
るのみで、通常記録と、ビデオトラックのみ、オーディ
オトラックのみの部分書替えが可能になる。また、発光
素子列の素子数が少なくなることで、低消費電力化とコ
ストダウンを図ることができる。
【0307】一方、各記録回路に回転ドラムの外部から
伝送されてくる記録すべき情報信号に回転ドラムの回転
位置に応じて付加され、該情報信号とは異なる振幅に振
幅変調された振幅変調信号を検出する第1の検出手段を
設けるか、あるいは各記録回路に情報信号に付加された
固有のコードを検出する検出手段を設けて、所定のコー
ドが検出された期間だけ記録回路の少なくとも出力段を
能動状態にするようにすれば、LED列を全く用いるこ
となく、通常記録と、ビデオトラックのみ、オーディオ
トラックのみの部分書替えが可能になると共に、LED
列やフォトディテクタ、さらにはスリップリングや回転
ドラムあるいは光伝送等による180°切替えのための
制御信号の伝送も不要となるため、信頼性が向上し、周
辺回路の複雑化も伴わない。
【0308】また、本発明によれば複数の再生回路に再
生ヘッドにより再生された情報信号が検出された期間だ
け該再生回路を能動状態にする制御手段を設けることに
よって、再生回路の能動/非能動状態の制御に関しては
LED列等による制御が不要となり、低消費電力化とコ
ストダウンを図ることができる。
【0309】さらに、本発明によればドラム搭載回路の
うちの記録回路、再生回路および消去回路の少なくとも
一つの回路に設けられたテープ−ヘッド接触検出手段に
よって、磁気テープと磁気ヘッドとが接触していると検
出された期間だけその回路の少なくとも出力段を能動状
態にする構成とすることにより、LED列を用いること
なく回転ドラム内部で生成された制御信号のみで180
°切替えなどの制御が可能となり、そのための制御回路
が簡単になる。これによりスキャナの組立、ドラム搭載
回路のメンテナンスが容易となり、コストダウン、スキ
ャナの小型化さらにはVTR装置全体の小型化を図るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る磁気記録再生装置に
おけるスキャナ部の概略構成図
【図2】 図1の要部をより具体的に示す回路図
【図3】 同実施例における記録/再生回路の切替え動
作の一連のタイムシーケンスを示す図
【図4】 非能動状態において出力がハイインピーダン
スとなる再生回路の例を示す図
【図5】 本発明によるキャリア検出機能を持つ記録回
路の構成例を示すブロック図
【図6】 通常記録時における図5の記録回路の動作を
示すタイムチャート
【図7】 インサート記録時における図5の記録回路の
動作を示すタイムチャート
【図8】 図5の記録回路の要部を詳細に示す回路図
【図9】 LEDベアチップの発光方向を示す図
【図10】 LEDベアチップの光強度分布を示す図
【図11】 LED列の実装構造を示す図
【図12】 LED列の実装構造を示す図
【図13】 LED列の実装構造を示す図
【図14】 LED列の実装構造を示す図
【図15】 LED列の実装構造を示す図
【図16】 LED列の実装構造を示す図
【図17】 LED列の実装構造を示す図
【図18】 図11における円環状シリンドリカルレン
ズ部の斜視図
【図19】 図18の一部を拡大して示す図
【図20】 従来のシリンドリカルレンズを示す図
【図21】 LED列の実装構造を示す図
【図22】 LED列の結線図
【図23】 LED列の結線図
【図24】 LED列の結線図
【図25】 LED列の結線図
【図26】 LED列の結線図
【図27】 LED列の結線図
【図28】 本発明を適用したVTRの記録/再生系の
ブロック図
【図29】 従来のVTRの記録/再生系の構成を図2
8と対比させて示すブロック図
【図30】 本発明によるキャリア検出機能を持つ記録
回路にフォトディテクタおよびそれに付随する回路を一
体化した実施例を示すブロック図
【図31】 同実施例におけるフォトディテクタの実装
構造を示す図
【図32】 同実施例におけるフォトディテクタの他の
実装構造を示す図
【図33】 同実施例におけるスキャナ部の構成を示す
断面図
【図34】 MCP方式を適用したパッケージ内部構造
を示す図
【図35】 本発明におけるスキャナ部の他の実施例を
示す図
【図36】 同実施例におけるフォトディテクタおよび
それに付随する回路の構成図
【図37】 同実施例の動作シーケンスを示す図
【図38】 本発明におけるスキャナ部の他の実施例を
示す図
【図39】 図38における反射型フォトセンサの詳細
を示す図
【図40】 反射型フォトセンサおよび記録回路を同一
ハイブリッドICに実装した例を示す断面図
【図41】 本発明によるキャリア検出機能を持つ記録
回路の他の構成例を示すブロック図
【図42】 図41における全波整流型RFディテクタ
の構成例を示すブロック図
【図43】 図42の各部の動作波形を示す図
【図44】 図41における全波整流型RFディテクタ
の構成例を示すブロック図
【図45】 図44の各部の動作波形を示す図
【図46】 図41における全波整流型RFディテクタ
の構成例を示すブロック図
【図47】 図46の各部の動作波形を示す図
【図48】 図41における全波整流型RFディテクタ
の構成例を示すブロック図
【図49】 正弦波のRF信号に対する図48の各部の
動作波形を示す図
【図50】 方形波のRF信号に対する図48の各部の
動作波形を示す図
【図51】 図41における全波整流型RFディテクタ
の構成例を示すブロック図
【図52】 図51の各部の動作波形を示す図
【図53】 本発明による記録回路指定コード検出機能
を持つ記録回路の構成例を示すブロック図
【図54】 通常記録時における図53の記録回路の動
作を示すタイムチャート
【図55】 インサート記録時における図53の記録回
路の動作を示すタイムチャート
【図56】 本発明による記録回路指定コード検出機能
を持つ記録回路の他の構成例を示すブロック図
【図57】 本発明によるキャリア検出機能を持つ再生
回路の構成例を示すブロック図
【図58】 通常再生時における図57の再生回路の動
作を示すタイムチャート
【図59】 本発明によるキャリア検出機能を持つ再生
回路の他の構成例を示すブロック図
【図60】 特殊再生時における図57の再生回路の動
作を示すタイムチャート
【図61】 特殊再生時における図59の再生回路の動
作を示すタイムチャート
【図62】 本発明による番号コード検出機能を持つ記
録回路の構成例を示すブロック図
【図63】 通常記録時における図62の記録回路の動
作を示すタイムチャート
【図64】 インサート記録時における図62の記録回
路の動作を示すタイムチャート
【図65】 D−2フォーマットにおけるヘリカルトラ
ック内のデータ構造を示す図
【図66】 D−2フォーマットにおけるシンクブロッ
クIDフォーマットを示す図
【図67】 D−2フォーマットにおけるシンクブロッ
クID番号を示す図
【図68】 本発明による番号コード検出機能を持つ記
録回路の他の構成例を示すブロック図
【図69】 本発明による番号コード検出機能を持つ記
録回路の別の構成例を示すブロック図
【図70】 D−2フォーマットにおけるオーディオセ
クタ内のデータ構造を示す図
【図71】 本発明の他の実施例に係る磁気記録再生装
置におけるスキャナ部の概略構成図
【図72】 図71の要部をより具体的に示す回路図
【図73】 同実施例における記録/再生回路の切替え
動作の一連のタイムシーケンスを示す図
【図74】 本発明による180°切替制御機能を持つ
記録回路の構成例を示すブロック図
【図75】 通常記録時における図74の記録回路の動
作を示すタイムチャート
【図76】 インサート記録時における図74の記録回
路の動作を示すタイムチャート
【図77】 本発明による180°切替制御機能を持つ
記録回路の構成例を示すブロック図
【図78】 通常記録時における図77の記録回路の動
作を示すタイムチャート
【図79】 インサート記録時における図77の記録回
路の動作を示すタイムチャート
【図80】 本発明による180°切替制御機能を持つ
記録回路の構成例を示すブロック図
【図81】 通常記録時における図80の記録回路の動
作を示すタイムチャート
【図82】 インサート記録時における図77の記録回
路の動作を示すタイムチャート
【図83】 図80における信号振幅検出回路の構成例
を示すブロック図
【図84】 図83の信号振幅検出回路の動作を示すタ
イムチャート
【図85】 テープ−ヘッド接触検出手段を用いてドラ
ム搭載回路を制御する実施例におけるスキャナ内の要部
構成を示す回路図
【図86】 本発明によるテープ−ヘッド接触検出機能
を持つ磁気ヘッドアッセンブリの一例を示す図
【図87】 本発明によるテープ−ヘッド接触検出機能
を持つ磁気ヘッドアッセンブリの他の例を示す図
【図88】 同実施例における記録回路の構成例を示す
ブロック図
【図89】 同実施例における再生回路の構成例を示す
ブロック図
【図90】 従来の180°切替方式の基本構成を示す
ドラム系の断面図
【図91】 D2フォーマットのフットプリントを示す
【図92】 D2フォーマットのフットプリントに対応
させた従来のドラム搭載回路制御LED列を示す図
【図93】 本発明による同軸型回転トランス装置の製
造方法を説明するための断面図
【図94】 同軸型回転トランス装置の断面図
【図95】 本発明による同軸型回転トランス装置の製
造工程を説明するための斜視図
【図96】 従来の同軸型回転トランス装置の製造工程
を説明するための斜視図
【図97】 本発明におけるスキャナ部の再生回路基板
ユニットの構造と製造工程を説明するための図
【図98】 再生回路基板ユニットの他の例を示す図
【図99】 本発明のスキャナにおける記録回路基板ユ
ニットおよび再生回路基板ユニットと記録用LED列と
記録用フォトディテクタおよび再生用LED列と再生用
フォトディテクタの実装構造を示す断面図
【符号の説明】
1…スキャナ 2…磁気テープ 3…回転ドラム 4…固定ドラム 5(5a,5b)…記録用フォトディテクタ 6(6a,6b)…再生用フォトディテクタ 7…記録用LED列 8…再生用LE
D列 11(R1,R2)…記録ヘッド 12(P1,P
2)…再生ヘッド 13a,13b…記録回路 14a,14b
…再生回路 15…回転トランスドライブ回路 16…回転ドラ
ムレシーブ回路 18a,18b…圧電素子 19a,19b
…圧電素子 21…エミッタフォロワ 22…ディテク
タアンプ 23…ピークディテクタ 24…コンパレ
ータ 25…アンドゲート 26…出力オフ
回路 27…アンプ 28,28a,
28b…全波整流回路 29…ローパスフィルタ 30…ハイパス
フィルタ 31…エミッタフォロワ 32…コード検
出アンプ 33…コンパレータ 35…出力オフ
回路 36…アンプ 37…キャリア
検出回路 41…ヘッドアンプ 42…ディテク
タアンプ 43…ピークディテクタ 44…コンパレ
ータ 45…出力オフ回路 46…アンプ 51…エミッタフォロワ 52…アンプ 53…コンパレータ 54…メモリ 55…コード検出回路 56…信号振幅
検出回路 57…アンプ 58…出力オフ
回路 59…ディレイライン 60…カレント
コード検出回路 70…リミッタアンプ 71…遅延回路 72…オアゲート 81…エミッタ
フォロワ 82…キャリア検出回路 83…信号振幅
検出回路 85…初期設定回路 89…出力オフ
回路 90…アンプ 92…全波整流
回路 93…ローパスフィルタ 94,95…コ
ンパレータ 201…ヘッドベース 202…圧電素
子 203…ヘッドチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/02 G11B 15/14

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転ドラムと、 この回転ドラムに搭載され、該回転ドラムの周面に巻き
    付けられて走行する磁気テープ上に接触して情報信号の
    記録/再生を行う複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド
    と、 前記回転ドラム内に搭載されると共に、前記記録ヘッド
    にそれぞれ接続され、前記回転ドラムの外部から同じ伝
    送チャネルを介して伝送されてくる記録すべき情報信号
    を受信する複数の記録回路と、 前記記録ヘッドの各々が前記磁気テープに接触している
    期間をそれぞれ検出して第1の検出信号を出力する第1
    の検出手段と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、該記録回路
    に前記回転ドラムの外部から伝送されてくる記録すべき
    情報信号を検出して第2の検出信号を出力する第2の検
    出手段と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、前記第1の
    検出信号と第2の検出信号との論理積をとる論理積回路
    を含み、該記録回路に対応する記録ヘッドが前記磁気テ
    ープに接触し、かつ該記録回路に前記伝送されてくる記
    録すべき情報信号が検出された期間だけ該記録回路の出
    力段を能動状態にする制御手段とを具備することを特徴
    とする回転走査型磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】前記第1の検出手段は、前記回転ドラムに
    対向して配置された固定ドラムの回転ドラムに対向する
    端面上に設けられ、回転ドラムの回転方向に沿って所定
    の角度範囲にわたり円環状に配列された複数列の発光素
    子列と、前記回転ドラムの前記固定ドラムに対向する端
    面上の前記記録ヘッドの各々に対応する位置に設けられ
    た複数個の受光素子とを有し、該受光素子から前記記録
    ヘッドの各々が前記磁気テープに接触している期間を示
    前記第2の検出信号を出力することを特徴とする請求
    項1記載の回転走査型磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】前記発光素子列は、前記固定ドラムの前記
    回転ドラムに対向する端面上に前記回転ドラムの回転方
    向に沿って所定の角度範囲にわたり円環状に形成された
    溝または孔の内部に配列されていることを特徴とする請
    求項2記載の回転走査型磁気記録再生装置。
  4. 【請求項4】前記発光素子列は、配列方向における所定
    数個置きに直列接続され、各直列回路は電源に接続され
    ていることを特徴とする請求項2または3記載の回転走
    査型磁気記録再生装置。
  5. 【請求項5】前記受光素子は、前記記録回路とともに同
    一ハイブリッド集積回路に実装されていることを特徴と
    する請求項2記載の回転走査型磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】回転ドラムと、 この回転ドラムに搭載され、該回転ドラムの周面に巻き
    付けられて走行する磁気テープ上に接触して情報信号の
    記録/再生を行う複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド
    と、 前記回転ドラム内に搭載されると共に、前記記録ヘッド
    にそれぞれ接続され、前記回転ドラムの外部から同じ伝
    送チャネルを介して伝送されてくる記録すべき情報信号
    を受信する複数の記録回路と、 これら複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、該記録回
    路に前記回転ドラムの外部から伝送されてくる記録すべ
    き情報信号に前記回転ドラムの回転位置に応じて付加さ
    れ、該情報信号とは異なる振幅に振幅変調された振幅変
    調信号を検出する第1の検出手段と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、該記録回路
    に前記回転ドラムの外部から伝送されてくる記録すべき
    情報信号を検出する第2の検出手段と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、前記第1の
    検出手段により所定振幅の前記振幅変調信号が検出さ
    れ、かつ前記第2の検出手段により前記情報信号が検出
    された期間だけ該記録回路の出力段を能動状態にする制
    御手段とを具備することを特徴とする回転走査型磁気記
    録再生装置。
  7. 【請求項7】前記第2の検出手段は、前記情報信号を全
    波整流する少なくとも1段の全波整流回路と、この全波
    整流回路の出力信号を二値信号にする二値化手段と、こ
    の手段から出力される二値信号を遅延する遅延手段と、
    この手段により遅延された信号と前記二値化手段から出
    力される二値信号との論理和をとる論理和回路とを有す
    ることを特徴とする請求項1または6記載の回転走査型
    磁気記録再生装置。
  8. 【請求項8】前記第2の検出手段は、前記情報信号を全
    波整流する少なくとも1段の全波整流回路と、この全波
    整流回路の出力信号を二値信号にする二値化手段と、こ
    の手段から出力される二値信号を遅延する遅延手段と、
    この手段により遅延された信号と前記二値化手段から出
    力される二値信号との論理和をとる論理和回路とを有す
    ることを特徴とする請求項1または6記載の回転走査型
    磁気記録再生装置。
  9. 【請求項9】回転ドラムと、 この回転ドラムに搭載され、該回転ドラムの周面に巻き
    付けられて走行する磁気テープ上に接触して情報信号の
    記録/再生を行う複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド
    と、 前記回転ドラム内に搭載されると共に、前記記録ヘッド
    にそれぞれ接続され、前記回転ドラムの外部から同じ伝
    送チャネルを介して伝送されてくる記録すべき情報信号
    を受信する複数の記録回路と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、該記録回路
    に前記回転ドラムの外部から伝送されてくる記録すべき
    情報信号に付加されている記録回路指定コードを検出す
    る検出手段と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、前記検出手
    段により検出された記録回路指定コードと該記録回路に
    定められた固有のコードとを比較するコード識別手段を
    含み、該コード識別手段によって該記録回路指定コード
    が該固有のコードと一致した期間だけ該記録回路の出力
    段を能動状態にする制御手段とを具備することを特徴と
    する回転走査型磁気記録再生装置。
  10. 【請求項10】回転ドラムと、 この回転ドラムに搭載され、該回転ドラムの周面に巻き
    付けられて走行する磁気テープ上に接触して情報信号の
    記録/再生を行う複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド
    と、 前記回転ドラム内に搭載されると共に、前記記録ヘッド
    にそれぞれ接続され、前記回転ドラムの外部から同じ伝
    送チャネルを介して伝送されてくる記録すべき情報信号
    を受信する複数の記録回路と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、該記録回路
    に前記回転ドラムの外部から伝送されてくる記録すべき
    情報信号に付加されているシンクブロック内のシンクブ
    ロック番号あるいはセクタID内のトラック番号、セグ
    メント番号およびフィールド番号のうちの少なくとも一
    つの番号を表わす番号コードを検出する検出手段と、 前記複数の記録回路内にそれぞれ設けられ、前記検出手
    段により検出された番号コードと該記録回路に定められ
    た固有のコードとを比較するコード識別手段を含み、該
    コード識別手段によって該検出された番号コードが該
    有のコードと一致した期間だけ該記録回路の出力段を能
    動状態にする制御手段とを具備することを特徴とする回
    転走査型磁気記録再生装置。
  11. 【請求項11】回転ドラムと、 この回転ドラムに搭載され、該回転ドラムの周面に巻き
    付けられて走行する磁気テープ上に接触して情報信号の
    記録/再生を行う複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド
    と、前記回転ドラム内に搭載されると共に、前記再生ヘッド
    にそれぞれ接続され、 前記再生ヘッドにより再生された
    情報信号を順次増幅するヘッドアンプ及び出力段を含
    み、増幅後の情報信号を前記回転ドラムの外部へ同じ伝
    送チャネルを介して伝送する 複数の再生回路と、 これら複数の再生回路内にそれぞれ設けられ、前記再生
    ヘッドにより再生された情報信号を前記ヘッドアンプの
    出力から検出する検出手段と、 前記複数の再生回路内にそれぞれ設けられ、前記検出手
    段により情報信号が検出された期間だけ該再生回路の出
    力段を能動状態にする制御手段とを具備することを特徴
    とする回転走査型磁気記録再生装置。
  12. 【請求項12】前記検出手段は、前記情報信号を全波整
    流する少なくとも1段の全波整流回路と、この全波整流
    回路の出力信号から高周波成分を除去するローパスフィ
    ルタと、このローパスフィルタの出力信号を二値信号に
    する二値化手段とを有することを特徴とする請求項11
    記載の回転走査型磁気記録再生装置。
  13. 【請求項13】前記検出手段は、前記情報信号を全波整
    流する少なくとも1段の全波整流回路と、この全波整流
    回路の出力信号を二値信号にする二値化手段と、この手
    段から出力される二値信号を遅延する遅延手段と、この
    手段により遅延された信号と前記二値化手段から出力さ
    れる二値信号との論理和をとる論理和回路とを有するこ
    とを特徴とする請求項11記載の回転走査型磁気記録再
    生装置。
  14. 【請求項14】チャネル毎に磁気的に分離された複数チ
    ャネルの磁気コアと、この磁気コアに各チャネル毎に装
    着された巻線とからなる回転側素子および固定側素子を
    同軸的に配置して構成され、かつ回転側素子および固定
    側素子の磁気コアのうち内周側に前記巻線が装着される
    磁気コアは巻線溝を有する第1のコアと巻線溝を有しな
    い第2のコアとが交互に軸方向に配設されてなる同軸型
    回転トランス装置の製造方法において、 前記第1のコアとして前記軸方向と直交する面に前記巻
    線溝となる円環状の凹溝を有する第1のコア材、前記第
    2のコアとして平板円環状の第2のコア材をそれぞれ用
    意し、該円環状の凹溝内に前記巻線を挿入した後、これ
    ら第1および第2のコア材を交互に積層し、これら積層
    された第1および第2のコア材の内周面を前記巻線が露
    出するまで研磨する工程を備えることを特徴とする回転
    トランス装置の製造方法。
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